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環境影響評価審査会開催結果(JR可部線電化延伸事業 第5回:平成25年7月8日)

ページ番号:0000013594 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

広島市環境影響評価条例に基づき、JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書についての審査を行うため、広島市環境影響評価審査会を開催しました。
1 日時 平成25年7月8日(月曜日)15時00分~16時30分
2 場所 中区地域福祉センター5階ボランティア研修室
3 出席者
 1. 審査会委員(五十音順、敬称略)
   奥田敏統、河野憲治(副会長)、小阪敏和、高井広行、土田孝、中西伸介、
   内藤望、林武広、堀越孝雄(会長)、吉田倫子 以上10名出席
 2. 事務局
   大森環境局次長、北川環境保全課長、小田課長補佐 他2名
 3. 傍聴者
   3名
 4. 報道機関
   1社
4 会議概要
 1. 審査会は公開で行った。
 2. JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書に対する答申案について、審議を行った。
5 審議結果概要
 1. JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書に対する答申案について、各委員から意見が出され、答申案を修正することになった。
 2. 最終的な答申文については、会長に一任することになった。
6 会議資料
資料1「JR可部線電化延伸事業に係る準備書」への意見及び質問等について(第2回審査会)[PDFファイル/440KB]
参考資料「JR可部線電化延伸事業に係る準備書」への意見及び質問等について(第1回審査会)[PDFファイル/503KB]
資料2「JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書」への意見とその取扱いについて[PDFファイル/604KB]
資料3「JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書」について(答申案)[PDFファイル/277KB]

審議結果

小田課長補佐 それでは定刻になりましたので、只今から平成25年度第2回環境影響評価審査会を開会します。本日は、委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、お集りいただきまして、誠にありがとうございます。私は環境保全課の小田でございます。
 審議は17時までの2時間の予定としており、JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書について、第3回目の御審議を頂くこととしておりますので、御協力をお願いいたします。
 また、本日の会議でございますが、委員定数16名に対して、御出席の委員が10名と、会議の定足数の過半数に達しておりますことを御報告申し上げます。
 ここで、開会にあたりまして、環境局次長の大森が御挨拶申し上げます。

大森環境局次長 環境局次長の大森でございます。午前中の報道で、梅雨明けが発表されていましたが、本当にお暑い中、御出席くださり、誠にありがとうございます。
 私どもは季節風が強い冬から春にかけては、PM2.5で色々心配いたしまして、今からは光化学オキシダントが出ないことを切に願う環境保全のセクションでございます。
 今日は、広島市環境影響評価審査会ということで、JR可部線の問題につきまして色々と御審議いただきます。今日が3回目ということで、可部線の環境影響評価に関します総括をお願いしたいと思っています。本審査会の御意見を基に広島市長の意見を取りまとめることになりますので、皆様のきたんのない御意見を伺いまして、市長の意見をとりまとめたいと思います。どうか、よろしくお願いいたします。

小田課長補佐 引き続きまして、本日の会議資料についてですが、一部修正がございます。大変恐れ入りますが、事前にお配りした資料を、お手元の資料と差し替えていただきますようお願いいたします。なお、会議資料としましては、「第2回広島市環境影響評価審査会配席表」、「平成25年度第2回広島市環境影響評価審査会次第」、「資料1「JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書」への意見及び質問等について(第2回審査会)」、「参考資料「JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書」への意見及び質問等について(第1回審査会)」、「資料2「JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書」への意見とその取扱いについて」、「資料3「JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書」について(答申案)」でございます。
 修正箇所としましては、資料1の右側に番号の欄を追加させていただきました。この番号は資料2の左側の欄の番号と対応しておりまして、審査会での意見とその対応の関係が分かりやすいようにしております。
 もし、会議資料に不足がございましたら事務局にお申し付けください。
 それでは、これからの議事進行は、堀越会長にお願いします。よろしくお願いいたします。

