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先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング検査)
先天性代謝異常等検査について
生まれてきた赤ちゃんには、ある種の酵素が不足する先天性代謝異常や、ホルモン分泌の異常など、健やかな発育に影響する可能性のある生まれつきの病気が隠れていることがあります。
これらの病気に適切な対応をとらないと、心身の成長・発達に遅れが生じたり、病気によっては時に生命の危険を伴う場合もありますが、早期に発見して適切な治療を開始すれば、障害などの発生を未然に防ぐことができます。
赤ちゃんの健康のために、ぜひ検査をお受けください。
検査の対象となる疾患
アミノ酸の代謝異常症 |
フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、シトルリン血症1型、アルギニノコハク酸尿症 |
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有機酸の代謝異常症 |
メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、イソ吉草酸血症、メチルクロトニルグリシン尿症、ヒドロキシメチルグルタル酸(HMG)血症、複合カルボキシラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型 |
脂肪酸の代謝異常症 |
中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)欠損症、極長鎖アシルCoA脱水素酵素(VLCAD)欠損症、三頭酵素(TFP)/長鎖3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素(LCHAD)欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-1(CPT-1)欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-2(CPT-2)欠損症 |
その他(糖の代謝異常、ホルモンの分泌異常など) |
ガラクトース血症、先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成症 |
検査の方法
出産した医療機関で、生後5~7日の赤ちゃんの足の裏から少量の血液を採取し、採取した血液を専門の検査機関に送り、検査を行います。
この検査を希望される場合は、母子健康手帳別冊にある「先天性代謝異常等検査依頼書」に必要事項を記入の上、医療機関に提出してください。里帰り出産などで、広島県外の医療機関で出産される場合は、医療機関の所在地の都道府県にお問い合わせください。
検査の費用について
検査の費用は無料です。
ただし、医療機関で行う採血に係る費用は自己負担となります。(採血料は医療機関によって異なりますが、3,000円~4,000円程度必要です。)
検査結果について
検査の結果、再検査が必要とされた場合は、採血をした医療機関から保護者の方へ連絡をしますので、再検査を受けてください。また、再検査の結果、さらに精密検査が必要と判断された場合は、速やかに精密検査を受けてください。
精密検査が必要となった赤ちゃんがすべて病気にかかっているというわけではなく、異常なしと判断される場合や、病気はあるけれども直ちに治療を開始する必要はないと判断される場合もあります。
なお、検査の結果、精密検査が必要な場合は、保健センターから連絡をさせていただくこともあります。ご心配なことなどがありましたら、お気軽にご相談ください。
精密検査機関
広島大学病院小児科(広島市南区霞1-2-3)
※ 先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の疑いの場合は、他にも精密検査ができる病院があります。採血をした医療機関にお問い合わせください。
※ 広島大学病院小児科のホームページには、先天性代謝異常等検査についての情報が掲載されています。
(広島県内で出産され、新生児マス・スクリーニング検査で陽性となった赤ちゃんのご家族の方へ)<外部リンク>
医療の給付
この検査で見つかる疾患は、医療費の一部を公費で負担する「小児慢性特定疾病医療費助成制度」の対象になる場合があります。必要な方は手続きをしてください。
※ 一部対象にならない疾患もあります。
新生児マススクリーニング検査に関する実証事業について
(令和6年3月13日から)
国(こども家庭庁)では、都道府県・政令指定都市において、モデル的に重症複合免疫不全症(SCID)と脊髄性筋萎縮症(SMA)を対象とするマススクリーニング検査を実施し、国の調査研究と連携・協力することで、新生児マススクリーニング検査の対象疾患の拡充に向けた検討に資するデータを収集し、その結果を踏まえ、全国展開を目指す実証事業を開始しました。
広島市は、この実証事業に応募し、この度、実施主体の一つとして広島県とともに採択されましたので、広島市に住所を有する新生児は、広島大学病院及び広島県内の共同研究施設(※)において、令和6年3月13日から従来の検査対象疾患に加えて、重症複合免疫不全症(SCID)、脊髄性筋萎縮症(SMA)及びそれら2つの疾患を検査する過程で結果が判明するB細胞欠損症の検査が公費で受けられるようになります。
※ 共同研究施設については、広島県ホームページ<外部リンク>をご覧ください。
実証事業で追加される検査対象疾患
検査対象疾患名 | 概要 |
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重症複合免疫不全症(SCID) | 生まれつきの免疫の異常により、病原体から体を守ることができず、感染症を繰り返し、命に関わる病気です。また、生後2か月から開始する生ワクチンの予防接種を受けると重篤な副作用を引き起こすことがあるため、ワクチン接種までに早期発見することが重要です。 |
脊髄性筋萎縮症(SMA) | 運動神経や筋肉が育たず、全身の筋力が低下していく病気です。約半数を占める重篤型では、早期に積極的な治療をしないと寝たきりになり命にもかかわる病気です。 |
B細胞欠損症 | 免疫が働かないため、感染症にかかりやすくなる疾患です。生まれて3か月頃から、中耳炎や肺炎等に繰り返しかかり、命に関わるものになることもあります。しかし、感染症にかかる前に、定期的な治療を受けることで、感染症にかかることを回避できます。 |
対象者
保護者の同意が得られた広島市に住所を有する新生児
※ 里帰り出産などで、広島県外の医療機関で出産される場合は、医療機関の所在地の都道府県にお問い合わせください。
検査の方法
現行の先天性代謝異常等検査事業の検査ろ紙を使用するため、赤ちゃんに新たな負担はありません。
検査結果について
検査の結果、当該疾患の疑いがある場合は、採血をした医療機関から保護者の方へ連絡をしますので、精密検査を受けてください。精密検査、確定診断および治療は広島大学病院で行われます。
検査の費用について
検査の費用は無料です。
ただし、従来の20疾患の検査に伴う採血に係る費用、各施設の手数料は自己負担となります。