令和7年第7回教育委員会議(4月定例会)議事録
令和7年第7回 広島市教育委員会議議事録
令和7年4月22日(火曜日)、令和7年第7回広島市教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。
1 開会及び閉会に関する事項
- 開会 午後1時30分
- 閉会 午後2時35分
2 教育長及び委員の出席者
教育長 松井 勝憲
委員 秋田 智佳子
委員 伊藤 圭子
委員 西 敦子
委員 一橋 信之
委員 砂橋 昌義
3 事務局等の出席者
- 教育次長 木村 滋宏
- 総務部長 中川 治昭
- 学校教育部長 宅見 雄二
- 指導担当部長 星野 和敏
- 教育センター所長 森田 健嗣
- 教職員課長 高田 尚志
- 教職員課服務・健康管理担当課長 中田 晋介
- 特別支援教育課長 堀川 淳子
- 生徒指導課いじめ対策推進担当課長 伊藤 謙一
- 市民局文化振興課長 尾高 直浩
- 市民局文化振興課広島城活性化担当課長 深野 智司
4 傍聴者等
1人
5 議事日程
議題1 博物館に相当する施設の指定の取消しについて(議案)
議題2 広島市におけるいじめ防止対策等の主な取組について(報告)
議題3 訴訟について(報告)【非公開】
議題4 教職員の人事について(議案)【非公開】
6 議事の大要
松井教育長
ただ今から、令和7年第7回広島市教育委員会議定例会を開会いたします。
本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただいて、静粛に傍聴していただきますようお願いいたします。
本日の議事録署名者は、西委員と一橋委員にお願いいたします。
これから日程に入ります。本日の議題は、お手元の議事日程のとおりです。なお、本日審議予定の議題3につきましては、広島市教育委員会会議規則第5条第1項第7号「訴訟及び審査請求等に関すること」に該当し、議題4につきましては、同項第4号「事務局及び教育機関の職員の分限及び懲戒に関すること」に該当することから会議を非公開としたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。
(異議なし)
異議なしと認め、議題3及び議題4につきましては非公開として審議することに決定いたしました。それでは、議題に入らせていただきます。発言者は簡潔明瞭に、全員に聞こえる声で発言をお願いいたします。
まず、議題1「博物館に相当する施設の指定の取消しについて」を議題といたします。
本件は審議案件です。議案第20号「博物館に相当する施設の指定の取消しについて」、市民局文化振興課長から説明をお願いいたします。
市民局文化振興課長
それでは、議題1「博物館に相当する施設の指定の取消しについて」、着席にて御説明いたします。
資料の2ページをお開きください。1、議案の要旨です。博物館に相当する施設「広島城」の設置者である広島市より、令和7年3月28日付けで博物館廃止届の提出がありました。当該届出は、令和8年3月23日に同施設を閉館することに伴う博物館廃止の届出であり、法第31条第2項及び同法施行規則第27条第1号に基づき、博物館相当施設の指定を取り消すものです。
内容を少し補足させていただきますと、広島城につきましては、同施設が有する資料の収集、保管、展示等の機能を、広島城三の丸歴史館に今後移転することに鑑みまして、同施設を廃止することとしております。広島城条例の廃止につきましては、先日の令和7年第1回広島市議会定例会において議決されまして、廃止届の提出日である3月28日付けで公布されております。
2、対象施設につきましては、記載のとおりです。3、指定取消年月日は、廃止日と同じ令和8年3月23日です。参考としまして、3ページに博物館法等の根拠法令、続きまして4ページに広島城条例の公布文を添付しております。
説明は以上となります。御審議のほどよろしくお願いいたします。
松井教育長
ただ今の説明につきまして、御質問等がありましたらお願いいたします。
よろしいでしょうか。それでは、お諮りをいたします。議案第20号「博物館に相当する施設の指定の取消しについて」、原案どおり可決することに御異議ございませんか。
(異議なし)
異議なしと認め、本件は原案どおり可決することに決定いたしました。
続きまして、議題2「広島市におけるいじめ防止対策等の主な取組について」を議題といたします。
本件は報告案件です。内容について、生徒指導課いじめ対策推進担当課長から説明をお願いいたします。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
それでは、「広島市におけるいじめ防止対策等の主な取組について」、報告をさせていただきます。
