本文
私たちは日々、「買う」「食べる」「使う」など、様々なモノを選び、消費しながら生活しています。
例えば、買い物でどれを買うか選ぶとき。「安くて良いモノ」や「自分にとってどれくらい得か」といった価格、品質、安全性の基準のほかに、それがどのようにして作られたかといったものの背景や、それを選ぶことで世の中にどんな影響を与えるかについて、考えたことはありますか?
エシカルとは「倫理的」という意味で、「人や社会、環境、地域に配慮した消費行動」のことを「エシカル(倫理的)消費」といいます。
自分以外の他者や地域社会、自然環境などを思いやる、「思いやり消費」、「応援消費」とも言えるでしょう。
私たちの「何を買うか・買わないか」という日々の選択は、様々な社会的課題と密接につながっています。
もしかすると、購入する商品やサービスの「向こう側」に、森林破壊や地球温暖化、児童労働などの社会問題を引き起こす要因が隠れているかもしれません。
私たち一人一人が、「消費」しているモノやサービスの生産の背景を知り、児童労働や生産者の搾取を助長しないモノを買ったり、環境負荷の低いモノを買ったりすれば、社会や環境に配慮する事業者が増えます。そうした事業者が増えれば、児童労働や環境破壊が減り、世界は持続可能な社会に近づいていきます。
つまり、私たちが社会や環境に優しいモノを選ぶこと自体が、貧困や飢餓、気候変動などの社会的課題や環境問題の解決に貢献することになります。
私たちは、エシカル消費を通じて、SDGs(※)の様々なゴールを解決に導く一端を担うことができるのです。
私たち一人一人が、社会的な課題に気付き、日々のお買物を通して、その課題の解決のために、自分は何ができるのかを考えてみること、これが、よりよい未来に向けて行うエシカル消費の第一歩です。
持続可能な社会の実現のため、「エシカル消費」について一緒に理解を深めていきましょう。
私たちの身の周りにある食品や製品には、原材料が作られ、加工され、私たちの手元に届くまでにたくさんの人が関わっています。
チョコレートやコットン(綿)などの原材料の多くを生産する発展途上国には、立場が弱いために過酷な労働や児童労働を強いられ、貧困に苦しんでいる人たちがいます。
また、障害者が働く施設では、菓子や日用品などが作られていますが、まだ多くの方に浸透しておらず、障害者の就労の機会や生産活動の機会がまだまだ不足しています。
フェアトレード商品や、障害者施設などで作られた製品を購入することは、彼らの経済的な自立のための大きな支援につながります。
商品やサービスの裏に隠されたストーリーに、思いを巡らせてみませんか?
人・社会に配慮された商品を見つけて、選んで購入することで、より多くの人が持続可能な生活を送れるようになります。
遠方で生産・製造された食材や商品が、インターネットを通じていつでもどこでも好きなだけ購入できるネットワークが浸透しています。
一方、私たちの住む日本は、山、森、川、海といった豊かな自然に加え、多様な気候や地形の影響もあり、全国各地でその土地特有の産物が作られたり、様々な地域社会が育まれたりしてきました。
「簡単」「便利」に購入できることは魅力的ですが、「地域の振興」もお買物では大事な視点の一つです。
地元で生産されたものを地元で消費する「地産地消」や、地元で買い物をすることは地域の活性化につながります。また、自然災害に遭い風評被害に困っている地域の商品を購入することで、被災地域を応援することができます。
地元の本屋さん、電器屋さん、肉屋さんなどを利用したり、産地を気にしてお買物をしてみませんか?
食材の生産地を「選ぶ」ことや、地元のお店で商品を「買う」ことは、その地域を「応援する」ことにつながります。
「地球」というスケールで社会を考えると、私たちが多様な動植物と共存していることや多くのエネルギー資源、原材料、食料品などを海外から輸入していることに気付かされます。
大量生産・大量消費・大量廃棄の暮らしによって、地球温暖化や海洋汚染などが発生し、生態系が破壊され、エネルギー資源が減少し、異常気象による農作物への被害などが深刻化しています。
私たちが日々消費している、食べ物、服、文房具、電気や水に至るまで、環境問題と無関係なものはありません。買ってから捨てるまで、環境に配慮した選択をすることで、環境問題の解決につながります。
日々の暮らしの中で、「もったいない」と思うことは何ですか?
地球環境の現状や問題を「自分には関係ない遠い話」と見過ごすのではなく、より良い未来に向かって、一歩を踏み出しましょう。
「エシカル消費」を意識した行動をすることが大切です。日々の生活の中に思いやりの視点をプラスすると、エシカル消費が身近にあることがわかります。具体的な行動を参考に、それぞれの生活で取り組んでみてはいかがでしょうか。
・認証ラベル(※※)付きの商品を買う
・福祉作業所などの製品を買う
・寄付付き商品を買う
・被災地の応援になる商品を買う
・製造段階で規格外になった商品を買う
・買い溜めや買い占めせず、必要なものを必要な分だけ買う(食品ロスの削減)
・スーパーの陳列棚の手前から買う(てまえどり)
・地域に根ざした伝統的工芸品を買う
・買った食材、出された料理を残さず食べる(食品ロスの削減)★広島市の取組を↓でご紹介
・有機(オーガニック)野菜を食べる
・地元でとれた食材を食べる(地産地消)★広島市の取組を↓でご紹介
・地元のお店で食べる
・買い物の時にマイバックを利用する
・マイボトルを持ち歩いて、給水器で水をくむ
・マイ箸を持ち歩いて、できるだけ割り箸を使わないようにする
・食べきれない食材をフードバンクへ寄付する
・環境に配慮した素材を選ぶ
・長く着ることができる服を選ぶ(サステナブルファッション)
・アニマルウェルフェア(動物福祉)に配慮した製品を使う
・車ではなく自転車を使って移動する
エシカル消費は「人や社会」、「地域」、「環境」に配慮した消費活動のこと。マイボトルを使うこと、地産地消の食材を食べることもエシカル消費の一環です。毎日の生活の中にエシカル消費を取り入れてみませんか?
<外部リンク>
最近よく聞くようになった「エシカル消費」ってどんなことをするの?
身近なことから始めてみましょう!
持続可能な開発目標(SDGs)の12番目は「つくる責任 つかう責任」
2015年9月の国連総会で決められた国際的な17の目標のなかにも、貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和的社会などと併せて、「持続可能な生産·消費形態の確保」が掲げられています。
私たちが、人や社会、地域、環境にやさしい「エシカルな商品」を選ぼうとするとき、選んだモノが本当にそうした商品なのか、判断するのが難しい場合があります。そんなときに参考になるのが、商品に付けられた「認証ラベル」です。
認証ラベルとは、第三者機関が基準(安全性や品質など)を設け、その基準に適合しているかを審査の上、認められた商品に付けられるラベルのことをいいます。
「フェアトレード商品」や「オーガニック商品」、「エコ商品」を始め、機能・基準を保証する認証ラベルが多数あります。
エシカル消費に関連する商品を取り扱う店舗や、飲食店、エシカル消費に関連する取組等をまとめ、広島市ホームページにて公開するものです。店舗紹介ページでは、店舗紹介文、写真、所在地等を掲載します。また、登録事業者にはエシカル消費登録事業者として、当センターが作成したステッカーをお配りしますので、PRにお使いください。
→ エシカル消費とは<外部リンク>
→ みんなのエシカル消費<外部リンク>