牛の肝臓(レバー)を生食するのはやめましょう
平成23年から薬事・食品衛生審議会において、牛の肝臓(レバー)について法律に基づく規制及び食中毒を防ぐ方法について審議され、鮮度及び衛生管理に関わらず、牛の肝臓を生で食べると、腸管出血性大腸菌を原因とする食中毒が発生する可能性があることが分かりました。
このことから、平成24年6月25日付けで厚生労働省は、食品衛生法に基づき、牛の肝臓(レバー)に関する新たな基準を設定しました。
これにより、平成24年7月1日から、牛のレバーを安全に生食するための有効な予防対策について新たな知見が得られるまでの間、牛のレバーを生食用として販売・提供することを禁止することとなりました。
1.消費者の皆様へ
なぜ牛の肝臓(レバー)を生で食べてはいけないの?
(1)腸管出血性大腸菌による、食中毒の可能性があるためです。
- 牛の肝臓(レバー)の内部には、「O157」などの腸管出血性大腸菌がいることがあります。
新鮮なものでも、冷蔵庫に入れていても、衛生管理を十分に行っていても、牛の肝臓(レバー)の内部には大腸菌がいることがあります。
これは、牛の腸管の菌が、胆管などを通じて、肝臓(レバー)の内部に入るためです。 - 実際に、生食用の牛のレバーによる食中毒が起きています。
生食用の牛のレバーなどが原因と考えられる食中毒は、平成10年から平成23年に128件(患者数:852人)発生し、うち22件(患者数:79人)は、腸管出血性大腸菌が原因でした。
(2)腸管出血性大腸菌は、重い病気や死亡の原因となります。
腸管出血性大腸菌は、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの危険な病気を引き起こし、死亡の原因にもなります。
腸管出血性大腸菌は、わずか2~9個の菌だけでも、病気を引き起こします。
HUSは、腸管出血性大腸菌感染者の約10~15%で発症し、HUS発症者の約1~5%が死亡するとされています。
平成23年には、腸管出血性大腸菌による食中毒事件で5名の方がお亡くなりになるという痛ましい事件が起きています。
(3)今のところ、生で食べないことが唯一の予防法です。
牛の肝臓(レバー)が腸管出血性大腸菌に汚染されているかどうかを検査する方法や、洗浄・殺菌方法など、有効な予防方法は見いだせていません。
※牛のレバーは加熱して食べれば安全です。生では食べないようにしてください。
2.事業者の皆様へ
新しい基準のポイント
(1)飲食店事業者の方
- 牛のレバーを原料として調理する場合は、レバーの中心部まで十分に加熱しなければなりません。
(中心部の温度が63℃で30分間以上、または75℃で1分間以上など) - 牛のレバーは『加熱用』として提供しなければなりません。
『生食用』、『刺身』として牛レバーの提供はできません。 - 来店客が自ら調理するため、加熱していない牛のレバーを提供する際には、中心部まで十分な加熱が必要である旨の案内をしなければなりません。
- 飲食店において来店客が店で自ら調理して食べる場合には、飲食店はコンロや七輪などの加熱調理ができる設備を必ず提供してください。
- 飲食店事業者は、来店客が牛のレバーを中心部まで十分に加熱して食べるよう、
「加熱用であること」、
「調理の際に中心部まで加熱する必要があること」、
「食中毒の危険性があるため生で食べられないこと」などを、メニューや店内に掲示するなどにより、来店客に案内してください。 - もし、来店客が生や不十分な加熱のままで食べている場合には、十分に加熱して食べるよう説明してください。
(2)食肉販売店などの方
- 牛のレバーは『加熱用』として販売しなければなりません。
『生食用』、『刺身』として牛レバーの販売はできません。 - 加熱されていない牛のレバーを販売する際には、レバーの中心部まで十分な加熱が必要である旨の案内をしなければなりません。
販売者は、消費者が牛のレバーを中心部まで十分に加熱して食べるよう、
「加熱用であること」、
「調理の際に中心部まで加熱する必要があること」、
「食中毒の危険性があるため生で食べられないこと」などを、掲示するなどして、消費者に案内してください。
※牛のレバーを原料として調理し、販売する場合は、中心部まで十分に加熱しなければなりません。
(中心部の温度が63℃で30分間以上、または75℃で1分間以上など)
3.関連情報
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食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について(平成24年6月25日付け厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知)(外部リンク)
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牛レバーを生食するのは、やめましょう(「レバ刺し」等)(厚生労働省ホームページ)(外部リンク)
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牛の肝臓の基準に関するQ&Aについて(厚生労働省ホームページ)(外部リンク)
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牛肝臓の生食(「レバ刺し」等)に関するよくある質問(厚生労働省ホームページ)(外部リンク)
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腸管出血性大腸菌Q&A(厚生労働省ホームページ)(外部リンク)
関連情報
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