令和6年第15回教育委員会議(11月定例会)議事録
令和6年第15回 広島市教育委員会議議事録
令和6年11月26日(火曜日)、令和6年第15回広島市教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。
1 開会及び閉会に関する事項
- 開会 午前9時30分
- 閉会 午前11時41分
2 教育長及び委員の出席者
教育長 松井 勝憲
委員 秋田 智佳子
委員 伊藤 圭子
委員 西 敦子
委員 一橋 信之
委員 砂橋 昌義
3 事務局等の出席者
- 教育次長 木村 滋宏
- 総務部長 石橋 正啓
- 学校教育部長 宅見 雄二
- 指導担当部長 星野 和敏
- 教育センター所長 川口 潤
- 総務課長 田尾 雅之
- 教育給与課長 坂本 久美子
- 施設課長 井上 久也
- 教職員課長 森田 健嗣
- 教職員課服務・健康管理担当課長 中田 晋介
- 生徒指導課長 菅川 雄二
- 生徒指導課いじめ対策推進担当課長 伊藤 謙一
- 市民局生涯学習課長 木本 卓夫
- こども未来局こども青少年支援部青少年育成担当課長 大平 久美子
4 傍聴者等
1人
5 議事日程
議題1 令和5年度不登校・暴力行為・いじめの状況について(報告)
議題2 市長が作成する議会の議案に対する意見の申出について(代決報告)
議題3 教職員の人事について(議案)【非公開】
6 議事の大要
松井教育長
ただ今から、令和6年第15回広島市教育委員会議定例会を開会いたします。
本日は傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただいて、静粛に傍聴していただきますようお願いいたします。
なお、西委員は少し遅れて来られるとのことですが、定足数を満たしております。
本日の議事録署名者は伊藤委員と一橋委員にお願いいたします。
これから日程に入ります。本日の議題はお手元の議事日程のとおりです。
なお、本日審議予定の議題3につきましては、広島市教育委員会会議規則第5条第1項第4号「事務局及び教育機関の職員の分限及び懲戒に関すること」に該当することから、会議を非公開としたいと思いますが、御異議ございませんか。
(異議なし)
異議なしと認め、議題3につきましては、非公開として審議することに決定をいたしました。
それでは議題に入らせていただきます。発言者は簡潔明瞭に、全員に聞こえる声で発言をしていただきますようお願いいたします。
まず、議題1「令和5年度不登校・暴力行為・いじめの状況について」を議題とします。
本件は報告案件です。内容につきまして、生徒指導課長及び生徒指導課いじめ対策推進担当課長から説明をお願いいたします。
生徒指導課長
それでは、議題1「令和5年度不登校・暴力行為・いじめの状況について」、報告をさせていただきます。なお、8月の教育委員会議におきまして、「事務点検・評価報告書」についての協議の際に、この不登校等の各項目につきましては、人数や件数及びその推移等を速報値として説明しておりますが、本日は、10月31日に文部科学省が全国の調査結果等を公表したことを踏まえ、お手元の資料に沿って本市の状況やその分析等を改めて報告するものです。
まず、不登校から説明をさせていただきます。説明資料の3ページ、1番下、小・中・高合計の表を御覧ください。
令和5年度の不登校児童生徒数は、小・中・高等学校合わせて3,857人で、前年度より368人、割合にして10.5%増加をしております。不登校児童生徒数は全国、指定都市と同様、毎年増加を続け、本市では、ここ5年で約2倍となっております。この不登校児童生徒が増加した要因といたしましては、児童生徒の休養の必要性を明示した「教育の機会確保法」の趣旨が浸透し、保護者の児童生徒の学びに係る意識も多様化していることや、近年フリースクール等の民間施設が急激に増え、児童生徒の特性等に応じて、多様な学びの場、学びの形が提供されるようになったことも影響していることなどが増加の要因であると考えています。
続きまして、説明資料の4ページを御覧ください。
下側に、「3 欠席日数別人数・割合」のグラフと表を載せております。この表は、不登校児童生徒の欠席状況のうち、30日以上49日以下欠席している者、50日以上89日以下欠席している者、90日以上欠席している者とで大きく分けた上で、90日以上欠席している者を、さらに11日以上の出席の者と、出席日数が10日以下の者に分けて示しています。言い換えますと、表の右側に行くほど欠席が長期化、左側に行くほど不登校児童生徒ではありますが、登校できている日数が比較的多いことを表しています。90日以上欠席する児童生徒というのは年間を通じて考えますと、平均して週の半分以上欠席している児童生徒ということになります。円グラフに示しておりますとおり、この90日以上欠席した児童生徒の割合、グラフで言いますと色が黒い部分と濃いグレーの部分ですが、小学校では約40%、中学校では約60%となっておりまして、中学校の方が、欠席が長期化する傾向にあるということが分かります。
