2025年10月22日記者会見「教職員によるわいせつ事件について」外5件

- 日時 令和7年(2025年)10月22日(水曜日)午後1時15分~午後2時00分
- 場所 市役所本庁舎11階第1会議室
市政記者クラブからの代表質問
教職員によるわいせつ事件について
記者
2点お伺いしたいんですけど、まず一つ目が、今全国で教職員による性的な事件というのが問題となっている中で、広島市立の小学校内でも、児童にわいせつをした容疑で教職員の男が、また児童のスカート内を盗撮した容疑で別の教職員の男が逮捕されるなど、広島市立小学校の教職員のわいせつ事件が続いております。現状に関する市長の受け止めと再発防止策について、お考えを伺いいたします。
市長
はい。本市の小学校の教員による、わいせつ事件に関しましては、教員という職にある者が負っております、子どもたちを教えて導くという、この重要な職務の放棄、それに当たると同時に、学校教育という教育制度そのものへの信頼を損なうというようなものでありまして、決して許されるものではないというふうに思っています。
その上で、被害に遭われた方々、その御家族のことを思いますと、大変心が痛むと、そんな問題かと思っています。そういう意味で再発防止対策が重要になるわけでありますけれども、これについては、教育委員会の方が第一義的に対応しておりまして、教育委員会からは、6月の末に学校教員がわいせつ事件で逮捕されたという通知を受けまして、7月に臨時の園長・校長会を開催すると、そこで服務規律の確保の徹底ということを図る、それとともに、各園・学校に対しての、夏季休業中に教職員一人一人に面談を行う、そして、校内研修で当事者意識を持つためのロールプレイの形式の手法の導入などするようにということで、改めて不祥事再発防止に向けた取組を進めるというふうな状況だったんだそうであります。
そうした中で、また事件が発生したこということを受けて、9月に改めて、臨時の園長・校長会を開催して、常に高い倫理観と使命感によって行動するようにと教育長が直接呼び掛けるとということをやると、それと改めて、校長が教職員と個別に面談を実施していると今聞いているところです。そういう意味では、教育委員会としてやるべき責務は、しっかりと自覚の上で対処していただいていると思うんですけれども、私自身からすると、そういった取組の基本といいますか、まずは先生方お一人お一人に寄り添うということまでやってもらって、どんな状況かということを把握しないと、適切な対策も出ませんから、寄り添うということをやっていただきながら、取組も丁寧に進めていただくということ。
そして、ある意味で市民の皆さんから教育に対する信頼というものについて、疑義が生じるということが起こってしまったので、その回復といいますか、やってもらうということ。二度と起きないような対策というもので、具体的にどうこうというのは自分自身まだ思いついていないんですけれども、これまでの筋として、根源的な取組ということでしっかり考えてやってくださいということを今伝えているところであります。対処策を考えていただいているというふうに思っています。はい、そんな状況です。
記者
教員のわいせつに関してなんですけれども、なかなか取材を進めてきている中で、非常に多い、件数としても非常に多いんですけれども、なかなか見抜くのが非常に難しいという声をよく聞いていました。現場からですね。
ただ、被害に遭うのは児童生徒なんで、本当に無くさないといけないと思うんですけれども、今おっしゃったような、根源的な取組っていったところで、実際にやっていくのは、市教委だと思うんですけれども、市長が考えていらっしゃる大事なこと、こういうことをやってほしいというのがあれば、もう少し具体的に今の考えをちょっとおっしゃってくださればと思います。
市長
最初申し上げたように、具体的にということですが、現場に直に張り付いているわけではないので、私自身もすぐにというのはないんですけれども、今申し上げたお話の中で基本的な部分はお願いしていると思うんです。
まず、「先生方一人一人に寄り添う」という、この意味は、先生方の働き方改革とかといったことで、勤務条件の問題でややもすれば、先生方の働きに関わる、外形標準的な手当はどうするかということに、相当、力を割かなきゃいけない中で、そういった状況の中で先生方お一人お一人が、そういうことをどう受け止めているか、自分が先生をやりたいということで、教職に就いている仕事です。職場環境がうまくいってない問題を何とかしなきゃいかんとなると、本当にやりたい仕事が十分できてないと思われる先生方がおるとすれば、そういった方々の、ある意味でのフラストレーションがたまるというようなこともあるかも分かりませんから、そうすると、そういった方々を、むしろしっかりと把握して、丁寧に話を聞いてあげることもいると思うんですね。
