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2023年5月16日記者会見「G7首脳が被爆の実相に触れる意義について外6件」
動画は下記からご覧ください。
(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>)
日時 令和5年(2023年)5月16日(火)午後1時15分~午後1時52分
場所 市役所本庁舎11階第1会議室
■市政記者クラブからの代表質問■
【G7首脳が被爆の実相に触れる意義について】
記者
開幕まで残り3日となりました。初日の19日にG7参加国の首脳による資料館(広島平和記念資料館)の見学や被爆者との交流が予定されています。核保有国を含む各国の首脳が被爆地である広島に集い、被爆の実相に触れる意義について、改めて市長のお考えをお聞かせください。
市長
資料館の視察や被爆証言などを通して、各国の為政者には、核兵器が使用されれば、まちは灰燼に帰し、罪のない市民の命が無差別に奪われるだけでなく、生き残った人々も長年にわたって後障害で苦しむという非人道的な結末を迎えるなど、被爆の実相に理解を深めていただけるのではないかと思っています。
また、被爆者の証言を通して、これほど悲惨な体験をしたにも関わらず、加害者への憎しみを乗り越えて人類の未来をも見据えた被爆者の切実な思い、すなわち「こんな思いを二度と誰にもさせてはならない」と。こういった思いですけれども、これを受け止めていただけるものと思います。
そうするならば、必ずや、為政者の方々も自分達の究極の責務、つまり、国民の生命や財産を守るということ。この責務を果たすためには、核兵器をなくす以外に根本的な解決は見いだせないということを認識していただけると考えておりまして、そのことが被爆地で初めてG7が開催される最も重要な意義であると考えています。
【大韓民国大統領の平和記念公園訪問について】
記者
今回、韓国の大統領が初めて平和記念公園を訪れられて、岸田首相と共に韓国人原爆犠牲者慰霊碑を追悼すると先般発表されました。被爆地の市長としての受け止めをお聞かせください。
市長
今回、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大韓民国の大統領が、いわゆる現職の大統領として平和記念公園を訪問されるということも、今回、初めての出来事でありますけれども、このことは、本市が推進してきております「迎える平和」といった考え方に沿うものであり、心よりまず歓迎したいと思います。
また、尹(ユン)大統領の広島訪問というのは、日韓両国の間における不幸な歴史というものを乗り越えて、未来志向で両国の関係を発展させていくといった観点から考えたときに非常に意義深いものになるというふうにも考えています。
そういう意味では、尹(ユン)大統領には、韓国人の原爆犠牲者慰霊碑、この参拝をしていただくことを通じて、国籍あるいは民族といったものの区別なく、多くの人々の命を奪ってしまったこの原爆の非人道性といったこととともに、美しいまちに発展した広島が象徴する「平和の尊さ」といったようなことも併せてぜひとも実感していただいて、核兵器廃絶を願うヒロシマの心というものを共有していただく絶好の機会にしていただければというふうに思います。
その上で、尹(ユン)大統領には、両国間の長くそしてより良い関係を築き上げていくためにも、もうひとつ平和首長会議、このメンバー都市の拡大ということに御支援していただければありがたいなというふうに思っています。
【ガンディー胸像の河岸緑地への設置について】
記者
もう一点、アウトリーチ国に関連しまして、インド政府の方から、(広島)市に(マハトマ)ガンディーの胸像が寄贈されましたが、平和文化を振興する市の立場と、このガンディーの理念が一致するということで受け入れを決められましたけれども、市長の所感をお聞かせください。
市長
確かに、マハトマ・ガンディーさんの胸像に関しましては、実は今年の4月の段階でG7広島サミットのアウトリーチ国として来ることになるんだというふうな話を前提に、インドの駐日特命全権大使の方から、実は申し出があったんです。まだ参加国も決まってないはずなのにと思いながら、でも、えらい自信を持ってくるから、寄贈するというこういう話だったんです。それじゃあ、その話をお聞きしましょうということで事務的な話し合いを始めたんですけれども、一方で、このマハトマ・ガンディーさん個人の話ですからね、そのこと自体は気に留めていなかったんですけれども、もうひとつ、インドが元々核保有国であって、そして、NPT(核兵器不拡散条約)あるいは、CTBT(包括的核実験禁止条約)に参加していないし、というふうな状況の中で、核実験なんかもやっているというようなそういった国柄でありますので、これまでのインド政府に対する広島市の要請内容とかお話ししてまいりました。