広島駅南口広場の再整備等の整備効果について
本市が目指す都市像の実現に向けた本事業の役割
「広島市総合計画」及び「広島市総合交通戦略」に掲げている、本市の目指すまちづくりのコンセプトのうち、本事業が役割を担う主な項目を以下にまとめます。
1 集約型都市構造への転換
公共交通等で連携され、都市機能の集積を進めてきた都心や広域拠点と地域拠点からなる拠点地区等において、更なる機能の集積を進め、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりを推進する。
2 楕円形の都心づくりの推進
広島駅周辺地区と紙屋町・八丁堀地区を都心の東西の核と位置付け、都市機能の集積・強化を図ることにより、相互に刺激し高め合う。
3 交通結節点の機能強化
広島駅周辺地区は、陸の玄関として、再開発ビル等が完成するとともに、広島高速5号線の整備が進んでおり、今後とも、広域的な交通結節点としての機能を強化する。
4 公共交通の充実強化
交通結節点における交通機関相互の連携強化を図るとともに、路面電車やバス等の定時性・速達性を確保する。
5 公共交通を軸とした交通ネットワークの構築
公共交通を利用しながら円滑に移動できる交通環境をつくるとともに、さらにその状態を維持することによって、脱炭素社会の構築にも寄与する、公共交通を軸とした交通ネットワークをつくる。
6 都心の魅力と回遊性の向上で“ +1トリップ”
本市の都心におけるまちづくりを後押しするため、居心地が良く歩きたくなる歩行環境や、様々な移動手段が共生・連携した快適な都心の交通体系をつくることにより、回遊性の向上を図り、一人一人の目的を持った移動がもう一つ増える、つまり“+1トリップ”するよう移動の活発化を図り、まちづくりの進展や公共交通の利用を促す好循環を創出する。
7 誰もが安全・安心に移動できる交通サービスの確保
人や地域の多様な特性を踏まえながら、安全に移動できる交通環境や、安心して利用できる移動手段の確保を図る。
本事業により達成を目指すSDGs(持続可能な開発目標)
1. 整備効果について
本事業は、平成31年度に事業化され、整備を進めているところですが、予算化され長期間が経過したことから、公共事業再評価審議会に諮りました。
再評価審議会の「会議資料」及び「参考資料」に記載されている本事業の目的や投資効果のうち、主な定量的な効果は以下のとおりです。(詳細は再評価審議会の資料等を参照)
※( )内の数字は上記の「本市が目指す都市像の実現に向けた本事業の役割」のうち、寄与する項目を示す。
軌道整備関連
➀ 公共交通機関相互の乗換利便性の向上(路面電車)(3,4,5)
JR西日本による駅ビルの建替えと連携し、路面電車を新駅ビルの2階レベルへ高架で進入させることで公共交通機関相互の乗換利便性が向上する。

➁ アクセス性・利便性の向上(1,2,4)
駅前大橋ルートを整備することで、広島駅と紙屋町・八丁堀地区間は約4分、広島駅と比治山町・宇品地区間は約4分30秒短縮される。
なお、これらは定時運行した場合の短縮時間であり、整備前に問題となっていた、ホーム数不足による路面電車の広場内への入場待ちや周辺道路の渋滞による影響が解消されることを考慮すると、さらなる時間短縮が見込まれる。
広場整備関連
➀ 公共交通機関相互の乗換利便性の向上(バス、自家用車)(3,4,5)
路面電車を新駅ビルの2階レベルへ高架で進入させることで生まれる空間などを活用して広場を拡張することにより、バスの乗降場を増設するなどの再整備を行うことで、公共交通機関相互の乗換利便性が向上する。

➁ 歩行空間・滞留空間の拡充(6,7)
ペデストリアンデッキや広場内の歩道の整備に伴い歩行空間が拡充され、歩行者の快適性が向上する。また、賑わい広場や中央空間などの整備に伴い滞留空間が拡充され、交流機会の増大や景観の向上によって、利用者に対する機能が向上する。
(再評価審議会の資料等)
2. その他の整備効果について
本事業の目的や費用便益分析において計上した投資効果については、上記の「会議資料」及び「参考資料」に記載のとおりですが、その他に定量化の難しい投資効果があります。
本事業がもたらすであろう様々な効果を以下にまとめます。
※( )内の数字は上記の「本市が目指す都市像の実現に向けた本事業の役割」のうち、寄与する項目を示す。
