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2023年6月9日記者会見「G7広島サミットを振り返って外4件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>

日時 令和5年(2023年)6月9日(金)午後1時30分~午後2時20分

場所 市役所本庁舎11階第1会議室

 

 

市長コメント■

【G7広島サミットを振り返って】

市長

 G7広島サミットから約3週間を経過いたしましたけれども、改めて今回のサミット、これを振り返るとともに私自身の受け止めについてお話しをしたいと思います。

 まず始めに、G7広島サミットを無事、成功裏に終えることができましたことは、ひとえに、市民や事業者の皆様、広島県警察をはじめサミット開催を支えてくださいました多くの関係者の皆様の御協力と御尽力のたまものであります。改めて心から感謝申し上げます。

 その上で、今回のサミットを振り返ってみますと、総括いたしますならば、(G7)広島サミットは歴史に残るサミットになったのではないかなと受け止めております。

 今回のサミットでは、核保有国4か国を含むG7各国、それから招待国、アウトリーチ(国)8か国の首脳に加えて、さらには6(※)の国際機関の長、そして、ウクライナのゼレンスキー大統領と、こういった方々が見えまして、平和記念資料館の視察や被爆者との対話といったことを行っていただきました。

 資料館を訪問したのちの記帳いただいた芳名録を見ますと、メッセージが残されておりますけれども、そのメッセージは各首脳が核兵器のない世界を願っていることがまざまざと見て取れる。そして、この広島の地で、被爆の実相を知っていただいたからこそ書ける、書かれたメッセージであるというふうに受け止めておりまして、そのことの意義あるいは重要性を改めて感じたところであります。

 また、原爆死没者慰霊碑への参拝・献花を行っていただきました。その際、私の方から、各国首脳に直接碑文の説明をするという機会を得ました。

 戦争や紛争などの被害に遭った方々は、相手への憎しみとか復讐心に支配されるということがごく普通であるというふうに受け止めておりますけれども、被爆者の皆さんについては、過去の悲しみに耐えて、憎しみを乗り越えて、全人類の共存や繁栄を願っており、こういったことがまさに「ヒロシマの心」であるといった説明を行いました。

 芳名録に残されましたメッセージは、各首脳がこうした被爆者の訴えとともに碑文に込められた「ヒロシマの心」といったものをしっかりと受け止めて、心を打たれ共感された証しではないかなというふうに思っております。

 さらに、今回のサミットで、G7で初めて核軍縮に特化した首脳宣言、「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」なるものが発表されましたけれども、このことは一定の評価をすべきだと思っております。

 すなわち、NPT再検討会議において最終文書が二度も続けて採択されないといった状況が続いている中にあって、核兵器のない世界という究極の目標に向けた、G7のコミットメント、これについては条件付きでありまして、「全ての者にとって安全が損なわれない形での」という条件付きではありましたけれども、核兵器のない世界という究極の目標に向けたG7のコミットメントなるものが再確認され、「核兵器を減少させる行動を逆行させてはならないこと」、「被爆の実相への理解を深めるために広島・長崎への訪問を促すこと」といったことなどが明示される文書が核保有国を含むG7の首脳によって作成されたといったものであります。

 このように、各国首脳から核兵器のない世界の実現を目指すというメッセージが世界に向けて発信されたことは大きな意義があると受け止めておりまして、私自身は、今回のサミットを「広島平和サミット」と言ってもよいのではないかというふうに思っているところであります。

 その上で、各国首脳には、早急に首脳宣言にある取組に着手していただき、ビジョンに掲げる、この首脳宣言に掲げる理想の世界の実現、すなわち、核兵器のない世界の実現に向けた具体的な行動を積み上げていってもらいたいというふうに考えています。

 さらに、広島からの平和発信や魅力発信の観点では、プレスツアーや国際メディアセンターでの展示などの取材を通しまして、国内外に多くのメディアによりまして、インターネット上を含む世界中で広島が報道されたということもあります。こういった点も、サミットの大きな成果であろうかと思います。

 私としては、こうしたG7広島サミットの好影響を一過性のものにするのではなくて、本市が推進しております平和文化の振興であるとか、国内外からの多くの方々の訪問、これを促進することなどに繋げていければというふうに考えています。

 最後に、改めまして、G7広島サミットの開催にあたって御協力・御尽力いただいた市民あるいは事業者の皆様方に、そして、このサミットに関わった全ての方に御礼を申し上げたいというふうに思っているところです。以上です。

