2025年11月7日記者会見「被爆証言応答装置について」外4件

- 日時 令和7年(2025年)11月7日(金曜日)午後1時05分~午後1時53分
- 場所 市役所本庁舎11階第1会議室
市政記者クラブからの代表質問
被爆証言応答装置について
記者
先日「被爆証言応答装置」が完成しました。今後も試用を重ねて回答精度等を上げるとのことですが、完成した装置の御感想と、完成したことにより見えてきた課題について教えてください。また、装置をどれくらい増やしていくかなど、今後の方向性と、AI、VR活用に限らず、被爆体験を次世代に伝えるための新たな構想やお考えがあればお聞かせください。
市長
まず、被爆証言応答装置につきましては、5人の方、5人の被爆体験証言者の方の協力を得まして、昨年度から製作をしてきたものでありまして、その装置の完成披露会を10月20日に開催したところであります。
そこで私自身も、その開催に立ち会いまして、それに先だっての応答装置、実際に触れるという機会がありましたので、どうかということだと思うんですけれども。間違いなく、スクリーンにクリーンに映し出された等身大の被爆者の方とお話をしているような体験ができまして、なかなか優れものだなというふうなことを感じました。とりわけ、精度が高い画像でしてね、人の表情なんかもよく分かるようになっていましたし、また、双方向での対話ができるという装置でもありましたので、間違いなく被爆者の体験と、それから平和への願い、思いといったものを、対話を通じて次の世代に伝える新しい手段として活用ができるものだというふうに受け止めました。
こういった機械でありますけれども、課題としては、当然、確実に被爆者がいなくなる時代というのが来ますので、それを考えますと、被爆体験の継承の取組として、装置、せっかくできた装置を効果的に運用していくということ、これをしっかり工夫していかなきゃいかんなということが挙げられると思うんですけれども。その工夫の方向性として、いかんせん装置ですからね。現在のところ可搬型といいますか、持ち運びできるのは3台、それから常設型2台ということで、5台の装置が製作されています。
したがって、これをまずはフル活用しながら、うまくいけば台数の増加といったことを考えなきゃいかんと思うんですけれども、今やっている取組が市内の学校なんかで可搬型のものを使って、試行的に体験会を実施していますから、その中でいろいろやり取りを繰り返しながら、AIというのはどうも優れている機械ということを聞いていますので、その学習効果で質問とか回答のマッチングの精度といいますかね、聞いたことをちゃんと答えているなということが、もっともっと実感できるようにするための(精度)向上を図っていくというようなこと。それから体験した生徒さんや児童の方、あるいは教師の方にアンケートまで行いまして、具体的な工夫の余地、運用の改善余地があるかどうかというようなことを確認するという、そんなことが課題かなというふうに思っています。
それと、さらに別枠での検討ということになるんですけれども、昨年度から被爆証言応答装置の製作という、それと同時に関連のいろいろな資料の検索システムの構築ということにも取り組んでいます。これは市大(広島市立大学)の共同研究という位置付けなんですけれども、AIを活用して原爆関連資料を把握できるようにといいますかね、検索システムを作るというようなことをやっていますし、それともう一つは、そういったものの具体的な運用の事例になると思うんですけれども、平和記念資料館の方で、いわゆるこども向けの展示の整備を進めるということも同時並行でやっています。これについては、令和10年度オープンということを目指して、修学旅行生、こういったことを中心にこどもたちの平和学習、これを効果的に進めていくために、当然その際、被爆の実相の理解を深めてもらいながら、拒否反応が出ないように配慮するといったこともしながら理解を深めていただくと、そういったこともやっています。
いずれにしても、今後、今申し上げたような取組の他にも、何か新たなものがあればということを常に考えながら効果的な取組をしていこうと思うんですけれども、最終目標というかそういった取組、全体目標として、この広島がいわば国内においても世界においても、平和学習ということに関するメッカといいますか、拠点になるような、そんな意気込みでいろいろな取組をしていくということをやっていきたいなというふうに思っています。
クマ対策について
記者
