2025年8月21日「市政車座談義」の開催結果
概要
「『女性がいきいき活躍できるジェンダー平等なまち』づくりについて」をテーマに、広島で働く方や地域活動に取り組まれている方、事業者の方、市内の大学生の方といった様々な立場の方々に集まっていただき、市政車座談義を開催しました。
市長は、まちづくりを職場・家庭・地域の三つに分類して、いずれの分野においても、皆さん自身が納得できるような活動ができる生活環境を設定することが目標である。その生活環境をつくり上げていくために、皆さんが進めている取組の周知や改良において、行政や企業などいずれの主体がどのように支援していくかを考えていくことが行政の仕事だと思う、と述べるなど、参加者と積極的な意見交換を行いました。

結果
1 日時
令和7年(2025年)8月21日(木曜日)15時30分~17時30分
2 開催場所
広島大学東千田キャンパス 総合校舎L棟 SENDA LAB(センダラボ)
3 参加者
8名(※敬称略)
- 県立広島大学大学院 経営管理研究科 教授 木谷 宏(きたに ひろし) ※進行役
- 叡啓大学 学生 山崎 祥子(やまさき しょうこ)
- 安田女子大学 学生 渡部 琴音(わたなべ ことね)
- 安田女子大学 学生 熊川 美波(くまがわ みなみ)
- 株式会社広島銀行 横川支店 課長 若山 和夫(わかやま かずお)
- ICHI DESIGN OFFICE 代表 勝宮 彩(かつみや あや)
- やのエルモ 事務局員、一般社団法人マール村 代表理事 太田 郁恵(おおた いくえ)
- 東洋電装株式会社 代表取締役 桑原 弘明(くわばら ひろあき)
4 テーマ
「女性がいきいき活躍できるジェンダー平等なまち」づくりについて
5 傍聴者
1名
6 発言内容
政策企画課長
ただいまから市政車座談義を開催いたします。皆様方には、ご多忙の中、ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。私は、本日司会を務めさせていただきます、広島市政策企画課長の木原と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは本日は、「女性がいきいき活躍できるジェンダー平等なまちづくり」についてというテーマで、広島で働く方、地域活動に取り組まれていらっしゃる方、事業者の方、市内の大学生の方、様々な立場の皆様と市長とで意見交換を行っていただきます。
お手元には、本日の次第、配席図、意見交換の際にご参加頂いている皆様に活動等をご紹介いただきます6種類の資料、また、参考資料として、本市の男女共同参画基本計画の概要版をお配りしております。資料に不足等はございませんでしょうか。それでは、開会に当たりまして、市長から一言ご挨拶を申し上げます。市長、よろしくお願いします。

市長
皆さんこんにちは。本日はお忙しい中、この市政車座談義にご参加いただきありがとうございます。皆様方には、様々な活動を通じて本市のまちづくりに関わっていただいております。そのことを感謝申し上げたいと思います。
さて、これからの議論に当たっての前提条件ですが、皆様ご承知のとおり、我が国の人口が減少しているということ。対策を打とうとしていますが、これまでの実績の中でも下がっていくということは避けられない。その中で、自分たちが生活を続けるこの地域で、どういう取組をしていくかということがいろいろな意味で重要な課題になってくると思っています。いろいろな意味を持っているというのは、経済規模が拡大していく中での生き様の追求と、公共と経済関係がシュリンクしていく中での、自分たちの活動を活性化していただくという方法は、多分、処方箋が全く違うと思います。同じような考え方で改良しようとしても、うまくいかないということが当然出てくるはずなので、パラダイムシフトという、視点の変換をやらなければならないと思うのですが、それをすることを考えたときに、さて、どういう視点があるか、我々が生きていく上で、特にハード面とソフト面の二つに分けると、ハード面の対応とソフト面の対応について今あるものをどう組み替えていくかという点、そういった問題があります。
広島のまちづくりに関して、ハード面につきましては、人が減ってお金が入らなくなるから、ハードに使うお金を今から控えて、節約して何とかできないか、こういう発想もなくはないのですが、今の状況の中で出せるお金を工夫して、将来に備えていいものをつくり、そしてそれを改良するというぐらいの気構えで、長い目で見てやっていく。いろいろな施設で不具合があったところを減らしていくのではなく、その前のところで整えるべきではないかなと思っています。
それで、平和都市ということを標榜しながらも、都心の大改造をやろうと決めて始めております。目に見えてまちのつくりが変わってきているということを、皆様に経験していただいていると思います。しかし、そういった構造物がきれいな場所へ行ってみたいと思ったとき、人口減少や高齢化などにより、行くに当たっての手段について問題が発生します。多くの人がいるから活性化して、それにふさわしい乗り物をどんどん使っていくことで、将来的には無人化など、いろいろな交通手段もできるかもしれませんが、そこに行くまでにもっと時間がかかるとすると、既存の方法も含めてしっかりしたものを用意するため、公共交通そのものをしっかりと照らし、オーソライズしなければいけない。それを将来に備えてこの地域だけではなくて、広い地域の中で組替えをしようということを行っています。
ソフト面におきましては、どちらかというと発達していくと考えています。経済が活性化して、いろいろな意味で皆様が自由活動をするために、都市という、言わば、個人が他人に干渉しないで、必要な財源さえあればいろいろなサービスをお金で買えるという都市構造にしていくと。そういったことを提供したいのですが、その出来上がったものについて、それを全国展開しようとすると限界があります。そうでない地域で生活し続けるためにはどうするかということがあり、これから地域へ戻り、集団の中での資源が限られた土地で自分たちの生活を自分たち自身でどうするかということを、もっと真剣に考えて、お隣同士で助け合うとか支援し合うという、個人が財力でサービスを取得するのではない、人との交流の中でそういったものをつくり上げていくというやり方も必要となります。
そんなことで、ソフト面について、地域のコミュニティ活性化では、町内会、自治会が弱っている、高齢者が増えて、何かしようとしても担い手がいない、そのための財源が十分にない。国や県、市で用意はしていても、事務手続きが煩雑でハードルが高くどうしたらいいかという問題があり、それを一気に解決するために、LMOによってコミュニティの在り方を組み替えるということも、今始めています。こういった手段を用意いたしましたので、これを使ってミクロ面での活性化とマクロ面での活性化ということを視野に置きながら両面での組替えをして、そこに暮らす方々が、これから人口減になっても、地域をなかなか良いところじゃないかと思っていただける。そういう場所にしていきたいと思っています。その際に、そこで生活するに当たっては、職場、それから家庭と地域の活動、これらをどうコンプロマイズするかということが、重要な問題になってくると思っています。それらをお1人お1人が一緒になって考える。それを地域総出のまちづくりという言葉で、ようやく概念が固まってまいりまして、皆様には取り組んでいただきたいと思っています。
そうした中で、今日は「女性がいきいき活躍できるジェンダー平等なまちづくり」というタイトルにしました。このまちづくりをいろいろな意味で、性別関係なく、今までは産業社会を支えてきた価値観で見てきましたが、家庭という、経済とは少し離れたところでの生活をしながら、いろいろな経験や知恵を持っている立場から見たときに、どうすることがいいだろうか、ここは直すべきじゃないかなど、そんなお話を聞かせていただくとともに、男性や女性、また、ジェンダーというものも関係なく、これまでの生活で社会のどこに着目し興味を持って議論をしてきたかということなどについて、我々とは違った視点からご意見をいただきたい。そういったことで、多様性のあるまちを目指したいと考えた設定となっておりますので、ぜひ今日はそういった視点からのご意見をいただければ、これをしっかり吸収して、今後のまちづくりに生かしていきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いします。
いずれにしても、今日の市政車座談義が忌憚のないご意見を頂戴できる絶好の機会になることを祈念いたしまして、ご挨拶に代えさせていただきます。ありがとうございました。
政策企画課長
ありがとうございました。それでは続きまして、本日ご参加の皆様をご紹介いたします。皆様には後ほどそれぞれ活動をご紹介いただく時間を別途設けておりますので、お名前を私の方で申し上げましたら、それぞれ一言ずつご挨拶をお願いできればと思います。
まず、本日コーディネーターを務めていただきます、県立広島大学大学院経営管理研究科、教授の木谷宏様。

木谷氏(コーディネーター)
皆様、県立広島大学の木谷と申します。今日はコーディネーターを務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
政策企画課長
次に、叡啓大学の山崎祥子様。

山崎氏
叡啓大学ソーシャルシステムデザイン学部ソーシャルシステムデザイン学科の山崎祥子です。
普段は、企業や自治体の方々が抱えていらっしゃる課題をいただいて、その課題を分析し、どういう解決策を出すことができるのかという、実践的な学びをしております。本日はよろしくお願いいたします。
政策企画課長
次に、安田女子大学の渡部琴音様。

渡部氏
安田女子大学現代ビジネス学部公共経営学科の渡部琴音と申します。
大学では主に政治学や法律などの公共政策について学んでいます。ゼミでは、広島の観光政策について学んでいます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
政策企画課長
同じく、安田女子大学の熊川美波様。

熊川氏
安田女子大学現代ビジネス学部公共経営学科3年の熊川美波と申します。
同じ学科なので学んでいることは同じなのですが、私はゼミで労働法を学んでおります。学生アルバイトがハラスメントを受けた際の対応や、相談先を明らかにして、最終的には学生が安心して働ける環境の実現を目指して、現在は労働判例の分析検討を行っております。本日はよろしくお願いいたします。
政策企画課長
続いて、株式会社広島銀行横川支店、課長の若山和夫様。

若山氏
広島銀行横川支店の若山と申します、本日はよろしくお願いいたします。
本日登壇させていただく経緯としては、私の妻も広島銀行で働いておりまして、こどもが2人、9歳と5歳の女の子がいるのですが、育児をしながら、妻も責任者としてキャリアを築いています。今回、広島銀行の中で、夫婦共働きで女性がキャリアも両立している夫婦の男性側の立場として、実際の取組や体験談などのお話をできればと思います。本日はよろしくお願いいたします。
政策企画課長
次に、ICHI DESIGN OFFICE、代表の勝宮彩様。

勝宮氏
中区でデザイン事務所をしております、ICHI DESIGN OFFICEの勝宮と申します。
私はプロダクトデザインやグラフィックデザインをメインで業務の請負をしているのですが、最近では、こども向けのワークショップ、デザインのワークショップというものもしておりまして、今回はそういったお話もできたらなと思っております。本日はよろしくお願いいたします。
政策企画課長
次に、広島型地域運営組織ひろしまLMOの一つ、やのエルモで事務局員を、また、一般社団法人マール村で代表理事を務めておられます太田郁恵様。

太田氏
太田郁恵と申します。本日はよろしくお願いいたします。
ご紹介いただきましたように、私は、二つの肩書きで今日は参加させていただいています。昨年立ち上げましたやのエルモのほうで、安芸区の矢野から参ったんですが、こちらで事務局員として地域の活動をしております。そして、一般社団法人マール村というのは、このすぐ近くにあります鷹野橋商店街の中で、こども食堂を平日毎日運営しているのですが、そちらでも地域との関わりを持って活動させていただいておりますので、今日はそちらの発表もさせていただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
