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環境影響評価審査会開催結果((仮称)JR可部線電化延伸事業 第1回及び(仮称)石内東地区開発事業 第4回:平成23年2月24日)

ページ番号:0000013560 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

広島市環境影響評価条例に基づき、(仮称)JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価実施計画書及び(仮称)石内東地区開発事業に係る環境影響評価準備書についての審査を行うため、広島市環境影響評価審査会を開催しました。

1 日時:平成23年2月24日(木曜日)10時00分~11時55分
2 場所:広島市役所本庁舎 14階 第7会議室
3 出席者
 1. 審査会委員(五十音順、敬称略)
   窪田幸子、河野憲治(副会長)、小阪敏和、坂本智栄、高井広行、棚橋久美子、土田孝、
  中西伸介、長谷川弘、林武弘、深田成子、堀越孝雄(会長)、矢野卓雄、吉田倫子 以上12名出席
 2. 事業者
   西日本旅客鉄道株式会社:建設工事部 岡田康司 他7名
   広島電鉄株式会社:太尾田リーダー 他7名
 3. 事務局
   城環境局次長、毛利環境保全課長、山本課長補佐、他2名
 4. 傍聴者
   2名
 5. 報道機関
   1社
4 会議概要
 1.  審査会は公開で行った。
 2.  (仮称)JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価実施計画書について審議を行った。
 3.  (仮称)石内東地区開発事業に係る環境影響評価準備書について審議を行った。
5 審議結果概要
 1.  (仮称)JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価実施計画書及び(仮称)石内東地区開発事業に係る環境影響評価準備書の内容等について、各委員から意見が出された。
 2.  審議で出された意見に基づき、答申案を作成することになった。
6 会議資料
  下のリンクからダウンロードできます。
7 議事録
  下のリンクからダウンロードできます。

山本課長補佐
 環境保全課の山本でございます。本日は、委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、お集り頂きまして、誠にありがとうございます。
 只今から、平成22年度第4回環境影響評価審査会を開会します。
 審議は12時までの2時間を予定としており、前半を(仮称)JR可部線電化延伸事業につきまして、後半を(仮称)石内東地区開発事業につきましての御審議を頂くこととしておりますので、御協力をお願い致します。
 また、本日の会議でございますが、委員定数17名に対して、現在のところ御出席の委員が13名と、会議の定足数の過半数に達しておりますことを御報告申し上げます。
 それでは、はじめに、環境局次長でエネルギー・温暖化対策部の部長を兼務しております城次長から、御挨拶申し上げます。

城次長
 環境局次長の城でございます。広島市環境影響評価審査会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、本審査会に御出席を頂きまして誠にありがとうございます。今回は今年度に入りましてから4回目ということでございますけれども審査日程の関係で二つの案件を御審議頂くこととしておりますので、宜しくお願い申し上げます。本日新たに御審議をお願い致します(仮称)JR可部線電化延伸事業は、本市の環境影響評価条例の対象となる8件目の事業でございまして、鉄道事業は初めての案件でございます。御案内のように、この事業は平成15年、2003年12月に廃止されましたJR可部線の一部を電化して復活させることが検討されているもので、地域住民の皆様の関心も非常に高い事業でございます。こうしたことから、事業の実施に当たりましては周辺地域の環境には十分配慮した事業になるよう進めていく必要があると考えております。
 委員の皆様には、そうした観点から忌憚のない御意見を賜りますようお願い申し上げます。どうぞ宜しくお願い致します。

山本課長補佐
 それでは、審議に先立ちまして、諮問書を城エネルギー・温暖化対策部長から堀越会長にお渡しします。

 [諮問書を堀越会長に手交]

山本課長補佐
 ありがとうございました。引き続きまして、本日、お手元にお配りしております資料の確認をさせて頂きます。
 まず、「平成22年度第4階広島市環境影響評価審査会次第」、「第4回広島市環境影響評価審査会配席表」、(仮称)JR可部線電化延伸事業に関しましては、「資料1(仮称)JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価手続き」、「資料2(仮称)JR可部線電化延伸事業環境影響評価実施計画書に対する市民意見の概要及び事業者見解」、又、委員の皆様方には、この他、予めお送りさせて頂いております(仮称)JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価実施計画書がございます。
 (仮称)石内東地区開発事業に関しましては、「資料3(仮称)石内東地区開発事業に係る環境影響評価手続き」、「資料4(仮称)石内東地区開発事業に係る準備書への意見及び質問等について」、「資料5(仮称)石内東地区開発事業環境影響評価準備書に対する市民意見の概要及び事業者見解」でございます。
 もし、お揃いでないようでしたら事務局にお申し付けください。
 それでは、これからの議事進行は、堀越会長にお願いします。宜しくお願い致します。

堀越会長
 おはようございます。今日は、案件が2つということでいささかタイトな日程になると思いますけれども、しっかり議論していきたいと思いますので、よろしくお願いします。只今、市長から審査会へ諮問を受けました(仮称)JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価実施計画書について審議を致したいと思います。それでは、まず、本件の資料につきまして、事務局の方から御説明をお願い致します。

毛利課長
 おはようございます。環境保全課長の毛利でございます。本事業の環境影響評価に係る手続きについて、御説明させて頂きます。資料1の「(仮称)JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価手続き」を御覧ください。フロー図で灰色に塗りつぶした部分が、これまでに既に終わった手続きとなっています。
 本事業の環境影響評価は、昨年12月9日に実施計画書が提出されまして、12月13日から今年の1月12日までの1か月間縦覧を行いました。実施計画書に対する市民等からの意見書の提出期限は1月26日まででした。2月16日に意見の概要と事業者見解を記載した書類が市長に提出されましたので、60日後の4月17日までに実施計画書についての市長意見を述べることになります。その後、事業者は市長意見や市民意見等を勘案して検討を加え、環境影響評価を実際に実施することになります。
 続きまして、資料2の「(仮称)JR可部線電化延伸事業環境影響評価実施計画書に対する市民意見の概要及び事業者見解」について御説明させて頂きます。これは、本件の実施計画書について2件の市民意見が提出されましたので、事業者により市民意見の概要と意見に対する見解をとりまとめたもので、御審議の参考として頂くため、お配りしております。
 資料の説明につきましては以上でございます。

