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環境影響評価審査会開催結果(恵下埋立地(仮称)整備事業 第1回:平成20年12月16日)

ページ番号:0000013650 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

 広島市環境影響評価条例に基づき、恵下埋立地(仮称)整備事業に係る環境影響評価実施計画書についての審査を行うため、広島市環境影響評価審査会を開催しました。
1 日時 平成20年12月16日(火曜日)13時15分~15時15分
2 場所 広島市湯来福祉会館「サンピアゆき」第1会議室(佐伯区湯来町大字和田333番地)
 1. 審査会委員(五十音順、敬称略)
   天野 實(会長)、安藤忠男、下中奈美、関 太郎、中川紀壽、
   水田国康、宮田賢二、矢野 泉、吉國 洋(副会長) 以上9名出席
 2. 事業者(広島市環境局施設部施設課)
   橋國埋立地計画担当課長、岩永課長補佐、吉田専門員、栗原専門員 他2名
 3. 事務局
   渋谷エネルギー・温暖化対策部長、矢野環境アセスメント担当課長、岩崎課長補佐 他3名
 4. 傍聴者
   2名
 5. 報道機関
   3名
4 会議概要
 1. 審査会は公開で行った。
 2. 審議に先立ち、事業予定地及び廃棄物搬入路となる県道広島湯来線を実地調査した。
 3. 事業者から、事業の内容及び環境影響評価実施計画書の概要について説明を受けた後、実施計画書について審議した。
5 審議結果概要
 1. 環境影響評価実施計画書の内容等について、各委員から意見が出された。
 2. 次回の会議は、1月下旬から2月上旬ごろに開催する。
6 会議資料
 ・恵下埋立地(仮称)整備事業に係る環境影響評価実施計画書
 ※環境影響評価実施計画書は手続きのページからダウンロードできます(新しいページが開きます)。
7 議事録
 ・議事録ダウンロード用ファイル(PDFファイル、407KB)

 

審議結果

岩崎課長補佐
 それでは、ただいまから平成20年度第1回環境影響評価審査会を開会します。本日は、恵下埋立地整備事業に係る環境影響評価実施計画書について、3時15分までの約2時間の審議を予定しています。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入りたいと思います。はじめに、広島市環境局エネルギー・温暖化対策部長の渋谷からご挨拶申し上げます。

渋谷エネルギー・温暖化対策部長
 渋谷でございます。委員の皆様方には、師走のお忙しい中、審査会にご出席いただきまして誠にありがとうございます。
 さて、本日は、お手元にございます恵下埋立地、仮称でございますけれども、この整備事業に係る環境影響評価実施計画書についてご審議いただくこととしております。
 本事業は、一昨年、準備書についてご審議いただきました玖谷埋立地の後継施設として、本市が整備する一般廃棄物最終処分場の事業でございます。
 先ほど委員の皆さまには、建設予定地をご覧をいただきました。ご覧いただきましたとおり、大部分が山林でございまして、生活環境の保全という点からは比較的影響の少ない地域ではございますけれども、それだけに自然度の高い、逆にそういう場所を改変するという事業になっております。
 また本事業は、埋立期間が30年間と長期にわたる事業でもございますので、現状の自然環境や将来にわたった周辺地域の環境に配慮した事業となりますよう計画を進めていく必要があるものと考えております。
 皆さま方には、慎重かつ十分なご審議を賜りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

岩崎課長補佐
 それでは、審議に先立ちまして、市長から諮問させていただきます。
 諮問書は、秋葉市長に代わりまして、渋谷エネルギー・温暖化対策部長から天野会長にお渡しします。

 (諮問書を天野会長に手交)

岩崎課長補佐
 有難うございました、それでは、これからの議事進行は、天野会長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

天野会長
 今、渋谷部長からご説明がありましたように、これは30年間に渡って行われるという、結構大事な大きい事業ですから。皆さんの忌憚の無いご意見、ご質問を期待したいと思います。よろしくお願いいたします。
 まずは、事務局から環境影響評価手続について説明してください。

矢野環境アセスメント担当課長
 本事業の環境影響評価に係る手続きについて、ご説明させていただきます。
 恵下埋立地整備事業は、本市の環境影響評価条例の対象事業のうち、廃棄物最終処分場の新設事業として環境影響評価を行うものであり、最終処分場の事業としては、出島地区廃棄物最終処分場、玖谷埋立地増設事業及び白木廃棄物最終処分場増設事業に続き4例目の事業でございます。
 本事業の環境影響評価の手続きは、本年11月12日に実施計画書が提出され、11月14日に公告し、12月13日までの1か月間縦覧を行ったところです。
 実施計画書に対する市民等からの意見書の提出の期限は12月27日までとなり、今後は市民等の意見の概要を記載した書類が事業者から市長に提出され、提出後60日以内に、市長は審査会のご意見をお聴きした上で、実施計画書について事業者に対して意見を述べることとなります。
 本事業の環境影響評価の手続きについては以上でございます。

