包括外部監査の意見に対する対応結果の公表(令和8年10月1日公表)

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広島市監査公表第53号
令和8年10月1日

広島市監査委員 中村 一彦
同 井戸 陽子
同 椋木 太一
同 森野 貴雅

 広島市長及び広島市教育委員会から監査の意見に対する対応結果について通知があったので、当該通知に係る事項を次のとおり公表する。

令和7年度包括外部監査の意見に対する対応結果の公表(財政局)

1 監査意見公表年月日

令和8年2月5日(広島市監査公表第3号)

2 包括外部監査人

椎野 年雅

3 監査意見に対する対応結果通知年月日

令和8年9月18日(広税税第67号及び広税固第61号)

4 監査のテーマ

市税等の賦課徴収等に関する財務事務の執行について

5 監査の意見及び対応の内容

(1) 広島市市税システムの運用・保守業務(令和6年度分)契約及び関連する契約について
 (所管課:財政局税務部税制課)

監査の意見

 令和6年3月31日までを委託期間とする委託契約において、運用・保守業務を主とする平成31年度~令和5年度までの直近5年間の委託料は、いずれも年間1億円余であった。
 ところが、令和6年度からの同一事業者との広島市市税システムの運用・保守業務契約における委託料については、令和6年度分だけで、令和5年度までの平均額である年間約1億円の約6倍の年間約6億円もの多額の支出を伴う随意契約となっている。
 これを一般競争入札に出来ないことについて、市は、市税システムは、市税システム開発業者が契約締結前に開発していたパッケージソフトをもとに構築されたものであって、同開発業者が著作権を保有していることから他業者に委託することが出来ないと回答する。この点、平成24年3月30日付の委託契約書の第 16条第1項に基づき、開発業者が作成した成果物について無償で市に著作権を譲渡する旨が約定されているものの、市税システム開発業者が自ら開発したパッケージソフトについては契約に基づき譲渡される著作権に含まれないこととなっている。
 標準準拠システムへの移行や著作権の帰属などの事情により、同一事業者と随意契約せざるを得ないとしても、運用・保守業務という業務内容に変更がない中で、従前の年間約1億円から約6倍の約6億円にまで委託料が増加していることは事実であり、他の事業者に運用・保守業務を委託出来ないことは、まさにベンダーロックインに至ったことが原因と考える他ない。
 市は、年間約6億円という多額の支出を伴うのであるから、委託内容の精査を徹底し、経費抑制に努められたい。

対応の内容

 市税システムに係る運用・保守業務委託契約については、委託内容及び経費の妥当性を確認するため、本市の情報システム調達に係る審査組織(PMO)による予算要求前審査を受け、その結果を踏まえて契約予定額を設定している。また、その内容についても継続的に精査するとともに、業務委託に係る仕様の確認を徹底し、経費の抑制に努めている。

(2) 広島市市税システムの運用・保守業務(令和6年度分)契約及び関連する契約について
 (所管課:財政局税務部税制課)

監査の意見

 市は、市税システムの運用・保守業務に留まらず、「広島市市税システムに係る共通基盤利用対応業務(ウイルス対策ソフト等の入替え)」及び「広島市市税システムに係る出張所等設置分プリンタ保守業務」についてまでシステム開発事業者との間での随意契約を締結し、一般競争入札により開発業者以外の他の事業者に委託することが出来ないとする。その理由に、現在の市税システムを熟知している必要性とともに、システム開発事業者の社外秘の独自のノウハウ情報を要するとされている点を挙げる。
 しかし、市税システムの運用・保守に関連する業務が、その社外秘の独自のノウハウ情報を要することも含めて、結果として当初のシステム開発事業者に委託せざるを得ないのであれば、まさにベンダーロックインという他なく、今後も随意契約の形で、非効率な委託料の支出をしなければシステムを維持できない事態に既に陥っていることを意味する。
 市は、新たな市税システムの開発に向けた基本設計業務を進めているところ、ベンダーロックインのために運用・保守業務の委託料が約6倍の年間約6億円となっていることに照らすと、ベンダーロックインとならないようにすることは必須といえる。
 そのため、新たな市税システムについては、受注者のみが提供可能な技術に依存せず、受注者以外でもシステムの運用又は改修作業が実施できる旨を仕様書に明記する、あるいは事前に複数のシステム開発業者に開発業者以外の運用又は改修作業が可能な方法について、市として正式に照会し回答を求める等、ベンダーロックインとならないための方策を実施することが望ましい。

対応の内容

 次期市税システムの調達に当たり、令和7年12月に、政令市への導入実績を有するシステム開発業者4社に対し、受注者以外の第三者に運用・保守業務を実施させることの可否について確認したところ、全ての開発業者から、困難である旨の回答があった。そのため、次期市税システムの調達において、受注者以外でもシステムの運用又は改修作業が実施できる旨を仕様書に明記することはできなかった。
 一方で、現行市税システムにおいては、運用業務のうちデータバックアップなどの定型化されたバッチ処理等を受注者ではなく共通基盤の運用業者が実施していることから、次期市税システムにおいてもこの取扱いを基本設計書に明記することとし、可能な限り、受注者のみが提供可能な技術に依存しない仕様とした。

(3) 下請・再委託契約について
 (所管課:財政局税務部税制課)

