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環境影響評価審査会開催結果(玖谷埋立地拡張整備事業 第5回:平成18年7月31日)

ページ番号:0000013649 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

 広島市環境影響評価条例に基づき、玖谷埋立地拡張整備事業に係る環境影響評価準備書についての審議を行うため、広島市環境影響評価審査会を開催しました。

1 開催日時 平成18年7月31日(月曜日) 午後2時から午後3時40分
2 開催場所 市役所本庁舎14階 第7会議室
3 出席者
 1. 審査会委員(五十音順、敬称略)
   天野 實(会長)、今岡 務、大森豊裕、於保幸正、下中奈美、関 太郎、中川紀壽、
   深田成子、水田国康、宮田賢二、矢野 泉、吉國 洋(副会長)  以上12名出席
 2. 事務局
   亀井環境局次長、毛利環境アセスメント担当課長、坂本課長補佐 他3名
 3. 傍聴者
   なし
4 会議概要
 1. 審査会は公開で行いました。
 2. 前回までの審査会で委員から出された意見をもとに取りまとめた答申案について審議しました。
5 審議結果概要
 1. 環境影響評価準備書及び答申案の内容について、各委員から意見が出されました。
 2. 会議で出された意見を踏まえて答申案を修正することになりました。
 3. 最終的な答申文は、会長に一任することになりました。
6 会議資料
 ・資料1 玖谷埋立地拡張整備事業に係る環境影響評価準備書への意見とその取り扱いについて
 ・資料2 玖谷埋立地拡張整備事業に係る環境影響評価準備書について(答申案)
 ・追加資料 道路交通騒音の予測について

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審議結果

坂本課長補佐
 ただいまから、平成18年度第3回環境影響評価審査会を開会いたします。
 本日は、4月28日と7月7日にご審議いただいた玖谷埋立地拡張整備事業に係る環境影響評価準備書について、3回目のご審査をいただくこととしております。
 それでは、これからの議事進行は天野会長にお願いいたします。

天野会長
 みなさんこんにちは。それではまず、事務局から資料を説明してください。

毛利環境アセスメント担当課長
 それでは、資料についてご説明させていただきます。
 前回の審査会で、会長から、これまで委員の方から出された意見を基に答申案を作成するようご指示をいただきましたので、事務局で作成させていただいております。
 まず、資料1では、左の欄に、これまで審査会でいただいたご意見の概要と準備書での該当ページを、その右の欄には、いただいたご意見の答申案での取り扱いを、そして一番右の欄に答申案中の該当部分の項目番号を記載しております。そして、資料2が、答申文の案です。

 〔以下、資料について説明〕

 資料の説明は以上です。

会長
 ありがとうございました。ただいま事務局から説明のあった内容、また、それ以外のことでも結構ですのでご意見をお願いします。

中川委員
 資料1の5 その他で、吉國副会長の、拡張によって埋立高が100mを超え、長大な法面となるが、他に同様な事例があるのかというご質問の取り扱いについて、答申案では「安全管理に十分配慮し、法面の崩壊、沈下等が生じないよう厳重に監視するとともに必要に応じて適切な措置を講じること。」と一般的なことが書かれています。こういった災害は突然起こるので、じっと見ていては手遅れになるのではないかと思います。監視だけでなく、事前にいろいろなことを想定して把握することが必要なので、もう少し積極的な対応を求める表現としたほうがいいと思います。

吉國副会長
 こういったものが破壊されるかどうかは、ちょっと見ただけではわからないので、長期の観測が必要です。今は、おそらく沈下について計っていると思うのですが、沈下と横の動きを長い時間観測していれば、危ない方向に動いているかどうか判断できます。ただ注意していますよと言っても具体性がないので、動きを観測するということを書いていただければいいと思います。
 また、観測結果を専門家に見せたら、これは安全ですといってもらえるようなデータを取る必要があります。ある時点の状態を調べて、これで大丈夫かどうかということは分かりません。「継続して観測をする」ということを入れてほしいと思います。