そういった視点から、本市としては、同大使に、この度のモディ首相の本市訪問ということを機に、全ての核保有国にとっていただきたいこと、あるいは、とるべき行動というのは、核兵器のない世界を単に夢物語にするのではなくて、実現に向けて一歩踏み出すということだと考えていること、そのことをしっかりとまず受け止めくださいというふうなことを申し上げ、そして、そのためにも、そういったことを考えていただくためにも、直接被爆の実相に触れる、あるいは被爆者の声に耳を傾けていただくと、そして、おのずと核兵器のもたらすリスクが高まっている現状に歯止めをかける必要性っていうものを感じていただいたら、ここ被爆地から世界に向けて確固たる決意を込めたメッセージを発信していただける。そんな対応をお願いすることになりました、ということを伝えまして、大使が、そういった話をちゃんとモディ首相に伝えますと、こういう話をされるというので、それならば、事務手続きをやりましょうとこういう話をしてきた中であります。今言ったことを前提に改めて申し上げると、ガンディーというのは、非暴力の哲学と実践の先駆者ということ、それから、これは向こうからも説明があったんですけれども、国連では、彼の誕生日10月2日を「国際非暴力デー」とするといったこと、その活動そのものは世界的にも評価されているし、本市が力を入れている「平和文化」ある意味で、「あらゆる暴力を否定する文化」という言い方もできるんですけれども、その振興に役立つということでありますので、ガンディーの理念とか活動、一致している点がございますので、ガンディー個人の功績を称えて同胸像を受け取ります。こんな話をしてきているところであります。あと、このG7サミット、広島開催ということを契機に、こういった銅像設置になるわけでありますので、このことは、国際平和文化都市を掲げた本市にとって意義のあることだという捉え方をしていますし、ある意味で、いろいろな意味で未来志向で物事を考えるという視点に立てば、インドとの友好親善、あるいは交流発展、そういった契機にもなるかなと思っています。なお、この寄贈いただいて設置するための作業に取りかかっているようですけれども、除幕式とか、いろいろな儀式等、こんなものについての取り扱いは、日程も含めて現在大使館の方で検討していただいているとそんな状況になります。
【G7広島サミット期間中の市民生活への影響について】
記者
期間中は都心を中心的に大規模な交通規制が敷かれ、市民生活や企業活動に大きな影響が及ぶことが想定されます。改めて、市民や企業に対する協力の呼びかけをお願いします。
市長
今回開かれる広島G7サミット、G7の各国あるいは、アウトリーチ国の首脳など多数の要人の方々が、持続可能な国際社会の実現に向けた重要課題についての議論をしていただくというだけではなく、被爆の実相に直接触れていただく、あるいは広島の魅力も併せて体験していただくといった、我々が開催にあたって要望してきたという、いろいろな行事とか等々もこなしていただく、それをぜひ実現していただきたいというふうに願っている。そういった会議になっています。そうした中にありながら、実は開催の日程、非常に限られているということでありまして、その限られた日程の中で政府としてやること、それから、地元もお願いしていくことと、多くのことをやっていただく、それを円滑に進めていくという必要が当然生じてまいります。その際、そういったそれぞれの行事、出来事は、会場が別だったり、施設が離れているとかいうことで、別々のところでやらざるを得ない、そんな状況にありますので、それぞれの会場施設間を安全かつスムーズに移動するか、あるいはできるかどうかということが会議日程上、極めて重要な課題になってきているというふうに思っております。そして、今申し上げたことがちゃんと実現するためには、今申し上げた課題をこなす必要があります。したがって、このサミット期間中、ロジスティックというか、そういう準備作業をしっかり受け止める立場からすれば、あえて、問題を固化すると円滑な移動が行えるような段取りをきちんとすること、そのために、市内における開催当日における規制を優先して会議のための行動を優先するという措置を講ぜざるを得ないという状況にあることをぜひ御理解いただきたいと思います。その結果として、多くの市民の皆さんの日常生活とか企業活動、御不便をおかけするということになりましょう、差し障りが生じたりすることになるんですけれども、どうか、今申し上げた広島の地で開催されるサミットの円滑な実施、そして、これが成功裏に終えるようにという、この目標達成に向けて、市民の皆さんの御理解、御協力をよろしくお願いしたいというふうに思っております。
【G7広島サミットに係る記念碑の設置について】
記者
G7首脳らの「平和へのメッセージ」を記念碑にし、比治山公園に設置する計画について、市長のお考えをお聞かせください。比治山公園では「平和の丘」構想を掲げ、再整備が進められています。G7広島サミット後には、訪日客の増加が期待されていますが、改めて同公園をどのような場所にしていきたかというお考えでしょうかお聞かせください。
市長
