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環境影響評価審査会開催結果(JR可部線電化延伸事業 第3回:平成25年2月27日)

ページ番号:0000013592 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

 広島市環境影響評価条例に基づき、JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書についての審査を行うため、広島市環境影響評価審査会を開催しました。

1 日時 平成25年2月27日(木曜日)9時55分~11時35分
2 場所 広島市役所本庁舎 14階 第7会議室
3 出席者
 1. 審査会委員(五十音順、敬称略)
   今川朱美、河野憲治(副会長)、小阪敏和、坂本智栄、高井広行、棚橋久美子、富川久美子、
   内藤望、中西伸介、林武弘、堀越孝雄(会長)、矢野卓雄、吉田倫子 以上13名出席
 2.  事業者
   西日本旅客鉄道株式会社
 3. 事務局
   大森環境局次長、北川環境保全課長、福田課長補佐、他2名
 4. 傍聴者
   2名
 5. 報道機関
   なし
4 会議概要
 1. 審査会は公開で行った。
 2. 事業者から、事業の内容及び環境影響評価準備書の概要について説明を受けた後、準備書について審議した。
5 審議結果概要
 1. 環境影響評価準備書の内容等について、各委員から意見が出された。
 2. 次回の本事業に係る審議会は、4月又は5月に開催する予定である。
6 会議資料
資料 JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価手続き[PDFファイル/273KB]
7 議事録
議事録ダウンロード用ファイル[PDFファイル/432KB]


審議結果

福田課長補佐 少し早いのですが、委員の皆様お集まりになられましたので始めさせていただきたいと思います。本日は、委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、お集りいただききまして、誠にありがとうございます。
 只今から、平成24年度第3回広島市環境影響評価審査会を開会いたします。私は、本日の司会を務めさせていただきます環境保全課の福田でございます。よろしくお願いいたします。本日は、JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書について御審議を頂くこととしております。審議は12時までの予定としておりますので、御協力の程よろしくお願いいたします。また、本日の会議でございますが、委員定数に対して、御出席の委員が13名と、会議の定足数の過半数に達しておりますことを御報告申し上げます。
 それでは、開会にあたりまして、環境局次長の大森から御挨拶申し上げます。

大森環境局次長 皆様、おはようございます。大変お忙しい中、広島市環境影響評価審査会に御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 本日は、先ほど司会のほうも申し上げましたがJR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書について御審議いただくことにしています。皆様、御存じのとおり、平成15年にJR可部線の可部から三段峡までの区間が廃止されました。地域からは廃止しないでほしいとの要望がたくさんありましたが、大変厳しい路線ということでやむなく廃止になりました。その後、可部から河戸エリアまでの区間を単なる復活ではなく、電化で延伸してほしいとの地域の住民からの強い要望があり、それにJRさんが市と一緒になって応えてくださる形で、この事業が進められることになりました。一旦廃止された路線が復活、若しくは電化という新たな事業ではありますが、こういうことは全国初の取組ということで全国的にも注目が集まっている事業であると思います。このことにより、地域の交通利便性は当然、向上しますし、可部地区全体の活性化についても非常に期待が高まっている事業でございます。
 しかしながら、復活というよりも新線の整備という取扱いになりますことから、広島市環境影響評価条例の対象事業となります。列車の走行などによって発生する周辺地域の生活環境に対する影響を可能な限り回避・低減することが同時に求められることになります。
 つきましては、委員の皆様におかれましては、この事業が環境保全に十分配慮した事業として整備され、更に地域住民の皆様に喜ばれる事業になりますように、是非、環境保全上の見地から御審議いただきますとともに、きたんのない御意見を伺いたいと思っております。そのことをお願い申し上げて御挨拶とさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

福田課長補佐 それでは、審議に先立ちまして、諮問書を大森環境次長から堀越会長にお渡しいたします。

[諮問書を堀越会長に手交]

福田課長補佐 引き続きまして、本日のお手元の資料の確認をさせていただきます。「平成24年度第3回広島市環境影響評価審査会次第」、「第3回広島市環境影響評価審査会配席表」、「資料JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価手続き」、この他に、また、委員の皆様方には、あらかじめお送りさせていただいております「JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書」、「同資料編」、「同要約書」がございます。
 もし、お揃いでないようでしたら事務局にお申し付けください。
 それでは、これからの議事進行は、堀越会長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