説明資料の5ページを御覧ください。不登校児童生徒が相談・指導等を受けた機関や学校の教職員の状況等についてです。
学校における不登校児童生徒への支援につきましては、まず担任等が、児童生徒が登校してきた際や、また家庭訪問などの際にその児童生徒から思いを聞きます。そうした児童生徒の状況を基に管理職や教育相談・支援主任等が中心となり、児童生徒の状況に応じて、学年教員であるとか部活動の顧問、あるいはスールカウンセラーなどが参加をいたしまして、「チーム学校」としてアセスメントを行い、学校全体として支援をしていくようにしております。
こうした状況の中、より専門的な相談・指導等を受ける必要があると考え、支援につなげた児童生徒数が、下の表の上から2枠目に当たります、「学校内や学校外で専門的な相談・指導等を受けた人数」です。学校内外で不登校児童生徒が相談・指導等を受けた人数は、小学校は703人で全体の約48%、中学校は863人で全体の約42%でした。その中で最も相談・指導等の人数が多かったのは、上のグラフからも読み取れますように、小・中学校ともスクールカウンセラーでした。また、2番目に多いのが小学校、中学校とも病院、診療所という結果でした。不登校の要因というのは個々の状況により様々ですが、引き続きスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門家を加えた「チーム学校」で協同的なアセスメントを行い、学校や教室が安心して過ごせる居場所となるように取組を進めていく必要があると考えています。また、学校以外の居場所、学びの場として「ふれあい教室」の充実が図れるよう、所属する学級や学年の様子が分かる掲示であるとか、ICTの活用など環境の整備を進めるとともに、ICTを活用した学習支援の充実や人間関係の構築に向けたコミュニケーション活動の充実を図る必要があると考えております。
続いて、資料6ページを御覧ください。暴力行為の状況です。
本調査での暴力行為の定義とは、「故意に有形力、つまり目に見える物理的な力を加える行為」となっております。1番下、小・中・高合計の表を御覧ください。令和5年度の暴力行為の発生件数は小・中・高合計で2,208件となっておりまして、令和4年度と比較して239件、割合にして約12%増加しています。暴力行為の発生件数も全国、指定都市と同様、年々増加しているという状況です。
この暴力行為の発生件数が増加した要因といたしましては、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことから、児童生徒が直接やり取りする機会が急増したことや、ここ数年に及ぶ対人関係の経験不足などにより、自分の思いを伝えることや他者の願いを聞くなど、児童生徒がうまくコミュニケーションを図れないことによるトラブルが増加したことなどが背景としてあるのではないかと考えております。加えて、本市では「いじめ見逃しゼロ」を目指して、いじめの積極的な認知を進めておりますが、いじめのうち、叩いたり蹴ったりするなどの行為があった場合、正しく暴力行為としても扱うよう指導していること、些細な喧嘩やトラブルの際、肩を押したり背中を叩いたりするような行為についても、暴力行為として報告するようにしていることなどが影響しているものと考えています。
また本市においては、頭部への行為や痛みが伴うものなどに関しては、積極的に病院受診を勧めていますが、その中で病院受診したケースというのが小・中学校では約8%と、重大な暴力行為の報告はほとんどない状況であります。引き続き、暴力行為の積極的な認知を行い、軽微なうちに暴力行為を止めるように指導し、暴力行為を繰り返し行うことがないようにしていく必要があると考えております。
説明資料の7ページを御覧ください。暴力行為の形態ですが、小・中学校とも生徒間暴力が最も多く、小学校が1,150件で全体の76.2%、中学校は534件で全体の77.1%を占めています。学年別加害児童生徒数では、小学校では2年生が、中学校では1年生が最も多い状況となっております。先ほども説明いたしましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴いまして、学級集団の分断、人との関わり不足など低学年の児童にとって本来経験したであろう相手との直接のコミュニケーションの機会が減少していたことにより、相手の心情を察する力の育成や、年齢相応の意思疎通ができていないという可能性があるのではないかと考えています。また、特定のこどもが繰り返し暴力行為を起こしてしまうという事例も一定数見られます。こうした事例では、加害児童生徒に、感情のコントロールがうまくできなかったり、発達上の課題が見られたりすることもあることから、学校だけではなく関係機関等とも連携した継続的な取組が必要であり、学校は個々の児童生徒の実態に応じた対応ができるよう粘り強く取組を行っているところです。
