令和4年第1回教育委員会議(1月定例会)議事録

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ページ番号1009238  更新日 2025年2月16日

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令和4年第1回 広島市教育委員会議議事録

令和4年1月26日(水曜日)、令和4年第1回広島市教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午後1時30分
  • 閉会 午後4時14分

2 教育長及び委員の出席者

  • 教育長 糸山 隆
  • 委員 井内 康輝
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 秋田 智佳子
  • 委員 伊藤 圭子
  • 委員 西 敦子

3 事務局等の出席者

  • 教育次長 松井 勝憲
  • 総務部長 横山 元信
  • 青少年育成部長 中谷 智子
  • 学校教育部長 野間 泰臣
  • 指導担当部長 川口 潤
  • 教育センター所長 松浦 宰雄
  • 総務課長 平山 高成
  • 教育企画課長 橋本 英士
  • 教育企画課情報化推進・学校支援担当課長 戸政 佳昭
  • 学事課長 舟津 有紀
  • 施設課長 小路 和典
  • 育成課長 西本 哲也
  • 育成課非行防止・自立支援担当課長 福田 崇宏
  • 放課後対策課長 橋本 飛雄馬
  • 教職員課長 森田 健嗣
  • 教職員課調整担当課長 穐鹿 和彦
  • 教職員課服務・健康管理担当課長 宅見 雄二
  • 健康教育課長 村上 早苗
  • 健康教育課学校安全対策担当課長 藤谷 誠之
  • 指導第一課長 高田 尚志
  • 指導第二課長 𠮷村 敦
  • 特別支援教育課長 山領 勲
  • 生徒指導課長 横山 善規
  • 生徒指導課いじめ対策推進担当課長 菅川 雄二
  • 教育センター次長 木原 和子
  • 市民局生涯学習課長 田渕 哲則
  • 健康教育課課長補佐 伊藤 謙一
  • 健康教育課主幹 三好 佐代

4 傍聴者等

2人

5 議事日程

  • 議題1 市立学校等における新型コロナウイルス感染症患者の発生及び対応の状況について(報告)
  • 議題2 学校給食における選択制のデリバリー方式の解消に向けた取組について(報告)
  • 議題3 野外活動施設の今後のあり方について(報告)
  • 議題4 令和5年度広島市立高等学校入学者選抜の基本方針について(議案)
  • 議題5 市長が作成する議会の議案に対する意見の申出について(代決報告)【非公開】

6 議事の大要

糸山教育長

ただ今から、令和4年第1回広島市教育委員会議定例会を開会いたします。
本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いします。
本日の議事録署名者は、栗栖委員と秋田委員にお願いします。
それでは日程に入ります。
本日の議題は、お手元の議事日程のとおりです。
本日審議予定の議題5については、広島市教育委員会会議規則第5条第1項第6号「教育事務に関し、市長が作成する議会の議案に対しての意見の申出に関すること」に該当することから、会議を非公開としたいと思いますが、御異議ございませんか。
(異議なし)
異議なしと認め、議題5については非公開として審議することに決定しました。
それでは、議題に入ります。
まず、議題1「市立学校等における新型コロナウイルス感染症患者の発生及び対応の状況について」を議題とします。
本件は報告案件です。内容について、健康教育課学校安全対策担当課長から説明をお願いします。

健康教育課学校安全対策担当課長

それでは、議題1「市立学校等における新型コロナウイルス感染症患者の発生及び対応の状況について」、御報告いたします。
内容は、1月21日の文教委員会に提出いたしました1月20日現在の状況となります。
まず、1の患者の発生状況についてです。
資料の2ページを御覧ください。
令和3年12月31日以降の学校関係者の新型コロナウイルス感染症患者は、1月20日現在で申しますと、児童生徒等が656名、教職員等が56名となっております。
詳細につきましては、4ページの別紙にまとめておりますので、4ページを御覧ください。
上の表が児童生徒等の患者数の推移で、下の表が教職員等の患者数の推移でございます。本市全体の感染者数も年明け以降急拡大しておりますが、学校関係の患者数も増加してきております。なお、1月25日現在の患者数は、児童生徒等が1,147名、教職員等が90名となっております。
2ページにお戻りください。
次に、2の学級閉鎖・臨時休業等の措置の状況についてです。かっこ内の数字は、休所した放課後児童クラブの数を表しています。1月6日まではほとんどの学校が冬季休業中であったため、学級閉鎖等を行った学校はありませんが、1月11日以降、増加傾向が顕著になってきております。表中の校数は、その日に学級閉鎖等を行っている校数を表しており、1月20日時点で学級閉鎖等を行っている26校のうち、学級閉鎖は18校、学年閉鎖は4校、全校休業は4校となっております。また、1校当たりの学級閉鎖等の期間は、平均で2.5日、最短では1日、最長では6日となっております。なお、これを、昨日1月25日時点で申しますと、学級閉鎖等を行っている学校は、32校で、学級閉鎖は22校、学年閉鎖は6校、全校休業は4校となっており、1校当たりの学級閉鎖等の期間は、平均で3.0日、最長では11日です。全体としましては、3日以内で終了しているケースが約7割となっております。
次に、3の学校におけるクラスターの発生についてです。年明け以降、市立学校において、2件が確認されております。1件目はアのとおり、1月14日に西区の小学校の特定の学級において発生したもので、1月20日までに児童21名、教職員1名が陽性であることが確認されております。当該学級については、1月15日から学級閉鎖といたしましたが、その後、クラスターが発生した学級の他にも、児童12名、教職員1名の陽性が確認され、1月25日まで全校休業といたしました。1月25日までにさらに児童11名の陽性が判明しましたが、それ以上の感染が見られないことから、1月26日から再開をしております。
続きまして、2件目でございますが、イのとおり、1月15日に、東区の小学校の特定の学級において発生したもので、児童15名、教職員1名が陽性であることが確認されました。これを受け、クラスターが発生した学級を閉鎖して、児童及び教職員の健康状態等を確認した結果、クラスターが発生した学級の他に、児童3名の陽性が確認されましたが、保健センターにおいて、これ以上の感染の拡がりがみられないと判断されたことから、当該学級については、1月19日から再開しています。
続きまして、3ページを御覧ください。
(2)の衛生部局の見解についてです。アのとおり、学校における感染対策の取組状況及び患者の行動履歴等について聞き取り調査を行った結果、いずれの小学校についてもクラスターが発生した原因を特定するまでには至らなかったと聞いております。また、イのとおり、感染対策をより一層徹底するために、特にマスクについては、より効果が高い不織布マスクの使用と鼻と口の両方を確実に覆う正しい着用とする必要があるとの見解が示されております。
次に、4、感染拡大を受けての取組についてです。(1)のとおり、1月7日から1月31日まで広島県の「集中対策期間」となったことを受けまして、学校における感染対策の徹底を図るとともに、学校内のみならず、学校外での生活においても、感染予防の徹底を図るよう、全学校に対し1月7日付けで通知を行いました。また、(2)のとおり、市立学校において、クラスターが発生したことを受け、国の衛生管理マニュアルを踏まえた感染対策の一層の徹底を図るとともに、衛生部局から依頼がありましたマスクの正しい着用等について徹底を図るよう全学校に対し、1月18日付けで通知を行っております。
続きまして、5の登校できない児童生徒への学習支援についてです。一定期間、児童生徒がやむを得ず学校へ登校できなくなった場合は、これまで行ってきた家庭訪問やメールによる学習指示に加え、保護者の意向や児童生徒の体調を確認しながら、タブレット端末を自宅に持ち帰らせるなどして、双方向コミュニケーションツールを活用しました児童生徒の発達段階に応じた支援を行っております。
具体的には、登校できない期間が3日までの場合は、家庭訪問またはメールによる学習指示を、登校できない期間が3日を超えて、長期化することが見込まれる場合は、これらに加え、発達段階に応じて、双方向コミュニケーションツールを活用した健康観察、学習教材の提示及び提出、国語、算数、数学など、授業時数が多い教科などについて、一部オンライン授業を行っております。
最後になりますが、6の今後の対応についてです。今後も衛生部局の依頼を踏まえた学校における感染対策の一層の徹底を図るとともに、学校における感染状況を注視し、必要に応じ、広島県教育委員会や衛生部局と協議しながら、更なる対応を検討してまいります。なお、授業時数の確保については、現時点で、各学校の災害発生等を想定した年間授業計画の中で対応可能と考えております。
報告は以上でございます。