実は、「平和へのメッセージ」を記念碑にするという取組に関しましては、比治山公園にこれを置くという中身まで踏み込んだ計画になっているんですけれども、この計画そのものは、実は、平成27年7月に策定いたしました「比治山公園『平和の丘』構想」の中で述べているものでありまして、これに基づいて実行するという大きな枠組み、すなわち比治山公園を「平和の丘」にしていく基本計画の中で記述しています。具体的には、第Ⅱ期目の整備事業ということで位置付けて取り組むことにしてきたものでありまして、そんな中で、国際ロータリークラブ第2710地区から、本市への申出がありました。その申出は、今言ったメッセージ(の碑)作製に当たって、そのメッセージを選定するという作業があるんだけれども、その選定作業をやる中で特に注文がありまして、G7サミットで来広される各国首脳のメッセージを最優先で取り込んではどうかというお話がありました。それで、それに従って対処した方がいいかなということで、本市といたしましては、国に対してG7の首脳に広島平和記念資料館の視察と併せて、平和のメッセージを発信していただくように要望しておりまして、こうしたことが実現すれば非常に意義深いものになるんじゃないかなというふうに思っております。次に効果等になりますけれども、G7広島サミットを機に、広島への訪日客が増加するだろうということは予測されるんですけれども、そういった中で、より多くの方々が比治山公園を訪れて、あの高台から平和大通りを見通してその先に平和(記念)公園があると、こういったことを実感していただく、そういう意味で平和への姿を目にしていただく。あるいは、美術館もありますのでね、芸術文化に親しんでいただくということをする中で、国籍とか人種にとらわれることなく、いろいろな違いを乗り越えた交流の場にもしていきたいと考えておりまして、そういう意味では平和への思いを共有できる場というものを目指す絶好のチャンスかなというふうにも思っているところであります。その上で、今はⅢ期の整備というものに作業をシフトしておりまして、その総仕上げとして放影研(放射線影響研究所)の移転・整備というものが課題になっていますけれども、これをやる中で「比治山公園『平和の丘』構想」の実現という取組を加速できたらなというふうに思っています。
【「平和文化の振興」について】
記者
この度、市が取り組む「平和文化の振興」の英語版の冊子を作成されましたが、G7広島サミット開催前に作られた狙いや意義について教えてください。お願いします。
市長
本市は、平和首長会議加盟都市と一緒になって、平和文化を世界中に広めて、各国の為政者が、平和を願う市民社会の総意に基づいて国際政治を司り、武力によることなく平和を維持する理想を追求できる環境づくり、こういったものに貢献したいというふうに考えています。このために、ここで申し上げた平和文化、これは一体どんなものなんだと、その概念、あるいはこれを振興することの意義、そして、都市の役割など十分理解を深めていただいて、この環境づくりをしっかり進めたいというふうに考えておりました。そういう意味で、ベースとなる理解を広く国内外の方々にしてもらえるためにという意味合いを込めて、実は、まず日本語版で、この「平和文化の振興」という冊子を作成いたしました。今年の2月に完成いたしました。その上で、こういった日本語での情報を、中身は世界に広く行き渡らせたいと思っておりますので、海外からの多くの方々、要人やメディアも当然含めてですけれども、そういった方々に知っていただくということもいるなということで、少なくとも英語版はまず用意しようというふうにやっている中で、このG7広島サミットやってまいりましたので、後ろを区切って、早くこれに間に合うようにと、絶好の機会になるだろうと、これで皆さんから評価を受ければもっともっと使い勝手がよくなるんじゃないかということで、英語版をサミットに間に合うように作成したというのが実情であります。この英語冊子版、先日来、事前の予行演習というようなことも兼ねて、私が面会する海外の為政者を含む要人の方々に直接お渡しして、一応自分の思いを込めていることは説明し、理解していただけるような対応をしてきているところでありまして、G7広島サミットの開催期間中には、メディア関係者のいわゆる拠点となります、国際メディアセンターにまず設置いたしますし、海外の記者の方々を通じて、「平和文化の振興」ということを掲げております本市の取組を発信していただけるとありがたいなというふうに思っているところであります。
記者
「平和文化の振興」に関連しまして、市長のお考えとか市の取組は、市民社会に平和文化を根付かせることで、為政者の政策転換を促していこうという目標だと思うんですけど、現状、国際社会では国家間の議論で核抑止論というのが非常に高まっていまして、今回のサミットでもこうした核の抑止(力)を肯定する形での議論が進む可能性もあるかと思われます。市長が目指される理想と逆行する形で議論が進んでしまう懸念もあるんですけれど、このサミットを機に、こうした危機的状況、国際世論の風潮というのはどのように打開していこうとお考えでしょうか。