こういう整理の仕方で、働く時間を短縮して、合理化してという、その勤務形態の標準形は作るけれども、それを受け止めてやる先生方っていうのは、お一人で生徒複数を束ねて、いろいろな教育業務を行うわけで、ある意味でひとり親方みたいなもんですよね。
だから、そういったこと経験して、管理職に上がっている方自身、その経験する過程で、いろいろな思いもありましょうし、そのときに、自分の経験とかを踏まえれば、寄り添うという中で、先生方の気持ちなんかも把握できる。そうすると、そのときに、いろいろ、自分の問題意識とか、行動の傾向の違いはあろうけれども、自分たちが改めて教育ということについて責務を負って、大変な重責を果たすという立場にある、そういう人間として、できること、やってはいけないこと、やるべきこと。そういった話を、例えばするというようなことをやりつつ、対応するということができれば、相当数、いろいろな方の救済にもなると思うんですね。
ただ、そういうのは、理念的でありますから、実際の実務っていうのは、それぞれの年間こなす業務、月にこなす業務、日々こなす業務という、そういうものをちゃんとスケジュール化してないといかんでしょうから、そういったことを教育委員会という全体を管理する。
あと、それぞれの学校という個性がありますから、職場環境だって先生の希望とか、それまでの学校ごとの運営の確保ともあれば、そういったことも加味しながらやってもらわなきゃいかんと思いますので、そういう意味で、今言った根源的な部分を抑えるような対応策を、それぞれ、ケースバイケースで、できるように工夫してもらえたらなと思うんですけどね。一律にこうしようということで、機械のようにいけるもんじゃないというふうに思っています。
記者
今、おっしゃった中で言うと、教員の日頃の仕事の中で、例えば、フラストレーションがたまったりとか、そういうストレスがたまって、そういうことに及んじゃうという…。
市長
なるかも分かんないということですね。一例としての想像ですけどね。
しかも、起こしている方が臨時で業務しながら、ようやく正規で採用するとかいうふうになったという方々もおられますから、だから、正規として採用されるまでの、いろいろな御苦労もあるのかも分かりませんし、実際問題、教育の現場で、クラス担任で正規でやっている方、それを補強する、産休とか何かで臨時でたまたま来て、それまで、やりたい仕事に就けなくて、いろいろ来たけれども、ひょっとしたら、現場での教育実態を見ると、思ったことと違うかも分かりませんし、というようなこと考えると、一応、資格まで取って、先生をやろうという方ですから、はなから道を踏み外すとか、そういうことをやるような方がなっているとは思いたくないですから、そうすると、そういう思いに至る経過があるとすれば、そういったことにならないような、いろいろな対策を考えるという。それと同時に、今、学校群として、いろいろな事案を整理していかなきゃいけない、様々な課題がありますから、それとの兼ね合いをきっちりやるということなんです。
これは申し上げると、教職なんかは、言うは易く行うは難しのことです。ですけれども、やらなきゃいけないという、そんな状況ですから、学校、教育関係者、教育委員会及び、それぞれ、学校の管理者を中心に、もう一遍言いますけれども、寄り添う、丁寧に話を聞ける、そして、先生の基本をしっかりとやり取りできるというような、根源的な取組をやってもらえればというふうに思います。
記者
教員に対してのその寄り添いということですかね。
市長
もちろんです。
記者
例えば、大学とかで、教職課程の中で、何かそういった、わいせつ行為が及ぼす罪というか、そういったところをちゃんと指導していくとか、そういったところの何か、指導が不十分じゃないかっていう声も取材で聞いたりはしたんですけれど、その辺りの必要性というのは、どういうふうにお考えですか。
市長