会長
 いまおっしゃられたご意見は、答申案では「厳重に監視するとともに」の中に入るかと思うのですが、十分ではないでしょうか。

副会長
 「監視をする」ですが、どのように監視したかが問題で、いつも行って見ていますという程度では不十分です。あれだけ大きなものを作り、長い年月存在しているのですから、おそらく動いていると思うのです。どういう動きをしているのか、我々もよく知らないので、きちんと把握する必要があると思います。特に、こういう構造物は、よそでも沢山やっていて、そんなことは調べなくてもだいたい大丈夫だという状況であるならいいのですが、広島市がトップランナーですよね。だから、何が起こっているか、他のところを見ても分からないわけです。この構造は、一段一段の設計になっていて、2~3段設計するのも十段設計するのも同じ考え方です。そういうものは止め処なく築いていけるかというと、それはなんとも言えません。続けていくといつかは壊れます。だから、トップランナーはそれなりに調べながら進めていくことが必要だと思うので、お願いしたいと思います。

会長
 「観測する」という表現が入ればいいということですね。

宮田委員
 資料1 別紙1の計画埋立高さが104mで一番高いことになっているのですが、これはどこからどこまでの高さなのですか。もともと斜面になっていて、そこに並行に埋め立てているので、ごみの厚さはそんなにはないと思うのですが。この104mというのは、他の埋立地と同じように比較されているのですか。

担当課長
 準備書の2-1-4ページの下の図が事業計画地断面図で、右側の鉛直遮水工の部分の計画高が151.5mで、拡張後に最も高くなるところの標高が256mですので、この差が104.5mということになります。

宮田委員
 151.5mというのは一番下の高さであって、上の方へ行くと傾斜しているので、実際の厚さはそんなにありません。こういう場合でも一番下からの高さを埋立高とするのですか。

亀井環境局次長
 埋立地の形状によって、いろいろあると思いますが、このように斜面を埋める場合には、最初に埋立を始める場所の標高と一番高くなったところの標高の差を、一般的に埋立高としています。

宮田委員
 このように、斜面に盛っていった場合の、埋立地全体としての安定性についての力学的な研究はなされていないのでしょうか。例えば、ここで地震が起こったときに全体としてどのような動きをするのか、雨が降った時にどんな動きをするのかといったことは、これからの研究課題なのでしょうか。

副会長
 研究はされていると思いますが、私は関与したことがありません。土ならばわかるのですが、ごみの力学上の強度について、ほとんど分かっていないのです。土であれば強さの調べ方があるのですが、ごみを締め固めた時にどの位の強さがあると考えたらいいのかということは、試験室の中では調べられないので、現場での調査がされているわけです。ですから、他の事例を見て、よそでもやっているから大丈夫でしょうという程度の話です。
 それから、背後地に多量の雨が降ったときに、水が集まってくる地形かどうかということが効いてきます。最近、盛土の斜面で高速道路が潰れるのも、背後地の面積と形が効いているわけです。今までなら、この位は大丈夫と判断していたところで、最近崩れている事例が多く見られています。こういう問題は、経験がなければ、観測を十分することが最善の方法だと思います。どんな材料であっても表面の動きを見ていれば、壊れるか壊れないとかというのはわかるので、まずは観測をしていただくというのがいいと思います。なにしろ日本一ですから。これで大丈夫かと言われても保証はありません。

宮田委員
 現時点で、周辺からの水が埋立地に入らないようにするため、排水に対してどのような工夫をされていますか。

次長
 先程の地図等に示しているように、玖谷川の沢筋はそのまま残してありますので、東の阿武山に降った雨は斜面を流れてこの沢筋に入り、埋立地には入りません。埋立地に入ってくる水は埋立地の南西側斜面に降った雨ということになりますが、ほとんど稜線まで、斜面と言えるほどの広いところはないという状況です。

水田委員
 資料1の別紙1の表で、各地の処分場の全体容積と埋立地面積の関係はどのようになっているのですか。面積掛ける高さが容積というわけではないようですが。

担当課長
 埋立地の面積は水平投影面積で、地形によってごみの厚さが変わるため、容積が変わってきます。

副会長
 別紙1を見ると、例えば、北海道函館市の埋立地は、どちらも400万?で高さ30mになっています。一方、広島の場合は104m、344万?です。ですから北海道は、いかに平らなところに盛っているかということが分かります。広島や名古屋、神戸では谷あいの斜面に盛り上げていて、厚さはあまりなく、薄く斜面に貼り付けるという印象の埋立地になっています。これは地形的な特性なのですが、それだけ危険だと思います。