天野会長
 ありがとうございました。皆さんすでに結構お読みになってきていると思いますが、ご意見を伺う前に、事業者から事業の説明をお願いします。

橋國埋立地計画担当課長
 広島市環境局施設課埋立地計画担当課長の橋國でございます。どうぞよろしくお願いします。

 以下、パワーポイントを用いながら以下について説明。

 〔事業の概要について〕

 〔計画地の現況と計画内容について〕

 〔環境影響評価実施計画書の内容について〕

天野会長
 どうも有難うございました。膨大な資料を非常に要領よく説明されていました。どんなことでも結構ですから皆さんのご意見やご質問をお願いします。

水田委員
 現状の確認ですが、図では恵下谷川が青い線で地図に示してあり、事業地の手前のところで南から流れているようになっています。そこで今日は注意して現地を見たのですが、当該事業予定地を流れる沢がこの川の本流ではないでしょうか。出入口のところは狭くなっていますが、当該地を実際に中ごろまで行っても随分水量がありました。埋立地の当該地の水量は測定しているのですか。

橋國課長
 当該地の水量は測定しています。水量的には恵下谷川の本流となる東郷山の方から来る水量のほうが、今日行ったところよりも多いという状況です。当該地の水量は晴天時でも常時毎秒0.1立方メートルで流れています。

水田委員
 当該地の沢が本流でないことは分かりました。しかしが、あの部分を支流に沿って流域を考えると、100ヘクタールぐらいがすべて埋まってしまい、今日も現地で申しあげましたが、あの場所に生息生育する生物は壊滅的な影響を受けるのは間違いないわけです。
 もうひとつの点は、下流域で濁水調査をすると言われましたが、こういう事業では、大雨のときなどに、土木工事の作業で土砂が流れ出さないかということが問題です。だから沈殿池などを通常よく設けられますが、何の記載も無いということは沈殿池の工事をしなくてもいいのですか、ここでは。

橋國課長
 工事の着手時点では、最末端の調整池から作っていきますので、実際には今言われるように調整地を沈砂池として使います。ただ調整池を作る時も掘るので濁水等が出るのを抑制するために、工事には濁水処理装置で水槽みたいなものを設けるなどの対応した上で進めていきますが、そういう対策を講じていても予測以上の大雨が降るとやはりそこから越流するとか、いろいろ出てきますので、そういう状況等を勘案して現状の雨天時の濁水状況を調べると言うことです。

吉國副会長
 水量は常時毎秒0.1立方メートルだからかなりあると思うんですが。

橋國課長
 0.1は事業地内で、恵下谷川の本流はもっと水量があるので、当然そこら辺の合流してくるものを含めて考えていかないといけないと思っています。

水田委員
 ということは、当該地からは工事ではあまり流下しないと考えるわけですか。

橋國課長
 当該地からも当然水は出てきます。現時点の晴天時の水量としては毎秒0.1立方メートルということですけれども、あれだけの谷があるので、雨天時にはこの流域から一気に水が出てきます。その影響を心配するということで、そこで濁水処理とかそういうことをしながら、当該地からの濁りや本流と合流した後のトータルの濁りであるとかを検討していかないといけないと思っております。

水田委員
 先に結論を言いますけれども、ブチサンショウウオなんていうのは比較的珍しい種だと思うのですが、ここがだめになるのは明らかだと思うんです。(生息が明らかになっているのが)上流域だけですから、幼生は下に流れてきて本流のところ下流域のほうで営巣するはずでそこから上陸するわけですね、ここはだめになりますから。この調査のときに周辺地域の生息分布を重点的に調べておいてほしいということです。つまり、ほかにいますからここはやむを得ず開発しても仕方が無い、そういう論理です。

橋國課長
 先生のご意見を踏まえながら検討していきたいと思います。

吉田専門員
 先ほどの流域の話なんですが、恵下谷川については、図にはちょっと南に向けた線がありますね、あれが本流と考えています。さらにそれからいま事業計画地の中にもありますし、見ていただいた大峠、東郷山より東側にある峠から結構大きな(量の)水が出てきています。これは事業計画地内の沢と比べたら、目で見たところでは3倍とか4倍とかぐらいです。さらにスロガ迫や東郷山の山ろくの豊富な水が結構出てきています。ですから事業計画地からの分は、おそらく今後正確な数字は出てくるかと思いますが、水量的には比重はかなり低いと思います。