監査の意見

 広島市委託契約約款第4条第2項は、再委託や下請を原則として禁止している。これは、市は契約当事者である受託者・受注者の業務遂行能力等を考慮して契約しているのであり、これを下請や再委託により実質において別の事業者が業務を履行することとなれば、法令や約款等によって契約当事者を選択した意味を失うことになるからである。
 そのため、下請や再委託が認められる場合であっても、「一部」に限定されているところ、「一部」であるのか「実質的に全部」と評価し得る程であるのかは、業務内容のみからは当然には明らかとならない。なぜなら、業務内容としては一部であっても、一部とされる業務の量が全体の大部分を占めている場合には、結局のところ「実質的に全部」を下請や再委託したことと変わりないからである。
 そして、業務量は通常は請負代金や再委託料と比例する関係にあるため、受託者や受注者が、再委託や下請先に支払う再委託料や下請代金額を、市が発注した際の委託料と比較することにより明確となる(社会通念からしても市の発注額に近接した額で再委託や下請とされているのであれば「一部」とは、およそ評価できない。)。
 また、市は、財政局税制課所管の契約について、その契約の多くについて再委託申請日と同一日に承諾しており、その審査に十分な時間をかけていない。これに対し、市は、再委託に係る審査を迅速に行うことにより十分な履行期間を確保する必要があることや、通年において途切れてはならない業務であることを理由とし、仕様を熟知した本市担当職員が最優先事項として速やかに対応した結果であり、その対応においては、再委託を予定している事業内容、事業者及び再委託が必要となる理由を確認するなど適切に実施していると回答する。しかしながら、再委託や下請が、あくまで例外であることから、その審査に際しては十分な資料提供を受けた上で厳格に実施されたい。
 また、再委託や下請を発注者である市が承諾するか否かにあたっては、再委託先や下請先の業務内容のみならず業務量について、代金額を主として、再委託や下請の申請の際に報告を義務付けるとともに、その審査に際しても、厳格な手続に基づいて十分な時間をかけて審査されたい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、令和8年度以降、再委託の承諾に当たっては、これまでの審査に加えて、受託者に再委託に係る契約予定金額を提出させ、再委託予定業務が全体業務に占める割合が大部分ではないことを確認することとし、引き続き厳格な手続に基づく審査を徹底することとした。

(4) 現金残高の実査用紙の改訂案について
 (所管課:財政局税務部税制課)

監査の意見
課題・問題点

 市では毎日、業務終了後に収納金と釣銭現金を合算して実査している。ただし、現行の実査用紙は収納金の残高しか確認できず、釣銭現金の基準額や過不足を記録する欄がない。このため、毎日、合算の実査額から釣銭の基準額を手計算で差し引き、同じ用紙の収納金欄に記入する必要が生じ、日々の運用にわずかながら手間がかかっている。

意見

 現行の「合算で一度数える」運用は維持したまま、実査用紙を合算実査と内訳記録が同時に完結する様式へ改めることが望ましい。具体的には、用紙上に合算実査額(A)、釣銭基準額(B)、差引による収納金実査額(A−B)及び必要時のみ記載する釣銭過不足額欄を設ける。これにより、現場は従来どおり合算で一度の計数で済み、書面上の差引と突合することにより釣銭の定額復元と収納金の妥当性が可視化され、相殺の懸念を抑えつつ、報告書作成の手間も簡素化できる。

対応の内容

 監査の意見を受けて、令和8年4月1日から実査用紙の様式に、つり銭金額及び過不足等を記載する欄を設けることとし、このことについて、同年3月31日付けで関係部署へ通知した。

(5) 切手在庫の適正化について(担当局部課名:財政局税務部西部市税事務所)
 (所管課:財政局税務部税制課)

監査の意見
課題・問題点

 ある部署において、令和7年8月5日現在、1円切手を127枚保有しながら使用実績がなく、50円切手・120円切手も使用が僅少である一方、100円切手は282枚保有・51枚使用と額面ごとの利用頻度に偏りが見られた。加えて、2024年10月の郵便料金改定により、従来多用していた84円切手・94円切手は現行料金下で使用機会が大幅に減少し、在庫が滞留していた。

意見

 使用実績と料金改定後の需要見込みを踏まえ、額面別の在庫目安(上限・下限)を簡潔に定め、当面は84円切手・94円切手を優先的に、50円切手・100 円切手・120円切手を含め、10円切手や1円切手・2円切手等との組合せ利用により在庫削減に努めることが望ましい。また、低利用額面の新規購入は控え、在庫の適正化を図られたい。
 管理面は、現状どおり額面別枚数の把握・入出庫のメモ・月次程度の簡易棚卸を基本とし、保管場所と責任者の明確化を継続すれば妥当と認められる。 

対応の内容

 監査の実施を受けて、郵便料金改定前に購入していた84円切手及び94円切手について、1円切手や2円切手等と組み合わせて優先的に使用し、令和8年1月26日までに在庫を解消した。
 以後、使用状況を踏まえた適正な在庫管理に努めることとしている。

(6) 切手・料金不足の取扱基準について
 (所管課:財政局税務部税制課)

監査の意見

 郵便料金は本来送付者負担であるにもかかわらず、申告関係の郵便物で不足分を請求せず自治体が公費で負担している現行取扱いは、受益と負担の公平性を損ない、公金支出の妥当性に疑義を生じさせる。したがって、料金不足は送付者負担を原則とし、受取側の公費負担は少額・回収非効率等の例外に限定することが望ましい。例外適用時は、(1)例外事由(少額、回収不能、誤配 等)及び上限目安、(2)送付者・金額・理由・判断者の簡易記録を残すべきこと、(3)反復発生時の対応(請求、注意喚起、受取人払・料金後納/別納 又は電子申請への切替案内)を最小限の事務メモで明示し、運用を統一するのが相当である。併せて、件数・金額を月次で確認し、必要に応じて見直すことで、負担の公平性を確保しうる。

対応の内容

監査の実施を受けて、料金不足については、負担の公平性の観点から、送付者負担を原則としつつ、回収に係る事務負担や費用負担といった費用対効果の観点も併せ考慮した上で、適切に対応していくこととした。

(7) 備品実査:所在誤認と対策について(担当局部課名:財政局税務部北部市税事務所)
 (所管課:財政局税務部税制課)