暴力行為の未然防止といたしましては、児童生徒が落ち着いた雰囲気の中で安心した生活を送ることが前提となるため、児童生徒同士、児童生徒と教職員の信頼関係の構築や自分の感情を言葉で上手に伝えるコミュニケーション能力の育成が重要であると考えておりまして、本市におきましてはMLB教育やライフスキル教育の充実を図っているところです。引き続きスクールカウンセラー等と連携し、怒りの感情やストレスが生じた際にどのように対処すれば良いかというアンガーマネージメントやストレス耐性を高める取組などを進めていきたいと考えています。不登校、暴力行為に係る報告は、以上です。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
それでは、続きまして、いじめの状況について報告します。
資料の8ページをお開きください。「1 いじめの認知件数及び1,000人当たりの認知件数」についてです。
1番下の表を御覧ください。本市のいじめの認知件数は、小・中・高合計3,923件で、これは令和4年度と同じ件数となっています。1,000人当たりの認知件数で見ると、政令指定都市や全国と比較すると少ない数値となっていますが、本市も全国と同様に増加傾向にあります。これは各学校における定期的なアンケートや教育相談、教職員による日々の様子の観察など、いじめを見逃さない取組が進んでいることや、これまでのいじめ防止等に向けた体制強化の取組の効果が定着してきていることが表れていると考えていますが、引き続き、いじめ見逃しゼロを目指し、教職員のいじめに対する意識や感度を高めていく必要があると考えています。
資料の9ページをお開きください。「2 いじめの認知件数の学年別内訳」を御覧ください。
令和5年度と比較して、全体的に微増または微減の傾向が見られる中、中学校1年生では増加が少し目立っています。本市の傾向としては、令和4年度、5年度ともに、いじめの認知件数は小学校高学年の段階で一旦減少していますが、人間関係や学習環境などが大きく変わる中学校1年生で増加し、その後再び減少しています。
続いて同じページの下、「3 令和5年度に認知したいじめの現在の状況(令和6年3月31日現在)」を御覧ください。3,923件の認知件数に対して、77.5%が解消しており、22.4%は解消に向けて取り組み中となっています。国が示しているいじめ解消の判断基準は、いじめに係る行為が止んでいる状態がおよそ3ヶ月継続していること、被害児童生徒が心身の苦痛を感じていないことの2点があり、1月以降に認知したいじめについては行為が止んでから基準の3カ月が経過していないことから、基本的に解消に向けて取り組み中に分類をしています。この解消に向けて取り組み中の事案について、生徒指導課では解消の基準である3カ月が経過した令和6年6月末時点での状況を調査しており、この時点では98.4%が解消していることを確認しています。残りの1.6%については、行為は止んでいるものの本人や保護者の不安が続いているものや、加害が不明で学校が慎重に見守りを継続しているものがほとんどです。なお、その他の0.1%については、いじめの問題による就学先の指定変更したものが該当します。
資料の10ページをお開きください。「4 いじめの発見のきっかけ」を御覧ください。合計では、当該児童生徒の保護者からの訴えが最も多く、28%となっています。続いて、本人からの訴えが26%、アンケート調査など学校の取組により発見が15.8%という順になっています。校種別で見ると、小学校では保護者からの訴えが最も多くなっていますが、中学校、高等学校では本人からの訴えが最も多く、特に高等学校ではおよそ半分の47.8%となっており、発達段階に応じて自らSOSを出せるようになっていることが伺えます。
これは、令和3年度末から順次、支持的風土の醸成された学級作りのためのハンドブック、そしてハンドブックの実践編を教育委員会で作成・配布し、自己の存在感を実感でき安心して過ごすことのできる学級作りを進めていることや、児童生徒本人の心の成長に加え、SOSの出し方に関する教育、いわゆるMLB教育を実施し、心の回復力を高めるとともに、困った時にSOSを出すことができるこどもの育成に取り組んでいる成果であるとも考えられています。引き続き、これらの取組を推進し、いじめの未然防止等に努めるとともに、いじめ見逃しゼロに向けて教職員のいじめに対する意識や感度を高めていく必要があると考えています。
以上で、令和5年度不登校、暴力行為、いじめの状況についての報告を終わります。
松井教育長
