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「認知症」は、高齢者だけでなく若い世代の人でも発症する可能性があります。
広島市は、認知症について正しく理解し、認知症の人やその家族の生活を地域で応援する人を増やすことで、認知症の人が安心して暮らせるまちづくりを目指しています。
認知症とは、病気の名前ではなく、状態のことです。脳の病気や脳に影響を及ぼす体の病気により、これまで培ってきた知識や技術が失われ、社会生活に支障をきたすようになった状態をいいます。誰もが経験することとなる脳の老化現象が正常の加齢過程よりも早く出現し、年齢に比して強く現れ、また促進された状態ともいえます。
厚生労働省の調査(平成21年3月発表)によると、働き盛りの65歳未満の世代に発症する「若年性認知症」の人は全国で3万7800人と推計されており、高齢者だけの病気ではありません。
直接起こる症状(中核症状)としては、1.記憶障害、2.見当識障害、3.理解・判断力の障害、4.実行機能障害などがあります。
1.記憶障害
さっき聞いたことを忘れる など
2.見当識障害
時間が分からない、季節感のない服を着る、道に迷う、周囲の人との関係が分からなくなる など
3.理解・判断力の障害
考えるスピードが遅くなる、いつもと違うことで混乱しやすくなる など
4.実行機能障害
計画を立て、段取りをすることができなくなる など
また、中核症状がもとになり、本人の性格、周囲の環境、人間関係などさまざまな要因が絡み合って、うつ状態、幻覚・妄想のような精神症状や、日常生活への適応が難しくなるなどの行動上の問題が起こってきます(行動・心理症状)。
このほか、脳血管性認知症の一部では、早い時期から麻痺などの身体症状があらわれることもあります。
働き盛りの世代に発症する「若年性認知症」ですが、高齢者の認知症とは異なるさまざまな課題があります。
若年期認知症の人は、体は元気なので周りからは病気に見えません。そのため、職場でなまけていると見られたり、不適切な処遇をうけることもあります。また、離職を余儀なくされ生活に困るだけでなく、「若いのに働いていない」と地域で偏見を受ける場合もあります。
このため、職場や地域の周りの人が、「若年性認知症」について正しく理解することが重要です。
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リーフレット「ご存知ですか?若年性認知症」 [PDFファイル/805KB]
市は、認知症についての正しい知識を身に付け、日常生活や仕事の中で認知症の人やその家族の尊厳を損なうことなく、適切な対応ができる「認知症サポーター」を増やしています。サポーターには特別な職務はありません。令和3年3月末現在、市内で延べ約11万6千人が「認知症サポーター養成講座」を受講しています。
認知症の人やその家族に対して、適切な対応や手助けなどができるよう、認知症についての正しい知識を身に付けるための講座を、町内会や地域住民グループなどの希望に応じて開催します。
「認知症サポーター養成講座」の詳細については、『地域で見守るための「認知症サポーター養成講座」』をご覧ください。
「ご存知ですか?若年性認知症 [PDFファイル/805KB]
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