(※)音声では「7」と発言していますが、7機関のうち、WHO(世界保健機関)はオンライン出席であったため、正確には「6」です。

 

記者

 先ほど、G7(広島)サミットに関しての評価という部分で被爆者の方からは核抑止力を前提とした共同文書である「(核軍縮に関するG7首脳)広島ビジョン」に対して、かなり批判的なお言葉もあって、反発もあったかと思うんですけれども、今回、その「広島ビジョン」の中では核兵器禁止条約については一言も触れられていませんでした。その点に関して、松井市長の御評価をお聞かせいただけますでしょうか。

 

市長

 私自身、実際にこの首脳宣言、ビジョンを読ませていただきましてね。確かに核兵器禁止条約という文言はないんですけれども、今まで核兵器禁止条約と(核兵器)不拡散条約の関係について、NPT(核兵器不拡散条約)あるいはTPNW(核兵器禁止条約)で議論した中で、根源の問題、要するに相対立する条約なのか、補強・補完する関係にある条約なのかというようなことも議論してきた中で、一文として「核兵器のない世界は核不拡散なくして達成できない」という言葉をちゃんと入れておるという部分がありまして、これを核兵器禁止条約と核不拡散条約というふうに置き換えれば、問題意識、対立するものではないというふうな、一定の評価をできる部分もあると思います。具体的に条約名が書かれていないのは、核兵器を持っている国が、今まで核兵器禁止条約そのものを否定していますからね。そういったことを書けば、合意文書がNPTと同じように成立しないという中で、日本国政府が責任を持って書く文書の中でそういったコンセプトをちゃんと入れ込んでくれているということは一定評価しなきゃいかんのかなと。ただ、それを核兵器国が条約という形で正面から認めることになっていないという点がね、まだしも十分ではないという御指摘は、そのとおりだと思いますけれどもね。それに向けて着実に努力をしていく必要があるというふうに思っています。

 

記者

 市長自身のお考えとしても、そこの部分は不十分だったというふうな認識という理解でよろしいでしょうか。

 

市長

 不十分だけど踏ん張ったというぐらいの意味ですかね。

 

記者

 市長も先ほどおっしゃっていたように、核兵器のない世界へというところで確かに全ての人の安全を損なわない形でという、そういうふうな言葉がついていたりとか、核兵器のない世界というふうな言葉は確かにうたってはいるんですけれども、具体的な目標とかですね、何年までにどういうふうな形でというふうな具体策が、なかなか見えないビジョンになってはいます。そのあたりは市長としてどういうふうに捉えていらっしゃいますでしょうか。

 

市長

 客観的な事実として、核保有国そのものが核を保有し続けるという立場を主張している、その相手を入れ込んで合意文書を作るという、そのことにまず着目したいと思います。実際にやらないという相手に、具体的な文言を書いても。賛成しないといわれたら何もできないわけですから。結局合意文書もできない、NPTと同じ繰り返しになりますよね。そして世の中が進まないという事態を起こすのか、目標を再確認してそれに向けた決意をみんなで固めるかっていう、次善の策になるかもしれませんけれども、努力の成果ということは一定評価していいというふうに思っています。

 

記者

 重ねてお尋ねします。実際にやらないという相手というのはどの国を指されて。

 

市長

 核兵器保有国です。反対していますし、(核兵器を)持っていますから。

 

記者

 G7に入っている、参加している国を含めて。

 

市長

 全ての国です。核兵器を持っている国は、そう言っているように思っております。実際、持っているから廃止するということは一言も言っていないし、その中の具体策を議論する素地もないというふうに受け止めています。

 

記者

 なので、その廃止するとは言っていないということなんだったら、廃止すると言っていないですが広島の市長としては一定に評価されると、このビジョンについては。

 

市長

 ビジョンは取組として方向性を確認しているということについては、評価したいと思います。

 合意文書ですから、皆さんが合意しないと文書が作成できないわけです。そこを分かってください。一方的に書いても合意文書にならなければ何もできないわけですよ。手続きを考えてくださいと申し上げているんです。

 