ただ今の説明について、御質問等がありましたらお願いいたします。
秋田委員
暴力行為は、いじめに該当するという説明がありました。要するに、いじめの中に暴力行為が含まれて、暴力行為でないいじめと、暴力行為のあるいじめがあると思うのですけれど、この被害者と加害者について、教員の方には加害者に対する生徒指導だけでなく、被害者に対する支援も常に忘れないようにしていただきたいと思います。
また、今年、教育センターのいろんな研修に参加させていただき、発達障害のお話もされていたのですが、特別支援コーディネーターが非常に有効な、重要な役割を担っていると感じています。各学校の特別支援コーディネーターの方々も非常によくやってらっしゃると思うのですが、やはりこういった、不登校、暴力行為、いじめなどのいろいろな取組を進めるためには、その特別支援コーディネーターがこうした問題に目が行き渡るように、担任を持ちながらではなく、学校全体を担当できるように、専任の特別支援コーディネーターを増やしていくべきだと感じました。
最後に、以前、広島みらい創生高等学校の未来図プログラムを見学させてもらいましたが、非常に素晴らしい取組をされていて、こうした取組を他の小・中・高にも広げていただきたいと思っています。先ほど、MLB教育でアンガーマネージメントや自分の特性を理解する等、いろいろと取組をされていたと思うのですけれど、その中にも、未来図プログラムをどんどん取り入れるような形をしていっていただければと思います。以上です。
生徒指導課長
まず、暴力行為における被害児童生徒の支援につきましては、スクールカウンセラーへの相談を勧めているとともに、積極的な病院受診を勧めております。被害がひどい場合には、警察とも連携しています。引き続き、被害を受けた児童生徒が安心して学校生活を送れる環境にしていくよう取組を進めてまいりたいと思います。
それから、特別支援コーディネーターの重要性についてですが、事案が起こった際の対応を学校としてどのようにこれから進めていくかという会議の中には、当然、特別支援コーディネーターの先生に入っていただいて、チーム学校として進めております。これからも特別支援コーディネーターに積極的に関わっていただきながら対応していきたいと思います。
最後に、MLB教育は、現在、小・中学校の指導案の改訂作業を行っており、今後も随時、内容を見直し、改訂していこうと思っておりますので、先生がおっしゃられたように、広島みらい創生高等学校での取組も参考にしたいと思います。ありがとうございました。
伊藤委員
教えていただきたいのですけれども、暴力行為があり、いじめにも該当する場合は、いじめの方にも暴力行為の方にもカウントするという理解でよろしいでしょうか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
はい。暴力行為のうち、生徒間暴力につきましては、基本的にいじめの認知件数としてもカウントするようにしています。
伊藤委員
生徒が教師に対して暴力を振るった場合は、暴力の方だけということですね。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
はい。
伊藤委員
分かりました。6ページと8ページの図を見ますと、本市はいじめの方は全国よりも下回っておりますが、暴力行為の方は全国よりも増加傾向にあって、件数が多くなっております。これは、いじめの中でも暴力を伴うものが多くなっているという認識でよろしいでしょうか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
暴力行為については、先ほど御説明しましたように、いじめとしてカウントしておりますので、広島市では、いじめの中でも暴力行為に関するものが多くなっていますが、それ以外の冷やかしやからかい、悪口などが一番多くなっている状況です。
伊藤委員
全国に比べて、広島市はやはり暴力行為が多いということですか。
生徒指導課長
軽く小突くであるとか、少し手が出た段階でも、いけないことだとして、暴力行為として対応をしているため、広島市が全国より数が多くなっている要因かと思っています。小さい芽のうちに摘むことで、その子が2回目、3回目を繰り返さないように、律していくことが大切であることから、指導しているという状況の結果と考えております。
伊藤委員
暴力行為に関しても、軽微なものも拾っているので、全国よりも高くなっているということですね。9ページの一番下の表を見ると、ほとんどが解消しているということですので、先ほど秋田委員から出ましたけれども、アンガーマネージメントに関する教育ということで、より徹底していただければと思います。
もう一つ、5ページの下の表「不登校児童数」の一番下、「教職員から相談・指導を継続的には受けてない人数」が4.1%いらっしゃいますけれども、この方々は、教職員とあまり関わりがないということでしょうか。
