令和6年第12回教育委員会議(8月臨時会)議事録

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ページ番号1038827  更新日 2025年4月8日

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令和6年第12回 広島市教育委員会議議事録

令和6年8月28日(水曜日)、令和6年第12回広島市教育委員会議(臨時会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午前9時30分
  • 閉会 午後4時35分

2 教育長及び委員の出席者

  • 教育長 松井 勝憲
  • 委員 井内 康輝
  • 委員 秋田 智佳子
  • 委員 一橋 信之

伊藤圭子委員及び西敦子委員は欠席

3 事務局等の出席者

  • 教育次長 木村 滋宏
  • 総務部長 石橋 正啓
  • 学校教育部長 宅見 雄二
  • 指導担当部長 星野 和敏
  • 教育センター所長 川口 潤
  • 総務課長 田尾 雅之
  • 指導第二課長 長屋 吉輝
  • 指導第二課課長補佐 与座 淳
  • 特別支援教育課長 堀川 淳子

4 傍聴者等

23人

5 議事日程

議題1 令和7年度から使用する広島市立中学校用教科用図書の採択について(議案)
議題2 令和7年度から使用する広島市立特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について(議案)
議題3 令和7年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書採択について(議案)
議題4 令和7年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書採択について(議案)

6 議事の大要

松井教育長

 ただ今から、令和6年第12回広島市教育委員会議臨時会を開会いたします。
 本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただいて、静粛に傍聴していただきますようお願いをいたします。
 本日の議事録署名者は、井内委員と一橋委員にお願いいたします。
 本日は、除斥の規定により、伊藤委員と西委員が欠席となりましたが、定足数を満たしています。
 それでは、これから日程に入ります。
 本日の議題はお手元の議事日程のとおりです。
 最初に、議題1、議案第30号「令和7年度から使用する広島市立中学校用教科用図書の採択について」を議題といたします。
 本件は審議案件です。
 まず、概要について、指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 議題1、議案第30号「令和7年度から使用する広島市立中学校用教科用図書の採択について」御審議いただきます。
 まず、資料について説明いたします。
 お手元に参考資料と資料、右肩に四角囲みで「別紙」と示したものをお配りしております。
 参考資料の1ページを御覧ください。
 5月の教育委員会議で御審議いただきました、令和7年度使用広島市立義務教育諸学校用教科用図書採択の基本方針について、2の適正かつ公正な採択の確保、3の開かれた採択の推進について改めて御説明いたします。
 2、適正かつ公正な採択の確保の「採択権者の権限と責任において、適正かつ公正な採択を行う」こと、「特定の教科書発行者と関係を有する者が教科書採択に関与することがないようにする」ことを受け、各学校には、4月18日付けで、「教科書採択における公正確保の徹底等及び令和7年度使用教科書の採択事務処理について」通知を行っております。
 学校と教科書会社との関係において疑義が生じることがないよう、「教科書採択の公正確保に関する学校の対応について」も周知し、公正確保の徹底を図ってまいりました。採択審議会の委員及び調査員については、教科用図書採択に利害関係がない者であることを誓約書の提出によって確認をした上で、委嘱、任命しております。
 また、3、開かれた採択の推進の「採択に係る情報を公開するなど、開かれた採択を推進する」については、採択後、順次、採択結果や理由をはじめ、会議録等の公表を行うこととしております。
 次に、これまでの教科書採択の経過を説明いたします。
 2ページを御覧ください。
 5月21日の教育委員会議で、広島市立義務教育諸学校教科用図書の採択について、上段の「広島市教育委員会」の枠内にありますように、採択の基本方針、採択審議会の諮問事項の決定、採択審議会委員の委嘱または任命を行い、その下にあります丸2にありますように、採択審議会で諮問しました。
 採択審議会は、6月3日、7月12日、7月19日、7月25日に開催され、参考資料の3ページに示している中学校用教科書、71種類、142点全てについて、調査員から示された調査研究報告書を踏まえて審議を行い、丸6の部分となりますが、教育委員会に答申されました。審議の結果及び答申は資料になりますが、その内容については後ほど説明いたします。
 なお、4ページには、この度の採択に関わる発行者の一覧を掲載しております。
 次に、教科書展示会について説明いたします。
 右肩に四角囲みで「別紙」と書いてあるものを御覧ください。
 本市では、教育関係者のほか、市民の皆様に教科書に触れていただくための機会として、広島市教育センターのほか、すべての中学校、中等教育学校及び特別支援学校において教科書展示会を実施しました。
 展示会場には、質問等記入用紙と回収箱を設置しました。この綴りには、回収箱に入っていたものを順序不同で転記したものです。なお、この度の教科書採択に関する要望書、要請書については、先日、教育委員の皆様に情報提供させていただきました。
 それでは、答申の内容について、国語を例に説明いたします。
 資料を御覧ください。2ページから7ページが国語の答申になっております。
 2ページを御覧ください。
 まず、1、本市の実態や生徒の状況です。
 一つ目の丸に本市の実態を、二つ目の丸に生徒の状況を示しております。
 また、2、調査・研究の観点と視点については、表に示したとおり、「知識及び技能の習得」、「思考力、判断力、表現力等の育成」、「主体的に学習に取り組む工夫」、「内容の構成・配列・分量」、「内容の表現・表記」の五つの観点について、調査委員会において、それぞれ具体的な視点を定めました。
 続いて、3ページを御覧ください。
 3、各教科書の特徴について、3ページから6ページにかけまして、国語では4者、東京書籍、三省堂、教育出版、光村図書出版、全ての教科書について、それぞれゴシック体で示しております、五つの観点に沿って優れた点や特徴をまとめております。
 続いて、7ページを御覧ください。
 4、意見では、1者について「よりふさわしい」、もう1者について「ふさわしい」と意見が付されております。
 採択審議会の答申に至るまでの経緯と資料の構成についての説明は以上です。

松井教育長

 ここまでの説明で何か御質問等ございますか。
 それでは、ここから各種目の教科用図書についての審議を行います。
 まず、国語について、指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、国語科について説明いたします。
 資料2ページを御覧ください。
 1、本市の実態や生徒の状況、2、調査研究の観点と視点についてです。
 本市の生徒は、文脈に即して漢字を正しく書くことや、読み手の立場に立って、叙述の仕方などを確かめて文章を整えること、また、多様な表現に言い換えるなどの語彙(い)の定着、情報と情報の関係について理解することや、文章を読んで理解したことなどを知識や経験と結び付けて、自分の考えを広げたり深めたりすることに課題が見られます。
 その課題に対応するものは、視点の丸1、丸3、丸4、丸5です。採択審議会においては、特に重要な視点として、視点丸3について審議されました。
 次に、3、各教科書の特徴についてです。
 答申の3ページを御覧ください。
 国語科では、主に審議された視点丸3「漢字や語彙(い)等の取り扱いの工夫」について、各者2学年の教科書を御覧いただきながら説明いたします。
 まず、東京書籍、2年生、45ページを御覧ください。ページの下部にあるように、読む教材には広がる言葉を示し、語彙(い)を広げるための問題を取り上げております。
 次に、三省堂、55ページを御覧ください。ページの下部にあるように、複数の教材に「語彙(い)を豊かに」を示し、理解できる語句と伝える語句を増やすための教材に関連した語彙(い)を取り上げております。また、330ページ、資料編「語彙(い)の広がり」でテーマに分けて語彙(い)の広がりを示し、語句同士の関係やつながり方について理解を深められるよう工夫しております。
 続いて、教育出版、55ページを御覧ください。ページ下部にあるように、複数の教材の「みちしるべ」の言葉、情報において、語彙(い)を豊かにするための問いを立てたり、表現の際の話型を示したりしております。また、334ページから337ページをお開きください。「言葉の自習室」で、「理解に役立つ言葉」や「表現に役立つ言葉」を紹介しております。
 続いて、光村図書出版、109ページを御覧ください。ページ下部にあるように、複数の教材の「学びのカギ」に、言葉の観点から学びを深め、自分の言葉を増やすための「言の葉ポケット」を示しています。
 続いて、267ページを御覧ください。自分の思いや考えを多様な表現に言い換えるための教材として、本編の最後に語彙(い)ブックを付録しております。さらに、いくつかの教材では語彙(い)ブックとの関連を示しており、学習した内容や語彙(い)について考えを広げたり深めたりすることができるよう工夫しております。例えば、66ページをお開きください。見出しの下に語彙(い)ブックの268ページが示してあり、語彙(い)ブックの内容を見てみますと、表現の幅を広げるためのヒントとなっております。
 審議会においては、これらの特徴はいずれも本市の課題として挙げられた語彙(い)の定着に対応した工夫ですが、特に光村図書出版と三省堂の2者については、生徒の使いやすさという観点から、より充実していることが審議されました。
 最後に、答申7ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、審議会からの意見として、意見1、光村図書出版の教科書は本市で使用する教科書として「よりふさわしい」、意見2、三省堂の教科書は本市で使用する教科書として「ふさわしい」が付されています。
 意見1の理由として、1点目、本文中で使われた言葉について、必要に応じて脚注で解説している。また、本文中で使われた言葉の関連語句を複数脚注に示している。
 2点目、複数の教材の「学びのカギ」に、言葉の観点から学びを深め、自分の言葉を増やすための「言の葉ポケット」を示している。また、自分の思いや考えを多様な表現に言い換えるための教材として本編の最後に語彙(い)ブックを付録している。さらに、いくつかの教材では語彙(い)ブックとの関連を示しており、学習した内容や語彙(い)について広げたり深めたりすることができるようにしている。
 3点目、各学年の巻頭の「思考の地図」において、学習内容に合わせた場面や目的に応じたさまざまな思考法を示していることが挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、本文中で使われた言葉について、必要に応じて脚注で解説している。また、本文中で使われた言葉の類義語や対義語を脚注に示している。
 2点目、複数の教材に「語彙(い)を豊かに」を示し、理解できる語句と使える語句を増やすための教材に関連した語彙(い)を取り上げている。また、資料編「語彙(い)の広がり」で、語句どうしの関係やつながり方について扱っている。
 3点目、巻頭の「思考の方法」について、全学年同じ内容の9種類の「思考の方法」を手助けするチャートとその使い方を示していることが挙げられております。国語科の説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いをいたします。

井内委員

 今の意見は、主として視点丸3の語彙(い)に焦点を当てた評価が大半になっておりますが、視点丸4「思考力、判断力、表現力等を育成するための工夫」も非常に重要なポイントだと思います。これについては、意見1と意見2の、それぞれ3点目に書いてある部分ですか。これについて、もう少し詳しく説明をしていただけますか。

指導第二課長

 光村図書出版、2年生の巻頭に、見開きページの9ページ、10ページの「思考の地図」があります。こちらに、思考を広げる、思考を整理する、思考を深めるということで、各思考の考え方について示してあり、学年ごとで学習内容が変わっています。このように学習内容に応じて、広げる、整理する、深めるところが変わっていることが審議の際に評価されました。
 もう一つの三省堂ですと、同じく2年生の17ページから20ページに、思考の方法の一覧がありまして、こちらは同じように考え方を一覧として示していますが、どの学年も全く同じものがついています。思考、考える工夫については、このように示しております。

井内委員

 思考の方法としては、あまり細かく言わない光村図書出版の方が頭にすっと入ってきやすいかもしれませんね。毎学年そういった思考を積み重ねていくことで、具体化するとか、そういったところまで踏み込んでいく力をカバーできるのだろうと思います。はい、分かりました。

秋田委員

 光村図書の方は、語彙(い)力、自分の言葉を増やすための工夫が随時下のページに記載等がされているので、現場の教員が教える際に使いやすいのかなという印象を受けましたので、視点3の「漢字や語彙(い)等の取り扱い」という点では優れているのかなと思いました。以上です。

一橋委員

 視点が九つあり、その中で丸3の「漢字や語彙(い)等の取り扱い方の工夫」が重点項目ということですが、そうなると、今の意見1と意見2どちらも、脚注で工夫をされていたり、それから語彙(い)ブック、あるいは「語彙(い)の広がり」という資料も作っておられるということで、いずれも教科書ごとに工夫がされているなと感じました。そこでお聞きしますが、光村図書の方が「よりふさわしい」、それから三省堂の方が「ふさわしい」とされているわけですが、どの辺に「よりふさわしい」と、「ふさわしい」の判断基準があったのか、もう少し具体的にお示しをいただけたらと思いまして、御質問させていただきます。

指導第二課長

 採択審議会におきましては、光村図書出版について、基礎的な知識及び技能の定着の部分と、思考力、判断力、表現力の育成の部分、両方がしっかり工夫されているという意見や、三省堂については、脚注での類義語、対義語の示し方や各教材の目標の示し方が丁寧で、生徒にとって使いやすいといった意見が出ました。
 「よりふさわしい」と「ふさわしい」の違いについては、こういった審議を重ねた結果、総合的に判断されたところでございます。

一橋委員

 そうなると、視点に書いてある工夫については、光村図書出版の方がより細やかな工夫をされているという判断をしたということでしょうか。

指導第二課長

 はい。

一橋委員

 はい。分かりました。

松井教育長

 ただ今の皆様の御意見の中では、審議会の方の答申の意見には皆様に御賛同いただいていると受け止めましたので、お諮りをいたしたいと思います。
 国語につきましては、光村図書出版が「よりふさわしい」と考えられますので、光村図書出版を採択するということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、国語については光村図書出版を採択することに決定をいたしました。
 続きまして、書写について審議したいと思います。
 指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、書写について説明いたします。
 答申の10ページを御覧ください。
 1、本市の実態や生徒の状況、2、調査研究の観点と視点についてです。
 本市の生徒は、場や目的に応じて表現の効果を考えながら、書写で学習した内容を自らの生活に生かすことができていないことに課題が見られ、この課題に対応するものは視点の丸3、丸4、丸6です。採択審議会においては、特に重要な視点として視点の丸3について審議されました。
 次に、3、各教科書の特徴についてです。
 答申11ページを御覧ください。
 書写で主に審議された視点丸3「学習や日常生活に生きる言語活動の工夫」について、各者の教科書を御覧いただきながら説明いたします。
 まず、東京書籍、72ページ、73ページを御覧ください。3年生のはじめの教材として「身の回りの文字の目的と工夫」を設け、日常生活の中で使用される手書き文字について4ページにわたって示し、その効果について考えられるよう工夫しています。
 次に、三省堂、68ページ、69ページを御覧ください。3年生のはじめの教材として「身のまわりの文字」を設け、手書き文字や活字による伝え方の変遷を示しております。また、続く70ページ、71ページでは、文字に関わる仕事について紹介し、文字の魅力について考えられるよう工夫しており、調査員による報告では、キャリア教育の観点からも活用できそうだといった意見が出ておりました。
 続いて、教育出版、100ページ、101ページを御覧ください。3年生の教材として「多様な表現による文字」を設け、身のまわりで見かける文字について4ページにわたって示し、文字の表現効果について考えられるように工夫しております。
 光村図書出版、88ページ、89ページを御覧ください。3年生のはじめの教材として、漫画「手書きのよさってなんだろう」を通して、手書き文字のよさについて話し合わせた上で、90ページからの「全国文字マップ」を設け、身のまわりにある様々な文字について4ページにわたって示し、文字から受ける印象や気づきについて話し合えるよう工夫しております。
 続いて、光村図書出版の巻頭にある別冊書写ブックを御覧ください。切り離し可能な「書写ブック」を設け、学習したことを生かして書いたり、学習した内容の確認をしたりする機会を多く設けることで、書写で学んだことを日常生活に生かすことができるよう工夫しています。
 最後に、答申15ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、審議会からの意見として、意見1、光村図書出版の教科書は本市で指導する教科書として「よりふさわしい」、意見2、三省堂の教科書は本市で使用する教科書として「ふさわしい」が付されました。
 意見1の理由として、1点目、3年生のはじめの教材として漫画「手書きのよさってなんだろう」を通して手書き文字のよさについて話合わせた上で、「全国文字マップ」を設け、身のまわりにある様々な文字について示し、文字から受ける印象や気づいたことについて話し合えるように工夫している。
 2点目、切り離し可能な「書写ブック」を設け、学習したことを生かして書いたり、学習した内容の確認をしたりする機会を多く設けることで、書写で学んだことを日常生活に生かすことができるよう工夫している。
 3点目、34ページ「学習の進め方」で「考えよう」、「確かめよう」、「生かそう」の学習の展開を示し、見通しを持たせるよう工夫している。また、「教科書通りに書くことができればいいの?」という問いから学びの深め方について示している。さらに「タブレットを活用しよう」で具体的なタブレットの活用例を示し、効果的な活用を促している。
 4点目、「自分らしい文字」では、生徒もよく知る著名人の手書き文字を紹介し、手書きの文字への興味・関心を高めるよう工夫していることが挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、3年生のはじめの教材として「身のまわりの文字」を設け、手書き文字や活字による伝え方の変遷を示すとともに、文字に関わる仕事について紹介し、「文字」の魅力について考えられるよう工夫している。
 2点目、巻頭「この教科書の使い方」で「教材の構成」と「学習の流れ」を示し、学習の見通しを持たせるよう工夫している。
 3点目、生徒に馴染みのあるJ-popの歌詞を手書きの文字として掲載し、手書きの文字への興味・関心を高めるよう工夫していることが挙げられております。書写の説明は以上でございます。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いをいたします。

秋田委員

 光村図書出版の別冊が使いやすいかと思いました。また、日常生活に生きる言語活動ということで、年賀状であるとかこどもたちが日常生活で文章を手書きで行うことについて、理解しやすい内容になっていると思いました。以上です。

井内委員

 光村図書出版で、先ほど説明があったように、「手書きのよさってなんだろう」という漫画を取り入れていて、中学生に手書きの良さを伝えるために大変よいエピソードが書いてあると思いました。また、「全国文字マップ」は参考にはなると思いますが、特殊な文字ばかりで、もう少し端的に土地の文字を分かりやすく比べられるようなものがあるといいと思いました。
 ただ、意見1でこの教科書を「よりふさわしい」とする理由に関しては、いずれも納得できる意見ですので、「よりふさわしい」という判断には賛成したいと思います。以上です。

松井教育長

 それでは、お諮りをいたしたいと思います。
 書写につきましては、光村図書出版が「よりふさわしい」と考えられますので、光村図書出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、書写については光村図書出版を採択することに決定をいたしました。
 続きまして、社会の地理的分野について審議いたしたいと思います。

指導第二課長

 それでは、社会、地理的分野について説明します。
 答申18ページを御覧ください。
 まず、1、本市の実態や生徒の状況、2、調査・研究の観点の視点についてです。
 本市の生徒は、地理的事象や調査などに関する作業的な学習活動に対して意欲的に取り組み、タブレット端末を活用したり、地図等諸資料から情報を収集する機能は身に付いている一方で、身近ではない国や地域については興味・関心を持ちにくいことや、学習課題の解決への見通しを立て、収集した情報を課題解決に向けてまとめながら、思考・判断したことを説明したり、それらを基に議論したりすることに課題が見られ、その課題に対応するものは視点丸2、丸3、丸4です。採択審議会においては、特に重要な視点として視点丸3について審議されました。
 次に3、各教科書の特徴についてです。
 答申19ページを御覧ください。
 社会地理分野では、主に審議された視点丸3「様々な資料を有効に活用して、思考・判断したことを説明したり、それらを基に議論したりするための学習活動の工夫」について、各者の教科書を御覧いただきながら説明いたします。
 まず、東京書籍、207ページを御覧ください。ページの上部にある、「見方・考え方」を働かせて探究課題に答えようを設け、冒頭で示された探究課題を解決するために、考えやすいように図を使ってまとめる活動を設定しています。また、ページ右上に「結びつき」「地域」とありますように、虫眼鏡マークを付しており、人々の生活や産業などへの影響を考える際に、どのような視点に着目しながら課題を解決していくのかを示しております。
 続いて、76ページを御覧ください。ページ右上に位置や分布、人と自然の関わりとありますように、特設ページ等の随所にも示しています。審議会では、「見方・考え方」の示し方が豊富であり、学び方や考え方を学ばせようとしている意図が伝わると意見がありました。
 続いて、207ページを御覧ください。ページ中央にあるコーナー「みんなでチャレンジ」を設け、グループで分担して表や図を完成させる活動や、完成した図を基に共通点について話し合う活動など、個人で考えたことを基に その後グループで話し合う活動を設定することで、対話的な学びを促しています。審議会では、具体的な作業の指示があるため、生徒が何をすべきか分かりやすいや、特に新任の先生にとっては何をすればよいか分からない時に助かるのではないかという意見がありました。
 次に、教育出版、199ページを御覧ください。「学習したことを振り返ろう」を設け、広島市を例にして、人口が増加することのプラス面とマイナス面について考察する活動を設定しています。その際、キャラクターの吹き出しで広島市の人口が増えると周りのまちはどうなるのかなと掲載するとともに、思考を促すための手立てとして、思考ツールであるバタフライチャートを掲載しています。また、ページ下部にある「学習したことを活用してまとめよう」で、自分なりにまとめて、グループで話し合おうなど活動を設定し、対話的な学びを促しています。
 次に、帝国書院、197ページを御覧ください。節の振り返りにおいて、「節の問いについて、図でまとめよう」、「節の問いについて、考えを深めよう」、「節の問いを踏まえて、地域の特色をまとめよう」と、グループで発表し合う活動などを設け、段階的に節の問いを解決する活動を設定しています。
 最後に、日本文教出版、201ページを御覧ください。「学び合いマーク」を付した、自分の考えをまとめようにおいて、表を活用し、学習したことを整理して、交通網、通信網の整備によるメリット、デメリット、影響と課題について考察する活動を設定しています。
 最後に、答申23ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、審議会からの意見として、意見1、東京書籍の教科書は本市で使用する教科書として「よりふさわしい」、意見2、教育出版の教科書は本市で使用する教科書として「ふさわしい」が付されています。
 意見1の理由として、1点目、「えんぴつマーク」を付し、小学校の社会科やコーナー「スキル・アップ」などで身に付けた技能を活用するために「中国・四国地方は、地方内や、ほかの地方とどのような交通網で結びついているか、説明しましょう」等の活動を随所に設定している。また、特設ページに「資料から発見!」を設けており、資料を読み取る力や、考える力、説明する力を身に付けるための活動を設定している。
 2点目、課題を解決する際の視点や方法である地理的な「見方・考え方」を、「導入の活動」や「まとめの活動」、「えんぴつマーク」、「スキル・アップ」、特設ページ「資料から発見!」、コーナー「みんなでチャレンジ」の随所に示しており、思考・判断したことを説明する際に役立てることができるようにしている。
 3点目、「まとめの活動」において、「グループ活動」と「個人活動」を行うコーナー「みんなでチャレンジ」を設け、「取り上げた資料や文章を発表し合いましょう。」等の対話的な学びを促すことができるようにしていく。
 4点目、アジア州を学習する冒頭ページでは、アジア州に関わる様々な写真や資料を掲載するとともに、「聞かせて!中学生」やアジア州の主な国の国旗とあいさつを掲載し、興味・関心を持たせることができるようにしている。また、「アジア州で学んでいくこと」で、アジア州を通して学習する課題を一つずつ示すことで、学習の見通しを持たせることができるようにしている。さらに、本文ページのタイトルの上にサブタイトルを示しており、本文ページで学習する内容を短い言葉で表すことで、これから学習する内容について興味・関心を持たせることができるようにしていることが挙げられております。
 また、意見2の理由としては、1点目、「THINK!」を付しており、「2015年から2020年で、人口が増加傾向にある地域はどこかを書き出そう」等の活動を随所に設定しており、身に付けた技能を活用することができるようにしている。
 2点目、課題を解決する際の視点や方法である地理的な「見方・考え方」を、「第○編」と「第○章」のページに示しており、思考・判断したことを説明したりする際に役立てることができるようにしている。
 3点目、「学習のまとめと表現」において、「学習したことを活用してまとめよう」で、「自分なりにまとめてグループで話し合おう。」等の対話的な学びを促すことができるようにしている。
 4点目、アジア州を学習する冒頭ページでは、アジア州に関わる様々な写真や資料を掲載するとともに、学習テーマを関連するSDGsマーク等を掲載し、興味・関心を持たせることができるようにしている。また、本文のページのタイトルの下にサブタイトルを示しており、本文ページで学習する内容を短い言葉で表すことで、これから学習する内容について興味・関心を持たせることができるようにしていることが挙げられています。社会、地理的分野の説明は以上で終わります。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いをいたします。