堀越会長 それでは、早速議事に入ります。まず、本日の資料について、事務局から御説明をお願いします。

北川課長 環境保全課長の北川でございます。お配りしている資料について説明させていただきます。前回、5月27日の審査会で、会長から、これまでの委員から出された御意見をもとに、答申案を作成するようにという御指示を頂きました。
 まず、資料1「JR可部線電化延伸事業に係る準備書への意見及び質問について」ということで、第2回の審査会の場で委員の皆様から頂いた御意見や質問とそれに対する事業者からの回答を対象項目ごとにまとめたものです。第1回の場で出ました御意見等は、参考資料として付けております。
 資料1と参考資料で出ました御意見をまとめたものが、資料2でございます。資料2は、JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書への意見とその取扱いについてまとめたものでございます。項目ごとにこれまで出ました御意見の概要をとりまとめております。それに基づきまして答申案を右側に書かせていただいております。表の左には(1)から(27)と番号を入れ、準備書のページ数を書いております。それでは、項目ごとに順に説明させていただきます。

【資料2に基づき説明】

資料の説明は以上でございます。

堀越会長 ありがとうございました。本日の審議のポイントは、前2回の議論に基づいて答申案を作成するということでございます。一番ポイントになる資料は資料2かなと思うのですけど、頂いた御意見に対する対応がそれで良いかどうかということを中心に御議論を頂ければと思います。
 なお、前2回の御意見に対する事業者の回答は、資料1と参考資料に付してありますので、そちらを横目に見ながら御議論いただければと思います。よろしくお願いいたします。委員の皆様から頂いた御意見に対する対応が適切かどうか、きたんのない御意見を頂ければと思います。

高井委員 資料2の(5)で、決定係数R2が非常に低いので、予測式としては適切ではないという意見を第1回の審査会で言って、そして参考資料の2ページ目の一番上で「測定サンプル数の修正(特異値として上限と下限を削除)を行いましたが、決定係数(R2)の値は高くなりませんでした。決定係数(R2)が低い式を使用していますが、安全側の評価となるよう、補正値を加算しています。」と書いてあります。次に「回帰式を用いた予測以外に、列車のパワーレベル式を用いた予測を行いました。」と、ですから違う式を使って予測したと、その結果、どうなったかと言いますと、最初に言っている合わないと言っている値にほぼ同一の結果を得たと書いています。真の値に近づくなら分かりますが、ずれた値にそれが合ってくるという根拠はどうなのか。それだったら、パワーレベル式だけを用いて表したほうが、よほど決定係数が悪いものを使うよりも信頼性が高くなるのではないかという感じがする。ここで無理して回帰式を使う必要があるのかということです。どちらかにしていただければ。

奥田委員 関連して、ちょっと別の視点から疑問に思ったのですが、この式の決定係数が非常に低いと、この答申案にはこの式の出典を示せと書いてありますが、この式というのは今回のアセスメントで得られた結果ですよね。出典というのは今、おっしゃったのはどこからかモデルを持ってきて当てはめたけど、決定係数が悪かった、良かったというお話なのですかね。
 もし、現場で得られたデータであれば、良し悪しにかかわらず、これはこれで出典というよりもここに出すしかないのではないかと思うのですが。
 それともう一つ気になるのが、横軸が対数で直線がすごくねているので、ほとんど速度に関係ないということを表しているのではないかと思います。ここで回帰式を例えば重回帰にしても、曲線回帰にしてもあまり変わらないと、おそらく、ここの結論としては速度に関係なく、85~87dBぐらいの間で変動するという話でしかないのではないでしょうか。どうですかね。

高井委員 ここのデータは、可部駅のちょっと離れたところの実測値ですよね。

堀越会長 高井委員の御意見は、別の式でやってみたけども、ほぼ同じような結果が得られたと、まず、ひとつは並列的に両方の式を使う必要はないのではないかと。

高井委員 その前に同じような値が出るということ自体がおかしいのではないかと、一方は決定係数が0.1で、予測が完全にできていない値で、この現象を表しているとは言えないような値なのですね。ぜんぜん違う式を持ってきて、それを出したところ、それに合ったということでこれが正しいと言っているが、間違った値に合うわけないのです。例えば、回帰式が非常に精度が良くて、その値に合って、別の式でやっても同じようになりましたというのであれば、信頼性があるというのであれば分かるが、回帰式が悪いのに、これと同じような結果になるという回答はおかしいのではないか。

堀越会長 問題は、実際測りたいのは45km/hのところで、実測値がないわけで、他のところで測定してみたら、列車の種類も違うし、車輪の状態も違うから、すごくばらつきが出たということだが、その値から45km/h時のことを推定しないといけないという話で。