堀越会長
 ありがとうございました。只今、御説明頂きました手続きにつきましては、よろしいでしょうか。今回の審査会には、事業者である西日本旅客鉄道株式会社の方に御出席頂いております。引き続き、事業者から、環境影響評価実施計画書の内容について御説明をお願いしたいと思います。

事業者(西日本旅客鉄道株式会社)
 西日本旅客鉄道株式会社で可部線電化延伸事業を担当しております岡田と申します。よろしくお願いします。まず、環境影響評価実施計画書の説明に先立ちまして一言、御挨拶させて頂きます。
 可部線の電化延伸事業は、地元住民の方々から長年の御要望を頂いておりまして、本事業は沿線住民の方の利便性の向上、更には地域の活性化、これに大きく貢献するものと認識いたしております。現在、弊社では可部線電化延伸事業の計画並びに広島市様等を始めとします関係機関と協議を行っておりますが、今後の最終的な事業決定に向けて検討、調整を進めているところでございます。本事業の特徴としましては、先ほども御説明がありましたが一度廃線した所を今回、復活させるということ。それから環境の面で申し上げますと市街地の中での事業となるということ。そういった特徴がある事業かと考えております。本日、本事業が環境に配慮したより良い計画となりますよう皆様の御審査のほど、何卒、よろしくお願いしたいと考えております。それでは実施計画書の内容について御説明申し上げます。

 [事業者により、パワーポイントを利用して環境影響評価実施計画書の内容について説明]

 本日の審査を受けまして、設備計画等の詳細につきまして更に検討を深度化させますとともに、関係機関との協議を進めて参りたいと考えておりますので、どうぞ、よろしくお願い致します。

堀越会長
 ありがとうございました。それでは、ただいま御説明のありました実施計画書について、委員の皆様から御意見や御質問をお願い致します。

高井委員
 2点お聞きしたいんですけど、1点目は、現地を昨年の末に見させて頂きまして、レールにしても枕木にしても老朽化、朽ちております。既に、廃線にしてから8年が経っています。この実施計画書を見ていきますと、工事は一番最小限度にしてというふうな表現にされていますが、路盤、路床の状態、下の土が流れているという状況がひょっとするとあるのかもわからない。そういう事があると、大がかりな工事を行わないといけなくなる。今までどのような点検をされておられたのかということが一つ。
 それから、住宅地区ですから電波障害、テレビなどの電波への影響をどのように考えられておられるか、その2点を教えてください。

事業者(西日本旅客鉄道株式会社)
 1点目の路盤、路床について8年経っておりますので、どのような点検をされておったかという御質問ですが、路盤、路床につきましては基本的に8年前には走行しておりましたので概ね問題ないと考えておりますが、列車の安全走行を確保するためには所定の強度でありますとか所定の形状を確保する必要がございますので、現在、路盤の強度でありますとかバラストの状態、こういったものの現地の調査を行っております。この結果を踏まえまして、そのまま使える物はそのまま再利用することを考えておりますし、もし、改良とかバラストの入替えが必要となれば必要な対応を行っていきたいというふうに考えております。

高井委員
 今まで行われた所では、概ね良好ということですか。

事業者(西日本旅客鉄道株式会社)
 今、まさに現地の強度の調査を行っておりまして、その結果を踏まえて今後、判断していきたいと思っています。
 2点目の電波障害の件でございますが、通常、鉄道の高架事業を行えば電波障害の可能性がかなり高いんですが、今回は平地になります。駅舎等につきましても1階建ての平屋になりますので電波障害を起こすような可能性は低いというふうに考えております。ただ、そういった可能性がないかという事について必要な検討は行って参りたいと考えております。

堀越会長
 今回、大きな変更はないということですが、一つの変化は電化するということだと思うんです。今の2番目のお答えというのは、新たに架線することによる問題もないというお考えだと解してよろしいのでしょうか。

事業者(西日本旅客鉄道株式会社)
 御指摘のとおり、電化しまして、そこに架空線と言いますか電線が張られる事になりますので、そこで何らかの電磁的な影響がある可能性はもちろんございます。今後、そういった影響がないかどうか詳細な検討をして参りたいと思います。

吉田委員
 景観の評価についてですが、ここは市街地にあるという事で果たして3キロとか1キロ離れた所から写真を撮られて、建物に隠れて架線が見えないという事で景観を阻害していないという評価をする必要があるのかと感じます。これまでもあった所ですので、特に遠距離で全体を見るという必要はあるのかと感じます。遠景で撮るのではなくて、もう少し近景だとか、歩かれる方の視線で景観を阻害しない駅舎が建つのかというような評価をしたほうがいいのではないかというふうに感じました。
 もう1点なんですけど、市民の方の御意見で「支柱と架線を環境にあったものにして欲しい。」という回答の中で周辺環境と調和するよう配慮するという事なんですが、この実施計画書のレジュメの1枚目にある可部線の写真に支柱と架線がありますが、これ以外に実際、環境に調和したような設備とはどのようなものがあるか教えて頂きたいと思います。

事業者(西日本旅客鉄道株式会社)

 1点目の景観に関する御質問ですが、今回、遠距離からの評価を考えておりますが、確かに、今回新設する構造物は非常に低層でございますので遠距離からの景色というものは非常に影響は限られていると思っております。むしろ近距離の、特に沿線住民の方にとりましては、影響が大きいものと考えております。つきましては、今回の実施計画書におきましては遠距離からの評価という事を書いておりますが、非常にマクロ的なものになってしまいますので、今後、状況に応じて近距離からの評価をどのように行っていけばできるのかという事を検討して参りたいというふうに考えます。
 2点目の新設する架線が環境に調和したものとは、どのようなものになるかという事でございますが、お配りした資料の1枚目の写真が現状の電化されている可部線です。今回、電化にあたって景観上、問題となると考えますのは電線、架空線ですが、電柱から電気を供給するために空中にかなりの本数の電線が通っております。そういった物をなるべく減らす工夫を考えております。それから電柱ですが、2、30メートルごとに建つようになりますが、電柱につきましても建てる位置を工夫する。例えば、沿線住民の住宅の真ん前に建てるという事は避けて、家の間に建てるとか現地での工夫というのを行って参りたいというふうに考えております。