会長
 私の感想を言いますと、実際に現地を見たら、埋立地の周辺に雨が降った時には、埋立地東側の玖谷川にほとんどの水が流れるので、特別な工夫は必要ないのではないかと感じました。問題は、吉國副会長がおっしゃられたように、土堰堤が、少しずつでも動いているかどうかということを観測し、監視することが一番大事なのかという気がしました。

副会長
 資料1の別紙2の図面で、この地域では土石流の心配は無いという説明だったと思いますが、資料を見て分かるように、土石流危険渓流というのは、住宅を対象に考えています。ですから、住宅があるところはみんな危険渓流になっていますが、住宅のないところは危険渓流や地すべりとかはあまり心配されていません。それが如実に表れていて、玖谷埋立地とその周辺にはほとんど住宅がないので何もないということです。この図面を作るときに、ごみ埋立地をどの程度考慮に入れたかということが問題です。
 それから、谷筋には玖谷川があり、雨水はここに流れるということでしたが、阿武山の南斜面には沢山危険渓流が描いてあるのですが、西側斜面には住宅がないから危険渓流は描かれていませんが、ここについても斜面崩壊が起こる可能性は十分あるわけです。あの程度の河川であれば、横から斜面が崩壊して川に溜まり、ダムアップすることも考えられます。そうなると埋立地の側へ水が入ることになるので、答申案の最後にある「十分配慮する」という程度では、心もとないように感じます。長い年月で植生も変わりますし、土石流が出るのは100年に一度といわれていますが、この埋立地のごみはこれから何百年もここにあり、万が一崩れると、普通のところが壊れた以上に悲惨なことになるので、未来永劫、土石流の管理をしてもらわないといけないと思います。ですから、「十分配慮し」という程度ではなく、もっと具体的に、何年かに1度は土石流の危険性が無いことをチェックするくらいのシステムを作ってほしいと思います。埋立層の下の水質汚染について常時調べているように、それと同じとまでは言わないものの、相手が自然でどんどん変わってきますから、何年かに1度は様子を見るというくらいは書いてほしいと思います。十分配慮しましたと言われると、それで終わりになってしまいますから。

次長
 先程の厳重に監視するという表現も、この十分配慮するという表現も概念的で分かりづらいということもあると思いますので、表現を少し工夫させていただきたいと思います。例えば、定期的に観測、調査する。あるいはさらに進んで、事後調査の中にそれを盛り込むといった形に修正するよう検討させていただきます。

副会長
 斜面の崩落が起こるかどうかは、斜面の勾配と上に被っている柔らかい土の厚さに密接に関係しています。柔らかい土がある厚さ以上になると崩落するということですから、現状を単に見て大丈夫というのではなく、実際に壊れそうなところは無いか、厚さはどの位あるかということを具体的に調べる必要があります。崩落現場をテレビで見てもらえばわかりますが、どこも1m位の厚さのところが滑り落ちています。それが落ちてくる間にだんだん大きくなって、渓流の中で何年間も溜まったものを集めて出てくるわけですから、落ちる可能性はそこら中にあるわけです。崩落したときは、どれ位走ったかによって土の量が決まりますから、それを調べておく必要があります。別紙2の土石流危険渓流は、おそらく図面上で見て、判断したもので、現地を見て決めたものではないと思います。壊れると大変な施設があるということを答申で訴えてほしいと思います。

会長
 確かに、「継続してきちんと調査をする」という表現にするといいですね。

下中委員
 継続して観測データを取るということですが、それで専門家に大丈夫と言ってもらえればいいのですが、もしも、ずれているといったデータが出てきたときにどういう措置をとれるのかということをご説明いただけませんか。

副会長
 埋立地は、水が沢山溜まることが一番の問題です。埋立地の中で一番重たい物は水なので、水が入らないようにする、あるいは入ったものがすぐに抜けるようにするということが重要です。それから、周辺の斜面が危険ということであれば、砂防ダムを作らないといけないと思います。埋立地に何百mm降ったらどれくらい水が出るかということを流域の中で計算しておいてほしいと思います。最近は、一度に大量の雨が降ることもあるので、玖谷川で受けきれない場合にどういうことが起きるのかということを、シミュレーションしておいたほうがいいのではないかと思います。

会長
 下中委員がおっしゃったのは、ちょっと危なそうだというときには何か方策があるかという質問だったと思います。少し動くような時であれば、何とか対応できないでしょうか。

