ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

【結核】 結核について

ページ番号:0000002932 更新日:2023年9月19日更新 印刷ページ表示

「結核」は現代の病気です

 結核は、明治時代から昭和20年代までの長い間、「国民病」として恐れられた重大な感染症です。
 昭和25年までは、結核による死亡者数は年間十数万人に及び、死亡原因の1位でした。
 現在では、医療や生活水準の向上により、薬を飲めば完治できる時代になりましたが、今でも1日に平均28人が結核と診断され、5人が命を落としている日本の重大な感染症です。
 広島市でも、毎年約90人程度(2022年:91人)の新たな結核患者が発生しており、決して「過去の病気」というわけではありません。
 2022年、全国で新たに結核患者として登録された者の数は10,235人で、結核り患率(※1)は8.2となり、日本は結核低まん延の水準(※2)を維持しています。しかし、新登録患者数及びり患率の減少については、新型コロナウイルス感染症の影響も考えられ、今後の動向を注視していく必要があります。
 また、近年は、患者の高齢化や、若い外国人患者の増加等が大きな問題となっています
 (※1)1年間に全国で新たに結核患者として登録された者の数を人口10万対率で表したもの
 (※2)結核り患率が年間、人口10万人あたり10人以下

 

結核とは

 結核とは、結核菌によって主に肺に炎症が起きる病気ですが、リンパや血液の流れに乗って、他の臓器(リンパ節、腎臓、腸、骨、皮膚、眼など)に炎症を起こすこともあります(肺外結核)。

 結核は、結核菌にかかっている人が咳やくしゃみをすることで、結核菌が空気中に飛び散り、それを周りの人が吸い込むことで感染します(空気感染)。
 感染しても、すべての人が発病するわけでではありませんが、加齢や病気などで体の免疫力が落ちると、抑え込まれていた結核菌が再び活動をはじめ、発病する可能性があります。

 結核を発病すると、咳やたん、微熱、だるさなど風邪に似た症状から始まります。
 適切な治療をしなければ、症状が進み、周囲の人に感染を広げたり、最悪の場合死に至ることもあります。

 

高齢者や外国出生者などに多い結核

 2022年(令和4年)に広島市で新たに発生した結核患者のうち約7割が65歳以上の高齢者でした。
 これは、かつて結核がまん延していた時代に感染した方が、加齢により免疫力が低下して発病するケースが多いためと考えられます。

 広島市では、65歳以上の方を対象として、無料で「結核健診(胸部レントゲン検査)」を実施しています。
 早く見つけることで重症化を防ぎ、周囲への感染予防につながります。咳などの自覚症状がなくても、年に1度この検査を受けましょう。
 「結核健診」については、広島市-【結核】65歳以上の方を対象にした結核健診のページをご覧ください。

 また、若い外国生まれの結核患者も増加傾向にあり、2022年(令和4年)に広島市で新たに発生した結核患者のうち、20歳代の約7割は外国生まれでした。

 これは、結核がまん延している国々から入国した方が、入国後に発症するケースが増えているためと考えられます。

 風邪症状が長引くときは、放置せず早めに医療機関を受診しましょう。また、学校や職場で定期健康診断が受診出来る方は、必ず胸部レントゲンを年に1回受診しましょう。(外国語翻訳版リーフレット「結核って知っていますか?」

R4_グラフ

2022年(令和4年)に広島市で新たに発生した結核患者の年齢別割合

 

結核と診断された場合

 保健センターでは、結核と診断された方に対して、結核のまん延を防止するため必要があると認めるときは、法律(※)に基づき、入院の勧告や就業の制限を行います。
 また、家族や周りの方に感染の疑いがある場合には、健康診断(胸部レントゲン検査や血液検査など)を行います。

 ※感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)

 

結核の医療費の公費負担制度について

 結核患者またはその保護者からの申請に基づき、結核の治療に要する医療費を公費で負担する制度があります。
 公費負担に際しては、治療内容が厚生労働省が定めた結核医療の基準に適合している必要があります。
 また、入院や通院、医療内容、所得額等に応じ公費負担額が異なります。詳しくは各区の保健センターへお問い合わせください。

 リンク 【結核】結核医療に係る公費負担制度

 