高井委員 測ってみたけれども、ばらつきが大きいということであれば、例えば、他区間でやっている色々なデータを持ってきて推測してみるという裏付けはいいのです。過去に調査をやっているということで信頼がこのぐらい上がりますという表現でもってくるのはいいが、ここに固執して、これが正しいという理論を持ってきて予測はこうだということは矛盾をしている。
 それか、回帰式がダメであれば、回帰式をやめてしまって、パワーレベルで推測して、他のところでも合っていますので、これでいきますというのであれば、そうなのかなと。

堀越会長 パワーレベルについても、速度の変数が入っているので、同じようなことになるのでは、一番いいのは、非常にばらつきがあって上にはずれたものも念頭に置きながらということだと思いますが、現実的には非常に厳しいというか、難しい話だと思います。

北川課長 事業者の説明について、私なりの理解がありますので説明させていただきたいと思います。列車の騒音につきまして、最終的には等価騒音レベルというもので評価します。等価騒音レベルというは、皆さん御承知のとおり、1列車ごとの単発騒音暴露レベルをエネルギーに換算して平均した値、これで昼間の時間帯のエネルギーを平均、夜間の時間帯の平均を出します。今、議論していただいておりますグラフについては、等価騒音レベルではなく、一歩手前の単発騒音暴露レベルの予測のグラフでございます。単発騒音暴露レベルと列車速度の対数の関係式については、東京都が出しています。それでは、50~120 km/hの間に速度の対数と単発騒音暴露レベルに関係があると書いてありますので、この式を使ったということだと思います。そこで単発騒音暴露レベルを出しました。ばらつきが大きいので事業者がどうしたかと言いますと、ばらつきが大きい関係式を用いて、現況の等価騒音レベルを出しております。等価騒音レベルを、実際に測った現況の等価騒音レベルを比較して補正値を求めております。昼間で0.1dB、夜間で0.4dBという補正値が出てきました。ばらつきがありますので、これを安全側に足したというのが事業者の説明であったと思います。ばらつきは補正値で考慮していると、その補正値も、0.1、0.4と低いという説明はありませんでしたが1dB以下であったと、だから、この予測式を使ったということだと思います。補正値を使っているが元々がおかしいのでそれもおかしいのか、それとも、再現性をどう見るかだと思います。

高井委員 信憑性のない値に補正値を付け加えて、それのどこに信憑性があるのか。そこに問題があるのにパワーレベルで予測したら、それに合ったという説明はおかしくないですか。

堀越会長 中西先生、いかがでしょうか。

中西委員 そこは切り分けて考えたほうが、よろしいかと思います。ばらつきがあるものについては、周りの環境条件まで含めて、他点で測定したら、このようになりましたというものでありまして、パワーレベルのほうは、最初に列車からでるものを求めて、そこからどのように伝搬するのかを求めております。今回、私はたまたま合ったのではないかというふうに考えております。前のものがばらつきがあって不確かだから、別の方法で出たものもおかしいというのは、評価方法の途中で論理的な破たんがあれば確かにおかしいが、そこの部分が担保されていれば、たまたま同じ値になった。ですが、前のも正しいという言い方は、高井先生のおっしゃるとおり、おかしい話です。ですから、前の方法がだめだから、これを破棄して確からしい方法でやりましたと、その結果がこのようで最終的に基準に満たしておりますという論理立てでないと、おっしゃるとおり矛盾が生じておかしな話となっております。

堀越会長 その御意見に基づくと、対応はいかがなのでしょうか。

奥田委員 そうすると、先ほどおっしゃった東京都のレファレンスのデータの出所を明らかにしろということですか。

北川課長 今回、予測を回帰式で予測しているわけですが、速度の対数と騒音レベルの関係式で求めていましたけれども、その確からしさを明らかにするために、出典でこのような文献があるからこの式を使ったということを明らかにする必要があるのではないかということで、これを書かせていただきました。

奥田委員 モデルの利用に関する出典なのか、方法論に関する出典なのか、モデルをそのまま使ったというのでは色々、齟齬が生じるのではないか。

堀越会長 そもそも、東京都がこの式を求めたのは、高架ではありませんか。

北川課長 高架です。

堀越会長 もしかしたら走っている列車も均一だし、可部線は色々なところから集まってきた列車があり、不均一であり、当然、ばらつきが大きくなると、東京でやった時は決定係数もかなりいい値が得られると思いますが。