秋田委員

 温暖化が進む中で、地理という科目は非常に重要性を増していると思います。
 課題の解決へ、見通しを立ててディスカッションをする力が非常に重要だという点で、東京書籍の「みんなでチャレンジ」は、207ページにあるように、グループ活動、個人活動それぞれ明確に示されているので、現場の教員にとって教えやすいのではないかと思います。以上です。

一橋委員

 意見1についてはそのとおりだと思います。
 各者ともそれぞれ工夫を凝らしていて、なかなか甲乙つけがたいですが、特に東京書籍は導入から最後のまとめに至る道筋といいますか、それが生徒も教員も分かりやすく道筋をつけているなと、よく工夫されていて頭一つ出ていると感じました。
 ただ1点、初めに説明のあった、本市の実態に書いてある、興味のない、あるいは関心を持ちにくい地域、国に対してどのように関心を発露させるかということについては、どの教科書も物足りないと感じました。例えば、先ほどの東京書籍の76ページにありました、ムスリムの暮らしを知ろうというところ、問題提起はよいと思いますが、これでどこまでこの地域に対する関心が中学生に響くかというのは、もう少し工夫いただけたらいいなと感じました。これは各者にも同じように感じたところです。以上です。

井内委員

 まとめの活動という点では、東京書籍の教科書はグループ活動と個人活動で段階的にこうするという具体的な指示があって、あまり経験のない先生にも非常に使いやすいのではないかと思いますので、先ほど御指摘があったことには賛成です。他の教科書では、個人で学んだことをまとめていこうという形になっているので、それでは、ちょっと辛いところがあるかなと思いましたので、東京書籍の教科書がよいかと思います。以上です。

松井教育長

 それでは、お諮りいたしたいと思います。
 社会の地理的分野につきましては、東京書籍が「よりふさわしい」と考えられますので、東京書籍を採択するということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、社会の地理的分野につきましては、東京書籍を採択することに決定をいたしました。
 続きまして、社会の歴史的分野について審議いたしたいと思います。

指導第二課長

 それでは、社会、歴史的分野について説明します。
 答申26ページを御覧ください。
 まず1、本市の実態や生徒の状況、2、調査研究の観点と視点についてです。
 本市の生徒は、耳慣れた歴史上の人物や出来事に対する興味・関心は高く、またタブレット端末を活用したり、文献や地図、統計などの歴史学習に関わる諸資料から情報を収集したりする力は身に付いている一方で、歴史の大きな流れや特色を理解する力、学習課題の解決の見通しを立て、収集した情報を課題解決に向けてまとめながら、複数の立場や意見も踏まえて公正に選択・判断したりする力、思考・判断したことを説明したり、それらを基に議論したりすることに課題が見られ、その課題に対応するものは 視点丸3、丸4、丸8です。採択審議会においては、特に重要な視点として、視点丸3、視点丸8について審議されました。
 次に、3、各教科書の特徴についてです。
 答申27ページを御覧ください。
 社会、歴史的分野では、主に審議された視点丸3「様々な資料を有効に活用して、思考・判断したことを説明したり、それらを基に議論したりするための学習活動の工夫」については、各者の教科書を御覧いただきながら説明します。また、視点丸8「本文の記述と適切な関連付けがなされたイラスト・写真・ウェブコンテンツ等の示し方」については、特徴のある者の教科書を御覧いただきながら説明します。
 まず、視点丸3についてです。
 東京書籍は140ページ、141ページを御覧ください。「まとめの活動」の「確かめよう」、「ふり返ろう」において、141ページ上部にある「探究課題」を基に、見開きを使って各節の問いを解決する活動を設けています。審議会では、ステップを踏みながら段階的に時代の特色を掴める構成となっており、中学生にとって時代の流れを掴むための理解につながると意見が出ました。また、140ページの左下にあるくらげチャートや、141ページ中央にあるYチャート等様々な思考ツールを活用できるようにしています。
 続いて、142ページを御覧ください。「深めよう」のページ下部にある「探究課題を解決しよう」において、近世の日本では何々という変化が見られました、のように、これまで学習してきた時代と関連させるために、時代の変化に着目しながら時代の特色を考察することができるようにしています。また、ページ中央にフィッシュボーン図を掲載しており、活動内容によって使用する思考ツールを変えています。さらに、コーナー「みんなでチャレンジ」を設け、作成した思考ツールを他の人と見比べる等、対話を促す活動を設定しています。
 次に、教育出版、140ページ、141ページを御覧ください。「学習のまとめと表現」において、近世の時代の移り変わりを確かめようで、年表を用いて語句などの確認を行う活動を設定しています。続いて、142ページを御覧ください。「JUMP!」において、歴史的な「見方・考え方」を使って、時代の特色を考察できるようにしています。
 続いて、帝国書院、158ページ、159ページを御覧ください。「学習を振り返ろう」において、158ページの下部にある「節の振り返り」で節の問いを解決する活動を設けています。また、159ページの下部にある、「他の人と話し合って章の問いを考察しよう」において、思考ツールのウェビングを掲載し、思考を促す手立てとして活用できるようにしています。審議会では、思考ツールを使いながらまとめさせるのはよいと意見が出ました。さらに、「対話マーク」を付し、理由を発表し意見交換しようなどの対話を促す活動を設定しています。
 続いて、160ページを御覧ください。ページ上部にある「時代の特色を考察しよう」において、「近世はどのような時代だったかをあなたの言葉でまとめよう」のように、時代の特色を考察することができるようにしています。
 続いて、山川出版社、152ページ、153ページを御覧ください。「まとめ」において、表を整理しながら、どのように、どのような等の問いを解決する活動を通して、時代の特色を考察できるようにしています。
 続いて、日本文教出版、152ページ、153ページを御覧ください。「まとめとふり返り」において、153ページの「近世ってどんな時代」で、各節の問いを解決し、着目した視点から考えた時代の特色を文章にまとめ、発表し合う活動を通して、時代の特色を考察できるようにしています。
 続いて、自由社、146ページ、147ページを御覧ください。147ページの時代の特徴を考えるページにおいて、時代比較の問題、人物比較の問題を通して、時代の特色を考察できるようにしています。
 続いて、育鵬社、144ページ、145ページを御覧ください。学習のまとめにおいて、年表や資料を活用し、どのような時代だったと言えるのかを考え、まとめたり話し合ったりして、時代の特色について考察できるようにしています。
 続いて、学び舎、134ページ、135ページを御覧ください。「第5章をふりかえる」の学習のまとめにおいて、135ページにありますように、インタビュー記事を書く活動を通して、前の時代と比べたりしながら、時代の特色を考察できるようにしています。
 続いて、令和書籍、179ページを御覧ください。「まとめ学習」において、時代ごとの特色を捉えようで、年表にまとめたり、グループで発表したりする活動を通して、時代の特色を考察できるようにしています。
 続いて、視点丸8についてです。各者とも原爆投下について、本文での説明に加え、関連する資料を掲載しています。
 それでは、まず、東京書籍の236ページ、237ページを御覧ください。原爆投下について本文で説明しており、こちらのページにあります原爆ドームやキノコ雲などの写真が関連する資料として掲載しています。本文の記述や資料の紹介の仕方に多少の差はありますが、どの発行者も原爆投下についてはほぼ同様に扱っております。
 また、東京書籍、山川出版社、自由社、令和書籍の4者は広島に関する特設ページを設けており、そのうち東京書籍、山川出版社については広島市に関する学習活動を掲載しています。こちらの両者については、それぞれ教科書を御覧いただきながら説明します。
 それでは、東京書籍、238ページ、239ページを御覧ください。特設ページ「地域の歴史を調べよう」を設け、被爆建物の保存と継承をテーマに広島市を取り上げ、テーマの設定や調査などの活動を通して、旧広島陸軍被服支廠(しょう)や原爆ドームなどの被爆建物を継承することの意義を考える活動を設定しており、広島市を題材にした探究的な学習をすることができるようにしています。
 続いて、山川出版社、250ページ、251ページを御覧ください。特設ページ、地域からのアプローチを設け、広島市を取り上げ、「地図から原爆の被害を受けた広島を考えよう」や「原爆ドームと平和公園から考えよう」等の四つのテーマについて考える活動を設定しており、広島市を題材として探究的に学習することができるようにしています。
 審議会では、東京書籍、山川出版社について、広島市の中学生が手にするものなので、原爆ドームなどの平和に関する特設ページがあり、しっかりと広島のことが扱われているので魅力的であるという意見が出ました。また、東京書籍については、本市の生徒たちの弱い力である思考力、判断力、表現力についてしっかりと捉える構成になっているとも意見が出ました。一方、山川出版社については、特設ページで広島市を取り上げている点では評価できるものの、文字の大きさが小さく、文字数が多いという点について、見開きのページの構成を考えると、1年生には少し難しいのではないか、また、本市の生徒の課題に対応している視点丸3の特徴が帝国書院に比べて薄いのではないかという意見が出されました。
 最後に、答申36ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、審議会からの意見として、意見1、東京書籍の教科書は本市で使用する教科書として「よりふさわしい」、意見2、帝国書院の教科書は本市で使用する教科書として「ふさわしい」が付されています。
 意見1の理由として、1点目、課題を解決する際の視点や方法である歴史的な「見方・考え方」を、「導入の活動」や「まとめの活動」、「えんぴつマーク」、特設ページ「資料から発見!」、「地域の歴史を調べよう」、「もっと知りたい」、グループで話し合う活動であるコーナー「みんなでチャレンジ」を随所に示しており、思考・判断したことを説明したりする際に役立てることができるようにしている。
 また、4ページにわたる「まとめ活動」の「確かめよう」、「ふり返ろう」において、見開きを使って各節の問いを解決する活動を設けている。さらに、「深めよう」において、時代の変化に着目しながら時代の特色を考察するために、くらげチャートやフィッシュボーン図等の様々な思考ツールを用いた活動ができるようにするとともに、コーナー「みんなでチャレンジ」を設け、対話を促す活動を設定している。
 2点目、中項目の冒頭では「導入の活動」を設けており、資料等から時代の特色を捉えるための探究課題と関連した活動を設定している。また、中項目の課題を「探究課題」として示すとともに、「探究のステップ」で各節の追究する課題を示すとともに、節を通して学習する課題を一つずつ示しており、学習の見通しを立てることができるようにしている。また、本文ページのタイトルの上にサブタイトルを示しており、生徒にとって耳慣れていない歴史的事象を学習する際の興味・関心を持たせるための工夫が見られる。
 3点目、原爆投下について、本文で説明をしており、関連する資料として「廃きょになった広島」、「長崎に落とされた原子爆弾」を掲載している。また、特設ページ「地域の歴史を調べよう」を設け、「被爆建物の保存と継承」をテーマに、広島市を取り上げ、被爆建物を継承することの意義を考える活動を設定しており、広島市を題材にして学習することができるようにしていることが挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、課題を解決する際の視点や方法である歴史的な「見方・考え方」を、「タイムトラベル」や「学習を振り返ろう」のページ、特設ページ「アクティブ歴史」、コーナー「やってみよう」の随所に示しており、思考・判断したことを説明したりする際に役立てることができるようにしている。また、3ページにわたる「学習を振り返ろう」において、「節の振り返り」で節の問いを解決する活動を設け、「時代の特色を考察しよう」で、時代の特色を考察するためにウェビングやXチャート等の様々な思考ツールを用いた活動をできるようにしているとともに、「対話マーク」を付し、対話を促す活動を設定している。
 2点目、中項目の冒頭では、「章の問い」として中項目の課題を示すとともに、「この章で学習する節の問い」で各節の課題を示しており、節を通して学習する課題を一つずつ示すことで、学習の見通しを立てることができるようにしている。また、「学習する時代の見通しをもとう」を設け、社会の変化を予想する活動を行うことができるようにしている。
 3点目、原爆投下について本文で説明をしており、関連する資料として「原子爆弾によって廃墟となった広島」を掲載しており、広島市を題材にして学習することができるようにしていることが挙げられています。社会、歴史的分野への説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたら、お願いをいたします。

秋田委員

 地理の時もそうでしたが、東京書籍の「みんなでチャレンジ」というところが、142ページの「深めよう」で、個人活動、グループ活動等で項目を立てていて、現場で教えやすいかと思いましたのと、143ページの年表「日本の歴史をふりかえろう」は、全体の流れ、大きな流れを把握しやすいので、こちらの方がよいのではないかと思いました。
 それから、原爆投下についても、特設ページで被爆建物の保存と継承という非常に身近なテーマを中学生にも分かりやすくまとめられているので、東京書籍の教科書が「よりふさわしい」という意見に賛同いたします。以上です。

井内委員

 基本的に秋田委員がおっしゃることで賛成ですが、歴史というのは、事実や資料等からどう考えるかを個人、あるいはグループで話し合うところに、これからは力を入れてほしいと思います。やはり広島ですので、原爆という歴史をどう捉えて、それについてどう考えていくかということは、広島の中学生がぜひ取り上げてほしい題材だと思います。
 東京書籍の場合、いわゆる被爆建物の保存と継承のページを作っておられるところに非常によさを感じました。そういうものを見ながら何を考えていくかが大切だと思いますし、ただ廃墟になった建物を見るというだけでなく、そこにどういうことがあったのかを通して、見て、考えるという思考は我々が求めていることではないかと思うので、東京書籍の原爆について扱っていることは、我々としては特に推奨したいと思いました。はい、以上です。

一橋委員

 社会科目一般にそうですけども、出来上がった事実を生徒に教えるということではなく、いろんな資料とかデータとかを基にして、何を感じるか、どう考えるかということの方がむしろよい授業かと思います。そういう意味では、先ほどの説明にあった、東京書籍の140ページ、「近世の学習をふりかえろう」というところは、少しデータとか資料が少ないという印象です。これに対して、意見の2にあります、帝国書院の158ページあたり、これも近世でのことですけども、右側の159ページにある二つの見出しを見て、どこが違いますか、どういうふうに時代変わったか、あなたはどう考えますかと、こういう問いかけは非常に面白いなと思いました。
 ただ、答申にありますように、本市がふさわしいものとして採用するのはどうかとなりますと、やはり各委員の皆さんがおっしゃるとおり、原爆や被爆建物について、広島市の特徴的な歴史、体験を、どうリアルに追体験するかということについては、やはり東京書籍の方が一つ有利な内容を提供していると思いましたので、最終的な意見については特に異議はありません。

松井教育長

 それでは、お諮りをいたしたいと思います。
 社会の歴史的分野につきましては、東京書籍が「よりふさわしい」と考えられますので、東京書籍を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、社会の歴史的分野につきましては、東京書籍を採択することに決定をいたしました。
 それでは、ここで5分程度休憩をさせていただきたいと思います。

 (休憩)

松井教育長

 それでは、議事を再開させていただきます。
 今日は会場が広いので、少し発言が聞こえにくいという御意見もあるようでございますので、委員と説明される方も含めて、できるだけはっきりとした声で発言していただきますようお願いをいたします。
 それでは、続きまして、社会の公民的分野につきまして、指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、社会、公民的分野について説明します。
 答申38ページを御覧ください。
 まず、1、本市の実態や生徒の状況、2、調査・研究の観点についてです。
 本市の生徒は、SNSや報道等から得られる現代の社会的事象に対する興味・関心は高く、タブレット端末を活用したり、諸資料から現代の社会的事象に関する情報を収集したりする力は身に付いている一方で、政府の役割や民主政治の仕組みなど、生徒があまり身近に感じにくいような社会的事象については興味・関心を持ちにくいことや、学習課題の解決の見通しを立て、収集した情報を基に、現代社会に見られる課題について公正に判断したりする力や、思考・判断したことを説明したり、それらを基に議論したりすることに課題が見られ、この課題に対応するものは、視点丸2、丸3、丸4です。採択審議会においては、特に重要な視点として、視点丸4について審議されました。
 次に、3、各教科書の特徴についてです。
 答申39ページを御覧ください。
 社会、公民的分野では、主に審議された視点丸4「興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫」について、各者の教科書を御覧いただきながら説明いたします。
 まず、東京書籍の177ページを御覧ください。「まとめの活動」の「ふり返ろう」において、ページ上部にある「探究のステップ」で、節の問いを図や思考ツールのウェビングを活用しながら解決する活動を設定しています。審議会では、思考ツールを使いながらまとめさせるのはよいと意見が出ています。
 続いて178ページを御覧ください。「深めよう」では、「導入の活動」で示された課題「コンビニエンスストアの経営者になってみよう」と関連づけた、コンビニエンスストアの新たなサービスを企画しようについて、章で学習してきた内容を踏まえながら考察する活動を設定しています。また、ページ中央にあるYチャート、ページ下部にあるランキングを掲載しており、活動内容によって使用する思考ツールを変えています。さらに、コーナー「みんなでチャレンジ」を設け、「グループの中でサービスの優先順位を発表し合いましょう」等、個人で考えたことを基にグループで意見交換をする活動を設定し、対話的な学びを促しています。審議会では、対話や議論を促す活動例がしっかりとあるのでよいと意見が出ました。
 次に、教育出版、166ページ、167ページを御覧ください。「学習のまとめと表現」において、「HOP!」、「STEP!1」、「STEP!2」を設け、章の問いを思考ツールのマインドマップを活用し、章の問いを解決する活動を設定しています。
 続いて、帝国書院、174ページ、175ページを御覧ください。「節の振り返り」で、図を活用して節の問いを解決する活動を設定しています。続いて、176ページを御覧ください。「章の振り返り」では、ページ上部にある章の冒頭で示したイラストを基に、ページの下部にある思考ツールのくらげチャートを活用し、問いの答えをまとめる活動を設定しています。また、177ページの「探究学習への準備」において、SDGsの17の目標や自分の住む地域の視点から章の学習を振り返り、探究テーマを考える活動を設定しています。さらに、「対話マーク」を付し、作成した表を周りの人と持ち寄って意見交換をしてみようなどの活動を設定し、対話的な学びを促しています。
 続いて、日本文教出版、186ページ、187ページを御覧ください。「まとめと振り返り」において、187ページ中央にある思考ツールのマトリックスを用いて、これまで学習してきたことを基に、章の問いをまとめる活動を設定しています。また、「学び合いマーク」を付し、「グループになって意見交換してみましょう」等の活動を設定しています。
 続いて、自由社、120ページを御覧ください。「学習のまとめと発展」において、最重要語句の確認を行い、「学習の発展」では、用意された課題から一つ選択し、約400字でまとめる活動を設定しています。
 続いて、育鵬社、168ページ、169ページを御覧ください。「経済のこれから」において、第4章で学んだ内容を振り返りながら、「企業の社会的責任を考察する発展的な課題」を掲載しています。また、続いて170ページの「学習のまとめ」では、重要語句の確認や自分の意見を述べる活動を設定しています。
 最後に、答申45ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、審議会からの意見として、意見1、東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」、意見2、帝国書院の教科書は本市で使用する教科書として「ふさわしい」が付されています。
 意見1の理由として、1点目、「まとめの活動」や特設ページ等の随所に、どのような「見方・考え方」を働かせるかを示しており、思考・判断したことを説明する学習を行う際に役立てることができるようにしている。また、「まとめの活動」において、「探究のステップ」で節の問いを解決する活動を設定し、「深めよう」では、ウェビングやYチャート等の活動内容に応じた複数の思考ツールを用いながら、「導入の活動」で示された課題と関連した発展的な課題について考察する活動を設定しており、単元で学んだことを活用できるようにしている。
 2点目、各中項目最後の「まとめの活動」において、語句などの確認を行い、「探究のステップ」として、「節の問いを解決しよう」を設け、段階的に振り返りながら単元の課題を解決することができるようにしているとともに、コーナー「みんなでチャレンジ」を設け、対話を促す活動を設定している。また、「まとめの活動」以外のページにおいても、随所にコーナー「みんなでチャレンジ」を設け、「グループで話し合った内容について発表しましょう」、「もっと良い方法はないか、グループで話し合いましょう」等の活動を行えるようにしている。
 3点目、中項目の冒頭では、現代社会の見方・考え方に付した「導入の活動」を設けており、探究課題を関連した活動を設定しているとともに、その「探究課題」を冒頭に示し、節を通して学習する課題を一つずつ示すことで、学習の見通しを立てることができるようにしている。また、本文ページのタイトルの上にサブタイトルを示しており、生徒にとって身近に感じにくいような社会的事象を学習する際の興味・関心を持たせるための工夫が見られることが挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、「学習を振り返ろう」や特設ページ等の随所に、どのような「見方・考え方」を働かせるかを示しており、思考・判断したことを説明する学習を行う際に役立てることができるようにしている。また、「学習を振り返ろう」を設け、章の冒頭で示したイラストを基に、Yチャートやくらげチャート等の思考ツールや図を活用し、知識を整理したり、問いを考えたりする活動を設定している。また、「探究学習への準備」として、章の学習を振り返りながら探究テーマを考える活動を設定しており、発展的な課題に取り組むことができるようにしている。
 2点目、各中項目最後の「学習を振り返ろう」において、語句などの確認を行い、「章の振り返り」として、段階的に振り返りながら単元の課題を解決することができるようにしているとともに、「対話マーク」を付し、対話を促す活動を設定している。また、「章の振り返り」以外のページにおいても、随所に「対話マーク」を付し、「周りの人と意見交換をしてみよう。特に重視した点はなんだろうか」、「考えを出し合ってみよう」等の対話を促す活動を行えるようにしている。
 3点目、中項目の冒頭では「学習の前に」を設け、資料やイラスト等を用いた「章の問い」に関連する活動を設定している。また、「章の問い」を冒頭に示すことで、学習の見通しを立てることができるようにしていることが挙げられています。社会、公民的分野の説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いをいたします。

