ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 感染症情報 > 感染症情報 > 定点把握対象疾患 > 感染症情報/マイコプラズマ肺炎

本文

感染症情報/マイコプラズマ肺炎

ページ番号:0000000253 更新日:2018年3月1日更新 印刷ページ表示

マイコプラズマ肺炎とは(届出基準と届出様式

 肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)という微生物による感染症です。マイコプラズマは生物学的には細菌に分類されますが、他の細菌と比べると小さく、細胞壁を持たないという特徴があります。

 マイコプラズマ肺炎は一般に症状が軽いといわれていますが、細菌感染症の治療によく用いられる抗生物質であるペニシリンなどが効きません。これらのことが通常の細菌性肺炎と異なるため、「異型肺炎」と呼ばれることがあります。異型肺炎は、クラミジア、ウイルスなどによっても起こりますが、大部分は肺炎マイコプラズマによると考えられています。

感染経路

 感染した人の咳やくしゃみによって、唾液などの飛沫とともに放出されたマイコプラズマを、吸い込むことによって感染する飛沫感染が主であると考えられますが、感染力は比較的弱く、感染するには濃厚な接触が必要と考えられています。

症状・流行時期・好発年齢

症状

 主な症状は、発熱と長びく咳です。

 潜伏期間は2~3週間で、症状は発熱、全身倦怠、頭痛などで始まります。その後、3~5日で乾いた咳が出るようになりますが、徐々にひどくなり、熱が下がった後も長く続きます(3~4週間)。鼻炎症状、気管支炎、喉の痛み、胸の痛みなどの呼吸器症状のほか、下痢、嘔吐などの消化器症状や発しんが認められる場合があります。

 肺炎にしては元気で比較的症状は軽いといわれていますが、重症肺炎になることもあります。また、まれに無菌性髄膜炎、脳炎、肝炎、すい炎、溶血性貧血、心筋炎などの合併症を引き起こすことがあります。

流行時期

 患者は年間をとおしてみられますが、秋季から冬季にかけてやや多くなる傾向にあります。また、かつては4年周期でオリンピックが開催される年に大きな流行がみられたため、「オリンピック病」とも呼ばれていましたが、最近はこのような周期性はなくなってきています。

広島市の報告状況

好発年齢

 年齢別では、幼児期~青年期にかけての患者が多く、乳幼児と高齢者に多い通常の細菌性肺炎とは異なっています。

治療方法

 初期の症状は「かぜ」などと見分けがつきにくいですが、咳が長く続くようであれば、医療機関を受診することをお勧めします。

 抗菌薬による化学療法が基本で、マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系の薬剤が用いられます。マイコプラズマは他の細菌と異なり、細胞壁をもっていないので、細胞壁の合成を阻害するペニシリン系やセフェム系の薬剤は効果がありません。

予防方法

 特別な予防方法はなく、手洗い・うがいなどの一般的な予防方法の励行に心がけましょう。

登校・登園について

 学校保健安全法では、学校で予防すべき感染症第一~三種に明確には規定されていません。登校登園については、急性期が過ぎて症状が改善し、全身状態の良いものは登校可能となっており、流行阻止の目的というよりも、患者本人の状態によって判断すべきであると考えられます。

参考