2025年5月27日記者会見「令和7年第2回広島市議会定例会提出案件について」外6件
- 日時 令和7年(2025年)5月27日(火曜日)午前9時30分~午前10時15分
- 場所 市役所本庁舎11階第1会議室
市からの発表案件
令和7年第2回広島市議会定例会提出案件について
市長
6月11日(水曜日)に開会予定の令和7年第2回広島市議会定例会に提出する議案、これは一般会計の補正予算案など25件になっております。
まず、その補正予算案についてでありますけれども、今回の補正予算の規模は、お手元の資料にありますとおり「令和7年度6月補正予算の概要」に示しておりますけれども、2億5,924万4千円となっています。
その内訳といたしましては、まず、中央図書館等の移転整備であります。工事の支障となる配管等が複数確認されたことに伴い内装の形状変更及び配管の位置変更等が必要となったため、事業費を増額いたしました。
次に、(広島市)安佐自然体験交流センター(仮称)の整備についてです。耐震化・老朽化対策が課題となっている(広島市)青少年野外活動センター・こども村を再整備するため、設計・整備工事費等について債務負担行為を設定いたします。
次に、(広島市)北部地区学校給食センター(仮称)等の整備についてです。資材価格の高騰などに伴い、事業費を増額します。
以上の補正措置を行った結果、補正後における全会計の総予算規模は、1兆2,772億7,828万7千円となります。
最後に、予算以外の議案としては、広島市市税条例の一部改正案など条例案9件、その他の議案13件、専決処分承認案2件を提出いたします。
以上が今議会に提出する議案の概要であります。私の方からの説明は以上です。
記者
(広島)高速5号(線)の整備に関する議案が出ていますけど、全体では150億(円)ぐらい事業費が上がっているんですけれども、市の、このうち負担というのはどれぐらいあるものなんでしょうか。市の負担割合。
市長
負担割合。はい、どうぞ。
市職員
市の負担は150億(円)のうち37億5,000万円になります。
記者
他は。
市長
他は国、県等ですね。というふうになっております。県と市は同額ですから、内訳を言ってみて。
市職員
国が全体の35パーセント、県と市が25パーセントずつ、あと民間資金が15パーセントで、合計で100パーセントという割合になっています。
記者
今の質問に関連してなんですけれども、(広島高速)5号(線)、他の事業もそうなんですけれども、どんどん建設資材含めて高騰して事業費が膨らんでいることに対して、一部市民、まあ我々もかもしれないんですけれども、事業の先行きとか、どこまで膨らむのかなという心配する声もあろうかと思うんですけれども、そういった声に対して市長から何か受け止めですとか説明のお話があればお願いしたいんですけれども。
市長
いわゆる、この高速道路の整備事業なども含めて、今、市がやろうとしている事業費全般が高くというか増額になっていますけれども、これは皆さん多くの方がご存じのようにデフレ脱却するということでインフレ経済に、国内のいわば政策というか経済政策を切り替えたことでのインフレが顕著に表れている、そういうことなんですけれども、直ちに建設資材費が上がってくる。それから労務費の高騰ということで、この労務費に関しては労務費の高騰の割合に比べて、我々市民、国民が消費するもののいろいろなものが同時に値段が引き上がっていった面で、自分たちの賃金が十分賄いきれなくて大変だと、こういう悲鳴にも近い状況になっているんですけれども、この高騰がまず、いろいろな費用の高騰が原因ということで、これ自身は政府の中で、今言っているように、まずは賃金をちゃんと上げて、それで賄えるような好循環に持っていくための対策を一生懸命講じていっている中ですけれども、いわゆる過渡期的な問題として、いろいろなところでの費用高騰があるので、これを対処しなければならないというふうに思うんですけれども、ただ、値段が上がるから、じゃあ工事そのものをどうするかということについては少し冷静に対応していく必要があるというふうに考えていまして。一つは、やっている工事そのもの、それの中身は安全・安心に関わる対策については、きちっとやらなきゃいかんということで、それに伴う分、また当然、今の影響が出てきますけれども、いずれにしろ工事そのものを確実にかつ安全に進めるために必要不可欠であるということについては御理解いただきたいと思います。