井内委員

 この分野で重点的視点とされていた、興味・関心を持たせるという観点で見せてもらいました。皆さんで話し合おうとか、グループで色々討論してみようというのは、大なり小なりどの教科書も入っていると思いますが、やはり東京書籍は、話し合いを進める上で問題の解決方法をチャート式で絞っていけるような作り方にしてあるので、ひと工夫あると感じました。公民という科目は、内容的にこれでないといけないという形のものではないという性質を持っていると思っていますから、相対的に見て興味・関心を持たせるというところにどのぐらい差があるかなと思って見ていましたが、中学生で公民の分野に興味を持ってもらうためにどんな教材を使ったらよいかは、これからの課題かなと思いました。
 審議会の意見として、東京書籍の教科書が「よりふさわしい」ということには概ね賛同します。以上です。

秋田委員

 公民は、特に若い世代が選挙に行こうという意識を高めるのが非常に重要な科目ですが、なかなか無関心な状況が続いているので、その意味では、東京書籍は「確かめよう」とか「ふり返ろう」でステップチャートとして一つずつビジュアルで思考しながら考えていくという点では、現場で教員が教える時に非常に授業を進めやすいと思いました。また、「みんなでチャレンジ」のコーナーも会話ができるような形になっているので、この「まとめの活動」というものが特により分かりやすい作りになっていて、「よりふさわしい」と思いました。以上です。

一橋委員

 東京書籍は、この公民だけではなく、地理、歴史もそうだと思いますが、作り方が導入から始まって、さらに段階的に道筋をきちっと生徒に教えられるように、うまく設定されていると感じます。
 質問が二つあります。一つは、視点丸4「興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫」があると思いますが、興味・関心を持たせるというところの工夫をどうされているのか、もし分かれば教えていただきたいということと、もう一つは、社会は正解がないので、いろんな資料やデータを見ながら、何を感じるかを議論し合うことが大事かと思うのですが、東京書籍と帝国書院、それぞれの教科書で、データの多さとか、そういうことについて審査会での内容を教えていただきたいと思います。

指導第二課長

 一つ目の興味・関心の工夫ですけれども、審議会の中で出てきた御意見としましては、視点丸4について、導入の時点で、いきなり憲法ですとか政治の話ではなく、生徒たちが考えやすい活動がどの単元にも設定してあり、授業の導入として魅力的な内容であるという御意見がありました。

指導第二課課長補佐

 少し補足いたしますと、東京書籍の130ページ、131ページを御覧いただきたいのですが、例えば、「導入の課題」として、「コンビニエンスストアの経営者になってみよう」ということで、こどもたちに身近なコンビニエンスストアを取り上げて考えさせ、先ほどの178ページ、179ページを御覧いただくと、今度は学びの最後のところで、「コンビニエンストアの新たなサービスを企画しよう」というところで、こどもたちに考えて提案させることで興味・関心をより持たせてく、こうした点が一つ特徴かと思っております。

一橋委員

 おっしゃるとおり、130ページにある「コンビニエンスストアの経営者になってみよう」という一つの事例が章を通したテーマになっているという工夫は、私もよいと思いました。

指導第二課長

 資料やデータの多さになりますと、視点丸8で「本文の記述と適切な関連付けがなされたイラスト・写真・ウェブコンテンツ等の示し方」という視点がありますが、資料がこれだけあるといったような見方ではなく、例えば答申の39ページ、東京書籍だと、広島に関する資料に限定したところで比較をさせていただいているとところです。

一橋委員

 分かりました。ありがとうございました。

松井教育長

 それでは、お諮りをいたしたいと思います。
 社会の公民的分野につきましては、東京書籍が「よりふさわしい」と考えられますので、東京書籍を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、社会の公民的分野につきましては、東京書籍を採択することに決定をいたしました。
 続きまして、地図について、指導第二課長の方から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、社会、地図について説明します。
 答申48ページを御覧ください。
 まず、1、本市の実態や生徒の状況、2、調査・研究の観点と視点についてです。
 本市の生徒は、地図に対する興味・関心が高く、読図や作図などの技能は身に付いている一方で、種類や縮尺の違いによる多様な利用の仕方や、主題図、その他統計や写真など、たくさんの地理情報を活用し、例えば気候図を併用して降水量の分布と土地利用の関係を明らかにするなどの事象間の関係を読み取る力や、地図から地域的特色を捉え、地域の課題を見いだし考察したりすることに課題が見られ、その課題に対応するものは視点丸1、丸3、丸5です。 採択審議会においては、特に重要な視点として視点丸3について審議されました。
 次に、3、各教科書の特徴についてです。答申49ページを御覧ください。社会、地図では、主に審議された視点丸3「問題解決的な学習をするための工夫」について、各者の教科書を御覧いただきながら説明します。
 東京書籍、135ページ、136ページ、帝国書院、159ページ、160ページをそれぞれ御覧ください。
 両者とも、「日本の自然環境(自然災害)」、「日本の自然災害・防災」のように主題ごとの特設ページを設け、複数の資料を関連付けることができるようにするために、主題図やグラフ等の資料を見開きページでまとめて掲載するとともに、東京書籍136ページの上部や帝国書院159ページの左側、「地図で発見」のように、資料を読み取って考える問いを設定しています。さらに、帝国書院では、159ページ上部にある主題学習で、「日本で起こる様々な災害に対してどのような取組が行われているだろうか」のように、ページ全体に関わる問いとして示すことで、問題解決的な学習を促しています。審議会では、地図帳は地理分野の授業で活用することが多く、複数の資料を関連づけた学習を行う上で、ページ全体に関わる問いがあるのは授業者として助かると意見が出ました。
 また、関連する内容として、東京書籍、81ページ、82ページ、併せて帝国書院、101ページ、102ページを御覧ください。
 両者とも、中国・四国地方の資料として、地形や降水量に関する資料を掲載しています。帝国書院では、102ページ右下にある、「広島市付近にある水害の碑の分布」を掲載するなど、審議会で帝国書院は、統計資料も含めて興味深い資料が多く掲載されていると意見が出ました。
 最後に、答申51ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、審議会からの意見として、意見1、帝国書院の教科書は本市で使用する教科書として「よりふさわしい」、意見2、東京書籍の教科書は本市で使用する教科書として「ふさわしい」が付されました。
 意見1の理由として、1点目、段彩図を用いて、陸地の高さと海の深さを表しているとともに、世界では、鳥瞰(かん)図を用いて立体的に表している。また、日本の各地域の地図では、山の稜線を加えて立体感を表現しており、地図を活用しながら学習する際に、対象となっている地域の地形を立体的に捉えることができるようにしている。
 2点目、主題ごとの特設ページを設け、主題図やグラフ等の資料を見開きページでまとめて掲載していることで、複数の資料を関連付けることができるようにしている。また、ページ全体に関わる問いを「主題学習」の欄を設けて示しており、問題解決的な学習を促すようにしている。
 3点目、巻末では、自然の統計に加え、世界の統計、日本の統計を9ページにわたり掲載しており、地図帳を活用して学習する際に、多くの情報を取り出すことができるようにしていることが挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、段彩図を用いて陸地の高さと海の深さを表しているとともに、世界では鳥瞰(かん)図を用いて立体的に表している。
 2点目、主題ごとの特設ページを設け、主題図やグラフ等の資料を見開きページでまとめて掲載していることで、複数の資料を関連付けることができるようにしている。
 3点目、巻末では、自然の統計に加え、世界の統計、日本の統計を5ページにわたり掲載しており、地図帳を活用して学習する際に、多くの情報を取り出すことができるようにしていることが挙げられています。社会、地図の説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等ありましたらお願いをいたします。

井内委員

 地図ですから、あくまで地理とか、歴史もそうかもしれませんが、その時に参照するもので、それ自身で多くを考えさせるというふうな作りではないとは思いますが、例えば、御説明のあった中国・四国地方の資料のところを帝国書院と東京書籍で比べた場合に、例えば帝国書院ですと、「広島市付近にある水害の碑の分布」と具体的に書いてあって、身近にあった出来事を中心に、そこから自分たちのまちの地形を改めて見直してみるというふうなことができそうな気がします。決して東京書籍にはないというわけではないでしょうけれども、より身近な存在としてこの地図を眺めていけるという点では、中国・四国地方の話だけしましたけれども、この帝国書院の方が「よりふさわしい」教科書であるという意見には賛同いたします。以上です。

秋田委員

 帝国書院は地図の上に「主題学習」という質問の項目があって、こどもたちには地図をどのように見たらよいのかが分かりやすいのかなと思いました。また、主題ごとの特設ページを設けて見開きページでまとめて掲載していて、問題解決的な学習を教員が現場で行うに当たっては使いやすいかと思いましたので、より帝国書院の教科書がふさわしいと思います。

松井教育長

 それでは、お諮りしたいと思います。
 地図につきましては、帝国書院が「よりふさわしい」と考えられますので、帝国書院を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、地図につきましては、帝国書院を採択することに決定をいたしました。
 次に、数学について審議をいたしたいと思います。
 指導第二課長の方から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、数学科について説明します。
 答申54ページを御覧ください。
 1、本市の状況や調査の視点、2、調査・研究の観点と視点についてです。
 本市の生徒は、数学を活用して日常生活や社会の事象を論理的に考察すること、数学的な表現を用いて説明すること、また、正答率30%未満の生徒の割合が高く、基礎・基本の定着のための手立てが必要であることに課題が見られ、その課題に対応するものは、視点の丸1、丸2、丸3、丸4です。採択審議会においては、特に重要な視点として、視点丸2、視点丸4について審議されました。
 次に、3、各教科書の特徴についてです。
 答申55ページを御覧ください。
 数学科では、主に審議された視点丸2「問題解決的な学習を実施するための工夫」については、各者1学年の教科書を御覧いただきながら説明します。また、視点丸4「興味・関心を持たせ、学習の見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫」については、特徴のある1学年の教科書を御覧いただきながら説明します。
 まず、視点丸2についてです。
 各者とも、数学的に考える資質、能力を育成する上で重要となる数学的な見方・考え方について示しています。
 東京書籍、1年、250ページを御覧ください。巻末で数学的な見方・考え方についての特設ページ「数学の目でふり返ろう」を設けており、ページの右側にある加法の計算は、「もとにする数や文字に着目して考える」のように、これまでに学習した内容と数学的な見方・考え方を関連付けて示しています。
 次に、大日本図書、1年、9ページを御覧ください。巻頭で、例えばページの上部に緑色の字で「いくつか調べて予想する」のように、数学的な見方・考え方を具体的な学習場面の例とともに示しています。
 続いて、学校図書、1年、276ページを御覧ください。巻末で数学的な見方・考え方について、特設ページ「『見方・考え方』をまとめよう」を設けており、例えば、1、身のまわりや数学の中から問題を発見しよう、2、数学の問題として考えようなど、問題解決的な学習の流れにおいて働かせるべき見方、考え方を学習内容が掲載された教科書のページとともに示していることが特徴です。これにより、問題解決の過程でどのような数学的な見方・考え方を働かせれば良いか分かるようにしています。
 教育出版、1年、6ページを御覧ください。巻頭で数学的な見方・考え方についての特設ページ「大切にしたい数学的な見方・考え方」を設けており、例えば、「いくつか調べてきまりを見つける」のように、数学的な見方・考え方を具体的な学習場面の例とともに示しています。
 新興出版啓林館、1年、6ページを御覧ください。巻頭で数学的な見方・考え方についての特設ページ「いろいろな場面で役に立つたいせつな考え方を身につけよう」を設けており、例えば、「同じように考える」のように、数学的な見方・考え方を具体的な学習場面の例とともに示しています。
 数研出版、1年、9ページを御覧ください。巻頭で、ページの下部にあるように、数学の学習で生かせるように、数学的な見方・考え方を示しています。
 日本文教出版、1年、8ページを御覧ください。巻頭で、数学的な見方・考え方についての特設ページ「数学的な見方、考え方を身につけよう!」を設けており、例えば「同じように考える」のように、数学的な見方・考え方を具体的な学習場面の例とともに示しています。
 審議会では、東京書籍と学校図書について、巻末においてこれまでに学習した内容と数学的な見方・考え方を関連付けて示している点が本市の生徒の課題である数学を活用して、日常生活や社会の事象を論理的に考察することにより対応した特徴であると調査員から報告がありました。
 続いて、視点丸4についてです。
 東京書籍、1年、60ページを御覧ください。ページの下部にあるように、1章、ふり返りレポートのコーナーを設けています。どの発行者も多少違いはありますが、このように章末や巻末で学習したことを振り返る活動を設けており、学習した内容の定着状況を確認することや、学習した内容を次の学習に生かしたりつなげたりすることができるようにしています。
 さらに、東京書籍、大日本図書、学校図書は、学習の区切りにも学習したことを振り返るコーナーを設けております。
 それでは、東京書籍、1年、39ページを御覧ください。ページの中央部分にあるように、「学びをふり返ろう」では、学習内容を振り返るとともに、これまでの学習で働かせた数学的な見方・考え方を自分の言葉でまとめる活動を設けています。
 次に、大日本図書、1年、17ページを御覧ください。ページの下部にあるように、「学びのふり返り」では、学習内容を振り返る活動を設けています。
 続いて、学校図書、1年、32ページを御覧ください。ページの中央付近にあるように、「どんなことがわかったかな」のコーナーで学習したことを振り返り、その横の次の課題への欄に、正の数、負の数のかけ算やわり算も加法・減法と同じようにできるのかなと、次の学習内容につながる疑問に関連箇所のページ数を添えて示しています。
 審議会では、東京書籍の学習した内容を数学的な見方・考え方とともに振り返らせている点や、学校図書の「次の課題へ」を設け、次の学習内容につながる疑問を示している点が、本市の生徒の課題に対応していてよいという意見が出されました。中でも学校図書は、「次の課題」での欄を設けることで、前後の学習内容を関連付け、数学が苦手な生徒も見通しを持ちながら学習を進めることができる構成になっている点で、東京書籍よりも本市の生徒の課題により対応しているとの意見が出されました。
 最後に答申62ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、審議会からの意見として、意見1、学校図書の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」。意見2、東京書籍の教科書は本市で使用する教科書として「ふさわしい」が付されています。
 意見1の理由として、1点目、目次の「~で学んだこと」で、各領域と関連のある既習事項を示している。また、側注の「ふりかえり」及び巻末の「~の計算」で関連する既習事項を示している。さらに、各領域を学習する前に「ふりかえり」のページを設け、その領域の既習事項を振り返っている。それにより、学習につまずいている生徒がこれまでの復習をするときに、どの学年のどの内容の復習を行えばよいか理解し、基礎的・基本的な知識・技能の習得につながる学習が行いやすくなる。
 2点目、巻末で数学的な見方・考え方についての特設ページ「『見方・考え方』をまとめよう」を設けている。また、学習内容と数学的な見方・考え方を関連付け、問題解決の流れの図を添えて示している。それにより、問題解決の過程でどのような数学的な見方・考え方を働かせれば良いか分かるようになっている。
 3点目、学習の区切りに「どんなことがわかったかな」や各章末に「○章『~』を学んで」のコーナーを設け、学習を振り返ることができるようにしている。また、「どんなことがわかったかな」の横の「次の課題へ」の欄に、次の学習につながる疑問に関連箇所のページ数を添えて示している。それにより、生徒が学習内容を関連付け、見通しを持ちながら学習を進めることができる構成になっていることが挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、目次の「前の学習」で各領域と関連のある既習事項を示している。また、側注の「ちょっと確認」及び巻末の「学びのベース」で関連する既習事項を示している。
 2点目、巻末で数学的な見方・考え方についての特設ページ「数学の目でふり返ろう」を設けている。また、学習内容を数学的な見方・考え方と関連付けて示している。
 3点目、学習の区切りに「学びをふり返ろう」や各章末に「ふり返りレポート」のコーナーを設け、学習を振り返ることができるようにしている。また、学習の区切りの「学びをふり返ろう」では、学習内容を振り返るとともに、これまでの学習で働かせた数学的な見方・考え方を自分の言葉でまとめることができるようになっていることが挙げられています。数学科の説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問や御意見等があればお願いをいたします。

秋田委員

 正答率30%未満の生徒の割合が高くて、基礎・基本の定着の手立ての必要があるということで、不登校の生徒をできるだけ増やさないようにするとか、そういう意味でも、この振り返り、基礎の定着は非常に重要だと思います。この「ふりかえり」というページを使って基礎を確認して次に進むという構成は、現場の教員にとって使いやすいかと思いましたので、学校図書の教科書が「よりふさわしい」と思いますけれども、現場で実際どのように「ふりかえり」を使って授業をされているのかは、私が見たわけではないので、また今後も見学などさせていただきたいと思っております。

井内委員

 本市の場合、長らく中学校の数学は全国平均よりも少し点数が低くて問題があるということで検討していただいているわけですけど、先ほど秋田委員もおっしゃったように、現場の先生たちにとって、どういう教え方がよいのかという観点で見たら、振り返りのページが多い学校図書の教科書は使いやすいのでしょうか。審議会でも、そういう議論はあったのでしょうか。

指導第二課長

 実際、現場の先生の声からも、これまでの学習内容を振り返って次の学習につなげるという学習展開をされていると伺っております。それはやはり本市の課題であるように、正答率の低い生徒にとっては、とても有効な授業展開の仕方であるというような審議もされました。

井内委員

 はい。

松井教育長

 どちらの教科書も振り返りにはそれなりに力を入れておられる中で、例えば、今回の「よりふさわしい」とか「ふさわしい」という判断を審議会でされている中で、現場の先生の意見等から、こういうところが振り返りをするのに使いやすいとか指導しやすい、といった意見があったかどうかということを言っていただけた方がわかりやすいかと思います。

指導第二課長

 特に審議会で「よりふさわしい」と評価された学校図書の特徴としては、開いていただいている学校図書の32ページを見ていただくと、「どんなことがわかったかな」というところの右側に、黄色い四角の「次の課題へ」で次の課題が示され、そこに次の学習内容につながる疑問や関連ページを示し、関連ページを開くと、その疑問に答えるような内容になっています。基礎・基本の定着が厳しい生徒にとっては、学習内容がバラバラになっているよりは、つながりが見えた方が分かりやすいという意見がありました。

