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病原大腸菌

ページ番号:0000008050 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

1.特徴


 ヒトや動物の腸内、自然環境に広く存在し、通常病原性はありません。しかしいくつかの大腸菌はヒトに病原性をもっています。これらを総称して病原大腸菌(又は下痢原性大腸菌)と呼ばれています。

 病原大腸菌(又は下痢原性大腸菌)は、下記の5種類に分類され、症状なども異なります。

  • (1)腸管毒素原性大腸菌(ETEC)
  • (2)腸管侵入性大腸菌(EIEC)
  • (3)腸管病原性大腸菌(EPEC)
  • (4)腸管出血性大腸菌(EHEC)
  • (5)腸管凝集接着性大腸菌(Eaec)

大腸菌の写真
(顕微鏡写真提供:広島市衛生研究所)

大腸菌には多くの種類があるため、菌体(O抗原)や鞭毛(H抗原)などの種類により番号で型別に分類します。
この型別を血清型別と呼びます。例えば大腸菌O157は、157番タイプのO抗原をもつ大腸菌ということになります。

(1)腸管毒素原性大腸菌(ETEC)

毒素を産生し、コレラ様の激しい下痢を起こします。
毒素には以下の2種類があります。

  • 易熱性毒素(LT) : 60℃、30分の加熱で失活する(なくなる)
  • 耐熱性毒素(ST) : 100℃、15分の加熱でも失活しない(なくならない)

主な症状:潜伏期間12~72時間。腹痛、下痢(主に水様性)。

(2)腸管侵入性大腸菌(EIEC)

赤痢菌のように、腸粘膜に侵入して下痢を起こします。
食中毒の他にヒトからヒトへ感染することもあります。
主な症状 : 潜伏期間1~5日。下痢(主に水様性ですが、重症では粘液や血液が混じることがあります)、腹痛、発熱。

(3)腸管病原性大腸菌(EPEC)

乳幼児の胃腸炎の原因菌として知られていますが、成人にも腸炎を起こすことがあります。
主な症状 : 潜伏期間12~72時間。下痢、腹痛。

(4)腸管出血性大腸菌(EHEC)

大腸の粘膜内に付着して、増殖する際にベロ毒素(VT)を産生します。
この毒素が腸粘膜の出血や浮腫、壊死等を引き起し腸炎となります。
強い感染力を有し、少量の菌でも感染することがあります。
食中毒の他にヒトからヒトへ感染することもあります。
主な血清型 : O157、O26、O111など。
(これ以外の血清型でも検出事例があります。詳細は「国立感染症研究所感染症情報センターホームページ」の「病原微生物検出情報(IASR)」の細菌検出情報をご覧ください。)
主な症状 : 潜伏期間2~8日。下痢(血便)、腹痛。重症では溶血性尿毒症症候群(HUS)による腎障害を引き起し死亡することもあります。

(5)腸管凝集接着性大腸菌(Eaec、EAggEC)

2週間以上続く下痢の原因菌として分離されることが多く、病原因子など不明な点が多い菌です。
主な症状 : 潜伏期間1~5日。持続性の下痢、腹痛。

2.原因食品

  • 食肉(特に牛肉)を使用した料理で、以下のような生食肉や加熱不十分な食肉。
    • レバ刺し(生レバー) (注1)
    • ユッケ(牛刺し)等 (注2)
  • 動物の糞便により汚染された井戸や川の水。
  • 動物の糞便により汚染された土壌で栽培した野菜

(注1) 平成24年7月1日から、牛のレバーを安全に生食するための有効な予防対策が見いだせるまで、牛レバーを生食用として提供または販売できません。

(注2) 平成23年10月1日から、ユッケ等の生食用牛肉(内臓を除く)の規格基準に適合しないものは、提供または販売できません。

3.予防方法

肉類は生や半生で食べず、十分に加熱しましょう(75℃、1分間以上)

  • 生肉を扱った後、トイレの後はしっかり手を洗いましょう。
  • 生肉を扱った後の調理器具(包丁やまな板など)は、洗浄、消毒をしましょう。生肉専用の調理器具を使用するとさらに安全です。
  • 焼肉やバーベキューをするときは、肉を焼く「はし」と食べる「はし」を使い分けましょう。
  • 冷蔵庫内などで、肉汁が他の食品に付着しないよう注意しましょう。
  • 生水(井戸水や湧き水など)は煮沸など殺菌してから飲みましょう。
  • ペット等動物に触った後には、しっかり手を洗いましょう。動物との接触により感染した事例があります。

4.外部リンク

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このページに関するお問い合わせ先

健康福祉局 保健部 食品保健課
電話:082-241-7434、082-241-7437/Fax:082-241-2567

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