関委員
 3点申し上げたいと思います。1点はいま水田委員もおっしゃった生物の貴重なものが多いということの問題。2番目は湯来町の地元の方々のこれはむしろ反対というのではなく期待の問題、3番目はこの周辺にあります国有林を管轄している広島森林管理所との問題、この3つの点について私の意見を述べさせていただきます。
 まず1番の生物の貴重なものについては、実施計画書に詳しく載っていますので、大体これに尽きると思います。ただ今日も現地でお話ししましたように、現地は大体50年から40年ぐらい前から人が住まなくなって放置された状態になり、一部にはタイヤ等不法投棄があったりして大変荒れた環境です。ですから私もかなり隅々まで調査のときは歩きましたが、森林とか花が咲くような植物では特に貴重なものは見当たりませんでした。
 ただコケについては、驚くべきような種類が、今はカビゴケの分布図が出ましたけれども、出てまいりました。これは大概40年ぐらいの間に周辺からたぶん胞子あるいはコケ自体が飛んできて付着したものと思いますけれども、コケの名前も全部書いてありますが、そういう貴重なものがあります。
 従いまして昆虫等においても、そういう小さい生物は周辺の自然度が高いものですから周辺からどんどん入ってきていると思いますので、実際の調査に当たっては非常に精密に小さい生物まで調査していただきたい。なかなか植物の移植や動物の移殖は難しいのですがそういうことをできる限りの手を尽くして貴重な生物を守っていただきたいと思います。
 それからこの地域の生物につきましては、広島市の環境局が率先して広島市の生物の補遺版というものを作りまして、そのなかに詳しく書いてありますが、ちょっと歴史的なことを、そこにも書いてあるんですけれども、簡単にご紹介いたします。
 この恵下谷川から東郷山の頂上付近にかけてと、今日広島市から車でまいりました不明谷(あけずたに)は広島藩のお留め山、森林を切らないお留め山でした。特に恵下谷は非常にすばらしい森林で、例えば1911年、明治44年ですけども広島高等師範学校の乾教授と広神助手の2人が牧野富太郎を案内してきております。そのとき牧野富太郎によってクラガリシダとか、今日入ってきました和田という石切り場のあたりでチュウゴクザサという笹が発見されました。現在中国地方で広くある笹ですけれども最初にここで発見され、それ以来、広島高等師範学校、それからその次にできた広島文理大、さらに広島大学とずっと恵下谷から東郷山にかけては、植物の研究のメッカといっていいと思います。ですから今までこの委員会で調査した玖谷とか白木の民間の廃棄物の処理場のところとは比べ物にならないくらい価値の高いところです。それだけに非常に精密な調査をぜひやっていただきたいと思います。
 2番目に湯来町の地元の方のことですか、この9月30日に広島市の文化財課の職員と前湯来町の文化財の委員だった方と湯来支所の職員の方とで、東郷山の四本杉の様子を見に行ったんですけれども、そのとき湯来の地元の方の言葉からは、この事業に大変期待しておられるんですね。ということは広島市からかなりお金が出るのではないか、それで道路を整備して東郷山の四本スギまで観光客を誘致するような事業ができないかということを非常に本気で語っておられたので、非常に心配になってしまいました。
 これは合併のときの約束なのか、あるいは合併前の当時の湯来町の話なのか、ここに最終処分場ができれば広島市からかなり地元にお金がおりてきて、この周辺がきれいになるのじゃないかという期待を持っておられるのではないかと。それを本当に広島市がそういうことをお考えならば大変結構なのですが、そういう噂だけが歩いておりますとこれ大変困るなと。ここを今日ぜひ確かめたいと思います。
 3番目は、この周辺はご存知の通り国有林でございます。国有林を管轄しているのは林野庁で、昔は営林署といっており、今は森林管理所という名前になっていますが、広島森林管理所です。本来ならば、今日ここの会議に森林管理所の代表の方がオブザーバーの様な形でおいでになるのが本来の筋ではないかと思うのですが、今まで森林管理所とこの事業についてどの程度の打ち合わせをしておられるのでしょうか。
 私は広島大学の宮島の自然植物実験所というところに勤めておりまして、ここは隣が全部森林管理所の国有林で本当にその交渉にはくたびれました。国の機関でもあって、なかなか難しい。今回も四本杉は実は旧湯来町は天然記念物に指定したのですが、そのまま広島市の天然記念物に指定しようと思ったのですがなかなか交渉が進まない、ということで今回の事業について森林管理所とどの程度打ち合わせをしておられるか。以上3点について申し上げる。特に2番目と3番目について事業者のほうからご意見をうけ賜ることが出来ればと思います。

橋國課長
 まず第1点目の生物の精密な調査については、これは広い範囲でやっていく中で、もっと精密な調査をして行きたいと思います。2点目の地元の期待ということについては、このごみの埋立地の整備に伴って広島湯来線の改良がどうしても必要だと、地元の方は以前から広島湯来線の整備というのを非常に期待されておりまして、それがこの事業によって早く進むという面で、それが期待という言葉であったのかなというふうに思っております。いろいろなご意見がございますが、ご理解を得ながら、ごみの処分場そのものを諸手を挙げて受け入れたということではなく、広島湯来線の整備が進むということであればある程度やむをえないというような感覚で、地元の方々はこれによって道路整備が進めば市内と近くなるとか時間短縮が得られるということでの期待というのは持っておられると思います。
 国有林との関係ですが、国有林関係とは協議しています。特に取り付け道路については完全に国有林の中を整備するということもありまして、どの様な手続きがいるのかというような事前協議を進めている段階です。それで今回の基本計画が今年の3月にできあがった後にその資料を持って説明して、今は国の本課のほうにも事前相談という形で公式にお願いしている状況でございます。

関委員
 48ページの景観のところに、恵下谷山コウヤマキ林とか東郷山スギ林とか言う名称がありますが、それは正式な名称ではございません。天野会長さんに先ほど写真をお渡ししたのですが、東郷山の登山口のところにある森林管理所の作った看板の写真です。この48ページにあります東郷山のスギ林と書いてあるところの正式名称は、林木遺伝資源保存林であり、ここに書いてあります環境庁特定植物群落では、これは私どもが調査したのですが、そのときに植物学的に名前を付けただけで、正式名称でありません。ここは国有林ですので、国有林の正式名称は林木遺伝資源保存林で、さらに恵下谷山国有林212林反2小反といかいう名前がございますのでそうした正式名称をお使いください。恵下谷山コウヤマキ林のほうは、植物群落保護林というので、これも恵下谷山国有林216林反と書いてありますので、そういう国有林としての正式名称をこういう印刷物にはお使いいただいたほうがいいと思います。