松井教育長

 どこのページに具体的に戻ればよいという点が特徴的で、評価をされている。

指導第二課長

 はい。

井内委員

 数学の場合は、一回もうダメだとなると、なかなか付いて行けないことが多いので、そこが非常に数学の難しいところだと思うのですが、この振り返りを大事にしてもらって、それを先生がうまく使って、理解度を上げるというようなことが一番大切なのだと思います。そうすれば、非常に意味があるだろうと思います。はい、以上です。

一橋委員

 数学は何回も復習するという特徴があるので、それに対して、どれも振り返りについて書いておられますが、学校図書の「ふりかえり」は他のものより充実していると思います。
 また、これは補足ですけれども、学校図書275ページ~292ページにある「さらなる数学」、これは答申にも指摘がありますが、非常に面白いなと。276ページの「見方・考え方」はいろんなものの考え方が整理されていて、ここまで綺麗に整理されているのは確かに非常にふさわしいなと感じました。以上です。

松井教育長

 それでは、お諮りをいたします。
 数学につきましては、学校図書が「よりふさわしい」と考えられますので、学校図書を採択することで御異議ございませんでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、数学につきましては、学校図書を採択することに決定をいたしました。
 午前中の最後に、理科について審議したいと思います。

指導第二課長

 それでは、理科について説明します。
 答申64ページを御覧ください。
 1、本市の実態や生徒の状況、2、調査・研究の観点と視点についてです。
 本市の生徒は、知識及び技能の習得やそれらを活用すること、観察実験の結果を分析・解釈することに課題が見られ、この課題に対応するものは、視点の丸1、丸2、丸3です。採択審議会において、特に重要な視点として視点丸1について審議されました。
 次に、3、各教科書の特徴についてです。
 答申65ページを御覧ください。
 理科では、主に審議された視点丸1「知識や概念の定着を図り、知識を深めるための工夫」について、各者3学年の教科書を御覧いただきながら説明します。
 まず、東京書籍、3年、92ページを御覧ください。ページの下部にあるように、「章末 学んだことをチェックしよう」を設け、章で学習した基本的な内容が理解できたかを確認できるようにしています。続いて、120ページを御覧ください。「学習内容の整理」を設け、単元で学習した重要な用語やポイントを文やイラスト等で表し、まとめています。続けて、122ページを御覧ください。「確かめ問題」を設け、単元の学習内容を活用した問題に取り組めるようにしています。また、二次元コードから単元末問題にアクセスできるようにしています。最後に、124ページを御覧ください。「活用問題」を設け、知識を深めるための問題演習に取り組めるようにしています。
 次に、大日本図書、3年、105ページを御覧ください。ページの下部にあるように、「章末問題」を設け、章の内容を確認する問題に取り組めるようにしています。続いて、158ページを御覧ください。「まとめ」を設け、ページの左側に示した単元で学習したキーワードを、文やイラスト等を用いてまとめています。続けて、160ページから162ページを御覧ください。「単元末問題」、「読解力問題」を設け、単元の学習内容を活用した問題に取り組めるようにしています。最後に、338ページを御覧ください。「学習のまとめ」を設け、3年間学習した単元ごとの問題演習に取り組めるようにしています。
 続いて、学校図書、3年、113ページを御覧ください。「学習のまとめ ステップ1」を設け、単元で学習した用語を確認できるようにしています。続けて、114ページを御覧ください。「学習のまとめ ステップ2」を設け、基本の問題演習に取り組めるようにしています。最後に、273ページを御覧ください。「ステップ3 読解力強化問題」を設け、2ページにわたり、主に選択式の問題演習に取り組めるようにしています。
 教育出版、3年、75ページを御覧ください。ページの下部にあるように、「要点をチェック」を設け、学習内容の振り返りができるようにしています。また、二次元コードから要点のチェックや参考リンク等にアクセスできるようにしています。続いて、110ページを御覧ください。「要点と重要用語の整理」を設け、単元で学習した重要用語を文やイラスト等を用いてまとめています。続けて、112ページを御覧ください。「基本問題」を設け、問題演習に取り組めるようにしています。さらに1枚めくっていただき、114ページを御覧ください。「活用問題」を設け、単元の学習内容を活用した応用問題に取り組めるようにしています。最後に、310ページを御覧ください。「学年末総合問題」を設け、4ページにわたり、3学年で学習した内容の問題演習に取り組めるようにしています。
 新興出版社啓林館、3年、16ページを御覧ください。ページの下部にあるように、「Review-ふり返ろう」を設け、章の基礎、基本の内容や用語を確認し、章で学習した視点を使い、用語等を説明する問題に取り組めるようにしています。また、二次元コードから問題やふり返りシートにアクセスできるようにしています。なお、続いて説明していく「学習のまとめ」、「力だめし」においても、二次元コードから問題やふり返りシートにアクセスできるようにしています。続いて、38ページを御覧ください。「学習のまとめ」を設け、単元で学習した重要な用語やポイントを文やイラスト等で表し、まとめています。さらに1枚めくっていただき、40ページを御覧ください。3ページにわたり、「力だめし」を設け、単元の学習内容を活用した応用問題、知識を深めるための問題演習に取り組めるようにしています。続いて、308ページを御覧ください。「学年末総合問題」を設け、3学年で学習した各単元の学習内容を横断した応用問題に取り組めるようにしています。最後に、310ページを御覧ください。「中学校総合問題」を設け、3年間学習した内容を横断した応用問題に取り組めるようにしています。審議会では、本市の課題である知識及び技能の習得について、構成内容から、東京書籍と新興出版社啓林館の2者が非常に丁寧であると審議されました。
 最後に、答申70ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、審議会からの意見として、意見1、新興出版社啓林館の教科書は本市で使用する教科書として「よりふさわしい」、意見2、東京書籍の教科書は本市で使用する教科書として「ふさわしい」が付されています。
 意見1の理由として、1点目、各章末に学習内容を確認するため、問題演習を行う「Review-ふり返ろう」を設け、二次元コードから問題演習、ふり返りシートへアクセスできるようにしている。また、各単元末に基本事項を確認するための「学習のまとめ」と問題演習を行う「力だめし」を設け、二次元コードから問題演習へアクセスできるようにしている。さらに、各学年の巻末に、問題練習を行う「学年末総合問題」を設け、第3学年の巻末には問題演習を行う「中学校総合問題」を設けている。
 2点目、各学年の「サイエンス資料」で、安全に実験を行うために、実験前、実験中、実験後の説明をチェックリストにしている。また、廃液や廃棄物の処理、「気をつけたい実験操作」を示し、事故が起きた場合の対処方法、応急処置の方法を掲載している。さらに、実験中に地震が起きた時の対処を、「地震発生直後」、「ゆれがおさまったら」に分けてチェックリストにしている。
 3点目、各学年4箇所、各単元にある一つの実験・実習を「探Q実験・実習」として、探究の過程に沿って疑問を解決する活動を設定している。また、巻末に探Q実験・実習に対応した「探Qシート」を設けている。さらに、「みんなで探Qクラブ」として、学習内容から生じた疑問を探究する活動を設定していることが挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、各章末に学習内容を確認するため、問題演習を行う「章末 学んだことをチェックしよう」を設け、二次元コードから章末問題へアクセスできるようにしている。また、各単元末に基本事項を確認するための「学習内容の整理」と問題演習を行う「確かめ問題」を設け、二次元コードから問題演習にアクセスできるようになっている。さらに、知識を深める問題演習の「活用問題」を設けている。
 2点目、各学年に「理科室の決まり」として、安全に受験を行うために、実験前、実験中、実験後の説明をチェックリストにしている。また、事故が起きた場合の応急処置の方法と、実験中に地震が起きたときの対処方法を掲載している。さらに、第1学年では1枚のイラストから誤った行動を10個見つける活動を設定している。
 3点目、第1学年に4箇所、第2学年に5箇所、第3学年に4箇所、「じっくり探究」として、探究の過程の流れに沿って疑問を解決する活動を設定していることが挙げられております。理科の説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明に関しまして、御質問、御意見等がありましたらお願いをいたします。

井内委員

 本市の課題として、生徒の状況の最後の行に書いてある「観察実験の結果を分析・解釈することに課題が見られる」ことは、これまでの学力テストでも指摘されてきたことだと思います。審議会の意見では、最後の学習のまとめや力試しの問題を評価してありますが、今の課題に対して実験の結果を分析・解釈し、そこから解を求めていくという流れに対応できる力をつけることができるのでしょうか。今の「中学生総合問題」とか「章末問題」を細かく見てないので分かりませんけども、この辺は審議委員会でどういう御意見が出たのでしょうか。

指導第二課長

 審議会の意見の三つ目にあります、啓林館の「探Q実験・実習」、東京書籍でいうと「じっくり探究」というところで、課程に沿って疑問を解決する活動をする中で、課題になっている「観察実験の結果を分析・解釈すること」は普段の観察実験の中でももちろん行いますが、さらに「みんなで探Qクラブ」や「じっくり探究」等で深めていくことができると考えています。

井内委員

 そういう点で、啓林館の「探Qシート」は有効であるという評価だったのですね。はい、分かりました。

指導第二課課長補佐

 少し補足いたしますと、「よりふさわしい」とされた啓林館の2年生の129ページを御覧ください。啓林館の「みんなで探Qクラブ」ということで、探究的な課題が設定されているページでございます。先ほど説明した「じっくり探究」は、東京書籍の2年生、50ページになりますけれども、こちらも探究的な課題が設定されています。
 これらについては、どちらもよい特徴だけれども、啓林館の方がこどもたちにとって、よりしっかり考えられるような構成になっているという御意見もあり、こちらの方がよいのではないかという御意見いただいております。
 先ほど井内委員が言われたような観察実験を分析する力等は、こういうページでしっかりつけられるものと審議会で意見が出されました。補足でございました。

井内委員

 はい、分かりました。

一橋委員

 視点の丸1で、知識や概念の定着を図るとなっていて、答申の70ページの意見には、振り返りの問題やまとめの問題、総合問題ということで、主に演習問題を中心に書いてありますけれど、「よりふさわしい」、「ふさわしい」となっているのは、どのように問題が異なるのでしょうか。

指導第二課長

 東京書籍と啓林館どちらも、知識及び技能の習得であるとか、思考力、判断力、表現力等の育成の問題についてとてもよく工夫されていますが、啓林館の3年生、308ページ、「学年末総合問題」を御覧いただくと、啓林館では、3年生で学習した内容を横断的に解いていく問題が掲載されています。さらに、1枚めくっていただいた310ページ、311ページについては、1年生から3年生までの内容を含んだ問題となっており、これは東京書籍の方にはありません。こういった横断的な演習問題等があるようなところが、啓林館の方が構成的にもよいという意見が審議会の中でも出てきましたので、そのように評価しております。

一橋委員

 問題の内容につながりがあるという点が、啓林館の方が工夫されているという判断ですね。
 先生が授業で教える時には、この最後の総合問題までが構成になるのですか。

指導第二課長

 はい、そうです。先生方は、授業の中でもちろんそれぞれの単元の問題を解いていきますけれども、総合問題は3年生の最後の方のページになりますので、入試であるとかその先のことに今まで学習してきたことを踏まえて向かっていくために、ここでもう一度確認して、できないところがあればまた戻って学習をしていくような利用をされております。

一橋委員

 東京書籍やほかの教科書は、この中学校3年間の総合問題は掲載されていないとすると、啓林館以外の教科書を利用した場合は先生の創意工夫でやるようになるのですね。

指導第二課長

 そうですね。この啓林館については、新規採用で経験のない先生など、どんな先生方でも、このように問題が設定されているので、道筋が見えやすくなっていることが利点であり「よりふさわしい」とされています。

一橋委員

 よく分かりました。ありがとうございました。

松井教育長

 それでは、お諮りをいたします。
 理科におきましては、新興出版社啓林館が「よりふさわしい」と考えられますので、新興出版社啓林館を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、理科については新興出版社啓林館を採択することに決定をいたしました。12時を過ぎましたので、ここで休憩といたします。議事の再開は午後1時から予定いたします。

 (休憩)

松井教育長

 それでは、午前中に引き続きまして、議案第30号の審議を再開させていただきます。
 続きまして、音楽、一般について、指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、音楽科、一般について説明します。
 答申72ページを御覧ください。
 1、本市の実態や生徒の状況、2、調査・研究の観点と視点についてです。
 本市の生徒は、多様な音楽のよさを味わったり、生活や社会の中の音や音楽、音楽文化についての関心や理解を深めたりすることや、音楽を知覚したことや感受したこととの関わりについて考え、音楽表現を創意工夫したり、音楽のよさや美しさを味わって聴いたりすることに課題が見られ、その課題に対応するものが視点の丸3、丸4、丸7です。採択審議会においては、特に重要な視点として、視点丸3について審議されました。
 次に、3、各教科書の特徴についてです。
 答申73ページを御覧ください。
 音楽科、一般では、主に審議された視点丸3「音楽表現を創意工夫するための工夫」について、各者1年の教科書を御覧いただきながら説明します。
 まずは、教育出版の1年、16ページを御覧ください。歌唱分野の学習内容を示すとともに、音楽の特徴や表現の工夫を直接書き込む部分を掲載しています。また、キャラクターに吹き出しを付し、思考を促しています。続いて、1年、40ページ、41ページを御覧ください。創作分野の学習内容や手順を示すとともに、作品例やワークシートを掲載しています。また、41ページの下部にある「もっと楽しもう」で、友達と交流する場面を設定しています。
 次に、教育芸術社の1年、19ページを御覧ください。歌唱分野の学習内容や手順を示すとともに、音楽の特徴を記述する学習場面を設定し、直接書き込み部分を掲載しています。また、複数のキャラクターに吹き出しを付し、気付きや思考を促しています。続いて、1年、38ページ、39ページを御覧ください。創作分野の学習内容や手順を示すとともに、作品例やワークシートを掲載しています。また、39ページ下部にあるように、友達と意見交換する場面を設定するとともに、対話例を掲載しています。
 最後に、答申77ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、審議会からの意見として、意見1、教育芸術社の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」、意見2、教育出版の教科書は、本市で使用する教科書として「ふさわしい」が付されています。
 意見1の理由として、1点目、音楽表現を創意工夫することができるよう、学習内容や手順を示し、知覚・感受したことや表現の工夫などを記述する場面を設定したり、作品例やワークシートを掲載したりしている。また、生徒や教師のキャラクターに吹き出しを付し、各学習場面において気付きや思考を促したり、友達と意見交換する場面での対話を例示したりしている。
 2点目、音楽のよさや美しさなどを味わって聴くことができるよう、学習の手順を示すとともに、聴き取ったことや感じ取ったこと、曲の批評文などを書き込む部分を設けている。
 3点目、生徒が主体的に生活や社会の中にある様々な音や音楽に関わることができるよう、音や音楽の果たす役割や音楽に関わる仕事などを紹介する特集を写真やイラストともに全学年に掲載している。
 4点目、我が国や郷土の伝統的な音楽、アジア地域の諸民族・諸外国の音楽、ポピュラー音楽など、多様な音楽を扱う教材や資料を掲載している。また、生徒が親しみをもつことができるよう、特集や裏表紙で、地域に伝わる祭りや芸能に関わる同世代の中学生の取組を紹介していることが挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、音楽表現を創意工夫することができるよう、学習内容や手順を示し、知覚・感受したことや表現の工夫などを記述する場面を設定したり、作品例やワークシートを掲載したりしている。また、生徒や教師のキャラクターに吹き出しを付し、各学習場面における気付きや思考を促している。
 2点目、音楽のよさや美しさなどを味わって聴くことができるよう、学習内容を示すとともに、聴き取ったことや感じ取ったこと、曲のよさなどを書き込む部分を設けている。
 3点目、生徒が、主体的に生活や社会の中にある様々な音や音楽に関わることができるよう、アウトリーチや音楽を通した教育活動について、写真とともに紹介する特集を設けている。
 4点目、我が国や郷土の伝統的な音楽、アジア地域の諸民族・諸外国の音楽、ポピュラー音楽など、多様な音楽を扱う教材や資料を掲載していることが挙げられています。音楽科、一般については以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いをいたします。
 私から確認で、今の御説明の中で「よりふさわしい」とされている教育芸術社が、「ふさわしい」とされている教育出版よりも、より工夫がされていると思われた部分を中心に、もう一度御説明をいただけますか。

指導第二課長

 視点の丸2についてですが、どちらも学習内容や手順を示すとともに、音楽の特徴や表現の工夫などを書き込む部分を設けるなど、音楽表現を工夫したり、音楽のよさや美しさを味わって聴いたりするための工夫がされていますが、教育芸術社は、複数の学習場面や対話の場面でキャラクターに吹き出しを付し、生徒の思考を促している点が違いと言えます。
 また、説明には入れておりませんが、視点の丸7についてなんですけども、生活や社会の中の音や音楽との関わりについて、教育芸術社は全学年特集ページを設けています。さらに、第2、3学年の教科書、裏表紙の写真ですとか、私たちが受け継ぐ郷土の祭りや音楽の特集で、地域に伝わる祭りや芸能に取り組んでいる中学生を紹介している点が教育芸術社の特徴となります。以上です。

松井教育長

 はい。ありがとうございました。
 それでは、お諮りをいたします。
 音楽科、一般につきましては、教育芸術社が「よりふさわしい」と考えられますので、教育芸術社を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、音楽科、一般につきましては教育芸術社を採択することに決定をいたしました。
 続きまして、音楽科、器楽合奏について、指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、音楽科、器楽合奏について説明します。
 答申の80ページを御覧ください。
 1、本市の実態や生徒の状況、2、調査・研究の観点と視点のうち、1については先ほどの音楽科、一般と同様となり、その課題に対応するものが2の視点丸2、丸5です。採択審議会においては、特に重要な視点として、視点丸2について審議されました。
 次に3、各教科書の特徴についてです。
 答申81ページを御覧ください。
 音楽科、器楽合奏では、主に審議された視点丸2「音楽表現を創意工夫するための工夫」について、各者の教科書を御覧いただきながら説明します。
 まず、教育出版の20ページ、21ページを御覧ください。20ページ上部に示された題材の目標や教材ごとに示された活動のポイントを示す文章の中で、曲にふさわしい表現を工夫するよう促しています。続いて、74ページを御覧ください。「音のスケッチ」において、学習の手順を示すとともに、楽譜や演奏例を示しています。
 次に、教育芸術社の16ページ、17ページを御覧ください。16ページ上部に示された題材の活動文や、その隣にある教材ごとに示された学習のポイントを示す文章の中で、曲にふさわしい表現を工夫するよう促しています。続いて、54ページ、55ページを御覧ください。「アンサンブル セミナー」と示された教材全てに「学びのコンパス」を設定し、学習の手順や創意工夫するための注目するポイントを示しています。また、吹き出しを付した生徒や教師のキャラクターを複数掲載し、学習の場面に応じて思考を促しています。
 最後に、答申85ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、審議会からの意見として、意見1、教育芸術社の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」、意見2、教育出版の教科書は本市で使用する教科書として「ふさわしい」が付されています。
 意見1の理由として、1点目、「学びのコンパス」において、学習の内容や手順を示したり、吹き出しを付した生徒や教師のキャラクターを複数掲載したりして、生徒の思考を促している。また、音楽表現を創意工夫するための注目するポイントについて、共通事項に示された「音楽を形づくっている要素」の具体例を示している。
 2点目、郷土の祭りや芸能で和太鼓が使われている場面や、様々なジャンルの楽器と和楽器が共演している場面の写真が掲載されている。また、同世代の中学生が和楽器の演奏に取り組んでいる様子を写真やインタビューとともに掲載されていることが挙げられています。
 意見2の理由として、1点目、「音のスケッチ」において学習の内容や手順を示している。また、音楽表現を創意工夫することができるよう、演奏の例を示している。
 2点目、郷土の祭りや現代曲での太鼓演奏の例が写真で掲載されていることが挙げられています。音楽科、器楽合奏については以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたら、お願いをいたします。
 御質問等がないようでございますので、それでは、お諮りをいたします。
 音楽科、器楽合奏については、教育芸術社が「よりふさわしい」と考えられますので、教育芸術社を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、音楽科、器楽合奏については教育芸術社を採択することに決定をいたしました。
 続きまして、美術科について指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、美術科について説明します。
 答申88ページを御覧ください。
 1、本市の実態や生徒の状況、2、調査・研究の観点と視点についてです。
 本市の生徒は、想像することの楽しさを感じており、美術科の学習に意欲的に取り組んでいる生徒が多い一方、感性や想像力を働かせて、思考・判断し、表現したり鑑賞したりするなどの資質・能力を相互に働かせながら育成することと、生活を美しくする造形や美術の働き、美術文化についての実感的な理解を深め、生活や社会と豊かに関わる態度を育成することに課題が見られ、その課題に対応するものは、視点の丸1、丸3、丸4、丸7です。採択審議会において、特に重要な視点として視点丸3について審議されました。
 次に3、各教科書の特徴についてです。
 答申89ページを御覧ください。
 美術科では、主に審議された視点丸3「豊かに発想し構想を練るための工夫」について、各者の類似した題材のページを御覧いただきながら説明いたします。
 まずは、開隆堂出版の美術2・3年、68ページ、69ページを御覧ください。ここでは、目に留まる、心に留まるという題材を4ページにわたって掲載しています。1枚めくっていただき、70ページを御覧ください。開隆堂出版では、活動の順序について、丸1から丸5の文と生徒の活動の写真で示しています。
 次に、光村図書出版の美術2・3年、70ページ、71ページを御覧ください。ここでは、メッセージを伝えるという題材を4ページにわたって掲載しています。1枚めくっていただき、72ページを御覧ください。光村図書出版では、「みんなの工夫」のコーナーを設け、生徒の課題意識や制作における試行錯誤の過程を詳しく紹介することで、生徒が感性や想像力等を豊かに働かせて、思考・判断しながら表現する活動を行うことができるようにしています。
 続いて、日本文教出版の美術2・3年上、42ページ、43ページを御覧ください。ここでは、その1枚が心を動かすという題材を2ページにわたって掲載しています。42ページの下部、「表現のヒント」の枠を御覧ください。日本文教出版では、表現のヒントのコーナーを設け、発想・構想の手立てを掲載し、生徒が感性や想像力を働かせて思考・判断しながら表現活動を行うヒントを示しています。
 最後に、答申95ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、審議会からの意見として、意見1、光村図書出版の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」、意見2、日本文教出版の教科書は、本市で使用する教科書として「ふさわしい」が付されています。
 意見1の理由として、1点目、「みんなの工夫」のコーナーでは、生徒の制作における試行錯誤の過程を詳しく紹介することで、生徒が感性や想像力等を豊かに働かせて、思考・判断しながら表現する活動を行うことができるようにしている。
 2点目、見開きや折り曲げの大型図版や原寸大で作品掲載を行い、美術2・3年、「日本の絵画を楽しむ5つのキーワード」では、和紙のような風合いの用紙に作品掲載を行っており、より本物に近い感覚で作品を味わうことができ、感性や創造力を豊かに働かせて鑑賞の活動を行い、美術文化について実感的な理解を深めることができるようにしている。
 3点目、美術1年の巻末、「美術鑑賞を楽しむ手がかり」のページで、鑑賞のポイントとともに、「美術鑑賞を広げる言葉」を示しており、生徒が言語活動を充実させながら、感性や想像力等を豊かに働かせて、思考・判断しながら鑑賞の活動を行うことができるようにしている。
 4点目、美術1資料において、形や色彩、材料や用具の取扱い及び表現方法等に関して、3年間活用できる資料を別冊に掲載することで、生徒が自らの主題を表すために、感性や想像力を働かせて、思考・判断し、表現の活動を行うことができるようにしていることが挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、「表現のヒント」のコーナーを設け、発想・構想の手立てを技能面の補足を示し、生徒が自らの主題を表すために感性や想像力を働かせて、思考・判断し、表現の活動を行うことができるようにしている。
 2点目、見開きや折り曲げの大型図版や原寸大での作品掲載しており、本物に近い感覚で作品を味わい、感性や想像力を働かせて鑑賞の活動を行い、美術文化について実感的な理解を深めることをできるようにしている。
 3点目、情報機器活用のヒントをICTマークで示し、情報機器を効果的に活用した活動を行うことができるようにしていることが挙げられています。美術科の説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いをいたします。