私自身は、今言った、市として権限なり、所管の範囲でやれることということで、教育委員会に絞って言いましたけど、いろいろなこと、トータルで考えたときに、それは、先生になる前のプロセスで、先生のある意味で倫理観とか、職業意識とかいうものを、しっかりとやるということで、それから、教育すべき立場である先生を教育するという過程で、より徹底するということができれば、それは問題解消の一助には必ずなると思いますけれども、それだけでもいかんと。現場がいかに学んできても、現場がうまくいっていないと対応できないわけですから。
そうすると、それぞれのつかさつかさというか、それに関わる関係者が、今みたいにこういった問題が起こることに関しての根源的な取組として何がいるかという、そういう視点で教育課程での、もう少し徹底した倫理意識の高揚とか、自覚というようなことを教育課程でやっていただくというのも、一助になるんじゃないかと思います。
記者
関連なんですけれども、今回のわいせつ事案をめぐって全国で相次いでいることも踏まえ、ある学校では例えば防犯カメラとか、そういったハード面の整備っていうことも積極的にしているケースがあります。
広島市としては、まずその防犯カメラとか、そうしたことの体制をどういうふうにしていくかという何かお考えがあれば聞かせていただきたいというのが一点と、もう一つは、例えば現在の広島市の市立の小学校なんかでは、結構、携帯電話を私的に使わざるを得ないような状況があったりしていて、現場の教員が実際に自分の携帯電話を校内で使わないといけない、例えば教員同士の連絡のときに、そういった自腹を払ってやるというケースがあったりするというふうに聞いています。これちょっと、事務方の方の回答になるかもしれないんですけれども、そうした配備について何か計画があれば教えてください。
市長
今言ったような、先生方の個人の行動なり対応を律するために、意識付けとか考え方をきっちりやっていただくということが重要であるということで、それについて強調して申し上げましたけれども、そういったことをちゃんとやれるかどうかを検証するというか、そういう位置付けとして、今言ったように、校内にビデオとか監視するというのを設けるというのも一つの方法だと思います。
それは、今言った根源的な取組ということを各校で考えていただく中で、当然予算措置も伴うことだし、それらがどういうふうに役立つかということも含めて、一緒に考えていただくと。必要であれば教育委員会としても、必要な措置をするということに当然なろうというふうに思います。携帯(電話)の話そのものは、これは働き方改革にもある話、直接このわいせつ事案じゃないような気もするし、その携帯を使って撮影行為をするというようなことがあったから、その道具について関連でどう思うかということだと思うんですけれども、携帯そのものが教育現場に限らず、我々市の職員だって皆さん個人的に持っていますから、それを業務上使わなければならないという事態なのか、使う方が便利であるという事態なのか、その区分けもしなきゃいけません。
ですから、携帯を絶対に使っちゃいかんというふうな職場でもないと思いますし、それをある意味で、ざっくり言って悪用するというようなことをやることは厳に慎むということは、そういうものについての判断能力がなくて、持っているから一律に規制、それをさせないために、それに代わる機材を予算措置にするというのは、ちょっと話が飛んでいると思いますので、もし今回のような事案についての間違った使い方というのであれば、それはそれで先生方に、さっき申し上げた、一人一人に向き合うときのお話の過程でしっかり徹底していくということを、まずはやればいいんじゃないかなというふうに思います。
記者
確認なんですけれども、その防犯カメラっていうのについては、一つ可能性も含めて検討していくという、その段階だと理解してよろしいですか。
市長
はい、そう思います。
トランプ大統領への被爆地訪問要請について
記者
トランプ(米国)大統領への被爆地訪問要請についてお伺いさせてください。長崎市と連名でトランプアメリカ大統領に被爆地の訪問を求める文書を送付されたと思うんですけれども、改めて、被爆地の訪問を要請した意図と、大統領が来広された場合に感じ取ってほしいことについて、市長のお考えをお伺いします。併せて、要請後の進捗状況についてもお聞かせいただければと思います。
市長
被爆地の市長としての思い、要請した意図は、書簡に書いているとおりなんですけれども、改めて申し上げれば、現下の国際社会における対立と分断、そういった深まりの中で核兵器使用のリスクが一層高まっている。そして、さらに加えて、そういったことがあってはならないということをしっかりと言うことができる被爆者、そういった方々がいない時代が刻一刻と近づいているので、人類の岐路といいますか、大変な重要な岐路に立っているということを分かってくださいと。