糸山教育長

ただ今の説明について、御質問等がありましたらお願いします。

栗栖委員

全国的な状況ですが、本市でも新型コロナウイルスの感染者が多く発生している中、学校関係者も多く、我々委員にも毎日、発生状況を報告していただいており、大変な状況だと思います。まず、現場の先生方が大変な御苦労をされていると思いますので、本当に感謝したいと思います。
それから、やはり一人一人が気を付けないといけないということに尽きると思うのですが、特に、今からどうなるか分かりませんけれど、抽象的な言い方になりますが、5の登校できない児童生徒への学習支援が重要だと思います。各学校の状況が違うと思いますけれども、こちらの学習支援を中心にしっかりと関係課で連携を取って対応していただきたいと思います。

伊藤委員

教えていただきたいのですが、学級閉鎖、学年閉鎖、全校休業をする際の判断基準は、どうなっていますでしょうか。

健康教育課学校安全対策担当課長

臨時休業につきましては、学校の設置者である(広島市の事務を行っている)教育委員会が決定しますが、判断基準としましては、同一の学級において複数の児童生徒等の感染が判明した場合や、感染が確認された者が一人であっても、周囲に未診断の風邪等の症状を有する者が複数いる場合など、学級内で感染が広がっている可能性が高い場合に、まずは3日間を目安に学級閉鎖を行うこととしています。また、複数の学級を閉鎖するなど学年内で感染が広がっている可能性が高い場合は、学年閉鎖を、複数の学年を閉鎖するなど学校内で感染が広がっている可能性が高い場合は、学校全体の臨時休業を行うこととしております。
伊藤委員

教育委員会と学校とで協議・検討されて決定するということでしょうか。

健康教育課学校安全対策担当課長

はい。そうです。
まず、(事務局に)陽性者の情報は入るのですが、その後、周囲に未診断の風邪の症状を有する者がいるかなど、現場でないと分からない状況を学校に確認し、学級閉鎖等の判断を行っています。

伊藤委員

濃厚接触者の子どもさんも増えていると思うのですが、そのあたりは学級閉鎖等の判断に関係してくるのでしょうか。

健康教育課学校安全対策担当課長

濃厚接触者等の調査は、学校で15分以上マスクをせずに対話したなどの情報があれば、濃厚接触者に当たると考えており、そういった心配な状況があれば、学校から報告をいただいた上で学級閉鎖等に結びつけております。

伊藤委員

感染者数が増えていますので、大変だと思いますけれど、よろしくお願いいたします。

健康教育課学校安全対策担当課長

はい。

井内委員

一つ、お伺いします。
(2ページに)東区の小学校の特定の学級でクラスターが発生したと1例だけ書いてあり、次に、衛生部局の見解として、クラスターが発生した原因を特定するまでには至らなかったと書いてあります。これは、すごく大切なことだと思うのです。学校あるいは医療機関でクラスターが発生しているところが多いと思うのですが、やはり何らかの原因があるはずですよね。ここのクラスはこうだった、ここの医療機関ではこの点をやっていなかったなど、非常に大切な情報ではないかと思います。感染者の数は全く未知数でかなりたくさん周りにいると思わなければならないので、ここの学校施設での防護対策をどういうふうにやっているかということの検証は、これからのことを考えてもすごく大事なことだと思うのです。(資料に)クラスターが発生した、原因を特定するまでには至らなかったと書いてあるのは、私自身としては何となく不満で、もう少し調べて分析をして、教育委員会内で集約して情報として流していくことが必要なのではないかと思っているのですが、いかがでしょうか。

健康教育課学校安全対策担当課長

はい。西区と東区の保健センターで、それぞれ状況を確認していただいた上で、例えば、西区の特定のクラスであれば、初日に1人欠席、翌日に9人欠席、9人陽性、翌々日に学級閉鎖して新たに8人が陽性というかたちで陽性者が、突然、同時多発的に出たという状況です。保健センターに確認しても、原因までははっきり特定できなかったいうのが、衛生部局の報告でした。なお、学校医にも確認をしていただきながら、学校における感染症対策について、アドバイスを得ながら、感染症対策を続けております。

井内委員

今のいろいろな情報から言えば、結局、感染力を持ってる時間は発症前2日間と発症後3日間と短いので、そこを上手く乗り越えることがこれからも非常に大事になると思います。ですから、どういう検査で分かったのか、症状があったか分からないけれども、9人の陽性者が出て、少なくとも(発症前)2日間、(発症後)3日間にそのクラスで何があったか、どういう行動をとった子どもがいたか、個人を追及するという意味ではなく情報としてきちんと把握することが必要ではないかと思います。保健所も含め衛生当局の方は皆さんやることがたくさんあって大変だと思いますが、自分のクラスで(陽性者が)出れば、情報を一番たくさん持っておられるのは、その担任の先生だと思います。その先生たちが少し注意をして、情報を共有し、それを教育委員会(事務局)が集めてみるなど、学校でクラスターが発生する場合は、このような状況を見ていくことが大切ではないかといった議論ができたら良いと思います。今のような状況でいろいろな負荷をかけるのは良くないとは思っていますし、少し余裕ができた頃は必要ないかもしれませんが、今後のために、情報をできる限り集めておかれたら良いと思っています。医療機関も全く同じですね。(陽性者が)出たと言っているだけではだめで、なぜ出たのかを把握しなければ、今後の対策にはなりません。是非、その辺は考えておいていただければと思います。

健康教育課学校安全対策担当課長

はい。分かりました。ありがとうございます。

糸山教育長

学校は今の件について、独自に検証などを行っていますか。

健康教育課学校安全対策担当課長

クラスターが出た学校に問い合わせをしたところ、基本的な感染症対策は徹底していたということだったので、結局、目の届かない部分で生徒同士のつながりがあったのかなと思います。