井内委員

 ヨーロッパに行くと、こどもたちが美術館に来て絵を見ているような時に、そこにアドバイザーみたいな人がいて、これはこういう見方をするんだよ、といったことを教えている光景を目にします。日本でも最近は行われるようになりましたが、そういうことが少し遅れていたような気がします。
 先ほど指摘はありませんでしたが、美術は鑑賞する心を揺さぶられるということが1番大事だと思っているので、光村図書の巻末のところに「美術鑑賞を楽しむ手掛かり」や「美術館を楽しもう」、「美術館へ行こう」というページが、3、4ページにわたってあるので、とてもよいと思っていて、このようなページによって作品を見ることに興味を持ってくれるようなこどもたちが育ってほしいと思っています。他の教科書にも「美術館へ行こう」等がありますけれど、一番充実しているように思ったので、光村図書出版の教科書が「よりふさわしい」という意見には賛同いたします。以上です。

秋田委員

 光村図書出版、95ページの「みんなの工夫」コーナーで、生徒が試行錯誤する過程を詳しく書いてあるので、おっしゃるように「みんなの工夫」のようなページがあると、こどもたちもイメージしやすいし教員も教えやすいのかと思いますので、「よりふさわしい」という意見に賛成します。

松井教育長

 それではお諮りをいたします。
 美術科につきましては、光村図書出版が「よりふさわしい」と考えられますので、光村図書出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、美術科については、光村図書出版を採択することに決定をいたしました。
 次に、保健体育科について、指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、保健体育について説明します。
 答申98ページを御覧ください。
 1、本市の実態や生徒の状況、2、調査・研究の観点と視点についてです。
 本市は、豪雨などの自然災害による深刻な被害も多く発生していることから、災害への知識と備えが必要な地域です。また、本市の生徒は、運動することが好きな生徒や保健体育の授業が楽しいと感じている生徒が多い一方、体力合計点は、全国平均値と比較すると男女ともに下回っており、特に全身持久力に課題が見られます。さらに、1週間の総運動時間の減少といった運動習慣の課題や、スクリーンタイムや朝食欠食の増加といった生活習慣にも課題が見られます。これらの課題に対応するのは、視点の丸3、丸4、丸5です。採択審議会において、特に重要な視点として視点丸4について審議されました。
 次に、3、各教科書の特徴についてです。答申99ページを御覧ください。
 保健体育では、主に審議された視点丸4「興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫」について、各者の教科書を御覧いただきながら説明いたします。
 まず、東京書籍、21ページを御覧ください。ページの左下にある資料5「ICT機器などの使用と疲労」で、コンピューター等の使用上の注意点について示しています。続けて、107ページを御覧ください。章末資料、「インターネットと依存症」で、依存症の危険性についての説明を文章で示すとともに、中学生のインターネット利用状況と依存傾向に関する調査の結果をページの下部に大きく掲載しています。
 大日本図書、26ページを御覧ください。ページの下部にある「睡眠と情報機器との関係」で、テレビやゲーム、スマートフォン等の使用による睡眠や生活習慣への影響について示しています。
 大修館書店、24ページを御覧ください。ページの左下にあるコラム「スマホと疲労」で、スマートフォン等の使用上の注意点について示しています。 続けて96ページを御覧ください。特集資料「見直そうスマホの習慣」で、中学生のスマートフォン利用時間の増加についてグラフで示すとともに、脳などの健康への影響について説明しています。また、ページの下部に自分のインターネットへの依存度をチェックする学習活動を設けています。さらに、インターネット依存について相談できるところを掲載しています。
 Gakken、35ページを御覧ください。ページの右下にあるコラム「コンピューターやスマートフォン等と健康」で、コンピューター等の使用上の注意点について示しています。採択審議会では、本市の生徒の課題であるスクリーンタイムについて、大きく取り上げているのは東京書籍と大修館書店の2者であるということが審議されました。
 最後に、答申103ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、審議会からの意見として、意見1、大修館書店の教科書は本市で使用する教科書として「よりふさわしい」、 意見2、東京書籍の教科書は本市で使用する教科書として「ふさわしい」が付されています。
 意見1の理由として、1点目、小単元「休養・睡眠と健康」のコラムで、スマートフォンと疲労について示している。また、特集資料「見直そうスマホの習慣」でインターネットへの依存度をチェックする内容があり、自分の生活習慣を見直すきっかけとなる学習活動を設定している。さらに、インターネット依存について相談できるところを掲載している。
 2点目、特集資料「体力を高めよう」で、体力の要素を体つくり運動との関係で示している。また、今の自分の体力を調べ、ねらいを持って体力を向上させるための計画を立てる学習活動を具体例とともに示しており、体力向上や運動習慣の定着につながる工夫がなされている。
 3点目、小単元「自然災害によるけがの防止」、特集資料「気象災害から命を守る行動」、「地震災害から命を守る行動」で、自然災害による傷害の防止について示すとともに、二次災害、緊急地震速報、ハザードマップ、警戒レベル、命を守る行動などを取り上げている。また、インターネットを使って自分が住んでいる地域のハザードマップを実際に調べる学習活動を設定している。さらに、小単元「災害と環境」で、災害による衛生環境の悪化や災害に関する情報の活用法などを掲載している。
 4点目、「心肺蘇生法」等、日常生活に生かすことができる実習の具体例を10箇所掲載していることが挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、小単元「休養・睡眠と健康」の「資料」で、ICT機器の使用と疲労について示している。また、章末資料「インターネットと依存症」で、自分の生活習慣を振り返るきっかけとして、中学生のインターネット利用状況と依存する危険性について示している。
 2点目、章末資料「体力の要素」で、各体力要素を高める運動について、すぐに自分の生活に取り入れることができるよう具体的な運動例と、その運動を行う目安を掲載している。
 3点目、小単元「自然災害による危険」、「自然災害による傷害の防止」、発展「共に生きる」、「巻末スキルブック」で自然災害による傷害の防止について示すとともに、二次災害、地震、緊急地震速報やハザードマップ、警戒レベル、防災の自助、共助、公助などを取り上げている。また、章末資料で防災タイムラインの作成例を示している。
 4点目、「巻末スキルブック」で「心肺蘇生法」等、日常生活に生かすことができる実習の具体例を含め、健康・安全に関する20の技能を「スキル」としてまとめて掲載していることが挙げられています。保健体育の説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等ありましたらお願いをいたします。

井内委員

 我が市の問題点として、体力は全国と比べて男女とも課題があることは以前から指摘されているところです。それで、調査・研究の観点とすれば、例えば視点丸5で「生涯にわたる豊かなスポーツライフにつなげるための工夫」がありますが、決して中学校の時にスポーツをやっていればよいということではなく、そういうスポーツライフを生涯にわたって続けましょうという呼びかけということに関しての記述は、各者の教科書はどうなっていますか。
 今はスマホ依存症が喫緊の課題だから、それに対しての掲載について確認していると御説明いただいきました。それも重要だけれども、やはり体力全体の向上を図らなければいけないと思います。広島では、見るスポーツは非常に重視されていますが、本当にこどもたちを含めてみんなでスポーツをやっているかというと、そういう雰囲気がないのは少し残念に思います。その点で、今の視点丸5の生涯にわたってスポーツライフを楽しめるような呼びかけは、この教科書にはどう取り上げられていますか。教えてください。

指導第二課長

 視点丸5のところで、今「よりふさわしい」と、「ふさわしい」とされている2者について、教科書も見ていただけたらと思います。
 まず、「よりふさわしい」とされている大修館書店の方の66ページを御覧ください。それと併せて、東京書籍の116ページを御覧ください。大修館書店の66ページで、まず特集資料「体力を高めよう」で、体力の要素を体つくり運動との関係で示しております。その隣、67ページには、体力の向上のための計画として、今の自分の体力を調べ、ねらいを持って体力を向上させるための計画を立てる学習活動を具体例とともに示しておりまして、体力向上や運動習慣の定着につなげる工夫がなされているということで、大修館書店は、審議会の中では、計画を立てて取り組ませる点がよいという意見もいただいています。続いて東京書籍の116ページですけれども、こちらは、章末資料「体力の要素」で、各体力要素を高める運動について、すぐに自分の生活に取り入れることができるよう、具体的な運動例とその運動を行う目安を掲載している点が、審議会の中では、自分の課題を明確にして、それに対してどのようにやっていくかが分かりよい教科書はどれなのかというところが審議をされた内容でありまして、その中で言うと、大修館書店の方が「よりふさわしい」と審議をされたということになります。

井内委員

 はい、分かりました。大修館書店と東京書籍の比較をすると、大修館書店の方が、より身近にどうしていったらよいかという具体的なものがあるから、こちらの方が分かりやすいでしょうね。確かに要素の分析は一緒ですけれども、実際に行動に移す時にこういうふうにやればよいと指摘してあるという面では、大修館書店の方がより工夫に富むかもしれませんね。はい、よく分かりました。大修館書店の方が「よりふさわしい」という御意見に賛同します。

秋田委員

 性の多様性について、大修館書店の方で、制服の具体例が示されているので、その点で私は大修館書店が「よりふさわしい」と思いました。

指導第二課課長補佐

 42、43ページですね。

秋田委員

 そうですね、42、43ページに学校の制服の多様性についても書いてありますし、具体的に書かれているのでよいと思いました。以上です。

一橋委員

 答申の98ページにある視点丸4の「興味・関心の方を持たせ、見通しを立てたり」ということが重点項目とありました。自分の生活習慣がどうなのか、体力があるのかということを自覚することで関心を持たせることはできると思いますが、そこからどのような生活習慣に変えるかという行動につなげるために、先ほどの井内委員の質問ではっと気づきました。
 大修館書店の67ページに、体力向上のための計画があり、自分で計画を作って行動に移すという道筋がガイドラインに書いてあるのはよいと思いました。一方、東京書籍の方は、確かに体力のことは書いてありますが、体力計画がなかったので少し弱い印象があります。しかし、例えばスマートフォンや睡眠、欠食の問題など、そういう生活習慣については、21ページの「資料」に厚生労働省の指針を掲載しているので、この点はよいと思いました。「よりふさわしい」とされている大修館書店では、生活習慣についての行動計画のようなものはありますか。

指導第二課長

 大修館書店、27ページを御覧ください。こちらの「調和の取れた生活」の中で、自分の生活をチェックしようということで、1週間の自分の生活を振り返る活動を設け、その中で意識したこと、理由などを記述し、また、レーダーチャートを使って目で見て分かりやすいようにした上で、さらに、それを基にグループで話し合い、自分の改善点を見つけるといった学習活動が設定されていることが特徴であるという意見が審議会で出ました。

一橋委員

 なるほど、よく分かりました。ありがとうございます。

松井教育長

 それでは、保健体育科につきましては、これでお諮りいたします。
 保健体育科につきましては、大修館書店が「よりふさわしい」と考えられますので、大修館書店を採択するということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、保健体育につきましては、大修館書店を採択することに決定をいたしました。
 次に、技術・家庭科の技術分野について、指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、技術・家庭科、技術分野について説明します。
 答申106ページを御覧ください。
 まず1、本市の実態や生徒の状況、2、調査・研究の観点と視点についてです。
 本市の生徒は、都市型の生活環境にあって、世の中の最新技術に触れる機会が多いため、技術分野の学習への関心が高い一方で、生活をしていて困ることや不便だと感じることが少ないことや、課題を設定した上で解決策を構想し、具体化した実践を評価・改善するなどの問題解決学習を行うことに課題が見られ、その課題に対応するものは視点丸2、丸5、丸6です。採択審議会においては、特に重要な視点として視点丸2について審議されました。
 次に、3、各教科書の特徴についてです。答申107ページを御覧ください。
 技術・家庭科、技術分野では、主に審議された視点丸2「生活や社会の中から問題を見いだし、課題を設定して解決していく学習過程の工夫」について、各者の教科書を御覧いただきながら説明します。
 それでは、まず、東京書籍、6ページを御覧ください。ページ上部を見てみますと、技術分野の学習過程の要素である「生活や社会を支える技術」、「技術による問題の解決」、「社会の発展と技術」の三つ全てを巻頭「技術分野の学習方法」において、1、技術の原理、法則や技術の仕組みを理解する。2、ものづくりなどを通して技術による問題解決を行う。3、技術を評価し、選択、管理、運用、改良、応用について考えると掲載しています。次に、266ページ、267ページを御覧ください。第3学年で扱うこれまでの学習を踏まえた統合的な問題の解決について、学習内容AからDとは別に、「総合的な問題解決をしよう!」を設け、268ページから271ページにかけて、例を2点示しています。
 続いて、教育図書、8ページ、9ページを御覧ください。社会や生活での問題解決の流れの例を、巻頭の「技術の問題解決ってなに?」で示しています。次に、246ページ、247ページを御覧ください。第3学年で扱うこれまでの学習を踏まえた総合的な問題の解決について、学習内容AからDとは別に、「E編『夢をかなえる技術』」を設け、示しています。
 続いて、開隆堂出版、14ページ、15ページを御覧ください。東京書籍と同様に、「技術分野の学習過程の要素である生活」や「社会を支える技術による問題の解決」、「社会の発展と技術」の三つの全てを巻頭、技術分野の学習の流れにおいて、1、生活や社会の技術を読み取る、2、身の回りの問題に目を向け、自分なりに問題を解決するための課題を考え、技術によって課題に取り組む、3、学習したことを社会にいかすと掲載しています。
 加えて、開隆堂出版は各要素について4コマ漫画を使って説明するとともに、学習の流れのイメージ図を掲載しています。次に、286ページ、287ページを御覧ください。開隆堂出版は、学習内容AからDとは別に「技術分野の出口」を設け、「技術分野での問題解決をふり返ろう」を掲載し、3年間で学習した内容を具体的に思い出しながら、統合的な問題解決に取り組むことができるようにしています。 続いて、288ページ、289ページを御覧ください。実社会で行われている技術を組み合わせたシステムとその構造について掲載し、それらを踏まえて統合的な問題解決に取り組むことができるようにしています。さらに1枚めくっていただき、次の290ページ、291ページを御覧ください。 統合的な問題解決の学習について、290ページから294ページにかけて、実習例を3点示しています。
 最後に、答申110ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、審議会からの意見として、意見1、開隆堂出版の教科書は本市で使用する教科書として「よりふさわしい」、意見2、東京書籍の教科書は本市で使用する教科書として「ふさわしい」が付されています。
 意見1の理由として、1点目、技術分野の学習過程の要素である「生活や社会を支える技術」、「技術による問題の解決」、「社会の発展と技術」の三つ全てを巻頭「技術分野の学習の流れ」において示し、各要素について4コマ漫画を使って説明するとともに、学習の流れのイメージ図を掲載している。
 2点目、第3学年で扱う統合的な問題解決については、学習内容AからDとは別に「技術分野の出口」を設け、統合的な問題解決の学習について例示している。また、「技術分野での問題解決をふり返ろう」を掲載し、3年間で学習した内容を踏まえて統合的な問題解決に取り組むことができるようにしている。
 3点目、学習を振り返って自らの学びにつなげることができるように、「問題解決のふり返りシート」をAからDの各学習内容に計4箇所を掲載している。
 4点目、実践的・体験的な問題解決学習の具体例の名称について、「小さなスペースで机の上を整理・整頓できるマルチラック」など、何を目的としたものかが具体的に分かるようになっていることが挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、技術分野の学習過程の要素である「生活や社会を支える技術」、「技術による問題の解決」、「社会の発展と技術」の三つの全てを、巻頭「技術分野の学習方法」において示し、説明している。
 2点目、第3学年で扱う総合的な問題解決については、学習内容AからDとは別に「統合的な問題解決しよう!」を設け、統合的な問題解決の学習について例示している。
 3点目、実践的・体験的な問題解決学習の具体例の名称について、「『あったらいいな』を形にしよう」など、問題解決のテーマを示していることが挙げられています。技術・家庭科、技術分野の説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いをいたします。

井内委員

 意見の中で、開隆堂出版の「技術分野の出口」を示していることは、何のためにやっているのか解釈が大変よく分かると思いますし、それから、学習の流れを4コマ漫画を使って説明していることも、ここだけ漫画があるのも多少違和感がありますが、分かりやすいと思いました。
 統合的な問題解決をすることになると、今のテクノロジーは進歩が速いので、どこまでどういうふうに言及していくのが中学生の学習の中で必要なのか、把握しにくい部分もありますけれども、開隆堂出版では統合的な学習を例示をしながらまとめてあるなという感じで、全体の構成は開隆堂出版と東京書籍でそんなに変わらないけれども、開隆堂出版の方がより理解しやすいのではないかと思いました。以上です。

松井教育長

 それでは、御質問もないようでございますので、それではお諮りいたしたいと思います。
 技術、家庭科、技術分野につきましては、開隆堂出版が「よりふさわしい」と考えられますので、開隆堂出版を採択するということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、技術・家庭科、技術分野については開隆堂出版を採択することに決定いたしました。
 続きまして、技術・家庭科の家庭分野について指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、技術・家庭科、家庭分野について説明します。
 答申の112ページを御覧ください。
 1、本市の実態や生徒の状況、2、調査・研究の観点と視点についてです。
 本市では、自然災害が多く発生していることから、災害への知識と備えが必要な地域であること、また、生徒対象のアンケートの結果から、本市の生徒は生活の中から問題を見出して解決する力や生活を工夫し創造しようとする態度の育成に課題が見られ、その課題に対応するものは、視点丸2、丸6、丸7です。採択審議会においては、特に重要な視点丸2について審議されました。
 次に、3、各教科書の特徴についてです。
 答申113ページをご御覧ください。
 技術・家庭科、家庭分野では、主に審議された視点の丸2「生活の中から問題を見いだし、課題を設定して解決していく学習過程の工夫」について、各者の教科書を御覧いただきながら説明します。
 まず、東京書籍、271ページを御覧ください。東京書籍は、巻末の「選択 生活の課題と実践」で、272ページから281ページまで10ページにわたり、学習の進め方及び実践例を6例掲載しています。次に、275ページを御覧ください。ページの上部に、レポート、ポスター、新聞、スライドといったまとめ方の例やポイントも示しています。
 続いて、教育図書、266ページ、267ページを御覧ください。巻末の「選択 生活の課題と実践」で、268ページから275ページまで8ページにわたり、学習の流れ、ポイント及び実践例を8例示しています。
 続いて、開隆堂出版、292ページ、293ページを御覧ください。開隆堂出版は、巻末の「生活の課題と実践」で、293ページに課題設定の記述欄を、1枚めくっていただき、294ページに学習の進め方を、さらに次の295ページに取り組み方の例及び実践例を12ページにわたり10例掲載しています。300ページを御覧ください。「3 実行・実践」にあるように開隆堂出版では調査や実習だけでなく、実験を中心とした取組例を示していることが特徴です。また、302ページを御覧ください。「4 まとめ・発表」において、ここでは模造紙、スライドをまとめ方の例として示しています。
 最後に、答申116ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、審議会からの意見として、意見1、開隆堂出版の教科書は本市で使用する教科書として「よりふさわしい」、意見2、東京書籍の教科書は本市で使用する教科書として「ふさわしい」が付されています。
 意見1の理由として、1点目、巻頭のガイダンスで2ページにわたり、「生活課題に取り組む」として、生活課題の見つけ方を最初に掲載し、取り組み方及び目標達成シートの例を掲載している。また、巻末の「生活の課題と実践」で12ページにわたり、課題設定の記述欄、学習の進め方、取り組み方の例、実践例を10例とまとめ方の例を掲載している。さらに、実践例は調査や実習だけでなく、実験を中心とした取組例も含まれている。
 2点目、調理手順中に複数の「Q」を示し、調理手順の下部に「調理方法Q&A」としてまとめ、「なぜ~?」と考えさせる示し方で調理のポイントを解説している。
 3点目、「わたしたちの防災~防災があたりまえの生活に~」として、8ページにわたり防災に関する特集としてハザードマップなどを掲載しており、災害時の備えについて具体的に考えることができるようになっていることが挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、巻頭のWarm upの「家庭分野の学習の進め方」で、2ページにわたり、「よりよい生活をつくる-問題を解決する道筋-」として、問題解決的な学習の流れを掲載している。また、巻末の「選択 生活の課題と実践」で、11ページにわたり学習の進め方及び実践例を6例とそのまとめ方の例を掲載している。
 2点目、調理手順の中に「ポイント」として調理のポイントを解説している。
 3点目、「災害に備える」として、2ページにわたり防災に関する特集を掲載しており、災害時の備えについて考えることができるようになっていることが挙げられています。技術・家庭、家庭分野の説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたら、お願いをいたします。

