ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 環境局 > 環境局 環境保全課 > 環境影響評価審査会開催結果(総合環境アセスメント制度のあり方について 第2回:平成14年6月26日)

本文

環境影響評価審査会開催結果(総合環境アセスメント制度のあり方について 第2回:平成14年6月26日)

ページ番号:0000013739 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

広島市環境影響評価条例に基づき、広島市総合環境アセスメント基本構想(仮称)についての審議を行うため、2回目の広島市環境影響評価審査会を開催しました。

1 開催日時 平成14年6月26日(水曜日) 午後3時から午後5時25分
2 開催場所 広島市役所14階第7会議室
3 出席者
 1. 審査会委員(五十音順、敬称略)
   今岡 務、窪田幸子、関 太郎、矢野 泉、中川紀壽、中島正博、フンク・カロリン、
   宮田賢二、吉國 洋(副会長) 以上9名出席
 2. 事務局
   中本環境局参事、砂田環境アセスメント担当課長他4名
 3. 傍聴者
  ・福岡大学浅野教授講演時:約30名
  ・審議時:3名
4 会議概要
 1. 審議に先立ち、福岡大学法学部浅野直人教授から「戦略的環境アセスメントの原則と制度化への留意点」と題したご講演をいただいた。
 2. 審議は公開で行った。
 3. 広島市総合環境アセスメント基本構想について審議した。
5 審議結果概要
 1. 広島市総合環境アセスメント基礎調査業務報告書について、第1回目の審査会及び後日文書で提出された意見を元に、基本的な考え方について審議がなされた。
 2. これまでの意見を踏まえて、事務局で基本構想案骨子を修正し、次回、再度審議する。
6 会議資料
 ・第1回審査会等における主な委員意見(21KB)(PDF文書)
 ・第1回環境影響評価審査会等における主な委員意見及びその対応方針案(68KB)(PDF文書)

 

審議結果

砂田アセスメント担当課長
 ただいまから、広島市環境影響評価審査会による審議を行います。
 初めに、環境局参事の中本からごあいさつ申し上げます。

中本環境局参事
 本日は、お忙しい中をご出席いただきまして、誠にありがとうございます。前回は環境省の小林課長さん、それから今回は福岡大学の浅野先生からご講演をいただきました。私自身お話を聞いておりまして、SEA(Strategic Environmental Assessment;戦略的環境アセスメント)は非常に難しい問題で、考えれば考えるほど大変だという思いがしております。
 今回が2回目の審議となりますが、前回の審査会、また本日の会議に先立って委員の皆様から非常に貴重な意見をいただいております。本日の審査会においては、これらの意見について活発な議論をしていただきたいと思っております。どうかよろしくお願いいたします。

担当課長
 本日は、天野会長が体調不良のため欠席されておりますので、これからの議事進行は吉國副会長にお願いいたします。

吉國副会長
 前回の審査会、あるいは書面でいろいろなご意見が出されていますが、それについて、まず市の考えを事務局から説明していただき、その後に議論を進めたいと思います。
 事務局から説明をお願いいたします。

担当課長 〔資料:第1回環境影響評価審査会等における委員意見及びその対応方針案 説明〕

副会長
 事務局から意見に対する回答をいただきました。1番目の基本的事項については、非常に重要だと思います。現在のスケジュールではちょっと難しいのではないかというご意見と、総合環境アセスメントという名前がどうかというご意見がございました。スケジュールについては柔軟に対応したいということですし、また、タイトルについては、今後、審議を進めた後に決めることとして、当面、この名称としておくという説明がありました。ご了承いただけますなら次に進みたいと思いますが、いかがでしょう

 (異議なし)
 それでは、2番目の定義について、ご意見ございませんでしょうか。

 (意見なし)

 2節の背景についてはいかがでしょうか。これはもう少し具体的にという意見も安藤先生から出ておりましたが、内容については検討するということでした。

宮田委員
 確認させていただきたいのですが、本編14ページの背景に1から5までのSEAの基本的要素が掲げてあり、その中の3に「環境面と社会経済面とを統合した予測・評価」とあります。これが最も必要だということはわかるのですが、それを統合するということは具体的にはどういうことかということと、4の累積的・複合的な環境影響評価についても具体的にどういうことを意味しているのか、どなたか簡単に説明していただけますか。