糸山教育長

特定の行事に参加していたなど、要は、考えられる原因を精査して、特定まではできないけれど、こういうことに気を付けようといったところが出てくれば、井内委員のおっしゃったような部分に生かせると思います。

学校教育部長

西区の学校では換気を充分に行っていましたが、学校薬剤師に各教室を見ていただいて、より風通しの良い換気のための窓の開け方について、例えば、どの窓を開けた方が良いかという話をしていただきました。

糸山教育長

当然、クラスターが出た学校では、(原因を)特定はできないにしても、気を付けるべきこととして、こんなことがあるだろうかという可能性について専門家の御意見を聞いて対応しているということですね。分かりました。

学校教育部長

校舎の造りに応じた換気の仕方があるといったアドバイスをいただいたと聞いております。

糸山教育長

確かに、(井内委員が)おっしゃるところがすごく大事です。クラスターが出たクラスも他のクラスも同じような感染対策をしているのに、なぜその教室だけ出たのかということは分かりませんが、気を付けるべきところは、一般論としてマスクの話が保健センターからありましたし、学校教育部長が言ったように、一度に8人も9人も欠席となったのは、おそらくウイルスが一時的に存在した状態だったということであれば、換気についてより注意を払うといったことを今後に生かしていくということではないかと思います。

井内委員

一つ気になっていますが、若い人や子どもたちが結構おしゃれなマスクをしているのは、問題がありますね。今、我々がしているような不織布マスクはウイルスを9割防御できるのですが、例えば布製のものは10%から15%くらいしかウイルスを防御できません。ですから、子どもたちはママが作ってくれたマスクと言って付けたいのだろうけれども、その場合は、まず、下に不織布のマスクをして二重マスクにする方が良いのです。学校で「みんなマスクをしてるね」、「はい、しています」と言うだけではなく、先生は、もう少しそういった細かいところまで見ていただきたいと思います。
おしゃれなマスクをしている大学生が平気な顔をして「いや、不織布ではないです」と言うから、「君、知ってるか。マスクをする意味を。」と言ったのですが、子どもたちにもその意味を是非、教えてあげてほしいと思います。

秋田委員

タブレット端末を自宅に持ち帰らせることについて、欠席から自宅待機に入ってしまう場合、(先生が自宅に)持って行くのですか。それから、体調が悪い状態なので勉強どころではないと思うのですが、持ち帰ったタブレット端末について例えば「使いにくい」など保護者から何か声が出ているのであれば、どんな声が出ているのか知りたいです。
また、家族全員が倒れているような場合、食のことが難しいと思うので、そういう場合に、それを知った教員などからどこかの部署につなぐことを御検討いただきたいという要望です。

指導第一課長

タブレットについては、高価で貴重なものですので、電話連絡をした上で確実に渡せるよう家庭訪問で届けております。
保護者からは、安心して子どもを家に置いておけるという声をいただいてます。トラブルとしては、若干つながりにくいという声が一つありました。それから、画面を通してテレビ会議のような形で担任と話ができるのですが、子どもがそこに映りたがらないので心配だという保護者の声も届いています。また、学習を進めることができて安心していますという御意見も多く届いていると聞いています。

秋田委員

下の子が感染して、お母さん、お父さん、最後に小学生が感染してすごく長い間休まないといけないというケースをテレビで見ました。学習の相当の遅れが心配されますし、先ほどの最後の要望ですが、その間、誰が子どもを育てる役割をするのか自体が危ないとしたら、それを知った教育現場が福祉現場につなぐのかが気になるところです。

糸山教育長

どなたか今の質問について分かりますか。
秋田委員が最後におっしゃった感染者が出た家庭に対するケアについて、基本的には、当然、衛生部局サイドでいろいろなケアを考えていかないといけないと思いますので、改めて、衛生部局に伝えていただけますか。

西委員

二つほど、お願いいたします。
まず、今出ましたオンラインの件です。学習教材の提示とか提出、担任とのやり取りなど効率的にやっていただいて大変ありがたいのですが、子どもにとっては、オンデマンドよりも自分もオンラインで同じ授業に参加できる形が最も安心できるのかなと思います。今のところは、特定の科目だけで、順次移行して最後にオンライン授業となっているのですけれども、このオンライン授業が出来るだけ可能になる形を検討していただければと思います。
それから、2件目ですが、当初は感染する子どもの方が少なく、感染したことによって誹謗中傷が起こらないかを懸念されていました。現在はどんどん増えており、今後、(感染しても)特別な子どもや家庭ではなくなったとしても、健康な子が学校閉鎖になって登校できなかったり、兄弟や家族が多い子がその濃厚接触者になったり、自分も感染したりで欠席日数が増える状況が出てきます。今はないとしても、他人のせいで学校に行けなくなった、あるいは、親同士で、子どもが休校だから自分も仕事に行けず家庭にいないといけなくなったとといった不満が出てくると、また、いじめのことに発展しやすいと思います。現在では、そういう情報は入っていないのでしょうか、そして今後も感染者数が増えていくのであれば、さらに気を付けていかなければいけないのではないかと思います。

指導第一課長

オンライン授業についてですが、小学校であれば高学年で、中学校でもライブ配信でのオンライン授業に取り組んでいる学校が増え始めております。
今、各校で実践した内容を簡単なペーパーでまとめをしておりますので、それを学校に周知し、西委員がおっしゃったとおり、今後、出来るだけオンライン授業で行う教科や学級数、学校数を増やせるよう取り組んでいきたいと思っております。

生徒指導課いじめ対策推進担当課長

いじめについてですが、現在、学校長の要請に応じていじめ対策推進教諭を派遣し、事前に、校長の懸念を解消するような支援を行ったり、緊急でスクールカウンセラーを配置できるよう準備をしたりしております。今のところ、コロナに関連したいじめや誹謗中傷といった話は、いじめ対策推進教諭及び学校からの報告にはありません。今後ももちろん、継続してこの体制は維持していこうと思っております。

西委員

よろしくお願いいたします。子どもだけでなく保護者も、だんだん切実にストレスが溜まっていくことを心配いたしますので、引き続きよろしくお願いいたします。

糸山教育長

私からも関連の質問ですが、以前は全校休業して、確認してから再開することで、出来るだけ子どもの特定を防ごうということでしたが、今は学級閉鎖が多いので、そのせいで特定につながるということがありますか。また、オンライン授業とも絡むのですけれど、濃厚接触者となって欠席していることは、クラスのみんなに分かる状況にあるのでしょうか。