政策企画課長
次に、東洋電装株式会社、代表取締役の桑原弘明様。

桑原氏
東洋電装株式会社の桑原と申します、よろしくお願いします。
我が社は緑井に本社があって、可部と伴に工場があります。広島に3つ工場がある会社です。従業員が150人くらいで、私が2代目の社長です。私事ですが、娘が二人と息子が一人おりまして、34、32、30歳。また、孫が6人いて、1番上が10歳、1番下が2歳、まさに娘の意見を聞きながら会社の仕組みに反映するということを実際にやらせていただいております。今日はよろしくお願いします。
政策企画課長
皆様ありがとうございました。それではここからは、本日のコーディネーターをお願いしております、木谷先生に進行をお願いしたいと思います。木谷先生、どうぞよろしくお願いいたします。
木谷氏(コーディネーター)
皆様自己紹介のほうありがとうございました。令和7年度の市政車座談義ということで、始まりました。
簡単に自己紹介を兼ねてですが、皆様ご存じだと思いますが、私は人事管理の専門家ですから、こういった、自治体のトップを囲んで市民や県民がいろいろな意見交換をするということを、昔からタウンホールミーティングなんて言い方をされていました。これは、最近では企業のほうでも経営者と社員がいろいろとざっくばらんに対話をしようという、こんなような動きもあると聞いておりますが、その広島市版ということになります。毎年1回、様々なテーマを決めて、それにふさわしい方々を数珠つなぎのような形でお招きして、そして、市長にいろいろとお話を聞いていただいたり、コメントをいただいて、そしてそれが市政に反映されていくという、大変素晴らしい仕組みだと伺っています。ちなみに、去年は「学生・若者に優しいまちづくり」というテーマと聞いており、その前は農林水産業の新たな担い手の確保、もっと前はスポーツを通じた地域活性化、あるいは平和文化の振興についてなど、こういった広島市にとって非常に重要なテーマが毎年ピックアップされており、市長を交えて皆様でいろいろとお話をする大変素晴らしい機会ということになります。
今年のテーマは、先ほど市長からもお話がございましたけれども、「女性がいきいき活躍できるジェンダー平等なまちづくり」についてということで、素晴らしい、ユニークで多様なメンバーに集まっていただけたということで、学生の方もいらっしゃいますし、共働きでバリバリ働いてらっしゃる方、LMOでご活躍されていたりだとか、あるいは自分でビジネスを起こされている方、そしてDX、IT関連で非常に素晴らしい業績を上げている有名企業でいらっしゃる東洋電装の経営者であるなどですね。そういった非常にユニークな方々が、女性がいきいき活躍できるためにはという、こういった共通のテーマでお話をするという、今日は大変素晴らしい時間になるのではないかなと思います。それではこれから進めさせていただきますが、今日は終了時間が17時半ということになります。
まず初めに、皆様方から活動のご紹介をいただき、その後、こういうところはどうやっているんですか、いろいろなご苦労あるんですか、といったような意見交換を行い、そして最後に感想、それから総括といったことを考えております。
それでは早速始めてまいりたいと思います。まず、活動内容等の紹介ということで、皆様方の活動内容、そして活動を継続していく上での課題や、今後取り組んでいきたいということについて、コンパクトにまとめてくださっています。大体5分ぐらいのイメージをお持ちいただきながら順番に、今申し上げたことについてお話をお願いできればと思います。
では、トップバッターとして、叡啓大学の山崎祥子さんのご報告からお願いしたいと思います。
山崎氏
まずは本日、このような貴重な機会をいただきありがとうございます。叡啓大学の山崎祥子です。
私は主に、大学で、若者、学生に注目をして、学生が安心して性教育だったり、ジェンダーについて語り合えるサードプレイスの創出をテーマに活動を行っております。
主に性教育に今は焦点を当てていますが、私の最終的な目標としては、学生が自分の未来に対して希望を持てるようにしたいと思っております。本日は、この目標に向けて、私の想いだったり、活動内容についてお話させていただきます。
まず、私がこの活動を始めたきっかけは、これは本当に自身の経験、私自身が高校生のときに困った経験というものが幾つもあって、その経験を大学で出会った新しいお友達に話してみると、結構みんなが同じ困りごとを高校生のときに抱えていたということに気付いて、高校生の頃にみんなが抱えて困っていることが共通しているのであれば、それを解決することが1番いいというふうに思い始めました。
私が今解決したいと考えている主な社会課題は、まずは性教育に関する現状というものと、あとは学生の孤独という、この二つになります。これらを解決し、さらに深刻な課題が生まれているという現状を解決したいと思っております。
これまでの活動としては、2025年3月8日の国際女性デーの日に、「みんなの保健室」というイベントを企画・運営しました。このイベントはありがたいことに、中国新聞にも取り上げていただいて、いろいろな大人の方々から大きな反響をいただきました。このイベントでは、性教育の中でも、私が特に理解を深めたかった「生理」を大きなテーマとして扱いました。この中では、生理に関する展示などを行って、また、専門家である看護師さんにも来ていただいて、看護師さんと参加者の方々が直接お話をして、自分の身体だったり心について話せる機会を設けました。この活動は、他の大学の教授の方であったりだとか、他には看護系の分野を主に学んでいる学生の皆様が協力してくださって実現することができました。
先ほどのイベントでは、生理について焦点を当てていたのですが、今後の私の目標としては、広島の学生たちが将来に希望を持てるような環境をつくっていくことです。そのためには、生理などに留まらず、自分のメンタルをどう整えていくのかであったり、もしくはその先の自分のキャリアをどう築いていくのかという、多様なテーマについて、若者、特に学生と一緒に考える機会というものをつくっていきたいなと思っています。
私はこの活動を通して、学生が自分のことを表現できる場所というのをつくり、最終的に自分の未来に希望を持てるようにしたいと思っております。そのために、広島のまち全体で、話しやすく学びやすく相談しやすい文化というものを、これから広げていけたらいいなと思っております。本日はよろしくお願いいたします。
木谷氏(コーディネーター)
山崎さんどうもありがとうございました。今4年生とおっしゃいましたので、来年の4月からまた新たなキャリアが始まっていくということだと思います。大変素晴らしいご報告、ご紹介をありがとうございます。それでは続きまして、安田女子大学のお2人から発表いただきたいと思います。渡部琴音さん、そして熊川美波さんからですね、活動につきましてご報告ください。
熊川氏
安田女子大学現代ビジネス学部公共経営学科の渡部琴音と熊川美波です。
私たちは「ひろしま魅力発掘プロジェクト」として、呉市にある企業、「呉匠(くれしょう)」をテーマに活動しました。本日はその概要と成果をご紹介いたします。
プロジェクトの概要です。広島県では若者の県外転出が問題になっています。多くの学生が、県外企業に魅力を感じ、地元就職を選びにくい現状があります。そこで私たちは、地元企業の魅力を知ってもらい、広島での就職を促すことを目的としました。年代別のSNS利用率では、20歳から29歳は約93%でした。そこで、手法としてYouTubeやInstagram、TikTokなどのSNSを活用した30秒から1分半の動画を作成しました。
活動内容です。企業調査、訪問、ヒアリングから始まり、絵コンテ作成、撮影、編集を経て完成させました。撮影では、現場の雰囲気をリアルに捉えることを意識し、最終的にフライング交流会で発表しました。企業概要です。呉匠は、切削精密機械加工を行う企業で、鉄やアルミなど、様々な材質を扱い、航空機や医療などの分野に部品を提供しています。
そこで質問です。皆さんは呉匠と聞いてどんなイメージを持たれますか。訪問前は、男性ばかりで力仕事が多そうといったイメージを私たちは持っていました。しかし実際は、清潔で安全な環境が整い、女性社員も活躍していました。また、文理を問わず、未経験からプロを目指せる企業であることが分かりました。
次に、お手元の資料で絵コンテをご覧ください。私たちは三つの動画を作成しました。それぞれ違うコンセプト、ターゲット層を意識して作成しました。三つの場合に共通する目的は、この動画から、今まで知らなかった企業を調べるきっかけをつくることです。今回は二つ目の、私たち女子大生の率直な感想をこめた動画をご覧ください。
~動画再生~
渡部氏
今回の活動を通じて感じた、企業が作る動画と私たちの動画の違いは、知りたいことだと考えました。
企業は福利厚生を重視しがちです。働く上で大切な情報ではありますが、動画での差別化は難しいと考えました。動画では、働く前に把握しづらい社内の雰囲気や内情を伝えるべきだと思いました。福利厚生の充実は今や当たり前です。だからこそ、他社にはない、その事業ならではの魅力を動画で出すことで興味を持つきっかけになります。そこで私たちは、インタビューや企業説明よりも、訪問して感じた率直な印象を動画に盛り込みました。また、ジェンダーフリーの視点を意識しつつ、若者らしい流行も取り入れました。王道な企業紹介動画と、学生ならではの視点を生かした動画の両方を制作することで、多様なアプローチを実現しました。
まとめです。活動は決して順調ではなく、何度も挫折しそうになりました。それでも交流会で、他大学の学生や高校生から直接感想をもらい、動画が誰かの心に届いたことを実感でき、大きな喜びとなりました。振り返ると、たくさんの成長を感じられ、参加できたことに感謝しています。また、今まで知らなかった企業に興味を持ち、説明会に参加するなど、就職活動の視野も広がりました。この経験は、今後の進路選択にも大きく役立つと感じています。
この活動から私たちが考えた女性が働きやすい社会とは、まず性別に基づく役割の押し付けがないことです。男性も女性も同じように働き、家庭のことも担います。次に自己決定が尊重されることです。進路や職業、生き方を性別に縛られずに選べます。そして最後に、何より違いが当たり前と受入れられる社会であることです。多様な人たちがともに生きることが自然なこととして受け入れられることだと考えます。
スライドの右下にあるQRコードを読み込んでいただくと、呉匠のインスタグラムに飛ぶことができます。ぜひご覧ください。以上で発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。
木谷氏(コーディネーター)
どうもありがとうございました。呉匠という会社のPRと言うんでしょうか、その魅力をコンパクトに伝えるということで、現在の女子大学生しかできない、非常にユニークで面白いアプローチのご紹介をいただきました。また後でゆっくりとご質問など、お話を聞かせていただければと思います。
それでは続きまして、株式会社広島銀行横川支店、若山和夫さんのご報告をお願いいたします。
若山氏
本日はよろしくお願いいたします。先ほどの自己紹介の内容と重複するのですが、広島銀行の横川支店に所属しております、若山和夫と申します。
妻も広島銀行で働いておりまして、妻のほうは銀山町支店で責任者として働いております。こどもが2人おりまして、育児と仕事の両立はすごく難しいのですが、本日は、実際に両立を実現している立場として、特に女性が両立を進めていく上でどんなところに課題があるかということと、それを男性側のほうでどのような支援をすればいいのか、ないしはその支援の難しさみたいなところをお伝えできればと思っております。
最初に、両立ということは、当然ですが仕事と家庭が両方とも充実しているということが大切だと思います。ですので、家庭だけが充実しているということは駄目ですし、仕事だけが順調ということも駄目だと思いますので、両方が充実しているということが重要だと考えております。