結核の治療方法

 結核は、抗結核薬(結核菌をやっつける薬)を6~9か月間毎日飲むことで、治すことのできる病気です。
 結核菌はとてもしぶといため、服薬期間が長いですが、症状が消えたからといって、途中で薬の服用を止めると結核菌が再び増殖し、病気が治らないどころか、結核菌に薬が効かなくなる場合があります(薬剤耐性)。薬剤耐性を獲得した結核の治療は困難な上、治療期間もさらに長くなってしまいます。
 結核にかかったら、医師の指示に従い、6~9か月間、確実に薬を服用しましょう。
 万が一、服用中に副作用があらわれた場合は、自己判断で服薬を中断せず、主治医に相談しましょう。

 また、結核に感染しても発病していない人は、抗結核薬を6か月間飲むことで発病を予防できます(潜在性結核感染症)。

 

結核を予防しましょう

 結核菌に感染しても、すべての人が発病するわけではなく、健康であれば免疫の働きによって結核菌を抑え込みます。
 健康的な生活が免疫力を高め、結核の予防につながります。また、早く見つけることが重症化を防ぎ、周囲への感染予防につながります。
 感染予防・発病予防のため、普段から次の5つのことを実践し、免疫機能を高めましょう。

  1. 適度に運動する。
  2. 好き嫌いをせずにバランスのよい食事をとる。
  3. 十分な睡眠をとる。
  4. タバコは吸わない。
  5. 症状がなくても、定期的に健診を受ける。

 また、抵抗力の弱い乳児は、結核に感染すると重症化しやすいため、ワクチン(BCG)接種(※)が有効です。
 (※)BCGは、1歳までに接種してください(推奨接種時期は生後5~8か月の期間です)。
 リンク 子どもの予防接種について

 

「結核予防週間」と「世界結核デー」

 厚生労働省では、毎年9月24日から30日までの1週間を「結核予防週間」と定め、結核に関する正しい知識を深めることで、一層の普及啓発を図ることにしています。
 令和5年度の結核予防週間における国が定めた標語は、
 『いまも1日平均28人が結核と診断されています。厚生労働省リーフレット [PDFファイル/453KB]です。

 また、WHO(世界保健機関)では、1997年の世界保健総会で、ドイツの細菌学者ロベルト・コッホが結核菌の発見を学会に発表した1882年3月24日にちなみ、毎年3月24日を「世界結核デー」に制定し、世界各国に結核対策の強化を呼びかけています。

 

【医療機関の皆さまへ】感染症法に基づく届出について

 医師が結核患者を診断した場合、感染症法第12条第1項に基づき、ただちに保健センターへ届出を行う必要があります。

 また、結核患者が入院した際や、入院していた結核患者が退院した際には、感染症法第53条の11に基づき、病院管理者は7日以内に保健センターへ届出を行う必要があります。

 リンク 【結核】医療機関等の皆さまへ

 

各区の保健センターの所在地と連絡先

名称

所在地

電話番号

中保健センター地域支えあい課(中区地域福祉センター内) 中区大手町4-1-1 082-504-2528(地域支援第二係)
東保健センター地域支えあい課(東区総合福祉センター内) 東区東蟹屋町9-34 082-568-7729(地域支援第二係)
南保健センター地域支えあい課(南区役所別館内) 南区皆実町1-4-46 082-250-4108(地域支援第二係)
西保健センター地域支えあい課(西区地域福祉センター内) 西区福島町2-24-1 082-294-6235(地域支援第二係)
安佐南保健センター地域支えあい課(安佐南区総合福祉センター内) 安佐南区中須1-38-13 082-831-4942(地域支援第二係)
安佐北保健センター地域支えあい課(安佐北区総合福祉センター内) 安佐北区可部3-19-22 082-819-0586(地域支援第二係)
安芸保健センター地域支えあい課(安芸区総合福祉センター内) 安芸区船越南3-2-16 082-821-2809(地域支援係)
佐伯保健センター地域支えあい課(佐伯区役所別館内) 佐伯区海老園1-4-5 082-943-9731(地域支援第二係)

リンク

 外国語翻訳版リーフレット「結核って知っていますか?」

外国人支援者向けリーフレット

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)