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手足口病は、その名が示すとおり、手のひら、足の裏、口の中の粘膜などに水疱性の発しんができるウイルス性の疾患で、コクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型などのエンテロウイルスによっておこります。幼児を中心に主に夏に流行がみられる疾患です。
せき、くしゃみなどをとおして咽頭から排泄されるウイルスによる飛末感染や、便に排出されたウイルスによる経口感染などが考えられます。
潜伏期間は3~5日で、手のひら、足の裏、口の中の粘膜などに2~3mmの水疱性の発しんができるのが特徴です。発熱は3分の1程度にみられますが、38℃以下のことがほとんどです。
基本的には予後良好な疾患ですが、まれに髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併症を起こすことがあります
例年6~8月にかけて流行しますが、秋から冬にかけて多少の発生がみられることがあります。数年おきに比較的大きな流行を繰り返す傾向にあります。
手足口病は、ヘルパンギーナと同様に、毎年6月から8月の夏季を中心に流行するウイルス性の感染症です。2020年及び2021年は、ヘルパンギーナとともに秋から冬にかけて報告数が増加しました。2022年及び2023年は、夏から秋にかけて報告数が増加しました(図)。
【図】広島市における手足口病の定点当たり報告数の推移(ヘルパンギーナとの比較)
(注)このグラフの縦軸は、各週の定点当たり報告数の月平均値を示しています。
【参考】
乳幼児を中心に流行します。
手洗いの励行が大切です。この疾患は、回復して症状がなくなっても、2~4週間の長期間にわたって便からウイルスが排泄されますので、注意が必要です。