その上で、私の育児の取組状況についてですが、実は私は、第一子が生まれたときは全く育児をしておらず、恥ずかしい限りですが、ほとんど妻にお願いをしておりました。お風呂掃除と皿洗いくらい程度で、育児をしたつもりになっておりました。今回、当時のことを妻と話をしてみたのですが、仕事に対して、やりがいもモチベーションも低く、この頃は本当に辛かったという話を聞くことできました。その後、第二子が生まれたときに、真剣に妻と話をしまして、キャリアと育児を両立していくために、夫の助けがどうしても必要だというような話し合いをし、徐々に育児参加をするようになり、現状ではこのようなバランスで家事育児を行っている状況です。
実際なぜ両立を意識したかということですが、1番は妻からそういった相談があったということです。妻にもやはり仕事を通して充実してもらいたいという思いもありましたし、あとは社会の変化がすごく大きかったです。特に会社には、DE&Iの取組について啓蒙活動を進めていただいたということで、新しい考え方が浸透してきたということはすごく助けられました。また、周囲の知人とか同僚など、パパ友から聞く話の中で、育児参加している知り合いがすごく増えてきて、育児に参加するということが当たり前というふうに考え方が変わってくるようになりました。
続いて、女性が両立を進めていく上で1番大変なことが、こどもの急な体調不良で出社不能になってしまうということです。物理的に出社ができないので、そうなると周囲に迷惑をかけてしまっている罪悪感であったり、また、不規則な仕事になってしまうので、仕事が途切れ途切れとなってしまい、仕事に集中できないとか、周りからは遠慮して仕事を任されないとか、ひどいときには評価もすごく低くなってしまうことで、モチベーションが下がってしまうということが問題でした。
ですので、我が家では、特にこの二つのところですね、保育園小学校の送り迎えと、急な発熱があったときの子守りについて、特に重点的に2人で話し合いました。実際に行った具体的な取組ですが、まず私が意識改革をして、子守りは女性がやるものという考え方を捨てました。ですので、私も育児のために出社しないということを選択するようにしました。具体的な方法として、リモートワークを導入しました。子守りのたびに休暇をとっていると、さすがに仕事が進まなくなってしまうので、子守りをしながら仕事も進めてしまおうという考えを持って、こどもが熱を出したときには私はリモートワークをしながら、子守りもするという選択をしました。終日リモートワークをするときもあれば、例えば夕方、私がこどもを迎えに行った後に、家でご飯を食べさせながら、もう少し仕事をするといった具合に、いろいろな方法を模索しながら実践しております。
それから三つ目ですが、元々は単身赴任をする人事制度を選択していましたが、単身赴任してしまうと物理的に育児ができなくなってしまうので、これもチャレンジだったんですけれども、社内で転居を伴わないコースに転換をいたしました。こういった活動を進めていくに当たっての障壁ですが、まずハード面では、コロナ前は、リモートワークがあまり進んでいなかったので、リモートワーク環境がありませんでした。ソフト面では、周囲の理解が全くありませんでした。私が育児で休暇を取得しようとすると、周囲の人から「奥さんどうしたの?」と言われることが当たり前で、私が休暇を取得することに対して全く理解を得られないという状況がございました。
また、1番怖かったことが評価への影響です。私もやはり会社に入ったからには出世したいという思いはありましたので、転勤をしないとか育児をしたいなどと言い出した際には、正当な評価が得られないんじゃないかという怖さがありました。これについては、妻の方も心配をしてくれて、「あなたそんなことして(評価への影響は)大丈夫なの?」みたいなことも言われました。実際、いまだに、転勤がないコースを選んでいるということで、「若山さん出世諦めたんですか?」と同僚から言われたりもしますので、いまだにそういったバイアスというものは強いのかなと感じています。
それではどうやってそれを解消したかということですが、周囲のサポートが大きかったです。特に、会社の支援が大きく、まず物理的な環境を整えていただきリモートワークができるようになりました。また、2022年頃から「DE&I WEEK」という形で、DE&Iに対する理解浸透への取組を進めていただきました。その中ですごくきっかけになったことが、経営者の方によるビデオメッセージの中で、転居を伴わないコースを選択しても昇進・出世には一切影響ありません、と断言していただいたことです。そうすると、安心して転勤しないコースを選択することができましたので、こういった取組には非常に勇気づけられました。また、そういった活動を通じて、周囲もどんどん変わっていき、上司から、逆に「若山さん(休校で)育児大変だろうから、今日はリモートワークしたら」とか、休暇を取得してもいいよっていう声掛けをしていただけるようになりまして、周りもどんどん支援してくれたことがすごい助けになりました。
夫婦の取組で大切なことは、まず話し合いだと思います。私たち夫婦の間でもとても話し合いをしました。どういったところに私が譲れない部分があって、妻として譲れない部分はどこなのかというところをしっかり話し合って、私たち夫婦にとって最適な役割分担というのを模索しました。
職場との話し合いというのもとても大切だと思います。事前に上司や部下に対して、私はこういう状況なので、急に休暇を取得することもありますし、急にリモートワークもしますという話をしておけば、正直、私が職場に行かなくても、仕事が回るように周囲がサポートもしていただけますので、そういった協力を仰ぐということがすごく大切だと思います。
最後に、自身が両立を進めていく上で感じる、まず(世の中で)取り組むべき課題というのは、女性にも男性にもバイアス(思い込み、固定観念)というものが強くあるなと感じておりますので、このバイアスの解消ということがまずは早急に進めていくことだと思います。私の場合、いろんなところで、育児に取り組んでいるということを発信しており、それでも、キャリアとの両立ができているということを周囲に話していますので、そういった活動を通じて、まずは周囲の人から一人でも多くの人が、両立に向けた取組ができるようになっていけばいいなというふうに考えております。以上です。ありがとうございました。
木谷氏(コーディネーター)
若山さん、どうもありがとうございました。見事な両立の事例ということだったのではないでしょうか。またあとでゆっくりといろいろ話を聞かせてください。
引き続きですね、ICHI DESIGN OFFICE、代表の勝宮彩さんからご報告をお願いします。
勝宮氏
改めまして、ICHI DESIGN OFFICEの勝宮と申します。
自己紹介ですが、私は呉市出身で、大学では法律を勉強していたんですけれども、卒業後にやっぱりデザインの勉強がしたいということで、東京の専門学校に入学しまして、メインでプロダクトデザインを学んだという経歴になります。その後、そのまま東京の雑貨メーカーで勤務していたんですが、2016年ぐらいにUターンで広島に帰ってきました。広島の地元の家具メーカーさんに勤めまして、家具デザイナーとして8年ぐらい勤めておりました。その後、今年なんですが、自宅の1階でデザイン事務所を開業したという経歴になりまして、3歳の娘を育児中です。
デザイン事務所の独立のきっかけは、育休明けの会社での働き方に限界を感じたところがあり、先ほどお話もありましたが、こどもの体調不良によって結構休みがちになってしまいまして、そういったところでもうちょっと柔軟に対応したいなというところがあり、独立という道を選びました。
事務所としては、プロダクトデザイン、グラフィックデザイン、ブランディングといったことをしております。最近の活動ですが、近くの会社さんで児玉ゴム商会さんという、ゴムの加工が得意なゴム専門商社さんがいらっしゃるんですが、専務から、環境問題になりますが、ゴム端材など、捨てられてしまう端材がそういった加工業者さんには余っていて、捨てることに予想以上にお金がかかるという話で、これから自分の会社だけじゃなく、他の会社さんでもアップサイクルな取組をやっていきたいということをお伺いしました。この商品(資料のコースター写真)自体は児玉ゴムさんが作られたんですけども、ゴム端材と他社さんの突板端材を併せた素材をコースターにしたので、ブランディングとパッケージをお願いしたいとお願いがありまして、提案したのが「端財WORKS」です。
端材の材が財産の財になっているというところがポイントになるんですけれども、ブランディングコンセプトとして「端材は財産」というところで、ブランドストーリーは、端材に秘められた可能性を最大限に引き出す取組でもあり、ブランドですということで、単なるリサイクルではなくて、廃材から端財、財産に変わる瞬間をデザインするというようなブランディングをさせていただきました。実際、来月からこのパッケージも担当させていただいたコースターが発売される予定となっております。
私はもう一つ活動をしておりまして、「デザイン・アートラボ」というものをやっております。こどもたちがデザイン思考とアート思考を体感する教室になっておりまして、工作などを通して、デザイン思考やアート思考に触れられるイベントの運営をしております。これは6月にイベントを開催したときの様子になります。デザイン・アートラボの活動ですが、活動のきっかけは、自分がこどもを持ったことで、世の中のこどもたちに何か自分が提供できるものはないだろうかと考えるようになりました。デザイン思考とかアート思考をこどものうちから身に付けられたら、社会に出たときに身を立てるための一端になれるのではないかなと思い始めて、本当に今年始めたばかりですが、まずイベントから始めたという状況になっております。始めたばかりなので、成果というところはあまり出てはいないんですが、やっぱりこどもの楽しかったという感想だったり、こどもの発想力などの素晴らしさがあるので、そういったところから逆に学ばせていただくところが多かったことが、逆にすごくびっくりしたところではあります。6月に一度やりましたけれど、来月アルパークの無印良品さんの「つながる市」の中で開催させていただく予定になっております。
今後取り組みたいことですが、デザイン事務所としましては、地域に根差した企業とか、人々が元気になれるようなデザインなんていうものもこれからもっとやっていけたらいいなと思っており、デザイン・アートラボのほうに関しましては、こどもたちがデザインに接する機会をつくりたいなというところで、ひとまずは定期的にそういったイベントを行えたらいいなと思っております。
将来的には、デザイン思考とかアート思考を学ぶことで、こどもたちが自分の力で未来を切り開ける力を身に付ける一端となりたいというところと、私もそうだったんですが、育児中のため、企業だと、やっぱり限定的な働き方しかできないというようなデザイナーさんが結構いますので、そういった方がより働きやすい場の提供みたいなものを今後できたらいいなと思っております。以上となります。ありがとうございました。
木谷氏(コーディネーター)
ありがとうございます。見事な取組ということで、デザインを切り口にしてご自身でお店をやってご活躍中ということでした。
引き続きましてやのエルモ、それから一般社団法人マール村でご活躍の太田郁恵さんのご報告をお願いいたします。
太田氏
本日はこのような機会をいただき誠にありがとうございます。私は地域でこどもを育てるというこのフレーズがすごく好きで、今活動しているんですが、子育ても仕事も地域密着で頑張らせていただいております。
自己紹介ですが、私も実は呉市出身です。中学生の娘と息子がおります。仕事のほうでこども食堂をやっておりまして、一般社団法人マール村というものがそれなのですが、フローレグループという会社の中で、美容、健康、教育、福祉というものをテーマにやっております。地域活動のほうでは、やのエルモの事務局員をさせていただいたり、PTAの活動で安芸区PTA連合会の副会長をさせていただいたり、後でご紹介しますけれども、矢野豪雨紙芝居の製作委員会でも委員長をさせていただいております。