副会長
 対策はあると思います。まずは、埋立地の中の水を外に出すということです。どうしてもだめだということになれば、ごみを取り除いて、荷を軽くするしかありません。そういうことにならないように管理をしていただくことが重要だと思います。

会長
 下中委員のご指摘は、大きな団地などの場合に、そういうことが起こりそうだというときに、どうにかならないかということだと思いますが、実際には難しいのでしょうね。

於保委員
 道路交通騒音の予測についての追加資料ですが、結果的に大きな値にはなりませんが、車両の速度が70km/時のときの予測結果が50km/時のときの予測結果よりも小さくなるというのは、明らかにおかしいと思います。
 また、先ほど吉國副会長は、随分柔らかくおっしゃったのですが、下の方で谷が細くなっているので、私はここに砂防ダムを作った方がいいかなと思いました。しかし、砂防ダムを作って堰き止めると、また大変なことになるのかなということもありますから、先ほどお話のあったように、きちんと浸出水の水量や雨水の排水状況を調べておくということでいいのではないかと思います。

今岡委員
 埋立地の崩壊は、埋立地内部に雨水が貯留されて起こると考えてよろしいですね。ということは、その対策は、表面排水、雨水排除をいかにきちんとやるかということです。安藤委員がいらっしゃれば賀茂環境センターの処分場の話をされると思うのですが、クローズドシステムといって雨が入らないように屋根を掛けて埋立をするという事例が近隣でも出始めています。雨水排除を速やかにすれば、埋立地そのものが土石流として流れるという事態は避けられると思います。
 一方、周辺で土石流が生じることに関しては、観測等で防止せざるを得ないと思います。これを何とかするには、それこそ砂防ダムを近くに作ることしか考えられません。この二つの点については分けて考える必要があると思います。

副会長
 要約書の5ページに平面図がありますが、権現山側からの谷にダムの表示がありますが、これは砂防ダムですね。ここへ、これでカバーできないくらいの土量が滑ってきたらダムアップされて、水が埋立地の斜面を削って流れることになると思えますよね。そういう災害が一番怖いわけです。
 そういう可能性もあるので、土石流、斜面崩壊には十分配慮してもらうということです。

会長
 於保委員のご意見ですが、追加資料を見て、50km/時から70km/時にしたら、かえって騒音の問題がなくなるのであればいいことだと思うのですが、常識的に見ると70km/時に上がったら音は大きくなるだろうということですね。結局、どのように予測値を計算されたのかということですが、これは専門家に任せるしかないので、このデータはこうなのかなと思ったのですがいかがでしょうか。

宮田委員
 現況騒音と現況予測値が違うのはなぜでしょうか。そういう予測が、予測として使えるのでしょうか。おそらく、現況騒音の測定方法に問題があって、この場合の現況騒音が、予測に相当するようないろいろなケースを全部含んだものなのかどうかというあたりがよくわかりません。これだけを出すと、そんなもので予測するのかということになります。

於保委員
 時速70kmで予測すると、騒音の予測値は大きくなったわけですね。予測が大きくなっているのに、平成20年の予測値がそれより0.1少ないからといって、現況の騒音から0.1引けばいいという問題なのでしょうか。70km/時になれば騒音は大きくなることを踏まえて考えてくださいということです。このフローの考え方で何か間違いが起こっているのではないかなと思いますが、いかがですか。

担当課長
 説明がよくなかったのかもしれませんので、再度説明させていただきます。平成15年に県道177号の道路端で測った結果は71.4dBでした。その時のスピードは車によって全て違いますから、50km/時で走っているものもあれば、70km/時、80km/時で走っているのもあり、また、大型、小型が混在して走っていて、実測値は71.4dBであったということです。予測値というのは、大型車、小型車とも全て法定の50km/時で走ったものとして予測すれば68.7dBになるはずですという値です。また、大型車、小型車が混在した状態で70km/時で走ったとして予測した値が71.7dBで、それが、実際に測った71.4dBと近いので、実際には速い車も遅い車もいますが、70km/時近いスピードで走っている車がほとんどだったと考えていただけるとよいと思います。

今岡委員
 予測のモデル式が正しければ、実態速度は70km/時に近い走行速度だったということですね。それでもマイナス0.1するというのはやっぱりおかしいですね。これは、プラス・マイナスの計算をするためのフローではないと思います。