資料の議題2を御覧ください。今回、資料の中で分かりにくい用語につきましては、10ページに説明をつけておりますので、必要に応じて参照しながら御覧いただければと思います。
それでは、資料の5ページを御覧ください。まず、1、令和6年度の成果と課題について説明いたします。令和6年度は、四つの柱に沿って取組を進めました。柱の一つ目、(1)支持的風土の醸成された学級づくりに係る取組の推進です。ア、教職員研修に関する取組では、令和4年3月に作成、配布した「支持的風土の醸成された学級づくりのためのハンドブック」と、令和5年度及び令和6年度に配布した別冊「学校実践編」、「学校実践編Ⅱ」の内容を、各学校の生徒指導主事や教育相談・支援主任を対象とする研修で扱いました。
また、各学校の生徒指導主事と教育相談・支援主任の共通理解を図り、「チーム学校」による生徒指導を一層推進していけるよう、個別に行っていた研修の一つを合同研修とし、各学校の課題や取組等について、生徒指導主事と教育相談・支援主任それぞれの立場で、意見交換を行う場を持ちました。
イ、学校等への周知に関する取組では、支持的風土の醸成された学級づくりに向けて、保護者や地域の理解や協力が不可欠であることから、いじめ問題対策連絡協議会で作成した啓発動画のURLを各校のホームページに掲載する等、活用を呼びかけました。内容につきましては、詳しい説明は割愛させていただきますが、別添資料丸1としてお配りしておりますので、またお時間がある時に御覧いただければと思います。
それでは、続けさせていただきます。年度末には、支持的風土の醸成された学級づくりに向けたハンドブックの別冊「学校実践編Ⅲ」を作成し、全小・中学校に周知しました。こちらも別添資料丸2としてお配りしています。この「学校実践編Ⅲ」では、学級、学校の支持的風土を醸成するために、各学校が実践している道徳教育と関連した取組や、「児童会・生徒会活動」についての好事例を掲載しています。
それでは、小学校と中学校の取組を一つずつ御紹介しますので、まず「学校実践編Ⅲ」の5ページをお開きください。五日市南中学校の取組になります。「自尊感情・道徳性の醸成」を目標に掲げ、生徒が学級の仲間のよさをカードに記入し、共有する活動を続け、自身や学級のよさに気づき、認め合う機会を設定するなど、生徒が主体的に活動する中で支持的風土を醸成していく取組を実践しました。
次に、11ページをお開きください。久地南小学校の取組です。学校経営の重点に「思いやりの心の育成」と「保護者・地域との連携」を挙げ、年間を通じて児童一人一人に「おもいやり」について考えさせるとともに、児童、教職員、保護者、地域住民などが参加する音楽会を開催し、それぞれの代表者が「おもいやり」について発表する機会を設けるなど、地域と連携して「おもいやり」の心を育む取組を実践しました。
それでは、元の資料の5ページへお戻りください。ウ、児童生徒への指導についてです。ライフスキル教育では、学校の好事例を収集して、いじめ対策推進教諭の定期訪問や集中研修を通して周知しました。MLB教育は、全ての小・中・高等学校で実施することができました。また、小・中学校の指導案については、これまでの実践を踏まえて、児童生徒に提示する資料の追加やスクールカウンセラーの説明内容等の改訂を行いました。
6ページを御覧ください。エ、今後の課題として、いじめの被害を受けた児童生徒の中には、いじめ行為が止んだ後も心の回復ができずに休みがちになったり、転出したりする児童生徒も少なくないことから、より一層、支持的風土の醸成された学級づくりに係る取組の充実と、児童生徒の発達段階等の実態に応じたライフスキル教育の充実が必要であると考えています。また、MLB教育については、高等学校での全校実施後に、視覚支援のためのパワーポイント資料が増えたらよいとか、ロールプレイの場面設定は高校生の実情にもっと合ったものにした方がよいなどの意見が出されておりまして、これらの課題等を踏まえ、指導案を見直す必要があると考えています。
次に、柱の二つ目、(2)いじめの積極的な認知に向けた教育相談の充実です。ア、いじめの積極的な認知に向けて、アンケートの実施方法を工夫したり、アンケートと教育相談を組み合わせて計画的に実施したりするなど、いじめの積極的な認知に向けた各学校の好事例を、指導主事やいじめ対策推進教諭が学校訪問等を通じて収集・周知しました。
イ、相談しやすい環境づくりに向けて、集中研修や各学校における校内研修等により、教育相談に係る教員の資質向上を図り、多くの学校が、児童生徒全員を対象とした教育相談を複数回実施することができました。また、児童生徒が相談したい教員を選択できるようにしている学校や、校内に投書箱を設置し、悩みなどがある時にすぐに相談できるようにしている学校など、児童生徒が相談しやすい環境づくりを進めている学校もあります。