市長
打開というか、我が市としてどういった方向で取り組むかという御説明に尽きるんですけれども、私自身は二正面作戦というと大げさですけどね、実際に世界の政治状況をコントロールする為政者そのものに対するアピールと、為政者がこのアピールを受け止めていただけるような環境づくりを市民社会に向けてやると。つまり、国家に向けてやる、あるいは為政者に向けてやるいろいろな考え方の伝達作業と、それから、市民社会に向けてできるかぎりのことはやりつつ伝達すると、この二方面を考えています。これは以前から言っているんですけれども、広島市長としては、都市、この市に住む住民、そういう意味では首長、国家の、世界の中の基礎自治体の長ということを強く意識して、市民の方々にこういうふうにしようじゃないかと、これは必ず平和に向けてプラスになる環境づくりになるんだからと、そういう思いを込め、かつ、それについて被爆者の思いをしっかり受け止めてということでありますね。平和宣言などは、そういった意味で主に市民、市民社会というものに向けて分かっていただくような対応をし続けていくということ。そしてもうひとつは為政者に向けてというものは、我が都市だけではなくて世界中の都市、同じような役割を持っている都市が、同じように異口同音に考えていますということを示して、環境づくりを国境を越えて促進したいという思いで平和首長会議、首長会議の立場で主に為政者向き、国際機関向き、そういったことを各都市こういうことやっているんで理解して進めてくださいというストーリーを前提にいろいろ物申しています。今回も平和首長会議として、G7(広島)サミット開催に向けて、こういった対応が望まれるといいますね、各都市、世界中の都市がこう考えていますよというメッセージを発信するということをやってまいりました。今後もこういった役割というか考え方を貫きながら出来るかぎりのことをやり続けるというのが、今のところの基本方針であります。
記者
サミットの期間中は、国内外のプレスが被爆地に集まる形になるんですけど、市の「平和文化の振興」の取組を市長自らアピールされるような場面とか機会というのはございますでしょうか。
市長
なかなかなさそうなんですけれども、少なくともインターナショナルメディアセンター(IMC)とか、あそこには、ですから「平和(文化)の振興」の小冊子を置かせていただいて、皆さん入手してくださいといったようなことを。ひと言では済まないですからね、全体の話はうまく整理して書き込んであるので、ぜひ一読していただきたいというふうに思いますし、各国要人にいろいろなものを渡すってなかなかプロトコルがあったりして、直接できないので苦労していますけれども、こういったものもなんらかの形で届かないかというようなことは今、工夫はしております。いずれにしても、この思いが伝えられる、あるいはそういった考えを伝えるチャンスがあれば可能なかぎりチャレンジして、今申し上げたことを枠組みと共に内容も皆さんに広く御理解していただくようにしていきたいというふうに思っています。
記者
今の質問に少し重なる部分もあるんですけれども、この前の外相会合のコミュニケの中では、「我々の安全保障政策は、核兵器のそれが存在するかぎりにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、ならびに戦争および威圧を防止すべきとの理解に基づいている」という文言が入りました。明確に抑止という言葉が入っているわけなんですけれども、今、市長がおっしゃった二正面作戦、基本方針を続けていかれるのはもちろんだと思いますが、現実にこういった文言がすでに入っていることについての率直なお気持ちをお聞かせください。
市長
率直な気持ちは、現実政治を重視する方々で、かつウクライナ侵攻、ロシアによるウクライナ侵攻もあるけれども、ある意味でロシアの為政者の方が、まだまだ合理的な、あるいは理性を持った判断をしていただける方だということを、多分信じたいんだと思うんですね。そうしないと核抑止力、あるいは核抑止論というものは成り立ちません。核兵器のボタンをコントロールできる為政者がきちっとした判断ができる方であって初めて、その核抑止力は成り立ちます。さらには、技術的にもそれを管理するシステムが構築されておることと、様々な要因が重ならないとというか、十分な条件を満たさないと抑止力は成立しないんですね。でも、そのいずれについても疑義、疑問符がいっぱいつくような状況の中であります。ですから、我々がそういった疑問符がたくさんつく、そのことを前提にするならば、最終的に自分たちの為政者の責務、国民の生命・財産を守るためには、そういった疑問符のつく実態を、抑止力についての議論の欠陥といいますか、問題をしっかり考えていただく。そのために被爆の実相を見る、被爆者の言葉を聞くということをやっていただきたいということをやり続けているわけでありまして、この被爆の実相というものは、まだまだ為政者に十分理解されていないというふうにまずは捉えたいというふうに思っております。引き続き、今申し上げた考え方でお話をするし、可能なかぎり迎える平和ということを通じて、多くの為政者に広島を訪れ、原爆を使うとどうなるかということを間近に見ていただきたいんですね。頭の中だけで考えるんじゃなくて、まずは見てくださいと。見れば必ずですね、考え方、覚醒させられるというふうに信じています。
