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ページ番号:0000348022更新日:2023年8月21日更新印刷ページ表示

2023年8月10日記者会見「第11回NPT再検討会議第1回準備委員会への出席等について(帰国報告)外3件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>

日時 令和5年(2023年)8月10日(木)午後2時~午後2時31分

場所 市役所本庁舎11階第1会議室

 

■市からの発表案件■

【第11回NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議第1回準備委員会への出席等について(帰国報告)】

市長

 この度、第11回NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議第1回準備委員会への出席等を目的といたしまして、7月29日から8月4日までの7日間の日程で、オーストリアのウィーン市を訪問いたしました。そのポイントについてのお話をしたいと思います。詳しくはお手元の資料を後ほど御覧いただければと思います。

 過去2回続けてNPT再検討会議におきまして、最終文書が採択されないという状況の下で開催されたのが今回の準備委員会であります。その準備委員会では、中満国連事務次長兼軍縮担当上級代表の、この再検討サイクルは、NPT体制を強化することで、国際的な平和と安全を強化する新たなチャンスでもあると、そういった呼び掛け、力強い開会挨拶から始まったものでありました。

 まず、準備委員会のNGOセッションにおきましては、参加した16団体の3番目に、長崎市の鈴木市長と一緒に平和首長会議の代表としてのスピーチを行いました。スピーチにおきましては、平和への願いが逆行するような事態が続く中で、G7広島サミットでは核保有国を含む各国首脳が「ヒロシマの心」を深く知っていただいたことに感銘したということ、それから「核軍縮に関するG7広島ビジョン」におきまして、各国首脳が核兵器のない世界の実現に向けた約束を再確認したことを重く受け止めたこと、そして、今や破綻している核抑止論を放棄して、核兵器廃絶に向けた具体的な行動を開始する必要があるといったことを訴えました。

 その上で、平和首長会議といたしましては、平和文化を振興して、為政者に対話を通じた外交政策を促す環境づくりを推進していく決意であることを表明いたしました。

 次に、滞在期間中には、米国、英国、フランス、日本の4か国の政府代表と会うことができました。面会に際しましては、広島ビジョンにおいても掲げられた核兵器のない世界の実現に向けた具体的な行動を要請するといったことを行うとともに、為政者が核兵器廃絶に向けた具体的な行動を行うための環境づくりを進めている平和首長会議の加盟都市の更なる拡大といったことについての協力を依頼いたしました。日本の政府代表に対しましては、併せて、核兵器禁止条約の締結とともに、第2回締約国会議へのオブザーバー参加を要請いたしました。

 さらに、広島の高校生8名と共に、中満国連事務次長に約4万4,000筆の「『核兵器禁止条約』の早期締結を求める署名」を手交いたしました。また、同準備委員会のヴィーナネン議長とも面会いたしまして、現下の厳しい国際情勢の中にあって、核軍縮に向けた新たなサイクルの出発点となるよう今回の準備委員会に対する期待といったことをしっかりとお伝えしました。

 また、準備委員会のサイドイベントといたしまして、平和首長会議のユースフォーラムを開催しまして、広島及びウィーンの高校生を始めとする世界各国の若者8組が、核兵器廃絶と平和な世界の実現に向けた取組発表、それから意見交換を行いました。参加者からは、ここに集った若者が連帯してネットワークを構築し、共に目標に向けて歩んでいきたいといったような声が聞かれるなどいたしました。今後の活動に向けた熱意があふれるフォーラムになったというふうに受け止めています。

 さらに準備委員会に併せて開催いたしました平和首長会議役員都市の意見交換会、これには広島市、長崎市の他に、ポルトガルのエヴォラ市、ベルギーのイーペル市、スペインのグラノラーズ市の3市の役員都市が出席いたしまして、各地域の特性を生かした取組の発表、活発な意見交換を行いました。私の方からは、G7広島サミットの振り返りを行うとともに、広島市で実施する平和文化月間、この取組を紹介して、会長都市として平和文化の振興の先導役を果たしていきたいといった決意をお伝えしたところであります。