私の活動のきっかけですが、7年前の西日本豪雨災害、皆さんもご記憶にあるかと思うのですが、広島が甚大な被害を受けて、その中で私の住む安芸区矢野地区というところもかなり大きな被害がありました。1番左の写真は私の家から200メートルぐらい歩いたところで撮った写真で、このあたりも犠牲者が出たという状況だったんですが、その右の写真は息子が当時幼稚園日頃行くために通っていた道で、このような状態になってしまい、出勤ができなくなりまして、そのときにこどもの居場所にすごく困りました。公園は全部土砂の置場になっているし、学校は休校になっているし、本当にストレスをこどもが抱え始め、うちの娘にも蕁麻疹が出たりという状況の中で、どうにかこどもの居場所をつくらないといけないと地域の方々と話をしていた中で、うちの会社のほうが支援をしてくれまして、こども食堂と寺子屋をスタートすることができました。矢野地区と坂地区で行っていたんですが、そのときにやはり地域の方々にすごく助けていただきまして、一つの食事をみんなで囲むということで、この当時やはりけんかも増えていましたし、本当に皆さんの心がすさんでしまっていた状態だったのが、やっぱりあったかいものを一緒に食べるということですごく一つになれたという経験をいたしました。そういう経験から、地域でPTA活動ですとか、防災士の資格も取りまして、地域活動に入っていくように変わっていきました。
昨年、ひろしまエルモの認定を受けて、安芸区矢野地区でやのエルモというものを発足しましたが、そのときにも町内会長さんたちの中に混ぜていただき、やっぱりこどもたちのためにつくりたいから、PTAとかお母さんたちの声が欲しいというふうに言ってくださって、いろんな事業とかイベントに関わらせていただいております。主な活動の内容としては、事務局員をしておりますので、親子キャンプを先日も行ったんですが、こどもたちが楽しそう、行ってみたいと思うようなチラシをつくったり、やのエルモのインスタグラムをつくったり、今ホームページも作成をしているところです。こども食堂のほうはずっと仕事でもやっておりますので、じゃあ矢野でもやってほしいという声がたくさんあり、先月、開催をいたしました。
もう一つ、災害をきっかけに、防災のことをやっていく中で、今、豪雨災害のことをもう知らないこどもたちが増えているという現状がやっぱり怖いなと思い、矢野地区の小学校や中学校の子たちに当時のことを描いてもらい、その絵を基にした紙芝居をつくりまして、上映会などをPTAや学校と連携して行っております。
また、仕事のほうに移るんですが、こちらがこども食堂の様子になります。こども食堂は7年前の豪雨災害から月に1度くらいのペースでゆっくり持続をさせていたのですが、たまたま御縁いただいて、3年前に鷹野橋商店街の中に場所を構えることができ、平日毎日開けるということを3年間続けており、「たかマールこども食堂」という名前で活動しております。地域のいろんなお子さんとか親子さんがたくさん来られて、お弁当をたくさん作り、お家に持って帰って食べたいという方も食べられるようなこども食堂にしております。高校生のボランティアさんなんかもたくさん来てくれて、すごくいろんな世代の方の集まる居場所になっていると思っております。その中でも、地域の方々がたくさんの協賛や寄附をしてくださり、お野菜とかお米とか、1番左の写真では、梅をたくさん頂いたので、梅干しをみんなでつくりまして、日本の伝統食である梅干しをこどもたちにも食べてほしいなと思ってやっております。
真ん中の下の写真は、ガラスのドアがあるんですが、そこにみんなでこどもたちと一緒に絵を描いて、かわいく色を塗ったりしました。鷹野橋商店街ってちょっと人通りが少ない時間帯も多いのですが、これで明るくなったと言っていただくなど、地域の方にもたくさん応援をしていただいております。その成果として、今ではいろんなところと連携をとって活動することができるようになっておりまして、安芸高田市の農家さんとは田植の企画をさせていただいたり、あと、絵本で、「たまごとやさしいわに」という、こどもたちに食育を伝える絵本の出版をさせていただいたり、ここに載っていませんが、防災食として、常温で5年保存できるおにぎりも販売したいなと思って活動しております。広島市の高校に、防災の授業や食育の授業で呼んでいただいたり、作った豪雨災害の紙芝居を小中学校のほうに寄贈させていただいたりと、いろんな良いネットワークが広がっているなと感じております。
活動を通しての気付きですが、やはり今、核家族がすごく増えていて、親子で孤立をしてしまうというような現状もあるので、やはり地域のつながり、居場所があって、そこに行けば誰かと話ができるという居場所はすごく大切だと思っています。そういう親子の笑顔が、またこの地域の年寄りの方たちと関わることで元気にしたいと思うので、また、食育はこども食堂でも大切に思っているんですが、日本食の大切さを伝えていくことで、心身が元気になっていくのではないかなとも思っているので、本当に子育ては1人ではなく、みんなで、地域でこどもを育てるということを今後も伝えていきたいと思っております。以上です。ご清聴ありがとうございました。
木谷氏(コーディネーター)
ありがとうございます。非常に幅広い様々な取組をしていて、皆さん、あっと思われたんじゃないでしょうか。
それではですね、ご報告の最後になりますけれども、東洋電装株式会社、桑原弘明さんからご報告をお願いいたします。
桑原氏
東洋電装の桑原です、よろしくお願いします。
どんな会社かよく分からないと思うので、前半では会社の紹介を、後半のほうでは女性活躍推進にも関連する活動などをご報告させてもらえればと思います。まず会社ですけれど、昭和48年12月創業で、52年目ぐらいの会社になります。父が創業して私が二代目になります。今は従業員150人弱ぐらいで、緑井に本社、可部と伴のほうに工場があり、東京と関西にオフィスがあります。
私自身は、広島の市民病院で生まれて、呉高専に行き、その後に三菱電機プラントサービスという会社で20年ほどサラリーマンをした後、父の会社を継ぐということで、現在十七、八年目ぐらいですかね。まだサラリーマンの方が長いんですけれども、経営者をしております。
拠点はご説明したとおりですけれども、実は大きな特徴として事業をたくさんやっています。従業員は150人ぐらいしかいないんですけれど、九つの事業を行っています。基本的にはものづくり企業で、IT×(かける)ものづくりみたいな企業になります。身近なところでいうと、広電の電車が何時に来ますよというものです。あと、高速道路の非常電話って皆さんなんとなく見たことあると思うんですが、これをつくっていたりとか、高速道路の小谷サービスエリアでシャワーステーションというものがあり、トラックの運転手などがシャワーを使うときに、それをLINEで予約するようなシステム、あと、羽田空港ですけれど、トイレのアンケート装置みたいなものを作らせていただいたりなど、かなりインフラに近い仕事をしています。こちらは今ないかもしれませんが、高陽浄水場で小学生の見学者の案内システムとかですね、あとダムや河川の制御システムとか衛星通信サービスの提供、介護システム、ロボットなど、いろんなIT絡みのものづくりをやっています。
ちなみに会社の人数構成としては、グラフの一番左が10代、一番右が70代、私は今50代なんですが、メインは30代、20代という感じで、割と若い企業になります。ただ、人数がどのぐらい増えたかを見ていただきたいのですが、私が東洋電装に戻ってきたときは実は従業員が15人ぐらいで、この15年ぐらいの間に今では150人くらい、10倍ぐらいになっているのですが、当時から実は女性が38%と、通常女性が少ない製造業ですけれども、女性がたくさん、4割ぐらい女性という会社でした。徐々に人も増えてきて、女性の割合は今、実は35%ぐらいまで若干減ってはきています。このあたりが女性活躍推進のキーかなというふうに考えています。少ない人数のときはやりやすいんですが、人数が増えていくと社会からの影響がかなり大きくなり、女性を増やすことが逆にちょっと難しくなってきたということを感じています。
これは、我々の「TDベース」という、東洋電装の企業文化とか、いろんな考え方をまとめた資料の抜粋になるのですが、上と下が理念ですね。「社会インフラに最高の技術的イノベーションを」、下が、「エンジニアが一生で最高の仕事ができる場所へ」という、真ん中に企業文化を表現しており、10年以上前につくったものなんですが、真ん中の多様化人材の採用などですね、そういったところを取り組んでいて、例えば「“さん”呼び」するとかですね。「なになに部長と呼ぶ」とかを元々やっていません。これはもう10年ぐらい前からやっています。ちなみに今はグローバル展開みたいなものを意識して、「グローバル」というものをキーワードにしています。
グローバルというのは、ビジネスのグローバルもあるんですが、ビジネスの仕組みをグローバルにしましょうということです。どういうことかというと、グローバルで見たときに、やはり男女について多様化というものは当たり前なんです。これからおそらく企業は、そういうフォーマットでないと戦えないと思っています。広島でのエリアビジネスというものもありますが、そもそもビジネスって、地域性もありますが、地域性を除いた共通言語でもあります。そこにおいては、多様化というのは当たり前かなと考えています。
そういったところを背景に活動をさせていただいていまして、少し広島市さんも絡むことがありますが、働き方改革や女性活躍みたいな文脈だけをピックアップしますけれども、地域未来牽引企業とか、最近でいうと2023年に広島のグッドデザイン賞を頂きました、ありがとうございます。これは睡眠センサーを使ったプロダクトでいただきまして、ふるさと納税にも採用いただいています。木谷先生とご一緒にやらせていただいた働き方改革の取組とか、あとははばたく中小企業300社に選んでいただいたりとか、去年は、広島市の男女共同参画推進事業者として、受賞をいただいています。この春には中小企業応援士の任命をいただいて、現在の取組では、「くるみん」の取得に向けての活動をしています。
ちなみに今、女性の管理職比率は10%になります。絶対数で言うと5、6人ぐらいで、女性の中の10パーセントなのでそれほど多くないように感じられるかもしれませんが、実は中小企業にとってはかなり高い数字になっています。あとは産休が今3人くらいいまして、これがまさに課題だなと思っているんですが、大きな会社というのは、補充が効いて代替えができるんですが、我々の規模で3人休まれると、この間どうするかという課題が出てくることが一つ大きくあります。ただ、いろいろやっていて、時短勤務制度やテレワーク制度を使ってフルリモートワークで働いているような方もいますし、DX化を進めて、なかなか大変なんですが、言語化して、引継ぎがしやすいようにするとかですね。あと「MAMORUNO」という、グッドデザイン賞に選ばれたものを使って、介護離職を防止したりといったこともやっております。
課題は、先ほど申し上げたように産休がすごく大きいかなと思っています。産休というものを見たときに、今、日本だとやはり1年から2年ぐらい産休を取らざるを得ないというか、これは社会の風習もあるんですが、ちゃんと社会制度ができていると、恐らく3か月とか半年ぐらいで復帰できるんですよね。これはもう会社としてもそうですし、女性としても、やはりその間のキャリアが止まるので、遅れとか諦めみたいなことが起きるかなと思っています。これはまさに、真ん中の娘が大阪で働いていて、割と制度が整っているんですが、やはり産休を2年ほどとってですね、ここら辺のギャップというのを感じています。中小企業で女性の活躍モデルがなく、どうしたらいいのかなとなっているので、モデルをつくっていきたいです。とはいえ、やはり女性の管理職比率を上げないといけないとも思っています。上げることによって見えてくる景色があるかなと思っています。私からは以上になります。ありがとうございます。
木谷氏(コーディネーター)
桑原さんどうもありがとうございました。見事な取組ということで皆さん発表されたんではないかと思います。