記者

 市長も芳名録の中に、いわゆる市長が、各首脳が核のない世界にというところの決意と受け取られたというように思うというお話をされたと思うんですけれども、今回、松井市長が御案内もされて、その前段には(平和記念)資料館の見学もあったと思います。被爆者の方もそうですし、市民の多くの方もやはり資料館で実際に何を見て、何を感じた結果、その芳名録で出たかっていう過程を知りたいと思うんですけど、なかなかそこがまだ公開されていない、明らかにされていない、この点についてどういうふうにお考えになっていますか。

 

市長

 芳名録に書かれた中身が、どういった内心の意図で、どういった見せ方をして書かれたんだろうなということが明確ではなくて知りたいなという気持ちがあることは、私自身もそうだろうなと受け止めております。しかし、今回のこういった会議を開催するにあたって具体的なロジ(ロジスティック)からサブ(サブスタンス)は、外務省、日本国政府の責任においてされて。そして各国首脳から、こういったコミットメントを引き出すという成果があったわけでありまして。そのプロセスにおいて、そういったことを明らかにしないということをやることによって、初めてこういった成果が得られたというふうな側面もあると自分は思っています。実際にどのように設定されたか私自身も見ていないんですね。手続きに参加させていただいていない。つまり日本国政府、外務省の責任において全てやるということをされました。それができなかったんであれば、何でだろうということを追及したい気持ちもあるんですけれども、言って出てきて皆様に公表できる公文書的な性格の、いろいろな成果が出ておりますのでね。それをむしろ咀嚼して、言ったことをちゃんと具体化していくということに、重きを置くべきだと思っています。ですから、それに至った経過が分からないから、知りたいからということはよく分かりますけれども、私自身はそれについては外務省に、日本国政府の責任においてやっていただいたということでとどめたいというふうに思っているのが現状であります。

 

記者

 この芳名録に関して、追加でお伺いします。広島市に残った、いわばサミットのレガシー的なところの側面があると思うんですけれども、今後市民にどのような段階、スケジュール感で公開できるような準備というのはありますでしょうか。

 

市長

 (※)準備が整った段階で皆さんにお見せして、そして各国首脳がこういったことをある意味で公約といいますかね、口にしているということをしっかりと受け止めていただき、それをてことして、核兵器のない世界に向けての様々な活動を展開する重要な試金石といいますか、一里塚にしたいなというふうに思っています。

(※)音声では「これはまだ仮訳というようなことでありますから、その訳を確定させるということを外務省の方でやっていただき」と発言していますが、外務省から改めて翻訳が発表される予定はありません。

 

市からの発表案件■

【令和5年第3回広島市議会定例会提出案件について】

市長

 6月19日、月曜日に開会予定であります令和5年第3回広島市議会定例会に提出する議案は、一般会計補正予算案など17件であります。

 まず補正予算案についてですけれども、今回の補正予算の規模は、お手元の資料の「令和5年度6月補正予算の概要」のとおり、全会計で32億6,572万2千円となっております。

 それで、今回の補正予算編成についての基本的な考え方を説明いたします。

 本年度の当初予算は、義務的な経費や継続事業に係る経費を中心とした骨格予算として編成しておりましたことから、今回の補正予算につきましては、新規事業及び拡充事業を中心とした肉付け予算として編成をいたしました。

 その主な内容につきましては、広島市総合計画に掲げた「世界に輝く平和のまち」、「国際的に開かれた活力あるまち」、そして、「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」という3つの柱に沿って、順次、説明していきます。

 第一の柱は、「世界に輝く平和のまち」の実現に向けた取組であります。

 平和記念資料館の発信力を強化するために、広島逓信病院旧外来棟を、その附属展示施設に位置付けることといたしまして、連携した効果的な展示内容となるよう展示実施設計を行っていきます。

 第二の柱は、「国際的に開かれた活力あるまち」の実現に向けた取組です。

 まず、「活力の創出と都市の個性の確立を目指したまちづくり」についてであります。

 広島駅周辺地区のさらなる活力とにぎわいの創出に向け、広島駅新幹線口のペデストリアンデッキ等における社会実験の実施などを通じ、エリアマネジメント団体等が、公共空間で収益を確保しながら自立した管理運営を行うための手法を検討いたします。

 また、ファミリープールについて、子どもたちが四季を通じて様々な遊びや体験を楽しみながら学ぶことができる空間とするため、プールを含む新たな施設の整備に向けた基本構想を策定するとともに、旧広島商工会議所ビルから青少年センターまでの民間所有地を含めた一連のゾーンについて、水辺空間と一体となった潤いのある空間の整備に向けた検討を行います。