担当課長
 平成15年と20年で、大型車と小型車の割合や台数が同じであれば、減るのはおかしいのですが、実際には、工事中に大型車は減るが小型車が増えるということで、20年と15年を比べると、たまたまマイナスという数字になったということです。大型車が増えたり、台数全体が増えればプラスになるという場合もあります。

副会長
 私は交通騒音の一般的な予測方法の精度をここで議論をしても仕方ないと思います。道路の通行車両には、一般交通と廃棄物搬入車両の両方があり、それの騒音に対する寄与率の問題だと思います。ここで議論すべきは、今度新しく埋立をしても、騒音に大きな変化はないということだと思います。現在の騒音が基準に達しているかどうかという話とは別問題ではないかと思います。廃棄物搬入車両の寄与率は小さいと言ってもらえばいいと思います。

会長
 水田委員、生態系のところはこういう表現でよろしいでしょうか。

水田委員
 絵下山でも専門家が付いてやっておられますので、そういうものと連携しながら進めていただければよいと思います。

今岡委員
 答申案の1事業計画についての(2)に、「食物残渣の混入防止措置として、これまでも排出事業者に対する指導」とあるのですが、これはプラスチック類に付着するいろいろなものをどうすることを意図しておられるのでしょうか。排出事業者に対する指導というのは具体的にはどのようなことですか。

担当課長
 前回の審査会でカラスについてのご意見がありましたが、カラスが環境に影響を与えているという評価結果になっておりませんでしたので、最終処分場の適正管理のためという理由にさせていただいておりますが、事業系のプラスチックについても食品残渣が付いたものについてはきちんと落として出してくださいという意味です。これまでも、そういう指導は行っておりますし、実際に埋立地でごみを降ろす前に、付着が多いようであれば持ち帰らせるというようなことは行われていますが、まだ十分ではない。何か食べるものが付着しているからカラスがまだ集まってきているということで、より効果的な方策について検討してくださいという文章にしております。

今岡委員
 市民は入らないのですか。それはなぜですか。

担当課長
 平成16年度から容器包装リサイクル法に対応して、広島市では8種類分別を行っており、家庭系の容器包装プラスチックは選別、梱包してリサイクル業者に渡しておりますので埋立地には入れていないためです。

今岡委員
 事業系はそれができないのですか。

次長
 事業系のプラスチックは、現在、容器包装リサイクル法の対象になっていないので、玖谷で埋め立てております。ただ、生ごみ等が付着したプラスチックについては、玖谷で処理することが難しいので、可燃ごみとして出すように、排出事業者を指導しております。

今岡委員
 大学でもそのようなごみが出ます。大学からのごみはいわゆる事業系一廃になるのですが、その辺が非常に分かりにくいところがあるので確認させていただきました。また、市民には容器包装リサイクル法でやっているので求めなくてもよいということですね。

中川委員
 答申案の2 大気環境についてのところで、県道177号線での騒音が、1dB環境基準よりも高かったということですね。実際には、一般車両と工事用車両等を含んでいるので、事業者がどこまで責任を取らないといけないのかという問題になり、努力目標的に書かれているのかと思ったのですが、具体的な対策と書かれているので、やはり何か期待されているようにも読めたりして、意図がよく分からないのですが、ご説明いただけませんか。

担当課長
 準備書に、騒音の予測値が71dBと環境基準を超えることに対する環境保全措置として、工事関係車両、廃棄物車両の作業員への指導ということで、走行ルートにおいて法定速度を厳守する。急発進、急停止の回避を徹底する。工事状況等に応じて事後調査を実施し、道路交通騒音の影響を把握するなど環境監視を実施しますと書いておりますが、中島委員等から、作業員への指導ではなかなか実効性があがらないのでもう少し具体的な、例えば、スピードメーターを取り付けて、実際に速度を検証するようなことはできないかというようなご意見もありました。
一般的には、実際の状況を調査して、速度を守る、急発進しないという指導だけでは騒音が下がらないということになれば、今でも若干はやられているようなんですが、沿道に市の職員が立って、搬入車両のスピードをチェックしたり、付近の住民にご協力いただくことも考えられます。具体的なところは今後の検討だと思いますけれども、他にもまだ事業者側が別の案を考えてくる余地はございます。それを評価書に書いてくださいということです。