水田委員
 コウヤマキ林のところは恵下谷山植物群落保護林ですか。

関委員
 ただの植物群落保護林と書いてあります。

水田委員
 恵下谷山は書かないのですね。

関委員
 昔は、20年ぐらいまでは学術参考保護林というのが両方ともですね。ところが林野庁が名称を変えたようなのです。

安藤委員
 この最終処分場設置による水質汚染の可能性と土壌汚染の可能性の2点について簡単な質問とコメントを述べさせてもらいます。まず水質汚染の可能性ですが、普通考えられるのはこの廃棄物処分場に持ち込まれる廃棄物による汚染ということで、それに関する調査が検討されています。もうひとつは造成に伴うものですが、現実に東広島市の最終処分場の運営に今関わっておりまして、まったく思わぬところから水質汚染が問題となるという例をあげて参考にしていただきたいと思います。
 一点は、雨水による出水、そしてそれが最終処分場に流入することによる問題点です。
 今回の場合は雨水排除という形を当初から構想されていますから、100ミリ以上の降雨にも対応できるということなんですが、ただこの地図を見てみますと事業計画地が98haに対して事業計画地の集水域がかなり広いように思うのです。質問のひとつは、集水域をどの程度であるとお考えですかということです。それから、100ミリの雨が降ったときに、日量でもいいですけれども、どの程度の雨水がここの事業地に入ってくると想定されて、十分な対応をとっていらっしゃるのかどうかという点があります。これは最初にきちっとした対応を取っておかないと難しいということがひとつですね。
 そのために、東広島市の賀茂環境センターの場合にはどういう方法を取ったかというと、周囲に雨水排水路としての小水路を設けると同時に、遮水シートの下に上流域の水を流すための水路を作りました。ですから今回の場合も結構水量がありますし、今日行ったとこでは雨天時には相当の水量になってきますので、それをうまく回避しつつ、そして遮水シートのほうの漏れ、要するに穴が開いたりすることによる漏れのチェックに使うことが十分可能ですので、たとえば賀茂環境センターの場合にはEC(電気伝導度)をチェックするというかたちで、その状態をチェックできる形にしておりますので、うまくモニターシステムと関連させて計画する点がひとつ必要であろうと思っています。
 水質汚染については、したがって設計の段階からあらかじめ十分に監視する、そして汚染が起こった場合に対応できるような形にしておくという点を考えておく必要があるという点です。
 それからもう一点、この水質汚染の問題について賀茂環境センターの場合に問題になったのは、下流域の水域の岩石が黒くなる現象が起こってきました。それで地元の人たちは、最終処分場から何か変なものを出して、それが岩石を黒くしたのだろう、という風に考えられたわけですね。そして苦情が寄せられたわけなのですが、調べてみたら、それはマンガンによるものでした。結局、造成工事を行った結果、地下にあったマンガンが還元されて溶け出して、そしてそれが水の中で酸化されて、たぶん酸化マンガンという黒色の沈殿物になって岩石に付着する、ですから健康上への被害その他は考えにくいわけなのですが、とにかく石が全部真っ黒になっていきます、場合によってはそういうことも起こりうるんです。このことは土壌汚染との可能性も一つ示しておりまして、もしこの地域に今は静かに眠っているものが、造成によって目を覚まして外に出てきた場合にいろいろと問題を起こすということです。たとえば先般のクリショーの産業廃棄物処分場で砒素と鉛が見つかった、でこれは天然にありうるものでしたね。賀茂環境センターの場合にはマンガンですが、これも非常に高濃度のマンガンが出てきたということで、今回土壌環境については事業所域内の1ヶ所1回だけ調査をするということになっていますが、それで土壌汚染の可能性を排除できるとお考えなのかどうかですね。私は非常に疑問に思っているのですが、特にここの基盤は花崗岩で、その上に堆積岩である湯来層が被っている状態にあることを考えると、中央部の1か所を測ってそれで問題がないとお考えになるとすれば、それはたぶん非常に甘いということで、将来問題が起こったとき、思わぬ問題が起こったときに事前の状態はどうだったかという説明が十分出来るのかという疑問を持ちます。
 以上2つの点ですね、水質と土壌汚染の観点からの指摘をさせていただきましたが、質問としては集水域はどのくらいあるのか、そのときの計画地内に入ってくる水量をどの程度想定し、それに対する対応が十分出来ているのかどうか。それから、現在の事業計画地で天然普存の土壌汚染を起こす物質は十分無いと言い切れるのかどうかですね、その2点についてご質問させていただきたいと思います。

