本文
2024年9月4日「市政車座談義」の開催結果
概要
「『学生・若者に優しいまち』づくりについて」をテーマに、大学生や広島で働く若い方々に集まっていただき、市政車座談義を開催しました。
市長は、「広島を皆がしっかりと個性を発揮できる地方都市にするためのまちづくりについて、今回いただいた意見を受け止めて、地域総出で皆さんと一緒になって進めていきたいと思った。皆さんにはどの分野においても、工夫や知恵を出していただくことをお願いしたい。」と述べ、参加者と積極的な意見交換を行いました。
結果
1 日時
令和6年(2024年)9月4日(水曜日)15時00分~17時00分
2 開催場所
広島大学東千田キャンパス 総合校舎L棟 SENDA LAB(センダラボ)
3 参加者
10名(※敬称略)
- 広島文教大学 人間科学部 グローバルコミュニケーション学科 教授 松原 淳一(まつばら じゅんいち) ※進行役
- 広島修道大学 学生 後藤 直志(ごとう なおし)
- 広島修道大学 学生 岸 達哉(きし たつや)
- 広島修道大学 学生 戎 怜亜(えびす れあ)
- エリザベト音楽大学 学生 村田 菜(むらた さい)
- エリザベト音楽大学 学生 汲地 紗弥(くむじ さや)
- 広島市立大学 学生 伊藤 綾乃(いとう あやの)
- 株式会社荒谷建設コンサルタント 今田 順(いまだ じゅん)
- 株式会社WEAVE 代表取締役CEO 久保 直樹(くぼ なおき)
- 株式会社Relic 広島支社長 宇野木 日向子(うのき ひなこ)
4 テーマ
「学生・若者に優しいまち」づくりについて
5 傍聴者
1名
6 発言内容
政策企画課長
ただいまから市政車座談義を開催いたします。
皆様方には御多忙の中、御出席頂きまして、誠にありがとうございます。
私は、本日の司会を務めさせていただきます広島市企画総務局政策企画部政策企画課長の戸政と申します。よろしくお願いいたします。
本日は、「学生・若者に優しい」まちづくりについてというテーマで、大学生や広島で働く若者の皆さんと市長で意見交換を行っていただきます。
御手元に本日の次第、配席図、また、意見交換の際に御紹介頂く各参加者の方の活動について6種類の資料をお配りしておりますので、御確認ください。
資料の方はよろしいでしょうか。
それでは、開会に当たりまして、市長から一言御挨拶申し上げます。
市長
皆様こんにちは。
本日は、お忙しい中、市政車座談義に御参加いただきましてありがとうございます。
皆様方には、様々な活動を通じて、我が市のまちづくりに関わっていただいています。まずは御礼申し上げます。
そうした中で、この4月に、民間の組織が人口戦略会議を立ち上げ、さらに昨年12月に、国立社会保障・人口問題研究所から出された報告で公表されたものに関し、いろんな問題の取上げ方をしてきており、世の中大変だなという思いを多くの方がされていると思います。
将来、地域の人口をどうするか、誰の責任なのかと言えばみんなであり、では、今までの政策がどうだったのか、頑張ってきたけど成果が出ていない、ではどうするかといったときに、混乱した局面を取上げたような話です。人口減少は、今にわかに起こったことではなく、長い経過を見れば、統計的にそうならざるを得ないという中で、減らさないようにするという議論とともに、減ることを前提にどうするかという、いわゆるあるべき姿とある姿の中でどう対処するかという議論をどちらもしていく必要があります。理想があるけれども現実問題追いつかない中で、どう凌ぎながら、あるべき姿を追求するかと、そういった段取りで議論ができたらなと思っております。
そういたしますと、ある意味で発想の転換、パラダイムシフトをして、もう少し地についた議論を皆でやっていかなくてはと思い、自分自身は市長になって、そういったことも含めて、既に問題に取り組んでいるという、そういう気持ちがあります。と申しますのは、200万人広島都市圏構想を市長となってやらせていただいている中で、この200万という数字が、今言った理想と現実をどう考えるかという答えの一つになっているのですが、200万人広島都市圏構想を考え、このグループで一緒に基礎自治体の取組をしようと言ったときに考えられる圏内人口は240万人で、その際、皆さんに向けて200万人でいいですよと言いました。つまり、減ってもいいと言っていると思っていただいても構いません。しかし、ただ減っていいと言うと、お金がかかるので、今240万人だけど将来においても200万人を超えるということを目指してやっていきましょう。そのために今何が必要か、といったことをやっています。
そうしますと、それに合う政策を、国が提供する制度とコンプロマイズしながらやっていくことが重要だと思います。国家レベルの取組と地域レベルの取組、それぞれ視点が違います。国土の中のローカルな部分の問題をいかに具体的に解決するかということに力点を置いてやることと、複数の基礎自治体という集合体の中で、国というまとまりで経済状況を見てそれに即応した対策という観点から物事を考える、この二つの方法があってそれが錯綜しているわけです。それを、地元でいかに調和させるかというのは大きな問題意識だと思っています。
例えば、現在の国家レベルで物を考えるときに、日本という資源がない国、そういった表現をするときには、貿易立国といいますが、つまり、よその国とやりとりをしながら、お金を儲けてそれで必要なものを買う。貿易立国を守らないとやっていけない。
そうした中で、経常収支を見てみると、近年は黒字基調です。だけど、この黒字基調の内訳が問題になっているというのは、多分国家レベルの問題意識ですね。と申しますのは、高度経済成長期には、貿易をして、日本で原材料を仕入れて物を作って売って、そしてその稼ぎでまた物を買う、こういう言わば循環を考えていたのですが、年月経って、いつの間にかこの収支構造、黒字基調が何から出ているかということで、実は日本の大きく育った企業なり個人の所得を持っている方が、海外へ資本投資して、そちらで投資した企業なり、都市活動の収益、その配当金を頂く。実際物を輸出しているのではなく、そちらに投資して、そのお金から生まれるお金を頂くということで黒字基調となっており、物のやりとりはほとんど停滞している。車をはじめとする輸送関係や家電製品そういったものは、日本の周りの国々が安く儲けて、日本の企業はそれができなくなっている。そうしますと、日本の国内で、ある程度資産を貯めてあるいはそれにつながる収益を得られる所得層の方々の儲けでどんどん入っており、実際に物を作って売る、そこで就労するというのはどんどんシュリンクしますから、そういった方々の所得は減る。そんな状況の中で、この方々の生活をどうするかといったときに、個々で賃上げができる、あるいは効率的な働き方をして賃金が高い職場を見つけて、そこでリスキリングして儲けてください、日本全体でそういうこと頑張ってください、そのためのアイデアを出してください、ということで、この所得を儲けている方以外の方々の職場提供を地方自治体が上手く考えてくれ、いいアイデアは東京で考えさせるから、それをうまく使ってくださいと、こういう展開がどうもされているように思えてならないのです。
しかし、日本全体にそういう問題意識を提起されて、そうだなという局面があるのですが、ただ基礎自治体ということを考えると、人口が数万の自治体が、今言ったような業種転換を図ってリスキリングというふうに言ったとしても、それができる社会環境、経済環境があるでしょうか。そういう対症療法が効くところは、日本国内1741の自治体の中で、ごく限られたところになってしまっているのではないでしょうか。今言ったようなそうでない処方箋がなければ、基礎自治体の活動の活性化、日本全体の経済のレベルアップはできないのではないかと思っているわけです。
そんな中で、あえて、新たなパラダイムシフトと申し上げますのは、地域レベルでは、自治体同士が困っているもの同士で競争しようとするのではなく、お互いに知恵を出して、自分たちの状況に応じた、工夫をしたまちづくりをやるという、そういう意味での協調をする。そしてそこにある資源を生かしながら、サステナビリティを高める持続可能な取組というものをどうするかということを一緒に考えていく。そしてこの中でヒト・モノ・カネの循環をしっかりすることで、生活の場を確保するそういったやり方、その際ヒト・モノ・カネを回すときに、1番重要なのが公共交通で、そういった手段について、競争任せで便利なところだけ公共交通が上手くいくというのではなく、そうでないところにも手を入れて、ますます不便になることを阻止する、あるいはそれをやろうという気概を持っている方々が、元気に出かけていただくコミュニティの最初の集合単位を活性化する、この思いを実現するための手段をもう少し揃えていく、総出でやっていく、こんな考え方を重視してやっていく。決して国家の問題意識を無視するわけではありませんが、それを頭に入れながら、地域の中で、そういう対応可能なロケーションをよく徹底して提供していく。そんなことを考えられないかなと思っているところです。
実際首長さん方の中には、これからは共助の強さが、自治体の真の力を決めるというふうな思いを持っている方が相当数に上るようになっている。今日はそういった視点も頭に入れていただきながら、「学生・若者に優しいまちづくり」というテーマを設定させてもらいました。この場合の、「優しい」というのは、辞書を引いていただくと分かりますが、「情け深い」や「思いやるがある」という意味の優しさであり、若い方々が考え、それに対しての思いやり、行政としてそれを大事にしてみよう、この発想を取り入れてどこまでまちづくりをやればいいかなということを考えさせていただきたいという思いで、優しいまちづくりをテーマに、特に「学生・若者に優しい」というテーマ設定にさせてもらいました。
今申し上げたことも少し頭に置いていただきながら、皆さんが取り組まれている活動をどうすれば我が市に生かせるかという視点で、お話をさせていただきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。以上です。
政策企画課長
ありがとうございました。
それでは続いて、本日の参加者の皆様を御紹介します。お名前をお呼びしますので、それぞれ一言ずつ、簡単に御挨拶をお願いできればと思います。
まず、本日のコーディネーターを務めていただきます、広島文教大学人間学部グローバルコミュニケーション学科教授の松原淳一先生です。
松原氏(コーディネーター)
皆さんこんにちは。広島文教大学の松原でございます。専門は地域経済学です。本日は、広島で活躍される学生、若者の皆さんと意見交換ができるということで大変楽しみにしてまいりました。よろしくお願いいたします。
政策企画課長
次に、広島修道大学の後藤直志様です。
後藤氏
皆さんこんにちは。広島修道大学人文学部英語英文学科4年生の後藤と申します。本日は皆さんの意見を今後の活動にしっかり取り入れていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
政策企画課長
同じく広島修道大学の岸達哉様です。
岸氏
皆様こんにちは。広島修道大学3年生、国際コミュニティ学部国際政治学科の岸達哉です。