担当課長
 最初の社会経済面と環境面との統合については、本編の22ページの2に、環境面と社会経済面の予測評価ということで記載しております。これは事業者自らで行っていただくこととなりますが、計画や事業の実施計画等を検討する場合には、どのような事業であっても複数案を検討されるのが通例だと思います。その際の検討項目は、事業費、あるいは地域の活性化といった一般的な社会経済面での検討が行われているだろうと思うのですが、それにプラスして環境面でも評価し、総合的に判断しようというもので、23ページの図3にそのイメージ図を載せております。ただ、社会経済面での評価というのは、例えば事業費が幾らとか、集客能力がこれくらいあるといったように具体的に数字で上がってくることが多いかと思いますが、それに対して、環境面での評価というのは、具体的に数値で表せるものもあるでしょうし、あるいは数値で表すことが難しく、定性的に表さざるを得ないものも出てくると思います。それらを両方合わせて、例えばイメージ図にあるように、A案では○と△だと、B案では×と◎だと、C案では△と○だと、ゼロ案は除きまして、そういった場合に、◎と×と、○と△ではどちらがいいのかといった評価を事業者が行うのが総合評価であり、その際に、評価が妥当かどうかを行政が審査し、それに対して意見を言うことになります。しかしながら、総合して評価する指標が、実は今のところ思いつかないわけです。その辺を、皆さんのご意見をいただきながら、今後検討していきたいと考えております。
 それから、2点目の累積的・複合的影響の予測評価については、23ページの3に述べておりますが、一般的に私どもの言っている累積というのは、時系列的な環境影響評価で、今現在から将来にわたって同一の場所でどのような事業が行われるかをあらかじめ掴んでおいて、その環境への影響を予測するということです。
 また、複合的と申しますのは、先ほど広域的というふうに浅野先生は仰られましたが、要するにその場所と隣接した場所で事業が行われている場合に、事業間の環境影響を合わせて評価するという考え方です。それらが実際にどのようにすれば予測、評価できるのかということは、今後の検討課題と考えております。

宮田委員
 最初のところはわかりましたが、2番目の累積的・複合的影響の問題は、現行のアセスメントの場合でも当然これが問題になるはずで、実際に準備書等を見ても、現況の把握といった項目があり、それは既に行われた開発等を踏まえて、新しい事業がその上にどういう影響を与えるかという考え方をしていると思うのです。ですから、この累積的・複合的影響の評価というのは、現行のアセスメントでも当然やられており、あえてこのSEAにおいて、いかにも重要な項目であるかのように取り上げられるのはなぜかという疑問なのですが。

担当課長
 そのあたりについて中島先生、何かご意見がございますでしょうか。

中島委員
 現実に累積的な影響が、現行の環境影響評価制度できちんと評価されているかといえば、現実には、全く評価されてないと思います。

宮田委員
 しかし、それは今のアセスメント制度の問題であって、SEAの段階でそういうことを特に考えなければならなくなったということではないと思います。

中島委員
 長期計画にSEAをかけて、2000年、2005年、2010年といった、長期的な計画を同時に考えられると累積的な影響を評価しやすくなりますね。

宮田委員
 そこが、中島先生のSEAに対する考え方と私の考えとは大きく違っていて、私は個別の事業に対してSEA的なやり方をとりいれるというイメージを持っているのですが、中島先生は、何かもっと大きな計画に対してSEAというものをお考えのようですね。

中島委員
 世界的に環境影響評価の結果を検証した結果のひとつとして、累積的な影響が考慮されてないということが指摘され、SEAという方法を導入しなければいけないということになったわけで、やはり現行の環境影響評価の限界だったのです。それで、SEAにおいては、累積的な影響をきちんと評価しようということとなった歴史的な背景があります。

関委員
 累積的ということで、一番いい例は玖谷のごみ処理場だと思います。私の記憶では、前に行ったときに、「もうこれで終わりです。」と言われたように思うのですが、今回また嵩上げするということで実施計画書が出されています。これは、多分、白木の問題、あるいは出島のことが全部関連していると思うのですが、玖谷というところでは累積的であっても、やはり中島先生がおっしゃったように、広島市域全体の不燃物処理と密接に関係するのです。
 また、総合評価ということになると、政治的な問題が非常に大きく入ってくると思います。まさに、今のごみ処理場の問題でも、白木の非常に強い反対運動や、貴重な生物が見つかったといったいろいろなことがありましたが、総合評価やあるいは累積・複合評価影響に対して、政治という圧力が介入したときに、SEAとしてどう対処されるのでしょうか。

担当課長
 私もまだ十分に理解していないのですが、いろいろと文献等を読んでみますと、少なくとも累積的・複合的影響の予測評価は、3P(Policy、Plan、Program)の段階では可能と考えられるが、個別事業では、なかなか難しいということが一般的に言われています。ですから、今回の基本構想では、当然、累積的・複合的影響の予測評価についても、やる必要はありますが、その対象とするものによってはできない場合も当然あると思うので、そういった含みを持たせた表現に仕上げたいと現時点では考えています。

