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先天性代謝異常等検査
先天性代謝異常等検査について
生まれてきた赤ちゃんには、ある種の酵素が不足する先天性代謝異常や、ホルモン分泌の異常など、健やかな発育に影響する可能性のある生まれつきの病気が隠れていることがあります。
これらの病気に適切な対応をとらないと、心身の成長・発達に遅れが生じたり、病気によっては時に生命の危険を伴う場合もありますが、早期に発見して適切な治療を開始すれば、障害などの発生を未然に防ぐことができます。
このような目的で、広島市では、下記の20疾患を対象に検査を行っています。
赤ちゃんの健康のために、ぜひ検査をお受けください。
検査の対象となる疾患
アミノ酸の代謝異常症 |
フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、シトルリン血症1型、アルギニノコハク酸尿症 |
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有機酸の代謝異常症 |
メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、イソ吉草酸血症、メチルクロトニルグリシン尿症、ヒドロキシメチルグルタル酸(HMG)血症、複合カルボキシラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型 |
脂肪酸の代謝異常症 |
中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)欠損症、極長鎖アシルCoA脱水素酵素(VLCAD)欠損症、三頭酵素(TFP)/長鎖3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素(LCHAD)欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-1(CPT-1)欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-2(CPT-2)欠損症 |
その他(糖の代謝異常、ホルモンの分泌異常など) |
ガラクトース血症、先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成症 |
検査の方法
出産した医療機関で、生後5~7日の赤ちゃんの足の裏から少量の血液を採取し、採取した血液を専門の検査機関に送り、検査を行います。
この検査を希望される場合は、母子健康手帳別冊にある「先天性代謝異常等検査依頼書」に必要事項を記入の上、医療機関に提出してください。里帰り出産などで、広島県外の医療機関で出産される場合は、医療機関の所在地の都道府県にお問い合わせください。
検査の費用について
検査の費用は無料です。
ただし、医療機関で行う採血に係る費用は自己負担となります。(採血料は医療機関によって異なりますが、3,000円~4,000円程度必要です。)
検査結果について
検査の結果、再検査が必要とされた場合は、採血をした医療機関から保護者の方へ連絡をしますので、再検査を受けてください。また、再検査の結果、さらに精密検査が必要と判断された場合は、速やかに精密検査を受けてください。
精密検査が必要となった赤ちゃんがすべて病気にかかっているというわけではなく、異常なしと判断される場合や、病気はあるけれども直ちに治療を開始する必要はないと判断される場合もあります。
なお、検査の結果、精密検査が必要な場合は、保健センターから連絡をさせていただくこともあります。ご心配なことなどがありましたら、お気軽にご相談ください。
精密検査機関
広島大学病院小児科(広島市南区霞1-2-3)
※ 先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の疑いの場合は、他にも精密検査ができる病院があります。採血をした医療機関にお問い合わせください。
※ 広島大学病院小児科のホームページには、先天性代謝異常等検査についての情報が掲載されています。
(広島県内で出産され、新生児マス・スクリーニング検査で陽性となった赤ちゃんのご家族の方へ)<外部リンク>
医療の給付
この検査で見つかる疾患は、医療費の一部を公費で負担する「小児慢性特定疾病医療費助成制度」の対象になる場合があります。必要な方は手続きをしてください。
※ 一部対象にならない疾患もあります。
重症複合免疫不全症(SCID)、B細胞欠損症及び脊髄筋萎縮症(SMA)に係る検査について(令和4年7月から)
上記3疾患について、早期発見・早期治療につなげるため、広島県及び本市の新生児マススクリーニング検査の仕組みを活用し、令和4年7月から、広島大学大学院医系科学研究科小児科及び共同研究機関による試験研究として、新たに検査を開始します。
※ 詳しくは広島県ホームページ<外部リンク>をご覧ください。