指導担当部長

オンライン授業を進めることと、濃厚接触者と陽性者を特定できる状況にあるかどうかについてですが、まず、各小・中学校ともに、先ほど(指導第一)課長が申し上げましたように、オンライン授業を導入する学校がかなり増えてきております。その方法については、一つは、授業をビデオに撮ってオンデマンド形式で夕方に子どもたちに配信する方法、もう一つは、授業をその場で映像として映して各家庭に届ける方法、こうした二つの方法を概ね使っています。前者で申し上げましたもので言いますと、陽性者あるいは感染者は特定できない状況にあります。また、後者で言いますと、学校は保護者の意向も踏まえて、出来るだけ特定できないよう、子どもたちに画面が見えないような形で映像を映しています。画面が教室に大きく出ていない、先生には小さな画面で分かるのですけれども、子どもたちには見えないよう工夫をしながらオンラインを配信しています。
今までは、情報技術の能力に長けた先生個人が中心となって取り組んでいましたが、徐々に学校が組織としてオンラインを導入しようという学校の動きになってきておりまして、今後、一気にオンラインを活用する学校が増えるのではないかと期待をしているところです。
さらに、いじめのことについて御指摘をいただきまして、ありがとうございました。我々も大変、気にかけていることですが、(生徒指導課いじめ対策推進担当)課長が先ほど申し上げましたことに加えますと、今年度に入ってすぐに感染症に関する指導案を教育委員会で作成し、その中にコロナに感染した者に対する配慮、いわゆる人権についてしっかり考える授業を各学校で実施するように指示をしており、各学校では、感染者に対するいじめや誹謗中傷に関して意識を持って取り組んでくれていると考えております。今後も引き続き、その状況については注視しながら取り組んでまいりたいと思います。ありがとうございます。

糸山教育長

はい。ありがとうございました。
それでは、本件については、この程度にしたいと思います。
次に議題2「学校給食における選択制のデリバリー方式の解消に向けた取組について」を議題とします。
本件は報告案件です。内容について、健康教育課長から説明をお願いします。

健康教育課長

それでは、議題2「学校給食における選択制のデリバリー方式の解消に向けた取組について」、説明させていただきます。
1の概要にありますとおり、昨年9月に策定いたしました「学校給食の充実に向けた給食提供体制の見直し方針」で示した「当面の取組」により、43校の中学校における選択制のデリバリー方式を5年以内に解消することとしております。
2の取組内容ですが、令和4年度以降、(1)から(4)の取組を順次実施していくこととしております。
まず、(1)の五日市地区学校給食センターの受配校拡大については、五日市地区学校給食センターの調理能力の余力に応じ、近隣のデリバリー方式の実施校を当該給食センターの受配校に切り替えて給食提供を実施するもので、令和4年度から1校で開始します。
次に、(2)の自校調理場における親子方式化については、暫定的な取組として、調理能力に余力がある自校調理場から近隣のデリバリー方式の学校への給食提供を実施するもので、令和5年度から8校で開始します。この8校については、提供食数の少ない学校から先行して食缶化することとし、令和4年4月に6校、令和5年9月に4校で開始いたします。
次に、(3)の「広島市学校給食事業協同組合」による食缶方式での給食提供については、暫定的な取組として、(1)、(2)の既存の調理施設の活用や(4)の可部地区学校給食センターの拡張建て替えによりカバーできない中学校について、現行のデリバリー給食の調理・配送を担っている「広島市学校給食事業協同組合」により、現在のランチボックス方式から食缶方式に切り替えて給食提供を実施するもので、令和4年度から4校、令和5年度から6校、令和6年度から13校で開始いたします。
最後に、(4)の可部地区学校給食センターの拡張建替えについては、老朽化が著しい可部地区学校給食センターについて、調理能力を拡張して建て替えを行い、近隣のデリバリー方式の実施校への給食提供を実施するもので、令和7年度から11校で開始します。
続いて、3の中学校別の移行スケジュールについてです。現在、デリバリー方式を採用している43校について、学校ごとの選択制デリバリー方式の解消に向けた取組の内容とその開始時期について、現時点で予定しているものを一覧表にしております。
6ページをお開きください。
4の可部地区学校給食センターの拡張建替えについてです。
(1)の建設候補地ですが、アの理由にありますとおり、可部地区学校給食センターを建て替えるために必要な条件となる、調理能力の増強に伴う大規模な給食センターが建設可能な約1万平米の用地面積があること、調理後1時間以内に安佐北区及び安佐南区の一部の広範囲に配送が可能な立地場所であること、早期の建替えが可能な未利用地であることを、これらを満たす希少な公有地であることから、安佐北区可部南二丁目の安佐市民病院跡地を候補地として検討を進めることとしております。
次に、イの留意事項ですが、学校給食センターは建築基準上、工場の種別に該当するため、第一種住居地域である当該地に整備するにあたっては、近隣の利害関係者の意見を聞くとともに、市の建築審査会に説明し、同意を得た上で、建築特例許可を受ける必要があります。このため、現在の住環境を維持・改善できるよう十分な環境対策を盛り込んだ計画を策定するとともに、当該施設に地域のにぎわいづくりに資するような機能を付加することを検討しています。
(2)の施設規模については、12,000食程度を予定しております。
(3)の受配校については、現在の可部地区学校給食センターの受配校及び選択制のデリバリー方式を採用している安佐北区及び安佐南区の一部の中学校に加え、一部の自校調理校の小学校を受配校とする予定にしております。
最後に、(4)の今後のスケジュールについてです。
現時点での予定としては、まず、今年度は公募要件を定めるにあたって、あらかじめ民間事業者から意見や提案を聴取するサウンディング調査を実施するとともに、地域のにぎわいづくりに資するような機能について、安佐市民病院跡地活用推進協議会との協議を進めることとしております。令和4年度には、公募要件を定めた要求水準書等を作成した上で事業者の公募を行い、令和5年度に契約を締結した上で基本設計・実施設計を行うこととしています。その後、令和6年度に、建築特例許可に係る申請等の手続を経た後、建設工事を行い、令和7年度中には供用を開始したいと考えております。説明は以上です。

糸山教育長

はい。ありがとうございました。
ただ今の説明について、御質問等がありましたらお願いします。

栗栖委員

(給食提供)体制の見直しということで、43校に関して個別にこのような形で取組内容を整備されたのは非常に良いと思います。
何点か確認したいのですが、令和4年度に、五日市(地区学校給食センター)の受配校拡大が1校と、食缶方式(での給食提供)が4校、残りは皆、令和5年度以降になっているのですが、早めの対応はやはり困難なのでしょうか。また、これは各学校には示されているのですか。