監査の意見
課題・問題点

 令和7年8月5日の備品実査において、備品「ライオンA4N-2DNK」は当日に所在を特定できず、後日、職員からの写真送付により実在が確認された。設置場所は管理図面上「土1-(12)」であったが、実査当日は「書1-12」(書類戸棚の記号番号)と誤認して確認しており、類似した記号体系が誤読を誘発したことが直接の要因である。この事実は、備品管理台帳・管理図面・現物確認の突合が円滑に行われていないこと、並びに記号の表記や凡例・確認手順の標準化不足があることを示している。

意見

 現行の漢字による設置場所コード(例:「土」「書」)は意味が不明確で読み手による解釈の差を生み、所在誤認の一因となっている。したがって、当該表記は廃止又は定義の明確化と周知を行うことが望ましい(特に「土」は意味が判然とせず、速やかな見直しが相当)。

対応の内容

 監査の実施を受けて、備品の所在を把握するための位置図面に記載している記号(「土」、「書」等)の表記については、係名(土地係)、保管場所(書庫)等を示すものであることが分かるよう注釈を付した。

(8) 手提金庫の適切な管理について(担当局部課名:財政局税務部中央市税事務所)
 (所管課:財政局税務部税制課)

監査の意見
課題・問題点

 ある部署において、過去に職員が不用意に手提金庫を施錠したことで開錠に時間を要し、窓口業務に支障をきたした事例があった。このため、当該手提金庫のダイヤルをテープで固定し、施錠できない状態で運用されていた。
 業務終了時には手提金庫は大金庫に移して施錠・保管されているとはいえ、この状況は業務中の金庫としての本来機能を喪失させ、実質的に無施錠で現金等を保管していたに等しく、盗難・紛失のリスクを高めるとともに、施錠・鍵管理・アクセス制限といった現金保管の内部統制要件を満たしていないものと認められる。

意見

 当該手提金庫は故障していたわけではなく、購入当初からダイヤルが回りやすく、それに起因して上記のトラブルが発生したとのことであった。監査人の指摘後ダイヤルのテープ固定は取りやめたとのことであったが、このような状態で何年も放置されていたことは適切な管理がなされていたとはいえない。
 金庫で管理をする趣旨に鑑みれば、衆人環視だから施錠の必要がないとはいえない。当該金庫は速やかに交換されたい。

対応の内容

監査の実施を受けて、令和8年1月に新たな手提げ金庫を購入し、適切な管理に努めている。

 

(9) 徴税吏員証について
 (所管課:財政局税務部税制課)

監査の意見
課題・問題点

 市の職員が質問検査権を行使するために重要な徴税吏員証は、厳重な保管管理が必要である。しかしながら、市ではこの吏員証について、総合的に厳格管理するのではなく、各自での保管管理を行っており、また、発行している吏員証の所在の定期的な点検についても行っていない。なお、西部市税事務所で令和5年度に徴税吏員証を紛失した事案があったことも確認している。

意見

 徴税吏員証の重要性を考えれば、これらは一元的な管理を要し、かつ定期的(少なくとも年に数回)に徴税吏員証の点検を行うべきである。徴税吏員証は管理職による総合管理を行い(鍵のかかる場所での保管)、徴税吏員証の所在等の確認ができるような管理簿を備え置く管理方法を検討すべきである。仮に、徴税吏員証を個人管理する体制を継続する場合であっても、徴税吏員証の持ち出しや管理に関するマニュアルを整備し、職員がマニュアルを遵守しているかどうかについて定期的な検査を実施すべきである。

対応の内容

 監査の意見を受けて、徴税吏員証の管理方法を見直し、徴税吏員証等管理簿を整備した上で、返納及び廃棄の状況を記録するとともに、交付時・返納時に加え10月にも管理状況を点検することとし、このことについて、令和8年3月18日付けで税務部全所属へ通知した。

(10) 徴税吏員証の管理について
 (所管課:財政局税務部税制課)

監査の意見
課題・問題点

 市の職員が質問検査権を行使するために重要な徴税吏員証は、厳重な保管管理が必要である。しかしながら、市ではこの徴税吏員証について、総合的かつ厳格な管理を実施しておらず、職員が各自での保管管理(たとえば、名前札に入れての管理、財布に入れての管理など)を行っている。加えて、発行している徴税吏員証の所在について定期的な点検を行っていない。

意見

 徴税吏員証の重要性を考えれば、これらは一元的な管理を要し、かつ定期的(少なくとも年に数回)に徴税吏員証の点検を行うべきである。徴税吏員証は管理職による総合管理を行い(鍵のかかる場所での保管)、徴税吏員証の所在等の確認ができるような管理簿を備え置く管理方法を検討すべきである。仮に、徴税吏員証を個人管理する体制を継続する場合であっても、徴税吏員証の持ち出しや管理に関するマニュアルを整備し、職員がマニュアルを遵守しているかどうかについて定期的な検査を実施すべきである。

対応の内容

 監査の意見を受けて、徴税吏員証の管理方法を見直し、徴税吏員証等管理簿を整備した上で、返納及び廃棄の状況を記録するとともに、交付時・返納時に加え10月にも管理状況を点検することとし、このことについて、令和8年3月18日付けで税務部全所属へ通知した。

(11) 徴収事務:督促期限と体制整備について
 (所管課:財政局税務部税制課)

監査の意見
課題・問題点

 督促状の発送日(発行日)が地方税法第329条第1項の「納期限後20日以内」を満たしていない事例が確認された。具体的には、令和6年度の5月・8月分の一部で20日を1日超過している。超過の原因は、口座振替不能納付書の発送日(納期限の5開庁日後)から督促状発送までの間隔が7開庁日以内となる場合に二重納付防止のため、さらに督促状の発送日を翌開庁日に順延していることであり、特定の月において「納期限後20日以内」を超過する事例が恒常的に発生している。