皆さんの意見を僕たちの地域の活動に取り込み、そして自分たちの意見を皆さんと共有できる機会、すごくすてきな機会だと思います。本日はどうぞよろしくお願いします。
政策企画課長
同じく広島修道大学の戎怜亜様です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
戎氏
皆さまこんにちは。広島修道大学、法学部法学科3年の戎怜亜です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
政策企画課長
次に、エリザベト音楽大学の村田菜様です。
村田氏
皆さまこんにちは。エリザベト音楽大学演奏学科声楽専攻3年生の村田菜と申します。
本日は貴重な機会をありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
政策企画課長
同じくエリザベト音楽大学の汲地紗弥様です。
汲地氏
皆さまこんにちは。同じくエリザベト音楽大学演奏学科鍵盤楽器専攻、汲地紗弥と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
政策企画課長
次に、広島市立大学の伊藤綾乃様です。
伊藤氏
こんにちは。広島市立大学の国際学部から参りました伊藤綾乃です。本日はこのような貴重な機会を設けて頂きありがとうございます。よろしくお願いいたします。
政策企画課長
次に、株式会社荒谷建設コンサルタントの今田順様です。
今田氏
今田順と申します。今日はよろしくお願いします。
ふだん私はまちづくりコンサルタントとして、会社員で働く一方で個人事業として、本に関わる本と人との場づくりのようなこともやっており、どちらの領域でも、最近は転出超過みたいなことが常に話題になってまして、今日皆さんと若者にとって優しいまちとは何なのかということを皆さんとお話しできればと思います。よろしくお願いいたします。
政策企画課長
次に、株式会社WEAVE代表取締役CEOの久保直樹様です。
久保氏
皆さんこんにちは。株式会社WEAVEの久保と申します。私は、大学生の頃に起業をして今の会社をやっております。
もともと佐賀県出身でして、そのあとに広島大学の教育学部に進学をして、大学4年生の時に会社を起業しました。起業にあたっても広島の有難さみたいなことも感じたりしているので、そういったところも反映せていただけたらなと思っています。よろしくお願いします。
政策企画課長
次に、株式会社Relic広島支社長の宇野木日向子様です。
宇野木氏
皆さんこんにちは。
Relicの宇野木と申します。よろしくお願いいたします。
今日は皆さんと、私が小学生の時からずっと市長をされている松井さんとお話出来ることをすごく楽しみにしておりました。
私は新規事業開発をやっている会社におりまして、広島が地元なのですが、就職するタイミングで東京に上京して、広島支社を立ち上げるために、今年から広島にまた戻ってきたというような、経歴でございます。
本日はよろしくお願いいたします。
政策企画課長
皆さんありがとうございました。
ではここから松原先生に進行をお願いしたいと思います。
先生、よろしくお願いいたします。
松原氏(コーディネーター)
ではここから先は、私のほうで進行させていただきます。終了時刻は17時を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日はまずそれぞれの活動内容について御紹介頂き、参加者の皆様がどのような活動に取り組まれているのか、などを共有したいと思います。
また、それらの活動を踏まえつつ、学生・若者にやさしいまちづくりに向けた提案をしていただき、意見交換をしていきたいと思います。
それでは最初に、広島修道大学、後藤直志さん、岸達哉さん、戎怜亜さんご発表をお願いいたします。
後藤氏
改めまして広島修道大学の後藤です。これから発表を始めさせていただきたいと思います。
先ほども自己紹介させていただいたのですが、私が4年生でリーダーを務めております、後藤と申します。読書が好きです。隣にいるのが、副リーダーの岸、3年生で誰とでも仲良くなれるいわゆる陽キャというヤツです。メンバーの戎、旅行が好きで、つい先日もシンガポールに行っていたようで、マーライオンの水を飲んでる写真を見せてくれました。以上です。
早速ではございますが、皆様は中江町ご存知でしょうか。宮島のあるひとつの町なのですが、私たちの活動拠点になっています。どんな町かというと、厳島神社出口から出てロープウェイの方向に延びている道を柳小路というんですけど、その周辺の町を中江町と言います。町並みとしましても、古風な雰囲気が漂っている非常に魅力的な地域です。しかし、一方で、アクセスがよくないという点で課題を抱えています。そこで私たちはここを発展させて、宮島の観光を活性化させたいと思って活動しています。では、どんな町にしていきたいのか、これを理解していただくために、まず外国人観光客の思いというものを、聞いていただきたいと思います。
こちらが2022年度の調査で明らかになったことで、多くの外国人観光客が地域の人や地元店舗の人々と、コミュニケーションを取りたいということでした。一方で地域の人はどうでしょうか。この点について、中江町でゲストハウスを運営されている寺澤さんがテレビ取材でおっしゃっていた場面があるんですが、それが、地域の方も外国の方と話してみたいということでした。すなわち、地域の人と外国人観光客はお互いに関わってみたいということです。
そこで私たちは、地域の人と外国人観光客がつながるような町になってほしい、そういう点で中江町の活性化に貢献しています。しかし、現状としては、中江町にご在住の男性に話を伺ったところ、そのような思いがあるにもかかわらず、外国人観光客と話す機会はほとんどないということでした。当然です。話すための話すためにふさわしい場も、話すための手段もないので、当然のことです。そこで私たちは、場の提供と手段の提供というものを通して、両者が繋がれるような拠点を目指したいと思いました。具体的には、場というのは、イベントの企画、手段は、やさしい日本語という言語の普及を行っています。
もう少し具体的に見ていきます。
まずやさしい日本語というのが、具体的には5種類のフリーペーパーをつくりました。そして、外国人観光客に実際に使用してもらったところ、日本語で観光することによって、特別な思い出になったよと言っていただきました。やさしい日本語が観光満足度の向上にもつながるといった結果をもたらすことが分かりました。
では、続いて、イベントの企画についてです。実は、昨日まで、イベントを企画して開催していたのですが、それがたのも船づくりワークショップとちゅうえマルシェというものです。
このたのも船づくりワークショップというのが一つのメインイベントでもあるのですが、これは伝統行事を継承させたいということも目的としてありました。このたのも船づくりについて、動画をご覧ください。見てもらいましたら分かる通り意外と本格的っていうことが分かると思います。このたのも船づくりに関してももちろん私たち大学生だけの力でつくり上げたわけではなく、地域の方からいっぱい教えていただきましたし、いろんな方の協力があってイベントを開催することが出来ました。
実はちゅうえマルシェについても、修道大学の学生だけでつくり上げたのではなく、県内の四つの大学の学生が中江町に集まり、作り上げたイベントになります。それぞれの得意不得意を生かして、それぞれを補い合うように作り上げたとても魅力的なイベントになったと思います。
このような経験から、いろいろな人とつながるということの大切さ、そしてその効果の絶大さというものを痛感しました。これからのプロジェクト活動でも、これをキーワードに頑張っていきたいと思います。以上で終わります。
松原氏(コーディネーター)
すばらしいですね、宮島と言えば広島県を代表する、日本を代表する観光地、なんかオーバーツーリズムという言葉もあって、人がいっぱい来ちゃうもんだから、なかなか丁寧な対応できないといった中で、観光客の満足度が低下していかないのかということがちょっと心配ななかで、こういう対応をしてくれると非常に心強いなという気がします。
ただ、ちょっと視点を変えるのですが、今日優しいまちというお話なんだよね。
今回皆さんでそういう活動をされて、宮島は、学生や若者にとって、どんなまちなのか、優しいまちなのかっていうのをちょっと、突然ですがコメントしてもらえると嬉しいなと思います。よろしくお願いします。
後藤氏
ありがとうございます。
とても難しい問題ではあるんですけど、宮島の中でも、やっぱり住民の思いというものはそれぞれ違っていて、僕たちはたまたま中江町で活動をしていますので、中江町に限定したお話をさせて頂きます。中江町の住民の方々はとっても優しい方々で、温かくて、僕たち全員が感じているのは、中江町の1番の魅力というのは、古風な町並みとか宮島の静けさが味わえるという点よりも地域の人の温かさです。さらに、そこで店舗を営んでいらっしゃる方々も若い人たちにどんどん入ってほしいと言っています。受け入れる体制ができているかどうか、というところまでは分かりませんが、地域の方には若者を受け入れたいという気持ちはあると思います。
松原氏(コーディネーター)
今後そういった形で宮島が、もっと宮島が好きな方が住んで盛り上あげていく町になるといいなと思いますね。では次の発表に移らせていただきますとエリザベト音楽大学の村田菜さん。それから、汲地紗弥さん。ご発表お願いいたします。
村田氏、汲地氏
エリザベト音楽大学3年の汲地紗弥と村田菜です。よろしくお願いいたします。
二人とも広島市出身で、大学では声楽とピアノを専攻しています。音楽史、音楽教育、宗教音楽等を学んでいます。私たちの取り組んでいる活動を御説明させていただきます。
まず初めに、活動のきっかけについて、お話します。私たちは、昨年の8月に、フィリピンのマニラで開催されたASEACCU国際学生会議に参加をしました。ASEACCUとは、東南・東アジアカトリック大学連盟のことで、現在約70校が加盟しており、エリザベト音楽大学もその一つです。この国際会議は毎年開催されており、各国の学生と交流し、きめられたテーマについてディスカッション等を行います。昨年のテーマは、SDGs、ローマ教皇の回勅であるラウダート・シというものでした。また、文化交流等を行った夕食会では、二人でシャルル・グノーのAveMariaを演奏しました。開催国フィリピンは自然豊かで、人々の温かく素敵な国でしたが、町の中では貧富の差を感じる場面もありました。各国の学生と交流する中で、同年代の人たちが自国や世界の課題に対して強い危機感を持っており、解決に向けた自分の意見を明確に持っていることや、海外の人たちの広島に対する認識の高さに刺激を受けました。海外の人たちの前で演奏をしてみて、音楽を通して多くの人をつなぐことができるものであると身をもって心から実感することができました。これらのことから、私たち自身、何か行動しなければならない、広島の歴史・平和を発信できる人になりたい、自分たちでできるのは、やはり音楽であるいうことを考えるようになりました。帰国後行動を開始しました。