そして、こういった問題を乗り越えていく上で最終的には、直ちじゃないとしても少し時間がかかるけれども、高騰費用を吸収していくという全体の水準が上がっていきますから、今ほど違和感がなくなってくるというふうに思うんですけれども、その際、改めて事業そのものの目的とか、そういったものを再確認していただいて、費用が上がっているけれどもやらなきゃいけないんだと、やるべきなんだという決意のもとにやっていることについての御理解をぜひお願いしたいというふうに思っているところであります。
そういう意味では改めて5号線のその意味、取り組んでいる意図を申し上げますと、まずこの5号線と高速1号線がつながるということになりますので、これを介して山陽自動車道と結ばれるということになります。そうすると、都市機能が集積している広島駅周辺地区をはじめとして都心から広島空港へのアクセスの、いわゆる定時性といったこととか高速性、これを向上させる。今までも言っていることであります。そして、もう一つは、高速2号線というものとのアクセスをきちっとするという計画、この中に入っておりますので、この2号線を介して広島呉道路、クレアライン、これは同時に今4車線化を進めておりますし、それから東広島・安芸バイパス、これもいったん通りましたけれども、これも4車線化という課題を引っさげながらやっていますし、明神高架、下部構造というか、高架が今着実にできていますから、そういったところを仕上げていくと、これらを通して広島市と東広島(市)、呉(市)を結ぶ道路網が完成すると。いわばトライアングルの都市圏形成ということを実は目指しておりまして、それを促すということにもなります。
そういう意味では将来にわたって広島市のみならず、この地域全体の活力、にぎわいを出すための基盤整備というふうな意味づけを持っていまして、本市にとって欠かすことのできない都市基盤施設になると、そういうふうに考えて進めております。そういう意味では(広島高速道路)公社には早期完成に向けての、しっかりした取組をやってもらいたい。財源問題については皆さん方の御心配あろうと思いますけれども、そういったことについて納得いただきながら確実に事を進めていきたいというふうに思っています。
記者
今、5号線、特に後半詳しくお話しいただいたんですけれども、今の市長のお話でいきますと、安心・安全のために理解を得ていきたいということ、あとは事業の目的を再確認して、やるべきことをやるという決意で進めていくというのは、これ今回、(広島市立)中央図書館ですとか、(広島市)北部地区学校給食センターですとか、そういった事業も同様の理由で増額となっていますけれども、これらの事業についてもやはり同じようなお考えということでしょうか。
市長
今言われたように予算面での費用増額は主に物価高騰といいますか、資材高騰、人件費高騰ということに対して、政府で、特に人件費を上げないと、そこで働く方々の給与上がりませんから、安いままで働いていたということ自身、不本意な状況になりますから、それやりながら、ただ改めて、そういった対応することの意義を考えていただけると、いわば次のステージに向けての大変な時期を乗り切るための目標意識の再設定ということをお願いできればというふうに思っています。
その他の質問
EXPO 2025 大阪・関西万博に来日した国家元首の広島訪問について
記者
今、(大阪・)関西万博(2025年日本国際博覧会)が開催中で、ナショナルデーに合わせて、日々、国家元首級の方々が大阪(・関西)万博に来られているということで、その中でも、また何人かの国家元首級の要人たちが自らの意向で広島に訪問されているという現象が立て続けに起きていると思うんですけれども、率直に受け止めについて教えていただけますか。
市長
元々、広島の平和について、その根拠となる「ヒロシマの心」を多くの方に直接、人という単位で広めることで、現下の国際情勢の悪化といいますか、危機的な状況を少しでも良くするという、そういう対応をしようということにして、いろいろな取組をしていると。その際に、一緒になって続けている「迎える平和」といいますか、来ていただいて、こういうことを、ずっと「ヒロシマの心」を訴え続けている理由を直接、自らの目で確認していただく。特に(広島)平和記念資料館へ行っていただいて、ものを見て、なぜ広島がこういうことを言うんだろうということを分かっていただく。それから、特に(原爆死没者)慰霊碑に参拝していただいた中で強調しているのは、慰霊碑の碑文が、被爆した方々の思いとの、いわば対話、ダイアログをする中で、その思いを受け止めていただいたときに、皆さんに是非、被爆者の方々に向かって言っていただきたい言葉をここに書いておりますと。「安らかに眠って下さい」ということを言うのは、実は我々がそういったことを二度と繰り返さないようにしますからと、そういう思いを伝えることで安心していただく、そのためにあるんですよと、そういう説明をずっとしてきておりまして。