 さらに、広島広域公園の活性化に向け、地域が主体となって策定した「伴・大塚地区まちづくりビジョン」を踏まえ、「広域公園まつり」を開催するとともに、魅力づくりに向けた検討を行います。

 また、公共交通の充実強化に向け、乗合バスの運行の効率化や利便性の向上を図るため、官と民の新たな連携体制としての共同運営システムの構築に取り組みます。

 2点目は、「地域特性に応じた個性的な魅力を生かしたまちづくり」であります。

 UIJターンを促進し、転出超過を抑制するため、東京圏から本市に移住して県内の企業へ就業等をする者に対し、支援金を支給します。

 また、区の魅力と活力向上推進事業について、住民主体のまちづくり活動への支援を一層推進するため、ハード整備などの事業費を増額します。

 第三の柱は、「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」の実現に向けた取組であります。

 まず、「多様な市民が生き生きと暮らせるまちづくり」についてです。

 浅野文庫をはじめとした貴重な資料について、保存環境の確保及び活用を図るための施設整備に向けた基本計画を策定いたします。

 また、湯来地域における、スポーツと温泉の連携施策を推進するため、湯来地域の運動施設の整備を行うほか、株式会社サンフレッチェ広島の経営基盤の強化を図るために広島県と協調して、増資を行います。

 さらに、地域コミュニティ活性化は、行政と市民、地域団体等が将来にわたり協働して取り組むべきものであることを明らかにするための条例の制定作業に着手するほか、公共的サービスの担い手となっているNPO(非営利団体)法人の財政基盤を強化するため、ふるさと納税を活用したNPO法人への支援を行います。

 2点目は、「保健・医療・福祉の充実」についてです。

 国民健康保険事務システムについて、出産する被保険者の産前産後期間相当分の保険料を免除する措置が(令和)6年1月に創設されることに伴い、必要な改修を行います。

 また、デジタル技術を活用した高齢者の歩行姿勢等の分析や、分析結果に基づく助言や運動プログラムの実施など、高齢者の状況に応じた効果的なフレイル予防を推進いたします。

 さらに、在宅の医療的ケア児の保護者の負担を軽減するため、保護者に代わって医療的ケアを行う看護師を派遣するとともに、重度障害者等の就労機会の拡大を図るため、通勤や職場における身体介護等を行うヘルパーを派遣いたします。

 3点目は、「未来を担う子どもの育成と教育」についてです。

 養育費を確実かつ継続して確保できるよう、養育費の取決めに係わる公正証書の作成等に要する経費を補助します。

 また、自校プールでの水泳授業の実施が困難となっている黄金山小学校において、授業時間数を適切に確保できるよう、外部施設を活用して水泳授業を実施いたします。

 さらに、中学生がスポーツ・文化芸術活動に親しむ機会を確保するとともに、教員の働き方改革を推進するため、学校や地域の実情、本市における各競技等の活動状況を踏まえながら、休日の部活動を段階的に地域移行できるよう、まずは、モデル校における検証を行います。

 4点目は、「安全・安心に暮らせる生活基盤の整備」についてです。

 平成30年7月豪雨災害の被災地である上瀬野地区において、地域が主体となって作成した復興まちづくりプランに基づき、ちびっこ広場の復旧・整備を行います。

 また、増加する特殊詐欺被害を未然に防止するため、防犯機能付き電話機の設置等に要する経費を補助いたします。

 さらに、本年3月に策定したマンション管理適正化推進計画に基づき、管理不全の老朽化マンションが生じることないよう、管理計画認定制度の周知や、管理組合に対するマンション管理士の派遣などを行います。

 5点目は、「環境と調和した循環型社会の形成」についてです。

 太陽光発電によって発電された電気を電気自動車等に充電し、また、その電気を家庭へ放電できるV2H充放電設備の設置に要する経費を補助します。

 次に、国の地方創生臨時交付金を活用した物価高騰対策等に係る予算です。物価高騰に対応した新たな取組を行う中小企業者等に応援金を支給する「広島市販路拡大等チャレンジ応援実行委員会」や、物価高騰の影響を受け厳しい経営環境にある農業者に応援金を支給する「広島市農業振興協議会」に対し補助を行うとともに、電気料金等が高騰する中で、省エネ性能の高い機器への設備更新を行う中小企業者等に対し補助を行います。また、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい経営環境にある、バス、路面電車などの交通事業者に対し、PASPYによる運賃割引に要する経費を補助します。