軌道整備関連
➀ 循環ルート整備による回遊性の向上(1,5,6)
循環ルートを整備することで、市内中心部の回遊性が向上し、日常的な移動のほかにも、歴史的建造物や集客施設等を巡る観光としての利用などにも活用されるものと考える。
また、市内中心部の拠点を繋ぐことで、コンパクトなまちづくりや都市機能の集積・強化に寄与する。
➁ 路面電車のホーム数増加に伴う輸送障害による遅延の軽減(3,4)
整備前は乗車場2か所、降車場4か所のところ、整備後は乗車場、降車場ともに4か所となり、ホーム数不足によるホームへの入場待ち等が解消され、路面電車の定時性が向上する。
また、整備前は2か所の乗車場の縦列利用や狭隘な広場内での分岐、降車場から乗車場への移動等といった煩雑な運用となっており、これらが解消されることにより定時性が向上する。
➂ 路面電車の高架化による道路交通事故減少及び道路混雑の緩和(7)
整備前は広場前面道路を路面電車が平面交差しているが、整備によって高架構造となり立体交差となるため、自動車等との接触事故のリスクが軽減される。
また、高架化により信号制御の運用に余裕ができることなどで、道路混雑が緩和される。
➃ 路面電車が駅ビル2階に乗り入れることによる存在効果(2,6)
国内外から多くの来訪者が訪れる広島の陸の玄関口である広島駅に広島らしさを創出するとともに、戦後の広島の復興にも貢献してきた路面電車の存在を示すことにより、国際平和文化都市広島としての魅力にも繋がる。
また、路面電車が駅ビルの2階に高架で乗り入れるのは全国で初めてであり、唯一無二の空間を創出し、観光客の増加も想定される。
➄ 地球的環境・局所的環境の改善
新線整備に伴う利用交通手段の変更(自動車からの転換等)や、周辺道路の混雑緩和等によりCO2やNOXの排出量が削減され、地球的環境・局所的環境の改善が見込まれる。
広場整備関連
➀ 「世界に誇れる『まち』広島」としての演出(2,6)
2階レベルに路面電車のホームと賑わい空間を覆う大屋根を設置することで、「世界に誇れる『まち』広島」の陸の玄関にふさわしいシンボリックな空間を創出する。
大屋根は、ゲート性を演出し、世界から人々を迎えるために広げた両手や、広島から世界へ羽ばたく翼を表現した「反り」と、世界恒久平和を願う人々の願いが込められた折鶴をイメージした「折り」をデザインに取り入れるとともに、平和を象徴する色である「白系」の色彩と、すでに供用している駅南北自由通路のデザインコンセプトを踏襲しており、施設全体が統一的なデザインとしている。
➁ 賑わい空間の創出(2,6)
駅自由通路に連続する新駅ビルの中央空間から周辺街区へのペデストリアンデッキを設置し、2階レベルの歩行者ネットワークを構築することで賑わいを創出する。
また、ペデストリアンデッキや新駅ビル東西通路等にベンチや植栽などを設置し、待合場所や憩いの場、イベント等に利用できる空間を整備することで、市民や来訪者、オフィスワーカーなど誰もが寛ぎ、快適に過ごせる空間を創出する。
さらに、関連事業と合わせて、広島駅から猿猴川河岸緑地まで2階レベルで繋がり、「水の都ひろしま」構想の目的のひとつである、水辺等における都市の楽しみ方の創出にも寄与する。
➂ JRと各公共交通機関の乗換利用者以外における歩行者の時間短縮(3,7)
広場を整備することで、JRと各公共交通機関の乗換利用者以外にも、広場を通過する歩行者や、周辺街区からJRや路面電車、バス等を利用する歩行者等の移動時間短縮が見込まれる。
➃ バス乗降場の広場内集約による道路混雑の緩和(4,5)
バス乗降場が広場内に集約することにより、整備前に混雑していた降車場付近をはじめ、周辺道路の混雑が緩和される。
➄ バス事業者における供給者便益
バス乗降場が広場内に集約されることや周辺道路の混雑が緩和されることで、整備前よりバスの運行がスムーズになり、バス事業者の収益改善が見込まれる。
PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。
このページに関するお問い合わせ
道路交通局交通施設整備部 広島駅南口整備担当連絡先
〒730-8586広島県 広島市中区国泰寺町一丁目6番34号
電話:082-504-2386(連絡先) ファクス:082-504-2426
[email protected]