平和公園のレストハウスに展示されている明子さんの被爆ピアノとの出会いに恵まれ、多くの方の協力のもと、被爆ピアノをテーマとしたイベントを企画しています。音楽付き朗読作品の演奏と観客との美術作品づくりを予定しています。音楽付き朗読作品「二十歳になったら」は、ピアノの持ち主だった河本明子さんの生涯を音楽、絵画を伴った朗読で伝える作品です。明子さんの実際の日記等をもとに、私たち二人で朗読台本を作成し、台本をもとに広島で活躍する学生、音楽家、美術作家の方々と試行錯誤を重ねて、作品を制作しているところです。
日本は終戦から約80年経ち、実際に戦争を経験した人は減っていく一方です。現代の日本人は日常の中で戦争の恐ろしさ、平和の尊さを意識することは、幸せなことにほとんどないと思います。ですが、現在も戦禍の中にある人々にとっては、切実な問題です。そうしなければ変わっていかないという実感とともに、ここから何をすべきか、何をできるかを考え始めるきっかけとなる最初の時間、空間を共有することを本イベントの目的としました。また、お客様と作った作品をレストハウスの明子さんのピアノの横に展示していただき、お客様には完成した作品を再度見てもらうことによって、明子さんのピアノと再度対面できる機会を提供できればと考えています。
朗読作品のコンセプトは、音楽と美術はあくまで伝えるための手段です、明子さんの生涯を伝えることに注力します。劇的な人生の終わりを迎えた少女でありますが、私たちと同じように泣いたり笑ったりいろんな感情を抱えながら生きていた普通の女の子だと感じてもらうことを意識しています。また、被爆ピアノは「彼女が生きた証」と位置付けています。いかに自分ごととして捉えてもらうために、明子さん一人にフォーカスをあてることによって、親近感を持ってもらうことが、未来について考える第一歩になるのではないかと考えています。
今後の展望としては、まず英語版を作成したいということ、広島県外でも演奏すること、絵本の作成、平和教材として教育現場での演奏を実現できればと考えています。そのためにこの作品をブラッシュアップし、私たち自身が演奏を含めてより豊かな人間になれるよう進んでいきたいと思っています。最後に、本イベントは9月14日、15日の2日間開催予定です。皆様どうぞよろしくお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。
松原氏(コーディネーター)
素晴らしい発表ですね。広島には、多くの被爆者がいらっしゃる。被爆の実相を伝えてきたと思います。しかし被爆者が減っていく中で、どのような形で今後伝えていくのか課題になっているのではないか、そうした中で、被爆建物、被爆樹木、被爆ピアノ、そういったものが話題になることが増えています。
このような活動は今後さらに、必要になってくるのではないかと思います。ところで、広島は国際平和文化都市と呼ばれています。すばらしい言葉だと私は思っています。国際平和文化都市の言葉のうち、平和文化にフィットするのは、まさしくこのような活動なのかなという気がします。そこでちょっと質問です。広島は音楽活動を行う上で、優しいまちでしょうか。
村田氏、汲地氏
ありがとうございます。
音楽大学が広島にはあるので、音楽家はたくさんいらっしゃるのですが、やはり演奏の機会を自分で作らないとなかなかない。お金がかかるので、どうやってお客さんを集めるかというところまで考えないと、生活は現実的にできないのではないかというのが現状だと思います。
松原氏(コーディネーター)
ありがとうございました。ちょっと時間がおしておりますので、皆さんからの質問は後に回そうと思います。続きまして、広島市立大学の伊藤綾乃さん、発表をお願いします。
伊藤氏
広島市立大学からまいりました、伊藤綾乃と申します。
まず最初に自己紹介からさせていただきます。
私は、出身は兵庫県西宮市で、大学進学がきっかけで広島市に来ました。
広島を選んだ理由としては、広島市立大学の国際学部に行きたかったというのと、一人暮らししやすい環境が広島にはあるなと感じたので広島を選びました。
昔からボランティア活動に興味があって、高校時代は、こども食堂や日本語教室のボランティア活動などをしていました。中学の頃から家族で保護犬の預かりをするボランティアをしていて、これがきっかけで、殺処分問題に興味があったので、高校時代の探求活動では、犬・猫の殺処分がどうやったら減らせるかということを三年間探求していました。現在は広島市立大学国際学部に所属していて、1年生のときに、いろんな国からの留学生と一緒に生活する国際学生寮というものが市大にありまして、そちらで生活をしていました。いろいろな国の人とコミュニケーションを取ったり、一緒に料理をするなかで、食文化というものに私自身とても興味を持つようになりました。大学で多様な文化を学ぶと同時に広島という地域についても、多く学ぶようになりました。その中で地域とのつながりの大切さに気付かされ、自分もその地域に関するプロジェクトをやりたいなというふうに思いました。市大には、「市大生チャレンジ事業」という学生の自主的な地域貢献を支援する制度があって、私はそれを利用して、今のプロジェクトを始めました。私が思い描いていたプロジェクトの内容としては、小学生のこどもたちに世界中の文化を食を通じてしてもらえるイベントはしたいと思っていました。それで立ち上げたプロジェクトが、「旅するテーブル」というものなのですが、今からそれについて紹介させていただきます。
「旅するテーブル」は、三篠公民館さんに会場の提供を、株式会社フレスタさんに食材の提供の協力を受けています。活動のコンセプトとしては、まるで食卓ごと世界各国を旅するかのようにこどもたちとテーブルを囲みながら、世界の料理やそこから見える文化に親しむというものになっています。このプロジェクトの目的として、食事を通して文化を肌で感じてもらう、今まで以上に世界に目を向けながら、地域に根差したグローバル食育の場を提供していくというものがあります。
下の写真は、前回8月18日にイベントをしたときの写真なのですが、このときはマレーシアの留学生の方を招待して、文化や生活習慣などのプレゼンテーションをしてもらったり、マレーシアの伝統衣装やマレーシア族の衣装体験などをしました。料理に関してはフレスタさんが調理指導をしていただき、みんなで、シーフードナシゴレンとピサン・ゴレンというマレーシアの伝統料理をつくりました。ピサン・ゴレンというのはバナナを揚げたもので、その上にカラースプレーなどを振って、デザートにみんなで食べました。
イベントの内容としては、その国の食だけでなく、文化や宗教、政策、などもこどもたちに学んでもらえるように意識しています。小学生にとって、海外の人と関わる機会ってほとんどないと思っていて、そういったこどもたちでも、この国の文化に親近感を抱きやすくなるようなイベントの内容になることを心がけています。
まだまだ課題点もあって、認知度もかなり低いので、今から問題点なってくるのですが、今後も地域のこどもたちが世界に目を向けられるようなイベントをつくっていきたいなというふうに思っています。以上で紹介を終わらせていただきます。ありがとうございました。
松原氏(コーディネーター)
国際平和文化都市である広島、今度は国際活動について紹介していただきました。
広島は国際都市なのでしょうか。皆さんも使われることがあると思うのですが、グーグルの検索数がどのくらいそのワードについて行われているか、グーグルトレンドですぐわかるようになっています。広島、京都、福岡で今日何件アクセスがあったかそれぞれはじいてみると、広島は福岡のはるかに上、京都に近いくらい。世界的なアクセスが走っています。ただ、ちょっと残念なのは、広島と福岡を比べると、観光客、とか国際会議とか、ここが結構負けていたりします。
ここでちょっとお聞きしたいのは、広島は国際活動を行う上で優しいまちだと思いますか、あるいは外国人にとって優しいまちだと思いますか。感想をお聞かせいただけるとありがたいです。
伊藤氏
優しいかどうか断言はしにくいものだと思いますが、私は西宮からきたのですが、西宮と比べると、広島市は留学生が多いところだと思います。学生もいて、地域の公民館では毎週何回か日本語教室などもされているので、留学生や外国人労働者にとってはかなり環境が整ったまちだなと思いますが、まだ、例えばイステム教の方であればハラールの食材が売っていなかったり、課題点もいっぱいあるので、そういったところにも目を向けていく必要があるのかなと感じています。
松原氏(コーディネーター)
ありがとうございました。
では続きまして、株式会社荒谷建設コンサルタントの今田順さん、よろしくお願いします。
今田氏
よろしくお願いします。僕自身は、東京の生まれではあるんですけども、広島で育ち、大学時代から東京に行って広島に戻ってきたといういわゆるUターン人材の形になります。
2020年から広島に戻ってきまして、今の仕事をしてというような状況です。
まちづくりの仕事をいろいろやらせていただいてるんですけども、中でも多分皆さん1番知られているかなと思うのは、カミハチキテルという、もともと民間団体がまちづくりを始めて、今広島市さんに提言書を出し、広島市さんと一緒にまちづくりをしているというような段階でして、こういった形でまちなかにベンチをつくったり、あとコロナ禍で使われてない広場をこんな形で活用したりとか、まちが変わったと思ってもらえるよう目に見える形でまちに実装しながら、まちづくりをしています。
それ以外に本の関係の仕事では、広島はマンションの建設ラッシュが続いていますけども、その中でもちょっと共用部のラウンジで本を使った、住民たちの交流みたいなこともお手伝いしてと。あと今本屋が町中からどんどん消えてしまっていますけれども、それを何とかできないかということで、広島パルコさんと一緒に、本屋のポップアップみたいな形でBOOK PARK CLUBという名前で、企画をやらせてもらったりしています。以上が自己紹介です。ここからが話題提供ですが、広島の都心が大きく変わる今ということで、松井市長が就任されてから本当にこうまちづくりがいろいろ動き出しているという状況で、僕が説明するまでもなく、ゲートパークとか、サッカースタジアムとか、相生通りの再開発だとか、広島駅の整備とかそういったことも本当に目まぐるしく動いています。かなりこう、水面上に出ているものだけでも細かいのを合わせるといっぱいあるという形の状況の中で、それぞれの事業者さんたちが個別最適にそれぞれがまちづくりをしていくのではなく、全体最適、言葉で言うと容易いんですけれども、皆さんで何か一緒にやっていく、そして一緒に価値を高めていくということができないかということを、日頃まちづくりの活動としてやっております。
簡単に申し上げますと、エリア視点、エリアでもってどう捉えることができるか、先ほど松井市長からもありましたけれども、全体としまして広域都市圏の中で考えたときもこの広島都心部の在り方ってどういうやり方がいいんだろうかとか、あとは中長期的な支援ということで、短期的な利益だけでなく、50年後100年後を考えたときのまちづくり、どういうふうなことがあるんだろかということを日頃考えて皆さんと話しながらやっているところでございます。
まずビジョンをつくるということから始めておりまして、広島市と広島県さんが一緒にまず作られた2017年の広島都心活性化プランというものがあります。