 私は現地で、多くの日程を高校生と共にすることになりましたが、高校生は、準備委員会の傍聴、あるいは国連職員、さらに地元の青少年と交流といったことを通じて様々なことを学べたのではないかと思います。それと共に中満国連事務次長を始めとする多くの方から、軍縮分野における若者参画への期待と励ましという言葉を受けておりました。

 今申し上げた一連のことを振り返って、今回の出張では、米国、英国、フランスの政府関係者に、核兵器のない世界の実現を願う被爆者の思いとともに、平和首長会議の取組をしっかりと伝えることができたと考えています。また、核兵器のない世界を実現するために、若者が声を上げて行動していくことの重要性を改めて確認することになりました。今後、国連(国際連合)やNGO(非政府組織・民間団体)等と協力して、加盟都市と共に、PXビジョンに掲げております「平和文化の振興」を進めるに当たりましては、平和首長会議のネットワークを活用した青少年の育成とともに、核兵器廃絶に向けた政策転換を促す市民社会の形成といったことに一層力を入れていきたいなというふうに考えているところであります。以上です。

 

記者

 現地でのスピーチについてお伺いしたいのですが、NPT6条の履行を呼びかけられたと思うんですけど、その一方で、核兵器禁止条約については言及はされていませんでして、出発前に市長が言われていた各国の対立分断を議論するよりも、誠実交渉をする場にしてもらいたいというふうにおっしゃっていたと思うんですけど、それも踏まえて、こういった部分があったのかなと思うんですが、市長の狙いについて改めて伺ってもよろしいでしょうか。

 

市長

 NPTは、これに署名・批准している国が出てきて5年ごとに、いわゆる第6条に規定している軍縮・不拡散、これの現状確認と今後のあるべき姿を議論する、PDCAのサイクルを転がすような、それが本望の会議であり、その委員会を5年ごとに開くための準備として今回立ち上げたものですね。ですから、NPTつまり軍縮・不拡散をどう取り扱うかということをやっているのが議論でありますから、本題はその6条の義務が停滞、あるいは後退、そういった問題が指摘され、過去2回にわたってその取組についての取りまとめ文書ができないという中で、今こういった世界情勢の中で、それをやることも喫緊の課題になっております。

 私自身の整理では、核兵器禁止条約というのは、そういった取組が停滞している中で、核兵器を持っていない国が、いわばある意味で差別条約といわれているこのNPT体制の根源的なあり方を問いかけるために、こういった条約を作って、今ある少なくとも軍縮・不拡散をしっかり進めていくということ。そして、その先に核兵器禁止というものを捉えてやっているというようなものだと思っておりますので、今やるべき課題についてしっかりと取り組んでほしいということ。その先に核兵器のない世界があるということをしっかり言えばいいと思うんですね。その際、現行のTPNW、核兵器禁止条約に入っていない理由は、今6条すらうまく果たせていない中で具体的な取組として、いきなりそういった大きな目標を掲げてそちらの加盟を促していくという作業よりか、今やるべきその課題を逐次積み上げていくというのが必要かと、その2つの大きな議論になっていると思うんですけれども、そういった議論よりか、私とすれば、今ある6条の義務をまず果たすことでしょということを申し上げたくてスピーチしたつもりです。それをやることが今何よりも求められている。それを確実にやることが核兵器禁止条約、いわゆる禁止条約と不拡散条約、補完関係にあるわけですからねというふうな位置付けは変わっていませんから。それをその場で提供しなくても今やるべき課題をしっかり強調することで、私の主張は十分通るというふうに思っているところであります。

 

記者

 核抑止のことでお伺いします。帰国後の平和式典の中でも市長重ねて核抑止の破綻ということを明言されていました。ただ、日本政府はやはり、この核抑止が機能しているという対応を繰り返していると思います。改めて、現地での空気感も踏まえて、この核抑止の破綻ということを今後どのように訴えていくのか、改めてお考えをお願いします。

 