そういう説明をすると、どなたも、私が今まで説明させていただいた方で、各国要人で、それは違うとか言われた方はおりません。むしろ、そういった崇高なというか、本当にすばらしいことを広島っていうのはずっと言っているんですねというふうな受け止めをしていただいていまして、その際、よく出てくるのは、特に自国でもいろいろな戦争行為を経験する、あるいは、革命的ないろいろな社会混乱を経験するんだけれども、それを乗り越えてきている中で、広島の原爆で、本当に灰じんと帰したまちがここまでなっている、そのゆえんは、そういったことを願い続けながら関係者の協力があってできたということなんだなということで、自分たちも深く同感だということは、大体の方に言っていただいています。
気持ちとしてというか、核兵器のない世界、平和を願う気持ちっていうのはすごく尊いことだと、こういうことを言っていただいていますので、個人レベルでのそういったお話がしっかりできるということは、ありがたいことだと思うんですね。それが今、(大阪・関西)万博ということで、万博のテーマも、未来を開くための人間の叡智がどんな状況かということを、この大阪万博で提示するという、それに関心があり確認するために来たと。その足で、日本まで行くんだったら広島にと、こういうことで、来ていただく方々そのものが、元々動機付けが、そういった思いに触れたいということをお持ちの方がほとんどでありますので、そういったお話が非常にスムーズにいくということなんですけど。ただ、そういった話の中で、理想を求めるということ、とても貴重なんだけど、なかなか世の中そのものがいかないということを、また多くの方、政治家ですから現実を御存じですから、その分、頑張りましょうというかね。その際に、私の方は、皆さん方、政治家ですから、そういう意味で頑張っていただきたいけれども、それを支える民意といいますか、市民レベルの思いを結集するためにメンバー都市を増やしているので、是非、国に帰ったらそこに参加する都市を増やすようにお手伝いをくださいというふうなことを言っておりますので、「迎える平和」ということをやりながら、平和首長会議メンバー都市を増やして、市民に直接こういうことを伝える機会の拡大に利用しているという言い方は失礼ですけれども、できておりまして、非常にありがたいなというふうに思っているところであります。
記者
最近、松井市長が国家元首級の方々を(原爆死没者)慰霊碑前に先導されるっていうのが、よく目にされるんですけど、先ほども少し触れられたんですけれども、特に、もし可能であれば個人名を出していただければ大変嬉しいですけど、一番とか二番とかではなくて、案内されて説明していた中で、おっしゃっていたことについて一番記憶に残る方とかっていうのはいたりされるんでしょうか。
市長
どなたというのはあれですけれども、一番話の中で類似したというか、共通項がありまして。特に核兵器を持っていない国で人口規模が小さいんだけれども、今に至るまでに国境線の変更があるとか、難民が出ている。そして、その独立戦争といいますか、独立するための戦いを近隣の国家とやり、国民に多くの犠牲が出たという国、その代表者にとりましては、特に直近で印象的だったのは、4つ5つの国に囲まれていて、いわば、独立を勝ち取るための戦争の中で、大人、成人8割から9割が戦死して、小さな子たちが、よく国を守るという戦争状況のために炭で顔を黒くして、女の子も男の子もして、何でって言うと、それは小さいんだけれども、子どもだと見て侮られないようにするために大人の風情にして戦うという、そういうことを経験した我々としては、こういうことが二度とあってはならんと。起こったことについて、その恨みを持ち越して、また仕返しをさせるとなると紛争が絶えないから、それを昇華するという、被爆者の中で恨みとか憎しみを乗り越えて平和を求めるという、それはとても重要だと思うというようなことを言われた方がおりました。それはすごく、直近ですけど。
記者
松井市長が慰霊碑に先導されて、(広島平和記念)資料館を視察されるっていうのが最近のルーティーンかと思うんですけど、なかなか、国家元首級の方々がどうしても時間もタイトだと思うんですけれども、大体30分程度ぐらいなのが結構多いなというふうに思っていまして、なかなか30分で、そこで被爆の実相というのを感じられるのかどうかっていうふうな疑問も湧いてくると思うんですけれども、市長としてどのように考えていらっしゃるのかについて(お答えください)。
市長
資料館の構造見ていただくと分かりますけれども、被爆の実相を見ていただくために、入り口でまち全体の状況、そして、人々の営みが分かるようなところ、それから、(佐々木)禎子さんの話とか。いわゆる、話題を展開しながら、被爆の実相を見ていただく展開にしていますから、それを、しっかり全部、しかも解説書などを見て、読みながらやると1時間は優にかかるという設定になっていますしね。