2問目は、クマ対策について伺います。東北地方を中心にクマによる被害が深刻化しています。広島市でも先月、安佐南区でツキノワグマが駆除されました。直近5年間で広島市におけるクマの目撃情報は増加傾向にあるのでしょうか。また、人とクマの共生は難しい問題ですが、専門家の間では「冬眠せずにうろつくクマも出てくる」という指摘もあります。市として、市内のクマの出没について、どのように分析しておられるのかお聞かせください。加えて、国も対策に乗り出し、ガバメントハンターの確保などが打ち出されていますが、広島市としてどのような対策を進めるのでしょうか。
市長
まず、本市におけるツキノワグマと疑われる通報件数、これを申し上げますと、令和2年度に197件、翌年令和3年度は155件、(令和)4年度が118件、令和5年度が197件、令和6年度が233件となっておりまして、直近の5年間では大体年間100件から200件といったところで、増減を繰り返すという状況にあります。
なお、今年の4月から10月末までの通報件数を見ますと、105件。前年同期は177件ということで、今年は去年よりは少ないというふうなことであります。ここで「ツキノワグマと疑われる」というふうに申し上げましたのは、この件数の中には爪痕とか足跡の目撃で通報があったものがいくらかありまして、クマと特定できないものも含まれていると、こんな状況であります。
ちなみに、捕獲頭数で申し上げますと、令和2年度では13頭、令和3年度では8頭、令和4年度は6頭、令和5年度は7頭、令和6年度は12頭、今年度には、(令和)7年度は今のところ4頭と、こんな状況であります。
このクマの出没についての分析というか判断なんですけれども、北海道、東日本というか東北かな、こういったところでは市街地までもクマが出没するということが頻発化しています。ただ、本市におけるクマの出没ということにつきますと、主に森林と人の生活空間との境界線にあたる、いわゆる「山すそ」という辺りの出没が大多数でありまして、完全市街地というところまで至っていません。かつ、この出没地域・状況、大きな変化が見られない中で今の頭数というふうな現状であります。この要因は、本市では住宅地が山すそまで広がっている地域が多くて、森林と人との生活圏が隣り合っていますから、市街地というところまではいかないで、山すそに植えられている例えば柿の木、そういった樹木などの果実を求めて、クマが降りてきているんじゃないかなというふうに分析しています。
そういった中で対策なんですけれども、この対策については有害鳥獣対策という範ちゅうで考えていまして、この対策についてはクマのみならずイノシシとかシカと、こういったものも範ちゅうに入るんですけれども、この有害鳥獣による被害っていうのが農作物の被害だけでなく、例えば市街地、あるいは住宅地に出没して被害が出るということになれば、社会全体に深刻な問題を引き起こすということになりますから、市とすれば、これ自身を、いわゆる有害鳥獣による被害というふうな捉え方から、むしろ自然災害と同じように他律的な要因で起こってしまうという要素が強いということで、災害と捉えた上で、被害に遭う方々の被害対策を補強・補完するというんじゃなくて、直接行政が踏み込んで対策を実施していくというふうに、いわゆるパラダイムシフトした方がいいんじゃないかというふうな考え方を持っておりまして、その考え方に立って、「防除」とか「駆除」とか「環境整備」、この3本柱を立てて有害鳥獣対策に取り組んでいこうというふうな考え方を今持っています。
そんな中でクマの対策に関しては、先ほど申し上げたように山すその住宅地を中心にしまして、クマが出没しにくいような環境整備をしていくということと、同時にクマが出た場合、市民の安全確保を最優先にするということで、クマの捕獲、これを迅速かつ的確に実施していくということが重要じゃないかなと思っています。具体的に申し上げると、クマの出没、このクマが出るのを未然に防ぐためには、区の職員が、まず放置されている果樹、果実のある木の所有者に対しまして、適切な管理といいますか、取り残しがあったりしないようにというようなことを依頼するとともに、地域の方々に対して、生ごみであるとか、収穫残渣など、これを適切に、適性に処理していただきたいというようなことを申し上げている。こういったことは回覧板などをとおして通知をしているという現状があります。