市長

 自分の考えをもう少し丁寧に申し上げますと、核抑止論というのは、核兵器が作られる前からあった理屈かどうかということを自分は一番重要視しています。

 つまり、核兵器を第二次世界大戦中にといいますか、開発し、持つ国ができてきて、そういった現状がつくり上げられた中で、国連(国際連合)という組織までつくって、国連の第1回の総会で核兵器をなくするということを目指すというか、そういった戦争をした直後にすごく皆さん反省して、そういったものをなくす取組をしようというのは国際社会で盛り上がった中においてですよ、現状、持っている国がある。それを持っている国の、いわば乱暴をさせないために、しかし、その状況を改めていくために、持っている方々が無謀な使い方をしないためにどうするかなというふうに考えたんじゃないかなと。要するに、事後的に核兵器が存在するということを肯定しながらも、しかし、それを是正していくためにつくり上げた理論だというふうに自分自身は理解しているんです。だから、核兵器は持っていても使わないんだと。それを持って、脅しなんかやるんじゃなくて、持っているということで皆さんがカームダウン、静かになって、そういったものをしなくなる、そして、それが落ち着いた状況の中で、自分たちも核兵器を徐々になくしていくということをやればいいだろうと。それが核抑止論なんですね。抑止、つまり、持つということは伝家の宝刀を抜かないといいますか、抜かないで持っていることに意味があると。こういうことで成り立たせるというか、今ある状況を合理化しようというふうにつくった理屈だと思っています。

 ところが、そこで、使わないという理屈を使わないようにすべきだと、価値観を入れ始めた途端に、すべきだということは、使わないということが実現できないから、べき論が出てきたんだと思ったわけです。だから、この理屈がもたないんじゃないかなというふうに、自分としては受け止めています。

 さらに具体的に言えば、戦略核とか戦術核という核兵器をわざわざ分けて、戦略という大破壊をするようなものは、それは引き続き作っちゃいかんと。しかし、戦術のような、ちょっとした、いわゆる普通の兵器と変わらないような兵器であれば、使うこともあってもいいかも分からない。こういう理屈をやったところで、さらにその理屈の破綻は大きく、核兵器を一つとして捉えないということですからね。というふうに思ったわけです。

 さらに、現に核兵器を持っている首脳陣が、自分たちは絶対使うことはないんだと。だけど、念のために持っているということをやめて、お前たち言うことを聞かなきゃ使うかも分からんぞと言い始めたわけですから、抑止論なるものは、そういう意味で破綻していると。しかも、今度のビジョンは、多分すべきだと言っていることを発表したグループは、自分たちは多分、核抑止論を守っているんだけれども、相手陣営が守っていないから、すべきだということを強調する。自分らの安全保障政策は、すべきだという論理だと。相手はそうやっていないかも分からないけれども、自分たちはかろうじて守っていると。こういう展開をしていたので、それはもう最初申し上げた核抑止論というものが、破綻しているんじゃないかと。ですから、そういったことが分かっているのであれば、それを早く是正するための具体的な行動と、こういうふうに位置付けているわけであります。うまく道具を使いこなせていると思っていることそのものに、疑問を呈しているということ。両勢力です。アメリカを中心とする勢力も、もしくは中国を中心とする勢力も、お互いに持っていることの合理性を問われているのに、そこについての説明ができていないんじゃないかなと思っているというふうに御理解ください。

 

記者

 NPTの広島への誘致についてお伺いしたいのですが、市長、4期目の所信表明の中でも、迎える平和の一環として、NPTの誘致というのを表明されていたかと思うのですが、今年、広島サミットも開催されまして、そこでの実績も踏まえて改めてお伺いしたいのですが、このNPT再検討会議の広島誘致への意欲と、あと意義ですね。広島開催の意義について、市長はどのようにお考えでしょうか。

 

市長

 意義に関しては、今度のG7広島サミットが開かれたことについての受け止め、様々ありますけれども、そういったことが被爆地広島で開かれるということによって、多くの世論がある意味で覚醒されるという、そういった犠牲を強いたところで、その問題に対する真剣な議論が行われるということそのもので、核の使用というのは地球上のどこか片隅で問題になるのではなくて、世界的な課題として、まず認識してもらえると。しかも、6条という義務を履行するかしないかの具体的なテーマ設定された会議ですから、そういう意味では象徴的な意味があるというふうに思っておりまして、そういったことの進展が図れるならば、大いに有益だと思うんですね。ですけれども、それがいわば進展させない理由をある程度、合理化しようじゃないかとか、やるかたないなというふうなことをするような使われ方をするのであれば、どうでしょう。NPTそのものの意味から、いわゆる、けなされるというか、それこそ、G7以上のものがあると思うんです。だから、そこはしっかりと、今行っている準備委員会なんかの展開状況、見なきゃいかんというふうな気持ちがあります。ただ、うまくいくということを前提とした中で、そういった会議が広島で開かれるということは、非常に多くの方にとっての訴えとして意義あるものだという考えは変わっておりません。