天野会長 よろしくお願いいたします

橋國課長
 まず水量の点ですが、集水域そのものは、事業地北側については尾根線を通っていますからほとんどが集水域になっています。南側については、かなり上流域の谷まで、ずっと上がっていきますので、かなりの面積となります。
 面積については、今すぐにわかりませんが、事業区域以外も含めて集水域と考えた上で、周辺に雨水のバイパス水路を作ることにしており、基本的には山に自然に降る雨の分はバイパス渠を作って直接川へ現況と同じような形態で流し、開発地内の法面であるとか、そのような造成したところについては開発基準がありますので、一時間当たり120ミリという降雨量を考えた水路断面を作っていくことになります。トータル的には、この外周に作る水路は結構大きなもので2.5m幅とか、かなりの大きい水路を周囲に配します。
 それと、上流域の工事で、先ほど東広島の事例で、埋立地の下にバイパスとしてパイプを埋設されているとのことでしたが、今回の工事でも谷筋にはずっと沢がありますので、沢に添って造成するときにはパイプを使って流さないと水が吐けないので、600ミリの大きい管を埋けた形で作業しますので、通過できる水は通過させます。
 それと将来的に地下水を、ポケットになっているシートの下側にもう一本、地下水集水排水管という別ルートで吐かす施設を作ります。その中で、水を自然にきちっと流すように対策を取り、シート上の水はあくまでもポケットの部分だけに降った雨を取ることで断面を縮小するというような形で水量を吐かすことを考えています。まだ今は基本計画という形で航空写真による平面図によって作っておりますので、具体的には来年度以降に詳細な現地調査の測量とそれから基本設計という形でもっと詳しい設計をやっていく中で、もう一回集水域とかそういうもののチェックをして、水路断面とか大きさを決めていくということになります。
 次に土壌汚染については、基本的には遮水シートによって下に浸出することは無いということを考えており、先ほど湯来層が被っているとのことですが、湯来層は38ページの下側の断面図の基礎断面をちょっと見ていただきたいんですが、花崗岩層、そこに小さく1-1断面図が載っていますが、花崗岩層の上に乗っている湯来層は北側の斜面、北側の上に標高500mぐらいから上が湯来層という感じになっていて、今回の造成する高さが大体400-500mぐらいで、その境界線より下のところで作っていくことになり、基本的には湯来層の部分にポケットができる状況にはならないだろうと考えております。要は、もし遮水シートが破れたとしても花崗岩層のところで全部水を集水していきますので、そこで遮断して下流に流して処理できるのではないかと、土壌という意味で言えば堆積物の部分はほとんど取ってしまいますので、湯来層のところまでには行かない。実質的にも汚染物質というのは出ないものと考えています。

吉田専門員
 マンガンについては、今の玖谷埋立地でも土壌由来と思われるマンガンが出て、空気中にさらすと少し黒くなるという事例があります。そしてもうひとつ土壌調査が1ヵ所だけいうことですが、ボーリング調査孔の地下水を敷地計画地の中で3ヵ所調査しますので、土壌由来の大体のものは把握できるとは思っています。

橋國課長
 今の流域面積は、最末端のところで概ね1キロ平方メートルぐらいとなる予定です。先ほど賀茂の事例で言われた遮水シートの漏れ対策では、遮水管理システムを先ほど説明しましたけれども、漏れたときの漏れ出しを検知する設備、これは電気にするか他の方法にするかは、まだ決まってはいませんが、破れたところを速やかに発見する遮水管理システムと地下水のモニタリングシステムを考えております。

安藤委員
 遮水シートが破れた時の発見のシステムとか、補修のシステムをお考えということですが、現実にはそう簡単ではありません。当然のことですけれども相当なお金もかかります。それを前提に考えるというのは、やはりすこし問題であり、要するにそういうことがあっても十分対応できると言うことではその通りなのかもしれませんが、できるだけそういう危険性が無い状況に持っていくことが必要なことだと思っています。
 まず水質の問題ですが、水質でも土壌汚染の問題でも同じことですが、この事業計画で地域の住民の人たちに絶対に心配ないよということを市が責任を持って言えるのかどうかということです。私自身は、たとえばこの1ヵ所の土を測定すれば、大体の概要がわかるとは、少なくとも土壌学をやっている立場の人間からはとてもいえるものではありません。花崗岩質も実際にはいろいろありますし、湯来層は堆積岩ですから様々なものを含んでいることは十分考えられるわけで、ましてや地下水を調べているからこの付近になにか有害なものが入ってこないと言うことがいえるというのであれば、それはそういうことなのかなとも思いますけれども、私自身はとても納得はできるわけではなくて、それは必要な調査をすればわかることなので、ただそれをされたらどうですかということだけなのです。
 多分そういう調査をしておくということは、いざ事業に関連して問題が起こったときに非常に行政が対処しやすい方法でもあり、一番安価な方法でもあるのです。何か問題が起こって被害が出てから対応策を考えると言うのは愚なので、必要な調査は住民に対して十分納得ができる説明ができるように調査をされておくほうがよいのではないかと考えるからです。

橋國課長
 分かりました。埋立に関して、土壌汚染は予測評価することにしていますので、事前の調査については湯来層のほうも含めて広く行うことも検討していきたいと思います。

天野会長
 今問題になった実際にこういう工事をしたから、このような事が起こったのかどうかということを、事前にちゃんとチェックしたデータをお持ちになっておくということが大事なんだと言うことで理解しましょう。

水田委員
 今の解説で解ったのですが、斜面を流れる表流水は埋立地に流さずに側溝で受けるといわれたのですが、その側溝はかなり大きなものになるとのことでしたが、農林省の土地基盤整備では用水路に落ち込んだ生物については再上陸できるような構造にすることを求めているのですが、側溝の構造については配慮されるのでしょうか。

橋國課長
 今は断面の大きさを検討しているだけですので、形状的なもので再上陸が出来るような形にするとかの配慮は、今後基本設計をする中で構造的なものも含めて、もう少し詳細に検討したいと思います。