さらに、令和7年1月には、小・中学校等の児童生徒のタブレットのホーム画面に、24時間チャットで相談できる窓口につながるアイコンを追加しました。
ウ、今後の課題としては、児童生徒が相談しやすい環境づくりや人間関係づくりをさらに進めるため、引き続き、教育相談の充実に向けた各学校の工夫を収集・周知する必要があると考えています。
次に、柱の三つ目、(3)学年間・学校間の情報引継ぎの定着についてです。ア、情報引継ぎについて、引継ぎ資料を有効に活用している学校の事例を、いじめ対策推進教諭が全校を訪問して周知するとともに、引継ぎに係る留意点等を各園・校長会で周知しました。その結果、計画的に引継ぎシートを記入する時間を確保したり、年度替わりの引継ぎだけでなく日頃の教員間の会話から児童生徒の情報を共有したりする等、教員が計画的に引継ぎシートを作成することができるような工夫を、多くの学校が取り入れています。
イ、学校間の連携について、幼保小連携や小中連携では、年度末のみの連携ではなく、継続的にお互いの授業や活動を観察し、話し合うことで、こども理解を深めるだけでなく、園や学校におけるお互いの指導方法の理解が深まり、教職員がこども理解に必要な情報を共有しやすくなった事例がありました。
ウ、今後の課題としては、学校間の引継ぎ資料をすぐに活用できる保管の仕方や、教員が日常的に引継ぎ資料を活用できる仕組みづくり等について、引き続き、各校の工夫を収集・周知する必要があると考えています。
次に、柱の四つ目、(4)児童生徒による主体的ないじめ防止に向けた取組の充実についてです。
ア、各学校の取組について情報収集を行いました。先ほど御紹介した「学校実践編Ⅲ」にある取組が主なものになりますが、そのほかにも、小学校では、児童会が「いじめをなくし、みんなが仲良くする」ことを目的に「にこにこすごろく」を作成し、「クラスのいいところを10秒で言おう!言えた数だけ進もう」等、各学年の児童が考えたマスの内容を取り入れ、児童同士で遊び、交流を深めた事例がありました。7ページをご覧ください。中学校では、生徒会執行部が中心となって「いじめをなくすための授業」の指導案を作成し、各学級の代議員が授業を進行することで、各学級の生徒が主体的に授業に参加し、自己理解や他者理解を深めることにつながった事例がありました。
イ、「全国いじめ問題子供サミット」等への参加については、己斐中学校の生徒会代表の生徒2名が文部科学省主催のサミットに参加し、ポスターセッションを行いました。ここで発表した学校の取組については、先ほど御覧いただいた「学校実践編Ⅲ」の13ページに詳しい内容を載せていますが、四角囲いの中に簡単にまとめておりますので、御紹介いたします。
己斐中学校では、生徒会を中心に、学校のグランドデザインにある4K(気づく・考える・関わりあう・行動する)を達成し、いじめを防止することを目的として、生徒会執行部が17の行動目標とオリジナルのピクトグラムを作成し、全校生徒が一丸となって主体的にいじめ防止に取り組む4KGoalsの取組を進めており、一人一人の行動目標を決定し、年間を通して振り返りを行うことで、生徒自身の肯定的な変化に気づき、自己効力感を高めることにつなげています。
広島市PTA協議会主催の「いじめ防止プロジェクト『つなげる心』」では、中学生56名が参加し、チャットを活用したグループディスカッションを行い、いじめを防止するため自分たちにできることを考えました。参加した生徒からは、学校で主体的にいじめ防止の取組を進めたいといった感想が出されたと聞いております。
ウ、今後の課題としては、各学校の児童生徒による主体的ないじめ防止の取組をより充実させるため、引き続き各学校の好事例を収集・周知する必要があると考えています。
続きまして、2、令和7年度の取組の方向性についてです。令和7年度は、令和6年度と同様に四つの柱を立てて進めたいと考えていますので、一つずつ御説明いたします。
まず、(1)支持的風土の醸成された学級づくりに係る取組の推進についてです。今年度も引き続き、「支持的風土の醸成された学級づくり」に向けたハンドブックと別冊「学校実践編Ⅲ」までを、集中研修や各学校における校内研修等で活用したいと考えています。また、各学校の取組状況などについてさらに情報収集し、好事例については、令和8年度に向けてハンドブックの実践事例の中に加えていきたいと考えています。
ライフスキル教育については、各学校における取組の一層の推進を図るため、これまでに蓄積した実践事例を、いじめ対策推進教諭の定期訪問を通して周知するとともに、生徒指導主事を対象とした集中研修で講師を招いて、専門的な知識や理解を深められるように内容を工夫して実施したいと考えています。
