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薬剤耐性(AMR)対策について
薬剤耐性(AMR)とは
抗微生物薬は微生物が増えるのを抑えたり、壊したりする薬です。特定の種類の抗菌薬や抗ウイルス薬等の抗微生物薬が効きにくくなる、または効かなくなることを、「薬剤耐性(AMR)」と呼びます。
「薬剤耐性」は英語でAntimicrobial Resistanceといい、AMRと略されます。AMRの問題は細菌、ウイルス、寄生虫など幅広い範囲でみられますが、特に細菌のAMRが注目されています。抗微生物薬のうち抗菌薬は、主に細菌に対して効果があるものであり、不適切な使い方により、その抗菌薬が将来効かなくなることがあります。近年、抗菌薬が効かないAMRをもつ細菌が世界中で増えており、2013年の薬剤耐性に起因する死亡者数は低く見積もって70万人とされていますが、何も対策を講じない場合、2050年には世界で1000万人の死亡が想定され、がんによる死亡者数を超えるという報告があります。このため、感染症の予防や治療が困難になるケースが増加しており、今後も抗菌薬が効かない感染症が増加していくことが予想されています。
減らそう!薬剤耐性~薬剤耐性(AMR)を防ぐために私たちができること~(2023年版) [PDFファイル/1.59MB]
薬剤耐性菌感染症について
国内において、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)、カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)といった薬剤耐性菌による感染症が広がり大きな問題となっています。
薬剤耐性(AMR)対策について
抗菌薬の不適切な使用を背景として、薬剤耐性菌が世界的に増加する一方、新たな抗菌薬の開発は減少傾向にあり、国際社会でも大きな課題となっています。
2015年5月の世界保健総会では、薬剤耐性(AMR)に関するグローバル・アクション・プランが採択され、加盟各国は2年以内に薬剤耐性に関する国家行動計画を策定することを求められました。
これを受け、2016年4月5日、感染症対策関係閣僚会議において、「薬剤耐性(AMR)アクションプラン」が策定されました。
「適切な薬剤」を 「必要な場合に限り」、 「適切な量と期間」使用することを徹底するため、対策を推進することとされています。
- 薬剤耐性(AMR)アクションプラン 2023-2027(概要) [PDFファイル/678KB]
- 薬剤耐性(AMR)アクションプラン 2023-2027(本体) [PDFファイル/1.63MB]
- 薬剤耐性(AMR)アクションプラン 2016-2020(概要) [PDFファイル/412KB]
- 薬剤耐性(AMR)アクションプラン 2016-2020(本体) [PDFファイル/982KB]
薬剤耐性菌を増やさないためにできること
私たち一人ひとりが、抗菌薬に対する正しい知識を持ち、正しい使い方をすることで、薬剤耐性を広げないようにすることが重要です。
ほとんどの「風邪」に抗菌薬は効きません
抗菌薬は、細菌に有効な薬です。ほとんどの「風邪」の原因であるウイルスなどには効きません。
処方された薬は医師の指示どおり服用しましょう
医薬品は、医師や薬剤師の指示から外れた使い方をすると、十分な効果が期待できません。特に抗菌薬については、不適切な使い方をすると新たな耐性菌が出現するリスクが高まります。
薬剤耐性(AMR)の拡大を防ぐためにも、抗菌薬を服用する際は、医師や薬剤師の指示を守って、服用しましょう。勝手に途中でやめたり、量や回数を変更しないことも重要です。処方された薬のことでわからないことがあったら医師や薬剤師に相談しまししょう。
基本的な感染対策をしましょう
薬剤耐性菌には、有効な抗菌薬がないことがあるため、まず感染しないことも重要です。感染を予防するため、日ごろから、手洗いの徹底、アルコール消毒、マスクの着用、うがいなどに努めましょう。
薬剤耐性菌感染症を診断したら (医療関係者の方へ)
カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)感染症、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)感染症、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症及び薬剤耐性アシネトバクター(MDRA)感染症は、感染症法上、全数報告対象の五類感染症に分類されています。診断した医師は7日以内に最寄りの保健センターに届け出ることが義務付けられています。
名称 |
所在地 |
電話番号 |
Fax番号 |
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中保健センター地域支えあい課(中区地域福祉センター内) | 中区大手町4-1-1 | 082-504-2528 | 082-504-2175 |
東保健センター地域支えあい課(東区総合福祉センター内) | 東区東蟹屋町9-34 | 082-568-7729 | 082-568-7790 |
南保健センター地域支えあい課(南区役所別館内) | 南区皆実町1-4-46 | 082-250-4108 | 082-254-4030 |
西保健センター地域支えあい課(西区地域福祉センター内) | 西区福島町2-24-1 | 082-294-6235 | 082-294-6113 |
安佐南保健センター地域支えあい課(安佐南区総合福祉センター内) | 安佐南区中須1-38-13 | 082-831-4942 | 082-870-2255 |
安佐北保健センター地域支えあい課(安佐北区総合福祉センター内) | 安佐北区可部3-19-22 | 082-819-0586 | 082-819-0602 |
安芸保健センター地域支えあい課(安芸区総合福祉センター内) | 安芸区船越南3-2-16 | 082-821-2809 | 082-821-2832 |
佐伯保健センター地域支えあい課(佐伯区役所別館内) | 佐伯区海老園1-4-5 | 082-943-9731 | 082-923-1611 |
関連情報
- 薬剤耐性(AMR)対策について(厚生労働省)<外部リンク>
- 世界保健機構(WHO):Antimicrobial resistance<外部リンク>
- 薬剤耐性(AMR)対策(内閣感染症危機管理統括庁)<外部リンク>
- 薬剤耐性菌感染症(国立感染症研究所)<外部リンク>
- AMR臨床リファレンスセンター<外部リンク>
- かしこく治して、明日につなぐ~抗菌薬を上手に使ってAMR対策~<外部リンク>