水田委員
 このことは、基盤整備においては環境面でのメインテーマですので行っていただきたい。

橋國課長
 大きい生物や小さい生物がいますので、入ったものが出て行けるとか逃げれるとか、形状的なものについては配慮したいと思います。

矢野委員
 大きなセルを作られると言うことで、その中でカバーできるのかなと思うのですが、今日現場を見せていただいたら元々水田であったところの放棄地という形になっています。それならば通常の山の斜面よりも湛水力が高い、水量が維持されていると思うんです。水田と言うダムでかなり谷地に流れる水というのが緩和されているように思うのですが、そういうダムがなくなった状況での谷へ流れ出る水量をご教与いただければと思うのですが。

橋國課長
 設計をする段階では、開発する場所は、現状が山の状態ですから雨が降った場合の流出係数は0.3とか0.4とかで水が出てくる計算を行っていますが、造成に伴い、造成したところの流出が速くなったり、流出具合も大きくなるので、そういう考え方に基づいて計画設計していきます。

中川委員
 2点ほど伺いたいのですが。ひとつは、騒音振動等の調査地点を選ばれた地点がありますが、事業計画地内で1ヵ所と走行ルート沿道で4ヵ所ということで結構かなと思うんですが、その中の1地点で戸山ゴルフ場の近くの場所がありますが、あの周辺はかなり急斜面で、勾配がきつくなっていて、その周りには数十件ぐらいの民家がありますが、これについて98ページに書いておられます黒丸の点がありますが、これはどのような場所を選ばれて書かれているのか、一番厳しい地点になっているのかどうか気になるのですが。

橋國課長
 具体的な場所というのは、現地の状況とか協力の得られる民家とかを見て決定しますので、ここの範囲でちょうどゴルフ場のところになるとかではなくて、交差点のところからゴルフ場の方に向かう間のどこかという形で、現地を歩きながら適地を決定していくことになると考えています。

中川委員
 測定場所はこれから決められるということですね。一番やり難いところというか、住民側にとって影響がよく解るような場所、問題になるような地点で行っていただけると思うのですが、そういう場所をお選びいただきたい。

橋國課長
 そうですね、地点選定は一応の目安として、小中学校の前と、道路のメインと、交通量を測るために交差点の前後の4点になっています。あと高速4号線の方から来たルートのところの交通量を測る所ということで位置関係を示しています。小中学校付近の地点はその前後で決めたいと思うのですが、あとの地点は現地を歩きながら若干前後させることとなると思います。

中川委員
 先ほどの地点は、急に勾配が高くなってきていましたので、そのあたりからかなり厳しい値が出るのかなと思いましたので。

橋國課長
 もっと下の方でもいいかと思いますので、そこについては特に位置を特定するわけではございません。

中川委員
 分かりました。もう一点は、もう出来上がった、かなり進行した後と言うことで、主な環境配慮事項の基本的な配慮ということで、将来の土地利用、埋立跡地の利用というかなり先の話ですが、そこはどのように使われる予定になっているのかということです。と言うのは、この場所に市民の方とか県民の方がこられるようなものであれば、その近くでさらに埋立の事業が進んでいる場合にはその影響がもしあれば、そのあたりをどう考えられているのでしょうか。

橋國課長
 跡地利用については、まだ地元の意見とかもありませんので、今決めているものはございません。しかしながら、この場所を整備に当たっては、森林の中にありますので森林率とか森林法の規定がございます。その森林法の規定で、最大限一番厳しい公園とかに整備した場合には、森林率50%以上と言うような規定もございます。瀬野川とか他のこれまでの処分場も公園になっている例が結構多いので、公園になるとしても、基準を満たしているような森林率であるとか林帯幅を考慮した計画にはしております。将来的に公園になるのか、何にするのかは、今の段階では特に決めているわけではございません。

天野会長
 まあ先の先の話なので、よく解らないと言うことで、その時になって有効に利用してほしいということで結構ですね。

宮田委員
 私にかかわりの深い大気質と悪臭については、特に気になったことは無いのですが、先ほどから話に出ている雨水の排水に関連して防災調整池と言うのがあるのですが、ここに流れる水の水路というのはどのようになっているのでしょうか。埋立地で降った雨がどのようにここに集められるのですか。

橋國課長
 防災調整池と浸出水調整池があり、最終末端に防災調整池、その上に浸出水調整池を作ります。埋立地を作るポケットに入る雨水は浸透して、どうしても汚れた水になりますので、これは浸出水調整池のほうに導水して処理施設を通って公共下水道に流します。
一方でポケットの周辺は、ここの流域は広いですから、この広い流域に降ってきて自然にまだ造成も何もしていない山の斜面から流れてきた水は、水路を作って直接川へ流す。この埋立地の法面であるとか造成した部分、こういうところは今の山の状態から、コンクリートの法面とかに変わることで現状よりも流れ出る水の量が増えてきますので、そういうものは水路から防災調整池に集めて、今の川に流れていく雨の水量を現況の水量より一気に流れ出さないようにします。
先ほど矢野委員から話がありましたが、どうしても開発すると水の量は、山の状態であれば川に出てくるものが30%とか40%であったものが、コンクリートの法面など整形したところでは7,80%に増えてしまいます。その増えた量が一気に川へ流れていかないようにこういう防災調整池を設けて水の出る量を調整するということです。

宮田委員
 それを誤解していまして、降った雨はそのまま流すと思っていたんですが、大雨のときは調整しなければならないのはわかります。それでは埋立地に降った雨はどうなるのですか。