健康教育課長

このような段階的なスケジュールになるということですけれども、まず、五日市地区学校給食センターについては、資料に記載のとおり、調理能力の余力に応じて提供していくということで、給食センター側は既に準備が整っている状況です。あとは、受け入れる中学校の方に受入体制を多少整備する必要があるのですけれども、一番準備が少なく来年度から(受入れ)できるということで、1校については4年9月開始と考えております。あと4校については、(3)の取組になるのですが、「広島市学校給食事業協同組合」に加盟する複数の事業者が自社の工場に少し手を入れて食缶方式の給食が提供できるような準備をしていく必要がありますので、その準備状況に応じて、4年度、5年度、6年度(の開始予定)になっております。令和4年度から開始する準備が整っているのは、加盟事業者のうちただ今1社ということで、こちらについては、4年度は4校となりまして、その後、準備が進むにつれ校数が増えていくかたちになっております。また、(2)の親子方式化については、自校調理場ということで、小学校の調理設備を増設するといった準備が必要となりますので、来年度の予算を今から要求しているところですけども、来年度の予算で夏休み等に準備し、再来年度から実施できるという状況になります。5年度からとなりますが、できる限り早く始めたいということで、5年度、6年度にわたるのではなくて、5年度中に4月と9月に2段階に分けて進めていきたいと考えております。
最後に、(4)の(可部地区学校)給食センターの建替えについては、これから公募要件などを定めていくところもございまして、最短で7年度中に供用開始できるかなというところで、このスケジュールに遅れないように進めていきたいと考えているところです。
また、この43校のスケジュールについては、既に該当の中学校にお知らせしているとともに、これから中学校の給食を作る小学校にも既に伝えて協力をお願いしているところです。以上です。

栗栖委員

このスケジュールをお示しした後の各学校の反応はどうだったのでしょうか。PTAからの要望が出ていますよね。

健康教育課長

(反応は)様々ではあるのですけれども、準備のために、より早くしていただきたいという意見を持っていらっしゃる学校も、これぐらいで良いという学校もあります。(開始年月が)遅い学校からは、保護者へ説明していくということで、なぜこの順番になったのかといった御質問がいくつかございました。それにつきましては、先ほど御説明したとおり、こういうかたちで出来るだけ早く進めようと考えているけれども、必要な準備の都合上これだけ時間をいただくという説明をさせていただいて、御理解いただいております。

栗栖委員

そうですね。こういった段取りの都合もあるのでしょうけれども、特にその遅い学校に関しては、個別に事情など出来るだけ丁寧に説明いただいて、学校側の納得や理解をいただくように御対応いただければと思います。
また、このように長期にわたる計画なので、いつも申し上げていますけれども、(広島市教育委員会)事務・点検評価報告書に「学校給食の充実」という項目があったと思いますので、その中に組み入れていただいて、進捗状況を確認しながらPDCAを回していって、この前倒しできるものは前倒しでお願いしたいと思うのですが、少なくともこの計画どおり進めるようフォローしていただければと思います。
それから、4の可部地区学校給食センター(の拡張建替え)については、いろいろハードルがあると思います。特に、地域の同意などは非常にハードルが高いと思いますので、その辺を少し早めに対応していただいて、そこをクリアすればあとは通常どおりの手続ができると思いますので、最初の合意形成を速やかに対応していただければと思います。

糸山教育長

はい。

健康教育課長

そのようにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

秋田委員

「(3)デリバリー組合食缶」が令和4年9月からということなので、また、子どもたちの声も是非、きかせていただきたいなと思います。どうよくなったか。

健康教育課長

はい。また、来年度にアンケートを取りまして、報告させていただきたいと思います。

秋田委員

はい。お願いします。

糸山教育長

はい。その他、いかがでしょうか。
それでは、本件については、この程度にしたいと思います。
ここで、換気を少しだけ行い、風の通りを良くします。
次に、議題3「野外活動施設の今後のあり方について」を議題とします。
本件は報告案件です。内容について、育成課長から説明をお願いします。

育成課長

それでは、議題3「野外活動施設の今後のあり方について」、報告させていただきます。
資料の7ページをお開きください。
まず、1の現状と課題についてです。
教育委員会が所管する野外活動施設については、似島臨海少年自然の家は、平成30年度に基本計画を策定し再整備を行うこととしておりますが、青少年野外活動センター・こども村及び三滝少年自然の家・グリーンスポーツセンターは、耐震化対策や老朽化対策が課題となっているほか、三滝少年自然の家・グリーンスポーツセンターの敷地は、土砂災害特別警戒区域に囲まれ、建物の一部も同区域に指定されているなどの課題があります。また、野外活動施設の主な利用者である14歳までの年少人口は年々減少しており、こうした傾向は今後も続くものと見込まれています。
次に、2の施設の特徴及び利用状況についてです。
青少年野外活動センター及び併設するこども村については、広島広域都市圏内最大の収容規模を有し、大規模校から小規模校まで幅広く受入れを行っています。また、地元と連携した利用者との交流を行っており、(新型)コロナウイルス感染症の影響がなかった令和元年度の宿泊利用者数は、3万6,680人となっています。
次に、三滝少年自然の家及び併設するグリーンスポーツセンターについては、市内中心部から近く、屋外アスレチック施設については、土曜、日曜、休日のファミリー層の利用が多く、令和元年度の宿泊利用者数は、2万507人で、日帰りを含む総利用者数は、12万4,973人となっています。
(7ページの)下の参考の近隣施設の状況として、本市を含む県内の小・中学校の多くが、集団宿泊体験活動の場として、上記の2施設のほか似島臨海少年自然の家と国立江田島青少年交流の家を利用しており、2施設の状況について記載をしております。なお、これらの施設の概要については、9ページの別紙にまとめておりますので、後ほど御覧ください。
8ページをお開きください。
次に、3、あり方検討の方向性についてです。
まず、(1)の基本的な考え方として、各施設については、近隣施設との連携や役割分担も視野に入れ、より多くの利用者が確保できるよう、また、広域都市圏全体の活性化に資するものとなるよう更新のあり方を検討します。
また、更新のあり方の検討に当たっては、施設が立地されている地域の特性を踏まえつつ、宿泊受入体制の要否を判断するとともに、効率的な施設整備や運営を行うための民間活力の導入について検討します。
こうした考えのもと、(2)の施設ごとの今後の方向性にありますとおり、ア、青少年野外活動センター・こども村については、自然に囲まれた中山間地域に位置する施設であることから、小・中学校や子ども会等の少年団体による野外活動・宿泊体験の場として、その機能を維持するとともに、より幅広い年齢層の市民や近隣市町の青少年の利用が促進されるようサービス向上策について検討することとしています。また、地域との連携・交流事業の展開、地域の人材を活用したイベント開催等により地域の活性化に資する取組等について検討いたします。
次に、イ、三滝少年自然の家・グリーンスポーツセンターについては、現施設の一部、またその周辺が土砂災害特別警戒区域であり、宿泊機能を有する施設の敷地として適切ではないことから、宿泊機能は廃止し、受入体制については、近隣施設の活用を含め確保するとともに、屋外アスレチック施設を中心に市内中心部から気軽に利用できる日帰り施設として機能充実を図ることについて検討することとしています。
最後に、4、今後の予定についてです。
施設の更新等に係る基本計画及び官民連携手法の導入可能性調査を行うため、令和3年度2月補正にて、予算措置を行います。
(1)にあるとおり、基本計画については、敷地のゾーニングや施設配置・規模、地域特性を踏まえた利用促進策や地域活性化策を踏まえた機能など、事業実施における基本的な方針の策定に向けた検討を行います。官民連携手法の導入可能性調査については、基本計画において策定した再整備案に適用可能な事業手法の検討、事業期間、契約形態、官民役割分担等の事業スキームなどの調査を行ってまいります。
その後は、(2)のスケジュールにありますとおり、順次、事業者公募などに取り組んでまいりたいと考えております。野外活動施設の今後のあり方についての説明は以上です。