吉田委員

 近景では、支柱が建つ事はある程度しょうがないと思うんですが、これがあるから景観が悪いというような評価ではないと思うので、今、言われたように家の前に支柱が建っている景色と、そうではなくて配慮した家と家の間に配慮して建てますという工夫をしていますという表現されたほうがいいのかなというふうに思います。
 もう一つなんですが、資料の8ページにあります写真の可部バイパスに向かっていく線路の途中に、人が歩きそうな所が写っていますが、おそらく住民の方が行き来をされているという事なのかなと思いまして、可部のほうも高齢化も進んでおりますので、極力、安全に配慮した整備ができるなら、そういった所にも配意を頂ければというふうに思います。当初は遮断機があった所を車が止まらずに通れるようになっていて、それは車で通行する人にとっては便利な状況になっているのが、今度は列車が通ることにより便利になる反面、車で往来する方にとっては不便になるという事で、見た目でも安全な設備が配置されることは大事かなと思いますので、そういう事も評価してほしいなと思います。

事業者(西日本旅客鉄道株式会社)
 先ほどございました鉄道と沿線の方の通行、あるいは車との通行、そういった交差する箇所においての安全性確保でございますが、我々、鉄道事業者としましてもこの安全確保というのは最重要の事項と考えておりまして、今回、延伸することによって踏切の扱いでありますとか、元々、住民の方が横断されていた所の扱い、こういったものにつきましては安全性確保を最優先に広島市様をはじめとする関係機関と協議を重ねて検討して参りたいというふうに考えております。

高井委員
 関連して、資料の7ページ、9ページを見ていまして、鉄道敷と道路や民家の境がありますが、その境にフェンスみたいなものを計画されているのか。資料の写真を見ますと民家の裏にほうきやはしごが置いてありますけれども、ここら辺を皆さんウロウロされているのかなと思いますが、そういうふうな所の安全面はどうなんですか。

事業者(西日本旅客鉄道株式会社)
 写真のとおり、現在、廃線敷と住宅との間には柵はまったくない状況でございます。今回の電化延伸にあたりましては、この境界部分に線路に立ち入らないような防護柵を沿線に設置するという事を考えております。

林委員
 8年間電車が走っていない状況ですよね。これまではディーゼルカーが走っていたんでしょうか。過去の話ですが、可部から三段峡行きは、日に何本ぐらいだったんですかね。

事業者(西日本旅客鉄道株式会社)
 過去は、可部より以北、三段峡までは1時間から2時間に1本程度だったと。

林委員
 かなり少ないですよね。今度は20分に1本ですよね。今、8年間何もなくてすごく静かなことに皆さん慣れておられるだろうなと思ってですね。電車ですからディーゼルカーのようなエンジンの音はしないんでしょうけれども、ただ本数がすごいし、これまで静かだったのが急に変わってしまうので、むしろ工事というよりも電車が走行する時に騒音関係で住民の方から色々、出てくるのかなと私は危惧しているんですね。もちろん、便利になるからいいという事もあるんでしょうけれども、さっきのお話のあった安全の事とか、急にそのような状況に変わってくるので、騒音関係では特段の御配慮をされたほうが、特に初めの段階はですね、重要ではないかなというふうに思うんですね。住民の方にとっては環境が急変したと感じられるというふうに私は思っております。その辺の配慮を考えて頂けたらというふうに思います。

事業者(西日本旅客鉄道株式会社)
 列車の走行に伴う騒音につきましては、今回の事業の最大の課題と言いますか注意すべきポイントだと考えております。レールの継ぎ目をなくして欲しいという住民の方からの御意見がございましたが、弊社としましては環境庁の指針、そういった法令を満足すること、これはあくまで最低限の事です。それに加えまして沿線の地元住民の方あるいは住宅の状況も配慮しまして、今後、必要な検討を行って参りたいというふうに考えております。

長谷川委員
 実施計画書ですけど、今後、本格的な予測、評価をどんな方法で行うかという事を十分書いてないといけないと思うんですけど。今、私は調査、予測、評価をどんな手法で行うかという76ページ以降をめくっておるんですけど、調査、予測に関してはかなり綿密な具体的な方法が展開されているんですけど。そういった結果を基にしてどう評価するかというあたりの記載をもう少し検討されないものかなと思います。76、77ページの表は現況調査と予測の手法しか書いておりませんで、それでは評価はどうするのかとめくっていきますと、例えば、80ページに大気質はこの四角の枠の中にあるようなやり方で行っていきますと書いております。他の項目についても順次、四角の枠の中に書いてあるんですけど。いずれも市が持っております技術指針に基づいて、こんな方法で行いますと書いております。同じ技術指針の中で、評価の目的というのはいかに影響を抑えるために環境保全の配慮が適正になされたかというところを判断しましょうというのが評価だというふうにある訳ですよね。四角の中に「実行可能な範囲でできる限り」というふうに書いてあります。できる限り実行できるものを行いましたという事が、先ほど言いました適正になされているという事に即、イコールにはならない訳ですね。そこを評価の中でどう見ていくか。やり方の一つとして、同じ技術指針の中に例えば環境基準、排出基準が法的にあるいは目標値としてあればそれと比較してその中で適正かどうか判断しましょうと技術指針の中に書いてありますよね。それに沿ってこの四角の中にも例えば大気質であれば、環境基準と整合性を図りますとあります。これはそのような方針でよろしいかと思うんですね。最後のほうの96ページの二酸化炭素の排出に関して、下のほうの表5-2-25にございますけれども、これもやはり基準となるようなものはないと思うんですが、例えば、この地域での排出削減目標であるとか、鉄道事業ならではの排出目標であるとか、JRさん独自のものがあったりするかもしれませんが、こういったものをここに目標値として持ってくれば、より的確に行った対策が適当かどうかがより分かりやすくなると思うんですね。そういった事が二酸化炭素に関してはできます。目標値、計画値がないというふうなものがいくつかありまして、例えば粉じんに関わる評価が81ページにございますけれども、これなどは特に基準、目標値という話はありません。それから景観についても、93ページにもここにもそういったものはないんですね。数値を設定することは難しいと思います。その場合はどうするのかというのが技術指針の中に、代替の対策を比較した中で適当らしいものを評価していきましょうという事があります。ですからこういったものに関して、代替的に比較できるようなものをやっていきますという事を評価の方法として挙げていくことができないのかどうかという事を考えました。コメントとして申します。