 次に、予算以外の議案としては、政治倫理の確立のための広島市長の資産等の公開に関する条例の一部改正案など条例案7件、その他の議案7件を提出いたします。

 以上が今議会に提出する議案の概要であります。私からの説明は以上です。

 

記者

 中心部のまちづくりということで、ファミリープールのことで御質問させていただきます。今、サッカースタジアムの建設が進んでいますけれども、東側にはグリーンアリーナがあって、南側には球場跡地もありますし、今回、子供に特化した新たな設備っていった整備のための基本構想を作っていくということですけれども、具体的に市長はどのような施設にしていきたいかっていうふうにお考えでしょうか。教えてください。

 

市長

 具体的なアイデアは私自身、まだかっちりとしたもの持っておりませんが、少なくとも今までいろいろされている、議論を踏まえるならば、今、あそこにプールがあるわけでありまして、そのプールの機能は何らかの形で残すといったことを前提に新しい施設群を検討していくと、そういった中で、お子たちがその地域というか、その領域でいろいろな遊びとかはできるような施設群にして、隣接する図書館もありますし、既存のそういった施設群をうまく調整して、いいものをつくるという作業にしていきたいと、そのために、基本構想といいますか、どういうものにするかというのを1~2年かけて、皆さんと議論しながら作った上で対処していきたいと、そういうふうに考えています。

 

記者

 具体的な完成のめどといいますか、時期というイメージっていうのは何か。

 

市長

 1~2年かけて構想を練り、普通であれば2~3年かけて、その事業ということになればいいなと思っていますけど、はい。

 

記者

 新規事業で浅野文庫等の保存・活用というのが挙がっているんですけれども、中央図書館の中に浅野文庫の他にも、広島ゆかりの文学作家の資料等があろうかと思うんですけど、ここでいう「等」というのは何を指すんでしょうか。

 

市長

 イメージ的には、広島ゆかりの作家の文学資料などといったものになろうかと思っています。これらまとめて共通点は、広島の文化・伝統を後世に伝えることができる貴重な資料群という位置付けでありまして、それをきちっと保管、整備して、そして、こういったものを後世に伝えられるように、あるいは、そういったものを研究していただくと、そういったことができるにふさわしい状況設定、環境設定がいるかなというふうに思っています。

 

記者

 スケジュール的なところでいうと、この新たな施設を整備されるんだろうと思うんですけど、これは、中央公園内なんでしょうか。それとも、それ以外になるんでしょうか。

 

市長

 これは、そうですね。まず、図書館の移転計画をやりますから、それはそれで作業しながら、この浅野文庫を中心に、基本理念を作る。あるいは、事業方針を作る、具体的な作業方針を示す、ということを手順よくやっていくということを想定していまして、その際に、広島ゆかりの作家の文学資料は、資料保存というようなこともあって、ただちには、移転させた上でコーナー設置して、そこで展示をするという扱いをする、あるいは、措置を拡充するということをやる予定で来ておりましたけれども、そういった中で、文学館の建設とか、浅野文庫を一つにまとめて資料の収集・保全をしてはどうかというふうな御要望があったということなどもありますので、今申し上げた具体的な基本計画を作成するという作業の中で、併せて検討していきたいというふうに思っていますので、すぐに、いつとまでは言えませんけど、数年かけてとかというふうに思います。

 

記者

 もしよろしければですけど、場所は、大体のイメージはあるんでしょうか。

 

市長

 具体的な場所は、まだ決めておりませんが、イメージというか、この元々の中央公園にあった、いろいろな施設群を市内の循環型のまちをつくる中で、こういった貴重な資料の保管、そして、それをそういったことに興味ある方々が来館しやすい場所というふうなことを目標値を立ててどこにしたらいいかということを今から議論していきたいというふうに思っています。

 

記者

 4月に4選を果たされて、今年の3月は骨格予算だったと思うんですけど、今回肉づけ予算ということになると思うんですが、改めて、今回の予算の意義について市長のお考えというか、所信表明で示されるお話になるのかもしれないですけど、すいませんがお願いします。

 