一橋委員

 内容のことでお伺いするのですが、開隆堂のテキストに全部で5編ありまして、教育図書も5編です。一方で、東京書籍は6編となっていて、一つ多いのですが、開隆堂や東京書籍のどこになるのでしょうか。教育図書の巻末に「生活の課題と実践」があって、これは開隆堂と内容が一緒ですから合っているとすると、東京書籍の6編は、特別にこの教科書にある内容ですか。

指導第二課課長補佐

 これについては、開隆堂出版の目次にA「家族・家庭生活」がありますが、東京書籍では最初が分かれていて、1編で「家庭分野」とあって、6編に「家族」と二つに分かれて学習する形で、Aが分かれているというイメージでございます。もちろん、どの時期にどの学習をするかは各学校で実態に合わせて計画を立てていきますが、それぞれこのA、B、Cと勉強して、最後に先ほど御紹介した巻末で「生活の課題と実践」を学習していくというような流れになっています。

一橋委員

 東京書籍の6編が特別な内容になっているわけではなく、組み替えが違うということですね。

指導第二課長

 はい。構成が補正されているということです。

一橋委員

 分かりました。ありがとうございます。

松井教育長

 それでは、お諮りいたしたいと思います。
 技術・家庭科の家庭分野につきましては、開隆堂出版社が「よりふさわしい」と考えられますので、開隆堂出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、技術、家庭科の家庭分野につきましては開隆堂出版を採択することに決定をいたしました。
 ここで5分程度、休憩を入れたいと思います。2時15分から再開いたします。

(休憩)

松井教育長

 それでは、審議を再開させていただきます。
 続いて、外国語科、英語につきまして、指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、外国語、英語について説明します。
 答申118ページを御覧ください。
 1、本市の実態や生徒の状況、2、調査・研究の観点と視点についてです。
 本市の生徒は、令和5年度全国学力・学習状況調査から、音声の特徴を踏まえて、情報を正確に聞き取ること、自分の考えとその理由などを適切に表現すること、また、語順の誤りなく正確に表現することに課題が見られ、その課題に対応するものは、視点丸1、丸2、丸3、丸4です。採択審議会においては、特に重要な視点として、視点丸1と丸3について審議されました。
 次に、3、各教科書の特徴についてです。
 答申119ページを御覧ください。
 英語では、主に審議された視点丸1「英語の特徴やきまりに関することを理解できるようにするための工夫」と、視点丸3「コミュニケーションを行う目的や場面、状況等に応じた複数の技能を統合した言語活動の工夫」について、各者の教科書を御覧いただきながら説明いたします。まずは、視点丸1「英語の特徴やきまりに関することを理解できるようにするための工夫」についてです。
 東京書籍の1年、10ページを御覧ください。英語の語順について、文の構成要素を色と形で分けて示しています。また、1年、巻末付録の丸1を御覧ください。巻末に「語順カード」を付しており、生徒自身が単語を並べて、英文を作ることで、語順を意識できるようになっています。
 続いて、開隆堂出版、1年、19ページを御覧ください。2ページにわたって、英語の語順について、色で分けて示しています。
 三省堂、1年、41ページを御覧ください。ページの上部の一区画で、英語の語順について示しています。
 教育出版の1年、30ページを御覧ください。ページ上部の一区画で、英語の語順について、文の構成要素を色で分けて示しています。
 光村図書出版、1年、156ページを御覧ください。ページ上部の一区画で、英語の語順について色で分けて示しています。
 次に、視点丸3、コミュニケーションを行う目的や場面、状況等に応じた複数の技能を統合した言語活動の工夫についてです。
 東京書籍、3年、42ページを御覧ください。「Stage Activity」で、「Discover Japan」という複数の技能を統合した言語活動を設定しています。ページの上部にあるように、「目的、場面、状況」にコミュニケーションを行う目的や場面、状況が具体的に示されています。また、ビデオレターにアクセスする二次元コードを付しており、生徒はそれを見て相手が知りたい情報等を確認できるようにしています。審議会では、目的や場面、状況がより明確になり、それらに応じて自分の考えやその理由などを適切に表現することができること、また、音声だけでない動画による示し方が本市の課題である、情報を正確に聞き取る上で支援にもなることが優れた特徴であるという意見が出されました。
 続いて、開隆堂出版、3年、43ページを御覧ください。「Our Project」で「パラスポーツについて知ろう」という複数の技能を統合した言語活動を設定しています。
 三省堂、3年、36ページを御覧ください。「Project」で「旅行プランの提案」という複数の技能を統合した言語活動を設定しています。ページの上部にあるように、「Setting」にコミュニケーションを行う目的や場面、状況が具体的に示されています。
 教育出版、3年、46ページを御覧ください。「Project」で、「The Best Product Ever」という複数の技能を統合した言語活動を設定しています。ページ上部にあるように、「Scene」にコミュニケーションを行う目的や場面、状況が具体的に示されています。また、ページ中段であなたが気になった表現をメモする欄を設けるなど、生徒が自分自身で適切な表現を考え、原稿をまとめる構成となっています。
 光村図書出版、3年、44ページを御覧ください。「You Can Do It!」で、「学校生活について意見をまとめよう」という複数の技能を統合した言語活動を設定しています。ページの上部にあるように、「目的、場面、状況」にコミュニケーションを行う目的や場面、状況が具体的に示されています。
 新興出版社啓林館、3年、44ページを御覧ください。「Project」で「Interview with our ALT」という複数の技能を統合した言語活動を設定しています。ページの上部にあるように、「Scene」にコミュニケーションを行う目的や場面、状況が示されています。
 最後に、125ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、審議会からの意見として、意見1、東京書籍の教科書は本市で使用する教科書として「よりふさわしい」、意見2、教育出版の教科書は本市で使用する教科書として「ふさわしい」という意見が付されています。
 意見1の理由として、1点目、英語の語順について、「Grammar for Communication」に文の構成要素を色と形で分けて示している。また、巻末付録として、生徒自身が単語を並べて英文を作ることで語順を意識することができるよう、「語順カード」を収録している。
 2点目、基本文のまとめは、各学年の資料編の「Key Sentences」に英語と日本語で示している。また、第3学年は、第1・2学年の基本文も英語で示している。
 3点目、「聞く」技能に焦点を当てた活動は「Real Life English」で、各学年1から3回設定するとともに、第1学年では「Sounds and Letters」を5回設定している。
 4点目、各活動のテーマは、目的や場面、状況が分かるように、「カナダのバンクーバーの生徒に日本の郷土や文化になどについて説明する」や「日本にホームステイに来る留学生に日本の習慣やマナーの紹介をしよう」等、様々なテーマを具体的に設定している。また、デジタルコンテンツの「ビデオレター」にアクセスできる二次元コードを付して、目的や場面、状況をより明確に示している。
 5点目、各学年に設定されている「Stage Activity」で、情報を整理し考えを形成するための「マッピング」やキーワードをまとめる表を示している。また、デジタルコンテンツの「思考ツール」にアクセスできる二次元コードを付していることが挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、英語の語順について、「Grammar」に、文の構成要素を色で分けて示している。
 2点目、基本文のまとめは、各学年の巻末の付録の「重要構文復習リスト」に、英語と日本語で示している。また、2・3学年は、それぞれの前学年までの基本文も英語と日本語で示している。
 3点目、「聞く」技能に焦点を当てた活動は、「Tips for Listening」で各学年2から3回設定している。
 4点目、各活動のテーマは、目的や場面、状況が分かるように、「魅力的な商品やサービスを考え、表現する」や「オリジナルの標識を考えて、その特徴や意味を表現する」等、様々なテーマを具体的に設定している。
 5点目、各学年で設定されている「Project」で情報を整理し、考えを形成するための「Xチャート」やキーワードをまとめる表など、様々な思考ツールを示していることが挙げられています。英語の説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いをいたします。

一橋委員

 英語の視点丸1に、「英語の特徴やきまりに関することを理解できるように」とありまして、本市の実態でも語順の誤りなどに課題があると書いてありますから、本市においては、文法だけではないと思いますけど、文法をまず重視して、英語の教科書を審議されたということでよろしいでしょうか。

指導第二課長

 文法と語順が重要な視点として審議をされた一つということになります。また、2点目にあります丸2の視点についても審議をされておりますので、聞くことに関しても同じく重要な視点として審議されております。

一橋委員

 英語を聞いたり、コミュニケーションをしたりすることについて、各教科書で、例えば二次元コードでネイティブが喋ったものが聞けるとか、そういう機能は教科書ごとで差があるのでしょうか。

指導第二課長

 音声については、教科書上に二次元コードが付されており、答申でも音声を聞くことができるという記載がございます。ただ、その中身について調査はされておりませんので、音声が「ある」ということが教科書の特徴として調査されております。

一橋委員

 機能的には教科書ごとに大きな差はないと考えてよいわけですね。

指導第二課長

 音声については、そうです。

一橋委員

 分かりました。ありがとうございます。

井内委員

 東京書籍の1年生の教科書では、英語の決まりを学びましょうということで工夫がされていて、カード式のものは手を動かすことで記憶に残りやすく、知識が深まるという点では優れているかと思いました。それから、「Project」の中で、目的とか場面とか、そういうところを踏まえて話せるようになりましょうとあります。教科書に書いてあることだけでなく、もっと自由な設定でやるとよいと思うのですが、授業ではやはりこの教科書に書いてあるものを中心に考えていくのですか。

指導第二課長

 もちろん担当の教員において自由に設定することは可能ではありますが、審議会においては、1年目、2年目の先生にとっては、最初から適切な目的、場面、状況を設定した上で活動を一から組み立てていくのは、なかなか難しいという意見が出されました。そういった意味で、具体的に道筋が教科書で示されているところについては、すごく助かるという意見が出されました。

井内委員

 小学校でALTの授業を見ると自由に喋らせているので、どの教科書にも場面、状況があらかじめ書かれてあり、それを学ばされるだけでは不十分でないかと思いました。自由度がもっとある方がよいかと。しかし、こういう設定や構文があることで気持ちが楽になるという先生の御意見があるのであれば、それを否定するものではありません。
 全体の構成は、東京書籍の方が使いやすそうに見えるのでよいかと思います。以上です。

秋田委員

 やはり英語が苦手で、学校の勉強が楽しくなくなることもあると思います。そういう意味では、日本語、韓国語は語順が同じですけれど、英語はこの語順が全然違ってくるので、「語順カード」で並び替えたりして、手を動かすことで、より体感できるという部分は非常に有益ではないかなと思いますので、東京書籍が「よりふさわしい」という意見に賛成です。

松井教育長

 それでは、お諮りしたいと思います。
 英語につきましては、東京書籍が「よりふさわしい」と考えられますので、東京書籍を採択することとしてよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、英語については東京書籍を採択することに決定をいたしました。
 次に、道徳について、指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、道徳科について説明します。
 答申128ページを御覧ください。
 1、本市の実態や生徒の状況、2、調査・研究の観点と視点についてです。
 本市では、平成30年12月に「広島市いじめ防止対策推進審議会」の答申が出されたことを踏まえ、各学校において、「いじめ見逃し0(ゼロ)」を目指した取組を進めており、引き続き、いじめの未然防止に向けた取組を推進するとともに、生徒の命の大切さや思いやりなどの心、豊かな心をはぐくみ、当事者として道徳的な課題に主体的に対処することのできる実効性のある力の育成に取り組むことが必要です。その課題に対応するものは、視点丸3、丸5、丸8です。採択審議会においては、特に重要な視点として、視点丸8について審議いたしました。
 次に、3、各教科書の特徴についてです。
 答申129ページを御覧ください。
 道徳科では、主に審議された視点丸8「いじめの問題や、今日的、現代的な課題等を踏まえた内容の示し方」について、各者1学年の教科書を御覧いただきながら説明します。
 まず、東京書籍、1年、21ページをお開きください。扉ページを設けており、いじめのない世界へという各教材やコラムをひとまとまりとしたユニットを各学年とも設定しています。次のページから、いじめ問題を直接的に考える三つの教材を掲載しています。
 続いて、28ページを御覧ください。特に1学年においては、このクラスのページのように、 いじめ問題について考えを深める資料を掲載しています。
 次に、教育出版、1年、2ページ、3ページを御覧ください。2ページの上段右側に紫色の枠と文字で示されているように、二つの教材とコラム「ひろば」で構成された、ひとまとまりのユニット「いじめをなくそう」を各学年に設定しています。
 次に、光村図書出版、1年、44ページを御覧ください。この「まなびをプラス」の教材では、ページ右側下の吹き出しにあるように、前時の授業で学習したいじめ問題を扱った教材「魚の涙」と同じ内容項目、公正、公平、社会正義について、2時間連続で扱い、学習を深められるようになっています。
 次に、日本文教出版、1年の28ページ、29ページを御覧ください。ページの左側に示しているように、「いじめと向き合う」というテーマで、各教材とコラムをユニットとして示しています。また、年間で複数回学習できるよう、「いじめと向き合う」丸1、丸2、丸3のように、1学年は三つ、2・3学年では二つのユニットを設定しています。各学年、このような扉ページを設けており、ページ右側にあるようにいじめに対するメッセージを投げかけた後、次のページから教材が始まります。
 34ページ、35ページを御覧ください。いじめ問題についてより考えを深められるよう、コラム「視野を広げて」を設けています。
 続けて40ページ、41ページを御覧ください。先ほどのページや、この「怒りの感情と上手に付き合おう」のページのように、いじめ問題について直接的、間接的に考え合うための多様な教材や資料を生徒の発達の段階に応じて全学年において複数掲載していることが特徴です。
 次に、Gakken、1年、22ページを御覧ください。いじめ問題を扱う教材について、ひとまとまりのユニットを組むのではなく、それぞれ教材名の右下に「いじめ防止」のマークを付して分かりやすくなるように示しています。
 次に、あかつき教育図書、1年、目次を御覧ください。目次の下段右側にオレンジ色の枠で示しているように、「『いじめ』を考える」というテーマでひとまとまりのユニットを設定しています。特に1学年については、コラム「Thinking(シンキング)」に、「『いじめ』と向き合う」という資料が掲載されています。
 次に、日本教科書、1年、82ページを御覧ください。各学年「いじめ・人権」というテーマで教材を掲載しており、「いじめ問題と向き合う」の教材では、質問形式で、なぜいじめはなくならないのかを考えさせるページを設けています。
 最後に、答申137ページ、4、意見を御覧ください。
 審議の結果、意見1、日本文教出版の教科書は本市で使用する教科書として「よりふさわしい」、意見2、東京書籍の教科書は本市で使用する教科書として「ふさわしい」が付されています。
 意見1の理由として、1点目、多面的・多角的な視点で、自分の価値観を見つめ直し、考えを深めることができるように、「考えてみよう」、「自分に+1(プラスワン)」等、考え話し合うことを促す発問を示している。また、各学年、「学びを深めよう」の「学びを深めるヒント」のコーナーに、図や表、付箋や思考ツール等を活用し、話し合いを深める方法を掲載している。
 2点目、1教材1ページで構成した別冊「道徳ノート」では、授業で考えることや、考えたことを記入する欄、他者の考えや話し合いをメモすることができる自由欄等を設けている。さらに、様々な教材に対応できるよう、教材名や内容項目、主題名等を空白にした自由に使えるページを設けている。
 3点目、「いじめと向き合う」というテーマで、各教材とコラムをユニット化し、年間で複数学習できるよう、各学年二つ以上のユニットを設定している。それぞれに扉ページを設け、いじめに対するメッセージを投げかけたのち、次のページから教材が始まる。さらに、いじめと向き合うための「視野を広げて」というコラムが設けられており、より内容を深められるように、コラムの中に、「いじめって何?」「怒りの感情と上手に付き合おう」といった、いじめについて考え合うための資料を、生徒の発達の段階に応じて全学年に掲載していることが挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、多面的・多角的な視点で、自分の価値観を見つめ直し、考えを深めることができるように、「考えよう」、「見つめよう」、「ぐっと深める」等、話し合いを深める発問を示している。
 2点目、各学年に巻末付録として、葛藤教材等で自分の気持ちを表現する際に使用することができる「心情円」を掲載している。
 3点目、各学年とも、「いじめのない世界へ」というテーマで、いじめ問題を直接的に考える教材をユニット化して設定している。また、特に1学年において、「いじめの構造」の資料をコラムに示していることが挙げられています。これで道徳科の説明を終わります。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いをいたします。

秋田委員

 日本文教出版、三つ目の「視野を広げて」をいうコラムで、生徒の発達の段階に応じて掲載されているコラムの内容を拝見しましたが、とても重要な「お互いを大切にするコミュニケーション」が3年生の33ページにありますし、1年生では41ページに「怒りの感情と上手に付き合おう」という、生徒の発達の段階に応じて載せられているコラムの資料がとてもよいと思いました。日本文教出版の教科書が「よりふさわしい」という意見に賛成です。

一橋委員

 どのような教科書を使うかで、本市の考え方が出ると思います。その点から見ると、日本文教出版では丸1から丸3まで三つのユニットがあり、東京書籍と比べると、ボリュームと対話をする機会が多くあり、日本文教出版の方が手厚い内容になっています。
 もう一つ、41ページの「怒りの感情と上手に付き合おう」というコラムについても、いじめは悪いというだけではなく、いじめは誰でもそういう感情があり、それを克服するために生徒がどのような行動をとったらよいのかという、行動にまでつなげて触れているので非常によいと思いました。そういう意味では、答申の審議は非常に素晴らしいと感じます。

松井教育長

 それではお諮りをいたします。
 道徳につきましては、日本文教出版が「よりふさわしい」と考えられますので、日本文教出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、道徳については日本文教出版を採択することに決定をいたしました。
 以上で、議題1の審議は終了させていただきます。
 資料の入替えを行って、5分後に議題2に移らせていただきたいと思います。

(休憩)

松井教育長

 議事を再開させていただきます。
 議題2、議案第31号「令和7年度から使用する広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について」を議題といたします。
 本件は審議案件です。
 内容について、特別支援教育課長から説明をお願いいたします。