事業者(西日本旅客鉄道株式会社)
 今回の実施計画書におきましては、御指摘のとおり、評価項目、評価の手法までを記載しておりますが、今後、準備書、評価書を作成していく上では今、御指導頂いたような事柄を踏まえまして、特に基準がないようなものにつきましては今、御指導頂きました内容を踏まえて、適切な評価ができるような形で検討して参りたいと思います。

棚橋委員
 御説明のありました事業の目的と内容のところで、この事業の実施を推す要因として3点お話になりました。その中で住民から強い要望があるんだというお話でしたが、このアンケートの答えられた方の総数がどれぐらいか分かれば、もっと説得力があると思うんですが、これはお分かりですか。例えば100人と1000人では、82%というものが持っている意味合いが違ってくると思います。

事業者(西日本旅客鉄道株式会社)
 このアンケートは河戸地区、亀山地区の2つの地区の住民の方を対象としております。これは電化延伸する区間の沿線の方です。具体的な人数については今、手元に持ち合わせてないんですが、電化延伸の沿線で直接、恩恵を被るエリアの方に対するアンケートという位置付けであります。

棚橋委員
 分かりました。それから、JRさんに今回の事業の事でお伺いしていいのかどうか不明なんですが、先ほど林委員、高井委員からお話があった、これは実施されて電車が走るようになった時の事ですが、皆さんが望んでいるという事は使うという事ですので、例えば駅前のどこに自転車を停めるのか、駐輪場、駐車場を整備することもありますが、そういう所までお考えなんですか。例えば、駅前が狭くて自転車が並んで、えらいことになっているということは、先ほどから出ている景観の問題にしても安全の問題にしても使いやすさの問題にしても問題が出てくると思うんですが、駅前の整備についてはJRさんの話ではないという事なんですか。

事業者(西日本旅客鉄道株式会社)
 駅前の整備につきましては、結論としますと広島市様が整備する事業になります。弊社としましても駅だけではなくて駅周辺、駐輪場等を含めた設備が一体となって地域の方に使って頂けるようになると思っておりますので、弊社としましても広島市様を初めとする関係機関と協議を行っていきたいというふうに考えています。

堀越会長
 今日、非常に重要な案件を2つ処理しないといけないという事で厳しいのですけど、これは言うまでもない事だと思いますけれども、今日は実施計画書なので、環境影響評価をする際の抽出項目が適切なのか、それから、手法はどうなのかというあたりが一つのポイントなのかと思います。そうして考えてみると今回、既存の線路敷を使うという事なんですけど、大きく変わる所はどこか、先ほど申しました電化するという事、それからターミナルの河戸地区と中間新駅を造るという事。そうするとある程度土地の改変を伴うのかなと思うんですけど、そうすると土砂とかそういう問題も出てくるでしょうし、先ほど林委員からありましたように、私はよく存じませんが、たぶん昔は可部から先は1両か2両で低頻度で、今度は可部駅の頻度を確保するという事で基本的には20分に1本になる。たぶん朝、夕は10分に1本ぐらいになる。それから連結数も基本は2両で4両にもなる。それから1車両の重量とかも少し気になるんですけども、そういう事に関連してこの評価項目あるいは方法が適切なのかどうかというあたりが一つのポイントなのかなと思うんですけど、特に項目とか方法についてあれば。

河野副会長
 2点あります。一つは景観、安全という事で電化という事ですけど、頂いた資料の8、9ページの所で先ほどから防音壁、フェンスの話がありますね。今の状況(線路の側に1メートルの程度の高さの網フェンスが設けられている)ですと例えば線路に人や小動物が入って来ないという所までだと透けて見えるフェンスでいいと思うんですが、耐震とか防音とかという事になりますと見えないような壁になりますね。そうすると景観が全く変わってくる。通気性も変わってくるという事になると思います。その辺が比較できる写真ででも比較して頂ければいいだろうと。
 もう一つは、温室効果ガスを二酸化炭素、CO2という事だけで評価されるようですけど、車の排気ガス内のN2O、亜酸化窒素についても重要な温室効果ガスですので、それを評価に入れるとプラスのほうに少し傾くかなと思います。(NOxに亜酸化窒素も含まれますが、CO2の320倍と温室効果の高い亜酸化窒素を意識してCO2を換算評価すると、電化により温室効果ガス削減効果がさらに高く評価される)以上、2点です。

土田委員
 先ほどちょっと出ましたが、駅ができることによって誘発される、例えば朝夕のラッシュ時における自動車交通であるとか、それによる通学路に対する影響というものは、この実施計画書に入っているんでしょうか。そういう影響も一応、有り得ると思うんですけど。

事業者(西日本旅客鉄道株式会社)
 本事業によりまして、自動車交通、削減されるものもあれば、例えばキスアンドライドで増えてくるとか、減少する要素、増加する要素、それぞれあると思います。今後、そういった予測評価がどの程度可能なものか手法を含めて勉強しまして、可能であればそういった効果を取り込んでいきたいというふうに考えております。

窪田委員
 教えて欲しいことなのですが、中間駅の位置というのは決まっているものなのでしょうか。景観に配慮した構造、色彩の採用に努めるというふうに書いていらっしゃいますが、一体どういう駅舎が景観に配慮した構造なのかという事も併せて教えて頂ければと思います。

事業者(西日本旅客鉄道株式会社)
 中間駅の位置につきましては現在、検討中でございまして広島市様と話を詰めまして最終的に決定していきたいというふうに考えております。それから、環境に調和した駅舎とはどういう物かという御質問ですが、駅舎は基本的に1階の低層の小さな駅舎になると考えています。色彩については、周りの環境を乱すような色彩は避けまして、周辺が住宅地又は畑のような所ですので、そういった所に溶け込むような色彩を検討して採用して参りたいと考えています。