意見

(法令上の位置付けと実務解釈について)
 地方税法第329条第1項は、納期限後20日以内に督促状を発することを定めているが、地方税総則実務提要において、この規定は訓示的規定とされ、20日を経過して発した督促状であっても直ちに無効となるものではないと解されている。しかしながら、訓示的規定であることは、あくまで一時的・例外的な遅延を許容する趣旨にとどまり、業務運用上の恒常的な超過を容認するものではない。したがって、現行運用においても、発送遅延の要因や発生頻度を把握し、適切な管理体制のもとで限定的に実施する必要がある。
(地方税法第329条第3項の適用可能性と他市の事例)
 同条第3項は、「特別の事情がある市町村においては、当該市町村の条例で第1項に定める期間と異なる期間を定めることができる」としており、実際に次のような自治体では、各自治体の実情を踏まえて同条第3項に基づき法定期間を延長している。

  • 札幌市税条例第13条:納期限後30日以内に督促状を発することを規定。
  • 名古屋市市税条例第5条:納期限後40日以内に督促状を発することを規定。

 一方、市においては、督促事務の処理プロセスや業務配分、システム運用等の在り方によっては、法定期間内の発送が恒常的に困難となるリスクを内包していると考えられる。このため、地方税法第329条第3項の規定に基づく条例上の期間設定の見直しの可能性に加え、内部文書(要綱・内規・事務取扱要領等)において督促状発送期限の考え方や例外対応について明確化するなど、法令・条例及び内部規程の両面から、適正な処理期間の設定と業務運用の整合性を確保する方策を検討する余地があると考えられる。
(今後の対応)
 現行運用を継続する場合は、督促状発送が20日を超える理由(閉庁日対応・二重納付防止等)を明確化し、内部文書として整理しておくことが望ましい。
 また、発送遅延が複数月にわたって継続する場合には、事務体制の見直しに加え、地方税法第329条第3項に基づく条例改正の要否や、督促状発送期限に関する内部文書(要綱・内規・事務取扱要領等)の改正・明確化を検討することが適切である。

対応の内容

 監査の意見を受けて、令和8年4月1日以降に発送する督促状については、法定の期間の最後の日(当該日が休日に該当する場合は、その翌開庁日)に発送するよう、運用を見直すこととし、このことについて、同年3月31日付けで関係部署へ通知した。

(12) 現所有者の申告書が期限内に提出されない場合について
 (所管課:財政局税務部固定資産税課)

監査の意見
課題・問題点

 市は相続人に対し、現所有者の申告書の期限内提出を期して、期限到来前に申告書の提出を慫慂しているものの、申告書が期限内に提出されないケースは、令和4年度で3,255件、令和5年度で3,478件、令和6年度で2,996件であった。期限内に提出がない場合、再度、申告書の提出について慫慂を行うが、それ以上の措置はなく、過料が課されたケースは存在しない。

意見

 市は、慫慂前に相続登記が確認された場合は慫慂を行っていない。登記の義務化に伴い、慫慂が必要なケースは減少してくることが予想されるが、課税の公平の観点から、期限内に申告がない場合の対応を厳格化することを検討することが望ましい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、令和8年3月に事務マニュアルを改正し、期限内に申告書が提出されない場合、調査した上で、職権により現所有者を認定し、課税する取扱いを定めた。

(13) 公示送達した案件への対応について
 (所管課:財政局税務部固定資産税課)

監査の意見

 公示送達した納税通知書の中に住宅用地の課税標準の特例を適用している場合がある。このようなケースにおいては、今後居住の用に供される可能性は極めて低い家屋があると考えられることから、優先的に現況調査を行い、賦課期日における当該家屋の客観的状況等に留意して判定した結果、居住の用に供するために必要な管理を怠っている場合等で今後人の居住の用に供される見込みがないと認められる場合には、住宅用地の課税標準の特例を適用しないことが望ましい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、納税義務者の住所地に係る実地調査等の取扱いを定め、住宅用地の課税標準の特例が適用されている土地について、納税通知書を公示送達する場合には、公示送達時及び固定資産税の賦課期日前後に実地調査を実施し、その結果を踏まえて当該特例の適用を継続することの可否を判断することとし、令和8年4月に各市税事務所へ通知した上で、運用を開始した。

(14) 社会福祉法人等の実態確認について
 (所管課:財政局税務部固定資産税課)

監査の意見
課題・問題点

 社会福祉法人等が所有する固定資産について、固定資産税が課税されるものと非課税のものが混在しているが、市は、この内容の確認を所有権移転や新築により新たに社会福祉法人等が所有することとなった場合に、聞取りや実地調査により確認している。その後は原則として外観から利用状況等に変更がないかを毎年調査している。

意見

 所有権移転や新築時に、非課税の用途に供されているか否かの確認をしていることから、その時点では問題はないが、その後、社会福祉法人等の事業内容の変更等により非課税の用途に該当しなくなるケースも想定しうる。このような場合のうち、外観や公開されている情報だけでは、当該変更等が確認できないこともありうる。市は、社会福祉法人等が非課税措置の適用を受けることとなった場合及び適用を受けないこととなった場合に、それぞれ申告する義務を条例で定めているが、納税者自身も悪意なく当該変更についての申告を失念している可能性もあることから、社会福祉法人や宗教法人等について、定期的な実態確認に努めていただきたい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、令和8年5月に社会福法人等に係る非課税物件の一部を抽出し、同年9月末までに当該物件の実態調査を行うこととした。
 また、この実態調査の結果を踏まえ、調査方法等に必要な見直しを行い、次年度以降も実態調査を継続することとした。