MLB教育については、小・中学校において、改訂した指導案を活用した授業の実施を着実に推進することに加えて、高等学校での実施において一層充実した指導となるよう、指導案の改訂を行いたいと考えています。
次に、(2)いじめの積極的な認知に向けた教育相談の充実についてです。引き続き、教育相談の一層の充実に向けて、アンケートや教育相談により、いじめの積極的な認知の視点で、ICTを活用したアンケートの工夫や年間を通して計画的に教育相談を実施する工夫など、各校の実践事例をいじめ対策推進教諭等による訪問の際に収集し、好事例を研修等で周知したいと考えています。
また、「チーム学校」として組織的な教育相談体制の整備が進むよう、生徒指導主事と教育相談・支援主任を対象とする合同研修で、各学校の課題とその解決の手立てを考える機会を設けたいと考えています。
次に、(3)学年間・学校間の情報引継ぎの定着についてです。本市の園・学校における「切れ目のない情報引継ぎ」の一層の定着を図るため、令和6年度末に実施している幼稚園・保育園等から高等学校等までの情報引継ぎの実施状況を把握し、その成果と課題を踏まえて必要な改善を行うとともに、情報引継ぎに係る留意点等を各園・校長会で周知したいと考えています。
また、引継ぎ資料の活用についての充実を図るため、学校間の引継ぎだけではなく、校内における学年間や関係教職員間での引継ぎ資料の活用について、保管方法等も含めて好事例を収集・周知したいと考えています。
次に、(4)児童生徒による主体的ないじめ防止に向けた取組の充実についてです。文部科学省主催の「全国いじめ問題子供サミット」や広島市PTA協議会主催の「いじめ防止プロジェクト」への積極的な参加を検討するとともに、引き続き、各学校の児童会・生徒会の取組について情報収集し、好事例について周知を図りたいと考えています。
最後に、参考1として、いじめ防止対策に係る学校の取組状況をまとめたものを載せていますので、お時間があるときに御覧いただければと思います。説明は以上です。
松井教育長
ただ今の説明につきまして、御質問等がありましたらお願いいたします。
秋田委員
6ページに引継ぎシートという言葉が出てきますが、引継ぎシートは紙なのでしょうか、それとも、パソコン上の書式に入力しているデータですか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
基本的には紙で書いているものですが、学校によってはデータで保存しているところもありますので、そこは各学校が工夫をしているところです。
秋田委員
情報共有とか更新するとなると、データに加筆、訂正、追加等をしていくことができる方が生かしやすいと思います。紙だと、紙を一度PDFにして、それに書き込みをしていくのだと思いますけれど、それでは書き込みにくいので、その辺りを他の教育委員会などでいい例があれば参考にしていくべきではないかと思います。以前、学校のLANシステムがあると聞いたことがあるのですが、それを使えばデータ共有できると思うのですけど、その中に入れることできないのですか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
もちろん、学校のLANシステムの中にフォルダを作成して保存することはできます。校長会と協議をして、必要な引継ぎの内容をまとめて示したものを、教育委員会からデータで各学校に配っており、そのデータに学校が入力していく形を取っております。それ以外の周辺の情報については、担任がその場で手書きをしたようなものもありますので、それも併せて引継ぎを行っているという状況です。
秋田委員
やはり、現場の使い勝手とか、そういう意見が非常に重要だと思うので、現に使っている方の意見を聞いて、改善などしていくべきかと思います。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
はい。
秋田委員
また、8ページの一番上に「高等学校等までの情報引継ぎ」と書いてありますけれど、高等学校に連携が重要な生徒さんがいらっしゃる場合もあると思うので、学校のLANシステムに、先生が小・中学校の生徒さんの情報もアクセスできるようにすることも重要かと思うのですが、その辺りはまだこれからですか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
学校間の引継ぎについては、広島市立の学校同士であれば、そのLANシステムを使ってデータで送ることもできますので、そのような形で情報収集を行っているところです。
秋田委員