堀越会長
 評価項目で、先ほど高井委員のほうからも出たんですけど、電波障害の問題は一般には高架にすることによって物理的にブロックされるということであると思いますが、架線を張ることによって、もし、電波障害が出る可能性があるのであれば、その項目も必要なのかなと思うのですけれども。
 それから、もし、ターミナルで大規模な土地の改変を伴うのであれば工事期間中の土砂の問題も出てきますが、その点はいかがでしょうか。

事業者(西日本旅客鉄道株式会社)
 電波障害の件につきましては、今回、新たに電線を張ることによって周辺住民への影響がないかどうか事前に確実に検討しまして、もし、影響があるという評価になりますと必要な対策を講じて参りたいというふうに考えています。あと、工事に伴う土砂の発生とかそういった事につきましても、基本的に大規模な土砂の掘削はないと考えておりますが、今後の検討によりましては一部土砂の入替えも発生しますので環境負荷が低減されるよう必要な対策を考えて参りたいと思います。

堀越会長
 くれぐれもよろしくお願い致します。いかがでしょうか。まだまだ御意見お有りかと思うんですが実は時間が限られておりまして、このあたりで締めさせていただけましたらと思います。事務局は本日の議事録を取りまとめて、各委員にお届下さい。また、今日の御意見等を踏まえて、本審査会の答申案の作成をお願い致します。委員の中で、もし、追加の意見や、言い足りなかったところがございましたら、早めに書面で事務局のほうにお届けくださるようにお願い致します。ありがとうございました。

山本課長補佐
 それでは、次の案件のために事業者が入れ替わりますので、しばらくお待ちください。

 [事業者の入れ替えを行ない、(仮称)石内東地区開発事業の審議を開始]

堀越会長
 よろしくお願い致します。引き続きまして、(仮称)石内東地区開発事業に係る環境影響評価準備書の審議に入ります。2回目でございます。まず、今回の資料について、事務局のほうから御説明をお願い致します。

毛利環境保全課長
 それでは、お配りしている資料について御説明させて頂きます。
 まず、資料3「(仮称)石内東地区開発事業に係る環境影響評価手続き」というフロー図を御覧下さい。現在、灰色に塗りつぶしている所まで終了しています。下から3分の1あたりの※今後の手続きの所を御覧頂ければと思います。本事業の環境影響準備書について提出された市民意見に対しまして、広島市環境影響評価条例の規定に基づきまして、2月10日に意見の概要と事業者見解を記載した書類が広島市長に提出されましたので、これから90日後の5月11日までに準備書についての市長意見を述べることになります。
 続きまして、資料4「(仮称)石内東地区開発事業に係る準備書への意見及び質問等について」を御覧ください。これは、前回の審査会の場で委員の皆様から頂きました御意見あるいは御質問と、それに対する事業者からのその時の回答を事務局のほうでまとめさせて頂いたものです。それから、もう一つ、資料5というものがございますけれども、これは、本事業について提出されました市民意見の概要とそれに対する事業者見解をとりまとめたものでございまして、この2月10日に市長に提出されたものでございます。御審議の参考として頂くため、お配りしております。
 資料の説明は以上でございます。

堀越会長
 ありがとうございました。それでは、只今、説明のありました資料等を参考に、色々御質問とか御意見があればお願い致します。時間的に限られておりますが集中して、できるだけ充実した議論をしたいと思います。よろしくお願い致します。

矢野委員
 前回もお伺いしたんですけれども、車の誘導の話で田方方面から上がって来た車が2箇所の交差点を通過した後にオーバーブリッジに入っていくという計画になっています。現地を何回か見させて頂いたのと、祇園にできましたイオンモール、三菱の跡地ですね、を見学させてもらいました。祇園のイオンモールの周辺道路が悲惨な状況です。そこまで酷くならないと思いますけれども、やはり混雑が予想されるということで、田方方面から上がって来た車の右折レーンをできるだけ長くとるという事をお願いしたいと思います。以上です。

事業者(広島電鉄株式会社)
 上がって来て、一番最初の交差点につきましては、県道拡幅上の問題はありますが、警察からの御指導もありまして、できる限り長くとるという事で対処いたしております。同じく、もう一つの交差点についても事業地内側に拡幅しながら右折レーンは基本的にできるだけ長くとるという考え方で対処いたします。

堀越会長
 御回答頂いているのですけど、コンマ数ヘクタールの流域を持つ残流域が十数個ありましたけれども、そこにコンクリートの堰堤を設けるとか色々ありますけれども、一番問題は供用開始後の管理だと思うんです。御回答頂いておりますが、そこが一番不安なんですけど、それは如何でしょうか。

事業者(広島電鉄株式会社)
 流域数としては、16流域ございます。今、先生の方からありました大きな流域ですね、6流域については堰堤を造るような計画をしております。この6か所の堰堤のうち、管理についてですけど、5か所については広島市の方で管理して頂くように協議しております。あと1か所については、事業者の方でも他の団地で経験があるんですけども、事業者の方で管理するという形で協議をさせて頂いております。管理して頂く広島市と土砂の搬出ができるよう堰堤までの管理用道路というものを当初より幅員を広くする協議をさせて頂いています。それから16流域のうち、小さな物ですね、そういうものについては、水路の付け替えとか、水路を整備するとか、そういう水路に関しては、広島市の方で管理して頂くような形になります。それから土砂を単に止めるだけの土砂留、待ち受け擁壁みたいなものについては、事業者の方で管理するような形で考えさせて頂いております。背後流域の施設の管理については、そういう形で整理させて頂いております。

堀越会長
 そこら辺については、暮々もよろしくお願い致します。色々な砂防ダムを見てもすぐに土砂で埋まってしまって、そのまま放置される。多分、流れを緩やかにすると意味では、意味があるんだと思うんですけども用をなさなくなっているという例がほとんどだと思いますので、そこら辺はよろしくお願い致します。