副会長
 なかなか難しい話ですね。

窪田委員
 今の関連でお聞きしたいのですが、第1節の定義のところで、前回の中島委員の意見に対して、SEAというものを累積的環境評価の方の意味と答えているように読めます。つまり、SEAあるいは計画段階における環境アセスメントと分けておられますが、私はこの報告書をいただいたとき、個別事業評価もSEAというふうに理解して読んでいました。
 今日の講演の質疑応答でも、浅野先生のご意見では個別事業評価もSEAの対象に入るという形でお答えになったと思うのですが、今回の広島市のアセスではどう考えているのか確認させてください。

担当課長
 報告書で述べているSEAの概念は、一般的に欧米諸国で言われているSEA、すなわち、中島先生の仰られたような国際的に認知された、いわゆる政策、計画、プログラムに対して行われるものがSEAであろうという認識を私どもも採っています。一方で、事業の計画段階のアセスもSEAとみなしてよいのではないかという浅野先生のお話もありましたが、確かに国の方では、いわゆる欧米で言われているSEAの5つの要素が1つでも入っていれば、それはSEAであるといった言い方もされています。私どもの報告書の中では明確に使い分けをして、最初の国際的に言われているものをSEAとし、それ以外の日本式のものを計画段階アセスというふうに取り上げて、その両方を含めてミックスしたような、総合アセスというものをやっていきたいと考えています。

フンク委員
 関連した質問ですが、そうであればSEAを導入しても、既存の事業環境アセスは別に残るということになるのですか。しかし、SEAを現在の制度の問題点を解決するための手法と考えるならば、やはりSEAの基本的な考え方を現在の事業環境アセスにも適用する必要があると思います。また、今日の講演によれば、アメリカやオランダなど海外ではかなり連続性として考えられていて、つまり、SEAがあって、それとは別に各事業のアセスがあって、それぞれ基本的な考え方が違うということではないように思いますがいかがでしょうか。

担当課長
 現行の事業アセスとの関係は、今後、当然検討する必要があると思うのですが、現段階で考えているのは、この総合アセスを取り入れた場合、ものによっては、まず政策あるいは計画、プログラム段階で環境アセスをやり、それから場合によっては、その中に含まれる個別事業について計画段階アセスもやる。さらに現在の事業アセスも当然やっていく。すなわち、物によっては3段階のアセスをやるということもあり得るのではないかと考えています。
 ただし、その内容については当然差があると思います。現行の事業アセスでは、定量的にきちんと環境の状況等を評価していますが、例えばSEA段階での環境予測、評価は定性的にやっておいて、次の計画段階アセスではある程度定量的な話も取り入れる。あるいはその段階で現行の事業アセス程度のアセスはやっていただいて、その手続を経ていれば、事業アセス段階ではそれを割愛するといった扱いも考えており、そういったことを将来的に検討していきたいと思っております。

中川委員
 今の質問と関連しますが、現行の広島市環境影響評価条例との整合性のところがもう一つあやふやかと思います。24ページの下から6行目に「的確な時期に適切な内容を」ということで、無理のないというか、はっきりしない表現をされています。ここのところについてもう少し基本的な考え方を出していただければわかりやすいかと思います。

担当課長
 繰り返しになるようで恐縮ですが、あくまでもそういったSEAの概念、あるいは計画段階アセスの概念を取り入れたような新しい総合アセス制度の基本構想をまず策定し、例えば条例や、現行の事業アセスとの関連、あるいは将来的にどうするかといった問題は、基本構想を策定した後に十分煮詰めていく今後の検討課題にさせていただくという考えで、こういった構成になっています。ですから、まずこの審査会では、総合環境アセスメントの基本的なあり方がどうかという点について重点的にご審議いただければと考えています。

宮田委員
 皆さんの意見と重複するかと思うのですが、事業と、政策、計画という言葉がありますが、政策、計画というのは事業のための政策であり計画なのではないでしょうか。個別の事業とは別に、何か宙に浮いたような政策とか計画があるわけではないと思います。個別の事業に先立って、何らかの政策なり計画があるわけで、フンク委員が仰られたように続いている問題だと思います。中島先生のご意見ですと、何か切り離されたようなイメージを持つのですが、個別の事業のための政策であり計画であって、続いているのは当然のことだと思います。