実際、1時間以上かけて見ていただける方もおられましょうけれども、スケジュールの加減で、今言われたように、30分ぐらいでという方もおられるんですけれども、でも、あの中に入って、あの雰囲気の中で、全てを十分は読み尽くせないとしても、部分部分、見ていただくことで、被爆の実相に触れていただけるということは、それぞれに、先ほど紹介したような対話ができるような方々であれば、きちっと、やはり「ヒロシマの心」というのを受け止めていただけるし、戦争がない、核兵器そのものがないことが、こういった事態を招かないということについての認識は深めていただいていると私は思っています。
ですから、時間が短いから、いい加減だろうとかっていうふうな受け止めじゃなくて、来ていただいて、そのことを、まず自ら、実相を確認するということをやっていただき、むしろ深く考えていただいて、自分たちの国に帰っての国政を展開する上で、あるべき姿を発見したのなら、あるいは確認できたのなら、それに向けての事態をどう動かすかということについて、それぞれの国での政策、政治の中で生かしていただくということを強く期待したいし、そのための動機付けにしていただきたいと、そのために一生懸命、説明しているつもりであります。
記者
明日はアイスランド大統領と、あと、ベルギー王国のフランス共同体首相かと思うんですけれども、今後とも、何か、それ以降に、また、国家元首級の方々が来られる予定っていうのは、すでに入られているんでしょうか。
市長
いや、まだ全部は聞いていないんですけれども、いずれにしても、今度、(大阪・関西)万博に来られる機会があれば、広島に寄っていただきたいということを、ずっと申し上げてきているので、それが大使館経由なんかではお願いしていますから、その効果が出てきているというふうに思っています。
それと明日っていうか、今週いっぱいは東京での公務と、それから、沖縄にも行かないといけないものですから、大統領への説明は、私自身できませんので、代わりに副市長辺りにやってもらいますけれども、いずれにしても、私個人じゃなくて、広島というまちを代表できるものは、そういった方々に対して、「迎える平和」の対応として、「ヒロシマの心」といいますか、そういったものをしっかりとお話しして、受け止めて帰っていただくということは、やり続けたいと。
とりわけこの(被爆)80周年っていう年になりますから、来てくださいというふうにお願いしている以上は、しっかりと、この思いを届けるということをやっていきたいというふうに思っています。
台湾に対する平和記念式典の通知について
記者
8月6日の平和記念式典ですが、今回、当初、発表の基準からさらに広げて、台湾に案内文を送ることになりましたけれども、これに至る経緯や理由について、ちょっと、改めて、市長から説明いただけないでしょうか。
市長
平和(記念)式典の開催については、ここでやりとりも1年やった中で、当初から申し上げていたように、広島がそれぞれの国の対応を評価して、来ていただくとか、そうでないというのを、私自身はやっているつもりはなくて、「ヒロシマの心」を受け止めていただいて、それを(平和記念)式典の会場で、ちゃんとやっていただけるかどうかということを、自分なりに判断して、やってきていまして、そこで、招待するという行為をすることで、それとは違った価値評価をしているというふうに見られますよっていうふうにお話をいただいたので、それならば、私の本来の目的をもう少し明確にするためにということで、招待という、こちらで決断して案内を出すんじゃなくて、案内をまず出して、ヒロシマの思いというものを、こういうふうな形で式典をやっているので、これを理解した上で来てみたいというふうに思っていただくのなら、連絡くださいと。で、来ていただく準備をすると、こういう手順を踏むやり方を改めて確認できたので、やるようにいたしました。
そうした中で、国を中心に、日本に、国連など認められた組織として、代表事務所を置いているところがあるんですけれども、ご存じのように、国内の事情で、そういったことができる、できないといった地域もあるわけですね。
そういった中で、この台湾、まさに、今、申し上げた、この部分にあたるわけですけれども、私自身は、そういった意味で、そういった案内を出すときに、元々は本市の考えを理解していただける人というか、人を単位に考えていく。その中に、国の代表者がおれば、その方にというふうなことで、やってきておりますし、それを自分なりに再確認できましたので、台湾の(台北)駐日経済文化代表処、これは国を代表する組織ということには、今なっていませんしね。