それを受けてでは民間がどうしたいのかっていうようなことのビジョンが全くない状況でしたので、カミハチキテルという団体の中で、カミハチミライデザインというものを2021年につくったり、あるいは広島都心会議という、商工会議所さんとか経済同友会さんが発端となった組織の中で、ビジョンを描いたりしているような状況でして、具体的な中身としては、都心会議さんの方では、2030年までに環瀬戸内の文化経済首都広島となることを宣言しますという形で、瀬戸内ということを意識したうえで文化的にも経済的にも首都になりますということを書かれています。あるいはカミハチの中では、紙屋町八丁堀という中四国の最大のビジネス街をどうしていくかっていうときに、国際平和文化都市、先ほども松原さんの中からお話ありましたけれども、国際平和文化都市をではカミハチキテルなりにどういう状態が平和なのか、あるいは国際的なのか、文化的なのかということを考えようということで、ちょっと分かりにくいんですけどPrototype Cityという、ビジョンを掲げております。
これはまさにこの絵にありますとおり、相生通りを中心としたカミハチエリアを、もういろんなプロットタイプ、つまり試作品をどんどん展開していろんな人にフィードバックをもらって、それを実装して世界に発信していこう、その状態こそが、一つの平和なんじゃないかということを皆さんと議論して描いているものになります。
さらにその時の都市空間をどういったものがいいのかというときに、トランジットモールという公共交通と歩行者の人のための空間ということが本当に都心の1番真ん中のところには価値があるんじゃないかみたいな議論も今しているところでございます。
ただ、これを実際目指すとなりますと、もう本当に遠い未来とか本当に現実的にできるのかどうかというところがあるかなというふうに思っております。
ただやっぱり、現状の課題分析、未来っていうふうに書いてありますけども、予測しながら現状のデータをもとにしながら予測する未来だけじゃなく、遠くにボールを投げて、そこから逆算する未来ということも、考える必要があるんじゃないかなということでこういった形で、皆さんとどんな未来が見えるのかということを妄想しながら、議論、アクションしている状況です。
ちょっと資料を飛ばしながらなんですけども、事業者の方々と協議するときに1番よく使うロジックモデルとして、(1)滞在時間が長くなると、(2)エリアの回遊性が高まり、(3)結果的に沿道の商業売上が向上するというものがあるんですが、今日のように、テーマが学生・若者にやさしい優しいまちづくりというときに、こんな形の何か経済的なロジックだけでいいのかみたいなことを自分自身ちょっとこう自戒の念を持っているところでして、経済的な価値、資料の左上にあります交換価値みたいなものだけが結構、まちづくり会議では言われるんですけども、それ以外にいろんな複雑な価値みたいなことをもう少し言語化していく必要というのがあるのかなというふうに思っております。
先ほど市立大の伊藤さんからも、ひとり暮らしやすいまちということで広島を選ばれたということでその辺もちょっと後半聞きたいなと思っていまして、どういうふうなまちの印象をもってそういった形の若い方が入ってくるのかとかですね、その辺り、何かヒントになることを後半聞いていければと思っております。
ありがとうございます。
松原氏(コーディネーター)
今田様ありがとうございました。私は歩行者中心の回遊が購買に繋がる。実は今、私もここに非常に興味を持っていて、人がいっぱい歩くようになると町が発展すると思っていて、非常に共感して聞いていました。そして、最初におっしゃられたように松井市長になられてから広島のまちが、大きく変わろうとしている、あるいは変わりつつあるというのが今の状況だと思うんですね。
変わるということはもう広島駅についてもいつも実感するわけですけれども、この変わる先に、このまちは学生・若者にとって住みやすいまちになるのか、あるいはどんなよいことが待っているのか、もし何かこう、お聞かせ願えるのであれば、お願いしたいと思います。
今田氏
こういった形でもう本当に今ハード整備が進んでいる中で、あとはどう使っていくか、いいシーンをいっぱいつくれるのが大事かなというふうに日々事業者たちとも話しています。
ゲートパークも今2年たって、何もイベントがないときでも、何か高校生がTikTokを撮っているなど結構いいシーンがいっぱい生まれたりしていて、何かそのシーンをどんどんどんつくっていって発信していくみたいなことも何かこう使い方のレッスンみたいなことをどんどん積み重ねてそれを、発信していくと何か広島らしい風景とか暮らし方みたいなことがこう可視化されていくのかなあなんていうことをちょっと思ったりもします。
松原氏(コーディネーター)
はい、ありがとうございました。
それでは、話が会社の起業とか会社の支援みたいな話になってまいりましたけれども、株式会社WEAVEの久保直樹さんお願いします。
久保氏
皆さん、めちゃくちゃ資料きれいにデザイン性良く作っていらっしゃるんですけど、私は渡して頂いたテンプレートを変えさせてもらったのでちょっと雑だなと思われるかも知れませんがよろしくお願いいたします。改めまして久保と申します。
今24歳でして、2000年生まれということです。佐賀県出身でして大学で広島のほうに来ました。2022年、在学中の大学4年生のときに会社を立ち上げました。そのときの話を少し簡単にお話しすると、やはり皆さんのように、それぞれ何か、挑戦をしたいっていうように応援するようなプログラムが、今は行政、大学中心にいろいろ出されているものもあると思いますので、私もそれに乗っからせていただいて、いろいろこう自分のビジネスのアイデアですとかを検証するっていうところを大学4年生から始めて、その中で起業するに至りました。
そういった部分でいけば今、広島でそういったある新しいチャレンジを応援しようという動きは、すごく私にとってはありがたいなというふうに思っています。
そのあとに、キャンパスベンチャーグランプリですとか、ビジネスコンテストとかもそういう一方、学生が目指していく指標みたいなところもありまして、そういったものを目指せるみたいな環境もありがたいなと思っています。趣味は、最近筋トレ、サウナ、ランニングという体を動かして健康づくりといったところです。
現在やっている活動が、主に生成AIですとか、ノーコードというような、プログラミングができない人でもアプリをつくれたりウェブサイトをつくれたりするツールがあるんですけども、そういったツールの活用を、メインの対象は今企業のDXの担当者の方に、企業の課題を解決するためのアプリを自分たちでつくるっていう選択肢を持たせるといったところで活動をしております。
もともとのきっかけが、私が創業するときに、何か起業したいけど、起業イコールアプリっていう考え方が自分の中にあって、何かアプリをつくっていいものを出そうという考え方があったんですけど、当時私教育学部の初等で文系で、プログラミングが全くできなくて、アプリをつくろうとなったときにこういったノーコードというものに出会いました。こういったノーコードでアプリをつくって、起業できるんだみたいなところを知って、実際に最初は、ノーコードで食品ロスを削減するためのアプリの開発して運用していました。
こういった経験から、そういったノーコードを使えば、それこそDXもそうですし、また新しい新規事業を起こしたいというところも、何か新しいチャレンジを後押しするきっかけになればというふうに思いまして、今そういったものを法人向け、また個人の方向けの講座として御提供するようなことをやっています。
活動のやりがいとしては、最初はやらせていただいたのは、大学生協さんとやらせていただいて、食品ロスで作り置きされた料理が売れ残ってしまうわけですけども、それの売れ残りをアプリを使ってお知らせをして、学生に、少し安い価格で提供するということをやっていました。これが一つ新しい解決方法の取組になったので、実際に売れ残りのロスも8割ぐらい削減できて、一番は、困っていた担当の理事の方とかも、笑顔になっていただいたので、学生にとっても生協にとってもうれしいというようなことができたのはすごくとてもやりがいでした。
あとは、今社内の中で研修させていただいてるんですけども、どちらかというとその解決策が、うまくいったことのうれしさというよりは、新しいことに対して解決しようということを取り組むっていう行為自体がまだできてない企業さんが多いですので、ちょっとこう前向きにやってみようっていうような言葉が生まれるようになったというところが、やりがいにはなっております。現在、私の会社は1名、千葉に住んでいる人が今社員としておりまして、今後の採用候補者を全て東京在住の人にアプローチをかけてます。それは研修などをオンラインで提供してるので、全国どこでも今サービス提供できる状態を自分の中でつくりたいと思っています。そこでいくと別に住んでいる場所は問わないんだといったところで、ただやっぱり現状やっぱり人が集まっているのは東京といったところになります。そういった意味で、東京というところを採用活動の拠点にしています。営業も利益率も広島6割東京3割名古屋1割といった形で、けっこう各地バラバラでのサービス提供になっています。現状今広島と東京の2拠点というところを考えているんですけども、私は、どちらかというと都会のほうというよりは地方の課題を解決していくっていうことにも寄与していきたいなと思っていますので、広島に残りたいなと思っているのですが、一つは、東京のメンバーが広島に来とるときに滞在する場所というか、そういったスペースみたいなところでの、何か、新しい発見になるトリートや、そういった取組などをできて、うまくその地方と都心のところをつないで、新しい解決策とかを生めるような会社にしていきたいなと思っております。
もっと先に行きますと、このあとの提案にも入るのですが、広島から海外に出るような企業にしたくて、つくっております。今年カンボジアに進出することを予定しているのですけども、もっともっとこう、今こうやって場所関係なく、世の中に対してこうしたいっていう思いを持っている人ですとか、多いですねそういったものがうまくつながって世の中をよくできるような動きが広がっていけたらいいなというところで、それを私は会社として体現していけたらいいなと思っております。以上になります。
松原氏(コーディネーター)
はい、ありがとうございました。
広島にはいわゆる地元の大企業がいくつかあって、それらの企業の経済レベルは中四国を中心に最高レベルにあるということだと思うんです。
その一方で今進行しているデジタル革命的なものについては、ややキャッチアップし切れないというか、東京や埼玉がやたら進んでいて、他の地方は軒並み立ち遅れている感がある気がしています。
そうした中、今のお話はとても印象的で、東京で採用して、広島のニーズに応える、ということは、東京に住み続けて広島で仕事をするということになるのでしょうか。
久保氏
これも個人の感覚の問題ですけど、私は佐賀県の田舎育ちでして、広島のような、自然もあって都心も近くてみたいなところがすごく好きです。東京にいると、やっぱり数字だけやってしまうといいますか、そういった感覚になると思いますので、今はどちらかというと、私に月に1回東京に行くような形で、広島を中心に拠点でやっています。
松原氏(コーディネーター)