高井委員
 前にも質問したんですけど、この地に貴重種といいますか、色々な植生がございます。例えば、サンヨウアオイ、クロバイ、ヘラシダが書いておりますけれども、そのような物とか、それに伴って色々な動物類が生息しているんですけど、実際に調査されて「できる限り移植します」という表現になっているんですけど、どのような場所を検討されているかという事と、もう一つ根本的な問題というのが、例えばギフチョウ一つをとりましても、生態系というか、そのようなものにどのような点で重要な観点を持っているのか、そういうような視点をどう考えておられるのかという事をお聞きしたい。

事業者(広島電鉄株式会社)
 まず、貴重種移植の「できるだけ」という表現にさせて頂いたのは、数が多い部分とどうしてもできない種もございますので、「できるだけ」という表現にさせて頂いております。移植先につきましては、調査の中で現況を把握し専門家の御意見を伺いながら選定していく、これからの部分もあるんですけれども、一応、選定させて頂きたいと思っております。基本的には、そこが生育できる環境を捉えながらという事になるんですけれども。

高井委員
 今のところは、まだ具体的には決まっていないということですか。

事業者(広島電鉄株式会社)
 はい。具体的には、ここっていう所はあまり決まっておりません。ただ、ギフチョウの生息環境を確保したいという事で、ギフチョウにつきましては専門家と話をさせて頂いているところですので、今は3か所程度は選定しております。基本的には改変しないエリアの中で残る所、事業区域外の所で事業者が土地を持っている所、そこを含めて生息環境が確保できる所を基本的には現状でも生育している所でもあるんですけど、そこを基本的な中心の考え方として確保しようとしております。

高井委員
 一度、途絶えますとなかなか再生できないという物ですので、注意してやって頂きたいと思います。

長谷川委員
 市民の方からの御意見の資料なんですけど、16ページ以降に水の事を懸念されている御意見があります。量的な質的な地下水や井戸水とかを含んだ諸々の意見が出ておるんですけど、事業者の見解として、そういった心配はあまりないんじゃないかという事。対策としては水位が低下したり水質が変化した場合には、地下水を付け替えてみたり、水道を設置するという御提案になっておるんですが、そもそも住民の方はそういった事にならないようにどうかお願いしたいというふうな事なんです。ただ、18ページの下から2つ目の事業者の見解の所に、「本事業による影響が出た場合、水道の敷設、井戸の付替という対応を取ります。実際に、地域の中で井戸か水道か意見が割れるような事態になった場合は、その際に協議させて頂くことになると思います。」とあり、本当に上手くいくのかなというふうに考えてしますような記述なんですけど、実際の話ですね、こういうふうな可能性があって被害を受けるような所帯の数というのがどのぐらいあるのか。それから、もし、本当にこういった事が残念ながら起きてしまった場合は、事務的な住民の間での意見調整が図れるのかどうか。この辺をお聞かせください。

事業者(広島電鉄株式会社)
 まず、井戸の場所ですけど、事業地の北側の谷頭がございまして、そこに4軒ほど井戸をお使いになられているお宅がございます。もう少し下流の石内川沿いにはもう少しあるんですが、直接、このエリアで考えられるとすると北側の谷頭に4軒、南側に1軒の5軒の井戸につきましては聞き取り調査をさせて頂いております。実は測りたかったんですが、測れない状況の井戸でしたので、一応、聞き取りという形で調べさせて頂きました。そこのお宅が中心になるかと思うんですけど、そういうような調整をさせて頂きたい。ここで水道か井戸かというお話は、質問が割れる場合はという話でしたので割れる場合について、調整させて頂くしかないのかなと思いまして、そのような答えになっております。

河野副会長
 法面の事なんですけど、準備書の39ページ、それから、市民の方の御意見の4ページにあります。切土、盛土の両方の法面があって、傾斜が切土で35度、盛土で30度とかなり急ですね。その場合に、やはりどういう工法でやられるかという事が書いてあるんですが、法枠、植生保護、法面植栽で法面保護をするという事になっています。具体的にどういう事を想定されるかという事を少し教えて頂ければと。
 それから、もう一つは事業者の見解のほうに、地震時というのが、安全計算が震度5弱を基準として挙げられていますけれども、もう少し安全方向にシフトしたような対応という事が考えられないかどうかという事、以上、2点です。

事業者(広島電鉄株式会社)
 まず、法面の事ですけど、切土法面で35度、盛土法面が30度で5メートルごとに小段というフラットを切土と盛土では幅員が違いますが1.5メートル、1メートル、15メートルごとに3メートルの物をとっております。法面の排水については、小段ごとに排水施設を設けます。それは横方向の物で、縦方向にも30メートルから50メートルおきに縦排水の形で水から法面を保護する形としております。それから、盛土法面について技術基準で、法長が20メートルを超えるような場合に一番下流側の法に法枠等の永久構造物で何か保護しなさいという事が指導されています。当然、それについては法枠等で、20メートルを超えるような法面については法面保護をやっていこう。それから、植栽についてですけど、これは林地開発という、ここが森林なものですから森林法の基準が適用されまして、芝ではなくて樹木で保護しなさいと指導されていまして、西風新都の中にもたくさんそういう形になっております。例えば、住宅と商業地域などの用途が違う区域境にも法面保護と環境を兼ね備えた造成森林という形で、樹木の高さによっての基準を基に樹木を何本以上、1500本以上、2000本以上セットしなさいという指導がございます。それはそのような技術指導に則ってやっていこうというふうに考えております。それが法面の雨水の防災上の話と植栽の法面保護の関係で、そのように考えております。

河野副会長
 今の点で結構です。具体的に分かりにくいんですけど、高さ、法面長ですね。それがどのぐらいの長さであればコンクリート枠にするのか。それから、コンクリート枠にした時にその中を更に植栽をするのか。コンクリート枠をしない所はどうするのか。

事業者(広島電鉄株式会社)
 法枠の中も当然、植栽をするようにしていますし、森林法の関係は県の関係になるんですけど、法枠で保護した中に樹木を入れるか入れないかというところも関係してくるんですけど、樹木を入れている所もある。いわゆる、法枠をして間に樹木を何平米に1か所ずつ入れるような保護の仕方もあるという事で、長さが例えば森林でいう造成森林を造らないといけない所であれば、樹木も植栽するような形で考えています。2段で考えるような形で考えております。
 法面の安定については基準がございまして、震度で言えば5という形になっています。これはどこもそういう形で指導されていますので、事業としても係数を単に0.1上げるか0.2上げるという事を簡単にここですることもいけませんし、それ以上という形になっていますのでそれ以上の形で安全率がとれるような形の物でやっています。地質についても十分良い形の定数が出ていますので、当然、安全率が今の計算でやっても、その震度の係数を入れてもそれ以上の安全率が確保されるような形で検証されている所でございます。