しかしながら、広島がこういった式典をやるのであれば、「案内状を届けてもらったら式典にも行きたいな」という御意見があるということを教えていただきましたので、それを確かかなということで連絡取りましたら、間違いないと、こういうことでありましたので、案内状を送るという処理をすることにしたところであります。
記者
いろいろと台湾を呼ぶことについては、いろいろ外部の方からも、そういうふうに台湾を呼んではどうかという意見が結構ありまして、それを受けて市長として考えた上で、そもそもの式典の趣旨に考えると外す理由はない…
市長
だから、そこも、私は台湾に案内書を出したということで、市長が台湾をどう評価しているかというようなことを、御心配というか、されたのかと思いますが、あくまでそうではないということです。
今、申し上げたように、「ヒロシマの心」を理解していただく方々、人々単位でなるべく多くの方が来ていただく。
そして、国は、国の代表、為政者にも来ていただくということをやるので、まず、理解してくださいという通知書を出して、そして、それで理解した上で出ようと、こういうふうに言っていただく方を来るなというわけじゃない、分かって理解してっていうことでありますから、その政治状況に応じて、その国、あるいは地域を首長がどのように認識しているかを、憶測で、こうではないですかとか、そういう質問とかいうことをされることそのものを、私は、やめていただきたいと思うんですね。今、申し上げた、「ヒロシマの心」を伝えるための対応を一生懸命やっているというところで、That’s Allです。全てであるということでお願いします。
天皇皇后両陛下の広島県行幸啓について
記者
先日、宮内庁の方からも発表がありましたが、6月19、20日に天皇皇后両陛下が行幸啓、広島にされるということで、戦没者、ならびに被爆者だけではなく、平成26年の土砂災害の復興状況を含めて、被災者に心を寄せられるということでして。これについての市長のお考えがありましたらお伺いしたいと思います。
市長
考えというか、ある意味で感想めいたものですけれど、最終的には本当に天皇皇后両陛下がおいでいただくことに関して、私自身は大変意義がある、意義深いことでありましてね。市民の皆さんと一緒に、両陛下の御訪問を心から歓迎したいというふうに思います。これが結論です。で、今上天皇におかれましては皇太子時代に、今言われた(土砂)災害のときに現地視察いただいて、そのときにも被害の状況を説明させていただくという機会がございまして。非常に、いわば国民の、そういった被害状況について御心配いただいて、励ましもいただくというようなことをやっておりましたので、そういった経験もあって非常に改めて来ていただけるということ、今度のいわば、訪問の中にも(豪雨災害)伝承館もね、行っていただけるということであるので、そのときのフォローアップというかね、どうなっているかということを、見ていただけるんじゃないかなというような思いも持っています。
それと同時に、広島の課題である恒久平和を願っている、核兵器廃絶を願っているということですから、今の戦後の皇室のあり方もこういったことを踏まえての中で、国民に対して自分たちというか、天皇家としてどういうふうな思いを持っているかという、それを実際に我々市民に直接見せていただけるというか、そういうとても重大なというか大切な機会だというふうに思うんですね。そういう意味で、最初申し上げたように大変意義深いことであるし、市民と一緒になって心から歓迎すると、歓迎したいというふうに思っています。
記者
民間の方では、(天皇陛下)奉迎(広島県)委員会というのが組織されているらしくて、湯﨑知事は名誉会長ということで就任されていらっしゃるんですが、市長は何か役などに就任されていたり、予定っていうのはあるんでしょうか。
市長
私も名誉顧問か何か。
市職員
広島県市長会の会長として顧問という立場で就任をしております。
市長
これは以前にも天皇陛下がお見えになったときに、県としてどういう形でお迎えしたかというのがあるので、そのときのやり方をもう一回復元するというか、再現しようということのように聞いています。
JR可部線の勝手踏切の封鎖について
記者
去年10月に死亡事故のあったJR可部線の勝手踏切についてなんですけれども、閉鎖をする方向という話を伺っているんですが、改めてその封鎖に至った経緯と、あと、ここ以外にも勝手踏切がたくさんあると思うんですけれども、その勝手踏切に対して、市として今後どういうふうな考え方で取り組んでいかれるかというところを教えていただければと思います。
市長