以上ですね、皆様方からどのような活動をなさっているのかといったところを一通りお話いただいたと思います。いかがでしょうか、今日のテーマは女性がいきいき活躍できるということになります。最後に桑原さんが少しそちらに引きつけてくださいましたけど、お話を聞いていて、いい意味で特に女性ということを強く意識しないでお話をなさっている、一生懸命取り組んでらっしゃる方は、女性である勝宮さんなどでありますけれども、でもその辺のことをあまり感じさせないようなお話だったのではないかなと思います。
この後は市長からコメントをいただき、そしてまた皆さん方といろいろお話をしていく中で、今までと少し異なる新たな切り口みたいなものが見えてくるとよいかなと思っております。それではですね、皆様の発言を受けて、市長からコメントを頂戴できればと思います。お願いします。
市長
素晴らしいお話を聞かせていただきましてありがとうございました。
今、木谷コーディネーターからあったように、あえて言うと、女性という視点だけからではなく、多様な働き方というか、働くということについての価値観というのは多様になってくると、今聞かせていただきながら思いました。
自分は市長になる前に、労働省という役所で働き方に興味があって仕事をしていたんですが、そのときに働き方が多少変わっていくという経験をしましたが、それ以上にもっと多様化しているなというふうに思います。まだまだ現行体系の法律、労働法なんかを見ると、いろいろな財力を駆使して労働環境を整えることができる側で働く人と、労働時間などの条件が設定された中で、一定の目的を持ったミッションを与えられた人がいるとします。そのミッションの与え方も、全体的なスケジュールを提示する、または配置してその方の個別のテーマ設定をして作業していくという、いわばヒエラルキーという、細分化する作業システムに貼り付けてそこに人を置く。
日本の場合は、それぞれに配置された方々がずっとその職位に留まるのではなくて、年を取るごとに少しずつポジションが上がるという、そういった動機づけをするという企業体系になっています。働き方に応じて賃金体系を決めて、これで自分たちの人生を考えて、同じ仕事であることも全然厭わないということはむしろ普通なのですが、日本の場合は、そういった仕事の考え方に別途価値観を付けて、平社員や係長、その上として補佐や課長、部長といった肩書をつけることで、どんどん働く意欲を喚起することに伴って賃金体系をつけると。その処遇を上げていくためのルールをつくるわけなので、ややこしいと言いますか、そういうものをつくっていますから、それが世の中全体の働き方だと思い込んでいることがたくさんあり、それがある意味で、多様な働き方を認めないということにつながってしまう。働く中で、管理する側に立つ人と管理される側に立つ人では、労働法では保護すべき対象は管理される人であり、管理する側は労働法の対象にならない。
そんなですね、いわば精密にやり過ぎて身動きが取れなくなっているということもあるんですね。自分たちのライフとワークの二つを考えたときに、自分自身にどういう価値観があり、自分の技能をどう生かして仕事をしながら貢献するとか、一生のスケジュールを立てて自分の技能を向上させる、それで企業を転々するというような、あるいはその働かせるという仕事を中心に自分が人生経験を積んでいく形での仕事として今から設定するなど、そういったことが初めからできるような社会がグローバルというか、現在はまだまだそれ以前の状況だと思っています。
今、皆さんからお話をお聞きすると、そういった中で、そろそろいろいろな面で考え直さなければ、例えばグローバル化ということに対応できない。しかも、先ほど私が申し上げた少子化という問題に対しては、パラダイムシフトをしないとうまくいかない経済状況になってきているということを痛感しています。
それぞれの点で、今普通だと考えている日本の典型的な労働の仕方、またそれを受けた家庭生活では受け切れなくなっており、問題提起をされながら、それについて果敢にチャレンジされているということが分かりましたので、ぜひ、その過程でもっと自分たちのチャレンジ精神が生かせるような、個人ではできなくても、そういう集合体があれば、より自分たちの働き方が一般化というか、もう少し増える、共感が得られると。そういったことを思わせる感想を聞かせていただいて、それらがうまく機能するようであれば、行政面でそれに関して、政策につないでいくといったことなどができればと思っています。
それから、LMOなどの話を聞いて考えたことは、家庭生活、企業での仕事、そして地域という中で、地域におけるいろいろな働く部分についての手当ての仕方はさまざまなので、そこで知恵を出しても、それを実現するための財源的な手当てという供給する仕組みがないため、それについて行政としてやってみようということで、今やっております。
今申し上げたようなやり方を、それぞれの働き方の中で、例えば企業として良いことをしているのであれば、中小企業などについてそれが踏み切れるように、何かの仕掛けを行政が仕掛けて、大企業ではできているけれど中小企業ではできていないところの支援や指導をするだとか。個々の事業を起こそうとしている方であれば、そういうキャリアを積んでいく上で、大手の企業との契約を頑張ればできる人もいるけれど、そうでない分野の方に対して、例えば地域におけるいろいろな活動面でそういったノウハウを提供する場をもっと提供していただくなど、一緒になってそういうチャンスをつくる、そんなこともあっていいかなと思っています。
学生時代に個人としていろいろな知識不足などで悩んでいても、知ってしまえばなんていうことはないというようなことをもう少し一般化してですね、教育課程から、そういったことを議論できる場を設定してあげるとか、もう少し個性と言いますか、その差に応じた形での勉強の場をセットするような行政システムがあるといいと思います。今はほとんど一律にやっている状況で、学校に来る来ないで、不登校は問題だという意識がまだ取り憑いており、学校という組織そのものも、世の中絶対ではないと考えます。
世の中が工業化していく中でこどもたちを育てるときに、前提として、便利だからやっていると。工業化していない世界だと、学校にいかなくてもそれぞれの場所で勉強して育って、勉強の悩みごとは、その中でまた解決策を教えてもらうことになるでしょう。だから、教育課程の中でのどういうところで議論ができるかということについて、少し知恵を出していただくと。そのようなことを思いながら聞いておりましたので、改めて、今やっておられることについての問題意識で、こういう形で行政の支援が欲しいなと思うことを聞かせていただければありがたいなと思います。よろしくお願いします。
木谷氏(コーディネーター)
市長、どうもありがとうございました。一生懸命ずっとメモをとられたり考えたりしながら、皆さんの報告をすごく熱心に聞かれていて、先ほど労働省いう話がありましたけれど、このテーマは非常に市長の思いが深いテーマだということがお分かりいただけたかと思います。
皆様方に今からお話していただく中で、ポイントを一つ二つ言おうと思いますが、一つは今、松井市長からもありましたけれども、皆様方一人一人が市民であったり個人であったりということがあり、いろいろな関わり先はありますが、大きく言いますと、一つは家族という関わり先があり、もちろん家族の一員である。それから、企業には限りませんけれども、お金をもらって働くというそういった企業、あるいは個人で独立されてという場合もありますが、いわゆる働くという関わり、それからもう一つは地域への関わりですね。つまり、家庭と企業と地域といった、この三つに関わっていく。
先ほども、若山さんのお話でもありましたが、かつて、特に男性の場合は企業のことだけ、働くということがほぼ90%、100%ということで、家庭であったり、地域といったものは放っておく、あるいは専業主婦の奥様に任せる、ということをやってきました。それの是非だとかを言うつもりはないですし、当時はそれで回っていたという事実はあろうかと思うんですが、ただその結果何が起こったかというと、家庭といったものを上回る考えができたということは言われていますし、地域あるいはコミュニティといったものが都会を中心に非常に弱まったということで、そんな中で今、地域といったところ、そしてそれのユニットでもある家庭といったものが非常に重要だよねという、当たり前のことに今気付き始めるというようなところを、若山さんのお話から非常によく分かったのではないかと思います。
こういったところを踏まえながら、これを進めていく中で、男性女性といった区別は段々と溶けていくというか、融解していくというそんなイメージを皆様持たれているんではないかなと思います。
それでは、まだ少しお時間がありますので、皆様のほうから、今市長からもありましたが、皆さんが活動等を行う中で感じた、こんな環境があるといいなとか、こんな支援といったものがあるといいなとかですね、あるいは民間企業、大学、地域がこんな役割を果たしてほしい、こういったリクエストというか、行政に対するですね、クリスマスのときに書きますよね、サンタさんにこれやってと。全部叶えられるということはないですが、でも間違いなくサンタさんには届きます。今日はサンタさんがいらっしゃいますので、思い切って、こんなことがあれば、こんな支援があれば、こんなことを自分でやっていてこんな大変なところがありますと、そういったところを皆様方からまず一通りお聞きして、その後それを踏まえた形で意見交換ができればと思います。
それではまず山崎さんいかがでしょう。
山崎氏
私が活動する中で課題だなと思うことが、先ほどのイベントの写真でもあったと思いますが、あのイベントでは、元々対象を学生としてやっていたんですけれども、意外にも大人の方々が結構集まってくださって、そういう活動してるのはすごいねという感じで、応援に来てくださる方がすごく多くて、それはすごくありがたいことだったんですけど、でも、私たちが本当に伝えたかった学生にちゃんと届いていないんだなということを改めて感じて、どうしたらいいんだろうって思ったときに、逆に学生たちは、今の性教育とかに疑問を持つタイミングがないからこそ、何かそういうイベントがあっても来づらいんだろうなとすごく感じました。
性教育の在り方みたいなものですが、ただ保健の授業で習う身体のことだったり性のことというだけではなくて、人とどう関わるかとか、自分と他者との違いをどう受け止めるのかとか、助けてほしいときにどうヘルプを出せるかという、何か生きる上で大切なことを学んでおかなければならないということが、私にとっては性教育の中ですごく大切だなと思っているんですが、やっぱり今の性教育はそうではなくて、いわゆるタブーとして扱われているという現状があるので、そういうところはすごく変えたいなと思っています。
性教育というのは本当に性のこととかではなくて、こどもみんなが、一人一人が自分の体と心をちゃんと大切にして、自己肯定感を育めるものになればいいなとすごく思っています。なので、そのためにはやはり教育というものは大事になるのかなと思っているので、短期的にできることとしては、対話でできる性教育や関係づくりという、ワークショップや授業だったりということではないかと思っています。あとはもう中長期的なものになると、こどもにこういった性教育やジェンダー教育というカリキュラムの整備とかも可能になっていただけたらいいなと思っております。以上です。
木谷氏(コーディネーター)
どうもありがとうございます。非常に重要な問題提起だったということが皆様方もお分かりいただいたと思います。
つまり、従来の性教育の在り方というんでしょうか、ある意味極めてテクニカルあるいはどちらかというと医学的な、あるいは衛生ということ、もちろんそのことも大事なんですが、山崎さんが考えていらっしゃるのはもっとその先にあるということですよね。人と他者との関わり方であったり、あるいは良い悪いではなくて、役割といったもの、異なり方であるだとかリスクマネジメントといった観点もあるかもしれません。