中島委員
 政策の場合には、まだ個別の事業化がなされてない話が沢山あります。例えば、「ごみ処理しなければならない」これが政策ですね。そこからどういう事業が可能なのか。焼却するのか埋め立てるのか、いろいろな可能性がありますね。処分場が足りないということであれば、処分場をつくるかわりにもっとソフトな方法でごみを削減しようといった事業も可能ですね。
 それと、計画については、都市計画あるいは地域計画といったものも事業にはつながるのでしょうけれど、そういう上位計画の段階では必ずしもどこに何をつくるとかというような事業化がされていることはないと思います。

宮田委員
 事業につながるような計画や政策でなくては意味がないと考えるわけで、先ほどのお話で何か違う次元の話のような印象を受けたのです。

フンク委員
 今の問題と先ほどいだいた説明に関係しますが、現在のシステムの問題点をある程度改めようとしてSEAを導入することを考えると、今のシステムは置いておいて、それとは完全に分けて基本構想をつくるということには問題があると思います。また、先ほど仰ったように3Pの連続性があるので、それぞれ別個にアセスがあるというシステムにすると難しいところがあると思います。だから、できるだけ統一性があり、わかりやすい、はっきりしたシステムを作らなければならないので、現行のシステムを置いておいて、新しい構想を考えて、それが完全に独立したものになり、場合によっては3つの違った制度が残ってしまうような状況は避けた方がいいように思います。

副会長
 私は、今回の骨子案は、従来の事業アセスと余り変わらないと思っています。なぜ変わらないかというと、これまでにも、例えば、計画段階でいろいろなアセスをしていたと思います。ただ、それが水面の上に出てこなかったということを浅野先生が仰っていました。それが今回水面の上に出てくるということで、それをどのように骨子案にまとめるかということなのです。ですから、やっていることは余り変わったわけではなく、昔から各部局でやっていたと思うのです。ただ、水面下から上に出てくる時期をより早い段階にしようとしているのであって、新しく全く別なことをしようとしているわけじゃないということです。だから、水の上に出てきた時の取り扱い方をどのようにまとめていくかということだと思うのです。
 基本的にこの件に関しては、どう進めていけばいいのか分からない問題がたくさんあります。精神的な問題なので、方向性というのを重点に骨子案をつくっていただいて、余り細かく具体的には書かない。説明では書いてもいいのですが、骨子案としては抽象的に書いていただく。ただし、方向だけは確かにしておくというような形でまとめていけばいいのではないかと思います。また、それとは別に、具体的な説明文をつけていくというふうにしていただく。全部が骨子案ということになると、一つ一つの文言について、いろいろと意見が出てきますので、骨子案としてはできるだけ単純になるようにまとめていただいき、それから、あとは説明文をつけるというようなことじゃないかと思っています。
 予定を20分過ぎてしまいましたので、本日の会議は終了したいと思いますが、どうしても言っておきたいことがあれば、できるだけ簡単にお願いします。

関委員
 このSEAの対象として、公共事業だけでなく、個人あるいは企業を含めるのかどうかということの説明があいまいなのですが。ずばり含めるのか含めないのかお答えください。

担当課長
 基本構想としては、含めたいと考えております。当然、国、県の事業も含めて、民間事業もすべて含めたいというふうに考えています。

窪田委員
 この骨子案は、今後どのようになりますか。この後、まだ意見を文書で出すという可能性が残っているのでしょうか。

副会長
 今回、意見をまだ完全に言ってもらったわけではないのですが、今回の意見をまとめて、次回に骨子案を具体的に修正したものをご提示いただいて、それについてもう一度議論する場があるというふうに理解しておりますが、それでよろしいですか。

担当課長
 はい、そのようにさせていただきます。
副会長
 それでは、骨子案を修正したものを委員の皆さんにお送りいただいて、次回に十分議論していきたいと思いますがいかがでしょうか。

担当課長
 はい、そのようにさせていただきます。

中島委員
 情報提供です。SEAがどのようなものかということについて、香港でのSEAのレポートをWebサイトで公開したという情報があります。ご関心があればインターネットで見られたらいいと思います。

副会長
 次回の日程等について事務局から説明してください。

担当課長
 既にご案内しておりますが、玖谷埋立地の拡張整備事業に関する環境影響評価実施計画書が提出されており、これについて7月12日(金曜日)に現地調査も含めまして審査会を開催しますのでよろしくお願いします。
 それから、この総合アセスに関する次回の審査会につきましては、本日の議論を踏まえて、事務局で骨子案を修正し、できれば8月の上旬ぐらいに開催したいと考えております。なお、具体的な日程につきましては改めてご連絡させていただきます。

副会長
 それでは、これで第2回の審査会を終わります。

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)