高井委員 「出典及び関係式が」というところの関係式は、準備書の7-72ページの式を言っているのか。7-73から7-74ページ以下のものは、データから回帰式を求めた係数であったりしますよね。今、言っている関係式は7-72ページの等価騒音レベルの予測式が東京都からの関係式ということになるのか。

北川課長 モデルをどこから取ってきたのかというのが出典で、その出典の中で騒音レベルと速度の対数の関係式が成り立つ速度の範囲を明らかにしてほしいという意味で書かせていただきました。東京都では関係式は何キロから何キロまで成り立っていたのか、そこから外れるところについては若干、モデルから外れるのではないのではないかと。

高井委員 今、言われる東京都のことはどこに書いてあるのですかね。

北川委員 それは明らかになっておらず、事業者からの説明で後から私どもが把握した情報であり、準備書には記載されていません。

高井委員 そこで、何の担保もないのに東京都の式を出してくるのか。準備書の中で何も触れていないのですよね。答申案に出典及び関係式について述べることではないですよね。

堀越会長 ここでポイントは段落以降で事実を、「ばらつきが大きいことから、準備書に記載したものとは異なる方法」ということでパワーレベルの予測で、対応というのは後段のところでいいのではないかと思うのですけど。

高井委員 前段を持ってくるとややこしいですよね。

堀越会長 そうですね。確かに。

中西委員 前段の話ですけど、この前段の対応を求めたのは、準備書にどういった理屈でなるのかということが一切、示されていませんでした。そこでどのような論文を使ったのかもありませんでしたので、まずはそこを明らかにして、それが使えるのかどうかを回答してくれということを申し上げました。第2回のときに別のパワーレベルの方法を持って来られて、事業者がこのようになりますと説明されました。途中経過で求めた内容ですから、最終的に答申として挙げるのは、おっしゃられるとおり、不適切ではないかと、そのように考えます。ですから、議論の途中の話が残るのは、文言としてはおかしいと考えています。

堀越会長 皆さん、いかがでしょうか。段落以降のところだけでいいのではないかという気がしますが。

内藤委員 今のお話で後段を中心にしたほうがいいということは、確かにそうなのかなと思いますが、この準備書があって3回議論した結果として、経緯を理解していれば分かるのですけど、はっきり残るのは準備書と答申なので、経過の中で前段部分の関係式があやしいということが出てきたから、後段になるのだと思うのですよね。ですから、残してもいいのではないかと思っています。例えば、「前段を明らかにすること。または、」という形で、明らかにできないのであれば後段の方法でどうかという形の答申であれば、パワーレベルという新しい方法が出てきたのは、事業者側としてはちゃんと証明がつかないから別の方法を持ってきたと、やることは結局、一緒なのですけど。準備書に対する対応が分かりやすくならないかなと思ったのですけど、いかがでしょうか。

堀越会長 なるほど。確かに、もし、後段だけにしてパワーレベルの式からの話になると、議論の経過を知らない人は。

奥田委員 グラフの出典を明らかにしろと書いてあるので、これが引っかかるのです。方法論の出典なのか、回帰モデルの定数項は決まっていますので、どういう関係式の出典を明らかにしろと言っているのか分からない。

内藤委員 関係式の確からしさを明らかにしなさいというのは。

奥田委員 もうちょっと書き方を変えるというのが。

高井委員 中西委員の説明でいくと、列車のパワーレベルの推定で用いた式が結構、合いますということで、パワーレベルの出典をという話ではないですか。

中西委員 そうですね。

堀越会長 今の御意見を踏まえて、後段についても、もう少し具体的に書き改める必要があると。

高井委員 結局、ここのところで問題になっているのが、実測した値について、非常にばらつきが大きいので使うのに耐えうる式ではないというのが結論なのですね。決定係数がこんなに低いのに予測式には使えないという結論が出ていると、そんな式を使うこと自体がおかしいと。パワーレベルを使った方法を持ってきたら、間違った値に良く合いましたよという導き方もおかしいですし、パワーレベルの予測式が認められたものであれば、このパワーレベルの式だけを用いて表しましたよ。45km/hを予測したら、この値が出てきますよというほうが、わざわざ悪い方を用いて、やらなくてもいいのではないかと。信頼あるということで持ってきた式だから、この式をやったらいいのではないかと。