これと似た質問、以前にもありましてね。そのときにこの勝手踏切の経過なり、位置付けを御説明したんですけれども。その結果を踏まえて、地域の方々のある意味で了解を得られる中で、法律でうんぬん、規則でうんぬんではなくてですね、関係者の了解の上でこういった危険箇所を閉鎖するという了解が取れる環境ができたという判断を、市当局としてですね担当地区の者が、多分近隣の皆さんにお話しし、JRにも言ってですね、閉鎖することになったということでありまして。事の本質を皆さん理解いただいて、ある意味で話し合いで解決できるようになったということじゃないかと私は受け止めていまして、いいことだというふうに思っています。
記者
今回の例えば可部線の祇園の、去年10月に死亡事故があった勝手踏切、今回閉鎖するというふうに決めたところについては、やはりそういう死亡事故が起きたということで人命が第一だというか、危険な場所はなるべく閉じていくということですか。
市長
今申し上げたように、前回もきちんと言っているんですけれども、どこかが大変だと思って、強制的にやるような仕掛けになっていないというのが勝手踏切なので、その利用者の方とかね、そういった方々が、これまでの経緯とかも踏まえてやっていこうという、ある意味で関係者の方々の主体的な判断、配慮が深まって、処理ができるようになったというふうに捉えたいと思うんです。この種の類いの問題に関して、理由付けで安全確保のために、例えば行政がこういうふうに取り仕切ったとかいったことではないということでありまして。まさに地域の方々、関係する方々の了解の下で、それまでの慣例といいますか、取扱いを変えていこうという、その成果というかきっかけが、成果に結びついたというふうに捉えたいと思っているということであります。
「ワンミャツダフェスタ2025」の視察について
記者
この間(5月)25日に犬猫譲渡会、ワンミャツダ(フェスタ)に市長が視察されたと思うのですが、実際に御覧になられて、感想なり受け止めをお願いします。
市長
これは犬猫の譲渡会といいますかね、ワンミャツダフェスタ2025という名前でありまして。マツダ株式会社の中の有志の方が主催したイベントでありまして、行くきっかけは本市の動物愛護センター、ここに参加しているんでね、どんなイベントなのかなということで、見ておいた方がいいかなということで見てまいりました。
すごく多くの方が来ておられてね、約1,200人ぐらいかな、参加されたという報告を後で受けたんですが。確かに多く来ておられました。その動物愛護に関しては、多くの動物の愛護団体であるとか、愛護を推進する皆さん、それから、特にあの中でお話しした人は、高校のサークル活動している方とか、大学生の方とかもおられて、動物が放し飼いというか、されている。それで、動物そのものも気の毒だし、その放し飼いをされていることで、いわば自分たちが勝手に数を増やして、事故に遭ったりとか、その近隣に迷惑をかけるという、その問題事象をどう処理するか。大切にしたいんだけど問題を起こすための処理をどうするかということを一生懸命考えておられるグループだということが分かりましてね。ぜひそういう調和というか物事を、いいことを大事にしたいんだけれども障害があるそれをどう調整するかということについて一生懸命取り組んでおられるということが分かりましたので、いずれにしてもぜひ頑張ってくださいっていうようなところで会場をあとにしたんですけれども、その中で、我が行政として今やっている、動物愛護センターを中心にやっているのが、まず犬のしつけ方とかっていうこともやっているし、それから動物をかわいがるということをしないとしつけまでいかないということ、さらに飼い主のいない動物がいると放し飼いにされるからですね、譲渡をするというか、飼い主を見つけるための活動とか。
さらには一番悩ましいのは地域猫というのがありまして、その活動をどうするかっていうようなことをやられているということでありました。地域猫の問題については自分の住居の周りでも起こっていることでね、動物がかわいい、何とかしたいって、かわいそうだから餌を持ってくるんだけれども、餌をあげるだけでそのあとのことまで十分見きれない中で、かえってそこで繁殖して増えて御迷惑かかるかと。そうすると、当代、餌を与える相手そのものをかわいがるにはいいけど、それが繁殖することを止めながらかわいがる方法はないかということで、不妊手術をするとかっていう工夫をしてやっています。その際、その取組をするのに地域の方の理解と、餌を与える方々も一緒にきちんと話し合わないと。今度は動物を挟んで関係者同士が対立するということも起こっているっていうようなこともお話の中で十分に分かりましたので、地域共生社会でつくり上げた広島といっているんだから人間は当然として、そこで一緒に住む動物もその輪の中に入れてあげるというぐらいのことで、今やっている取組をいろいろな意味でしっかりしてくださいと、動物愛護センターを中心に市としても協力できることはやりたいと思います。そういうお話をさせていただきました。担当者もいましたので、その場で非常に和気あいあいとして、一緒に頑張りましょうというとてもいい雰囲気になりました。案内いただいて見させてもらい、いろいろなお話しできたことを非常によかったなというふうに思っているところです。