橋國課長
 遮水シートを敷いた上のポケット、ここが埋立地になります。埋立地に降った雨は、ポケット中でシートの上に浸出水の集排水管を設けて、ここを通って浸出水調整池へ流します。

宮田委員
 埋め立てた表面を伝って流れるのではなくて、全部地下に沈んで浸出水として処理すると言うことですね。

橋國課長
 埋立地に降った雨は、ここに溜まらないように速やかに排除するということでパイプを設けまして、またここに書いてありませんが縦管のようなものも設けて、なるべく速やかに水を流して、浸出水調整池で調整しながら処理施設へ持っていくということです

宮田委員
 大雨のときでもあふれ出ないと言うことですね。それから言葉の問題なのですけれども、暫定的調整池というのが設けられると5ページの防災のところにありますが、これは第2区画上流部に設置するとあるのですけれどもどういうことですか。

橋國課長
 8ページのイメージ図を見てもらうと、第1期、第2期と完成というパターンで3段階ありますが、最終の第2期の埋立の場合には最下流の調整池だけでいいのですが、第1期の状態ですとポケットを造成しながらまだ造成途中の状態があり、上の方の水が一気に下に流れてこないように、もう1ヵ所暫定的な調整池を2期の埋立地側の方に作るという意味です。
これは、2期目のポケットがまだ出来ていない段階ですから、防災調整池に入ってくる流域が残るため、そのときには全体としての容量が下の調整池の容量だけでは足りなくなるので、上流側にもプラスアルファの調整池を作りますという意味です。

吉國副会長
 2点申し上げます。今日現地を見たのですが、谷底から見たので埋立地周辺の斜面の斜度の様子を見ようにも見ることができなかったのでなんとも言えないのですが、埋立の計画書を防災に関して読んで感じたことは、標準的に防災に対応されたと言う風に思います。
例えば、61ページに環境の保全に関する法令等のページがありますが、ここに数少ない防災に関する記述があります。そこで防災のところに、急傾斜地崩壊危険区域に指定されていない、それから砂防指定地域でない、それから地すべり防止区域でもない、とされています。地滑りについては、確かにないと思うのですが、そのほかの2つは、指定されていないのは人が住んでいないから指定されていないのではないかと思います。危険が無いと言うわけではないと思うわけです。そのため、この表を見て大丈夫であるとか、ここは安心なところであるという理解をしていただきたくないという点が1つ目の意見です。
もう1つは、湯来町の山中にこのような大規模盛土をすると聞いたとき、私たち専門家は幾分身構えるところがあります。どうしてかというと、浜田、加計、呉を結ぶラインがあり、そのラインは気象庁が出す大雨注意報の多発ベルトとなっています。すなわち大雨の多発ベルトがあります。実は浜田、加計、この湯来を含めて、呉にいたるラインが一番雨が降るところなのです。
特に、浜田、加計、呉、その間にあります湯来、廿日市にしても、いつも豪雨災害で土石流が出るところです。加計と湯来は、私が土石流災害の調査に来ただけでも過去3回あり、同じところではありませんが、終戦の直後、何年か前の加計の災害、そしてこの度の湯来・廿日市の災害と、この60年間に何回もこの辺で土石流災害が起きています。
そのため、あの斜面に土をくっつけると言うとなんか構えてかかるのですが、その構え方が少し希薄なのではないかと受け取れるわけです。もうちょっと何かやりましたと言う検討をしてほしいです。どういう検討をしろとは言いませんが、何らかの検討をしてほしいということです。
 それから、埋立地上部に8haあまりの平地が出来るという計画ですが、高いところに作られる平地と言うのは安心ではない、むしろ危ないのです。高いところに出来る平地は、平地だから安全であるというわけではなく、広ければ広いほど、先ほど埋立地に降った雨は全部浸透させる、水をしみこませると言われましたが、空港のようなものを作っても、いかに表面で排除して、地中に入れないようにするかということに苦労するわけなのですが、ここではすべて入れるということなので、それはそれでもいいのですが、それなりの対策をしておかないと、8haの平地に雨水を全部浸透させるということは、かなり構えてやっていただかないと、中へ入れます、いれたら出しますと、そんな風に簡単に言ってほしくないのです。本当に出来ますかと言いたいと思います。まあこれは感想ですから、この計画書を見たところ、ほとんど防災について記述していないので、そういう意味で、もうちょっと防災について、特に豪雨災害について検討をもっとしてほしいと思います。

橋國課長
 先ほどの61ページは法令に基づく指定状況ということですので、委員からもありましたように、急傾斜地というのは家のないところは指定しない、砂防指定も指定をうけていないということではありますが、実際見ていただいた通り北側の谷はかなり急なものであります。北側の3つの谷については計画図に詳しく書いてはありませんが、ここに砂防ダムの堰堤を設ける計画もしております。そういう意味では、南側はある程度緩やかですが、北側は通常の砂防地域と同じような状況もあるので、造成に当たっては防災用のものを作っていきます。ほかのところにもそれはそれなりの防災対策は考えています。