市長

 最初申し上げたとおりに尽きるんですけれども、そうですね、元々、骨格予算ということですけれども、骨格予算作るときに継続している、そして、私の手を離れて、すでに行政客体とか、それに取り組んでいる方々の既定路線的になって、その予算化をしとかないと、事業そのものが続かなくなるというような予算まで含めて、当初予算で組んでおりましたから、そちらの方の手当はできておるんですけれども、選挙後に、ある意味で生じ、あるいは、生じる原因が前にあったとしても選挙後に措置の必要となったこと、これが明確に、かつ、議会におはかりすることをできるようになったものに関して、予算措置を講じて、年度通しての全体の事業推進をするための、いわゆる、施策を並べたというのが、今回の予算の性格だというふうに思っています。そうした中で、当初申し上げましたけれども、景気対策といいますか、物価高騰対策などは、実際、事業展開などをされている方々の痛みを伴う状況があり、かつ、国の方もそれに対して的確な対処してくれということで予算化をしておりまして、そういった指示を国全体でやれということがありますので、そういった、その時の流れの中で、地域特性を睨んで、我が市としてどういった措置を講ずることが適切かといった判断で信頼を組み立てたというふうなのが基本的性格ですね。そして、あとは実行していく上で、ある意味で政治決断的な取組になり得るもの、改めて市長として皆さんに決意を示してやる課題というのは、特に地域でいろいろな提案があったりして、こういった取組をやっていきたいというふうなことで出ていたものについて、そのまとまりができたものを踏まえて、具体的な作業展開するというふうなことをお示しするというのが大きな柱でありました。これは、地域コミュニティとか、地域に即した諸課題についてはそれを具体化するための手順を踏み、かつそれが、いわば一過性のものに終わらないために、市全体としての取組方針を確定するために、それに沿った条例づくりも同時に行うことで、こういったまちづくりについて行政のみならず、事業者、住民、みんなが一緒になってやるということを明らかにする手続きを講ずるという中で具体化していこうと思っています。条例などは理念型でやるかね、具体的な措置を書くか、様々な種類ありますけれども、そういったことも含めて、どういう形でそういうものを規定することが広島のまちづくりについてふさわしいものかという議論を始めるということも今回やっていくと、そんなものになっていると思います。

 

市政記者クラブからの代表質問■

【平和記念式典への招待国について】

記者

 今年の平和記念式典の概要が発表されました。昨年に続き、ロシアとベラルーシ首脳を招待しない方針について、改めて市長の御見解をお聞かせください。

 

市長

 本市としては、為政者そして、その代理の方を平和記念式典に招待するといったことをやってきておりますが、これは被爆の実相に、特に為政者に直接触れていただいて、ひとたび核兵器を使用した場合の結末を真に考えていただく、理解していただく、そういう絶好の機会を提供するんだという考え方でやってきております。で、ロシア、ベラルーシへの式典の招待につきましては、昨年は、日本国政府と協議した中で、今のような状況の中で、ロシア大統領、駐日のロシア大使、さらには駐日ベラルーシ大使を式典に招待することいったことをやること自体が、出席の有無、するかしないかといったこと以前に、ロシアによるウクライナ侵攻に対する日本としての姿勢について誤解を招いたりするということがあれば、式典の円滑な挙行に影響を及ぼす可能性があるからといったことで、招待を差し控えたということでありました。そして、今年も状況は変わっていないと、つまり、ウクライナの侵攻が続いているということから、両国への式典の案内状を発出することは見送ることにいたしました。さりながら、元々各国の指導者は広島に来てくださいと促しをすることは、最初に申し上げたようなのが元々の意図でありまして、とても重要なことであります。いろいろな立場を超えて、この実相を見ていただくということが重要なわけでありまして、この点は、先ほど申し上げた、G7の広島サミットの発出された首脳宣言ビジョンの中でも言及されておりまして、自分たちは広島に来て、その他の為政者もぜひ広島・長崎にと言っていただいているもんですので、呼ぶことそのものをやめるというわけではなくて、そういった気持ちはずっと持ち続けておるんですけれども、現下の状況が変わってないということで、招待状を見送るもんですから、いずれは、広島に来てくださいと、そういった意思はあるということでありますので、去年の事例に鑑みまして、今後は広島に来ていただく気持ちはあるんだよというそういった気持ちを事務的には両大使館にお伝えするということをやったところであります。

 