ついつい性教育というと、何かテクニカルなあるいは科学、医学といったイメージを持ちますけども、そういったことや、あるいはタブーといった今までの呪縛もあり、若い方、1番訴えたい学生の方々が来てくださらない。ここはやはり今の性教育の在り方が悪いということではないんですが、少し方向転換が必要ではないかという、非常に重要な問題提起をいただけたのではないかなと思います。広島市の男女共同参画審議会でも、性教育といったことを一つのテーマとしていろいろな形で各委員さんの方がご議論なさっていますが、今のような視点はぜひ伝えていきたいと思います。ありがとうございます。
それでは続いて、渡部さんいかがでしょうか。
渡部氏
今回の活動を通して、女性が働きにくそうだなと思うことはあまりなかったんですが、やはり根本的に現場系というか、工場とかそういうところは男性社会だなという空気は感じられました。女性でも働いている方はいらっしゃったんですが、やっぱりトイレの問題とか、着替え場所とか、やっぱりそういうプライベートな部分を確保できていないという現状もありました。
私が日々生活していて思うことが、女性もしんどいことがあると思うんですが、男性のしんどさって、女性の立場からだとわからないことが確実にあると思うので、わからない前提で話すことが対立をなくすための第一歩になるのかなと。そんなことを考えつつ、女子大に今通っているんですが、やはり社会に出るときに、女性だけの会社なんていうのはあまりないと思うので、そういうところは、高校まで共学だった私なんですが、女子大でまだ3年も経ってはいませんが、結構ドキドキしているなという現状です。
木谷氏(コーディネーター)
どうもありがとうございます。では併せて、お友達でもある熊川さんからもお話をお聞きしましょうか。
熊川氏
私はこのお話をいただいたときに、日常生活でジェンダー不平等と感じることが正直あまりなくて、私の友人にも、不平等で困ったことがあるか聞いてみたんですが、むしろ女性よりも男性のほうが怒られがちなイメージとか、男性に対して女性は面と向かって言えないとか、同じ立場で話せたらいいのにって言葉をいただいたり、あとは私と同様で、特に不平等と感じず困ったことはないという意見も多くいただきました。
私も安田女子大学で女子大なので、まだ1年半もありますが、男女不平等を感じずに生活しているので、今後、就職活動をしていく中で、今、ジェンダー平等なまちを作ろうとしているということは、今は不平等なんだなと思いました。それを知るきっかけになったのはこの会のおかげなんですが、そういったきっかけがなかったり、それこそ私たちが行ってきた活動がなかったら、地元の企業を知るきっかけもないので、男女不平等について考えたり、将来について考えるようになるのは就職活動を始めてからかなと、個人的に思いました。
だから、現状を知りたいと思ったのが今回すごくあって、先ほど言ったように、就職活動を始めて、皆さんからお聞きしたような、何が平等で何が不平等なのかということを、こういう会に参加していなくても知れるようにしたいというか、どうやって周知させるのっていうことが出てくると思うんですけど、セミナーをやっても学生たちはあまり集まらないかなと私は思っています。なので、できることなら、先ほど桑原様がおっしゃったような、企業の現在の取組などという感じで、就職活動するときに、今はこういうことに取り組んでいます、課題はこうですというのをいただいたほうが私はすごく就職しやすいというか、考えやすいなと思いました。
木谷氏(コーディネーター)
非常に大事な考えを聞かせていただきました。
先ほどですね、まず渡部さんのほうからは二つ面白いお話があって、一つは施設面というところですね。工場などでよく言われる話ですが、女性の方に活躍していただく、あるいは職域を広げていくためには、そういったいわゆるハードというかファシリティのところから変えていかなければいけないといった当たり前のことになかなか気付きにくいところがあるということ。シャワーブースみたいなものがないという場合では、やはり女性の方はあそこで活躍できない、という施設面の指摘が一つ。
それから、お二人に共通してありましたけれども、女性活躍であるだとかということを考えたときに、当然のことながら、女性がより活躍するためにはどういうことをすればいいか、どういった形で周りや企業を支援していったらいいか、意識を変えていかなければいけないか。当然ながらそのことは大事ですが、男性も大変ですねという、なかなかおじさんのハートをグッとこう、掴まれるじゃないですけれども。冗談はともかくですね、男性としての大変さということも言っていただきました。つまり、女性が活躍するために女性を起点として考えることもそうですが、先ほどの若山さんの話もありましたように、男性がどのような形でそのことに関わっていけるか、あるいはその中で今までの様々な課題をクリアしてあげれば男性も関わることができ、結果的に女性が活躍することになるんだと。そういうことで、女性といったところばかりを見るのではなく、もう少し男性といったところに視点を向けて、女性活躍というものを考えてはどうかという、非常にまっすぐなアイデアというか、意見をいただけたのではないかなと思います。
そして最後に、会社に入って初めて女性が活躍しにくいなということに気付くよりももっと先に、いろいろなことを知っておくべきだということで、大学生のお三方に共通していると思います。皆さん活動をなさり、実際に、キャンパスであったり、あるいは家庭、バイト先といったところからもっと離れた形で、ビジネスであったりだとか、地域といったものと触れ合ったことによって、そういった感覚が持てたと思いますし、企業にもそういったことをもっと発信してほしいという、大学生ならではの提言だったのではないかなと思います。
それでは若山さん、お話をお聞かせください。
若山氏
今皆さんのお話をお伺いさせていただいて、すごく共通する部分がありまして、先ほど山崎さんもおっしゃられたんですが、課題に気付いてない方がいらっしゃるということ。課題を持っているはずなのに、特に課題と感じていない方がいらっしゃるということ。また、先ほど印象的だったことが、熊川さんの話で、今女性に対する不平等がないと感じているということで、それは本当に生の感覚だと思うんですが、ただ事実として、先ほどもありましたけど、女性の管理職比率というのはやはり10%程度で推移していて、間違いなく不平等はあるんですよね。それというのが、先日、セミナーで聞いた話にはなるんですけれども、このアンコンシャスバイアスというものは、気付いていないから、潜在的な固定観念になってしまっているので、そういったことに気づかなければ、それが不平等だということに気付くこともできないということが問題だと考えております。
ですので、お願いをしたいというか、こういった取組があればいいなと思うことは、いろんなレイヤーの方に向けて、そういったもの(アンコンシャスバイアス)に気づく機会というものをどんどん発信していただきたいということがあります。私も銀行員という立場で、いろんな中小企業様を回らせていただくんですが、既にそうした課題に気付かれていて、かなり悩んで取り組んでいらっしゃる企業様もあれば、そうでない企業様もいらっしゃるので、いろんな方に対して、それがなぜ必要なのか、そもそも今こんな課題が世の中にありますよということを、みんなに周知できるような方法をいろんな媒体を活用して展開していただければいいなというふうに思っております。
先ほどの安田女子大学さんの動画もすごく印象的でしたが、私が育児参加を1番最初に考えたきっかけは、実はTikTokを見ていたときに、漫画のセリフが流れてきたんです。その漫画のセリフが、共働きをしている女性が男性に対して、「仕事しかしてないくせにそんな疲れるの」っていうコメントが出てきたんですよ。それが広告で出てきた瞬間に、本当にぐさっと胸に刺さってですね、ダサいな俺って思ったんですよね。私は仕事しかしていないんですけど、妻は両方やっていましたので。ですので、きっかけというものは、いろんな媒体を通じて気付くということがすごく大切だと思いますので、そういったところの発信をしていただくということが広がれば、もっとよりよい社会になっていくのではないかなと思うのが1点です。
もう一つが、先ほど太田様がお話されていて、地域でもこどもを見てくれる場所があるということを知りました。今回、(市政車座談義に参加させていただくに当たり)市の取組を見ていると、いろんな(育児サービスの)選択肢があったことを知りました。(育児の助けになる)選択肢を多数ご準備いただいているにもかかわらず、なかなか利用者側は気付けないというケースも多いと思います。ですので、民間のサービスであったり、公的なサービスというものが、サポートを必要とする方々に情報として届いて、さらには利用者の方が、それを実際に使えるような、使ったとしても後ろ指を指されない、また、使うときの経済的な問題だったりだとか、そういったものも解消していただいて、いろんな選択肢の中で自分なりの働き方、生活の仕方というものを組み合わせられるように、情報を展開していただければありがたいなと思います。以上です。
木谷氏(コーディネーター)
どうもありがとうございます。非常に面白かったですね。先ほどの市長の話にもありましたけど、個人の関わりについては、家庭と企業と地域がある中で、企業でしか働くということを経験されないのであれば、あなた仕事しかしていないよと、こういう話なのかなと思います。
あまり脱線してはいけないんですが、よく言われる有名な逸話かもしれませんが、アフリカのブッシュマンという部族があって、かなり近代化はされているそうなんですけれども、いわゆる先進国の人々、ビジネスパーソンのことを、一つのことしかやらない、しないやつだという呼び方を、軽蔑して言っているんですね。私は大学の教授ですとか役員ですだとか、普通だったらすごいねという話ですが、その一つの仕事で生きていけるんだ、羨ましいねという形なわけです。別にそのブッシュマンが変わっているわけではなくて、我々は皆元々、非常に多様で様々な仕事、あるいは役割といったことを、お金をもらえるかもらえないか別としても、ある意味副業、パラレルワーカーとして長く働いてきたという歴史は間違いないと。
近代以降、我々は専業、一つの仕事でお金をもらうというやり方になりましたが、今日の皆様方のお話は、少しその辺を、昔に戻るではないですが、家庭や地域、もちろん仕事も、いろんなことをやっていこうじゃありませんかと。そうなったら男性も女性もあまり関係ありませんねということが何となく見えてくるというような、そんな示唆を若山さんがしてくださったのかと思います。ありがとうございます。はい、それでは続きまして、勝宮さん、ご要望のほういかがでしょうか。
勝宮氏
今回お話を頂戴したときに、やはり元会社員で起業もしているというところで、何か困った点みたいなところをお話できたらいいなと思っています。
今回、起業前のところで考えたんですが、起業家とかフリーランス向けの育児休業給付金みたいなものがないと思いました。実は私は会社員の期間に出産とか育児休業を取得していたので、育児休業給付金の制度などを利用し1年ほど休み、その期間にしか見ることができないこどもの成長だったり、金銭的な心配はなく子育てができる環境をもらえたことにすごく感謝しています。ですが一方で、長い間フリーで活動されている知人の美容師さんなどからお話を聞いたんですが、出産後2か月とかで復帰されていて、ご自分がよければそれでいいとは思うんですが、その方としてはもう少し休みたかったとか、こどもと一緒に過ごしたかったという話も聞いていたので。フリーランスや起業というものが昔よりも身近な選択肢になってきているので、すぐに改善できる話ではないかなと思いますし、国なども含めた話になってしまうとは思うんですけど、フリーランスや起業家の女性の方への出産後の選択肢みたいなところで、それが給付金でなくても、事業継続支援金みたいな形で何か支援があれば、そういった選択肢として増えたらいいんじゃないかなと思うということが1点です。