高等学校の先生などが、Aくんなら、Aくんの情報を送ってくださいと、その生徒の所属している中学校にお願いすることが現実的かと思いますが、理想としては、アクセスすれば、その中学校の先生に頼まなくても、既にその情報がアクセスできるのが一番よいと思います。頼んで初めて送ってもらうのではなくて、高等学校の担任の先生が、その生徒たちの情報を事前に把握して新学期を迎えるようにしたらよいと思うのですけれど、その辺りはどうでしょうか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
引継ぎの時期には、小学校、中学校、それから高等学校も含めて、各校長会で引継ぎについての留意点などを教育委員会から話をさせていただいておりまして、もちろん中学校から高等学校への引継ぎを間違いなく行うこと、高等学校にも中学校からのデータをきちんと取り扱うことを伝えておりますので、それに合わせて、市立の各学校では、情報の引継ぎを行っているという状況でございます。
秋田委員
中学校と高等学校の間に受験が入るので、合格して初めてアクセスできるようにしないと、中学校側からは、入学が決まるまでは引継ぎが書けないのではないかと思います。その辺りも気になるところではあるのですけれど、それについては、どういう仕組みになっているのでしょうか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
入学が確定した生徒のデータを、中学校から高等学校へ教育委員会LANを使って送付するという形を取っています。
秋田委員
そもそも引継ぎシートがある生徒と、ない生徒がいらっしゃいますか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
基本的には、全生徒の引継ぎシートを作成しております。
秋田委員
分かりました。
伊藤委員
5ページの1(1)ア、教職員研修の中に「チーム学校」という言葉が出てきますけれども、この「チーム学校」は、どのようなメンバーによる校内体制と考えておられるのかをお伺いしたいと思います。「生徒指導主事と教育相談・支援主任の共通理解を図り」と書かれているので、この生徒指導主事と教育相談・支援主任等が中心になって、例えば、担任とか管理職も含めた「チーム学校」なのか、その指導主事とその教育相談・支援主任の方だけで「チーム学校」になっているのか、その辺りをお教えいただければと思います。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
「チーム学校」というのは、その学校に所属する全職員と考えております。その中で、特に生徒指導に関しては、この生徒指導主事と教育相談・支援主任が学校の中心的な存在となりますので、その2名を中心に、学校の中での情報共有であるとか、対応の組織化であるとか、そういったようなことを進めております。
伊藤委員
特別支援の方は、特別支援コーディネーターがいらっしゃって、管理職の方がいらっしゃってという体制が整っていますよね。こちらとの関係性はどうですか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
特に生徒指導に関しての、例えばいじめであるとか、暴力行為であるとか、その他の必要な支援を主に扱っているのが生徒指導主事です。それから、その生徒指導主事の補佐的な役割として、さらに教育相談を主に扱っているのが教育相談・支援主任となりますので、例えば、いじめ事案の中で特別支援の配慮も必要な場合、その会議の中に特別支援コーディネーターも入って話し合うようになりますので、その全校内での連絡調整を扱っているのが生徒指導主事、教育相談・支援主任ということになります。
伊藤委員
そのチーム学校のメンバーとか組織体制は、各学校によって異なっているのでしょうか。あるいは、大体のメンバーが決まっているのでしょうか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
各学校にはいじめ防止委員会があります。これは、校長、教頭、管理職と、それから生徒指導主事、教育相談・支援主任、あとは学年主任と、基本的なメンバーは決まっております。あとは、事案により、学校の中の事情も勘案して、メンバーの入れ替わりがあります。基本的な柱としては、各学校で同じです。
伊藤委員
はい、ありがとうございました。
一橋委員
具体的な話ではなくて、全般的な話を教えていただきたいのですが、重層的に取組をされているので、どの程度効果が上がっているのかを知りたいところです。現状、いじめの件数等はどういう数字になっていますか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