そして、その上で、アメリカの大統領として、その立ち居振る舞いといいますか、考えていただくという機会にすると。いわゆる被爆の実相を見て、考えをしっかりとしていただきたいと、そういう意味で来てくださいということなんです。大統領がアメリカですから考え方とすれば、これを言うかどうかはあれですけれども、その原爆を落とした当事国だから、日本に謝りもしないのに、広島に来いなんていうのはおかしいと。呼び方についてもいろいろ配慮しなきゃいかんというふうな御意見もあるかも分かりませんけれども、私自身は、そういったことがあることも重々承知しながら、今申し上げたような状況だからこそ、広島というものを、ぜひとも直接しっかり自分で見て、今言ったようなことも含めて考えていただくと。そのために、平和記念資料館の見学とか、被爆者の証言を聞くということをやってもらえれば、そういったことについての疑念も飛ぶと。本当に「ヒロシマの心」というか、思いをしっかり受け止めてもらいたいということになると思うんです。
私自身、G7のときもあったけれども、各国の為政者が、いわば、記帳された文言を見ると、個人的なベースでは、ヒロシマのこの被爆の実相を見て、資料館や被爆者の方の話を聞くと、どなたもやっぱり原爆がないのがいいに決まっていると、それにつながるお話をされますからね。そういったことはきちんと確認した上で、それが理想に単にとどまるんじゃなくて、現実の政治を展開する上での方向性に、いくらかの影響を与えるような、そういう環境設定をしていく一助として、ぜひ来てもらいたいと、こういうお話をさせていただいています。
その後の対応なんですけれども、そういった状況なんですけれども、アメリカの大使館、外務省からは、今のところ一切連絡は来ていません。国内の対応をするこちらの首脳との調整の方が、まだできていないかも分かりませんけれども、こちらの話をする以前の状況が、まだ調整できていないんじゃないかというような気もしますけれども、いずれにしても、引き続き、長崎市と一緒になって、状況を注視しながら対応していきたいと思っています。
記者
今、アメリカ大統領たるトランプ氏に被爆の実相をどのように見てもらいたいかというところを改めて御意見をいただいたんですけれども、ちょっと一点お伺いをしたいのが、トランプ大統領御自身のといいますか、例えば、イスラエル、パレスチナの紛争に対するアメリカとしての介入に対する御自身の評価をXで、国際情勢に対する介入っていうところを盛んに発信をされたりはしていますけれども、そうした考え方であったりとか、トランプ氏自身の核に対する捉え方みたいなものを日々見られていて、市長としてどのように感じておられているのか、言える範囲にはなると思いますけれども、トランプ氏の発信ですとか、言説などを見られて、広島、長崎に足を運んでもらう意味をどう考えているかというところを一言いただければと思います。
市長
個人というのは、市長としてになるので。自分自身、直接まだお話ししたこともないし、仕事の関係でないんですが、マスコミ等を通じての情報で見るかぎり、ディール、取引といいますか、いろいろな相手とのやり取りが得意な方だというふうに言われていますから、この局面でいうと、政治取引が御本人として得意な人間というか、得意なパートだというふうなことをしっかり意識して、行為態様もその行為をしたことについての皆さん方への周知方法も、いわば、ディールの範ちゅうで、いかに効果的に演出し、物事を運ぶかということについて、ある意味でしっかりと考えて行動する方だなというふうには思っています。
そういった行為をして、いろいろな物事の外枠というか環境を整えながら、その中で自分が取引に関わる問題をうまく処理して、自分の環境設定、それから物事の取り扱いというものは、いろいろな意味で成功裏にまとまったよという、お話というか、物語を作るというようなことを常に考えながら、行動している方じゃないかなというふうに思っています。その中で、広島市長としてのお願いは、そういった現実の問題を対処するという局面で、現下の事案処理についてという視点でいろいろな成果を出される。その中でいいことも悪いこともあると思うんですけれども、それ以上に広島が心配しているのは一点、そういう国対国のディール、取り扱い、取引が、国対国の戦争の開始であるとか、核兵器の使用につながるような事態につながることのないような配慮をやっていただきたいと。できれば、それが完全に起こらないような核廃絶とか、恒久平和ということを願っているまちがあり、国があるということにも配慮した対応をしていただく。