中西委員 準備書の評価では信頼性が低いので、信頼性がある別の方法を持ってきましたという流れでいいのではないか。

高井委員 R2が0.13であれば、普通で考えれば事象の再現性が13%しかないという意味だから、ほとんど当てはまりませんよと言っていることなのです。フィルターを付けて、回帰式を求めることができれば、こういうような実測値だから非常に有意義な値になると思いますが、このままだとやはり耐えうることができない。信頼性があるほうを使ってもらえればいいのではないかと。そんなに極端には変わらないとは思いますが。

堀越会長 換算できないんですけど、ある直線部で測ったとしても、速度は大きく変わらないはずですよね。もし、一定の場所で測ったら。そうすると、団子みたいになる要素を持っていますが、なんとなく右肩上がりかと思ってしまうのですけど。

河野副会長 準備書の7-72ページの予測式の中で速度はどこに反映していますかね。単発騒音暴露レベルを求めるために速度が関係している前提で話をしていますが、ほとんど関係ないのですよね。実測値だけですよね。安全側で大きい値を入れていれば、安全サイドで推定したと言っていれば全然、問題ないような値になりますよね。速度との関係式と言っていますが速度があまり反映されていない。だから、いずれの推定式を用いてもあまり変わらないのが当たり前のような気がします。

高井委員 わざわざおかしなものを入れることが理解を苦しませると。

河野副会長 高いはみ出た値を用いると、何か問題が出てくるのですかね。そこが一番引っかかるところですね。それがあるからそういうふうに、敢えてしているのかなと思いましたけれども。基準を超えるのですかね。

堀越会長 はみ出た値を使うとそうなるでしょう。

河野副会長 決定係数が低いから普通は使わないけど、敢えて使っているんですかね。補正値を入れて、基準から厳しいところだなというのが前回会議での印象です。

北川課長 答申案でお示ししましたのは、列車速度と単発騒音暴露レベルの関係式での予測がひとつ、別の方法がひとつ、ふたつで出して、環境保全措置を含めて再評価してください。その結果を評価書のほうに記載してくださいというイメージで書かせていただきました。今の御議論であれば、決定係数が低いものについては、使わないほうがいいのではないかという御意見だったと思います。そうしますと、決定係数が高い予測式を使うか、別の根拠がしっかりした予測式で行って、準備書に記載してある予測式を使わないほうがいいという御意見であれば、後段部分のほうがいいのかなと。事務局で考えたのは、ふたつを並列して予測しなさいというイメージで書かせていただきましたので、それではちょっとおかしいのかなと。例えば、関係式を使うのであれば決定係数が高いものを使うか、若しくは安全サイドで最高値を使って、問題ない形で出しなさいと、それができないのであれば別の予測式を使って、この予測式以外のことで予測してくださいという意見にさせていただいたほうがいいのかなという気がしておりますが。

高井委員 どうしても上手くならなければ、再調査ですよね。調査方法がおかしいのかもわからないし、そんなに幅が振れないだろうと思います。

河野副会長 騒音の予測で決定係数がある程度、高い推定式があると、論文でもあるということが分かっているのであれば、それを使ってください。速度範囲というのは、あまり大きな影響はあるとは考えにくいというわけですから、速度が多少はみ出そうとも、それでやってみてくださいというふうに言えるかもしれないですね。

高井委員 45km/h、50km/h、55km/hといったら、極端に言ったら、あまり変わらないですよね。

中西委員 そうですね。予測式自身は55km/h以上の適用範囲であっても確からしければ、55km/hの速度があれば大きくなるという定性的なところは変わりないでしょうし、どこかで完全に一定になるとしても55km/hという高いレベルであれば、45km/hとして扱うことは、それは安全側として言うことはできる。そこで確からしいものでなければ、現地調査をしてくださいということになる。

堀越会長 ちょっと戻りますが、後段部分をベースとして書き改めるというか、確かに実測した上の値をベースにするという考え方もありますが。私はいつも利用していますが乗っている列車が様々で、乗客数も全然変わってきますし、車輪の状況も違うでしょうから、現状、ばらつきが出やすい要因があると思うのですが、そういうところで上限を取るというのも現実的にどうなのかなとちょっと思ってしまうのですけれども。