あともう1点、これは女性とかそういうところではないですが、起業した後に、仕事を定期的に取っていくということは結構大変というか、覚悟はしていたんですけれども、やっぱり新規の案件を取っていくということはすごく難しいことです。起業初期には仕事がないことが多いので、例えば、「と、つくる」みたいな取組の中で、駆け出しのデザイナーにリーズナブルに依頼ができたりなど、そういったマッチングのような支援ができたらいいなとも思っています。私も「と、つくる」に登録したかったのですが、今は募集していなかったりなど、そういったデザイナーの登録サイトみたいなものへの登録も難しい状態なので、個人で頑張って取っていくしかないところがあり、うまくマッチングできる助けみたいなものがあったらありがたいなというところがあります。以上です。ありがとうございます。
木谷氏(コーディネーター)
ありがとうございます。今日は勝宮さんと太田さんに来ていただけたということは非常に重要なことかなと思います。働くという中で、選択肢が幾つもあるということで、雇われて働くという選択肢、これを別に悪いと言うつもりはありませんが、今のほとんどの方は雇われて働くことが当たり前となっていますけれど、先ほどの話ではないですが、昔はみんな、第一次産業を中心に、農業であったり林業であったり、みんなが自営業者だったわけです。
つまり、自らビジネスを起こすというこういった働き方、つまりベンチャーであったり、起業といったことがもっと身近になっていくということは、女性はもちろん、男性にとっても非常に大事であり、ただそのときに、会社を辞めてベンチャービジネスをやるということも素晴らしいと思いますが、皆が皆リスクをかけられないと言うのであれば、サイドビジネス的な形で、雇われて働きながらでもベンチャーの種みたいなところを少しずつ育てていき、いけそうだったらスイッチしていくだとか。こういった、ある意味で兼業・副業というようなやり方で、起業をいかに、社会にたくさんの芽を伸ばすことができるかということは非常に重要なポイントだと思いました。
なので、語弊があるかもしれませんが、私の感覚ではこういった場合は女性のほうが、地域や家庭であったり、社会全体といったものを見られていらっしゃる方が多いと思っていますので、そういった方々にとってはやはり起業は良いチャンスというんでしょうか、男性よりもアドバンテージがあるのではないかというような期待を感じます。そういった意味では、起業をするときの支援、そして、立ち上がった後の何かしらの支援は自治体のほうにお願いできる点ではないかという、非常に重要なご要望だったのではないかなと思います。はい、それでは太田さんいかがでしょうか。
太田氏
私はまさに家庭と企業と地域と、どれも手放したくなくて、欲張りにやっているかもしれません。会社のほうは女性ばかりで15人ぐらいの小規模なんですが、すごく居心地もよくて、代表からも今はこどものこと優先でいいよって言ってくれる環境なので、すごく働きやすいんですけれども、地域のほうで町内活動とかになると、60代以降の男性社会です。町内会長さんは、9.5割ぐらいが男性です。
エルモを立ち上げるときの会議も、大体夜7時から行われて、大体盛り上がって10時ぐらいまでかかっていましたが、それに私たちが行こうと思ったら、仕事は早めに切上げて家族のご飯をつくり、洗濯物を片づけてから会議に行かなければならないという、そういう努力をしていたんですが、そのような会議が全て顔を合わせて集まらなければいけないかどうかという、今はオンラインもあるじゃないですか。リモートが当たり前って、皆さん結構ここでは言われたんですが、地域社会ではリモートはほぼなかったです。矢野だけかもしれないんですけれども。ZoomとかMeetとかいろいろありますが、半分以上の方が使い方をご存じない状態でした。小中学校のPTAでは導入しておりまして、仕事の関係で使われている40代、50代ぐらいの方が多いので、行政のほうから、例えばオンライン会議のやり方を町内会長さんたちの世代に教えてくださるような時間があったりだとか、各団体でZoomなどのアカウント登録するときの補助が出るなど、そういうふうに手をかしていただければ、もう少し私たち世代、子育て世代の女性が地域活動に携われるのではないかなと感じました。
あともう一つは、地域社会、地域活動に特化しますが、女性活躍のために家族を犠牲にすることはもちろん違うと思いますし、仕事に支障が出るというのも、やっぱり難しいと思います。そうならないよう、その両方を防ぐことが必要だと思っていて、ジェンダー平等ですとか、若い世代や女性が地域活動に入っていきやすい雰囲気づくりというのがすごく必要だと感じました。やのエルモを立ち上げるときにはそこができていて、私たちにも声を聞かせてほしいというふうに、おじ様方が言ってくださって参加ができましたが、家族や仕事のことも応援し合える関係性が地域にも必要ではないかなと思いましたので、行政のほうからもそういった声かけをしていただきたいと思いました。
やはり今、町内会などでメインで活動されている60代、70代の方々のときと、働き方や子育ての仕様も変わっていると思います。若山様のようなお父様ばかりだったら出やすいんですが、まだまだそうではない現状もあるので、その時代によって働き方が変わっていて、子育ての悩みごとも変わっています。子育ては1人でするものじゃないと思いながらも結局孤立している方がすごく多いので、そういう認識がもっといろんな世代に広がるような、今のお母さんたちが悩んでいることは何なのかということに、もうちょっと年配の方々も興味を持っていただいたりすることが、地域が一つになるきっかけになるのではないかなと思っております。以上です。
木谷氏(コーディネーター)
どうもありがとうございます。特に地域活動といったところに焦点を絞ったお話とご要望だったと思います。
非常に重要なポイントがありまして、一つはよく言われるDXやリスキリングということですが、これは大体、会社で仕事をするため、あるいは会社が生き残っていくための、仕事がベースになったDXやIT化、リスキリングということなんですけれども、今の太田さんのご提案は、地域活動というより身近なものに対して、この活動をもっとIT化やデジタル化していく、こういった支援を例えば行政でしていただいたりできるんじゃないでしょうかと。これはなかなか気付かなかった非常に面白い視点かなと思います。
ある意味で時間の問題で、あと20年経つと、例えば若山さんがご年配になられますから、その頃はもう全部ちゃんとIT化されていると思うんですが、そこまで待てというのも大変ですので、そういった意味では、今のうちからそういった仕掛けみたいなことをしてはどうか。そういったところが非常にユニークな面白いご提案だったと思います。
それから、入っていきやすい雰囲気づくりというところですね。この辺も、皆さんの意識がいかに地域に行くかといったところで、何ができるかということですね。どうもありがとうございました。それでは桑原さん、お話を聞かせてください。
桑原氏
よろしくお願いします。木谷先生の時間の問題というお話と、安田の学生さんが、男女平等が当たり前に思っていると言っていたことが印象に残っています。本当に20年経ったら全然違う世界が実現しているんだなと思いますが、そういう意味では、時間軸をいかに早めるかということがなんとなく行政に求められているんじゃないかなと思います。放っておいても20年経ったらできるんですけれど、それでいいのかという話だと思うんですよね。
木谷氏(コーディネーター)
日々犠牲者が出ますからね。
桑原氏
そうです。そう僕なりに考えたときに、やっぱり出産が一つのすごい大きなイベントなんですよね。出産と子育てはすごく大変じゃないかなと思います。
これに対する偏見というか、社会が持っている思い込みみたいなものもすごく大きくて、太田さんもおっしゃっていましたけど、そういうものだというか、なぜ働くのかとか、逆に早く復帰するとか、早く復帰し過ぎじゃないかとか、こどもがいるから仕事を任せられないとかですね。そういう社会の思い込みというものがめちゃくちゃ大きくて、時間の問題かもしれませんが、その辺りを解決すること、出産に焦点を当てたサポート、子育てをサポートすることによって、恐らくその時間軸というものが縮まるんじゃないかなと感じます。
これはなぜかというと、企業ではいろいろな制度を整備しますが、この社会の空気は我々では変えられないんです。変えられないこともないんですけれども、やっぱりいち企業ができることはすごくしれていて、いろいろな制度を導入して、リモートワークや働き方の多様化などをやるんですけれども、いざ出産というイベントが来たときにはもう無力なんですよね。それに対するサポートが本当に薄くて。例えば、こどもが病気になったときの対応というのはめちゃくちゃ大変じゃないですか。休むしかないんです。でもこれって、例えば海外だと預けるところがちゃんとあるんです。そういったところが社会実装されていないということが課題ではないかなというふうにも、1番大きなところでは思っています。
簡単にはいきませんし、そもそも行政に求めるものかどうかという話もあるんですが、私はそういうところがすごく課題だと、中小企業の立場から感じています。あとは多様な働き方だと思います。女性活躍推進とは、結局多様な働き方なので、何かそういう視点に持ってくると、もうちょっと広くいろんなことができるんじゃないかなと感じたりしています。
私としては、何か非常によかったなと思っていて、うちのこどもたちですが、30歳ぐらいになると、普通に男女平等なんですよね。これから20年経った時にはさらに、もう全く感じなくなっているというのは、すごくいいなと思いました。ありがとうございます。
木谷氏(コーディネーター)
はい、どうもありがとうございました。やはり先頭を走っている経営者のコメントと感想といったことで、非常に重みがあったのではないかなと思います。
時間の問題ではあるけれども、スピードアップですね。この時間軸をどうやって早めることができるかといったところを非常にはっきり、ズバリとご指摘いただいたのではないかと思います。
ということで、事務局からいただいたシナリオによりますと、大体このあたりということです。あと3周りぐらいいけるかなという感じがしますが、皆様お忙しいと思いますので、このあたりにさせていただきたいと思います。
最後に皆様から、簡単に感想を一言ずつで構いませんのでいただいて、そして最後に、市長から感想をいただいておしまいといたしたいと思います。では山崎さん、今日の感想をお願いします。
山崎氏
ありがとうございます。まずは、本当に貴重な機会をいただきありがとうございました。私が大学生として生活している中では、やっぱり大学生としか話す機会がないので、いろんな、起業されている方だったり、会社員としての立場の方々のお話を聞くことができてすごく勉強になりました。
だからこそ、これからの広島を担う一人の大学生として、自分にできることは何かということをしっかりと考えていきたいし、自分がいろんな人を巻き込むために何ができるのかというのを考えて、これからの広島がもっとよりよいまちになるといいなとすごく感じました。ありがとうございました。
木谷氏(コーディネーター)
ありがとうございます。では熊川さんにお願いしましょうか。
熊川氏
本日はこのような機会をいただき誠にありがとうございました。私たちが行ってきた取組を皆様の前で発表できたことを大変光栄に思います。
これまであまり考えてこなかったジェンダー平等について、多方面からの意見を取り入れることができ、とてもすてきな学びができました。現状を知ることができたのはすごくよかったなと思います。時間軸をどれだけ変えられるかがとても大切だと思いました。本日は誠にありがとうございました。
木谷氏(コーディネーター)
ありがとうございました。それでは渡部さんにもお願いしましょう。
渡部氏
本日は貴重な機会をいただきありがとうございました。まず、年齢が近い学生や高校生と話す機会はありましたが、狭いコミュニティの中でしか話をしてこなかったので、今回様々な立場の方からお話を聞くことができて、視野を広げられたと思いました。
広島魅力発掘プロジェクトでは、就職活動の視野を広げることはできましたが、今回の活動では、私生活や大学での勉強の学びに対する姿勢とか、視野が広がったと思います。本当にありがとうございました。
木谷氏(コーディネーター)
ありがとうございます。若山さんお願いします。
若山氏