生徒指導課長
令和5年度に関しましては、この158名全員、何らかの関わりは持てていますが、文科省の調査の「継続的に」という部分が、週に1回以上、定期的に関わりが持てている児童生徒となっており、その数字が下から2段目のようになっております。定期的ではないですが、月に1回、あるいは不定期に家庭訪問し、こどもの姿が確認できたりであるとか、やっと顔を見せてくれてお話ができたりするという状況の子たちは、「継続的に」という部類には入らないので、表の一番下の数には入っているのですが、御心配されているような、先生や学校と全くつながりが持てていないという児童生徒については、令和5年度に関しては、いないと認識しております。
伊藤委員
国の方で、週1回以上継続的となっているわけですね。
生徒指導課長
はい。
伊藤委員
お子さんの状況によっては、毎週来られても、かえって嫌な思いをする場合もあるかもしれませんね。はい、分かりました。
一橋委員
不登校、暴力行為、いじめと三つ並んでいて、文部科学省で決まっているのかもしれませんが、この三つは、それぞれが原因あるいは結果というような関係になっているのでしょうか。この三つのデータを並べられた理由をお伺いしたいです。
生徒指導課長
全部が全部、直接的な原因になっているものとは思ってはいませんが、いじめが原因で不登校になるであるとか、あるいは暴力行為がいじめにつながっているであるとか、そこから不登校になるであるとかなど、不登校、暴力行為、いじめというのは、やはり三つがそれぞれ関わり合っていると捉えています。
一橋委員
例えば、暴力行為の件数は随分上がっていますよね。自治体による定義が違っていたら、数字は比べにくいですけれども、いじめの認知件数は小学校の令和5年は約2,800件で、不登校は約1,400件。中学校のいじめの認知件数は約1,000件で、不登校が約2,000件となっています。
これは、いじめと不登校が関係するとしたらですけれど、小学校の方が、いじめられていて学校に行きたくないけれども、まだ小学生だから親から行きなさいと、あるいは先生も含めてかもしれませんが、半数がある程度無理やり学校に行っている。中学校になるとだんだん自我が出てきて、いじめられたらもう学校に行きたくない、親が何を言おうが行きたくないと、学校に行かない人も増えるというようなことはあるのでしょうか。
生徒指導課長
おっしゃるとおり、年齢発達による差はあろうかと思います。先ほども、中学校・高校が少し長期化する傾向にあるとお伝えさせてもらいましたが、やはり小学生は行きたくないなと思うところがあっても、少し後押しがあれば行けるようになるだとか、あるいは、ふれあい教室という学校以外に通える場所を設けているのですが、そこに通いながら、だんだんとまた人との関わりが取れるようになって、学校に復帰した小学生が多いという数値もありますので、やはり小学生が復帰する率は高いと思います。中学生は、先生がおっしゃるように、自我が芽生えて、行きたくないという気持ちが行動につながっているというようなところはあろうかと思っています。
一橋委員
なるほど。10ページに「いじめの発見のきっかけ」があって、本人からや保護者からがほとんどというか、大半ですよね。学級担任だったり養護教諭だったり、スクールカウンセラーのような学内、学校側が把握できるのは非常に少ないという問題は共有されているのでしょうか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
はい。いじめ、暴力行為もそうだと思うのですが、やはり教員が見えるところでやるというよりは、見えないところでやる、また、今はSNSを使った相手への誹謗中傷といったようなこともありますので、なかなか学校では発見しづらいというところがあります。そのため、例えば年に複数回アンケートを取る、教育相談を行う、学校によっては相談しやすい先生に相談して良いというふうに生徒たちに呼び掛けている、そのような工夫をして様々なアンテナを張り、情報を得るということを学校は大事にしているところです。
一橋委員
本人や保護者からの情報を、学校がキャッチすることに取り組まれているのですね。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
はい。そこの感度を上げることが大切だと思っています。
1点補足ですが、先ほどのいじめと不登校の関係ということでお話ししますと、小学校・中学校の不登校の児童生徒について、いじめの被害の情報や相談があったものは、本市では全体の1.3%ぐらいです。それ以外では、不安とか、抑うつ、それから学校生活に対してやる気が出ないなどの相談があったといったようなものが多いと把握しております。いじめの被害から不登校というのは件数としては多くはない状況です。
一橋委員