やはり人材という面では、東京がかなり進んでいて、地方が弱いという面がありますかね。
久保氏
そうですね。どちらかというとやはり新しいものを受け入れようとするマインドセットの部分が、東京のほうが高い。人数が多いということもあるかもしれないけど、高いなっていう印象はありまして、そこはうまく東京のやり方とか広島のやり方とか皆さん合意の上で経営をしていけば、よい解決策ができるんじゃないかみたいなところが今の考えているところです。
松原氏(コーディネーター)
ちょっと突っ込み過ぎかもしれないのですが、広島は、IT分野の人にとっては住みやすいまちと言えるでしょうか。
久保氏
そうですね。広島は、新幹線も飛行機もうまく使えば、月1回東京に行けるような距離感ではあるが、ただやっぱりこう、どう情報を取りに行けるような状態をつくれるかみたいなところが、進めていく中で重要であるので、それが、私が行くのか、いる人を対応してリモートでやっていくのかというところで工夫しています。
松原氏(コーディネーター)
はい、ありがとうございます。
では、最後に、株式会社Relicの宇野木日向子さん発表をお願いします。
宇野木氏
はい、ありがとうございます。
私は資料は結構企業目線でつくってはいるんですけれども、こういう経歴でして、久保さんと同じ2000年生まれの、24歳です。
広島県広島市の出身で地元も広島、北九州市立大学の地域創生学部というところにいまして、リノベーションまちづくりとか、地方創生とか、そういったことを勉強していたので、企業目線というか個人目線でもっとこうまちが変わったらいいっていうことは結構思ったりするので、その辺りは、後でお話しできればいいなと思っております。
そこから2022年の4月に、株式会社Relicという今の会社に入社をいたしまして、このタイミングで東京に行きました。
東京に行った理由も、広島の企業、何があるかよく分からないなというのと、何か広島よりも東京のほうが挑戦できそうというか、バリキャリになりそうみたいな何となくのイメージで選んで、広島の学生さんでもそういう方が結構いるのではないかなという肌感ではいます。そこから2年、東京で働き、私の会社は完全リモートで働けるんですね。どこにでも一緒だなと思ったのと、何か東京にいなくてもいいなって思ったのと、あと弊社が47都道府県に拠点を立ち上げるという構想があったので、そのタイミングで地元の広島にも拠点があったらいいなというところで、今広島支社長として広島支社を設立したというような経緯でございます。
現在の活動を5月末に開設したので3か月程度の活動になるんですけれども、どういったことをしているかっていうことをお話しできればと思っています。今は、広島県内の企業さんですとか、大学と連携しながら案件の獲得、採用に向けての動きを加速させていただいております。
好きじゃけんコンソーシアムで御存じの方もしかしているかなと思うんですが、広島大学が主体となっているコンソーシアムがございまして、中には中四国の大学さんですとか企業さんが入ってるんですけれども、そこに会員として入会をしていて、そのコミュニティの中で採用活動、案件獲得に向けて関係構築を行ったり、そういったことを行っております。その関係で、広島大学さんとは結構いろんなお話をさせていただいておりまして、弊社が開発をしている新規事業ボードゲームっていう、新規事業を疑似体験できるボードゲームをつくったのですが、それを使ったイベントを今検討している最中でございます。あと北九州市立立大学、私の母校で授業を行ったりなど、そういったことを行ってます。
今後の取組としては、そういったボードゲームを活用したイベントの実施ですとか、あとは、広島県内の企業様のなかで、新規事業やりたいけれどもやる人がいないとか、そもそもやり方分からない企業様がいらっしゃるっていうのは分かったので、そういった方たちへの提案活動というところを行っていけたらなと思っております。
活動を継続していく上での課題や今後取り組もうとして考えていることは、こちらは企業目線で記載をさせていただいたんですけれども、学生が自ら参加したいと思うことができる採用イベントが少ないなと思っておりまして、冒頭にお話させていただいた私の東京のほうが何となくいいんじゃないかなとか、東京のほうがバリバリ働けそうだなという印象だけで結構決めてるところがありまして、そうじゃないんだよという伝える企業やイベントが企業があったらいいなというふうに思っております。
広島県は転出超過ということでプロジェクトチームをつくったりはしていると思うのですが、そういう話は聞かないのでそういうイベントがあったらいいと思ったりしてます。
二つ目のポチなのですが、ここも一つ目に、重なる部分があるのですが広島で就職することのメリットを伝えきることができてないなというふうに思ってます。広島から出ないでほしいということはすごく伝わるけど、出なかったら何がいいことがあるかとか、広島で就職したら何がいいのかっていうところがあんまり分からないなと企業としても思いますし、個人としても思うところであります。あと今後はボードゲームを活用した学生の交流イベントを実施して、新規事業をつくる面白さですとか、弊社に興味を持っていただりなどそういったところに注力していこうかなと考えております。以上になります。
松原氏(コーディネーター)
はい、ありがとうございます。
ちょっと話が外れるのですが、最近新聞を見ていたら、最低賃金の話が出ていて、眺めていたら、中国、四国、九州地方で時給が1000円以上なのは広島だけですね。広島の最低賃金はやっぱり高く、優良な企業がいっぱいあるという気がするのですが、その一方で、広島で就職することのメリットを伝えきれていない。賃金が結構高いのに、若者が転出してしまう、なぜでしょうか。
宇野木氏
その賃料が高ければいいって学生も思ってもないかなと感じていて、それこそ私の就職するときでも、学生時代に力を入れていたことや、大学のときにこういう活動をやってましたよっていうところで結構評価されることってあると思うのですが、何か、そういうのは建前で、本音は、リモートワークでできたらいいなとか、スーツ着たくないなとか、髪色自由がいいな、ネイルができたらいいなとか、何か本音って結構あると思っていて、何かその辺りがあまりわからない。何かそういう最新をいっているところは、東京とか都心が多いんじゃないかなという何となくイメージで思ってしまっているところがあるので、広島にもそういう企業があるとか、あなたたちが本当に実現したい生活を実現できる企業が広島にもあるよっていうことを、伝えたほうがいいのではないかなと思います。
松原氏(コーディネーター)
うちの学生も、髪の毛をどこまで染めることができるかやネイルができるかは気にしている。
ちょっとすいません先ほど聞き落としてしまって、久保さん1点お聞きしたかったのが、久保さんは学生で起業されていると思うのですが、広島は会社を起こすという視点では、いい町なのでしょうか。
久保氏
起業する場所としては、他の場所で起業していないので何とも言えないところはあるのですが、今は、情報を取ろうと思ったら、どこでも取ることができる、その点でいうと広島でも、別に東京じゃなくてもできるんじゃないかというのは自分の中にあったというのと、ただもう一つは、やはり、目立てるかというところがあると思います。東京に行くとやはり起業することがスタンダードといいますか、そういった中で新しい会社を起こしていく、そこで販路を広げていくっていうところをハード自体がすごく高いものになってるのですが、広島でいくと、その年に若者が起業するところは本当に稀な部分もあるので、そういったところでいくと最初の販路を広げるっていうところはしやすいのかなっていうところを感じたりします。
一方で、例えば5年前に比べて、広島が企業家向けに何か検討したりプログラムをしたりする傾向が増えていますので、そちらで最初、リスクをとることなく、まずは自分のアイデアを小さく検証できるみたいな機会がどんどん増えている、そういったところは、広島にとってすごく良い動きなのかなと思っていますし、その成果が皆さん、今日集まられる方々の成果なのかなというふうに思ったりしております。
松原氏(コーディネーター)
はい、ありがとうございました。
一応皆さん一周したのですけれども、皆さんの中で、この点について御質問したい、あるいは、ここでちょっともうちょっと聞いてみたいようなことがあれば、どうでしょうか。ここはやはり社会人の方々どうでしょうか。
今田氏
二つ、2人の方に質問したいのですが、一つは、宇野木さんになのですが、広島で働くメリットを伝えられていないのではないか、広島の会社の特徴をもっと伝える必要があるというご意見でうなずいて聞いていたのですが、広島で働くメリットで、先ほど久保さんからは目立つことができるとあって、それも一つと思うのですが、宇野木さんの中で、広島で働くメリットでどんなことがあるかお聞きしたいなと思います。もう1点は、伊藤さんに御質問したくて、西宮の御出身で広島に来られて、広島を選ぶきっかけの一つがひとり暮らしがしやすい環境ということで、広島のどの辺が、ひとり暮らしやすそうと思って広島に来られたのでしょうか。それぞれに、まちづくり、若者にやさしいまちづくりを考えるときのヒントになりそうだと思うので、ご質問させていただきました。
宇野木氏
ありがとうございます。
私は広島が地元なので住みやすいのも分かって、実家もあり、おばあちゃんの家も近く、安心して戻ってきたっていうのは結構大きいなと思っています。
企業目線で広島に来るメリットっていうのは、一つ助成金があるかと思ってまして、広島支社を立ち上げて戻ってきたんですけど、同期のエンジニアとデザイナーを連れてきて、東京から3人移住してきたわけなんです。それで、人口3人増やしたという実績もあるんですけど、その中で、三人移動してかつ何年間かいたら、オフィスの賃料が、月100万とか、県と市から最大1年間1,000万円ずつ助成されるというのがありまして、私のオフィスは3年間無料なんです。それは結構大きいなと思っていて、キャッシュフロー的に振り込まれるのは、1年後になったりはするのですが、何かそういう金銭的な補助があるっていうのはすごく企業としても、「では広島に出そうか」となったので、そういったところは広島に来るメリット、来やすいポイントの一つかなと思ってます。
個人的に、広島のメリットは、企業同士のコミュニティや大学同士のコミュニティが既に出来上がってるというのはありがたいなと思っていて、一つは私が好きじゃけんコンソーシアムへ入会していると申し上げたのですが、ぜひ皆さん知らない方は調べていただけたらと思うのですが、かなり中四国の大学がこのコンソーシアムにまとまっていて、あと企業さんも結構いらっしゃるので、その中に行けば、ある程度関係構築ができる体制があるのだと思っています。
このコンソーシアム以外にも、コミュニティは結構ありまして、どれかしらに入っておけば「レリックが来たらしいよ」みたいなのが何となく広まったりするので、そういうコミュニティがあるのはやりたいなと思っています。逆に東京は、企業がたくさんいらっしゃるところだと埋もれてしまったりなど、久保さんの話もありましたがあまり目立たないそういうのは結構あると思っていて、既に関係構築しやすい、結局企業目線にはなってしまったのですが、そういったところが、働くメリットなのかなというふうに感じてます。ありがとうございます。