土田委員 騒音のことはよく分からないのですけど、7-69ページに自動車の予測が書いてありますが、同じやり方したらだめなのですか。同じように単発騒音暴露レベルの算出と騒音パワーレベルの算出、これと同様の考え方でやれば、こうなると。実測値の平均値を使ってやるということも、速度は多少、高めでも安全側ですよということで、この式は有意な差はないけど、少なくても速度が遅くなって、騒音が大きくなるということはないと言えるわけですから、実測値を使って、同じように成り立てば、それは説明になりますし、ばらつきがあるから議論したくなりますが、等価騒音レベルは1日の本数の平均だから、1本1本はばらついていますが、合計値はおそらく収束していきますよね。あんまり個々のデータのばらつきに着目しますと、ややこしくなるので、このばらつきが鉄道の特異性かもしれませんが、通常のやり方に沿って、実測値も平均してやってみましたということも説得力はあるかもしれないですね。7-69ページには騒音パワーレベルのことも書いてありますが、こっちのほうでやったら、こうでしたと、両方とも大丈夫でしたということであれば、納得できると。

高井委員 無理やり回帰式を求めなくてもいいのですよね。範囲を決めてやれば、こういう範囲でやるということで平均でやるのか、幅でやるのかということはありますが。幅を持たせたときに、上のほうの値が問題だということになれば、違う問題ですが。

土田委員 1日、上のやつばっかりが通るということもないと思います。上のやつが通ったり、下のやつが通ったり、個々はばらつきますが、1日を平均してやれば、ばらつきは平均値のあたりに収束していくのではなかろうかということです。

堀越会長 列車速度と単発騒音暴露レベルのことはあまり考えない。実測値の平均がどうなのか見て、それで評価して考えるというのが現実的なのですかね。

北川課長 今、現況の値をそのまま用いたほうがいいのではないかという御議論だと思いますが、現況のデータが7-75ページの表7-2-26補正値のところ出ております。昼間に60dBという指針値が出ておりますが、曲線部で60.7dBで超えております。なぜ、超えているかと言いますと、可部駅までの速度が高いために超えております。それで、ひとつの対策として延伸区間については、横川駅から可部駅で想定していない45km/hを最高速度にすることにしております。では、45km/hのところの騒音レベルはいくらなのかというところで予測が関わってきております。7-73ページのグラフでは45km/hが出ていなかったと思います。そこで事業者が色々、検討されまして、ひとつには速度の対数と単発騒音暴露レベルの関係式を用いて予測をしましたということだと思います。現況を使ってということであれば、45km/hのところを探して、現況でやるのか、そこには加速が入ってくると思いますので、ちょっと違うのかなと。現況でデータが出てきておりますので、45km/hをどう評価するにかという話だと思います。そこが事業者サイドであれば難しかったのではないのでしょうか。

堀越会長 確かに延伸区間は、可部駅を出るとすぐに急カーブですし、すぐに中間駅があって距離が短いですね。

北川課長 それが一番の騒音を下げる近道なので、そこのところを事業者も考えていただいたのだと思います。

堀越会長 現在の運行区間では、それに該当するようなところはないのですね。実測値は取れないのですね。

北川課長 最後の実測値を使うというのは難しいのかなという気がしました。

土田委員 曲線部だけ見ると、決定係数は結構、大きいですよね。

高井委員 中西さん、一番基本的な列車速度と騒音の論文は、いくらでもあるのではないですか。

中西委員 参考資料の私の質問に対する事業者の回答のところで、文献は「在来線高架鉄道からの騒音予測手法案について」で騒音制御工学会が出している学会誌である「騒音制御」に載っているものでして、パワーレベルについては別の論文を参考にしたと前回、第2回の資料に出ておりました。それを用いての話になっております。他の文献については十分把握できていないですけど、もっと確からしいものを使っていただくか、現況のデータから出していただくかということになろうかと思います。

堀越会長 裏付けられた別の速度と騒音の関係式があれば、それを用いて推定するということですか。

中西委員 そうですね。あたらしい文献についても適用範囲が50km/hか55km/hからでありましたので、速度が遅くなれば騒音も小さくなるか、同じであろうと考えると適用範囲の下限で予測して、超える、超えていないの判断すればいいのではないでしょうか。