次に、クマの捕獲に関しては、市民からクマと疑われる目撃情報が寄せられた場合に、本市の職員と、それから有害鳥獣駆除班員、これは猟友会の方々なんかもメンバーに入っていただいているものですけど、そのチームを組んでいる方々と一緒に現地に赴いて判断をした上で、実際にクマの出没が確認されて、市民の生命・財産に危険が及ぶ可能性があると判断されたときに、いわゆる鳥獣保護管理法、こういった法律を遵守しながら有害鳥獣駆除班が捕獲を実施するというふうな対応をしています。こうした中で、この度、国の方が法改正をして緊急銃猟制度なるものを新たに創設したという状況かと思います。この制度によって、クマなどの危険動物が人の日常生活圏に出没した場合、市民の安全確保、一定の条件を満たすならば市町村で判断を迅速に行った上で、銃による捕獲ということが可能になるということになったわけでありますが、この可能性は高まったんですけれども、一方で、この使い方、熟達してないと、事故が起こったりするということがあり、この事故発生時の責任の所在とか、市街地での安全確保というのは、なかなか難しいっていうふうな側面がありまして、実施するには、いくつかの課題も指摘されているというふうな状況かと思います。
国の方は、そういったことを踏まえて、課題整理を進めるということをやりながら、総合的な対策の検討を進めている状況というふうなことであるそうであります。
そんな中で、このガバメントハンターという問題も出ているようでありまして、この確保ということそのもの、それ自体が問題というよりか、そういった方々を緊急に作り上げるということについて、大日本猟友会、ハンターの専門家集団といいますか、そういったところから、要請が来ているという状況でありまして、その要請内容などを見ますと、どうも慎重に対処すべき点も多々あるんじゃないかなというふうに考えていまして、本市としては、まずは捕獲に使用する檻を増設。こういったことをやっていく中で、必要に応じて捕獲体制の強化を図るということをやっていきたいというふうに思っているところです。いずれにしても、今後とも体制の整備とか、捕獲者の確保、こういったことを行いながら、今申し上げた国の動向、これも注視して、市民の安全を最優先に迅速かつ的確な対応が行えるようにしていきたいというふうに思っているところです。以上です。
記者
ツキノワグマと見られる動物の件数について、区別の数字はありますでしょうか。
市職員
ツキノワグマと疑われる、区別の件数でございますけれども、令和6年度の事例で申し上げますと、安佐南区が39件、安佐北区が75件、佐伯区は119件の233件となっております。割合で申し上げますと、安佐南区が17パーセント、安佐北区が32パーセント、佐伯区が51パーセントとなっております。
記者
具体的に佐伯区のどの辺りとかっていうのはありますか。
市職員
119件ございますので、佐伯区の中でも散らばりはありますけれども、やはり湯来町が多いという状況になっております。
記者
ありがとうございます。それと、先ほどの今年の4(月曜)から10月末まで105件というお話だったんですけれども、捕獲についても4件という数字は、これは、同じ期間だという認識でいいですか。
市職員
4件につきましては、10月から11月の間でございます。
記者
105件中4件というわけではないんですね。
市職員
目撃件数と捕獲件数がございまして、捕獲の件数自体は、先ほど申し上げた、10月から11月の間で4件というふうになっております。
記者
ありがとうございます。それと、クマについては、各自治体にもいろいろな意見がある住民の方いらっしゃると思います。
例えば、そのクマを駆除するのがかわいそうだとか、そういった行政の姿勢に対する意見についての批判なんかも寄せられている自治体もあるかと思うんですが、広島市には現段階で、そういった意見の苦情なんかっていうのは届いていますでしょうか。
市職員
先日は、阿戸地区で、その捕獲が実施された際には、報道等々でされましたけれども、その際には何件か、やはり苦情がございました。
記者
具体的に何件か分かりますか。
市職員
お二人の方からございました。
記者
殺到しているという状況ではないと思うんですけれども、市長としては、そういった意見、一部であることも御承知だとは思うんですが、そういった意見については、どのように受け止めておられるかを聞かせてください。
市長
鳥獣という範ちゅうの前に、有害というのを付けているのは、基本的な問題を提示していると思うんですけれどもね。