伊藤氏
私が広島を住みやすいと思った理由なのですが、まずは大学進学するとなったときに、地元の良さを知るために地元を出たいという考えを高校生のときから持っていて、絶対西宮から出るとは決めていました。大阪とか東京とかも考えたのですが、これは個人的なイメージとして、都市はちょっと冷たいというイメージが私の中にあって、大都市に行くよりかは、私は地方都市に進学したいなというふうに考えて、もちろん家賃の問題とかもあったんですけど、広島って考えたときに、以前来たことがあって、その時に市大生は横川に多く住んでいて、横川は学生が多く、路面電車もJRもバスもあるので、徒歩圏内で生活が完結できる魅力があって、大都市はビルがいっぱい建っててという威圧感もないよさを感じ、私は広島に住みたいなというふうに思い、決めました。
松原氏(コーディネーター)
はい、ありがとうございました。
興味深い話が続くので長くなってしまったのですが、一つ目の意見交換は以上としたいと思います。市長から、皆さんの発言を受けたコメントをいただければと思います。
市長
ありがとうございます。
皆さんからの話を刺激的なお話として捉えています。
それぞれ皆さんの分野が違い、まちづくりで欠かせないいろんな切り口でのコメントをいただいているので、話を聞きながらどうまとめて、どうお願いしたらいいかということを改めて考えているのですが、自分自身が市長になってまちづくりを始めて、広島のまちをどんな風にしようかなと思ったときを少し振り返ると、自分も広島で18歳まで過ごし、京都に行き東京に行き、35年経って広島に帰ってきて、広島のまちは18歳の頃から35年経って変わっているのですが、変わり方が中途半端だと思いました。この変わり方がどうも嫌で、市長をやるのであれば、もう少しこの中途半端さをなくすことができないかと思ったのがきっかけなんですね。その中途半端さが、市長になってまちをつくっていくという上で、多くの方が、自分なりにこんなまちにしたいなと思われているが、それについて皆さんの合意を図れるような、あるいはみんなで話し合ってもいいということをやったことがないのではないかという感じがしました。
もし広島が戦前戦後を通じて、街並みも古い旧家が並ぶ伝統的なまちであれば、それで何となく違和感はない。私が最初京都のまちに下宿したときに、そんな話がなくても違和感はなかった。その後観光客が来てまちも変わっていった。私が広島にいた頃は、川にはバラックがいっぱいあり、スラム街もあり、戦争を経て、全然完成されておらず、このままでは良くならないのではないかという思いだったのを思い出します。ところが、いつまでも変わらなかった、なぜかというと変え方が中途半端、いいところはあるけれども、いいところ同士をつなげるわけでもない。きっとそのまちづくりについて、熱心な方がおられてやるんだけども、長続きしない。あるいは財力がない。影響力がないことが理由ではないかと思いました。
そこで、どういうふうにやっていこうということで、その部分手当をやることから始めたのでは何も変わらないから、頭を切り替えて、戦後の広島のまちづくりをどのように行政として進めていくか自分なりに考えて、広島を国際平和文化都市にすると大げさなことを書いていて、本当にこれみんな真面目にやっているのか、ちょっとやってみようかなということで、国際平和文化都市の間の平和文化、これを本気で1番最初に4月に補正をして、いろいろ方向性を擦り合わせて、やはりまちづくりのベースとして、平和ということを大事にすることにしました。そのときに、市議会議員の方々には、「平和では飯は食えない」と言われました。平和では飯が食えないのか、ではどうすればいいんだと考え、そこで、この平和では飯は食えないというのを、平和だから飯を食えるというふうにしようと思ったわけです。
平和というものについて、平和を愛する人々という大文句のもとに多くの人が論争するんですけれども、その方々がまず自分たちの住んでいる生活空間をどうしようということを議論しないで、世界情勢がどう、政治がどう、核兵器がどうということで、自分の生活は放っておけばいいんだと、こういう議論になっています。平和がどうと言っておいて、自分の身近な生活をどうするかについて、まともに議論しないことが多い。そこで、その議論をやめるのではなく、それもやりながら、生活基盤を整えるということにしっかり力を入れて、その生活基盤に力を入れるということが、実は平和なんだということを分かってもらえるようにしたらいいのではないか。そこで思ったのは、平和というのは戦争をしないということではなく、そこで居心地よく過ごせるということであり、人々が気持ちよくなるということが平和であるいうこと。その典型例が、戦争をしない、政治が安定しているということ。例えば政治が安定していても、自分の生活が豊かにならなければ平和ではない。こう言えば、自分たちのまちづくりの方向性と一致すると思い、そこで、いよいよまちのハードについて取組をどうするかというときに、ハード面での維持管理等ができるためには、まず職場があって、仕事ができて、給料が得られて、自分たちの家族が一定の安定した生活ができるようにするということだと考えました。
そして、その中で、住んでいる方々には、多様性という、今のような、いろんな価値観があって、これが1番ハッピーだなという生き方ができるようにする。大儲けしたい方は、広島でなくて東京に行って、あるいは東京でなくてニューヨークに行って、世界で勉強して、疲れて戻ってもらってもらうのは、これぐらいのまち、いわゆる地方都市でいいと思う。地方というのは、そこで暮らす方々は、その地域の習慣とかにむしろ、流されている、染まっていくということをイメージしながら、一方、都市というのは、自分たちが存在するのではなく、自分たちが都市を利用してうまく生きていく、そういうイメージです。都市に自分を溶け込ませるのではなくむしろ利用する。広島は地方都市であるので、例えばデルタ地のようなまちの真ん中で過ごすか、山や川がある中山間地で過ごしてもらって、そしてたまに都市に来る、それが日常生活の中で簡単にできる、それを売りにしたいと思いました。
したがって、それぞれの地域について、手を入れるということで、中山間地の方の活性化のためにはそこで住める環境設定をしていかないといけない。典型的には、似島、ここについて、皆さんがもう少し住めるようにして、白木や湯来などでも同じように進めて、同時に、広島市内のいろんな施設をきれいにして、東京、大阪に負けないまちになっているなということを感じていただくということを同時並行で始めさせていただく。そのときの大前提は、いろんなものにお金をかけますよね。何事をやると言っても、最後は、お金をどうするか。役所は、民間とお金の調達の仕方が違って、国が税金という方法を作ってくれています。そのお金を定期的に自治体にくれます。問題はそのお金の取り分が決まっていて、市民の方が出すお金を交付税として多くを国に納める、そのときに県民税は県へ、市民税は市民へ、この市民税で得た税金をベースにしながら、それでは足りないから、うまく国から補助金を取ってくる、ここの知恵があるかどうかで、収入が決まる。ところが、民間でお仕事をする方々は、自分たちが働いて皆さんにサービスをいろんな意味で提供して、その対価に見合うと認めてもらわないといけない。全然収入の構造が違います。そうすると、官と民の仕事のやり方をもっとうまくコンプロマイズして、この地域の中で、都市部のまちづくり、田舎のまちづくりをやっていこうと決めました。このように決めた途端に最初に思った問題が解決して、多分今までの姿勢は、今のようなことを考えないで、まちづくりをやっていた部分があって、しかもそのやり方が、僕から見ると、よその自治体と競争してでもうまくやろうと、人様のことを考える余裕がないように見えました。あっちが進んでこっちが遅れているとかそういう情報を流されるが、それは辞めてほしいと思いました。最初申し上げたように、240万人を目指して広島市以外の近隣の市町と一緒になってやろうとしています。そこで、今言ったお金を各自治体がもらっているものをうまく集めて、みんなでやっていく、広島市は県内で、大体270万人のうち118万人ですから、他の自治体は数万人です。呉とか廿日市が十数万人。そこで入ってくるたくさんのお金を合わせて一緒に使うということを考えれば、もっと有効活用できることだと思い始めて動かすと、今までの市政が変わりました。よくお金はどこから出したのだと聞かれるんですね。出したのではなく、これを出すための借金するということを国に認めてもらって、この場合、借金を返すときに国からちゃんと援助をもらって、こういうシステムをうまく使いながら、それを言うときには、広島市のためだけではなく、この200万人都市、みんなのためにある私どもに支援してくれたらこの地域のために国が貢献したことになる、そういうロジックでしっかりお金をいただく。これをやりつつ、皆さんには広島というまちの特性、都市部、田舎、海そういったところに自分の生活を当てはめてもらって、かつ、それがいい生活ですよというふうにやるために音楽芸術活動、そういったものも楽しめるということを続け、いずれも一過性ではなく、皆さんがやっておられる活動が今後いかに続くようにするかということを、しっかり組み立ててもらって、役所にこういうところを助けてくれないかというお話をしてもらう。そうした上で、今回いろいろ紹介していただいたことを受けて、自分として思うことをお話すると、まず音楽家の取組に関して言えば、音楽に携わる方がしっかり増えて、地域で楽しむ方が増えて、そういうグループができて、ずっと続けたけれども、音楽ホールは良いものがないよね、というふうにしていただければ、作ることができるのではないかと思います。物を作ってみんなが来るというのは、作ってほしくない人がいた場合は、赤字になるだろうと言われるので、まず需要を作り上げることが必要だと思います。宮島での取組についても、私が聞いてるのは、商店街の方々は、自分たちの暮らす地域であり、安定しているから、お客が来ても、このお客に合わせて店の開店時間を合わせるということはなくて、夕方4時くらいには閉めている。町になじむ方は、そういうまちだからと抵抗感はないが、当然いろんな接点を持ちたい方々は、地域で住んでる方にプラスして、商店街のような、いわゆるお金の循環ができるようもてなすようにしないと、絶対伸びないと私は思う。そういうのをどう取り組むかということをやってもらいたい。
そして、国際的な取組については、実際まさに広島市の思いを具現するような典型的な取組をやってもらっていると感じました。国際という名を冠した取組を、留学生もいっぱいいるので、ぜひ続けてもらいたいが、続けるに当たって、こんなところをもう少しやってもらうと自分たちの活動が続くというところを、しっかりと学校に言ってもらったら、そのまま広島市に話が来ますから、対応できると思います。
あと、ビジネスの話に関しては、どこに住んでも対応できるということで、大歓迎です。ただ、少なくとも1人は本市にいていただかないと、事業活動での活動拠点がないと広島市にお金が落ちない。活動するというのは、動くだけではなく、住民票がいる。そういう意味では広島市に1人おられて、例えば活動費を計上してもらうんですね。