 

記者

 今回、訪問期間中にも各国政府関係者の方と面会されていますけど、広島誘致に関して、この協力依頼などが話題に上がったりは。

 

市長

 しておりません。むしろ、今のウクライナ侵攻という事態を皆さん憂いていて、6条違反をどうするっていうか、6条違反というか、6条が守られてないという事態をどうするかが先決ですねっていうお話をいたしました。その環境を整えることが先だというふうに思っています。

 

その他の質問■

【黒い雨訴訟について】

記者

 黒い雨のことでお伺いをしたいんですけれども、今年の平和宣言でも、あと、去年でも黒い雨の救済について触れられなかったんですけれども、今、広島市の方でも100人を超える方が却下される状態にあるんですけれども、この方々の救済について、市長は、今、どのように考えていらっしゃるか教えていただいてもよろしいですか。

 

市長

 これについては、いわゆる拡大救済っていうか、菅(元)総理が判断をしていただいたときにやりとりした思いと寸分変わっておりません。つまり、この問題は被爆者の方々の年齢を考えていただく。そして、このいわば、78年間を考えたときのそういった方々に対する支援として、日本国政府として何ができるかということを考える。で、行政的には、今までのその取り扱いと基本的な部分を齟齬させることなく何らかの救済策をと言われるという立場を貫いておられたんで、それぞれが議論やってきたんですけど、それを言っていたんでは、例えば、手帳交付することと、手帳交付後に病理状況を発症して、それを支援するという二段構えの政策の第1弾の入り口のところで、その症状を要求するというのは過去やってきたことを、どうこういうんじゃないんだけれども、ここまで来た中では、政治決断として手帳、あなたは間違いなく被爆したんですねと、あるいは黒い雨を浴びたんですねということを認められる方については認めて、支援の手を差し伸べるということを政治決断していただきたいと申し上げて、一定の前進があったということでありますから、その方向は変わっていません。ただ行政とすると、そういった中で病理現象ということを要件としてきたので、それを守りながら要件緩和という方法論で、今回、白内障とかそういったものを出されたんですけど、そこまで来たんなら、もう一息と思っています。そういう意味では変わっていませんけどね。

 

記者

 疾病要件については、広島市も(広島)県も、ずっと国に要請、撤廃するように要請してきた経緯はあると思うんですけれども、却下された方の状況をちょっと蓋を開けて見てみますと、これまでに作成された3つの雨域の外側だったんじゃないかっていう方も多く含まれていると思います。この方々については、どのように対応していきたいとお考えですか。

 

市長

 そこは、今度、雨域設定のことに関して、科学的という言葉を使って、知見がないと、全く降ってないと、降ったということを認知できる資料がない中で自分は遭ったという方を救済する、それよりももっときついというのが行政の立場であります。それを確定させるために、過去の気象条件とか、判断材料集めてシミュレーションして、ゾーンを決定しようとかっていうための研究会っていうか、それ、まだやっているわけです。手続きを踏んでいると、こういうことであります。

 ですから、それについても当事者の方が明確なうそをついているんでなければ、先ほど申し上げたのと一緒なんですけれども、自分自身が本当に遭って、被爆者という立場として認知してもらいたいという方については、政治的な判断で、行政的には積み上げというのは過去やってきて限界があるわけですから、同じように支援の手を差し伸べていただきたいと思っています。ただ、行政が検証作業もやりきってない中で決断できないといわれているんであれば、その検証作業、早くしてくださいと。その上で出た結論をどうなろうとも、救済の支援、救済するということを基本に考えていただくのが筋だと思っています。

 

記者

 例えば、証言をベースに、この村で何人以上証言、申請があったからオーケーとか、そういった判断、難しそうですかね。

 

市長

 それは、被爆者の方の年齢を考えて、その方をまた証明する、より年の上の方がどれくらいおるかということなんですよ。どうでしょうか、それは、30年、40年前だったら、まだ別ですけど、今となっては難しいんじゃないですかね。その辺の悩ましさだと思うんですね。