 

平成30年度包括外部監査の意見に対する対応結果の公表(こども未来局)

1 監査意見公表年月日

平成31年2月5日(広島市監査公表第1号)

2 包括外部監査人

大濱 香織

3 監査意見に対する対応結果通知年月日

令和8年9月17日(広こ企第76号)

4 監査のテーマ

子ども・子育て支援事業の事務の執行について

5 監査の意見及び対応の内容

公立保育園における施設補修、随意契約の妥当性について
 (所管課:こども未来局幼保企画課)

監査の意見

 広島市が、公立保育園の修繕業務を、一般財団法人広島市都市整備公社 (以下「都市整備公社」という。)に委託する契約(以下「保育園修繕等委託契約」という。)は、平成19年3月に広島市社会局競争入札参加者等指名委員会によって、地方自治法施行令第167条の2第1項第2号に定める「性質又は目的が競争入札に適さない」契約(一般的に、「特命随意契約」という。)であると定められ、以来、特命随意契約を繰り返し、平成29年度においても特命随意契約により保育園修繕等委託契約を締結している。
 地方自治法第234条第2項は、随意契約は法令に定めた要件を充たす場合に限りすることができるとし、地方自治法施行令第167条の2第1項は、その性質又は目的が競争入札に適しない契約をするときは随意契約によることができると定めている。
 広島市「物品売買等に係る随意契約ガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)では、地方自治法施行令第167条の2第1項「その性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき」の解釈・運用について定めている。保育園修繕等委託契約は、ガイドラインの「特定の者でなければ役務を提供することができないとき。」に該当するとして、特命随意契約を締結している。
 担当課は、「平成29年度『広島市保育園維持補修等業務』の委託及びこれに伴う経費の支出について(平成29年3月24日決裁)」の中で、随意契約とする理由について、「中長期的な施設維持管理の視点を踏まえた維持補修」「園児の安全等に配慮した上での維持補修」「効率的な業務執行」を挙げ、契約に当たっては、相手方から見積書を徴し、その額が予定価格の範囲内であれば契約を締結するものとする、としている。
 しかし、上記理由は、必ずしも都市整備公社以外においては行い得ないものではない。一般に、建物メンテナンス事業者は多数あり、幼稚園や保育園の建築や修繕を行う設計業者や施工業者も存在する。
 担当課は、他の事業者にも見積書作成を依頼するとか、他の事業者の業務遂行能力を検討するなどの調査を行った痕跡は見られない。
 他方、都市整備公社との契約締結に際して、都市整備公社から見積書は提出されているものの、この見積書作成日と契約書の作成日とが同一日となっている。また、随意契約理由書の記載においても、前年度よりも古い実績数がそのまま記載されていた。このことからするに、都市整備公社との契約が事前に十分に検討されていたというよりは、慣例化に任せて都市整備公社との契約を繰り返していたと見える。
 また、都市整備公社は、広島市職員や元広島市職員が、理事、評議員、職員として在籍するなど、広島市と関係が深い団体である。それだけに、都市整備公社との契約締結に当たっては、なお一層の透明性確保が求められる。
 今後の業務について、経済性、透明性の観点から、問題点を十分把握分析した上で競争性を取り入れた契約手法の導入について検討されたい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、市立保育園(市立認定こども園を含む。以下同じ。)の施設の維持補修に係る委託について、委託業務の範囲を当該維持補修のほか保守点検等業務に拡充するとともに、対象施設を市立保育園に加え複数の児童福祉関連施設(児童館、放課後児童クラブ施設等)にも広げることとした。
 また、委託契約の締結手続については、従前から一般財団法人広島市都市整備公社との間で更新を繰り返していた特命随意契約から、競争性、透明性等が確保できる公募型プロポーザル方式に見直した。
 以上のとおり見直しを行い、令和8年3月、公募型プロポーザル方式により選定した事業者との間で「広島市立保育園等施設包括管理業務」に係る委託契約を締結した。

令和5年度包括外部監査の意見に対する対応結果の公表(こども未来局)

1 監査意見公表年月日

令和6年2月5日(広島市監査公表第2号)

2 包括外部監査人

松本 京子

3 監査意見に対する対応結果通知年月日

令和8年9月17日(広こ給第92号)
令和8年9月17日(広こ放第3号)

4 監査のテーマ

補助金等交付事務に関する財務に係る事務の執行について

5 監査の意見及び対応の内容

(1) 効果測定について(私立保育園等ICT化推進事業に係る補助金)
 (所管課:こども未来局幼保給付課)

監査の意見

 「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げられるようにしなければならない。」(地方自治法第2条第14項)。補助金の交付に当たっても、最小の補助金等の交付で最大の効果が得られることが要求される。
 当該補助金においての効果測定は、園からの感想程度に留まっており、一定程度客観的な項目や指標を定めた効果測定ガイドラインを策定し、これに基づき効果測定することが望ましい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、補助に当たっては、当該補助を受けている施設における保育士等の時間外勤務時間数の減少及び睡眠中の園児の重大事故発生件数ゼロを目標として補助金評価調書を作成し、これを基に、毎年度、継続的に事業効果を測定することとした。

(2) 効果検証について(保育士等処遇改善事業に係る補助金(私立))
 (所管課:こども未来局幼保給付課)

監査の意見

 「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」(地方自治法第2条第14項)。補助金等の交付に当っても、最少の補助金等の交付で最大の効果が得られることが要求される。そのため、補助金等の公募時には計画(効果予測)が、事業等が終了した際には効果測定が不可欠となる。本事業について、どのように効果検証しているか質問したところ、以下の回答を得た。
 賃金改善計画書実績報告書による報告を受けています。
 この点、賃金改善計画書実績報告書により報告を受けるだけでは、十分な効果検証を実施しているとは言い難い。したがって、創意工夫し効果検証していただきたい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、補助に当たっては、当該補助を受けている施設における保育士等の平均勤続年数の維持・増加を目標として補助金評価調書を作成し、これを基に、毎年度、継続的に事業効果を検証することとした。