また、今田さんには、実際に駅前や相生通りなどいろんなところで、もう具体的にまちづくりを進めていただいているので、これは引き続き、やっていただいて、皆さんの手でまちづくりをやって、かつ、みんなの意見を聴いてやっていただきたい。
最後に、企業との連携の話をしていただいたが、広島のよさを売り込むということもお願いしたい。非常に良いなと思ったのが、既に企業群が集まるコミュニティがあって、そこに行けばいち早く自動的に情報というものに触れられるということで、この情報は多分利用価値があるものそうでないものいろいろあるけれども、それらに注意して、自分の活動に生かすという、そういうチャンスが広島にもある。中四国全体をネットワークに頑張っている広島に行くといろんな階層の情報があって、それを活用すると、自分たちの企業活動や自分自身の活動に役立つものになるということだと思います。そういうものを動かしていただいて、企業と接点を持って、むしろそういう情報を引き出していく活動をしてもらいたいと思います。
そういうことで、それぞれやっていただいている活動を改めて、市の中の多様性のある領域のどこに適用することで、自分たちの思いがもっと上手く広がるかということを考えてもらって、仕掛けてもらいたい。その中で、ここは市に頼むという、そういう整理をしていただくとありがたいと思いました。ありがとうございました。
松原氏(コーディネーター)
ありがとうございました。
時間がだいぶ迫っていますので、二つ目のテーマの広島で暮らしていく上でこうだったら充実したいい人生が送れるなといった具体的な提案についてと感想、コメントをまとめて、お1人2分程度で、順次コメント頂ければと思います。
こちらから、発言していただきますので、よろしくお願いいたします
宇野木氏
コメントありがとうございました。
ちゃんと東京から広島に進出した企業としてできることはしっかりやっていこうと思いますので、よろしくお願いします。
私は生活が豊かになったらいいなって思います。個人的に思っているのは、本当に粗末なことなんですけど、東京に住んで広島に戻ってきた人間として、二つありまして、一つが、もう少し公園とかで火を使えるような制度があったらいいのにと思ってます。コロナになってだんだんと遊び方が変わってきて、デイキャンプとか、広島は結構大きい公園が多いなと思ってますし、川も多いなと思っていて、火を東京よりは使いやすい場所であるなとは思うんですけど、もっと火を使えると、もっと外で遊べる手段が増えるなと思いますし、東京から来た2人のメンバーも、火を使う制限があるのでもったいないみたいな話をしたりするので、規則が変わるのかちょっとわからないのですが、そういうことができたらいいなと思ってます。
もう1つが、大きいマルシェが欲しいと思っていて、広島では大きなショッピングセンターでマルシェをやっているかなと思ってまして、東京とか千葉とかって、もっと小さい商いをやっている方たちが集まる大きなマルシェがあったりとか、何か挑戦したりとか自分らしい暮らしをつくりたいと思う人たちが集まる場所が結構あるんですけど、そういうところで、結構少ない、あっても小さいなと思っていて、開催することが目的というよりも、何かしたいと思う場所がちゃんとあって、そういうところで挑戦できる人たちがいて、そういうところを運営していく基盤が、市でつくるのか、それを民間がやるかちょっとわかんないんですが、そういった場所があったらいいなと思っています。以上です。
久保氏
私のほうからは二つありまして、一つが、具体的なのですが、低価格のマンスリーマンションまたは空き家サービスみたいなのが増えてほしいなというところがあります。
というのもやはり、オンラインでリモートでやってるとはいえ、やっぱり対面で会うことっていうところはすごく価値のある重要なことだと思っていて、ただ一方で、ホテルを使うとなると、高くなってしまいまして、別々に泊まるところも発生してしまうので、社員を一時的に、1週間2週間ぐらいですけど呼べるような、場所があればいいなと思っています。実際にリモートワークで、各自東京に住みながら広島で仕事をしてるみたいな人たちも増えているので、そういった意味でまず広島に短期的に来ていただけるような形にして、2週間ぐらい住んでみて広島がいいなと思ったら広島に移住するとかといったような動きが出てくるのが、これからは、リモートワークも広がっていく中で、いいのかなと思います。二つ目が、やはり経済を成長させていくっていうことを考えたときに、もちろん東京を市場に目指すっていうのも一つありますけども、やはり今、広島から海外に出ていくっていう企業をどう増やしていくかみたいなところで、我々も海外ビジネスをしていきたいなと思ってます。その観点でいきますと、直行便がもう少しあったらいいなというふうに思います。
その点でいうと私が今迷っていることとしては、広島に拠点を置いて、広島を中心にはやっていきたいとは思うのですが、一方で住む拠点としては、どちらかというと、福岡のほうがアジアに行きやすいし、東京にもたくさん便が出ているというところもあるので、そういったところを福岡と比較している点ではあるかな。なので、東南アジアとか直行便がどんどん増えてくると、海外に出るような人や企業が増えてくるかと思いますのでそういったところを私は今、気にしているようなところになります。以上になります。
今田氏
こうだったら充実した人生が送れるんじゃないかという提案というテーマを頂いてたんですけれども、僕は主語が自分というより主語が町とか、広島とか、カミハチとかなんかそういう感じになってる部分もあって、何かまちがこういい感じだったら、何か自分としてはうれしいところがありまして、なので今日もちょっと話の中で、改めて幾つか、大事なポイントがあったなというふうに思うのは、何かこう広島だからこその暮らしやすい働きやすさのイメージみたいなことが、そこかしこに溢れててそのシーンみたいなのが出てたりとか、具体的にこういう数字があるからこういうメリットがあるから、働きやすいとか、暮らしやすいみたいなのを、イメージをつくって可視化できて、それを伝えられるか、その価値を伝えられるかというところがすごく大事だなというふうに改めて思いました。
伊藤さんや松井市長のお話を聞いても、地方都市っていう、やっぱそこの立ち位置がもう、絶対的なものなので、それは変わらない、ずっとこの先も変わらないものかなと思うので、それをもとにじゃあどういう価値があるのかみたいなところを、何か今日も皆さんのお話を聞けてすごい幾つかヒントがありましたし、何かそういうところの組合せでどういうふうに伝えていったらいいのかなというのは、今後引き続き考えていきたいなと思っていたところでした。今日はありがとうございました。
伊藤氏
皆さんのお話を聞いて、何かまちづくりって、いろんな視点からいろんなアプローチがあってこそ成り立っているものなのだなっていうことを今日は実感できました。私が思う充実するまちづくりなのですが、学生がやりたい活動とかプロジェクトとかを支援してくれる制度が広島としてあれば、もっと充実するのかなと思っていて、やりたいことがあるけど何からしたらいいか分からなかったり、支援とか資金提供が探す難しさももちろんあってそういうので壁にぶつかっている学生の支援があるという制度があったらいいなと思っています。
例えば、いろんな広島にいろんな企業とか団体とかで支援してくれるものがあって、そういったものが学生の耳にあんまり入ってないのかなと思うので、そういったものがホームページにまとまっていたりとか、もっと欲を言えば学生に特化した制度があれば、より学生が主体的となってまちづくりに参加できるのかなと思います。そうすることによってこういう住みやすい町に広島もなっていくというふうに思います。
また学生の支援制度があるっていう、広島の魅力を上手く県外にも伝えることができたら、広島に来るという選択肢を持つ学生も、増えると思うので、よりよい町になっていくんじゃないかなって思いました。今日はありがとうございました。
戎氏
私は、とても大きな話になるのですが、地下鉄かJRで、広島駅と広島空港を繋げてほしいって思っています。私は、今年の3月に沖縄に行ったのですが、その時空港までの渋滞や雪への心配で広島空港から、飛ぶのではなく、岩国錦帯橋空港から飛びました。同じ理由で、韓国に行くときも、広島空港ではなく福岡空港から飛びました。
このことは、広島にとってもったいないと思っていますし、私自身もせっかく広島に空港があるので、広島から飛びたいなと思っています。もし、このことが実現できれば、広島空港へのアクセスももっと簡単にできるようになります。そして、私も空港に行きやすくなるので、私は、地下鉄やJRで広島空港へ、繋げてほしいと思っています。ありがとうございます。
岸氏
僕からは、公共交通機関について話させていただきます。僕、今大学3年生20歳で、もう青春真っただ中なので学生らしい意見をちょっと言わせてもらおうかなと思います。
僕は修道大学に通っていて、修道大学は安佐南区にあるのですが、実家が西広島で結構近いんですけど、ひとり暮らしをしてみたいということで親にお願いをしてみて、大学の1年生と2年生、2年間、安佐南区のほうに住んでたんですが、そのときに、気になる女の子とデートしたりとか友達と遊びたいとかなったときにやっぱり、本通りしかないと思っていて、周りには遊ぶところおしゃれなご飯カフェあまりなくて、結局ところは、本通のほうになっちゃうので、そこが本通りに行くためには、アストラムラインで30分ぐらいかかるのですが、アストラムラインがちょっと高いというのが、修道の学生でも結構思ってる人は多い思うんですが、僕の家からだと往復で1000円かかってしまうんです。ちょっと大学生からしたらきつく、交通費をなるべく抑えたいなって思っているので、本通りだけなくくそういう、一極集中じゃなくいろんなところに遊べるところがあったら、いいかなと思います。また、その便を増やすなど、満員電車を減らした、もっと公共交通機関を、使う人が増えて、結局は環境配慮にもつながるのかなと思います。
以上です。ありがとうございました。
後藤氏
皆さん本日は発表を聞かせていただきありがとうございました。
皆さまの発表から、本当にいろいろな考えがあるんだなって、刺激を受けた次第です。
これだけいろいろな人がいる中で、僕の個人的な広島市がこうだったらいいなと思うのは、趣味が読者なのですが、その趣味で読書っていうのも文学を読んだり、歴史書を読んだりというわけではなくて、学校で専門で学んでいる言語学がとても好きで、言語学の学術書がアマゾンでしか買えないんですよ。
だから、そういう本とか学術書関連とかいろいろな本が入っているような、本屋さんであったり、大きな図書館が欲しいっていうのが一点です。また、これも個人的な趣味の一つで、歴史的建造物の前でその時代の匂いを感じるまで居座るというのが趣味で、ちょっと名前は分からないのですが、あそこにも一つ広島大学があると思うんですけど、この前あそこに3時間居座って、そのときは夏ですごく暑かったのですが、なんか留まりやすい環境づくりがあればいいなって思っています。以上です。ありがとうございます。
汲地氏
皆さま本日はありがとうございました。
私もなんかいつも音楽のことを基本に生きているので、まちづくりに関してもいろんな視点があるとわかってとても勉強になりました。