【G7首脳が被爆の実相に触れる意義について】
記者
最初の質問に戻るんですけれども、広島に集う意義ですけれども、具体的に市長はこのくらいの時間をかけてこんなことを見てほしいとか、被爆者の声はこんなふうに聞いてほしいとか、ちょっと具体的な思いを3日前ということもありますので、言いづらいところもあるかもしれませんが、市長の思いをお聞かせください。
市長
言うことそのものは、意向は差し支えないんですけれども、先ほど申し上げた市民の方々に交通規制で我慢していただきたいということとも似通ったところがあるんですけれども、具体的にどういった中身になるかですね、会議のサブスタンスを決める議長国である日本と、それから参加される各国の代表のやり取りの中で、テーマ設定、時間配分、具体的な決まりありますよね。ですけど、それをやる項目は、これは必ずということをお願いしていて、それぞれに割ける時間等も会議日程等でなかなか流動的で、最後の最後まで説明できないと、我々に言えないとこういう状況が続いています。ですから、少なくとも今までケリー(元米国務長官)さん、実際に見られたあとに、特に、(米)大統領だったオバマさんが被爆の実相に触れるという機会を作っていただきましたけれども、皆さん多分、異口同音に思っているんだけれども、決して十分な時間ではなかったというふうに思いますのでね。それよりかは、今、中でもっと長くまず見ていただくということがあっていいんじゃないかと思いますし、そういった見るプロセスの中で被爆者のその気持ちなり考え方が併せて聞けるような状況設定を何とかお願いしたいと。ですから、より長くより親密な関係で被爆の実相に触れられる状況設定をお願いしたいというふうに思っています。
今ざっと見るかぎり、この間、平和(記念)公園を(岸田)総理と一緒に歩いて参拝するというようなリハーサル的なことをやりましたけれどもね、その中で皆さん来ていただいて、G7の皆さんぞろぞろというか一緒になって歩いていただくという状況設定ができているなと分かったので、その時間帯を、なるべくいろいろな会議もありましょうけれども、時間をたくさんとっていただければなというようなことを話したか、そういう気持ちを込めて、総理と確認作業をしたというところまでは言います。具体的にこうというのは、ちょっと堪忍していただきたいと思いますね。今申し上げたように、今までよりかはより長く、今までよりかはより緊密に、被爆者の方と対話できるという、お話ができる時間帯を設定していただきたいというふうに思っています。
【G7広島サミット期間中のデモ活動について】
記者
今回も、核反対する団体がデモをするというようにチラシ等で言っておるんですけれども、市長におかれましては原爆の日、平和記念式典では静寂を守ってほしいと。8時15分特にですね、という思いをずっと言ってこられて条例も制定されて、85デシベル以下ですか、というようにしてくれと条例があるんですけれども、今回サミットなので、その条例は当てはまらないのかなとは思うんですけれども、市長の方から今回も原爆の日、平和記念式典同様にサミット、各国首脳が平和公園を訪れる、アウトリーチ国の方が平和公園を訪れるときは静寂を守ってほしいというメッセージがあるのかなと思いまして、ちょっと質問させていただきました。
市長
今言われた気持ちは十分にありますが、ある意味で立場ということだけで申し上げると、平和記念式典は広島市が主催して行う行事でありますから、それについての目的意識なり目標があり、多くの方の賛同していただけるものにということを主体的に関係者にお願いするということができる性格のものだということで、今のお話の中にあったように様々な手続きを講じています。今度のサミットに関しては広島のまちというのを、場所をある意味でお貸しするというかね。そこの会議の中身は国対国のいわば会議設定、これをうまく行っていただくための最小限といいますか、最大限のお手伝いをするという中でやってきておりまして。国の方とすれば、今言われた会議を円滑にする上で、我々市に頼めることはすべからく御依頼いただいて。それ以外の、なかなかコントロール不能なところは今言ったような活動については当然、思想・信条の自由というようなことも配慮されながらも、会場をクローズのままにして設営などについて国の責任において、例えばプレートといいますかね、立ててずっと囲い込みをされていますよね。ですから、会議が妨害されないようにということを最大限配慮されてやっているというふうに思っています。ですから、これについては役割分担を明確にしながら、我々として、この会議成功に必要な手続きを最大限やらせていただくということに尽きると思います。
※( )は注釈を加えたものです。