鳥獣そのものは、自然界に住んで、人間と同じ地球上で暮らしているわけですから、こういった鳥や獣でも、日本固有の動物であるとかといったことで、どんどんどんどん工業化して、人間の居住地を増やしていて、彼ら(鳥獣)の居住地がなくなって、個体数が減ったということがいわれていた高度(経済)成長期辺りは、この保護がいるということで、いわば、環境省などが設定されて、今言われた、かわいそうっていう気持ちを最大限生かした上で保護を図るという、そのための法的根拠も作られるということがされまして、それで、多分、その頭数が増えるという状況が続いてきて、そんな中で成熟社会といいますか、日本が発展したあとで、徐々にそういった地域に住む方々が都会に流れていく、全体の人口が減るということで、居住空間に彼らが増えたけれども、餌の捕獲とか、そういったことが難しくなって、人が住むところとかにも出ているというふうなことで、こちらの方については、まさに、そこから有害ということが出て、農作物等の生産物を取って、経済的被害が起こると。
それで、それを駆除しようということで、こちらの方は農水省の方が、また関係法律を作って、そのための対策を講ずるという、せめぎ合いなんですね。そういった中で、それだけでは足りないから、人に被害が生ずるような事態に至ったときは、それを猟銃で確保するとかいうことで、市民、国民の間の皆さんの意見それぞれ、どれもが間違っているわけじゃないですよね。だから、人類というものが地球上で共存していく上で、適量な指数というか、生活環境をうまく整えて、お互い共存できるようにするということを根っこで考えながら、ただ、それを維持するための対策というものについて、必ずしも隔離されたものがないから、揺れ動きながら来ているんで、いろいろな御意見についても、そういったことを考える中で配慮していただきたいんですね。
これは、似たような問題で、地域猫とか、いろいろな、人間がそういったものを育てて、管理するということについて、限界があるものについての、必ず生じる問題でありまして、どちらが良い悪いとか一概に言うんじゃなくて、そういういろいろな意見を考慮しながら、皆さんがおおむね納得いくための対応をやっていくということじゃないかなというふうに思っています。
記者
先ほどのお話の中でも、緊急銃猟制度のお話で、事故が起こる課題もあるというお話ありましたけれども、今後何か、例えば発砲までの手順を学ぶような研修会などを広島市で開くなど、そういうことは何か考えていらっしゃいますでしょうか。
市長
今言われた対策は多分、国の方でも総合的な対策検討ということをされていますからね。そういったところで必ず出てくるんじゃないかなというふうに思います。実際、いわゆる猟友会の方々などが猟銃の資格を確保するのには、まず散弾銃が撃てるようになり、それで数年経験して的確に的を当てられるようになって初めて猟銃を使えるというふうに、トレーニング期間もいるんだっていうようなことをどうもいわれているようですから。例えば、警察官、自衛官の方はまた全然職務が違うから、そういう発砲するとかいうのは問題でしょうから、応援するとしても今回みたいに御一緒に行って捕獲するところまでね。いわゆる、銃器を使って撃つということまでは多分やらないし、警察の方でも、手慣れないと、小さな弾で撃っても、かえって動物を刺激して向こうが反撃するとか、そういう実態をよく知った方々のお話も聞き、それを踏まえた上で捕獲するトレーニングをするということになっていけば、そういった中で基礎自治体としてどういった対策を講じるか、おのずと決まってくると思っています。
記者
ちょっと確認なんですけれども、先ほど、ガバメントハンターについては専門家集団から慎重にすべき面もあるという御助言、要請があったというふうに市長はおっしゃいました。
つまり、広島市としては、今はガバメントハンターというのを進めるのではなく、檻の増設をしていくことで体制を強化したいというふうな意味であり、ガバメントハンターは積極的に進めるということについては今は慎重な姿勢だというふうに受け止めていていいですか。
市長
はい。もう少し、今申し上げたような、それにふさわしい方々が任命できるようなシステムとか、そういったものをまずやっていただいた方がいいんじゃないかなと思っています。
記者
今の質問で追加なんですけど、ガバメントハンターを急ぎ、広島でも捕獲とか駆除の人員的なところなんですけど、例えば猟友会のメンバーの数とか、そこら辺っていうのは十分にあるからっていうのもあって、ガバメントハンターはちょっと慎重にというところもあるんですかね。
市長