それを考えるためには、理想というものについての理解がないと、そちらへ思考が働きませんから、そういう意味で、そういうことを考えていただく動機付けをしっかりすることができればなというふうに思っております。
ただ、そのチャンスがあるかどうかということと、大統領の頭の中に、そういったことを受け止める道筋があるかどうかということが、元々各国の為政者にありますので、それを確認しながら。もう一つ自分自身そういうことがあるので、それぞれの国の国民、市民というレベルで首長さん方と連帯して、市民意識の総意といいますか、みんなヒロシマの思っていること、そうだよと思っている方がいっぱい、世界中どこの国でも首長さんもそう思っていますよという状況設定をしたいと思って、平和首長会議の拡大とか、来る度にそういうお話を皆さんにしているという状況です。
その他の質問
新しい総理大臣について
記者
昨日、コメントも出していただいたかと思いますが、高市首相が昨日誕生しました。女性初の総理大臣というところで非常に注目を集めておりますが、そのことへの受け止めをまずお願いいたします。
市長
新たに就任された総理大臣ですね。市民生活に直結する物価高騰対策をいの一番でやるというようなお話しがあるように聞いていますから、まさにそれをしっかりやっていただくということと、少子高齢化対策、人口減少、そして、市に関わっている特に地域コミュニティの活力低下っていうのが課題山積していますので、そういった課題、取組に当たって、是非我々も頑張りますので、国としての役割をしっかり果たしていただけるような政策展開を期待しています。
本市として、とりわけ市政発展、あるいは市民の福祉ということを一生懸命やる上で、基礎自治体の責務を果たすために、もう一つ広域都市圏を設定して中核都市として、我が市のみならず全域の取組を一緒にやろうというふうなことをやってきていますので、そういったことをきちんと認知していただいた上で、引き続き国と連携した市政運営の取組ができるような政策展開をしていただくとありがたいなというふうに思っています。
記者
国と連携した市政運営等ということでしたが、今回、日本維新の会との連携に伴って、議員定数の削減というところが言われております。このことについて、地方の声が届かなくなるんじゃないかという懸念の声等もありますが、地方の中核都市を率いる市長として何かお考えですとか、受け止め、意見はございますでしょうか。
市長
議員定数そのものは、自分は不勉強ですけれども、小選挙区と比例区という仕掛けで特定の地域の中で1人の代表を出して、一定の地域、少し広い地域で、人数割合で議員さんを選ぶということで。いわば、地方の実情を反映するための仕掛けというものを考えながら、選挙制度を考える国政票での議員の人数は配慮されていますからね。
それが、全くそういう意見が届かないような地域が出てしまうっていうことになるような定数設定であれば、まさに地方の意見が届かないっていうことになりましょうけれども、人数の多寡で濃淡があるというような範囲であれば、議員の数の調整っていうことは理念的にはあると思いますね。
問題は、それぞれの代表者を決めるときに、一定の意見を代表する政党間のまとまりがありますから、このままじゃ市民の意見を代表する政党が全然通らなくなるというふうな意味で、間接的にその地方の意見が届かなくなるっていうことにもなると思うので、定数設定っていうのはそういう意味では相当複雑な方程式を解かないと問題が解決できない類いじゃないかなと思っていまして。解決策を得るためには、少し皆さんの議論というか時間がいるような課題じゃないかなというふうに思っていますけどね。
記者
時間がかかる課題じゃないかということでしたけど、今回、かなりスピード決着というか、議員定数を減らそうという方向にはかなり短い期間でなったかなと思うんですけど、それは、どう見ていらっしゃいますか。
市長
申し上げたように、今言ったような問題がないと言われれば、皆さん、了解すれば国会のレベルで。もし、今言ったようなことも考慮しなきゃいけないとなると、調整するという操作というのが、多少時間がいるんじゃないかなと思いますけどね。総論だけではなくて、各論まで詰めるという意味での、一定の時間を要する課題じゃないかなと思っていますけどね。
