ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > くらし・手続き > 医療・健康・衛生 > 食品衛生 > 食品衛生に関すること > 食の安全トピックス > 過去の情報 > 野生動物(イノシシやシカ等のジビエ)の食肉について

本文

野生動物(イノシシやシカ等のジビエ)の食肉について

ページ番号:0000008078 更新日:2020年7月3日更新 印刷ページ表示

シカ肉イノシシ肉「生」で食べて、E型肝炎に感染した事例が報告されています。

1.E型肝炎とは

  • E型肝炎ウイルス(Hepatitis E Virus:HEV)の感染によって引き起こされる急性肝炎(稀に劇症肝炎)で、慢性化することはありません。
  • 感染経路は経口感染であり、ウイルスに汚染された食品や水の摂取により感染することが多いとされています。
    ヒトからヒトへの感染については、くしゃみなどによる飛沫や接触による感染は報告されていませんが、輸血による感染や母子感染が報告されています。
  • 感染しても症状が出ないことが多いとされています。
    肝炎を発症する場合、潜伏期間2~9週間(平均6週間)で、発熱、悪心・腹痛等の消化器症状、肝腫大、肝機能の悪化(トランスアミナーゼの上昇・黄疸)が出現します。
    大半の症例では安静臥床(ベッドの上で動かずに安静を保つこと)により治癒しますが、稀に劇症化することがあります。
    特に妊婦が感染すると劇症化することが多く、また高齢者ほど重症化しやすいとされています。

2.野生動物との関連は

  • イノシシのイメージイノシシの肝臓の生食、シカ肉の生食、イノシシ肉のバーベキュー料理を食べてE型肝炎に感染した事例が国内で報告されています。
  • 野生動物のほかに、豚レバーからE型肝炎ウイルスが検出され、加熱不十分な豚レバーの喫食による感染の可能性も示唆されています。

3.予防方法は

  • E型肝炎ウイルスは、しっかり加熱調理を行えば感染性を失います。
    中心部まで火が通るよう、十分な加熱調理を心掛けてください。
  • 野生動物はE型肝炎ウイルスのほかにも、人畜共通感染症や食中毒の原因となる病原微生物や寄生虫類を保有している可能性があります。
    野生動物の肉の生食は避け、十分に加熱しましょう

クマ肉を加熱不十分で食べて、旋毛虫(トリヒナ)に感染した事例が報告されています。

食中毒概要

 令和元年11月に飲食店が提供した加熱不十分な熊肉のローストを喫食した8名中6名が、発疹、発熱等を発症。患者の血清から旋毛虫に対する抗体を検出した。

1.旋毛虫(トリヒナ)とは

  • 豚などの家畜や、哺乳類・鳥類、爬虫類などの多くの動物に寄生しますが、国内で通常の食肉(豚・牛・羊・馬・鶏)への汚染は報告されていません。しかし、野生のクマなどにはトリヒナが寄生していることが報告されています。
  • 幼虫を摂取すると2~4日後に成虫となり、小腸粘膜に寄生して吐き気、下痢、腹痛などを引き起こします。その後4~6週間にわたって雌成虫が産んだ幼虫が全身に分散して筋肉痛、発熱、悪寒、浮腫等を呈します。また、多数の幼虫を摂取すると、呼吸麻痺を引き起こす場合があります。

2.野生動物との関連は

ヒトへの感染は、トリヒナの幼虫が寄生している動物の肉を生あるいは不完全加熱の状態で食べることで起きます。

3.予防方法

  • 中心温度75℃で1分以上加熱しましょう。
  • まな板、包丁等の使用器具は専用のものを用意し、洗浄・消毒を徹底しましょう。

その他の細菌や寄生虫にも注意

細菌・寄生虫 感染源(寄生虫に汚染されている食品等) 症状
腸管出血性大腸菌 シカ、野鳥類 下痢(血便)、腹痛。重症では溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症を引き起し死亡することもある。
サルモネラ属菌 シカ、野鳥類 発熱、嘔吐、下痢、腹痛など。
有鉤条虫 ブタ、イノシシの肉 成虫の場合:腹部膨満感、吐き気、下痢、便秘等
幼虫の場合:脳、筋肉、皮下組織など、寄生する場所により症状は異なる。脳や眼に寄生した場合は、てんかんや視野障害などの重い症状となる。
ウエステルマン肺吸虫 汽水性の巻貝、淡水生巻貝、サワガニ、ザリガニ、モクズガニ等やこれらを摂取したイノシシ、シカの肉等 せき、痰(たん)、胸痛、血痰、呼吸困難等の呼吸器症状、発熱、腹痛等

※これらの細菌や寄生虫による食中毒についても、中心温度75℃で1分以上の加熱で予防できます。

食肉として販売する際は

シカやイノシシなど野生動物の肉を食肉として販売する際は、食品衛生法で定められた営業許可が必要です。
詳しくは保健所食品指導課へお問い合わせください。

問い合わせ先

広島市保健所食品指導課(広島市中区富士見町11番27号 1階)
電話:082-241-7404、Fax:082-241-2567

参考資料

野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)<外部リンク> (別紙カラーアトラス<外部リンク>)(厚生労働省ホームページ)

外部リンク

関連情報

E型肝炎ウイルス

ダウンロード

このページに関するお問い合わせ先

健康福祉局 保健部 食品保健課、食品指導課
電話:(食品保健課)082-241-7434、(食品指導課)082-241-7404/Fax:082-241-2567(共通)

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)