吉國副会長
 今のお話ですね、たとえば39ページを見ると、北側の方の斜面は湯来層が表層で、前のページの左下の小さな絵で少しだけ湯来層が乗っています。このように北側斜面は、湯来層で比較的その斜面の安定にはどちらかというと強いほうの斜面です。今日、谷を見ました時も、左岸側は相当崩れていますが右岸側が崩れているところは無かったです。これで見ますと、右岸のいわゆる北側の斜面の方には3か所砂防ダムを作ると、南側の斜面は無対策という感じがするのです。こちら側は花崗岩なのです。どちらかというと危ない方です。今日、谷から登ってくると南側の斜面の崩れているところはたくさんありました、あの側が危ないと思っているのです。

橋國課長
 北側はほとんど掘りませんが、南側は、崩れたところはほとんど工事の造成で切り取って、途中の緩やかな斜面の方まで造成することになります。断面的にいえば、この緩やかな側はほとんどが掘って造成してポケットになっていくという風にご理解いただいたほうがいいと思います。そういう意味で悪いところは当然きちっと法面整形していきますが、先ほど現地で見ていただいたのは、この辺ですけれども、崩れていたところは、ほとんどが造成地になっていくことになっています。

吉國副会長
 一番怖いのは、小規模な土砂崩れが谷を埋めて、そしてダム化したものが出てくる、いわゆる土石流ですね。それはこの周辺の話ではない、もっと上のところの、その絵に無い部分から来る、上から来るものが怖いのです。それは今のところでは、何も対策がしてないのです。怖いのはその部分です。
 廿日市で数年前に起きた極楽寺山が滑った災害でも、上からずっと落ちてきて、一旦バイパスのところで止まったんです。あそこに平らなところがあったので土石は止まったんです。しかし水は流下するんです。だからバイパスのカルバートを通して、下にあれだけの被害が出たのです。そのようなことが起こる可能性があります。そのため、南側のあそこの周辺が緩らかだからといって安心できない。だから検討は行わないといけない。大丈夫ですといわれても、そうですかとなかなかすぐにいえない部分もあります。

橋國課長
 質問の部分が何点かありましたので、まず平地部分の水をずっと出すという点ですが、埋め立て中には縦管を設けて縦方向に水を流しますが、造成が終わった後に最終覆土を2m以上、2.5mの覆土をしますので、ある程度水の浸透しない層を作って、そこから下には行かないような形を考え、常に水が浸透し続けるようには考えていません。
南側斜面も、今言われたように、確かに地山とか自然の部位が崩れてくる可能性もありますが、それは全体的な検討の中で、水路を作る部分でも上から崩れて水路がつぶれてしまったらどうなるのか、というような地元の方からの話もありましたので、そういう砂防的な防砂ネットのような形のものなど、事業の整備の中で災害対策的なものはもっと詳しく検討したいと考えています。

矢野委員
 工事予定ですが、先ほどのご説明で道路の広島湯来線の道路の完了については未定ということでしたが、道路整備期間中、工事関係1日あたり60台往復で通るとなると、1時間当たり6、7台はあの狭い道を通る計算になります。そうすると沼田町側のここへ来る途中にあった民家の方の生活にはかなり支障があるのではないかと思いますが、道路建設の予定は立たないものか、あと地元での説明、これは湯来町側での事業なのですが、沼田町側の地元の人にも説明が行われているのかについてです。

橋國課長
 道路の整備事業の予定ですが、計画書には埋立地の部分だけを示しています。広島湯来線の整備については、道路担当の区役所で検討しております。実際に整備する道路が7キロ余りある道路ですから、1,2年の期間で、埋立事業が始まるまでに整備ができるという状況にはとてもなく、現在検討している状況です。本事業の工事で使用できるルートは現道しかないものですから、そういう意味で環境影響評価の今回影響を受ける範囲として今回の予測評価をして、現況約160台ぐらい通っている中に、プラス60台オンして、どのような状況になるかという評価の中でやっていきます。ということで、現時点でどのくらいの影響になるかはわかりませんが、まあ狭い道路ですし、危険なところを伴う道路ですから、部分的には今狭いところでも大きい重機が入らないので部分的な改良はしていかないといけないのですが、今の現道を利用しながらやっていくという中で影響の評価はやっていくということです。
 戸山の住民の方への説明というのは、この基本計画までは湯来のほうを中心にやっておりまして、今回の環境影響評価の実施計画書についての説明は、戸山で説明会を11月の26日に開いております。住民の方も120,130人参加され、かなり興味がある方がいらっしゃいまして活発な意見をいただいています。工事の通過交通については台数もさることながら走行状態とかに注意しながら、工事場所までに運ぶ。坂ですからそんなにスピードも出せないと思いますが、そのようなことに配慮しながらやっていくということで、ご理解を得たいと考えています。

天野会長
 どうも貴重な意見をいろいろとありがとうございました。ほぼ時間となりましたので、事務局から、本日の議事録と、市民意見に対する事業者のお考えとかを各委員に送っていただいて、皆さんはどんなことでもいいですから意見を出してください。
 それでは次回の予定について説明してください。

矢野担当課長
 大変熱心なご審議をいただき誠にありがとうございました。
 次回の予定でございますが、本件については1月下旬から2月初旬にもう一回、今度は市役所において開催させていただくことになろうかと思います。
 また、このほかの事業として、現在の予定では1月中ごろに新たな面整備事業の実施計画書が提出される予定でございます。具体的な日程は、皆様方のご予定を確認させていただいていますので、改めてご連絡させていただきます。どうぞよろしくお願い致します。

天野会長 今日の会議はこれで終わります。ご苦労様でした。

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