記者
今後、時間をかけて考えてほしいというところ。
市長
ほしいかどうかっていうのは、そういった問題を意識した上で議員の方々が判断していただきたい話だと私は思っています。
記者
高市総理、3年ほど前に非核三原則の最後の「持ち込ませぬ」という部分については、核抑止を働かせるために議論が必要じゃないかという趣旨の発言をされていますが、被爆地の市長として、非核三原則等の見直しに対する懸念ですとか、高市総理のそういったお考えに対する懸念ですとか、何かそういったものはございますでしょうか。
市長
これについては、私自身、平和という問題を考えるときに、いろいろな意見がある中で、自分の立場、今、広島市長として考えたときに、こういう問題を考えると恒久平和につながる道が険しくなるとか、塞がれるんじゃないかというふうに考える、そういうテーマであっても、そうじゃなくて、自分たちは、こうこうこうで、もっと日本がよくなるとか、世界がよくなるという考え方で議論される方が多分いると思うんですね。そういう意味で、いろいろな意見について決め打ちするんじゃなくて、議論するということそのものは、しっかりやるべきだと思うんです。その中で、問題は「Why」ですよね。どう考えているのか、なぜなのか。議論を封ずるというんじゃなくて、そうすることで広く市民社会の方々がその問題点を知り、自分たちとしてどう考えるかということになると思うんですね。こっちが正しいんでこれを信じろと、あっちの情報は聞かなくていいんだということをすると、結局、世の中っていろいろなものの複合体ですから、それをどなたかの言うことについていけば処理できるっていうのは、ある意味で民主主義からだんだん遠のくと。民主主義っていうのは、個々の方がいろいろな情報を知り、自分で考えてっていうことですから。先ほど言われた(非核)三原則について、言われたとおり検討する、議論するというレベルであれば、それを一概にダメということはないと。
そこできちんとお話しして、その上で、今まで日本国がその原則を守ってきていた。その良さ、値打ち、それを再確認するというふうな議論を深めていただくチャンスになるのであれば、それはそれでいいんじゃないかなというふうに思うんですけどね。
記者
高市首相に関連して、県内から広島2区の平口洋さんが法務大臣として初入閣されたんですけれども、そちらに対しての期待だったりとか、思いだったりとかっていう市長の思いをお伺いできたらと思いまして。
市長
平口さんは大臣になられる以前から、広島の市政などにおいても各区地元のいろいろなお困りごととか、地域の方々の意見をしっかり拾っていただいて、我が市にも伝えていただくし、伝える中で国として措置すべきものについては、国の方にもちゃんと申し入れしていただくとかっていうことで、非常によくしていただいて、貢献していただいているというふうな思いを持っています。
そういう立場で、長年、国会議員をやられて、いわゆる我が国の法務行政を統括するといいますか、そういう立場になられたことに対して、心からお祝い申し上げたいと思います。副大臣なんかもやられて知見もありましょうし。私自身はマスコミ情報なんかで見させていただく中で、特に外国人のこれからの扱いについての所管官庁にもなるというようなこともありますので、ぜひ、多様性を認めながら平和な都市にするといったときに、来られる外国籍の方、いろいろな形でおられますでしょう。
そういった方々が、今いる市民と、差のないような生活ができるような環境設定するためのいろいろな手続きをきちっと整えていただく。国政でどこまでやり、基礎自治体でどういうふうにやるというのは、その整理をするというようなことをこの際やってもらうと、私としてはありがたいんですね。外国人だから日本国民というか、今いる方々と違った扱いをするのが必然だ、当然だということではなくて。例えば、日本で0歳から生まれ、義務教育を受けて育っていく方々からすれば、日本語のしゃべれるか、しゃべれないかは、滞在年数と学習期間が違うから、いきなり成人になって来て活躍すると、言語、語学とか、そういったものの地域も違うでしょう。
そうすると、ある程度、この地域で暮らし、仕事もしながら、地域で地域の方々と一緒に物事をやるといったときに、そういう情報伝達手段をしっかり身に付けていただくためには、その方々に合うような学習の機会を別途用意するというようなことを、例えば国策としてやった上でとか、国が放っておいて地域だけで勝手にやってくれというようなことじゃなくて、国全体として、そういった方々の受け入れを、多様性を生かす国として、今何がいるんだというようなことも労働力としてじゃなくて人として、地域で暮らす人としての対策をどうするかというようなことまで、踏み込んで議論してもらえたらありがたいなと実は思ったりします。