記者

 事務的に大使館にすでに対応されたということですかね。具体的にはどういった対応されたんでしょうか。

 

市長

 対応というか、今申し上げたことをルール、お手紙を書いて、去年なんかは大使もわざわざ来られて、何で呼ばないんだというようなことを言われたんで、言われてから理由を言うんじゃ失礼だなと思って、事務的に事前に理由を申し上げて。理由のポイントは、広島というのは被爆地の責務としてひとたび核兵器を使用したらどういう結末になるかというのを真に理解していただきたいと、そして核兵器なくすこと以外に根本的な解決は見いだせないということを強く認識していただくために、おたくの大統領と代理に大使を招きたいと考えておるんですけれども、今年もウクライナ侵攻が続いておりまして、貴国に対する日本の姿勢についての誤解などが出て、式典への影響がありうるということがありますので、招待状の発出は見送らざるを得ないと思っていますと、つきましては、近い将来、貴諸国が広島を訪問して、(広島平和記念)資料館の視察とか、被爆体験者の証言、教訓によってこの被爆の実相に直接触れていただきたく、そういった日が来ることを切望しておりますと、今は控えていますけれども、本当は来て欲しいんですといったことを事務的にはお伝えをいたしまして、誤解のないように手続きを自分としてはしたつもりであります。

 

記者

 それに対する御返信とか反応ってありましたでしょうか。

 

市長

 まだないです。送ったばっかりですからありません。

 

記者

 重ねて申し訳ないんですけれども、とはいえ、こういう状況下だからこそ、被爆地として、迎える広島というふうなところで、ずっとうたってきた被爆地として、対話の場を設けるっていうのを広島の役割じゃないかという声も市民の方から被爆者の方からもあるのですが、そういうふうな声には市長としてはどう応えていかれますでしょうか。

 

市長

 今、答えたつもりですけれども。聞いていただけましたか答えを。聞いた上での質問ですか。

 

記者

 その上での質問で、重ねての質問なんですけれども。

 

市長

 重ねての答え、今のとおりです。聞いてくださいよ。人の答えを。聞いた上での質問ですか。

 

記者

 ええ。その上での、日本政府との協議した上で…。

 

市長

 協議はしていません今度は。去年しましたということ申し上げました。

 

記者

 今年は、もう全然、協議はしていない中で。

 

市長

 今、文面読み上げたとおりでありまして、思いを伝えましたと。

 

記者

 その中で今回は、広島市独自として判断なさったということなんですね。

 

市長

 そうです。

 

記者

 だからこそ、被爆地としてみたいなふうな声もあるんですが、ただ、やっぱり、今の市政としては、先ほどの市長のお答えに尽きるということなんですね。

 

市長

 尽きるというか、それ以上でも以下でもありません。

 

記者

 1点確認なのですが、去年は、そのようなお手紙、事務的なお手紙は出されていない、

 全くアプローチをしていなくて、今年はそういう被爆者の声とかもあるので、広島市の対応として、近い将来、ぜひ来ていただきたいという思いを伝えたと、そういう認識でよろしいでしょうか。

 

市長

 先ほど言いましたように、何もせずに判断して招待状を出さなかったから、ガルージン大使が来て、何で呼ばないんだというような趣旨のこともされたから、なぜというのを事後的にオープンにしなきゃいけないみたいな状況になりましたので、去年考えたことと同じ状況だというふうに判断したので招待致しませんと。しかし、元々は来ていただきたいということを思っていますけれども、今の事態がある程度収まるということを早くやっていただきたいという気持ちを込めて。一方で戦争をしながら平和を祈るということを本当にやっていただけるかというふうに思いますし、実際、首脳については手続き的に考えて、日本に呼んだとしても日本政府がビザを出すか出さないかありますよね。そうすると、市は言ったけどビザはどうなるんだとかといった問題もあるんじゃないかと、去年のやり取りで思ったわけでありますね。大使は国内におられますから来られますけれども、ただ大使も、そうすると、元々大統領とか首脳の判断を仰いで見えますでしょう。そうしたときに、この式典に来ての対応をどうされるかというふうなことを、去年のガルージン大使の対応を見て分かりましたので、きちっと最初に言った方がいいだろうというふうに思ったわけであります。

 

記者

 手紙出されたのはいつかっていうのは担当課に聞いた方が。

 

市長

 つい先日であります。

 