(3) 効果検証について(保育士等増員配置に係る補助金)
 (所管課:こども未来局幼保給付課)

監査の意見

 「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」(地方自治法第2条第14項)。補助金等の交付に当っても、最少の補助金等の交付で最大の効果が得られることが要求される。そのため、補助金等の公募時には計画(効果予測)が、事業等が終了した際には効果測定が不可欠となる。本事業について、どのように効果検証しているか質問したところ、以下の回答を得た。
 実績報告書による報告を受けています。
 この点、実績報告書により報告を受けるだけでは、十分な効果検証を実施しているとは言い難い。したがって、創意工夫し効果検証していただきたい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、補助に当たっては、当該補助を受けている施設数の維持・増加を目標として補助金評価調書を作成し、これを基に、毎年度、継続的に事業効果を検証することとした。

(4) 効果検証について(私立保育園等入所児童の欠員に対する補助金)
 (所管課:こども未来局幼保給付課)

監査の意見

 「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」(地方自治法第2条第14項)。補助金等の交付に当っても、最少の補助金等の交付で最大の効果が得られることが要求される。そのため、補助金等の公募時には計画(効果予測)が、事業等が終了した際には効果測定が不可欠となる。本事業について、どのように効果検証しているか質問したところ、以下の回答を得た。
 受入可能児童数等に係る確認票及び職員配置基準算定表により、当該補助事業要件を満たしていることを確認しています。
 この点、当該補助事業要件を満たしていることを確認するだけでは、十分な効果検証を実施しているとは言い難い。したがって、創意工夫し効果検証していただきたい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、補助に当たっては、本市における私立保育所等の定員総数の維持・増加を目標として補助金評価調書を作成し、これを基に、毎年度、継続的に事業効果を検証することとした。

(5) 効果検証について(保育補助者雇上強化事業に係る補助金)
 (所管課:こども未来局幼保給付課)

監査の意見

 「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」(地方自治法第2条第14項)。補助金等の交付に当っても、最少の補助金等の交付で最大の効果が得られることが要求される。そのため、補助金等の公募時には計画(効果予測)が、事業等が終了した際には効果測定が不可欠となる。本事業について、どのように効果検証しているか質問したところ、以下の回答を得た。
 実績報告書による報告を受けています。
 この点、実績報告書により報告を受けるだけでは、十分な効果検証を実施しているとは言い難い。したがって、創意工夫し効果検証していただきたい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、補助に当たっては、当該補助を受けている施設における保育士等の時間外勤務時間数の減少を目標として補助金評価調書を作成し、これを基に、毎年度、継続的に事業効果を検証することとした。

(6) 効果測定について(私立幼稚園振興事業に係る補助金)
 (所管課:こども未来局幼保給付課)

監査の意見

 「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」(地方自治法第2条第14項)。補助金等の交付に当っても、最少の補助金等の交付で最大の効果が得られることが要求される。
 そのため、特に教職員研修事業に対する補助金においては、その目的(研修等により教職員の資質の向上を図り、もって私立幼稚園等の振興に資する)からも効果測定が不可欠と考える。
 しかしながら、事業実施報告書の事業の実施効果として「私立幼稚園等教育の充実、向上に多大な効果が期待できる」とあるように、定性的な評価にとどまり、具体的かつ客観的な指標に足り得なかった。
 当該効果予測や効果測定の手法は地方公共団体の自立性・自主性に委ねられるものであるため、広島市において、一定程度客観的な項目や指標を定めた効果測定ガイドラインを策定し、これに基づき効果測定することが望ましいと考える。

対応の内容

 監査の意見を受けて、補助に当たっては、当該補助を受け実施した教職員研修により教育の質の向上につながったと考える研修参加者の割合を指標として補助金評価調書を作成し、これを基に、毎年度、継続的に事業効果を測定することとした。

(7) 効果測定について(地域組織活動事業に係る補助金)
 (所管課:こども未来局放課後対策課)

監査の意見

 「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」(地方自治法第2条第14項)。補助金等の交付に当っても、最少の補助金等の交付で最大の効果が得られることが要求される。
 そのため、補助金等の交付決定に当たっては効果予測が、事業等が終了した際には効果測定が不可欠となる。
 しかしながら、当該補助金においても定性的な評価にとどまり、具体的かつ客観的な指標に足り得なかった。
 当該効果予測や効果測定の手法は地方公共団体の自立性・自主性に委ねられるものであるため、広島市において、一定程度客観的な項目や指標を定めた効果測定ガイドラインを策定し、これに基づき効果測定することが望ましいと考える。

対応の内容

 監査の意見を受けて、補助に当たっては、児童の健全育成に関する事業を実施する地域組織の数の維持・増加を目標として補助金評価調書を作成し、毎年度、継続的に事業効果を測定することとした。

(8) 効果測定について(民間放課後児童クラブに対する補助金(運営費等))
 (所管課:こども未来局放課後対策課)

監査の意見

 「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」(地方自治法第2条第14項)。補助金等の交付に当っても、最少の補助金等の交付で最大の効果が得られることが要求される。
 そのため、補助金等の公募時には計画(効果予測)が、事業等が終了した際には効果測定が不可欠となる。
 しかしながら、当該補助金においても定性的な評価にとどまり、具体的かつ客観的な指標に足り得なかった。
 当該効果予測や効果測定の手法は地方公共団体の自立性・自主性に委ねられるものであるため、広島市において、一定程度客観的な項目や指標を定めた効果測定ガイドラインを策定し、これに基づき効果測定することが望ましいと考える。