糸山教育長

はい。ありがとうございました。
それでは、ただ今の説明について、御質問等がありましたらお願いします。

栗栖委員

検討のイメージがよく分からないのですが、具体的には、誰がどういう検討をするのですか。まずは、基本計画を作るために検討するということで良いのでしょうか。

育成課長

まずは、(8ページの)3のあり方検討の方向性に沿いまして、育成課で検討を進めます。ただ、その検討を進めるに当たりまして、検討を進めて、基本計画の中で具体的な検討を行ってまいりたいと思います。その基本計画に合わせて、官民連携手法の導入可能性調査をいたしまして、民活の導入が可能であれば、そういうことも併せて検討いたしまして、このような事業スケジュールで進めていきたいと思っております。

栗栖委員

青少年野外活動センターと三滝少年自然の家を併せて検討するというイメージですか。

育成課長

はい。

栗栖委員

一つずつではなく合わせて野外活動施設ということで、今後のあり方について育成課で検討し、基本計画を作っていくというイメージですか。

育成課長

一つの基本計画の中で、二つの施設(の検討)を行います。各施設で方向性が違っておりますので、青少年野外活動センター・こども村はこういう内容、三滝少年自然の家・グリーンスポーツセンターはこういう内容、という形での取組ということです。

栗栖委員

はい、分かりました。今後の予定は、こういう流れで理解したいと思います。
(令和3年11月の)総合教育会議でも、地域との連携がテーマとなり、本市の一つの大きな課題になっていますが、検討されるときは、地域の人も交えて検討会のようなものを作られるのですか。

育成課長

検討会を設置する予定はないのですが、例えば、野外活動センターでわら細工を作るときには、地域の方に講師で来てもらったりとか、施設の祭りでは、地域の方に出店ブースを作っていただいて交流しておりますので、また、直接我々が出向いて地域の方にお話を聞くこともあるかも分かりませんが、施設を通じたりして地域の意見を聞きたいと思っております。

栗栖委員

地域の方や利用者など出来るだけたくさんの方の御意見を聞いて、それを踏まえるような形で御検討いただければと思います。

井内委員

スケジュールに事業者公募とありますが、全ての施設を最終的には民間に委託するようなかたちで、事業者を公募される予定で計画されるのですか。

育成課長

官民連携にいくつか手法があるのですけれども、今、我々はPFIを念頭に置いて、準備を進めようとしており、それに沿ったスケジュールをお示ししています。官民連携手法の導入可能性調査をこれから行いますので、調査の中で民間に目がないということになれば、スケジュールが変わると思うのですが、ここまで数年かけて考えてきた中で非公式に少し民間事業者の御意見・御意向などを調査したことがありまして、その際には、どの事業者も意欲的でしたので、まずはPFIで進めていけるのではないかということでこのように書いています。

井内委員

PFIということは、建物とか敷地は官が持つけれども、中身の運営は民に任せるということですよね。
育成課長

PFIということになりますと、所有権は最終的に市に返ってきますが、事業の手法によって、建物を作ったときに市が所有権を取得するのか、それとも建物を民間に建てていただいて、運営をしていただいてですね、その一定期間、例えば15年、20年が終わってから市に所有権が返ってくるという方法がありますので、これらの施設について、どういう方法が一番適切なものなのか、官民連携手法の導入可能性調査で検討したいと思っております。

井内委員

私がこれまで野外活動施設を使ってきた立場の人間として思うのは、一番大事なのは、施設そのもののハードの面もだけど、ソフトです。要は、常駐の指導者がいて、その指導者が何らかのプログラムを提供して、ここでこんなことができるみたいなことを具体的に見せることが、その施設の有効利用に明らかにつながっていく。そして、先ほども少し出ましたが、地域の人材を活用する時に、「どうぞ来てやってください」と言っても駄目で、その地域の核になる人たち、指導者層がいると思います。そういう意味で言うと、私は基本的には、民間に委託していろいろな活動計画を作ってもらって運営していくというのは大変良いことだと思っています。
私は、江田島青少年交流の家に少し関わっているので、いろいろ話を聞くと、そこはカッター研修がメインの一つになっていますが、結局、施設の5、6人の方がやろうとしてもなかなか難しいところがあって、やはり民の力、大学の先生や地域でいろいろボランティア活動をしている人たちがいろいろなアイデアを持ち寄ってやると、施設が非常に有効に活用できるようなかたちができていっているように見えるのです。まだまだ不十分だと思うのですけれど。三滝少年自然の家も似島臨海少年自然の家もそうですが、民間のノウハウを持っておられるところは、広く公募されて、そういう人たちのノウハウでどういうふうにその施設を上手く利用できるか、あるいはそこでこれからの青少年たちのために野外活動つまり学校教育だけじゃない部分でいろいろな機会を提供することできるか、トータルで考えて、そのための施設がこうであるべきであるみたいなところまで踏み込んで、やっていただくような検討をしていただきたいと思っています。
今、これだけの基盤がある施設はすごく大切ですし、これをこれからの世代のために有効に活用するのにはどうしたら良いか、ここできちんと整理・研究し考えていただきたい。つくづくそう思っていますので、よろしくお願いします。希望を申し上げました。

育成課長

基本計画の中で、今、井内委員のおっしゃっていただいたことも含めて、考えていきたいと思います。

井内委員

はい。よろしくお願いいたします。

伊藤委員

私は官民連携手法の導入にすごく賛成です。それを行う当たり、4の(1)で、導入可能性の調査を行うとあるのですが、オの「民官の役割分担」は、今、言われたPFIなどを踏まえながらこれから決めていかれるんだと思いますけども、そのリスク分担は、どういうふうにイメージしたら良いのか、もう少し教えていただければと思います。お願いします。

育成課長

リスク分担で言いますと、変な例ですけれども、建物の建設途上に何か不測の事態を生じたときや、今の指定管理者制度では金額に応じてですが、どちらがそのリスクを負担して、例えば修繕するかなどがあろうかと思います。そういうことについても、導入可能性調査で洗い出しをしてまいります。

伊藤委員

リスク分担は、ハード面ですか。

育成課長

ハード面だけではございません。運営面も、あります。

伊藤委員

これから、ハード、ソフト両方におけるリスク分担を検討されるということですね。

育成課長

はい、そうです。

伊藤委員

はい、分かりました。ありがとうございます。

秋田委員

この似島臨海少年自然の家と国立江田島青少年交流の家が海で、上の二つが山で、両方子どもたちの遊び場としてとても重要だなと思っています。特に、三滝少年自然の家は、土日のファミリー層の利用が多いとありますが、私も一員でした。ここはアスレチックなどがすごく楽しいと思っています。ただ、少し年齢層が低めで、六甲山にはもっと大人も楽しめるようなアスレチックがあるので、可能ならばアスレチックをもう少し本格的に楽しめるようにしたら良いなという個人的な希望はあります。
それから、(三滝少年自然の家の)日帰りの総利用者は約12万人で、宿泊利用者は約2万人なので、この宿泊施設が廃止になったら、その宿泊利用者約2万人の受皿がどこになるのかなと少し心配しています。青少年野外活動センターも似島も江田島も遠いので、街の中で小学生、中学生のクラブチームが安上がりにバスでやってきて、安いところに泊まって試合に挑むということも多いので、そういう意味でも江田島でも似島でもなく、青少年野外活動センターでもなく、この三滝という西区にあるのがとてもありがたいという種類の利用者もいらっしゃるのではないかなと思います。どこが宿泊施設として受皿になり得るのかというところが心配ではあります。