本日はこのように多様な皆さんの意見に触れることができて、すごくいろんな価値観に触れて視野が広がったなあという思いと、また、両立に向けた働き方ということに向き合う時間をいただき、本当に感謝しかありません。ありがとうございます。
そして、本日発表しながらですね、後ろの傍聴席の皆さんがすごくメモをとりながら熱心に聞いていただきまして、ありがとうございます。そういった姿を見ていると、これだけ多くの方が真剣に(キャリアと育児の両立に向けた施策を)考えてくださっていただけているのだと思い、先ほど、未来の希望というようにおっしゃられていましたけど、近い将来、いろんな人が働きやすい社会が実現するんだろうなという期待を持てました。すごくいい機会をいただきました。ありがとうございました。
木谷氏(コーディネーター)
ありがとうございました。はい、勝宮さんお願いします。
勝宮氏
私も今回参加させていただいて本当にいい機会になったと思っております。ありがとうございました。
まず時間軸を早めるというところをお伺いして、目から鱗というか、そのためにどうしていくかみたいなことを自分も考えてみたいなと思った次第です。やはり今回、いろんな方々の価値観というか、事業の内容とかもお伺いして、視野が広がったと思います。この度は本当にありがとうございました。
木谷氏(コーディネーター)
ありがとうございました。それでは太田さんお願いします。
太田氏
本日はありがとうございました。本当に世代の違いでこんなに違うのかということ、20代の皆さんのお話を聞いてびっくりしました。また、今関わっている方が60代以降の方がすごく多いので、そこのギャップを私はいつも埋めたくて頑張っていたんですけれど、時間軸の話がありましたが、そのままにしておいてはまた20年かかってしまうと頑張っている意味がなくなってしまうので。でも、こういう話を聞いていると、お父さんが育児の協力をされていてとか、本当に広島の未来は明るいなと感じてすごく嬉しくなりました。
なので、自分がやっていることはちっぽけなことだけれど、きっとそこのつながりが、いろんな関わりを持つ中で、誰かの何かの役に立っていると信じられるなと思い、今日を過ごさせていただきました。ありがとうございました。
木谷氏(コーディネーター)
ありがとうございます。では桑原さんお願いします。
桑原氏
まずこのような機会をいただきまして本当にありがとうございます。私は本当に皆さんと一緒で、面白い場だなあと感じたんですけども、こういう女性活躍についてみんなが話す機会って、なかなかないんですよね。是非こういう機会を増やしてもらったら面白いんじゃないかなというふうに、今日は本当に感じました。良い機会をいただきまして本当にありがとうございます。
木谷氏(コーディネーター)
どうもありがとうございました。皆様から感想をいただき、今日は素晴らしかったですね。本当によくこんな良い役者をそろえてくれたなあという感じがいたします。また、学生の方が3名も入ってくださっていたというところも、なかなかない形だったので、非常に実り豊かだったのではないかなと思います。
それでは最後に、市長から全体を総括してコメントを頂戴できればと思います。お願いいたします。
市長
お話を聞いていて、皆さんの話をまとめる必要はないなと思いました。皆さんの取組がもっと加速するというか、多様な働きかけや一生懸命考えていることが、実現できるような世界に向けてスタートするという、私たちが生きている間に頑張るということが間違っていないということを合理化するという論理の整理を考えていました。
まず、皆さんは人間として地球上に生きていますが、人間として生まれたからにはどうしなければならないか。そういった根源的なことを考えたことはありますか。誰でも親から生まれて、人類の子孫として生きているので、人間が子孫を生み育てるという基本的な行為を続けなければ、人間はこの地球上に居られないし、その成果の一部として自分たちがここにいる。そのことを次の代に伝えるということが1番重要だと思います。地球上の生命であるけれど、地球上で70億、80億に増えているのは人類だけで、他の生命体は増えていない。それは、地球環境の中で生きていくために、人類は他の生命体と違い、これほど自分の生活について、生活を変えるということをやってきたからこそなんですね。そうしたときに何が起こったかというと、7万年前ぐらいに言語というものを発明して、意思疎通を図っていろいろなことを考えるようになり、自然の中で生きていくため、食料を安定的に確保するため、農業、狩猟などを集団で行うようになりました。それが1万2千年前ぐらいで、このときはまだ文字がありませんが、それから今度はしゃべり始めたら文字にして残すようにして、それを使ってまたさらに発展する、ということをやりました。
これはですね、いろいろなお仕事を個人が全部やるのではなくて、自分たちと思いが同じような人を集めて、集団で地域の中に居場所をつくり共同して作業をする。このことがいかに居心地いいかということを知って、それを追求していく。そんな中で、常にそれぞれの役割分担とか分業化とか、工夫に工夫を重ねてようやくここまで来たんですね。そして直近の社会では、集団の中で農業、工業、サービス業という作業を行うときは、男女差別なく一緒になって得意な仕事をする。力がありそうなら女性でも力仕事、そうでないなら別の作業と。
だけど、子孫をつくるときにこどもを産むのは女性だから、女性を大事にしながら、男性はそれを補完するということをしました。それは定期的に巡ってくることであり、子育てで本当にやらなければいけないこと、生まれたこどもにお乳やミルクをあげるなどして、一人で立てるようになる。その後、ある程度大人に近づく年齢になれば、あとは全体でトレーニングしてあげればいいので、お母さんの下で子育てを本当に一生懸命やらなければいけないのは、実際のところ何十年ではなく数年だと思います。そうして、また女性のグループの人たちで子育ての知識をたくさん伝授し、男性と女性では役割分担をします。その次の段階、機械を作って物を運ぶようになると、地域を越えた交流が始まり、もっと合理化して地域のために集まると。
そういったことを前提にしながら、生産と消費という概念で考えると、生産の恩恵を受けるという、生産した成果を消費するのも人間のはずなのですが、作るほうばかり考えて消費することをあまり考えない世界がずっと続いてきたのではないかと思います。ところが今では、運送機械以上に電子機器が発達して、情報など、紙を使わなくてもどんどん空間を超えて情報データとしてできるようになりました。そうなると、これまで掛けていた時間が空いてくるため、ある意味で男性が暇になってくる。そうなると、女性の方からすると、私たちは育児などもやっているのにということを実感する方々が増えてきています。そうすると、働くという局面で男女が役割分担をするという前提がなくなったのに関わらず、こどもを育てなければいけない大変な時期に、男は手をかけないでいるとなってしまう。そういうふうにならないためには、今までの役割分担をもう一回見直して、個のレベルでそれをやろうという男性が企業の中で活躍し、企業の労働慣行が変わってくれればいいなと思います。そういったことを加速させるということが、今1番重要になっているのではないでしょうか。
そうすることで、企業としての働き方がもう少し変わると考えます。そのために、均等法やいろいろな支援施策がありますが、そういった支援施策をつくった頃は、一体何のためにやっているんだという声もあったんですが、ようやくそれが効いてきました。なので、これを加速していくということをもっと自覚して、人類が地球上で生きていくために、子孫を作り成長させ、その中で居心地のいい空間をつくって死んでいくということを、仕事などにかまけて、そういった本来のことをずっとおろそかにしていたということではないでしょうか。
そこで、地域、家庭、職場というものをもう一回見直す必要があります。消費を一生懸命やる人と、生産を一生懸命やる人、ということで分けられますが、1人になってしまえば、自分でつくって自分で食べなければいけないのでそんなことを言っていられません。2人でも集団でも、分業化して効率化したことに伴う弊害を除去していく必要があることにようやく気づいたのではないかと思います。気付いただけではなく、それをいかに早くするかでもっとハッピーな世界にする。時間はかかりますけど、自分が生きている間にそれを目標にしてまちづくりをするということができるのではないかと改めて確認しました。
したがって、私はまちづくりを職場・家庭・地域、この三つに分類して、いずれの分野においても、自分が納得できるような活動ができる生活環境の設定を目標値として、みんなに捉え直していただけるよう考えている。だからと言って、いろいろな方に付いてきていただかないと、すぐには変わりません。その生活環境をつくり上げていくために、今皆さんそれぞれやっておられることがうまくいき、それがいいことだということをもっとみんなに周知していく。それをどういう形で広めるかということや、もう少し改良すると良くなるなど、そういったアイデアをいただきたいと思っていて、また、それをどの程度行政として取り組むのか、企業としてやっていただくのか、あるいは分類してどこで手当て行うのかというところを探っていくことが、これからの行政の仕事だなと思いました。
いずれにしても、自分のワークとそれ以外の部分というものが、心地よくなるような働き方、あるいは地域をつくるということを共通の目標にしていただくと、いいまちになっていくのではないかと思いました。以上です。ありがとうございました。
木谷氏(コーディネーター)
どうも本当にありがとうございました。ではこの余韻を楽しみながら、以上としたいと思います。それでは事務局のほうにお戻しします。
政策企画課長
ありがとうございます。本日は皆様、活発に意見交換をいただきまして、誠にありがとうございました。いただきました多くのご意見、ご提案につきましては、本市のほうでしっかり受け止めさせていただいて、今後の行政にしっかり生かしていきたいと思っているところでございます。
また、今年度は、参考としてお配りさせていただきました第三次広島市男女共同参画基本計画を改定する予定としており、この計画は本市の男女共同参画社会実現に向けて、働く女性の方の就労環境整備であったり、男女共同参画を推進する教育の充実など、様々な事業を盛り込んだものとなっております。今後、本日コーディネーターを務めていただきました木谷先生に会長を務めていただいております男女共同参画審議会等で検討をしていく中においても、本日の意見をしっかり参考にさせていただきたいと思っております。
それでは、以上をもちまして、市政車座談義を終了いたします。本日は誠にありがとうございました。
当日資料
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次第 (PDF 157.0KB)
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資料(叡啓大学 山崎さん 活動紹介) (PDF 1.3MB)
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資料(安田女子大学 渡部さんほか1名 活動紹介) (PDF 4.0MB)
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資料(株式会社広島銀行 若山さん 活動紹介) (PDF 81.5KB)
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資料(ICHI DESIGN OFFICE 勝宮さん 活動紹介) (PDF 7.6MB)
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資料(やのエルモ、一般社団法人 マール村 太田さん 活動紹介) (PDF 4.0MB)
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資料(東洋電装株式会社 桑原さん 活動紹介) (PDF 2.0MB)
関連情報
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