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広島市総合交通戦略について
本市では、交通政策の進路の全体像や、それを実現するために必要となる実施施策等をまとめた広島市総合交通戦略を策定し、交通施策の効果的・効率的な展開を図っています。
広島市総合交通戦略の概要
広島市総合交通戦略(以下、「交通戦略」という。)は、広島市総合計画に定めた公共交通の充実強化や体系的な道路網の整備などの基本方針に沿って、必要な交通体系の構築を図るため、本市を始めとする行政と、交通事業者や市民団体等の関係者が共通認識を持ってそれぞれの役割を果たしていくために必要となる、本市の交通政策の進路の全体像を示す「交通ビジョン」と、それを実現するために必要となる実施施策等をまとめた「推進プログラム」を定めるものです。
これまで、平成22年7月に策定した交通戦略に基づき、各種交通施策を推進してきたところですが、人口減少や高齢化等の更なる進展に伴う輸送需要の減少、コロナ禍を契機として定着し始めた新しい生活様式やDX等の新技術の進展など、社会情勢の変化等に対応する必要があることから、広島市交通実態調査(平成30年度~令和2年度)の結果等を基にした交通課題の整理や、学識経験者、交通事業者、関係団体、関係行政機関等で構成する広島市総合交通戦略協議会における議論などを経て、令和4年3月に交通戦略を改定しました。
●目標年次
第6次広島市基本計画の期間(令和2年度~令和12 年度)との整合性を考慮し、令和12 年度(2030 年度)を目標年次とします。
1 「交通ビジョン」
本市における都市の将来像を実現するため、「公共交通を軸とした交通体系の構築」を目指すこととし、それに向けて、本市の交通課題への対応策となるコアコンセプトと、それに沿った施策の方向性の下、各実施施策を進めることとします。
●本市の交通における課題
広島市交通実態調査で把握した市民の現況の交通実態や、将来交通状況の見通しなどを踏まえ、本市の交通における課題として、以下の8項目を整理しました。
課題1 | 公共交通の維持・確保に向けた持続可能性の向上 |
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課題2 | 利用者のニーズに応える公共交通の実現に向けた利便性の向上 |
課題3 | 市民生活を支える道路交通の円滑化 |
課題4 | 都心の賑わいと回遊を生み出す交通環境の形成 |
課題5 | 誰もが安全に移動できる交通環境の形成 |
課題6 | 人や地域の特性に応じた交通サービスの提供 |
課題7 | 広島広域都市圏内のヒトやモノが循環する基盤づくり |
課題8 | 市民の安全・安心を支える交通ネットワークの強靱化 |
●政策展開の方向性
本市域内の地域の特性に応じた「地域」の交通と、市域外に及ぶ「広域」の交通のそれぞれの視点から、政策展開の方向性を整理しました。
地域 | 市域内外からの来訪者を迎える都心の交通 |
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住民の暮らしを支え活性化に資する郊外の交通 | |
広域 | ヒトやモノの活発な循環を生み出す広域の交通 |
●コアコンセプト・施策の方向性
目指すべき交通体系の実現に向けて、政策展開の方向性を踏まえつつ、本市の交通課題へ対応する上で中心となる基本的な考え方であるコアコンセプトと、それに沿った施策の方向性を整理しました。
コアコンセプト | 1 公共交通を軸とした交通ネットワークの構築 | 2 都心の魅力と回遊性の向上で “+(プラス)1トリップ” | 3 誰もが安全・安心に移動できる交通サービスの確保 | 4 物流・広域交流を支え災害に強い、強靱な交通ネットワークの構築 |
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施策の方向性 |
1 官民の協調に基づく持続可能な公共交通体系の構築 |
4 まちづくりと一体となった居心地が良く歩きたくなる歩行環境の整備
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6 誰もが安全に移動できる交通環境の整備
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8 経済活動を支えるとともに、広島広域都市圏内のヒトやモノが循環する基盤となる交通ネットワークの構築 |
2 「推進プログラム」
「推進プログラム」は、「交通ビジョン」における「コアコンセプト・施策の方向性」の下で進める具体的な実施施策を位置付けたものです。
●プログラムに位置付ける実施施策
目標年次である令和12年度までに完成する予定の取組のほか、令和13年度以降も事業中あるいは検討中の取組も対象としています。また、本市域における取組に加え、広島広域都市圏の圏域にわたる取組も対象としています。
●実施施策のスケジュール
実施時期の目安について、令和8年度までの短期、令和12年度までの中期、令和13年度以降の長期に区分して示しています。
●交通ビジョンとの関連性
実施施策を「公共交通」や「自転車」、「歩行者」、「道路」、「防災・減災」、「安全・安心」の項目毎に分類した上で、交通ビジョン(コアコンセプト・施策の方向性)との関連性を示しています。
●実施施策の推進に当たっての留意事項
実施施策の推進に当たっては、本市の市政運営のコンセプトである「持続可能なまちづくり」に資するよう、環境負荷の低減や、既存ストックの有効活用、ICT等の新技術の利活用などに配慮しながら取り組むこととします。
●行政、交通事業者、市民等の連携・協働
各実施施策を着実に推進するため、交通ビジョンで掲げた交通政策の方向性に基づき、「行政」「交通事業者」「市民等」がそれぞれの役割の下、連携・協働しながら取り組みます。
●プログラムの進捗管理と評価
各実施施策を着実に推進するとともに、施策の進捗状況や指標の達成状況を確認するなど、適宜プログラムの進捗管理と評価を行います。また、今後の社会情勢等の変化や本市の財政状況の見通し、プログラムの評価結果などを踏まえ、必要に応じて推進プログラムの追加・見直しを行います。
令和5年度における実施施策の取組状況 [PDFファイル/787KB]
ダウンロード
広島市総合交通戦略(概要版) [PDFファイル/44.23MB]
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