会長
 前回、中島委員から、法定速度を守らない車両が多いので、最初から守られないような環境保全措置を書くのは止めた方がいいという意見も出ました。具体的に、全部の車にスピードメーターをつけたらよいという意見もあったのですが、それは結構お金がかかるのではないかという話もあって、非常に難しいことだと思います。そのような経緯があって、こういう表現になったとご理解ください。

今岡委員
 直接今回の評価書に反映させるのは無理だと思うのですが、いままでいろいろなアセス図書を見させていただいて、これは現行のアセスの性格上仕方がないのかもしれませんが、事業計画の内容が極めて乏しいと思います。学生にアセス書を読んで感想を書きなさいという課題を出すと、まず、事業計画自体が極めてわかりにくいという意見が非常に多いのです。この準備書も、全体的には、これまでのものよりも極めて見やすくなっているのですが、なぜ玖谷埋立地の拡張が必要かということを訴えるものがまだ欠けているように感じます。
そのことが、結局、住民の方々の疑問や指摘につながっているということがかなりあると思います。もう少し事業計画について、その背景を説明するように、事業者に求めていただければと思います。

次長
 貴重なご意見をいただきありがとうございます。私はアセス担当の部長であり、事業を推進する局の次長でもありますので、今のご意見は参考とさせていただきます。

会長
 広島市としてごみがどのくらい出ていて、やはりまだ埋立地がいるということがはっきりとわかるように、わかりやすく書いてほしいと思います。

宮田委員
 実施計画書には、「埋立開始以降の生活様式、経済活動等の変化に伴うごみ量の増加により残余容量が減少し…」と、なぜ拡張整備事業をするかについてわかりやすく書いてありました。しかし、今回の準備書では、率直な表現ではなくて、「平成17年に策定した一般廃棄物の処理に関する基本的な事項について定める一般廃棄物処理基本計画に本事業を位置付け、玖谷埋立地の埋立区域を拡張し…」と書いてあり、一般廃棄物処理基本計画が今回の拡張事業の根拠になっているという言い方をしています。これは非常にわかりにくいと思います。

会長
 確かにそうですね。これにはごみ量が増えていくからという表現が全く入っていませんね。

次長
 少し補足させていただきます。環境影響評価図書は一般的におおむねこういう雰囲気で書かれているのが実態です。作った側も審査する側もあまり違和感がなかったのだと思います。アセスを審査する側から言うと、あくまで事業の実施に際して可能な限り環境への影響を回避、低減させるための措置をとらせるということで、事業者の側からは、もう少し事業の必要性を書く必要があるかと思います。審査会からの意見として、もう少しわかりやすく事業の必要性について記載しなさいということは可能だと思いますが、どこまで書くのかということは、今後、委員の皆さんに相談させていただければと思います。
 日本のアセス制度がこれでいいのかどうかという議論があり、多元的アセスメントについてもご議論いただきましたが、今回の案件は事業アセスということで、事業の必要性、あるいは事業場所等いろいろな観点からどうあるべきかについては、この前の段階として、もっと議論を深めておく必要があると感じております。

会長
 いろいろなご意見も出尽くしたかと思いますので、本日出された意見、具体的に言うと、答申案の5 その他のところで、「厳重に監視する」だけではなく、観測もしてほしいということと、最後の「十分配慮する」というところも強く書き直してほしいという点、そのあたりを入れて答申案を修正していただくよう事務局にお願いします。また、委員の皆さんに、今日の議事録と答申の修正案をお送りしてください。なお、最終的な答申文は私に一任していただければと思うのですがいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 (異議なしの声)

会長
 ありがとうございました。それでは事務局から連絡事項があればお願いします。

担当課長
 大変、熱心にご審議いただきありがとうございました。会長にご指示いただいたとおり、本日のご審議を踏まえて、早急に答申案の修正と議事録の調整を行い、委員の皆様に送付させていただきますのでよろしくお願いいたします。
 そして、最終的に答申をいただきましたら、それに基づいて8月30日までに事業者に対して市長意見を述べます。事業者は、この市長意見を踏まえて評価書を作成することになります。なお、今後の経過については、適宜ご連絡申し上げますのでよろしくお願いいたします。事務局からは以上でございます。

会長
 今日の会議はこれで終了いたします。ありがとうございました。

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