育成課長

(三滝少年自然の家の)宿泊利用者の受皿につきましては、野外活動センターや似島では少し遠いのではないかという御意見もあったのですが、今後、建物を作って、また長期間利用していくということを考えると、三滝(少年自然の家の敷地)が土砂災害特別警戒区域に囲まれているというようなことを考えると、やはりそこに長時間利用者に滞在していただくような宿泊機能を持たせることは、適切ではないと考えております。
アスレチックにつきましても、地形上の問題で、どこまで大規模なものができるかどうかはありますが、日帰りの施設として皆さんに体験をしていただいて、楽しんでいただけるようなものにしたいと思っております。

西委員

質問です。
三滝少年自然の家から少し歩くと竜王公園に行く思うのですが、竜王公園の管理や敷地の所有者は広島市ですか。竜王公園と連携するというようなことも考えていらっしゃるのですか。

育成課長

竜王公園の所管は教育委員会ではなく都市整備局で実際の管理は(西)区役所が行っておりますが、もちろん今、御提案いただきましたように、せっかく隣接しておりますので、公園との一体利用に関しても検討していきたいと思っております。

西委員

はい。ありがとうございます。

糸山教育長

それでは、本件はこの程度といたします。
次に、議題4「令和5年度広島市立高等学校入学者選抜の基本方針について」を議題とします。
本件は審議案件が2件となっております。
議案第1号「令和5年度広島市立高等学校(広島市立広島みらい創生高等学校を除く)入学者選抜の基本方針」及び議案第2号「令和5年度広島市立広島みらい創生高等学校入学者選抜の基本方針」の2件です。
内容について、指導第二課長から一括して説明を受けたのち、審議を行います。
それでは説明をお願いします。

指導第二課長

資料10ページ、議題4「令和5年度広島市立高等学校入学者選抜の基本方針について」、説明させていただきます。
二つの議案に関してです。現在の中学校第2学年の生徒が受検することとなる令和5年度の入学者選抜から新たな制度に変更することに伴い、入学者選抜の基本方針についても、現行のものから大きく変更することとしております。
議案の説明の前に、まず、令和5年度入学者選抜までのスケジュールについて説明いたしますので、資料27ページの参考を御覧ください。
令和5年度から新たに実施される広島県公立高等学校入学者選抜では、中学生や保護者、進路指導を行う中学校に必要な情報を出来るだけ早く情報提供するために、広島県教育委員会と協議の上、例年6月に決定・公表している入学者選抜の基本方針の公表時期を早めることとし、入学者選抜実施要項及び各高等学校の実施内容の公表を両教育委員会とも3月に行う予定です。
それでは、資料11ページにお戻りください。
改めまして、議案第1号「令和5年度広島市立高等学校(広島市立みらい創生高等学校を除く)入学者選抜の基本方針について」、説明いたします。
主な変更点としては、入学者選抜の期間を短縮することにより、授業時数を確保し、各学校の教育の充実を図るため、推薦入試に当たる選抜(1)を廃止し、選抜の回数を2回とし、名称を一次選抜、二次選抜としております。また、一次選抜の中に特色枠による選抜を可能とすること、全ての選抜に自己表現を実施することを新たに追加しております。
1、一次選抜を御覧ください。
変更点について説明いたします。イ、調査書については、第3学年における到達度をより評価する観点から、調査書の第3学年の評定を3倍にすることとしております。ウ、自己表現については、生徒に身に付けてもらいたい力として、「自己を認識する力」、「自分の人生を選択する力」、「表現する力」の三つの力を見るために、今回新たに実施するものです。この自己表現では、受検生自身が、自己を表現するための自己表現カードを事前に作成し、このカードを活用して、個人ごとの面談形式において行います。
12ページを御覧ください。
エ、学校独自検査については、前述のアからウの方法に加え、各高等学校等の特色に応じ、お示ししている(ア)及び(イ)の方法を実施するものです。なお、学校独自検査を実施するかどうかは、高等学校長が決定することとしております。
次に、(2)合格者の決定については、一般枠による選抜に加え、特色枠による選抜により合格者を決定することができることとしています。この二つの違いですが、一般枠による選抜においては、一般学力検査、調査書、自己表現の配点の比重を6:2:2とするのに対し、特色枠による選抜においては、校長がその配点の比重を定めることができることとしています。なお、特色枠による選抜を実施する場合、特色枠による選抜により合格者を決定した後、一般枠による選抜により合格者を決定することとし、実施の区分については、校長が決定することとしています。
続いて、2、二次選抜については、二次募集に当たるものです。二次選抜においても、自己表現を実施することとしております。
変更箇所の詳細は、資料14ページの現行改正比較表を御覧ください。
次に、資料19ページを御覧ください。
議案第2号「令和5年度広島市立広島みらい創生高等学校入学者選抜の基本方針」について御説明します。基本的な枠組みについては、広島市立高等学校入学者選抜の基本方針に準じたものとしていますので、異なる部分のみ御説明します。
1、一次選抜では、次の20ページのオ、その他にありますように、令和5年4月1日現在で満20歳以上の者については、その申請により、一般学力検査に代えて作文及び面接を実施することとしています。
2、二次選抜の出願につきましては、二次選抜を実施する他校との併願を可能としています。次の21ページにありますように、一次選抜、二次選抜に加え、秋季入学のための選抜を実施いたします。
22ページ以降は、現行改正比較表を記載しております。
説明は以上です。以上、議案第1号及び議案第2号について、御審議のほど、よろしくお願いいたします。

糸山教育長

それでは、審議に入ります。
ただ今の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いします。

栗栖委員

12ページの学校独自検査についてお聞きします。
学校独自検査を行う場合、いつ公表されるのですか。

指導第二課長

各高等学校が資料28ページ及び29ページの様式にどのような選抜を行うかを示して、3月に公表する予定としております。学校独自検査については、様式の(28ページの)下から二つ目の枠に記載されます。

栗栖委員

市立高等学校で独自検査をする学校としない学校が出るということになりますね。

指導第二課長

はい。そうです。

栗栖委員

この独自検査は、初めての試みですね。

指導第二課長

独自検査という名称としては、そうです。

栗栖委員

自己表現が新たに加わることは、県のいろいろなPRでパンフレットもあるからだいたい周知されていると思うのですが、この自校作成の独自検査については、皆さんに周知されている内容なのですか。