なるほど。いじめが直接な要因になっているというのは、そう多くはないかもしれないですね。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
はい。
一橋委員
文科省でもそのような調査結果があったように思います。分かりました。ありがとうございました。
砂橋委員
先ほど、暴力行為に対しての定義は、目に見える物理的な行為だとおっしゃっていましたが、その原因はなんだろうかという説明がなかったと思うので、教えてください。原因が分かれば対策が出ると思います。MLB教育というのが適用できるのであれば、効果的な対策になるのかなと。
もう一つ、聞きもらしたかもしれませんが、いじめの定義が何なのか。いじめの原因は、人との関わり方の不足とか対面での関わり方、意思の疎通ができてないというお話がありましたが、これに対して、有効的な手立てが何かが分かれば、素人でも分かりやすいということと、不登校については、私も現場でこどもを見ていて、感覚的に不登校の子は対人関係が苦手で、それが故に学校に行けなくなっているのかなというのが結構見えます。つまり、また対策が変わって、心理的な対策にもなってくるところがあるので、それぞれ三つの定義と原因と対策が明確になっていれば、傍から見ても分かりやすいのかなという気がしています。それが何らかの形でお示しいただけるとありがたいです。
もう一つは、いじめに関しては、実は私の息子もいじめで不登校になって転校したという経緯がありまして、とても敏感なテーマなのですが、30年前のことなので結果的に先生に頼るしかなかったという実態があります。今はふれあい教室であるとか、フリースクール等がありますけれども、私学とか、国立の児童生徒さんもこういった市のサービスを受けておられるのか、もしくはそういうところにも情報が伝わっているのかは疑問があります。制度的には徹底していると思いますが、その辺りの状況が分かれば広島市民としても、より良い市との連携ができるかと思います。以上でございます。
生徒指導課長
はい。ありがとうございます。最後の様々な受け皿につきましては、今、本市で行っているのは広島市に在住している児童生徒、または在住してなくても広島市内にある学校に通っている児童生徒であれば受け入れをしております。しっかり広報しているつもりではありますが、引き続き広報をしていきたいと思います。また、原因とその対策につきましては、しっかりと調査研究しながら先生方にわかりやすく、御理解いただけるような形にしていきたいと思っておりますが、文部科学省の調査の様式等もありますので、可能な範囲でやっていきたいと思います。ありがとうございます。
松井教育長
それでは、本件につきましては、この程度にさせていただきたいと思います。
(西委員着席)
続きまして、議題2「市長が作成する議会の議案に対する意見の申出について」を議題といたします。本件は代決報告案件が3件となっております。まず、議案第6号「公の施設の指定管理者の指定期間の変更に係る議案」について、市民局生涯学習課長から説明をお願いいたします。
市民局生涯学習課長
はい。着席のまま説明させていただきます。議題2「市長が作成する議会の議案に対する意見の申出」のうち、代決報告第6号「公の施設の指定管理者の指定期間の変更に係る議案に対する意見の申出について」説明いたします。
資料の12ページをお開きください。12月3日から開会する市議会定例会に提出される予定の公の施設の指定管理者の指定期間の変更に係る議案を市長が作成するに当たり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定に基づき、11月15日に市長から教育委員会に意見の申出の依頼がありました。これに対しては、議案の作成日程が迫り、意見の申出に当たり教育委員会議に諮る時間的余裕が無かったことから、広島市教育委員会事務決裁規則第6条の規定による教育長代決により異議ないものと認め、その旨市長に申し出ましたので、報告するものです。
この度の議案は、中央図書館等の移転に合わせて指定管理者の指定を行うことに伴い、中央図書館及びこども図書館の指定管理者の指定の期間を変更しようとするものです。議案の内容といたしましては、下に記載がありますように、公益財団法人広島市文化財団を指定している広島市立中央図書館及び広島市こども図書館の指定管理者について、現在、指定の期間を令和4年度から令和8年度までの5年間としておりますが、これを令和7年度までの4年間とするよう変更するものです。中央図書館等の移転整備につきましては、令和5年1月に策定した、「広島市立中央図書館等再整備基本計画」に基づき、現在整備工事を行っているところですが、移転後の中央図書館は令和8年度当初から供用を開始する予定であり、その際に、指定管理業務の内容を変更する必要があります。このため、移転に合わせて、指定の期間を令和8年度からとする次期指定管理者の指定を行うことを予定しており、これに伴い、現在の指定管理者の指定の期間を1年間短縮しようとするものです。説明は以上です。
