感染症情報/RSウイルス感染症
RSウイルス感染症とは
RSウイルス(Respiratory syncytial virus)によって引き起こされる感染症です。年齢を問わず何度も感染を繰り返しますが、初回感染時には、より重症化しやすいといわれており、特に生後6か月以内に感染した場合には、細気管支炎や肺炎など重症化することがあります。生後1歳までに50%以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が少なくとも一度は感染するとされています。
感染経路
咳やくしゃみなどによる飛沫感染と、ウイルスの付着した手指や物などを介した接触感染があります。
症状・流行時期
症状
通常RSウイルスに感染してから2~8日、典型的には4~6日間の潜伏期間を経て発熱、鼻汁などの症状が数日続きます。多くは軽症で自然軽快しますが、細気管支炎、肺炎へと進展することがあります。基礎疾患を有する小児(特に早産児や生後24か月以下で心臓や肺に基礎疾患がある小児、神経・筋疾患やあるいは免疫不全の基礎疾患を有する小児等)や、生後6か月以内の乳児は特に注意が必要です。
重篤な合併症として注意すべきものには、無呼吸発作、急性脳症等があります。成人では通常は感冒様症状のみですが、一度に大量のウイルスに暴露して感染することによって、症状が重くなる場合があります。また、慢性呼吸器疾患等の基礎疾患を有する高齢者において急性の重症肺炎を起こす原因となることが知られています。
流行時期
夏から秋にかけて流行していましたが、近年では春から増加がみられるようになりました。
広島市の報告状況
治療方法
特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。
予防方法
手洗いや咳エチケットが有効です。重症化リスクの高い乳児には抗RSウイルス抗体製剤が予防的に用いられることがあります。高齢者を対象としたワクチンや、生まれてくる子の予防を目的に妊婦に接種するワクチンが承認されています。
参考
このページに関するお問い合わせ
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