広島県知事選挙について
記者
明日、(広島県)知事選が告示されるかと思いますが2つあって、一つは、どなたか特定の候補予定者の方の応援に入られる予定はあるのかというのが一点と、もう一点が、特に論戦が始まるわけですけれども、期待されているテーマだとか、深めてほしい論戦のテーマというのがあれば教えてください。
市長
前者の方、応援予定は特にありません。議論についても私自身、基礎自治体としての責務を果たすべくやっていますから、いわゆる県政において、広域自治体としてこういった基礎自治体、しかも政令指定都市という一定の広域自治体として持っている権限の一部をいただきながらやっているこの市政との政策展開をうまく調和させながら県民・市民にいわゆる還元するというか、いいねと言っていただけるような政策展開をしていただく、そのテーマを新たに知事が掲げていただき、投票いただく方々にしっかりと説明して、選挙戦、戦っていただけるとありがたいなと思っています。個別にどうこうということはありません。
高市総理大臣との面識について
記者
今回、高市総理が選出されたということで、これまでは2代連続、中国地方の総理だったわけですけれども、高市総理とは市長自身、前職時代も含めて何か面識というのはありますか。
市長
面識は、総務大臣かな、(原爆死没者)慰霊碑に参拝に来られたときにアテンドした記憶はあるんですけれども、確か。それ以外にあまりないですね。ただ今度、全国市長会の会長として(高市)総理にお話を聞くときには、結構、総務大臣として長期間されているんで、そういった理解が深い方だと思いますので、地方自治の見解について、いわゆる首長さん方の事情、考えをよくよく汲んでいただいての政策展開をお願いしますというようなことを、お会いするときには伝えたいなというふうに思っています。
拉致問題の啓発授業について
記者
拉致問題の啓発についてお伺いしたく思います。先日、拉致被害者の横田めぐみさん、彼女は牛田新町小学校に長く通っていたわけなんですけれども、彼女が61歳の誕生日を迎えまして、非常に長く解決まで時間がかかっているということを一つ表すと思っていまして。その中で広島市議会では6月議会で、(拉致問題)啓発作品の上映を学校に求めるという請願が採択されました。
一方で、学校現場にそういった上映作品を視聴させるというのは、当然学校現場の判断になるわけですけれども、一方で啓発の重要性というのは市長もよく認識されているかと思います。この学校現場において、そういった啓発をこどもたちにどうしていくのか、望ましい方法等々、市長の何かお考えがありましたらお伺いしたく思います。
市長
私自身は、先ほど申し上げたように、多くの方々が事実に起こったことを知るための情報提供というのはしっかりやる必要があると、それが基本だと思うんですね。それについてどう思うかということについての最終的な判断を、こういう考え方もあるよと、必ずそういった形で見せながら、でもこの事実をあなたはどう考えるかというふうな形でやっていただくのが自分にとっては理想なんですよね。
こういう事実は、こう考えなければいけませんよと、だからこうですよというのは、ある意味で一つの考え方ですから。事実をどう捉えるかということを否定するものではありませんけれども、そういうことを言うから、だからこういう考え方を教育できないか、そういうこと自身やっちゃいかんとかいう議論になると思うんですよ。それは避けるべきだと思うんです。というのが自分の(考え)。
ですから、それぞれ学校の校長先生方が考えるときに、今言ったことをしっかり受け止めていただければ、事実起こっていることを生徒さんに知らせて、これについてこう考える人がいると。それを皆さんの、今どう思うかということと同時に、大人じゃない自分たちが世間に出て考えるときにどうするかということを、ここで考えるというようなことをやっておいてねと。そういう教育のプロセスで取組をやるというのであれば、いろいろな問題についてそういう基本を貫いてもらいたいなと、私は思っていますけどね。
※( )は注釈を加えたものです。
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