いじめの認知件数ですが、令和元年度からお伝えしますと、小・中・高等学校の合計の数字で令和元年度が4,725件、令和2年度が3,620件、令和3年度が3,751件、令和4年度が3,923件、次が最新の情報ですが、令和5年度が3,923件で、令和4年度と同数になっております。
一橋委員
なるほど。小・中・高等学校の認知件数は、学校が確認できている件数ということですね。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
おっしゃるとおりです。
一橋委員
教育大綱にも重点的な取組として既に入っていて、長い間取り組んでいると思うのですが、それが功を奏しているのかどうか、状況はいかがでしょうか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
数値化は非常に難しいと考えております。昨年度、この支持的風土の醸成された学級づくりの取組の成果を数値化できるものがないかと考えまして、生徒の学校での有用感等を調べるアセスというものがあるのですが、これをサンプル的に何校か、年度初め、中頃、それから終盤にかけて、どのような変化があるかを見させていただきました。
結果を見ると、やはり、いずれの学校も時間が進むにつれて、学級の中で友達から信頼されているとか、自分は有用であるとか、そういったような数値は確かに高まっているという結果は出ておりました。ただ、大学の教授にも御相談したのですが、あくまでこれは主観的な数字ですので、例えば体育祭とか、そういった行事の後だと当然高まりますし、何か嫌なことがあった後には下がるでしょうし、調査のタイミングによっても変わるので、なかなか数値化が難しいということは言われています。
ほかには、いじめの認知件数を見ていますが、これもあくまで認知件数であり、非常に乱暴な話をしますと、他の児童生徒からされたことで何か嫌な思いをすれば、これはもういじめと考えますので、例えば広島市のこども10万人が、1年間に一人1回ずつでも嫌な思いをすれば、発生件数としては10万件あってもおかしくないと思っておりまして、その中での3,923件という認知件数が適正な数字なのか、学校が認知している数としては多いのか少ないのかというところには、正直、悩ましいところがあると思っております。
一橋委員
この認知件数は、被害者である児童生徒本人が、学校の担任の先生等に自分で申し出た件数ですか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
申し出たものも当然入りますし、学校の教職員が見つけたものも入ります。そのため、この3,923件以外の数で、こども同士で解決をして、他に言う必要がないというものも当然あると思います。ただ、誰にも相談できずに一人で悩んでいるものがあってはよくないと思っておりますので、積極的な認知は引き続き進めたいと考えています。
一橋委員
今日、この取組報告をしていただきましたが、これはどの程度の間隔で報告されているのですか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
毎年しております。この取組については、広島市いじめ防止対策推進審議会で毎年協議をしておりまして、そこで練ったものをこちらで御報告しております。
一橋委員
分かりました。大変だと思いますけれど、引き続きよろしくお願いいたします。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
はい、ありがとうございます。
砂橋委員
まず、5ページにある「学校実践編」のハンドブックの配布基準といいますか、どのような流れで配っていらっしゃいますか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
はい。ハンドブックにつきましては、小学校、中学校にデータで渡しておりますので、学校の方で印刷をして、必要に応じて教職員研修などで使っているという状況です。
砂橋委員
つまり、学校の方で全教員に手配りされて、皆さんの目に入っているという理解でよろしいでしょうか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
はい。研修など、そういった場面を通じて、研修を重ねているという状況です。
砂橋委員
そうすると、7ページの2(1)支持的風土の醸成された学級づくりの一段落目、二段落目に、ハンドブックを活用して校内研修をしていることや、生徒指導主事を対象とした集中研修で講師を招き、専門的な知識や理解を深められる内容を実施すると書いてあります。しかし、結構なボリュームがあるので、それなりの時間が確保されないと難しいと思うのですが、目安として、校内研修はどのぐらいの時間をかけていらっしゃるのか、分かりましたら教えてください。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