平和記念式典の案内文について
記者
先ほども一部御回答がありました、式典の開催を知らせる案内文につきまして質問させていただきたいんですけれども、市長からも人単位でと、「ヒロシマの心」の考え方を受け止めていただいた方にという御発言ありましたけれども、改めて、今回核保有国ですとか、紛争の当事国・地域も含めて発送をされますけれども、改めて、受け取った国・地域の方にどのように感じていただいて、どういうふうに、参加する場合は参加をしていただきたいかという思い、そして、そこに向けて市としてどのように準備を進めていきたいかというところを教えてください。
市長
繰り返しますけど、私は広島市長という立場でいろいろなことを言わせていただいている。それは憲法の前文でも、平和を、諸国民の、国民ですよ。多くの国民の平和を愛しているんだということを前提にいろいろなことをやっていこうという憲法の前文があり、(広島)平和記念都市建設法という法律で、広島市長が平和を象徴する都市をつくるための不断の努力をしなければならないとあるわけであります。そういう立場で申し上げるということで終始一貫していますけれども、核兵器があるということそのものが、戦争が起こった際にはそれを万が一使うと、人類そのものが破滅する可能性があると。
だから、そういったことのない世界をまず自分たちの理想の世界だというふうに標準を皆さん定めていただいて、現状そうではない。現に核兵器を持っている国があるわけですから、そういった国も第二次世界大戦直後は自覚して、国連という組織をつくって、核兵器をこれ以上広めないための国家システムを構築しようということで立ち上がって動いている。そうした中で、すでに核兵器を持っている国がある。被爆をして後悔をするよという国がある中で、そういった国を増やさない、核不拡散。持っている国はむしろそういったものを減らしていこう、核軍縮。そしてそれを発明する知恵をつくった以上、なくすということは難しいとすると平和利用していこうというこの3つの柱を立ててやるというお約束をして、国家自体でやろうということでNPT(核兵器不拡散条約)を1970年に立てました。しかし、現実の問題としてその運用がうまくいってなくて今の状態と、こういうことなんですね。そのときに各国の代表といろいろなお話しをすると、自分たちはやりたいと思うんだけど、よその国でそうやっていないところがあって、自分たちもいやいやながらというか、そういう言い方はしませんけれどもやらざるを得ないという状況を多くの方が分かっているので、だから、問題とすると相手国から何かすべきだと。自分の方から言うと弱みを握られるというようなことになるのでできなかったと。こういう説明をされます。
それを乗り越えるためには現状の中で同じレベルで解決しようとするんじゃなくて、本当にその方々がやっているのは自国の国民を安心・安全にするということであれば、他の国の為政者も同じように思っているんだから、同じように人々を大事にしようとする共通項があるんじゃないかと。そうすると、そういったことそのものを起こさないようにするための努力はしてくださいと。それを一番痛感しているのは原爆を落とされて殺されてしまった市民、そしてその被害を受け続けながらもそういったことそのものをこの地球上からなくしてくれと言っている方々の思いをしっかり聞けば、分かるんじゃないですかと。その繰り返しをやっている。ですから、現実の問題として難しいと説明される方々に向けてこそ、そうじゃなくてあるべき姿を分かっていただくための式典の開催、慰霊をしながらこの気持ちを伝えると。
だから、それをけなすとか汚す、そして自分たちのそういった行為態様の中で、有利にするための判断材料とか、だからその政争の具にしないでくださいということを申し上げ続けています。そこが一番私が言いたい「ヒロシマの心」平和への願いを政争の具にしないでください。あそこの市長がどっちに味方しているかも分からないとかね、そういう記事すら書かないでいただきたい。それを超えている。そのように受け止めていただきたいということであります。
※( )は注釈を加えたものです。
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