対応の内容

 監査の意見を受けて、補助に当たっては、民間放課後児童クラブを設置している学区において、待機児童数をゼロにすることを目標として補助金評価調書を作成し、毎年度、継続的に事業効果を測定することとした。

(9) 効果測定について(民間放課後児童クラブに対する補助金(処遇改善事業))
 (所管課:こども未来局放課後対策課)

監査の意見

 「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」(地方自治法第2条第14項)。補助金等の交付に当っても、最少の補助金等の交付で最大の効果が得られることが要求される。
 そのため、補助金等の公募時には計画(効果予測)が、事業等が終了した際には効果測定が不可欠となる。
 しかしながら、当該補助金において定性的な評価にとどまり、具体的かつ客観的な指標に足り得なかった。
 当該効果予測や効果測定の手法は地方公共団体の自立性・自主性に委ねられるものであるため、広島市において、一定程度客観的な項目や指標を定めた効果測定ガイドラインを策定し、これに基づき効果測定することが望ましいと考える。

対応の内容

 監査の意見を受けて、補助に当たっては、民間放課後児童クラブを設置している学区において、待機児童数をゼロにすることを目標として補助金評価調書を作成し、毎年度、継続的に事業効果を測定することとした。

令和6年度包括外部監査の意見に対する対応結果の公表(教育委員会)

1 監査意見公表年月日

令和7年2月6日(広島市監査公表第3号)

2 包括外部監査人

松岡 賢

3 監査意見に対する対応結果通知年月日

令和8年9月7日(広市教学教第348号)
令和8年9月9日(広市教総施第22号)

4 監査のテーマ

教育に関する事業の財務事務の執行について

5 監査の意見及び対応の内容

(1) 特別教室・体育館への空調設置について(各学校における空調の設置について)
 (所管課:教育委員会総務部施設課)

監査の意見

 今回の監査対象校の多くにおいて、一部の特別教室・体育館に空調が設置されていない。近年の猛暑により一部の特別教室・体育館が使えない状況となっている。令和6年9月現在の文部科学省公表によると広島市の特別教室(小中学校)の設置率は45.9%(全国平均66.9%)、体育館等(小中学校)の設置率は0%(全国平均18.9%)となっており、全国平均を下回っている状況である。当日又は翌開庁日までに失効処理を行い、速やかに廃棄するべきである。記録については、媒体の別(台帳・一覧・電子記録等)を問わず、返納・失効・廃棄の各段階が追跡可能となるよう、確認手順と承認の記録方法を明確化する。発行番号・氏名・返納日・廃棄日等の基本情報が確認できる状態を維持し、定期的(例:半期)に残置の有無を点検し、未処理があれば速やかに是正することが望ましい。
 文部科学省では「公立学校施設の空調(冷房)設備の今後について」と題して方針を発表しており、その中で特別教室については「児童・生徒の利用頻度が高い部屋については、優先的に設置をしている状況もあるため、学校設置者の設置の要望を踏まえ、引き続き、教育環境改善に取り組んでまいります。」とし、体育館については、「文部科学省としては、体育館本体の建替えや全面的な改修工事に併せ、断熱性能を確保した上で空調を設置するなど、各地方公共団体においても対策を検討していただいた上で、引き続き、教育環境改善に取り組んでまいります。」としている。
 広島市は以前から空調の有用性は認識しており、これまでは普通教室・一部の特別教室等への空調について優先順位を考慮しながら設置を行っている。
 だが、熱中症の危険指数とされる広島市の猛暑日が令和6年(9月30日時点)は45日、令和5年は16日、令和4年は8日を記録しており、今後、猛暑が益々激しさを増していくことは容易に想像がつく。
 今後も、優先順位を考慮しつつ、特別教室・体育館への空調の設置を検討されたい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、特別教室への空調設備の設置については、設置済である音楽教室及び図書室等に加えて、令和8年度から、全ての小中学校の理科室及び家庭科室を対象に順次設置し、その後、他の特別教室にも順次設置することとしている。
 また、体育館については、全ての市立学校の体育館に空調設備を設置することとして、令和8年度に全体的な事業計画の整理等を行うこととしている。

(2) スクールサポートスタッフの配置について(スクール・サポート・スタッフ配置)
 (所管課:教育委員会学校教育部教職員課)