いや、猟友会そのものも、聞いていますと、それぞれ皆さん結構高齢化していて、若い人がどんどん入ってくるという状況ではないようです。実際、そういった狩猟活動そのものが日本全体で減っていますからね。ですけど、その技術を備えた方々は今申し上げたようにしっかりトレーニングして狩猟するということをされている。そういった方々が、特にクマのように、うまく仕留めないと、多少のケガをすると逆に襲ってきたりするとか、動きが速くて的確に撃つトレーニングを十分しておかないと危険ですとか。だから、北の方、東北の方であった、判例では市街地に出てきて銃を発射したところ、うまく当たらなくて、それが人に危害を及ぼすというふうになってしまったときには、法制でそういったことを、過失がないということを前提にやっていたら、事故が起こってしまったために資格者が資格を取り上げられるとかいうふうな結果になったりしているんだそうです。そうすると、相当熟達するっていうようなこともやるための訓練・システムを作った上でやらないと、ガバメントハンターはあなたですよと、なんていうかレッテル貼りとかの資格を授与するってそんなに簡単にできるものではないので、言われても具体的に養成されるまで相当時間もかかるんじゃないかと思うので、それはしっかりと内容を詰めてやっていただく。その間、何やるかとなると、今あったように檻を増設するとか、職員と猟友会の方々と、できれば警察など一緒になって、今の権能の範囲でよく協議してどういう形で捕獲するかということを丁寧にやっていくと。それを機動的にかつ迅速にやれるようにする方が先じゃないかなというふうに思っているということです。
記者
クマと疑われる通報件数が、今年度は前年同期比でちょっと低いということもあるんですけど、この要因をどのように分析されているかっていうところを。
市長
これも厳密に分析したわけではないんですけれど、担当者とかと話していると、東北の方は木の実とか森林の果実というか、食材が不作なんだそうです。だから頻繁に出ているらしいんだけれども、中国山地の方はそこまで不作でないということもあるらしいということでありますので、どんどん里に下りてこないというか、境界線上まで出てきてないんじゃないかなというような分析をしています。全てが正しいかどうかは分からないけど、一つの要因じゃないかなというふうに思います。
記者
有害鳥獣対策に関連して、他府県では猟友会への手当を増額するというふうな動きも見られます。広島市では、そうした動きって今後、検討されますでしょうか。
市長
それは、猟友会の方々の要望を踏まえてということですか。
記者
そもそも要望があるのかというところと、実際に何か具体的に、今後そういった手当を増やすっていうふうな検討っていうのは、今、されているんですか。
市長
どうぞ。
市職員
本市では2年前に、すでに猟友会、駆除班に対する報酬を増額しておりますので、一応、対応済みというところでございます。
市長
対応したのはクマではなくて、イノシシとかシカの一頭あたりを捕獲したときの単価を5,000円から1万(円)とか上げたよね。
職員
そうですね、はい。公共工事の単価並に増額をしております。
市長
ということで、一定の手当はしていますから、個々にすぐに上げてくれっていう状況じゃないんじゃないかなと思っていますけどね。
その他の質問
教育勅語の使用について
記者
高市首相が(11月)5日の国会、衆院本会議の代表質問で、教育勅語の教育現場での使用について、政府として活用を促す考えはないと明言されました。この発言を受けて、市としては、職員研修で教育勅語の使用を改める考えがあるのかどうかっていうところについてお聞かせください。
市長
今のそういう発言聞いてない、今のことで活用を促すことはないと言われているんですね。私自身、別に活用は促していませんから。
記者
研修で教育勅語の使用を…。
市長
それは活用じゃなくて、そういったものについての判断をする際の材料にということを申し上げた。活用するという範ちゅうじゃないと思っていますけれども。
記者
今後も使用を継続されるという理解でよろしいでしょうか。
市長
今のところ、教育勅語を活用するつもりではないし、職員にいろいろなことを学んでいただくための素材として利用しているということですから、はい。別に、総理の発言と矛盾するわけでも何でもないんじゃないでしょうか。
記者
活用を促すことではないけれども、使用をするっていうことですかね。あくまで、総理の…。
市長
総理とは関係ございません。
トランプ米国大統領の核実験の指示について
記者
アメリカのトランプ大統領の核実験の指示に関する発言について、改めて松井市長の受け止めをお伺いしたいのと、あと、これを受けて被爆者の方々も抗議活動をされました。市長としても、何か行動に移すとか、そういう抗議をされることが今後あるのか、お伺いしたいです。