堀越会長 実測値に基づいて関係式を出してしまったから問題があったと、しかるべき根拠のある関係式があったら、そちらを使ってといった方向で答申に盛り込むということで大丈夫でしょうか。

北川課長 後段部分をメインに書かせていただいて、「列車速度と単発騒音暴露レベルの関係について、ばらつきが大きい」という、これは事実だと思います。それを書かせていただいて、それ以外で。

河野副会長 「直線部では」というふうに一言、入れたほうが。曲線部はそうでもないかもしれないですね。

内藤委員 「ばらつきが大きい件については信頼性が低いので」と。

河野副会長 「他の方法で推定する」と。

堀越会長 現時点の案として、直線部と曲線部は分けて考えてみると。

北川課長 確認なのですけど、前段部分を取って、後段部分の形にしてばらつきが大きい関係式を使っている直線部については再評価する必要があるという趣旨でまとめさせていただければと思います。

堀越会長 ここで出た議論は分かっているわけですので、もっといい方法があるかもしれませんので、あまり縛らないほうがいいかもしれないですね。今、課長がおっしゃられた方向で書いたほうが。

北川課長 決定係数が低いところは、予測がおかしいので他の方法で再評価してくれという趣旨でまとめさせていただければと。

堀越会長 適用範囲が50km/h以下はないということは、苦しいと言えば苦しいですね。

高井委員 それは上限を使うということで。

堀越会長 分かりました。結論としては事後が大切ということになりますね。今は分からないという話ですよね。
 だいぶ時間を取ってしまいましたけれども、一番大事なことだと思いますので。では他のことについてもよろしいでしょうか。委員の皆様からいただいた意見で、対応案を見ていただいて、いかがでしょうか。

土田委員 27番のところですけども、この間の審査会が終わった後に個別に市のほうに提出した意見なのですが、以前、意見の中に、駅ができることによる交通の問題ですとか、それに伴って、例えば通学する子どもたちの交通安全の対応とかがあったような気がするのですけども、そういう問題というのは必ずしも事業者、ここでいうJR西日本だけの問題ではなくて、もともと鉄道事業というのはここに至るまで、そこのまちづくりといいますか、ある程度、まちづくりを担当する行政当局との合意をもとにこの段階まできているということで、新しく駅ができたり、廃止になったものが動き出すということになれば当然影響があるわけですから、それに対して鉄道事業者だけではなくて、それを担当する行政当局のほうも当然対応するということがあって初めて成り立つと思います。ただ、環境影響評価というのは基本的には事業者が回答するという立場にありますので、事業者でない者が回答するのはおかしいといえばおかしいですけど、ただ、市民の立場から見れば両者の事業というのは相まって一体のものですから、そちらは事業者でないから市は関係ありませんというのは、ちょっとどうかなという気がします。先ほどお話がありましたけれども、市の見解はこうですと引用する形でもいいし、何らかの形でそこに書かれているのが望ましいのではないかという意見です。

堀越会長 答申案の前文のところで、JR可部線活性化連携計画、これは当然行政も入っているわけですよね。なので、精神としてはそうなのだと思います。先ほど課長さんの方からも、事業者さんとしてもその辺りは自分が主体的にどうこうという話ではなくて、行政のほうでもこんな風に考えているようなのだ、ということを入れると言われたと思うのですけども。

北川課長 繰り返させて申し上げさせていただきます。本件については事業者から、市民意見に対する市の見解を評価書に追加するという報告を受けております。それから追加でございますけども、まちづくりですので、当然、今まで市のほうがタッチしておりますし、説明会はアセス手続きとは別途にずっとしております。ですから、今回の市民意見も、市が初めて聞くわけではなくて、今までも出てきて、議論をしたと。けれども、市民の方から再度、意見を提出する場があったので、出てきたものだと聞いておりますし、私どものほうも、こういう意見が出ましたので、何らかの形で説明するように求めております。ですから、その点は、アセスとは別に説明を今までもしてきたし、これからも機会があればすると聞いておりますので、そういう点で御理解いただければと思います。