監査の意見

 広島市では平成31年度から、働き方改革モデル校においてスクールサポートスタッフの配置を開始した。そして、スクールサポートスタッフの配置による教員の負担軽減及び在校等時間の削減との効果検証を行い、その有効性が認められたため、令和2年度から大規模校を中心にスクールサポートスタッフの配置を開始し、以降、各校種においてスクールサポートスタッフの配置を進めてきている(但し、令和5年度から幼稚園へのスクールサポートスタッフの配置は廃止されている)。
 この点、令和4年度に広島市立学校を対象として行われた働き方改革に関するアンケート調査におけるスクールサポートスタッフの活用状況に関するアンケート結果を確認すると、ほぼすべての学校がスクールサポートスタッフを活用することで教員の負担軽減及びこれによる教育活動の充実につながっているとの回答であった。また、監査人において無作為に抽出した複数の市立学校における実地監査を実施した際に、スクールサポートスタッフの活用による教員の負担軽減の効果や配置数の適正等に関するヒアリングを行ったところ、スクールサポートスタッフが配布物の印刷や仕分け、各種データ入力、掲示物の貼替、清掃など様々な領域で学校現場における教職員の負担軽減に寄与していることが確認された。
 しかしながら、スクールサポートスタッフの活用度合いは学校ごとに異なっており、中にはスクールサポートスタッフに依頼できる業務の範囲が不明確であることなどの理由から十分にスクールサポートスタッフを活用できていないケースも存在した。また、教育現場での勤務経験のあるスクールサポートスタッフが配置されたケースではスクールサポートスタッフに依頼できる範囲が幅広く、負担軽減効果が特に大きかったが、そのような経験のないスクールサポートスタッフが配置されたケースでは依頼できる範囲が限定的であったため、負担軽減効果も限定的であったという意見も確認された。
 他方で、スクールサポートスタッフの配置数は基本的に各校1名、多くても2名であるところ、児童・生徒数、教職員数に比してスクールサポートスタッフの配置数が足りておらず、スクールサポートスタッフに対する教職員からの依頼がひっ迫している状況となっているケースも確認された。
 この点、スクールサポートスタッフの配置の拡充は教職員が担う業務量の軽減との関係で明確な効果が見込まれるものであり、文部科学省もスクールサポートスタッフの導入促進・配置の拡充を推進しているところである。したがって、予算の兼ね合いがあるものの、広島市において今後も引き続き、スクールサポートスタッフの配置の拡充が望まれるところである。また、上記のとおり配置されたスクールサポートスタッフを十分に活用しきれていないケースも存在することから、現在、市教委ではスクールサポートスタッフの活用状況のヒアリングを行っており、今後、各学校に対してその活用例の紹介を行うなどしてスクールサポートスタッフの活用度を高めるべく取り組んでいるところである。
 今後このような取組みの継続のほか、市教委においてスクールサポートスタッフに期待される役割や業務内容を整理・公表することや、スクールサポートスタッフへの研修による人材育成、スクールサポートスタッフの募集広告にあたり広島市公式ホームページのみならず市の広報紙への掲載や公式SNSを活用するといった人材確保に関する取組などの検討が望まれる。

対応の内容

 監査の意見を受けて、スクールサポートスタッフに期待される役割や業務内容を募集案内に明記するとともに、ひろしま市民と市政(令和7年9月1日号)に、同様の内容を掲載した。
 また、令和7年10月に実施した学校長へのスクールサポートスタッフに関するヒアリングで得られた活用事例について、全ての学校長宛てに令和8年2月に文書で通知するとともに、所属におけるOJTを促した。

(3) スクールサポートスタッフの目標設定と測定の方法(スクール・サポート・スタッフ配置)
 (所管課:教育委員会学校教育部教職員課)

監査の意見

 スクールサポートスタッフ事業の事業計画書によると、「アンケート調査等において、スクールサポートスタッフの活用により教員の本来業務が充実したかを問う項目で肯定的回答90%以上を目指す」と目標が設定されている。
 しかし、働き方改革推進プランにおいて今後必要な取り組みとして「調査・報告等の縮減」が挙げられていることに鑑みると、学校へのアンケートの実施はこれに逆行する可能性がある。したがって、効果を検証するための手法としては、たとえば校長へのヒアリングなど、現場への負荷を極力減らすための代替的な手法を検討することが望ましい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、令和7年10月に実施した学校長への人事に関するヒアリングに加えて、スクールサポートスタッフの活用の効果検証についてヒアリングを行った。

(4) スクールサポートスタッフの業務内容について(1)(スクール・サポート・スタッフ配置)
 (所管課:教育委員会学校教育部教職員課)

監査の意見

 スクールサポートスタッフの業務内容は、勤務条件通知書において次のように定められている。
(1) プリント・配布物の印刷や仕分け、採点業務補助、授業準備補助、教材作成補助、パソコンによる各種データの入力・集計作業、アンケート調査等の転記・集計、学校行事や式典等の準備補助等の教員補助業務
(2) 来客対応や電話対応
(3) 掲示物の貼替、資料整理、整頓、清掃・消毒作業、健康観察の取りまとめ等の環境整備
(4) その他、所属長が必要と認める業務
 スクールサポートスタッフの給与は時給換算で1,000円程度であり、専門的な業務は想定されていないが、実際には教員免許を有するなど専門的な知見を持つ者が任用されているケースがあり、上記4をどこまで頼めるのか現場で苦慮しているようにも見受けられた。
 専門的な知見を持つ人を低賃金で雇用することを推奨するものではないが、業務内容を狭めすぎると折角の能力を活かしづらい面もあり、上記4の業務範囲を所属長の判断でどこまで広げることができるのか、方針を明確にすることが望ましい
 保存している文書等は重要な文書であり、仮に過去の文書を見返すときに、状態が悪いものや破損しているものでは確認することが困難であることが考えられる。そのため、文書事務の手引に従い適切に保存するよう徹底していくべきである。

対応の内容

 監査の意見を受けて、スクールサポートスタッフの業務範囲を判断する目安として、令和7年10月に実施した学校長へのスクールサポートスタッフに関するヒアリングで得られた「その他、所属長が必要と認める業務」の具体例について、全ての学校長宛てに令和8年2月に文書で通知した。

(5) スクールサポートスタッフの業務内容について(2)(スクール・サポート・スタッフ配置)
 (所管課:教育委員会学校教育部教職員課)

監査の意見

 スクールサポートスタッフの実際の作業内容を具体的にどのように決定するかは各学校に任せられており、各学校で聞き取り調査を行ったところ、教頭が管理している学校と、各教員の判断でそれぞれ業務を依頼している学校の両方が存在することが分かった。また、作業を依頼するにあたり、独自の依頼書の様式を作成するなどの工夫もみられた。
 スクールサポートスタッフは今後予算を増やしたり増員したりすることが想定されているため、各校のノウハウを共有する機会を設けて、より効果的な活用方法を検討することが望ましい。

対応の内容

 監査の意見を受けて、令和7年10月に実施した学校長へのスクールサポートスタッフに関するヒアリングで得られた活用事例について、全ての学校長宛てに令和8年2月に文書で通知した。

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