松井教育長
ただ今の説明につきまして、御質問等がありましたらお願いいたします。
よろしいでしょうか。それでは、本件についてはこの程度にさせていただきたいと思います。
続きまして、議案第7号「公の施設の指定管理者の指定議案」について、こども未来局こども青少年支援部青少年育成担当課長から説明をお願いいたします。
こども未来局こども青少年支援部青少年育成担当課長
それでは、着座にて説明させていただきます。代決報告第7号「公の施設の指定管理者の指定議案に対する意見の申出について」、説明させていただきます。
資料の13ページを御覧いただけますでしょうか。令和7年3月末日を持ちまして、指定期間が満了する教育委員会の公の施設について、新たに指定管理者の指定を行うに当たっては、地方自治法の規定によりまして、議会の議決を受ける必要があり、当該議案を12月市議会定例会に提出する予定でございます。この議案を市長が作成するに当たり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定に基づきまして、11月15日に市長から教育委員会に意見の申出の依頼がございました。これに対しては、教育委員会議にお諮りする時間的余裕がなかったことから、広島市教育委員会事務決裁規則第6条の規定による、教育長代決によりまして、異議ないものと認め、その旨を市長に申し出ましたので、今回御報告をさせていただくものでございます。
議案の内容につきましては、資料の下側の表を御覧ください。指定に係る公の施設は広島市中区民文化センター、広島市文化創造センター及び広島市国際青年会館で、これら3つの施設を1単位として施設の管理を行う指定管理者を指定しようとするものであり、このうち教育委員会が所管する施設は広島市国際青年会館でございます。指定の相手方は非公募によりまして、公益財団法人広島市文化財団で、指定の期間は令和7年4月1日から令和12年3月31日までの5年間でございます。説明は以上でございます。
松井教育長
ただ今の説明につきまして、御質問等がありましたらお願いいたします。
よろしいでしょうか。それでは本件につきましても、この程度にさせていただきたいと思います。
続きまして、議案第8号「令和6年度12月補正予算議案」について、総務課長から説明をお願いいたします。
総務課長
それでは、代決報告第8号「令和6年度12月補正予算議案に対する意見の申出について」、御説明いたします。
14ページをお開きください。先ほどの指定管理者の指定議案等と同様に、12月市議会定例会に提出いたします12月補正予算議案のうち、別紙15ページの内容による教育に関する予算を市長が作成するに当たり、11月18日に市長から教育委員会に意見の申出の依頼がありました。これに対し、教育委員会議に諮る時間的な余裕がなかったことから、広島市教育委員会事務決裁規則第6条の規定による教育長代決により、異議ないものと認め、その旨を市長に申し出ましたので御報告するものです。
15ページを御覧ください。まず、広島特別支援学校校舎増築についてですが、地中障害物の撤去等による工期の延長や資材価格の高騰などに伴い、事業費を増額するもので、補正額は4億150万7千円となっております。次に、給与改定に伴う補正についてです。本年9月の本市人事委員会勧告に基づき、職員の給料及び諸手当を4月1日に遡って2.64%引き上げるとともに、期末・勤勉手当の支給割合を0.1か月分増額することに伴い、当該人件費の増額を行うもので、補正額は16億5,072万8千円を計上しています。以上で、令和6年度12月補正予算議案に対する意見の申出についての説明を終わります。よろしくお願いいたします。
松井教育長
ただ今の説明につきまして、御質問等がありましたらお願いいたします。
よろしいでしょうか。それでは本件につきましては、この程度にしたいと思います。
次の議題3は冒頭でお諮りしたとおり非公開となりましたので、傍聴の方は退席していただきますようお願いします。
(非公開部分省略)
松井教育長
以上で本日の議題はすべて終了しました。
これをもって、令和6年第15回広島市教育委員会議定例会を閉会いたします。
7 議決事項
議案番号 |
件名 |
議決結果 |
---|---|---|
37 |
教職員の人事について | 原案可決 |
38 |
教職員の人事について | 原案可決 |
リンク
このページに関するお問い合わせ
教育委員会総務部 総務課庶務担当
〒730-8586 広島市中区国泰寺町一丁目4番21号
電話:082-504-2463・2656(庶務担当) ファクス:082-504-2509
[email protected]