土田委員 市の見解ということで、引用する形で入れておくというのは非常にいいことではないかと思うんですけどね。

北川課長 別のアセスでも同じような問題が出るかもしれませんので、条例上は環境保全の見地からの意見だけにこだわっていますけども、それ以外のまちづくりだとか、そういった意見が出てきたときの対応については研究させていただければと。

土田委員 例えば、工場ができたりショッピングセンターができれば、それまであった道路の容量が不足して問題が起こるということが予想されるのですけども、道路をどうするとか、事業者がする範囲を超えているというのは他にもあると思うのですよね。それに対して、事業者は関係ありませんということではなくて、そこにくるまでに何かしら市とのやりとりがあるはずなので、その段階での、市はこういう見解ですということが書かれているのが望ましいのではないのかな、と思います。

堀越会長 答申案について、前文のあたりも御意見をいただけたらと思うのですが、いかがでしょうか。
 それから、主に議論してきた答申案については2の⑴なのですけども、その他の部分についてはいかがでしょうか。

内藤委員 答申案の一番最後の「5その他」のところで、非常に細かいところですけども、関係地域の住民等からの環境の保全に関する情報提供や苦情については、対応窓口を設けてと誠意をもって対応、とあるんですけども、この情報提供というのが、僕の理解では、住民側から情報を提供するのではなくて、事業者側に情報の開示を求めるということじゃないかと思うんですよね。もしその理解が違ったらだめなんですけど、そういう理解だとすると、情報提供というよりかは、情報開示の要求とかにしたほうが日本語としてはいいのかなと。

北川課長 ここの情報提供につきましては、例えば、希少な動植物があそこにあるよ、とか、そういった情報提供があれば、それは誠意をもって対応すること、ということで、住民等からの情報提供ということで書かせていただいております。

堀越会長 つまり、苦情というときはもろに被っている方からのもので、ここでいう情報提供というのはもうちょっと広い意味で、あそこではちょっとなんとかしないとまずいのじゃないかとか、そういう意味も含めてということでしょうか。今の情報提供ということの説明はどうでしょうか。

内藤委員 確かにそう言われるとわかるのですけども、それが伝わるのかなというのは、ちょっとよくわからないですけども。ちょっと考えてみます。

北川課長 事業者からの情報開示という点でございますけども、条例では事後調査結果は公告縦覧という形で皆さんにお知らせするようなっております。工事中の騒音の測定結果ですとか、供用後に鉄道騒音を事後調査するようになっておりますけども、その結果を皆さんに見ていただく。それに対してひどいことになれば、市民の方からも意見がでる、というような手続を条例で決めておりますので、条例上の情報開示ではそういう意味がございます。

堀越会長 他にいかがでしょうか。今まで2回、御議論いただいておりますので、とりあえずは御意見出尽くしたと考えさせていただいよろしいでしょうか。
 では、事務局のほうで本日の意見を踏まえて答申案の修正をお願いいたします。特にさっきの部分については早めに委員の皆様にお送りして、また見ていただいたほうがいいと思うのですけども、よろしくお願いいたします。
 委員の皆様の中で、もしも追加の意見や言い足りなかったところがあれば、早めに書面で事務局へ提出をお願いいたします。この度の市長意見の期限が8月7日だそうです。最終的な答申文については私に御一任いただけましたらと思うのですが、よろしいでしょうか。もちろん、早めに案をお送りいただいて、その上で最終的には御一任いただくということでよろしいでしょうか。

【全員、異議なし】

ありがとうございます。そういうことで進めさせてもらいたいと思います。では、事務局のほうで答申案の修正と本日の議事録の作成をお願いいたします。事務局から連絡事項がありましたらお願いします。

北川課長 御審議をいただき誠にありがとうございました。会長に御指示いただきましたとおり、本日の議事録を早急にとりまとめ、審査会での御意見を踏まえて答申案の修正を行いたいと思います。また委員の皆様にはお送りいたしますのでよろしくお願いいたします。最終的に答申をいただきましたら、それに基づきまして、先ほど会長から御説明がありましたとおり、平成25年8月7日までに事業者に市長意見を述べます。事業者は、この市長意見を踏まえて評価書を作成することになります。なお、今後の経過につきましては、適宜、御連絡申し上げます。以上でございます。ありがとうございました。

堀越会長 ありがとうございました。では、本日の審査会はこれで終了といたします。皆様、御苦労様でした。

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