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広環保第353号
令和元年12月3日
広島市長 松井 一實 様(都市整備局都市計画課)
広島市長 松井 一實(環境局環境保全課)
このことについて、広島市環境影響評価条例(平成11年広島市条例第30号)第35条第2項の規定により読み替えて適用される第10条第1項の規定により、別紙のとおり環境の保全の見地からの検討を行った結果に基づく意見を述べます。
本事業は、 広島市の新交通システム (アストラムライン )を現在の終点である広域公園前駅からJR西広島駅まで延伸し、アストラムラインとJR山陽本線を接続することにより軌道系の公共交通機関の循環型ネットワークを形成しようとするものである。
本事業の特性や地域特性に応じた適切な環境保全措置が講じられ、事業の実施に伴う環境影響が実行可能な範囲で回避・低減されたものとなるよう、以下のとおり意見を述べる。
準備書で使用する用語や表現は市民に分かりやすいものとなるよう努め、専門用語を用いる場合は用語の解説を記載すること。
供用開始後において、 本事業と併せて整備する都市計画道路己斐中央線の自動車の走行に伴う大気質への影響を予測及び評価することとしているが、その影響は交通量により異なることから、供用開始後の当該道路における交通量の予測結果を明らかにした上で、大気質の予測及び評価を行うこと。
ア 工事期間中において、 工事用車両の走行に伴う騒音・振動の影響を調査、予測及び評価することとしているが、己斐地区は坂が多く、また、大型車両による重量物の運搬が想定されることから、 工事用車両の走行により発生する低周波音の影響が懸念される。このため、工事用車両の走行による低周波音の調査、予測及び評価の必要性を検討すること。
イ 供用開始後のアストラムラインの高架区間において、高架下道路の自動車の走行に伴う道路交通騒音を予測及び評価することとしているが、その際には、高架構造物による反射も考慮に入れた予測及び評価を行うこと。
工事に伴う排水が石内川に流入する場合には、石内川の水質や流域の水生生物等への影響が考えられることから、環境影響範囲及び環境影響評価項目の追加を検討すること。
工事に伴う水象 (地下水 ・湧水)への影響については、トンネル部周辺の水象に係る既存資料による調査結果を踏まえて、調査地点の追加を検討すること。
本事業のルートは住宅地を通ることから、橋脚や橋桁が地域住民の身近な景観に及ぼす影響を予測及び評価できる調査地点を追加すること 。
また、 準備書に記載する予測結果は、工事の施工前後の景観の変化が把握できるものを提示するなど、市民に分かりやすいものとすること。