感染症情報/マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎とは
肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)という小さな細菌による感染症です。マイコプラズマは生物学的には細菌に分類されますが、細胞壁を持たないという特徴があるため、ペニシリン系やセフェム系などの細胞壁合成阻害の抗菌薬が効きません。
感染経路
感染した人の咳やくしゃみによって感染する飛沫感染と接触感染があります。
症状・流行時期・好発年齢
症状
主な症状は、発熱と長びく咳です。
潜伏期間は2~3週間で、症状は発熱、全身倦怠、頭痛などで始まります。その後、3~5日で乾いた咳が出るようになりますが、徐々にひどくなり、熱が下がった後も長く続きます(3~4週間)。鼻炎症状、気管支炎、喉の痛み、胸の痛みなどの呼吸器症状のほか、消化器症状や皮疹が認められる場合があります。
肺炎の場合も比較的症状が軽く、肺炎に至らない気管支炎症例も多い一方で、重症化して入院治療が必要な症例もあります。また、まれに無菌性髄膜炎、脳炎、肝炎、すい炎、溶血性貧血、心筋炎などの合併症を引き起こすことがあります。
流行時期
患者は年間をとおしてみられますが、秋季から冬季にかけてやや多くなる傾向にあります。また、かつては4年周期でオリンピックが開催される年に大きな流行がみられたため、「オリンピック病」とも呼ばれていましたが、最近はこのような周期性はなくなってきています。
広島市の報告状況
- 疾患別グラフ(マイコプラズマ肺炎)
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グラフ総覧(週報対象疾患)
(定点把握疾患(週報対象)の今年と過去5年平均のグラフ)
好発年齢
幼児期、学童期、青年期が中心です。
治療方法
マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗菌薬が用いられます。
予防方法
手洗い、咳エチケットなどを心がけましょう。
参考
このページに関するお問い合わせ
健康福祉局衛生研究所 生活科学部
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