教育委員会が実施している生徒指導主事や教育相談・支援主任を対象とした研修では、2時間を目安に取っております。校内研修については、これは各学校の事情によりますので、例えば夏季休業中等まとまった時間が取れるときには、おそらく1時間程度と少し長めに取っていると思いますが、児童生徒が登校している時間帯であれば、できる範囲の中でテーマを選んで少しずつ行う等、各学校の実情に応じて行っていると考えております。
砂橋委員
そうしたら、(4)児童生徒による主体的ないじめ防止に向けた取組の充実の中で、生徒たちがよい取組をしていると思うのですが、こういった取組は、学校の先生方の提案もあるかもしれませんけれども、児童・生徒向けに事例を発信されておられるのでしょうか。先生方向けに発信されるのか、生徒向けにそういったツールがあって、御案内していらっしゃるのか。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
例えば、広島市のPTA主催の行事に参加している生徒などは、各学校に戻って、こういう取組をしているということを自分で発信されていると思いますが、基本的には学校の教員からの働きかけが大きいと思います。
砂橋委員
伝えるに当たっては、そのためのツールがないと口頭では難しいですし、大人向けの資料であれば、これもまた難しいと思います。こどもたちが自主的、主体的に取り組むための基になるものとして、具体的なものがあるとよいと思いますので、その辺りは今後、出していただけるとよいかと思います。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
はい。
砂橋委員
私からは以上です。
西委員
先ほど、いじめ防止の取組がどのくらい効果があったのかという御質問がありました。確かにそれを数値として捉えるのは難しいというのはよく分かりますが、私も教育委員会に関わらせていただいて6、7年になります。その間にも、学校間の引継ぎがうまくいかないから起こった事例であるとか、そういった事案が発生するたびに、引継ぎシートを作っていこうとか、その都度手段を講じておられて、具体的な案も含めて、教育委員会も先生方も検討していただいているので、それらが効果がないとは考えにくい、おそらく効果があっただろうと、そう思っております。
今回の資料の中では、6ページに小学校では児童会が「クラスのいいところを10秒で言おう!言えた数だけ進もう」という、すごろくを使ったこども主体の活動や、別添資料の学校実践編Ⅲ、13ページの己斐中学校も、生徒会執行部が17のゴールを設定し、ピクトグラムを制作しています。教師の支援や指導ももちろんあるだろうけれども、生徒たちがより主体的な感覚を持って進めていくことは非常に良い取組であるし、良い方向に進んでいると思います。いじめというのは児童生徒同士の人間関係が主な中身なので、児童生徒同士で進んで声かけをしたり、何か作ったりということは非常に良い効果を生むと思いました。
これまでも実践編はあったと思いますが、道徳ですとか、総合的な学習に代わるような指導時間に、教師が主体で児童生徒に話しかけたり、アンケートを取ったり、そのデータを公開掲示したりしていたと思うのですけれど、例えば学校が主体であっても、掲示することは生徒にもできますから、もう少し、生徒主体のものと学校主体のものとを連動させて、生徒ができることは生徒に参加させていくことが非常に良い効果を生むのではないかと思いました。今回のように、学校実践編等にどんどん載せて、皆さんに周知していくことは、とても良いやり方だと感じました。以上です。
生徒指導課いじめ対策推進担当課長
ありがとうございます。今年度も引き続き情報収集をして、学校実践編の新しいものを来年度に向けて作っていきたいと思いますので、取組を一層進めていきたいと思います。ありがとうございます。
松井教育長
それでは、本件につきましてはこの程度にさせていただきたいと思います。
次の議題3及び議題4については、冒頭でお諮りしたとおり、非公開になりましたので、傍聴の方は退席していただきますようお願いいたします。
(非公開部分省略)
松井教育長
以上で本日の議題はすべて終了しました。これをもって、令和7年第7回広島市教育委員会議定例会を閉会いたします。
7 議決事項
議案番号 |
件名 |
議決結果 |
---|---|---|
20 |
博物館に相当する施設の指定の取消しについて | 原案可決 |
21 |
教職員の人事について |
原案可決 |
リンク
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