記者

 つい先日、確認します。すいません、ありがとうございます。

 

その他の質問■

【NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議について】

記者

 NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議の第1回準備委員会への出席が発表になりましたが、市長の出席を決めた経緯や、今回の出席への思いをお聞かせいただけないでしょうか。

 

市長

 これは先ほど言った中にもあるんですけれども、5年ごとに開かれる中で、決議は問わないと。つまり、様々な合意・意見をしたとしても、その議論が一定の成果に結びつかないというようなことがありますので、今度はぜひ、確認するための文書作成っていうのは、やっていただきたいという思いでやっていますし、そして、足がかりとしては、今度の核保有国、アメリカ、それからイギリス・フランス、そして広島で、このビジョンというか首脳宣言をしたわけですね。そんな中で、今までの核軍縮の方向性を逆戻りさせないということまで公に言っているわけですね。であれば、それを実施するためにもNPTできちっとした対応をすべきだと、こう申し上げたいと思いますね。インドは、この中に入っていませんから、核を持っていますけれども。この核兵器を持っている国が、この広島でそういったことを言ったんであれば、そのことを実行する会合としてやってもらいたい。そういう意味で、そういったことを主張できる足がかりができたかなということを思い、それを訴えたいというふうに思っています。

 

【マイナンバーについて】

記者

 全国どこの自治体もそうだと思うんですけれども、例のマイナンバーの問題で、誤登録とか、家族口座の問題も出ていますけれども、ほとんどデジ庁(デジタル庁)が直轄でやったような事業で、設置設計とか、今、問題点を指摘されていますけれども、恐らくその窓口であった自治体にもクレームが来ているというふうに思うんですが、主体としては、デジ庁があくまでもやっているわけで、対応ができないという部分もおありになろうかと思います。この点で、今後の対応について何か要望なり、お考えのことがあったら教えていただけますでしょうか。

 

市長

 我が市は、まだ具体的にそういった問題というのは聞いていないけれども。

 

市職員

 本市はそういったトラブルがございませんので、今の状態で国に対して物を申すとか、そういったことはございません。よろしいですか。

 

市長

 行政としては今言ったことですけれども、私自身の思いとすれば、行動的にその手続き、今度8割近い方々が持てるようになったから、人口の大半ということで一定の成果は出ていますけれども、ただ、その目的を設定したときに後ろに向けていろいろな手続きを一気に進めるといったときに、自然体でいろいろなものが進むというときであれば手続きを進めて、その手続きの問題をチェックして、加工してさらに一歩ということを、通常行政手続きはやるんですけれども、多分その部分が十分にされることなくPDCA(サイクル)というか、サイクルの部分を閉ざして重ねてやって、その前段のところの手続きが十分にいっていなかったところが、のちのちいろいろな影響を起こしていると、こう思うんですね。

 実際、そのカードを使ってのやり取りの中で、行政としてポジティブな行政展開をするために、あなたのところの口座などを使っていただくと積極的な支給とかっていうことをやるときのお財布の管理もとなったときに、受け手が当該者に限らなければいけないんですよということを、きっちり言っておったかどうかとなれば必ずしもそうではなくて。とにかくカードを交付するためということを主眼において、それにも利用できると。そうすると、受け手からすると今までの生活対応の中でお年を召した方がおれば、そうやっているけど管理は自分がやっているんだから、実際の受け手は自分の方が通帳を管理しているし、実際どこにやっているか分からないところにしておくのであれば、ここのところは自分の口座を書いておいた方が自分達の取り扱いとしては便利だろうと思ったとして、そこのところは本当にいいんですかという確認作業とかを多分やられていないと思うんですね。そして、やった途端に、実際の振り込みとかが起こったときに、違うというのが出てきてということがいわゆる延滞して分かったもんですから、「これは」ということになっていると。そういう意味で期限を設定して、いろいろな手続きを設定するときに、1回組んで施行して、問題があるかどうかという、その手続きを十分やらないで来ているかなというような気がしていますので、幸い今言ったように広島市は起こっていませんので、それをうまくやっていただくということを個人的に、あえていえば、新規手続きをやるときの丁寧な導入方法が求められているんじゃないかなというふうに思いますね。

※(  )は注釈を加えたものです。

令和5年度6月補正予算(案)について

令和5年度6月補正予算の概要 [PDFファイル/77KB]

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