平成27年 広島市食中毒発生状況
1 概要
平成27年に市内で発生した食中毒の総事件数は47件、総患者数は447名であった。平成26年と比較すると、事件数は34件(前年比42.0%)減少し、患者数は241名(前年比35.0%)減少した(図1)。

総事件数47件のうち、患者1名の散発事例は36件であり、全事件数の76.6%を占めていた。患者数2名以上の集団事例は11件(23.4%)であり、このうち患者50名以上の集団事例は2件であった(表1)。
年 | 総事件数 | (再掲) 患者1名の散発事例 |
(再掲) 患者2名以上の集団事例 |
(再掲) 患者50名以上の集団事例 |
---|---|---|---|---|
平成23年 | 100件 | 73名(73名) | 27名(176名) | 0名(0名) |
平成24年 | 92件 | 71名(71名) | 21名(2,342名) | 3名(2,182名) |
平成25年 | 63件 | 50名(50名) | 13名(153名) | 1名(61名) |
平成26年 | 81件 | 54名(54名) | 27名(634名) | 1名(301名) |
平成27年 | 47件 | 36名(36名) | 11名(411名) | 2名(344名) |
2 病因物質別にみた発症状況
総事件数47件のうち、カンピロバクターによるものが40件(85.1%)と8割以上を占め、次いでノロウイルスが3件(6.4%)であった。
総患者数447名のうち、ノロウイルスによるものが368名(82.3%)と約8割を占め、次いでカンピロバクターが52名(11.6%)であった(図2)。

3 月別にみた発生状況
月別の事件数は5月(9件)が最も多く、次いで4月(8件)が多かった。また、患者数は大規模ノロウイルス食中毒の発生により、11月(230名)及び2月(119名)が多くなった(図3)。

病因物質別に月次推移をみると、カンピロバクターによる事件は春から夏を中心に年間を通してみられ、5月が8件と最も多く、次いで4月に6件発生した。また、ノロウイルスによる事件は2月、5月及び11月と比較的ウイルスが流行する時期に発生した(表2)。
病因物質 | 総数 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
総数 | 47件 | 4件 | 4件 | 3件 | 8件 | 9件 | 4件 | 3件 | 4件 | - | 4件 | 3件 | 1件 |
細菌(総数) | 41件 | 4件 | 3件 | 3件 | 7件 | 8件 | 3件 | 3件 | 3件 | - | 4件 | 2件 | 1件 |
細菌(内訳) カンピロバクター |
40件 | 4件 | 3件 | 3件 | 6件 | 8件 | 3件 | 3件 | 3件 | - | 4件 | 2件 | 1件 |
細菌(内訳) その他細菌※ |
1件 | - | - | - | 1件 | - | - | - | - | - | - | - | - |
ウイルス(総数) | 3件 | - | 1件 | - | - | 1件 | - | - | - | - | - | 1件 | - |
ウイルス(内訳) ノロウイルス |
3件 | - | 1件 | - | - | 1件 | - | - | - | - | - | 1件 | - |
その他(総数) | 3件 | - | - | - | 1件 | - | 1件 | - | 1件 | - | - | - | - |
その他(内訳) 寄生虫※ |
1件 | - | - | - | - | - | 1件 | - | - | - | - | - | - |
その他(内訳) 化学物質※ |
1件 | - | - | - | - | - | - | - | 1件 | - | - | - | - |
その他(内訳) 動物性自然毒※ |
1件 | - | - | - | 1件 | - | - | - | - | - | - | - | - |
※その他細菌はカンピロバクターとサルモネラ属菌、寄生虫はアニサキス、化学物質はヒスタミン、動物性自然毒はフグ毒による食中毒
4 原因施設別にみた発生状況
総事件数47件のうち、原因施設が判明したものは8件(17.0%)、不明であったものは39件(83.0%)であった。原因施設別の事件数は、飲食店、家庭及び旅館が2件ずつとなった。患者数は、旅館252名、仕出屋116名の順に多かった(表3)。
原因施設 | 事件数(件) | 割合(%) | 患者数(名) | 割合(%) |
---|---|---|---|---|
飲食店 | 2件 | 4.3% | 10名 | 2.2% |
仕出屋 | 1件 | 2.1% | 116名 | 26.0% |
家庭 | 2件 | 4.3% | 6名 | 1.3% |
旅館 | 2件 | 4.3% | 252名 | 56.4% |
給食施設 | 1件 | 2.1% | 21名 | 4.7% |
不明 | 39件 | 83.0% | 42名 | 9.4% |
計 | 47件 | 100% | 447名 | 100% |
5 原因食品別にみた発生状況
総事件数47件のうち、原因食品が判明したものは8件(17.0%)、不明であったものは39件(83.0%)であった。また、原因食品が判明したもののうち、食品を特定したものは2件、食事を特定したものは6件であった(表4)。
原因食品 | 事件数(件) | 割合(%) | 患者数(名) | 割合(%) |
---|---|---|---|---|
食品特定 | 2件 | 4.2% | 23名 | 5.1% |
食事特定 | 6件 | 12.8% | 382名 | 85.5% |
不明 | 39件 | 83.0% | 42名 | 9.4% |
計 | 47件 | 100% | 447名 | 100% |
6 患者数2名以上の集団食中毒事件
平成27年に発生した集団食中毒事件は11件であった。原因施設別にみると、飲食店、旅館、家庭がそれぞれ2件(18.2%)ずつであった。病因物質別でみると、カンピロバクター5件(45.5%)、ノロウイルス3件(27.3%)の順に多かった。また、2月に患者数116名、11月に患者数228名のノロウイルスを病因物質とした大規模食中毒が発生した(表5)。

月別事件数でみると、1月、4月及び5月が2件(18.2%)となった。なお、事件数が最も多いカンピロバクターを病因物質とするものは、1月、5月、10月及び12月に発生した(図4)。

7 患者数1名の散発食中毒事件
散発食中毒36件のうち、35件(97.2%)がカンピロバクター、1件(2.8%)が寄生虫を病因物質とするものであった。カンピロバクターによる散発食中毒は5月の7件をピークに、ほとんどの月で発生した(図5)。

カンピロバクター散発食中毒患者を年齢階級別にみると、35名のうち10~14歳が12名(34.3%)と最も多く、次いで20~29歳が7名(20.0%)、5~9歳が6名(17.1%)の順に多かった。また、0~19歳までの未成年者が23名(65.7%)と全体の6割以上を占めていた。性別では、男性が20名(57.1%)、女性が15名(42.9%)であり、大きな差は見られなかったが、50歳以上の患者3名は全て男性であった(図6)。

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