土田委員
 市民の方からの意見書の中にあるわけなんですが、私もなるほどと思ったんですが、防災対策については、第2章の方で記述されているわけですけど、第7章の調査結果の概要及び予測及び評価の結果という部分については、例えば、水質であるとか地形・地質といった部分に、雨であるとか土砂災害に関して触れられていると思うのですけれども防災という観点から予測及び評価という事がまとめられていないという点について、指摘がかなりあるんではないかと気がしたんですが、防災という観点でどういうふうに検討して、どういうふうに評価しているのかという事を一つ項目として起こすという事は、適切ではないかもしれませんが、その点はいかがでしょうか。

事業者(広島電鉄株式会社)
 基本的に項目として市の条例の項目の決め事がございまして、その中に該当するとすれば地形・地質か、もしかしたら水象という所に入るかもしれないんですけど、その中で防災という所をどこまでやられるかという所はあるかと思うんですが、準備書の段階では、まだ、そこまでの検討が出来ていなかった所もございまして事業計画の中で基本的な話でございましたので、項目として挙げられなかったという所もあるんですけど、今後、やっている中で地形・地質の中でもし、入れられるようであれば、その辺をふくめて、どのような入れ方ができるかは考えたいと思うがそのような方向もあるかなと思います。

土田委員
 逆に調査、予測及び評価の項目というのは、市の環境影響評価条例によって、項目が挙げられているのでその項目に沿って予測をしました。防災については、それに当てはまりそうなのは地形・地質、あるいは水象であると、そこに書きますという事なんですけど。むしろ、ここに項目が挙げていなくても土砂災害であるとか、地震でもそうですけど防災という事をあえて、この事業に関しては起こしますという事でもいいんではないかと思うんですけど、市の条例に項目にないものは挙げてはいけないという事になっているんでしょうか。

毛利環境保全課長
 おっしゃるとおり目次に書いてありますような大気から温室効果ガスまでの15項目を挙げていますのが、今の市の環境影響評価条例に基づく評価項目という事で、あくまでも環境保全的な立場での項目という事で評価して頂いているという格好になっているんですけど、審査会で防災関係とか安全面とか、そういった事の項目についてたくさんの御意見を頂きますので、今後、他都市の状況などを見ながら、どういうふうにどこまで取り入れていくかというのは検討していかなければいけないと思っているんですけど、今の段階で事業者にそれを全部入れなさいというのは。計画もアセスが一番先で、その後で基本設計、実施設計と段々と熟度が上がっていくという関係もございますので、委員の皆様に全部、御納得頂けるほど十分な体制をとっていますという所とアセスの準備書の段階が時間的なギャップがあるのは、いたしかたないのかなと思うのですけど、今後、どのようになるか分かりませんが審査会の答申としてこのような意見を頂いていますので、それは全部、事業者に出していって、それを載せるか載せないか、載せないから条例に沿ってないとは言えないとは思いますが、柔軟な所もいるのかなというふうに考えております。

堀越会長
 話の筋から外れるかもしれませんが、土田委員の御質問で具体的に例えば、センサーを設置しておいてイオンの変化から土砂崩れが起きそうだったら事前に予報を発するとか、時間雨量が70ミリを超えたら予報を発するとか、そのような具体的な体制という意味なのでしょうか。

土田委員
 既に準備書の方では、どれぐらいの雨が降るのか想定をして、あるいは予測をして、それに対してこういう対策をとっているという事が書いてあると思いますが、地形・地質の所でも同じように雨に対して、あるいは地盤や斜面の安定について書いてあると、こういう地盤であるからこういう事ですと書いてあると思うんですけど、これを読まれる方にしてみるとちょっと分かりにくい。ですから、むしろ、災害、防災という観点で、もしかしたら水象であるとか地形・地質で書いてある事と多少、オーバーラップするかもしれませんけれども、災害に関してはこれぐらいの雨、あるいは地震に対して予測をして、それに対してこういう観点で安全であると評価していますというふうな書き方に、あるいはこのような防災施設を設置することで十分安全ですというふうな書き方になっている事が分かりやすいのではないかという事です。

堀越会長
 そのような事も念頭において、よろしくお願いします。

高井委員
 前回も質問させて頂いた交通についてですけど、南側の方向に行きますと4万台を超えるという非常に多くの交通量が通るんですけれども、実際に広電さんですから削減対策というか、そういうものについてどう考えられておるのかという事が1点と。
 それから、我々の都市計画のほうで問題になっているのが、五月が丘団地なんかは高齢化してきまして買い物難民とかそのような事が言われてきています。だから、そういうような所でもそういうような人達に対して、広電としてどのような考えを持っているのか。例えば、無料の循環バスを動かすとか広域公園から無料バスを出して少しでも車を減らすという努力をされるのか、そのような観点をどのように考えられているのかお聞かせください。

事業者(広島電鉄株式会社)
 先ほどの4万台という交通量に対して、事業者としてどういった対策を取るのかという事は、当然、私どもは公共交通の会社でございますので、その辺りを走っておりますバス路線の見直し又はバス路線の新設等を、そういった形でできる限り公共交通を入れていかなければいけないというふうには考えております。それから五月が丘団地に対しても、今、言いましたように既存のバス路線の再編とか、まだ、今の段階ではどうなるか分からないんですけど、出店企業とタイアップして環状的なバス路線とか、そういった所はできる限り整備していきたいというふうな考えは持っております。

高井委員
 先ほど言った、地域にこの施設が出来て、地域に貢献をするという事で福祉的な観点から無料のバスサービスを行うような考えはございませんか。

事業者(広島電鉄株式会社)
 それにつきましても、当社だけではなくて予定しております出店企業と協議をしながら、できる限り無料バスができれば当然いいと思っておりますし、そういった形で何とか努力はしていきたいというふうに考えております。