 

記者

 となると、今続いている検討会の結果を、まずは待ちたいということ。

 

市長

 どういう判断するかで、それで広げていただいて、今言われている方々がカバーできる範囲になれば、まず、それでいいわけですよね。だから、そこの結論をとにかく早く一回出していただくということをしないと、次の議論はできないんじゃないかなと思っていますよ。

 

【平和記念式典について】

記者

 平和記念式典についてお尋ねします。過去最多111か国、海外の代表が来られました。過去最多ということで、これがサミットなのか現下のウクライナ情勢がどう作用したのか、今回、過去最多になったことについての受け止めと、どういうところが作用して過去最多になったのか、松井市長なりのお考えを教えていただければと思います。

 

市長

 まとめると、いわゆる核兵器の脅威というものについての認識が少なくともG7広島サミット開催などを通じて高まった結果だと。いずれにしても広島サミットは、一つの動機づけにはなっていると思いますね。現にウクライナへロシアが侵攻している、そのことで核を使うかも分からないというふうなことを言ってはいないけれども、言わされているというか、アメリカ側にそうさせられて言っているんだとかっていう、そういう論争が起こっていることそのものが大きな問題なんですけれども、そういった中で、各国首脳がこの広島の地でそういう議論をし、マスコミに大きく取り上げられて、広島・長崎の問題じゃなくて、核の使用ということは人類に対する影響を及ぼしていると。そのことについて、各国も注目していると。それは単に核兵器の使用・不使用という問題を超えて、実際に生活を営むために必要となる経済活動面でも世界中にいろいろな影響が出ています。アジアの国、アフリカの国、中東の国、それぞれのところで、この紛争のなりゆきが、自分たちの経済政策、あるいはエネルギー政策、そして、気候変動問題等にも関わってくるという、いろいろな関わりがあるということが、ある意味で多くの方に分かって、じゃあ、もう一遍、この原点を見ておいた方がいいんじゃないかということではなったかなというふうに思うんですけど、どうでしょうかね。

 

【日本の核兵器禁止条約への参加について】

記者

 平和宣言の中では、改めて核兵器禁止条約への加入というのを日本政府に訴えられましたけれども、岸田総理、挨拶の中では言及がありませんでしたし、そのあとの要望を聞く会で被爆者団体からも一刻も早い参加をというふうな促しがありましたけれども、従来の説明、いわゆる出口論というのがあるというような回答をされたと思います。この時期だから、このタイミングで回答する、是非はどうかはともかくとして、今回、進歩がなかったというか、言及がなかったことについてはどういうふうに受け止められていますでしょうか。

 

市長

 今まで総理が話されている内容は既定路線というか、今までと変わらない方向なんですね。ですけど、私自身は、そういった為政者の政策判断に与えるいろいろな世論は、少しずつ変わってきているようにも感じています。今後、どのNPTの準備会合でも、そういったことをしっかり発言する国の代表者もおりますし、日本の国会の情勢を見ても、いわゆる野党という立場、それから一部与党もそういう気持ちを十分にじませながら、核兵器のない世界を見据えた核兵器禁止条約についての位置付けを、自分たちとして、もう一回整理していいというような議論にはなっているんじゃないでしょうかね。それから、広く国民がそういった皆さんの考え方を支持しているんだと。特定の政党、特定の人が言っているというんじゃなくて、どなたもが核兵器のない世界を目指しながら軍縮・不拡散の議論を進め、それをさらに進めるという方向性をもう少ししっかりと皆に示しながらやってもらいたいというのが、少なくとも今回の要望の中の象徴的なオブザーバー参加と。そういったものについて少なくともウォッチして、核兵器国・非核兵器国の間のいろいろな考え方に耳を傾けてどうなっているかということを自ら確認するという作業はあっていいんじゃないですかということなんですけれども。少しずつ、むしろ皆さんの力で広げていただきたいと思うんですね。こうやれというんじゃなく、みんなそう思っていますよと、世界中そうですよというふうな状況にできればなと思っているんですけど、どうでしょうかね。

 

※(  )は注釈を加えたものです。

 

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