私のすごく個人的な意見なのですが、これから広島で生きていくにあたり、その一音楽家として、また平和活動を続けるにしてもやっぱり自分から動いていかないとというのがあるので、なにかこう若い人に対して依頼をして頂くというか平和活動にしても国際活動にしてもなにか人と繋がれる音楽に繋がれる機会を周りから頂ければ嬉しいなと思います。
本日は、ありがとうございました。
村田氏
本日は、ありがとうございました。
皆さんのお話をお聞きして、やっぱり自分も私も音楽に生きているので、とても狭い世界で生きているんだなということを私自身が実感したご縁だと思いました。
私も、先ほど市長がおっしゃったように平和では飯が食えないというコメントを聞いたときに思わず顔を見合わせてしまったのですけれども、今私たちは学生なのでこういう活動が出来るっていうか基盤がある。その大学に所属しているというのがあるので、例えば信用して下さる方もいらっしゃるし音楽を続けていくには私たち自身の努力ももちろん必要ですけど、どういうふうにしたらいいのかなということも最近考え始めています。平和活動が音楽の私たちの生活に絶対欠かせないものだと思うので、私自身も頑張っていきたいです。ありがとうございました。
松原氏(コーディネーター)
皆さまありがとうございました。
私から一言感想を申し上げさせて頂きます。半月くらい前だったと思うのですが、地元の新聞でファーストリテーリングの柳井会長がユニクロ一号店を広島に出した20周年記念インタビューで、昔は大都会と言えば広島だったが、今の広島市は普通の都市になった感じがあると、秩序を維持するだけでなく、起業する人による地域への貢献がたくさんあって新しい産業の育成される都市でないといけないと答えられました。
しかし今日、新しい活動に取り組んでおられる6組の若者から報告がありました。広島には起業する人、新しい産業育成の動きが、どんどん出ています。
そしてこうした若者の声に耳を預けようとする人、そして支援しようとする人もいらっしゃいます。そうであれば、これからの広島は負けませんよと柳井会長にメッセージでお送りしたいとで締めの挨拶とさせていただきます。
最後、全体を総括して松井一実市長からお願いできればと思います。
市長
はい。ありがとうございます。
皆さんから、本当に具体的な提案、御意見を頂きまして非常にためになりました。最終的に、地域総出で関心を持っている方皆が、一緒になってまちづくりをやるということをいろんな場面でお願いしていこうという決意でおりますので、それぞれお願いする中で、きちんと精査をして一緒にやっていけるようにしなくてはいけないという思いを改めて思ったところです。6組にお話いただきましたが、地域総出でやっていくというときに、きちんと考える気持ちがあるということを証明するために、少しずつコメントを加えたいと思います。
宇野木さんの公園の火の使い方は、なかなか難しいです。というのは、ご近所に住んでおられると煙が出てどうするかと、こういう苦情などを処理しなければいけないということがあります。今のところバーベキューなどは、川辺に緑地帯を作ってそこでやって頂いて、ご近所で煙たくなるっていうようなことを言われないような環境設定をする中で、広げたいと考えています。町のど真ん中でビルの狭間でそういうことを行うのはちょっと難しい。だから、自然環境もあって、公園が広いこと、プラスその周りにそういった住宅環境なく、自然に近いところについては、もう少し考えたい。消防法もちゃんと考えなければならないと思います。
マルシェなどについては、大型の小売店舗などいろんな形で、自分たちで系列化して、いろんなものを売るということをやっていますから、ある意味商売敵になる。しかし個人の事業活動や生産品を直売したいという方々がおられるということで、これとは調和を図りながら、流通システムをうまく使ってあげて支援、補助をするとともに、物の搬入と客の誘導ということをしないと、マルシェはできたけど、売れなくて、赤字になると困る。そうすると、ロケーションはどうするかということですが、少なくともこの類いのチャレンジをしようと思っており、駅前を開発し、電車通りができると、もう少し歩道を広げるなどして、そういったゾーンで、産地直送の物を、地域の方々が売れるようなセッティングを考えてもらえないかということを、実際やっている。そういった問題意識を持っているということで、理解していただきたいと思います。
あと久保さんのマンスリーマンション、いわゆるビジネスで来る方の短期の滞在というような話がありました。長期的にビジネスを考えるのであれば、先ほど宇野木さんも言われていたように、複数人数で来てやれば、導入時の借り上げの補助がある。ただ一定期間経つと補助も無くなりますから、そのときまたいなくなると困ります。幸いリモートでということですから、もしできれば、郊外の少し交通の便のいいところで、郊外の施設群をうまく利用して、例えば、古民家のどこでやればいいか、安く交通の便がいいのかなど御相談を受ける形であれば、区役所のまちづくり担当、そういったところも対応できるのではないかなと思いながら聞きました。
また、海外旅行などについては、例えば広島空港へのアクセスをよくしようと、かつてありましたが、中断したということがあり、今はやっていないんですね。既存の飛行場をうまく利用しながら、この広島を活性化するとなると、岩国の錦帯橋空港を利用するということで、広島には東西両方に空港があって、むしろJRなどの移動手段で、JRと上手く手を組んで移動料金を安くするための仕掛けを、どういうふうにするかとか。また、福岡でも、新幹線で1時間なので、広島のビジネス振興という形で、そういう企業の移動コストを軽減するための仕掛けを産業政策としてやるとか、別の視点でやって、その利便性を高める。そのときにその企業群がこの地域への貢献度が高いですよといった恰好でアピールしていただき、こういった支援策は進めなければいけないのではないでしょうかということを、もう少し政治ベースとか行政ベースでやらせてもらうと、上手くいくのではないかなと思いました。
今田さんの話は、実際やっていただいていますので、申し上げた田舎と都市というものをうまく混在させながら、地域色を出すというふうにまちづくりやっていただくと、理想に一歩でも二歩でも近づくのではないかなと思いましたので、引き続きお願いします。
あと伊藤さんの話は、学生の活動に関して、ダイレクトにやるというのはなかなか難しいのですが、例えば市大周辺の地域の方々のところに入っていって地域の方々が行う取組の中で、自分たちも一緒にということでやっていただければと思います。例えば、エルモという組織を皆さんで作ってください。そこに地域の学生さんが入れば、エルモに対して一旦お金を出します。また、エルモに企業の方も入って下さい。そこの合意事項で皆さん、こういった地域でこういう活動をしたり、自分たちの意見として皆さんの了解を得て、一緒にやりましょうということをやっていただければ、その中で必要なお金を出せるルール作りも認めているので、そういった身近なところから、地域の方々をうまく利用するということをやってもらいたい。
戎さんについては、先ほど申し上げたように飛行場の話は、今の環境の中で、利用利便性を高めるという工夫をやるということで、解消すべきだなと思いました。
そして、公共交通のアストラムラインに関しては、これはちょっと時間がかかるのですが、必ず西広島に延ばすようやっていきます。そこまでの間の利便性をどう確保するかということですが、今思っているのは、例えば各地域にエルモという地域団体があるので、そこに住んでる学生さんたちの言わば通学、あるいは住んでる方の通勤、そういった費用を、地域の皆さんが自分たちで安くするためにいろいろ工夫しようというようなことを、もしやっていただくのであれば、そちらのほうに今度エルモを通じて支援をすることで、いくらかでも学生に優しい地域という対応でやっていただければできるのではないかなと、これは今からの課題ですが、チャレンジしてもらうとありがたいなと思いました。
アマゾンなどの本を直接入手したいということであれば、単独のいわゆる本屋がもたないので、広大、市大、修大も一緒ですが、大学群がそういった図書機能を、単独で難しければ、一定の費用を出してやってもらって、学生たちに、そういう本に触れるというシステムを作ろうということをやっていただく。日本では学校に図書館を作っていますので、それぞれその共通図書館は、生徒用専用ではなく、市民などに公開する。例えば、学生向けの図書館を地域の方々に、というようなことをやって、学校として地域づくりに貢献してもらうという手があるのではないかなと思うのですが、それはちょっと試しに修道大学に聞いてもらって、それを市大とか広大に広めてもらうと、市内にはちゃんと本屋が残るという可能性があるのではないかと思います。
また、後藤さんが過ごしたのは旧理学部一号館だと思いますが、これから綺麗になると思います。そして、平和の研究のための施設を導入するので、その中で涼みながら過ごせると思います。
最後に村田さん、汲地さんの話に関して、音響、音楽の環境を広島にということで、私自身は皆さんの活動の場を広げるコアコンセプトは、広響という象徴的な楽団をしっかり育てて、今までも市でもお金を投入し、楽団にもちゃんと演奏活動を、県内にとどまらず海外にも出てやっていただくということで、皆さんの演奏するチャンスを増やすということに取り組んでいます。
それから、今の新しい試みは、下野さん含め広島も音楽のまちというふうに言っていただけるくらいにするために、若手の指揮者の方を表彰するという企画を続けていく中で、広島の音楽に携わる方々の関係性の深いまちにしていくということであれば、音楽家が活躍するためのチャンス、演奏会も増えると思います。それからいろんな都市がやっていますが、街角コンサートとか、そういったことで皆さんが活動して、まちの人にこういう演奏家がいるのだなということを知っていただき、こどもたちにその演奏をさせてはどうだろうと考えるような、そういうまちにしていきたいと思っています。
松原先生が言われた、ユニクロの柳井会長の発言に関して、起業する人にはうまくビジネス展開をして、きっかけを作っていってほしいと思います。
広島は、ある意味で安定期に入っていますから、別の意味で個性をちゃんと発揮できる、地方都市という名前だけでなく、実のある地方都市にするためのまちづくりを、それから今言ったような意見を受け止めて、それぞれのところ、総出で、皆さんも一緒になって、一つの方向に向けて、そしてどの分野でも、工夫や知恵を出していただくということをお願い申し上げましてまとめにします。以上です。
松原氏(コーディネーター)
ありがとうございました。
本日は司会不慣れにて時間が押してしまいました。
皆様のお陰を持ちましてただなんとか、ここまでまいりました。厚くお礼申し上げます。それでは事務局のほうへお返しいたします。
政策企画課長
はい、本日は活発にご議論頂きまして、ありがとうございました。
頂いた多くの御意見、御提案につきましては、今後、町の施策の参考にさせて頂くと共に、この車座談義を機に皆様の活動がより充実し、それぞれ御活躍されることを期待したいと思います。
それでは、これをもちまして、市政車座を終了いたします。
本日は誠にありがとうございました。