堀越会長
 市民の方の御意見にも、そのような御要望とか御意見が多いようですので、よろしくお願い致します。

小阪委員
 環境影響評価審査会の委員としては、開発される所の動物がいなくなるという事ばかり考えていたんですけど、市民の方からの指摘で、目から鱗のような所がありまして、資料5の19ページなんですけど、開発したらそこに存在する動物が計画地外に出て来るんではないかという、まったく、これに関しては考えていなかったのでギフチョウをどうするとか、トンボをどうするかという観点でしか見ていなかったので、これは大変な事なのかもわかりません。開発するとそこの生き物がすぐに死ぬわけではなくて、周辺に何とか生き延びようと思って散らばっていくと思うんですね。その場合に例えば、一般の人たちから見たらあまり気持ちが良くない蛇であるとかムカデであるとか、あるいはスズメバチのようなものが、特に五月が丘団地とかにそういった所に紛れ込んでいくという可能性が、ひょっとしたらあるんではないかと。ここでは大型の動物でイノシシとかクマとかサルの話が出ていますけれども、イノシシは色々な所で増えていますので、こういったものも、そういった所をウロウロする可能性もあると思います。これは環境影響評価とか関係ない問題になりますと事業者の方で書いてあるんですけど、やった以上はそういった事に対しても少し配慮はしないといけないと思いますので、何かそういう事例が出てきたら、すぐに対処できるような体制でも作って頂ければと思うんですが、これは要望です。よろしくお願いします。

事業者(広島電鉄株式会社)
 環境影響評価とか別の問題とここで書いてありますのは、害獣の捕獲とかそういう意味合いの事を書いた事でございまして、今、おっしゃったように出て行った動物に対しての事につきましては、一番最後の方に書いておりますけれども、この事業だけという話ではないでしょうけれども、行政を通じまして対応を検討する必要があれば協議していきたいというふうな回答をさせて頂いております。

小阪委員
 起こるかどうか分かりませんけれども、起こる可能性がありますので、よろしくお願いします。

林委員
 先ほどから何度も出ている防災の話なんですが、切土と盛土になって上に被せてしまうわけですよね。つまり、自然の山ではない、コンクリートとアスファルト、それから擁壁にしても水がそのまま流れてしまうという事なので、むしろ、上から出てくる土石を防ぐという事も非常に大切な事だと思います。ここにこういう物ができると具体的に何か示されていると市民の方も納得される、安心されるんではないかと思うんですね。併せて、ここは山だったら全部、風化花崗岩ですから、しみ込んでしまうんですよね。今度は植生もある訳です。水が一気に出てきてしまいます。その時に水が出てくる下流にあたられる方が、大雨時に心配されるではないかなと思いますので、いわゆる、水量コントロールと言いますか、どのようにそこをコントロールしていくかという点も併せて、前と比べて変わると思いますから事業地の雨水が流れていく川で、これまでは普通に雨が降っても流れていたけれども、これが出来て、普通の時はいいと思うんですが、時間雨量が50ミリとか80ミリとか来ますと一気に水量が上がってしまいますので、この時の事への配慮と言いますか、どのように考えられているかという点は触れられておくほうが重要ではないかというふうに考えます。

事業者(広島電鉄株式会社)
 開発に伴う流出増についての対応というのは、これも開発の基準で決められておりまして、調整池を造って、それについては対応いたします。準備書の31ページのほうに簡単な概要を示させて頂いております。先ほどから、住民の意見としても防災関連の話は色々あるんですけど、この水の問題にしてもどうしても確率統計的な考え方があります。どこまでの規模に対して対応するかとか、どの程度までやるかという話は一律に開発基準の中で決められておりまして、最低はそれをクリアしなければいけないという話になっております。雨についても現状の流出よりも基本的には多くないように確率年で言えば50年に1回の雨。本来であれば100年に1回の雨、200年に1回の雨に対応するのがいいんでしょうけれども、下流河川がそれに対応していないという事もありますので、それ以上の確率年をもってコントロールできるような施設を造るというふうにしております。

林委員
 基準とかは承知した話で、一旦、出来て、これまでそういう事はなかったわけですよ。住民の方が、一気に変わってしまうという印象を持つんではないかと思うんですよ。だから、基準は満たして、それはそれでいいと思うんですけど、何でこんなに一気にという事で、この時点でこれは良かったかもしれない。ですが、下流やその近くも将来、変わるかもしれない。少なくても近未来では、そういう事についての懸念を持たれるんではないかと危惧をしますので、ある意味、万全と言いましょうか、その辺りの配慮が非常に重要ではないかと。基準の話と併せて、特に市民の意見が非常にその辺が多いと思いますので、特段の配慮が必要ではないかというふうに考えます。

堀越会長
 30年に一度、50年に一度という事が最近では簡単に起きてしまいますので、よろしくお願いします。
 それでは、この場では、御意見も出尽くしたようです。事務局は、議事録を取りまとめて各委員に届けてください。
 また、これまでの御意見等を踏まえて、本審査会の答申案の作成をお願い致します。委員の皆さんの中で、追加の意見とか言い足りない所がありましたら、文書で早めに事務局に御提出くださるようにお願い致します。
 それでは、事務局から今後の予定について御説明をお願いします。

毛利環境保全課長
 大変熱心な御審議を頂き誠にありがとうございました。
 会長に御指示頂きましたとおり、本日の議事録を早急にとりまとめまして、審査会での御意見をまとめた答申案を作成させていただきます。
 次回、審査会の予定でござますけれども、来月3月11日金曜日に開催させて頂く予定としております。当日は、前回1月31日に御審議頂きました恵下埋立地(仮称)整備事業と、本日御審議頂きました(仮称)JR可部線電化延伸事業の答申案の御審議を頂く予定としております。
 委員の皆様におかれましては、大変お忙しいところ誠に恐縮でございますが、どうぞ宜しくお願いいたします。以上でございます。

堀越会長
 ありがとうございました。次回は3月11日です。年度末になりまして月1回というペースで色々、御苦労をお掛けしますが、よろしくお願い致します。
 本日は、ありがとうございました。

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