アメリカの臨界前核実験に対する抗議文(2000年3月23日)
アメリカ合衆国大統領
ウィリアム・ジェファーソン・クリントン 閣下
駐日アメリカ合衆国大使館
特命全権大使 トーマス・S・フォーリー 閣下
抗議文
貴国は22日、ネバダ州の地下核実験場において10回目の臨界前核実験を実施した。貴国のフォーリー駐日大使は、先月、平和記念資料館を見学し被爆の実相に触れた後に、「世界中の国々が平和のために努力をする必要を示すものである」と記帳したが、その1か月後に臨界前核実験を実施したことは、依然として核兵器 を保持し続けようとする貴国の意思を示したものと言わざるを得ず、強い憤りを覚える。広島市民を代表して厳重に抗議する。
来月から、来る21世紀における核不拡散と核軍縮の流れに大きな影響を及ぼす核不拡散条約(NPT)再検討会議が開催されるが、核保有国は、核軍縮の流れが後退している現状を真摯に受け止め、これ以上の核拡散の動きを招かないためにも、NPT第6条で約束した核保有国の軍縮努力義務を今一度想起し、積極的に核兵器廃絶に取り組むべきである。
貴国においては、直ちに臨界前核実験を中止するとともに、21世紀における核兵器廃絶への具体的な道筋をつくり出すべく、中心的な役割を果たしてもらいたい。
平成12年(2000年)3月23日
広島市長 秋葉 忠利
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