特別支援教育課長

 それでは、議題2の議案第31号「令和7年度から使用する広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について」の説明を、着座にてさせていただきます。
 今年度採択いただきたい教科用図書は、1、広島市立広島特別支援学校で使用する教科用図書につきましては、(1)令和7年度から4年間使用する「特別の教科 道徳」の検定教科書(中学部用)、(2)令和7年度から4年間使用する文部科学省著作教科書(中学部用)、(3)令和7年度に1年間使用する一般図書(小学部、中学部、高等部用)となります。
 また、2、広島市立小・中学校特別支援学級で使用する教科用図書につきましては、(1)令和7年度から4年間使用する文部科学省著作教科書(中学校用)、(2)令和7年度に1年間使用する一般図書(小学校、中学校用)となります。
 24ページの参考資料をお開きください。
 特別支援学校及び小・中学校の特別支援学級に在籍している児童生徒につきましては、一人一人の障害の実態等に応じて特別の教育課程を編成するなどしており、文部科学省検定教科書または文部科学省著作教科書を使うことが適当でない場合には、それ以外の教科用図書を使用できることが法令で規定されております。そして、いろいろな種類の教科用図書の採択が必要となっております。本議案で採択いただきたい教科用図書は、この表の中に網掛けで示しているものになります。なお、細い線で囲まれている表の下部分の教科用図書につきましては、これまでに採択いただいている教科用図書になります。なお、下の段の表の中ほど、太枠で示している教科用図書につきましては、議案第30号で採択いただいたものとなります。
 25ページをお開きください。
 上側の丸、令和7年度使用広島市立義務教育諸学校用教科用図書採択の基本方針につきましては、5月の教育委員会議において決定していただいたものでございます。下側の丸、特別支援学校小・中学部及び小・中学校の特別支援学級の一般図書採択の手順につきましても、基本方針を決定していただいた際に説明させていただいたものでございます。
 一般図書の採択の手順を図示したものが26ページになります。
 次の27ページと28ページには、特別支援学校高等部の採択の基本方針の手順を示しております。一般図書を選定する際には、26ページと28ページの手順に従い、広島県教育委員会が作成した一般図書の選定資料等を参考にしつつ、各学校で幅広く調査研究を行います。選定したそれぞれの一般図書について、学校長が児童生徒の実態に即していることを判断した上で、29ページから32ページまでの様式を使用して学校が申請するようになっております。
 それでは、採択いただきたい図書について具体的に説明いたします。
 24ページにお戻りください。
 1、広島市立広島特別支援学校で使用する教科用図書についてです。
 広島市立広島特別支援学校は、知的障害者を対象とする特別支援学校であり、特別支援学校学習指導要領に基づいて教育課程が編成されていることから、(2)の文部科学省著作教科書及び(3)の一般図書を使用することとしています。ただし、(1)の文部科学省検定教科書についてですが、「特別の教科 道徳」だけは、特別支援学校の学習指導要領において、教科の目標や内容が小中学校に準ずるとなっておりますので、児童生徒の実態として使用することが望ましい場合には、小中学校用の検定教科書を使用することも可能となります。このため、今年度は、(1)の中学校用文部科学省検定教科書も採択する必要がございます。なお、生徒の実態に検定教科書がふさわしくない場合には、他の教科と同様に、(3)の一般図書を使用することになります。
 それでは、1ページを御覧ください。
 1、広島市立広島特別支援学校で使用する教科用図書についてです。
 広島特別支援学校で使用する「特別の教科 道徳」の検定教科書につきましては、広島市立中学校用として採択された発行者の教科用図書を採択することが望ましいと考えております。タイトルにありますとおり、令和7年度から4年間の使用を考えております。
 次に、2ページを御覧ください。文部科学省著作教科書につきましては、検定教科書と同様に、原則4年ごとに採択替えを行うことになっております。文部科学省著作教科書は、一般の指定検定教科書と異なり、各教科1種類ずつしか発行されておりませんので、発行された全ての教科書を採択していただきたいと考えております。なお、社会、理科、職業・家庭の文部科学省著作教科書が新たに作成され、令和7年度より使用可能となります。文部科学省著作教科書のタイトルにありますように、令和7年度から4年間の使用を考えております。
 続いて、3ページをお開きください。
 一般図書(小学部、中学部、高等部用)につきましては、毎年度採択を行うこととなっています。今年度は小・中・高等部合わせて178点の図書の申請があり、具体的な図書名につきましては、小学部のものを次のページ、4ページから5ページ、中学部のものを6ページと7ページ、高等部のものを8ページと9ページに記載しております。以上が特別支援学校分となります。
 続いて、少し飛びますが、24ページをお開きください。
 2、広島市立小・中学校特別支援学級で使用する教科用図書について説明いたします。
 小・中学校の特別支援学級においては、児童生徒の障害の状態により、その児童生徒に応じ、特別支援学校の教育課程を参考にした特別の教育課程を編成することができます。そこで、小・中学校の特別支援学級におきましては、個々の児童生徒が取り組む目標や内容に応じて、文部科学省検定教科書だけでなく、(1)の文部科学省著作教科書や(2)の一般図書を使用することができることとなっております。なお、文部科学省検定教科書につきましては、特別支援学級も小・中学校の学級の一部ですので、先ほど申し上げたとおり、中学校分につきましては議案第30号で採択いただいたことになります。採択していただきたい教科用図書につきましては、10ページ以降となります。
 10ページをお開きください。
 まず、10ページの「文部科学省著作教科書 中学校用」につきましては、特別支援学校の場合と同様に、発行された全ての教科書を採択していただきたいと考えております。タイトルにありますように、令和7年から4年間の使用を考えております。
 続いて、11ページを御覧ください。
 一般図書につきましては、特別支援学校のものと同様に毎年度採択を行うこととなっており、今年度は、小学校225点、中学校144点、合計369点の図書の申請がありました。具体的な図書名につきましては、小学校のものを12ページから18ページ、中学校のものを19ページから23ページに記載しております。先ほど説明した特別支援学校用と同様に、いずれも各学校から申請のあった図書となっております。皆様のお手元に、各学校から申請が多かった一般図書及び理科、社会、職業・家庭の文部科学省著作教科書を用意しておりますので、御覧ください。申し訳ございませんが、一般図書についてはそれぞれ各1冊しか御用意できませんでしたので、他の委員さんと交換しながら御覧いただければと思います。先ほど説明しました全ての一般図書につきまして、事務局において各学校から提出のあった書類の内容を調査、検討した結果、その全てが適正であるということを確認しております。
 つきましては、広島市立広島特別支援学校で使用する教科用図書として、1ページから9ページにありますとおり、広島市立小・中学校特別支援学級で使用する教材用図書として、10ページから23ページにありますとおり、令和7年度から使用する教科用図書として一括採択することにつきまして、御審議のほどよろしくお願いいたします。以上です。

松井教育長

 それでは審議に入ります。
 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いをいたします。
 皆さんが教科用図書等を見られている間に、星の数の違いを簡単に説明していただけますか。

特別支援教育課長

 星の数は内容の難易度を示しております。小学部には3段階ありまして、中学部には2段階あります。小学部用が星1から3までで、中学部用が星4と5となっております。

松井教育長

 特別支援学級の一般図書については各学校が申請されているということですが、それぞれが独自に本を見つけてこられるのは事務的に探すのも大変でしょうから、どういったところから選ばれているか、大まかな傾向や探し方を確認させてください。

特別支援教育課長

 毎年、県教育委員会から選定資料が配られます。その中には、県として四つの観点から教科書として適切であるとしたものが資料として載っております。また、これと併せまして、本市の教育委員会として、これまで教科用図書として採択、活用されたものをリスト化しておりますので、そういったものも併せて各学校に配布し、検討の際の資料とするようにしています。

松井教育長

 各学校にリストを配布するということですか。

特別支援教育課長

 はい、リストを配布しております。また、現物については、教育センターに教科書センターを設置しておりますので、常時閲覧できるようにしております。

松井教育長

 そういったところでも現物を確認しながら選ばれるということですね。
 一般図書の採択は毎年のことですが、中学校の部分で星本の改定があったというところが例年と異なるのですね。

特別支援教育課長

 はい。例年と違いまして、これまでになかった星本の理科と社会と職業・家庭が新しく発行されまして、令和7年度から使用できることとなりましたので、そういった点が新たに加わったということになります。

松井教育長

 先ほどまで中学校の教科書採択をしていたので、複数から選ぶということをずっとしていましたが、星本に関しては、それぞれのものが作られるのではなく、文部科学省で作られたものが示されて7年度から使えるようになっているけれども、一度、各教育委員会議において採択した上で使用するということですよね。

特別支援教育課長

 はい、法令で採択することが決められております。また、検討と言いましても、先ほどおっしゃっていただいたとおり1教科1種類しかございませんので、全てを採択するというふうに考えております。

井内委員

 星本の場合、文部科学省の著書とありますが、実際はどちらかの先生がお書きになりますよね。どちらの先生がお書きになるものでしょうか。

特別支援教育課長

 文部科学省で著作権を有しているということは把握していますが、どなたが書かれているかまでは把握しておりません。

井内委員

 それが公表されるものではないのですか。

松井教育長

 著作権者は文部科学省ですが、発行者は東京書籍など、それぞれ教科書会社で作られているのではないですか。

井内委員

 裏を見ると東京書籍ですね。通常は、裏側に誰が書いたかの記載がありますよね。どなたが書かれたかということに意見を言うつもりはありませんが、こういう本をお書きになる方がどういう方なのか、少し興味があったもので。

松井教育長

 これを見る限りは、今回配っていただいている星本は全部、東京書籍が発行者で、文部科学省に著作権があるということですね。

特別支援教育課長

 はい。

松井教育長

 文部科学省が個別にどこかの大学の先生とかに書いてもらっているというよりは、教科書会社のようなところが入っているのではないでしょうか。

一橋委員

 説明がたくさんあるわけではないので、著者を書くような内容なのか分かりませんけれども。

井内委員

 社会は公民的内容が中心で、後ろに地理の内容とか、世界の紹介が少しありますね。

松井教育長

 それでは、質問等がないようでございましたら、お諮りをしたいと思います。
 議案第31号「令和7年度から使用する広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について」は、原案どおり可決することに御異議ございませんでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、本件は原案どおり可決することに決定いたしました。
 続きまして、議題3、議案第32号「令和7年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書採択について」を議題といたします。
 本件は、審議案件です。
 内容について指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、議題3、議案第32号「令和7年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書採択について」は、学校から申請されたとおり採択することとしたいと考え、上程しております。
 資料の確認をいたします。左肩に枠囲みで議題3と表紙に書いてあるもの、右肩に枠囲みで別添資料と書いてあるもの、そして中学校用教科書目録、この3部が中等教育学校前期課程の資料となります。
 まず、右肩に枠囲みで別添資料と記してある資料1ページの令和7年度使用広島市立義務教育諸学校用教科用図書採択の基本方針を御覧ください。こちらは、令和6年5月21日の教育委員会議で決定いただいたものでございます。
 2ページの広島市立中等教育学校(前期課程)における教科用図書採択の手順を御覧ください。
 中等教育学校前期課程は、2ページ下段にありますように、他の公立中学校とは異なり、中高一貫教育校として、その特質を生かした特色ある教育課程の編成が可能となるよう、教育課程の基準の特例が適用されています。教科書の採択についても、他の公立中学校とは別に学校ごとに行うものと法令上定められております。中等教育学校では、この表に示している手続きに従って、調査員による調査研究を経て、教科用図書選定委員会における審議をした上で、選定した教科用図書について教育委員会に申請をしています。
 3ページを御覧ください。
 こちらは、令和7年度使用中等教育学校(前期課程)用教科用図書選定手順(報告)です。5月29日の説明会を受け、5月30日に選定委員会を設置し、6月12日から7月30日までの間に調査研究を行った上で、8月1日に選定委員会を開催し、8月2日に教育委員会に申請書を提出しております。
 少し飛びますが、16ページを御覧ください。
 校内の選定委員会は、学校で定めた規約に基づいて適正に運営を行ったことを確認しております。
 4ページにお戻りください。
 こちらは令和7年度使用中等教育学校(前期課程)用教科用図書選定資料(報告)です。
 1に学校の特色を、2に生徒の実態を、3に調査の観点及び視点を記載しております。調査の観点については、市立中学校における観点と同じものです。5ページから15ページに、令和7年度使用中等教育学校(前期課程)用教科用図書申請書を添付しております。先ほどの観点に基づき、中学校の教科書採択の際に御説明した71種類142点について比較検討し、ふさわしいものを2点に絞った上で選定したものを上段にして、教科ごとに特に重点を置いた三つの観点について、二重丸(◎)「よりふさわしい」と、丸(○)「ふさわしい」で記しており、その右に選定する理由を文章で記載しております。指導第二課においては、提出された申請書等の内容について、教科用図書の審査を詳細に行い、適切に申請していると判断し、本日、本教育委員会議に上程しております。
 それでは、左肩に枠囲みで議題3と記してある資料を御覧ください。
 1ページからが、令和7年度から使用する中等教育学校(前期課程)用教科用図書の申請一覧です。
 1に選定の際に特に重点を置いた調査の観点及び視点を記しております。これは、先ほど説明した5観点12視点のうち、教科ごとに特に重点を置いた観点と視点を三つ示しております。
 2が教科用図書申請一覧で、教科ごとに選定した教科用図書を記しております。国語については、ただいま見ていただいていた三つの観点に特に重点を置き、検討した結果、国語、書写とも光村図書を選定しております。2ページ以降、各教科を続けて説明いたしますが、1の特に重点を置いた観点等については資料を御覧いただくこととし、説明を省略させていただきます。
 2ページの社会は地理、歴史、公民的分野とも東京書籍を、地図は帝国書院を選定しております。3ページの数学は学校図書を、4ページの理科は啓林館を選定しております。5ページの音楽は一般、器楽合奏とも教育芸術社を、6ページの美術は光村図書を選定しております。7ページの保健体育は大修館を、8ページの技術・家庭は技術、家庭分野ともに開隆堂出版を選定しております。9ページの外国語は東京書籍を、10ページの特別の教科道徳は日本文教出版を選定しております。説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。
 最初に確認です。これは中等教育学校の前期課程ということですから、年齢でいくと中学生相当ですよね。

指導第二課長

 はい。

松井教育長

 ということは、つい先ほど採択いたしました公立中学校の教科用図書の採択した内容と、今回の中等教育学校の前期課程の教科書とで、教科によって違う教科書を採択しているものはあるのですか。

指導第二課長

 はい。先ほどの中学校で採択いただいた教科書と変わっているものはございません。同一のものを申請しております。

松井教育長

 たまたまですか。

指導第二課長

 はい。

松井教育長

 それぞれで審議した結果、結果として同じ発行者の教科書が申請され、公立中学校の採択した教科用図書と異なるものは今回についてはないということですか。

指導第二課長

 はい。今回についてはございません。
 中等教育学校の教科用図書については、先ほども御説明させてもらいましたように、学校ごとに採択することとなっておりまして、学校長が教科用図書の選定委員会を設置し、同校の教員が行う調査・研究を踏まえて選定を行っています。学校における調査・研究ですけれども、事務局から学校に提供している、本市中学校の教科用図書採択審議会で提出された調査委員会からの報告資料、これも参考にしながら、中等教育学校の特色と生徒の実態を踏まえて教科ごとに重点を置く観点に基づいて行っておりまして、結果として、公立の中学校と同一の教科用図書が選定されたものになっています。
 先ほどの別添資料、4ページを御覧いただきまして、2の生徒の実態に記載されているところですけれども、難関大学を目指す生徒も多い一方で、基礎的基本的な内容の定着にきめ細やかな指導を必要とする生徒もいるという生徒の実態から、他の市立中学校の生徒と同様に、まず基礎的基本的な学力を身に付けつつ、中等教育学校の特色ある教育課程の中で発展的な学習を行うこともできる教科用図書が選定されたものと考えております。

井内委員

 教科書は朝から審議してきた中学校と同じですが、もちろんその教え方は違うと想像しています。例えば、私立の中学校では、中学校3年生になると高校の教科書を使うとかいうこともあり得るだろうと、想像するわけです。

指導第二課長

 はい。

井内委員

 そういうことは、中等教育学校ではやるのですか。

指導第二課長

 はい。井内委員のおっしゃったとおりで、中等教育学校の前期課程においては、一般の中学校とは違い、国語と数学と英語の授業時数を増加しております。そのため、中学校3年生段階になりますと、高等学校で学習する内容の一部について、副教材等を利用して前倒ししながら学習を行うということをしておりまして、6年間一貫した特色ある教育課程を編成して実施しているという状況でございます。

井内委員

 学校数が限られるので一貫校のために特別の教科書を作ることはあり得ないだろうから、教科書はそれでよいのかと思いますけれども、決してついてこられない子がいるからこれを使っているという意味ではなくて、あるレベルまでは平均的にやりましょうと、おそらくそれを超えてくる子もいるだろうから、その場合にはやっぱり先生方の配慮によって違う副読本を使うとか、違うテキストを加えるというような工夫があるのではないかなと想像しますが、いかがですか。

指導第二課長

 はい。おっしゃるとおりで、学習指導要領の内容を超えるようなさらに高度な学習ですとか、高等学校の学習内容を前倒しした学習に関しては、教科書を補完する形で別の副教材を設定して、それを活用しながら取り組んでいる状況でございます。

井内委員

 それは全員に対してではなく、クラスを分けて授業を行うということはあるのですか。それとも、全員に対して同じ授業を提供するのですか。

指導第二課長

 習熟度に分けて、クラスを分けるということはしています。

井内委員

 習熟度別ということで少し工夫をするのでしょうね。はい、分かりました。
 この中等教育学校の設立の趣旨からいっても、もう少し違った形の教科書が提供されてもよいのかと思いましたけれど、東京書籍に少しレベルの違うものを作るようにというのは無理ですよね。物理的には無理だと思いながら、教科書が全く一緒なので、これでよいのかと思って聞きました。

