臓器移植に関わる不正な臓器取引、移植ツーリズム等を防止するための法整備等を求める意見書案(令和6年12月13日)
意見書案第17号
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 あて
総務大臣
厚生労働大臣
広島市議会議長名
臓器移植に関わる不正な臓器取引、移植ツーリズム等を防止するための法整備等を求める意見書案
世界的な移植用臓器の不足を背景に、臓器の確保を目的とする不正な臓器取引、人身取引、移植目的の渡航等が、世界における医療の倫理的問題や人権を侵害する大きな問題となっています。
このような問題に取り組むため、国際移植学会(TTS)及び国際腎臓学会(ISN)は平成20年4月に、臓器取引・人身取引の犯罪化と、移植ツーリズムの防止を掲げた「臓器取引と移植ツーリズムに関するイスタンブール宣言」を発出しました。日本移植学会、日本臨床腎移植学会、日本内科学会、日本腎臓学会及び日本透析医学会は令和4年12月、「移植の恩恵は、非倫理的行為や搾取的な行為に依存することなく」、「必要とする人々に分配されなければならない」等とする「イスタンブール宣言2018 5学会共同声明」を表明しました。
公益社団法人日本臓器移植ネットワークによると、国内では、現在約1万6,500人もの人が移植を希望し登録していますが、臓器提供は年間で約100件となっており、圧倒的なドナー不足が大きな課題です。この現状から、海外での臓器移植を求め渡航する人は後を絶ちません。厚生労働省の調査によると、海外での臓器移植手術後、国内の医療機関に通院している患者は、令和5年3月末時点で543人に上ります。一方、海外での臓器移植は手術後に患者が死亡する危険な事例もあるほか、違法な臓器売買を疑われた場合、帰国後、国内の医療機関での診療を拒否される場合もあります。
渡航移植は、邦人が思わぬ医療犯罪や非人道犯罪に巻き込まれる恐れがあるものの、我が国には渡航移植を制限する法律はなく、いつ、どこで、誰が、どのような手術を受けたのか、自治体や医療機関は確認することができません。したがって、臓器提供の透明性を確保する制度の整備は必要です。前記宣言に倣い、不正な臓器取引の禁止、移植ツーリズムの防止、さらには、適切で公正な臓器移植に関する啓もうや教育の一層の強化も欠くことはできません。
よって、国会及び政府におかれては、臓器移植に関わる不正な臓器取引、移植目的の渡航等を防止するための法整備等に早急に取り組まれるよう強く要請します。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
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