包括外部監査の意見に対する対応結果の公表(令和7年9月3日公表)

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広島市監査公表第29号
令和7年9月3日

広島市監査委員 古川 智之
同 井戸 陽子
同 川村 真治
同 平岡 優一

広島市長から監査の意見に対する対応結果について通知があったので、当該通知に係る事項を次のとおり公表する。

令和6年度包括外部監査の意見に対する対応結果の公表(市民局)

1 監査意見公表年月日

令和7年2月6日(広島市監査公表第3号)

2 包括外部監査人

松岡 賢

3 監査意見に対する対応結果通知年月日

令和7年8月27日(広市生第108号)

4 監査のテーマ

教育に関する事業の財務事務の執行について

5 監査の意見及び対応の内容

(1) 高等教育機関との連携事業(事業の効果検証について)
 (所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見

 高等教育機関と連携して、市民に対して高度で専門的な学習機会を提供し、市民の生涯学習を支援することを目的とした事業である。公益財団法人広島市文化財団へ委託し、広島市まちづくり市民交流プラザを会場として、(1)リカレント学習講座(2)シティカレッジが実施されている。
 仕様書によれば、広島市の定める様式で実施状況について毎月集計し、報告するものとされており、業務実施報告書を確認したところ、すべての月において、事業効果として「高等教育機関との連携強化を図るとともに、市民の高度化・多様化した学習要求に対応し、生涯学習の振興に寄与することができた。」と同様の記載内容であった。令和5年度の具体的な実施状況については、(1)リカレント学習講座については募集人数100人に対して参加者数55名(参加率55%)のもの、(2)シティカレッジについては募集人数60人に対して参加者数17名(参加率28%)のもの等参加率の低調な講座も見受けられる中、事業効果として上記記載が妥当するか検討の余地があると思われる。
 講座の内容については開催大学に一任されているものの、生涯学習課と開催大学がアンケート結果を共有し、開催大学が講座の内容検討の材料としているとのことであったが、参加率が低調であった講座についての原因分析及び対策について検討がなされていない。事業の経済性、効率性、有効性の向上を図るべく、アンケート結果以外の観点からの効果検証も検討されたい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、委託先である公益財団法人広島市文化財団に事情聴取を行い、「参加率」が低調とされた講座について分析を行った。その結果、講座の内容に関しては、工学や建築等の専門性の高い内容に関する講座が、開催日時に関しては、平日の夕方に開催される講座が、それぞれ「参加率」が低い傾向にあることが認められた。
 これを踏まえ、令和8年度以降の講座の企画に当たって、講座の内容については、引き続き各大学の専門性を生かしつつ、開催日時については、参加状況の分析を行った上で、できるだけ参加者が参加しやすい日程となるよう設定していくこととした。

 

(2) 市立高等学校公開講座(委託先における事務手続きの誤りについて)
 (所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見

 公開講座実施の委託先である広島市立沼田高等学校公開講座運営委員会への往査実施時、関係証憑書類を確認したところ、講師謝礼金につき、担当講師に対して給与支払報告書が交付されていた。生涯学習課作成の「市立高等学校公開講座開催事務の手引き(以下、「事務の手引き」と表記する。)」には、講師について、「講師への謝礼は、1時間当たり2,500円を上限とする。この場合、市立高等学校公開講座の性格(非営利性)及び講師として受ける謝礼の性格(労働の対価としての報酬又は給与に該当しない)から、営利企業等への従事(地方公務員法第38条)には当たらないものとする。講師への謝礼は、労働の対価ではないが、金額の多少や営利非営利に関係なく、源泉徴収の対象となることから、源泉徴収をする。(所得税法第204条第1項第1条に該当)」との記載があり、交付すべき書類は給与支払報告書ではなく、報酬・料金・契約金及び賞金の支払調書であることが確認できる。交付する書類により所得の種類も変わってくることから、事業の委託先においても法令に準拠した正確な事務処理がなされるよう、生涯学習課においてはより一層適切な指導及び助言等に努められたい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、事業の委託先に対して、年度当初及び講座開講前に電子メール、電話による連絡又は訪問等により、正確な事務処理がなされるように指導又は助言を行うこととするとともに、令和7年4月1日付けで「事務の手引き」を改正し、「報酬・料金・契約金及び賞金の支払調書」を作成した場合は、その写しを「事業実施決算書」に添付し、委託先から本市へ提出させることとした。

 

(3) 市立高等学校公開講座(受講者の任意保険への加入について)
 (所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見

 事務の手引きには、「事業の実施に当たって、講師は、事故防止及び安全確保に留意するとともに、万一の事故等に備えて保険に加入することとする。この場合、保険料は委託料の中で対応する。受講者についても、スポーツ系の講座及び校外活動や実習を伴う講座等に参加する場合、任意保険への加入を促すこととする。この場合、保険料は、委託料の中からではなく、受講者から徴収する。加入する保険の例としては、財団法人スポーツ安全協会のスポーツ安全保険がある。この保険はスポーツ活動、ボランティア活動、地域活動、指導活動等を行う5名以上のアマチュア団体やグループ(社会教育関係団体)を対象としたもので、講師及び受講者で5名以上であれば、講義形式の講座等はA2区分年額800円、スポーツ等の講座はC区分年額1,850円の掛金(年間払いのみ)で加入でき、活動中及び往復中が対象となる。」との記載がある。広島市立沼田高等学校公開講座運営委員会の事業実施決算書等の資料を確認する限り、受講者に任意保険への加入を促した事実を確認できなかったため、生涯学習課に確認したところ、広島市立沼田高等学校公開講座運営委員会は、加入希望がなかった旨を電話で生涯学習課へ伝えたので事業実施決算書等に記載がなかったとのことであった。このような事務処理では、事務の手引きにのっとった処理が適切に行われているのか否か不明であるため、事業実施前に保険の加入意思についてのアンケートを実施する等、受講者に任意保険への加入を促した事実を客観的に確認できるような方法を検討されたい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、令和7年4月1日付けで「事務の手引き」を改正し、市立高等学校公開講座受講者への配布書類に、任意保険への加入に関する記載を追加するとともに、講座実施前に受講者が提出する書類に、「任意保険加入希望確認書」を新たに設け、受講者の任意保険への加入意思を確認できるようにした。
 また、委託先に、受講者の任意保険への加入の有無についての項目を追加した「市立高等学校公開講座受講者名簿」と「任意保険加入希望確認書」の写しを講座開講直後に本市へ提出させることとした。

このページに関するお問い合わせ

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