松井教育長

 それでは、お諮りをしたいと思います。
 議案第32号「令和7年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書採択について」は、原案どおり可決することに御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、本件は原案どおり可決することに決定をいたしました。
 それでは次に、議題4、議案第33号「令和7年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書採択について」を議題といたします。
 本件は審議案件です。
 内容について、指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、ファイルを御準備させていただいております。水色のファイルと赤色のファイルと黄色のファイル、三つございますが、まず水色のファイルの方、背表紙に令和7年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書採択についてと書かれたものを御覧ください。
 議題4、議案第33号「令和7年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書採択について」は、各学校から申請されたとおり採択することとしたいと考え、上程しております。
 それでは、赤色のファイルを御覧ください。
 表紙をめくると、右肩に枠囲みで別添資料と記しております。
 1枚めくっていただき、1ページの広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)・特別支援学校(高等部)用教科用図書採択の基本方針を御覧ください。こちらは、令和3年5月26日の教育委員会議で決定していただいたものでございます。
 2ページの広島市立広島みらい創生高等学校用教科用図書採択の基本方針を御覧ください。こちらも同様に、令和3年5月26日の教育委員会議で決定をいただきました。
 続いて、3ページの広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)における教科用図書採択の手順を御覧ください。各学校では、この手順に従い、調査員による調査・研究を経て、教科用図書選定委員会における審議を受けて選定された教科用図書を教育委員会に申請しております。指導第二課においては、各校から提出された申請書等の内容について、申請された教科用図書が評価の観点に照らし適切に選定されているか等の審査を行った上で、本日の教育委員会議に上程しております。
 4ページを御覧ください。令和7年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書総括表です。本年度、各校より申請のあった教科用図書の点数は表のとおりとなっており、右下に合計欄がありますけれども、合計638点です。なお、令和6年度使用教科用図書と異なる教科用図書の申請は、新規の欄を御覧ください。合計20点あります。これは、教育課程の変更や、昨年度実際に授業を行った中で、より生徒の実態に合った教科用図書に変更した方がよいという判断をして申請されたものになります。
 5ページを御覧ください。
 このページ以降の資料が各学校長から提出されたものとなります。基町高校を例に説明いたします。5ページの様式1は、先ほど説明しました手順に従い、学校で行った選定の手順の報告となっています。選定委員、調査員は、事前に教科用図書採択に直接の利害関係を有する者ではないことを確認書において誓約した上で、選定に従事していただいています。選定委員会規約については、19ページのとおり、各学校の資料の最後に綴っています。全ての学校において、選定委員会が各校の規約に基づき適正に運営されたことを確認しております。
 6ページをお開きください。
 1に学校の特色を、2に生徒の実態を、3に調査の観点及び視点を記載しており、7ページからが令和7年度使用高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書申請書で、お手元に配布しております黄色のファイル、高等学校用教科書目録に登載されている教科書について、先ほどの観点に基づき、比較、検討し、ふさわしいものを2点に絞った上で選定したものを上段にして、教科ごとに特に重点を置いた三つの観点について、二重丸(◎)「よりふさわしい」と、丸(○)「ふさわしい」で評価を示しており、その右に選定の理由を文章で記載しております。
 7ページから18ページまでがその申請書となります。以下、21ページ以降は、学校ごとに提出された選定手順、選定資料、申請書、選定委員会規約を綴じております。
 それでは、具体的に、赤色ファイル、黄色ファイルを使いながら説明をさせていただきます。申請書の内容について、まず、赤色のファイル、10ページの表の一番上を御覧ください。基町高校の2年生の教科名、地理歴史、科目名、世界史探究を例に説明いたします。このページを開いたままにしていただき、併せて、黄色のファイル、高等学校用教科書目録、こちらの9ページを御覧ください。教科書目録に掲載されている世界史探究、7冊を対象として、教科書発行者から送られる教科書見本や、文部科学省がホームページ上で公開しているもので、教科書の編集の趣旨や基本方針などについての理解を促進することを狙いとして作成された編修趣意書等を参考に調査研究し、本校にふさわしい教科書を選定しております。
 赤色のファイルの10ページの表、一番上の右端の欄の選定の理由を御覧ください。発展的な内容を学習することができるよう、資料から情報を読みといて考察し、思考力・判断力・表現力を高める「探究TRY」を適宜設けている。このことが選定の理由として挙げられております。地理歴史科においては、発展的な内容の充実を特に重点を置く観点の一つとしており、基町高校の生徒にとってふさわしいということで、このように選定の理由を挙げております。机上にございます教科書、新詳世界史探究の82ページから83ページを御覧ください。
 こちらは「探究TRY」が掲載された部分になります。発展的な課題を主体的に探究しようとする態度を養うため、ページ下部に、読解、説明、議論の3ステップにより、既習事項を踏まえて複数の資料を読み解き、重要な概念について理解を深めながら、思考力・判断力・表現力を育成できるようになっております。
 また、赤色ファイルの10ページ、一番上の段に網掛けで「新規」と記載されておりますが、これは、本年度使用教科用図書と異なる新規の選定を示しております。昨年度使用した結果を踏まえ、調査・研究を行い、主体的に学ぶことができる発展的な学習を希望する生徒の実態に応じ、歴史の理解を深めるだけでなく、自分の考えを説明したり議論したりする探究活動を通じて、より深い考察ができる教材を選定し、新規として申請されております。
 続きまして、もう一つ、広島みらい創生高校を例に説明いたします。赤色のファイルの申請書、121ページの表の一番上、1年生の教科名、数学、科目名、数学1.を御覧ください。併せて、黄色のファイル、高等学校用教科書目録、13ページを御覧ください。
 黄色のファイルの教科書目録に掲載されている数学1.、17冊を対象として、本校にふさわしい教科書を選定しております。赤色ファイルの申請書の121ページの表の一番上の右端の欄の選定の理由を御覧ください。学習内容の定着に応じて振り返りを行うことができるよう、「ふりかえり」を設けていることが選定の理由として挙げられております。数学科においては、内容の構成、配列、分量を特に重点を置く観点の一つとしており、広島みらい創生高校の生徒にふさわしいということで、このように選定の理由を挙げております。机上の右側にございます教科書、新高校の数学1.、こちらの122ページを御覧ください。
 8行目あたりに、青い枠で囲まれた「ふりかえり」が掲載されています。こちらに記載されている179ページを御覧ください。ここには、小中学校の既習事項が掲載されています。在籍する生徒の約半数以上が学び直し科目を履修している実態に応じ、中学校までの既習事項をその都度確認したり、練習問題を行う際に復習したりすることで、高校での学習の基礎を固めていくことができるようになっております。この2点の例のように、各校において、教科書の調査・研究を行い、生徒にふさわしい教科用図書を選び、申請書を作成します。
 それでは、水色のファイルに戻っていただきまして、学校別申請一覧と赤いインデックスがついた部分をお開きください。令和7年度使用高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書申請一覧は、各校で選定された教科書を教科ごとに一覧にまとめたものです。資料の見方について説明いたします。
 2ページを御覧ください。基町高校の地理歴史科を例に説明いたします。1に選定の際に特に重点を置いた調査の観点及び視点として教科ごとに特に重点を置いた調査の観点等を三つ示しています。2が教科用図書申請一覧で、教科ごとに選定した教科用図書を記しています。表の1段目の1年生、地理総合は、新規の選定欄が空欄になっていますが、これは、本年度使用教科用図書と同一のものを次年度も申請することを示しております。また、6段目、地理探究の学年の欄が丸3と学年の欄の数字を丸で囲んでおりますが、これはすでに使用していて、次年度も引き続き使用する教科用図書で、生徒が新たに購入しないものになります。そして、下から3段目の2年生、世界史探究は、先ほど説明させていただいたように新規と記載していますが、これは本年度使用教科用図書と異なる新規の選定を示しております。なお、新規の選定の教科用図書については、3の新規の選定図書及びその理由に選定の理由を記載しております。机上に立てて並べてあるものは、新規と示されている教科用図書を準備しております。その他の教科用図書は、壁沿いに学校ごとに展示しております。
 それでは、1ページにお戻りいただきまして、赤色ファイルの4ページ、総括表を併せて御覧ください。これから学校ごとに新規の選定の教科用図書を中心に説明いたします。先ほども述べましたが、新規の選定は、教育課程の変更や、昨年度実際に授業を行った中で、より生徒の実態に合った教科用図書に変更した方がよいと判断して申請したものとなります。それでは、赤色ファイル4ページの基町高校は、令和6年度使用教科用図書と同一の教科書の申請66点、新規の申請6点、合計72点の申請です。水色ファイルの1ページから11ページが基町高校の教科用図書申請一覧となります。
 1ページを御覧ください。国語で、論理国語が新規です。発展的な内容を学習することができるよう、論理的に書いたり批判的に読んだりするなど、より実社会に必要な国語の資質・能力を高め、論理的に考える力を身に付けるための学習を重点的に行うことができる論理の力を設けている本書に変更いたしました。
 2ページを御覧ください。地理歴史で、世界史探究が新規です。変更の理由は先ほど述べたとおりでございます。
 6ページを御覧ください。保健体育で、保健が新規です。こちらは、発展的な課題に取り組む学習において、主体的・対話的で深い学びの実現を図るため、学習項目の内容をさらに掘り下げる関連情報や、具体的で取り組みやすい応用的な課題を取り上げた特設を設けている本書に変更しました。
 8ページから9ページを御覧ください。外国語で、英語コミュニケーション3、論理・表現1、論理・表現3が新規です。英語コミュニケーション3は、ねらいに応じた言語活動を通じて、思考力・判断力・表現力の育成を図るため、グラフや図の活用、段階的な支援により英語で表現する学習を行うことができる、「Speaking」や「Writing」を設けている本書に変更しました。論理・表現1は、論理的に発信する能力を伸ばすことができるよう、論理的観点からのアドバイスが提示された「Logical Thinking」を設けている本書に変更しました。論理・表現3は、書くことや話すことに係る能力を、言語活動を通して伸ばすことができるよう、ディスカッションの内容をさらに深めることができる「Speak Again」や、学習した文章の型を活用できる多様な問題を用意している「Extra Writing」を設けている本書に変更しました。基町高校は以上となります。
 続いて、赤色ファイル、4ページになります。舟入高校ですが、令和6年度使用教科用図書と同一の教科書の申請68点、新規の申請1点、合計69点の申請です。水色ファイルの13ページから22ページが舟入高校の教科用図書の申請一覧となります。そのうち21ページを御覧ください。家庭で、家庭基礎が新規です。生徒の興味・関心を高めることができるよう、学習して理解したことを生活に生かすことができる課題「TRY」や、学習を通して生活設計をしながら生涯を見通すことができる課題「TRYライフプラン」を設けている本書に変更しました。舟入高校は以上です。
 続いて沼田高校です。赤色ファイルの4ページ、総括表ですが、沼田高校は、令和6年度使用教科用図書と同一の教科書の申請67点、新規の申請9点、合計76点の申請です。水色ファイル23ページから35ページが沼田高等学校の教科用図書の申請一覧です。
 24ページから25ページを御覧ください。地理歴史で歴史総合、日本史探究が新規です。歴史総合は、生徒の興味・関心を高めることができるよう、歴史を多角的・多面的に思考・判断・表現する力を育成することができる特設ページ「暮らしの中の歴史」を設けている本書に変更しました。日本史探究は、生徒の興味・関心を高めて主体的な学習につなげることができるよう、写真やグラフなどの資料から情報を読み解いて考察し、説明したり論述したりする活動を促す「読みといてみよう」を設けている本書に変更しました。
 27ページから28ページを御覧ください。数学で、数学B、数学Cが新規です。2点とも、教育課程を変更し、これまで体育コースで設定していなかった科目を新たに設定したため、新規となります。
 32ページ、33ページを御覧ください。外国語で、英語コミュニケーション1、英語コミュニケーション2、英語コミュニケーション3、論理・表現1、論理・表現3が新規です。英語コミュニケーション1は、生徒が見通しを持って学習を進めることができるよう、聞く・読む・話す・書くの観点での学習目標を単元ごとに示している「Your Goal」を設けている本書に変更しました。英語コミュニケーション2は、聞く・読む・話す・書くの4技能を統合的にバランスよく育成することができるよう、コミュニケーションによる目的や場面、状況に応じた言語活動が行うことができる「Activity Corner」を設けている本書に変更しました。英語コミュニケーション3.は、単元の目標や言語活動の目的や場面、状況を明確にして学習が進められるよう、その課で学ぶ内容を題材、方法・過程、活動に分けて示してある「Targets!」を設けている本書に変更しました。論理・表現1.は、学習した言語材料を利用し、複数の技能を統合した言語活動を通した発信力を育成することができるよう、他の人々の会話を聞き取ったり、生徒同士が英語を使ってやり取りを行ったりする「Expressing」や「Additional Activity」を設けている本書に変更しました。論理・表現3.は、言語活動を通して単元の目標を定着させることができるよう、単元のテーマに沿った資料を読み解き、自分の意見や調査内容を伝える活動を行う、「Interactions」を設けている本書に変更しました。沼田高校は以上です。
 続いて美鈴が丘高校、赤色ファイルの4ページ、総括表ですが、美鈴が丘高校は、令和6年度使用教科用図書と同一の教科書を申請66点、新規の申請1点、合計67点の申請です。水色ファイルの37ページから46ページが、美鈴が丘高校の教科用図書の申請一覧です。
 39ページを御覧ください。公民で公共が新規です。教育課程を変更し、令和5年度入学生まで第1学年で使用していた本書を、令和6年度入学生から第2学年で使用するため、新規となります。美鈴が丘高校は以上です。
 広島中等教育学校(後期課程)、こちらも赤色ファイル、4ページの総括表を御覧ください。広島中等教育学校(後期課程)は、令和6年度使用教科用図書と同一の教科書の申請60点、新規の申請2点、合計62点の申請です。水色ファイル、47ページから56ページが、広島中等教育学校(後期課程)の教科用図書申請一覧です。
 48ページを御覧ください。地理歴史で、世界史探究が新規です。生徒が興味・関心を持って学習に取り組むことができるよう、各部の冒頭で、学習内容を構造的に理解しながら生徒自らが問いを立てる課題「第○部を学ぶ前に」を設けている本書に変更しました。
 49ページを御覧ください。公民で公共が新規です。教育課程の変更により、令和5年度入学生まで第4学年で使用していた本書を、令和6年度入学生から第5学年で使用するため、新規となります。広島中等教育学校(後期課程)は以上です。
 続いて、広島商業高校、赤色ファイルの4ページ、総括表を御覧ください。広島商業高校は、令和6年度使用教科用図書と同一の教科書を申請43点、新規の申請0点、合計43点の申請です。水色ファイルの57ページから66ページが広島商業高校の教科用図書申請一覧です。広島商業高校は以上となります。
 広島工業高校ですが、赤色ファイル総括表になります。広島工業高校は、令和6年度使用教科用図書と同一の教科書の申請90点、新規の申請1点、合計91点の申請です。水色のファイル、67ページから78ページが広島工業高校から申請された教科用図書申請一覧です。
 70ページを御覧ください。数学で、数学Bが新規です。こちらは、教育課程の変更により、令和4年度入学生まで第2学年で使用していた本書を、令和5年度入学生から第3学年で使用するため、新規となります。広島工業高校は以上となります。
 続いて、広島みらい創生高校、定時制課程です。赤色ファイルの4ページ、総括表ですが、令和6年度使用教科用図書と同一の教科書の申請103点、新規の申請0点、合計103点の申請です。水色ファイルの79ページから91ページが広島みらい創生高校の定時制課程から申請された教科用図書の申請一覧です。新規ございませんので、広島みらい創生高校の定時制課程は以上です。
 広島みらい創生高校、通信制課程についてです。赤色ファイル、4ページ、総括表ですが、令和6年度使用教科用図書と同一の教科書の申請55点、新規の申請0点、合計55点の申請です。水色ファイルの93ページから105ページが、広島みらい創生高校の通信制課程から申請された教科用図書申請一覧です。広島みらい創生高校の通信制課程は以上です。
 説明は以上でございます。審議のほど、よろしくお願いいたします。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いをいたします。

一橋委員

 聞き漏らしたかもしれませんが、令和何年度までは何年生で使っていたものを、令和何年度から何年生で使うという御説明が何か所かあったと思いますが、内容がよく分からなかったので、もう一度御説明いただけますか。

指導第二課長

 はい。例えでお話させていただきますと、広島工業高校ですが、申請書の70ページ、3の新規の選定図書及び理由にも記載されていることですが、数学Bの変更の理由として、令和4年度入学生(令和6年度現在の3年生)は、就職であれば製図等の工業に関する専門科目を選択し、進学であれば、数学Bを選択することになります。これまでは2年次に履修する教育課程となっておりましたが、科目選択を1年次で行わなければならず、希望進路が定まらないタイミングで科目選択をしなければならないという課題がございましたので、生徒が希望する進路選択をさせるために、3年次に数学Bの選択をするような形で変更をしたということになります。

一橋委員

 それは、進路が確定してから教科を選べるということですか。

指導第二課長

 そういうことになります。

一橋委員

 そういうことになるわけですね。習熟度に対する教育が変わったという話ではなく。

指導第二課長

 はい、そのとおりです。広島工業高校は進路選択に関係するということで、数学Bの教科書を新規に決定しています。

一橋委員

 分かりました。ありがとうございます。

松井教育長

 例えば、教育課程の変更に伴う部分は、実際に使う教科書を変えるというわけではないですね。

指導第二課長

 はい、そのとおりです。

松井教育長

 先ほどの例は教科書を使う学年が変わったりするイメージかと思いますが、今回、各高校から申請されたものは、純粋に使う教科書を変えたいというのがほとんどですよね。

指導第二課長

 はい。

松井教育長

 高等学校は義務教育ではないので、各高校で学校の独自性を考えて、うちの学校ではこれを使いたいと教科書を変えられるのであれば御判断を尊重すべきかと思いますが、例えば、最初の基町高校のところで思ったのですけれども、教科書を変えることによって2年生と3年生で使う教科書の出版社が異なるというケースが出てくると思います。学習の継続性ということまで含めて判断されているのだと思いますが、たまたま基町高校を見た時に、今までは同じ出版社だったものを2年生と3年生があえて違う出版社の教科書にするように見えたので、それは学習の継続性という点でいくとどうなのでしょうか。

指導第二課長

 教科によるとは思うのですが、学習の継続性については、その学習内容等について基本的には学習指導要領に準拠して各教科書は作られておりますので、そういった意味からすると継続性については大きなリスクはないと理解しております。

松井教育長

 大前提として検定は通っている中で、こちらの方がうちの学校で評価したい部分に、より内容が合致していると思われるから変更するのですよね。結局これは1年やってみて、手続き的にはまた来年に変更することもあり得るのですか。

指導第二課長

 はい。

松井教育長

 高等学校の場合、毎年採択するので。

指導第二課長

 はい、そのとおりです。毎年採択することになります。

松井教育長

 過去に、教科書を変えてみたけれど、また1年で戻そうということもありましたか。

指導第二課長

 はい、ありました。

松井教育長

 あり得るのですね。分かりました。

井内委員

 基町高校の新規で論理国語というのがありましたよね。素朴な質問で、論理国語という科目はどういう狙いがあるのか、思考力を育てる目的なのか、それとも国語力を上げようということなのか。採択とは関係ない質問になるのですが、論理国語という科目は我々の時代にはなかったので。

指導第二課長

 それぞれ、国語という教科の中の科目になります。論理国語ですけれども、学習指導要領の目標の中で、論理的、批判的に考える力を伸ばすとともに、創造的に考える力を養い、他者との関わりの中で伝え合う力を高め、自分の思いや考えを広げたり深めたりすることができるようにするという目標のもと、基町高校は、こちらの教科書で力をつけたいということで申請がありました。

井内委員

 平たく言えば、討論とか論文とか、そういうものを書くための能力といいますか、こういう力が一体どう生かされていくのだろうかと素朴な疑問を持って伺いました。しかも、この中で、あちらは良くてこちらが悪いとか、どういう基準でそれを見ればよいかと。

指導第二課長

 まず、基準としては各校三つの観点を重点的に選んでおり、国語ですと、一つが主体的に学習に取り組む工夫と、もう一つが内容の構成・配列・分量のところと、最後に、発展的な内容の充実、といったところを中心に見て選ばれています。その中でも特に重点を置いているのが、発展的な内容の充実というところで教科書の選定を行っておりまして、この度、教科書を変えた理由が、昨年度まで読むこと及び書くことの二つの観点から論理的思考力の育成を目指してきたところですけれども、実用的な文章の読み取りや表現力の向上も求められるようになってきているため、これが、多様な文章から読解力の育成を図る、見ていただいている教科書なら、言葉のトレーニングや四つの観点で繋げる力、要約する力、質問する力、論調する力から表現力の育成を図る論理力が設定されている本書を選定したということになっています。

井内委員

 この教科書を使って授業がどう進められるのか非常に興味があって、実際に授業をやっておられる先生にはちゃんと狙いが分かるのだろうから、論理力をどういうふうに養うのか興味を持ちました。これに問題点を感じているわけではなくて、単純に疑問です。

松井教育長

 論理国語っていう言葉自体よく分からないですけども。

井内委員

 いきなり出されると何をするのですかと。

松井教育長

 実際やろうとすることは今説明してくれていると思うのですが、やろうとしていることが論理国語という言葉からなかなか発想するのが難しいですね。

一橋委員

 中学までは国語は一つの科目でしたが、高校の方を見ると6つに分かれますよね。現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、国語表現、古典探究の6種類あるのですが、これをそれぞれ教えるわけではありませんよね。国語という教科の中で内容があるという。

指導第二課長

 そのとおりで、論理国語は前学習指導要領でいきますと、現代文Aと現代文Bを合わせたような内容で、新学習指導要領では論理国語となっています。

松井教育長

 現代国語と言っていた中の一分野を、言葉として表現したわけですね。

井内委員

 論理的な思考力とか文章を書けるようにするというところだけを切り出して、論理国語というのは造語になっている気はしますよね。どういう内容なのかピンとこなかったのですが、舟入高校や基町高校、沼田高校と多くの高校が選んでいるのですね。

一橋委員

 基本的な質問をさせていただきたいのですが、高校は義務教育ではないので各学校が選定委員会を作って教科書を決め、校長先生から答申されるということですよね。先ほどまでの中学校とは違い、どの教科書を使うかは高校がお決めになるということですが、教育委員会の方でこれを採択する、しないというのはどういう基準でやるのですか。校長先生がお決めになったものであれば、その学校の教育の方針に基づいて、教科書が学習指導要領に合致していないなどがあれば別ですが、そうでなければ、それを承認するという形でしょうか。

指導第二課長

 教育委員会がでしょうか。

一橋委員

 今、我々が審議している意味というか。

指導第二課長

 学校から申請書が提出されると、まず、指導第二課で観点や視点に従って選定できているかや内容を審査した上で、もし内容に疑義や不備があればこちらからも確認をしたり、場合によっては修正してもらったりというところまで審査をしてこの度上程をしておりまして、そこの内容について、採択していただくということが教育委員会としてやっていただくところになろうかと思っています。

松井教育長

 高等学校の採択は毎年あって、毎年同じような疑問を持っています。中学校は何者かあって、ピックアップして比較検討した上で、こちらの方が「よりふさわしい」ということを我々も審議しているのですが、高等学校については、これは何のための審議なのか分からなくなる。だから、今、長屋課長が言ってくれたようなことを経て説明をもう少ししていただけるとありがたいです。
 基本的には校長先生が変なことをしてない限りには、検定を通っている教科書の中の話だから、どれを取ったからおかしいということはありません。反対に、来年度以降はどういう場合に是正するようなことがありうるのかが分かるような説明をしていただけると、より納得度が上がると思います。結局、今は新規採用の説明を、今までは何が良くなかったからこう変えたという説明はなくて、こういうことがしたいから新規にしましたとやりたいことだけ書いてあるので、口頭で補足していただいて、新規の教科書に変えた理由がもう少し分かるようにしてもらえるとよいと思います。

一橋委員

 今までにこちらの方で審議されて採用されたものは既に中身は分かっているわけで、新たに採用されたものを見てくださいということなら分かるのですが、例えば、ある高校で今まで使ってない新規の教科書であっても、他のどこかの学校ではそれはもう既に使っていることもあるのですよね。全く初めて使われる教科書ではないと思うのですが。

指導第二課長

 そうです。それは教科書によるかとは思いますが、全く新しいことではありません。

一橋委員

 既に他の学校で使っているものを、ある高校としては今年これを使いたいということであれば、それを改めて確認する必要があるのかなという疑問は思いましたね。

松井教育長

 手続きとして採択をしなくてはいけないのですが、実質的に検定を受けている教科書で、他の高校でも使っている本だからよいのではないかと思った瞬間に判断する意味がない。

一橋委員

 正直、そう思ってしまいますね。

松井教育長

 義務教育の方とは少し性格が違うと思いますけれども、実際に使ってみて、現場の意見として去年まで使っていたものを少し変えたいという思いがあって、こういうところを強化したいということはある程度資料に書かれているので、新しくどういうところを変えるかの説明は、もう少し実態の部分を詳しく説明していただけるようになると、同じ検定を受けている教科書の中でもこちらを選ぶのだという部分が少し分かるので、それを持って、特にそこに異論がなければ我々もよしとする、採択させていただくこととしたいと思います。

一橋委員

 分かりました。

松井教育長

 特に新規の部分で、先ほどの例のような学習指導要領や教育課程が変わるけれども使う本は変わらないというものではなく、実質的に使う本を変えるところは、何本あるかでどこまで説明できるかという問題もありますが、今まではこの教科書がよいと思って使っていたけれども、何か少し不十分な部分があって、あちらの方がその部分の記載が揃えられているようなので、来年についてはあちらを使いたいという説明をもう少し詳しくしていただくということを、できることから改善していただくということで、今回については学校から出てきたもので御審議いただきたいと思います。
 他に御質問がないようでございましたら、お諮りをいたします。
 議案第33号「令和7年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書採択について」は、原案どおり可決することに御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、原案どおり可決することに決定いたしました。以上で議案は全て終了いたしました。
 これをもちまして、令和6年第12回広島市教育委員会議臨時会を閉会いたします。

7 議決事項

議案番号

件名

議決結果

30

令和7年度から使用する広島市立中学校用教科用図書の採択について 原案可決

31

令和7年度から使用する広島市立特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について 原案可決

32

令和7年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書採択について 原案可決

33

令和7年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書採択について 原案可決

 

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