指導第二課長

そうですね。この内容についても、これまで学校ごとに課程、特色によった独自検査をするというようなことをパンフレット等で周知しています。なお、独自検査という名称ではありませんが、例えば、市立高等学校でありますと、これまでも特色のある普通科のコース、例えば、基町高校の創造表現コースや沼田高校の体育コースについては、実技検査を加えて行っており、それをこういう名称として今後は実施するとご理解いただければと思います。

栗栖委員

新しいシステムになって、市内の公立高校の普通科で独自検査を実施する学校は多いのでしょうか。

指導第二課長

ただ今、各県立高校も含めて教育委員会でその内容を集約をしているところです。各学校の特色に応じて、先ほど申し上げた普通科のコースや学校ごとに受検生の能力を追加で確かめたい高等学校が学校独自検査を実施すると聞いております。

栗栖委員

今までの通常の共通の問題であれば、今の中学生がだいたい認識されていると思うのですけれども、この学校独自検査がどういうレベル感か分かりません。また、受検生の負担になってくる可能性がありますので、実施するのであれば、出来るだけ早めに公表していただきたいと思います。

指導第二課長

はい。

栗栖委員

(入試の)制度が変わることは、やはり大きな負担感があり、今の中学2年生からスムーズに対応できるように、配慮していただきたいと思います。

指導第二課長

はい。

栗栖委員

それから、(調査書について)第3学年の評点を3倍にすることに関して、これも大きなことで、PRの仕方がいろいろあると思うのですが、1年、2年で少しつまずいても、3年で立ち直っていれば、現状をきちんと見ていきますという意味合いもあるのだろうと思います。今回の改正で3年の評点を高くしたということも、私は、前向きに考えたいと思いますので、趣旨をしっかりとPRしていただければと思います。

指導第二課長

はい、しっかり周知に努めます。

糸山教育長

確認です。学校独自検査を実施する学校は、いつ内容を公表するのですか。(今の中学2年生にとっては、)あと1年しかないということですよね。何かその辺が分かるものがありますか。実施するのであれば、出来るだけ早く中学校に周知しないといけないと思うのですが、どうでしょうか。

指導第二課長

資料27ページの2の入学者選抜までのスケジュールの表の真ん中に記載していますが、令和4年3月に令和5年度入学者選抜実施内容を公表する予定としています。
その方向としまして、先ほどの学校独自検査も含め各学校の選抜実施内容について、28ページの様式で公表し、周知をする計画です。

糸山教育長

はい。分かりました。今年3月ですね。

井内委員

28ページの配点の比重について、追加で質問させてください。
一般学力検査、調査書、自己表現の比重が6:2:2、配点が600、200、200となっていて、学校独自検査の部分が空欄になっているのは、各学校が独自に裁量して良いということですか。

指導第二課長

学校の裁量ですが、上限としまして、この一般枠としますと、6:2:2に加えて2を上限としています。

井内委員

つまり200点が上限であるということは決めているわけね。

指導第二課長

はい。そうです。

井内委員

上限を決めるべきですね。
今の大学入試のように、共通テストと個別の大学テストのどちらに重きを置くかを各大学に任せると、下手をすれば、共通テストを取り入れず(大学)独自の検査だけ実施したり、逆の場合もありますね。いろいろバリエーションが出てきます。
公立の高等学校の入学者選抜にそんなに独自性が必要なのかどうか多少疑問に思います。先ほど、(栗栖委員から)意見も出ましたが、受検生の負担感が大きく違いますよね。(学校独自検査には)何が出るのだろうと思いますよね。だから、そのあたりについて、上限等があるなら明記すべきではないかと思います。

指導第二課長

はい。

井内委員

20ページの学校独自検査の(ア)に、面接、作文、小論文(及び実技検査等)を実施することができると書いてあり、(イ)では、(自校が作成した問題により)学力検査を実施することができると書いてあります。いわゆる実技検査や面接と学力検査が並列して書いてあるのですが、どちらかを選ぶのではなく、両方実施しても良いという意味ですか。

指導第二課長

はい。これについては、両方とも実施することができます。1,200点満点中の200点の範囲の中で、学校長が実施することができるとなっております。

井内委員

両方実施しようと思えば、できないことはないのですね。今までの制度と違って、受検生の負担はかなり大きいと思います。

指導第二課長

はい。

井内委員

先ほども27ページのところでありましたが、実施要項や実施内容を早めに公表して、県立高等学校も市立高等学校も全く同じこの様式で横並びに見ることができるようになると理解して良いですね。

指導第二課長

はい、そのように今、準備を進めております。

糸山教育長

その他、いかがでしょうか。
5年度から、大きく(制度が)変わるので。

伊藤委員

教えていただきたいのですけれども、11ページのウ、自己表現(エ)に、検査官1人当たり15点満点で、学校長は2~3人の範囲内で検査官の人数を定めるとありますが、この2から3名で全ての受検者の評価を行うのでしょうか。それとも2から3名が1グループになって、いくつかグループがあるということでしょうか。

指導第二課長

はい、各検査室に(検査官が)2名~3名となっています。

伊藤委員

では、検査室がいくつかあると、それだけの人数が必要ですね。

指導第二課長

はい。

伊藤委員

はい、分かりました。

栗栖委員

12ページのエ(イ)自校作成問題による学力検査について、再度確認させてください。
学校長は、広島市教育委員会と協議の上、各高等学校、課程、学科等の特色に応じてと書いてありますので、学校長は独断ではできないということですね。教育委員会と協議の上、特色に応じ、ということなので、独自検査の実施に際しては、受検生にとって特色に相応だと納得がいく説明ができるようきちんと学校長と調整していただきたいと思います。

指導第二課長

はい。承知いたしました。

秋田委員

以前も議論になったかもしれませんが、学力検査は問題ない生徒で、吃音や場面寡黙症などによって自己表現の面談の場で上手くできない生徒に対しては配慮をするようにお願いしたいなと思います。

糸山教育長

今の点について、どうですか。

指導第二課長

特別措置願等を中学校から高等学校に提出いただくということにより合理的な配慮をいただくようにしております。

秋田委員

はい。

糸山教育長

それでは、お諮りします。
議案第1号「令和5年度広島市立高等学校(広島市立広島みらい創生高等学校を除く)入学者選抜の基本方針」及び議案第2号「令和5年度広島市立広島みらい創生高等学校入学者選抜の基本方針」について、原案どおり可決することに御異議ございませんか。
(異議なし)
異議なしと認め、本件は原案どおり可決をすることに決定しました。
次の議題5は、冒頭でお諮りしたとおり非公開となりましたので、傍聴人、報道関係の方はここで退室していただきますようお願いをいたします。
ここで、換気をお願いします。

(非公開部分省略)

糸山教育長

以上で、議題は全て終了いたしました。
これをもって、令和4年第1回広島市教育委員会議定例会を閉会いたします。

7 議決事項

議案番号:1

件名
令和5年度広島市立高等学校(広島市立広島みらい創生高等学校を除く)入学者選抜の基本方針
議決結果
原案可決

議案番号:2

件名
令和5年度広島市立広島みらい創生高等学校入学者選抜の基本方針
議決結果
原案可決

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