市長
まず、受け止めに関しましては、実は、パグウォッシュ会議世界大会の基調講演の中で、発表するというか、言わせていただいているんですけれども、そのときの言いぶりを改めて申し上げますと、こういう言い方をしました。
「米国の大統領には世界を先導し、世界に平和をもたらす力があるはずです。我々、市民社会は、その言動がノーベル平和賞の受賞を推薦する人々の期待に応えるものであることとともに、他国の為政者に自国のことのみに専念するための口実を与えるものでないことによって、そのこと、つまり、大統領が先導して平和をもたらす力があると、そのことを証明していただきたいと心より願っているところです」と、そういう発言をいたしました。
その後の報道等によれば、核兵器の実験について、トランプ大統領は何らかの実験という発言にとどめたようでありまして、エネルギー省の長官が核爆発を伴わない実験であるという説明をされたようにも聞いていますし、問題はむしろ、こうした発言を受けて、ロシアのプーチン大統領が政権幹部に対して、核兵器の実験の準備作業を開始する可能性について提案するように指示するという、回りくどい発言があったというふうに聞いておりますから。まさに、こういったやり取りが起こるということ、そのことが、問題なんじゃないかと思うんです。そういう意味で引き続き注視していかなきゃいかんというふうに思います。
私どもが取っている対応は、今までも本市は、いかなる核実験、包括的核実験禁止条約っていうのがありますからね。そういった核実験が実施されることに対して抗議をして、再び実施することのないようにということを言い続けています。ですから、実際に核実験が実施されるならば、今後も核兵器を持ち続けるという明確な意思の表示になるし、核兵器廃絶を懸命に訴えてきた被爆者の願いとか、この願いに共感して一緒に廃絶を訴えてきた市民社会の思いにも背くことになりますので、断じて容認できるものではないというふうに思います。厳重に抗議したいと考えます。
記者
特に書簡とか、何か書面での文書を通知したりとか、そういうことはないですか。
市長
それは、核実験をしたという場合には、ずっとやるということをやっています。今回は、先ほど言ったような言い回しですから、そういう事態が起こらないように、本当に力があるのであれば、そういうことをしないような発言をする、していただきたいという言い方にとどめておこうと思います。
パグウォッシュ会議世界大会の受け止めについて
記者
パグウォッシュ会議に関連してなんですが、広島宣言というのが出されましたが、その受け止めをお聞かせください。
市長
読ませていただきますと、基本理念として掲げられているのは、「対立を超えた対話」ということのようであります。そういう意味で、まずこういった基本理念を掲げて核兵器の廃絶を目指して、長年にわたって取り組んでこられたパグウォッシュ会議。それが被爆80周年の節目の年で、この広島で開かれた。20年ぶりということですから、そういう意味で、まずこういった会議設定をうまくしていただいたということに心から敬意を表したいというふうに思います。
かつまた、この会議開催に当たって宣言を発する前、会議初日にシャハリスタニ会長を始めとして、参加者の方々が慰霊碑参拝、平和記念資料館視察ということで、実際の被爆の実相を自ら確認するということをやった上で、こういった会議を開催していただいたという、そういった点も着目をするならば、いわゆる広島の立ち位置を十分理解していただいた上での宣言だったんじゃないかなと思うんですね。実際、基調講演では、今、(申し上げた)トランプ大統領の発言についてコメントを加えながらも、主要な内容は平和記念都市建設法の理念、ヒロシマの心に通ずる理念などを御紹介させていただいたんですね。それに加えて、実際、宣言に至るまでに、小倉桂子さんの証言とか、高校生平和大使との対話、核をテーマとするいろいろなセッションを通じて、参加者皆さんでの議論を交わされた中で、私自身は「ヒロシマの心」というものを間違いなくしっかり取り込んだ上での内容になっているんじゃないかなというふうに思います。とりわけ、文言の上でも核のタブーというものが脅威にさらされていると、こういう明確な指摘をされていますね。そして、核戦争のある未来というものを回避するために、手法として対立ではなくて対話が不可欠と。こういったことが宣言の基調になっているというふうに思います。
もう一つは、それに対しての対処の仕方なんですけれども、宣言の中で科学者と専門家という集団で議論した中で、その人たちが構成する集団ということで、科学コミュニティという言葉を使われたと思うんですけれど、その科学コミュニティの方々が科学的な根拠であるとか倫理的な判断に基づいて、指導者なるものを導くための特別な責任があるということをまず明確にして、そしてAIなどの新しい技術がもたらすリスクに対処するために、断固たる行動を取りますという決意を表明されたということ。そして、この会議、それから被団協(日本原水爆被害者団体協議会)、こういった取組、さらには市民と科学者が良心を呼び覚まして未来を形成していける。そういった取組をやる中で、そういったことが証明できると。今、方向性も示されているということですから、全体を通じて市民社会、これが道徳面で平和のための原動力であり続けるというようなことが強調されたというのが受け止めで、平和首長会議などを使いながらというか、そういう立場で平和文化の振興ということを通じて、核兵器廃絶、市民社会の総意形成というようなことを言っていますけれども、これと、その発想というか考え方を一にするところはあるんじゃないかなと思っていまして、そういう意味でも大きな意義があったというふうに思います。そういう意味では、こういった考え方を御一緒できるパグウォッシュ会議と大きな潮流をつくるというような点で連携できればなというふうに思います。
西広島バイパス延伸工事について
記者
国道2号西広島バイパスの件で伺います。延伸工事、延伸に向けた工事が本格化して1か月あまりということですけれども、現状のいろいろ迂回だとか公共交通の利用とか時差出勤とか、市として呼びかけられていますけど、現状、この1か月を振り返って、実際、市長の率直な、想定よりも混雑しているとか、比較的、想定よりも混雑していないとか、率直な受け止めと、今、市が考えている対策というか、今後、引き続き、どういうふうなことを市民に呼びかけていかれるかという、この2点をお願いします。
市長
(国道)2号線の工事に関しましては、今使われている主要な道路のど真ん中を2階建てにするために工事をするわけですから、その道の使い勝手が悪くなる、かつ、悪くなるのが一過性じゃなくて、相当距離がありますから、相当の期間にわたって、そういった状況が生じる中で、切り替えた途端に、交通困難が生じるということは誰しも想像すること。その中で、しかし人間が経済活動なり、いろいろな生活をしていく上で、変化した中で、どう対処をしていくかというときに、いわば安定的な状況に推移する過渡期として混乱があるだろうということで、その混乱をなるべく短く、かつ小さくするためにということで、用意周到に対応するということを工事前に、皆さんにお話しし、マスコミにも、こういうことになりますよということを関係者と一緒になって、周知方々、お願いをする、御協力をお願いしたという経緯があります。
そうした中で、当然予測が100パーセント当たったわけではありませんけれども、混乱するという、やらなければもっと大変だっただろうということから比べれば、一定程度、効果のある対応をしていると思うんです。ただ、実際、中国新聞の記者が3人か4人に分かれて、実測してみて効果がということで、感想を述べる記事が出ていましたけれども、そういう意味では、まだまだ皆さん手探り状態なので、しばらくこういった状況が続くと思うんですけれども、最初の対策のときに聞いたお話は、人間っていうのは、対応を変化させていくということがありましたので、徐々に、この事態に慣れていただいて、しばらく続くではあろう状況の中で、通勤・通学とか、特に困難が予想されるものについて、利用時間帯の調整とか経路の工夫、その中で絶えず様々な事情・実情を加味していただいて、もう少し、混乱が小さくなるような方向性を皆で、もうしばらく探っていただくという期間が続くかなと思います。
できれば、年内ぐらいまでに、結構うまく流れるようになっているんじゃないかと言えるようになればありがたいなというふうに思っていますけど、もうしばらく渋滞みたいな状況が続く中で、それをうまくこなすこと。早く皆さんにマスターしていただけるように、そのための何らかの措置があるかどうか、引き続き、関係者に検討してもらって、工夫の余地があればそれをやっていくということで対処したいなと思っています。
記者
今のところ、今後の追加の対応・対策っていうのは、具体的にはまだ今のところまだ決まっていない、これから考えていくということですか。
市長
はい。ということになるかと思います。
※( )は注釈を加えたものです。
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