堀越会長 おはようございます。早速議事に入りたいと思います。
 只今、「JR可部線電化延伸事業に係る環境影響評価準備書」について、当審査会の意見を求める諮問を受けました。委員の皆様の御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、まず初めに、本事業の環境影響評価手続きについて、事務局の方から御説明をお願いいたします。

北川課長 環境保全課長の北川でございます。よろしくお願いします。
 お手元の「資料JR可部線電化延伸事業の環境影響評価手続き」で、今までの手続きとこれからの手続きを説明させていただきます。
 本事業の環境影響評価手続きは、平成22年12月に環境影響評価実施計画書が提出され、当審査会の御意見をお聴きした後、平成23年3月に環境保全の見地から市長意見を述べております。その後、事業者による環境影響評価が実施され、今般、2月12日に環境影響評価準備書が提出されました。準備書は2月14日から3月13日までの1か月間、縦覧が行われているところでございます。
 準備書に対する市民等からの意見書の提出期限は3月27日までとなっており、今後、市民等の意見の概要を記載した書類が事業者から市長に提出され、提出後90日以内に、市長は、本審査会の御意見をお聴きした上で、準備書について環境保全の見地から意見を述べることとなります。
 その後、事業者は市長意見や市民等意見を勘案して検討を加え、最終的な評価書を作成し、市長に提出します。市長は必要があると認める場合には、意見を述べ、事業者は環境影響評価書を補正後、公告、縦覧し、工事に着手します。
 本事業の環境影響評価の手続きについては、以上でございます。

堀越会長 ありがとうございます。現状が御理解いただけたのではないかと思います。本日の審査会には、事業者である西日本旅客鉄道株式会社の方に御出席いただいております。引き続き、事業者から環境影響評価準備書の内容について御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

事業者 JR西日本の大阪工事事務所の又賀と申します。本日は、委員の皆様、お忙しい中、審査会を開催していただきまして、ありがとうございます。準備書の説明にあたりまして、一言、御挨拶させていただきます。
 可部線の電化延伸につきましては地元の皆様から長らくの御要望を受けまして、また、この事業は沿線の住民の利便性の向上でありますとか、あるいは、地域の活性化に資するプロジェクトということで関係機関と協議を重ねてまいり、今般、2月4日に広島市との事業実施の合意を得たというところであります。本事業は、先ほど御説明がありましたように、鉄道事業の建設事業ということで広島市環境影響評価条例の対象事業となるということから、実施計画書を提出しまして、審査していただき、また、市民の皆様、あるいは市長から御意見を頂き見直しを行い、調査・予測・評価をしてまいりました。そういうことで、今日、準備書の審査をしていただくということでございます。この審査によりまして、環境により配慮したプロジェクトになりますよう、また、この審査を受けまして、設備計画等、更に深度化して、関係機関と協議を進めてまいる所存でございます。本日は、よろしくお願いいたします。

それでは、準備書の内容について御説明させていただきます。西日本旅客鉄道株式会社大阪工事事務所の牛田と申します。よろしくお願いします。説明のほうは、こちらのスライドで御説明させていただきます。それでは、座って御説明させていただきます。

[事業者により、パワーポイントを利用して環境影響評価準備書の内容について説明]

堀越会長 大変、分かりやすく御説明いただき、ありがとうございました。只今、御説明がありました環境影響評価準備書について委員の皆様から率直な御意見や御質問をお願いしたいと思います。どのようなことでも結構です。

高井委員 特に夜間の運行のことなのですけど、一つは、終電は何時までかということ、それに伴いまして、説明がなかったのですけど、電車による光公害をどう考えられておられるのか。夜間であれば家屋に入ってきますよね。
 先ほどの騒音と振動を見ていきますと、振動はかなり分散が少ないのですけど、騒音は分散がありましたよね。分散があるときの高い騒音のときの対策はどうなのかということ。
 それから、私もよくわからなかったのですが、電波障害で色々な対策をとると、電波に全然、影響ないものかどうか。たぶん、実験か何かやられているのではないかと思うのですけど。画面がちらついたりということもないのかということです。
 もう一つ、工事用車両の出入りの交通事故、子供を巻き込んだりという交通事故がよくありますけれども、そういう点の配慮をどうされているのかということ。たくさんありましたけれども、よろしくお願いします。

事業者 御質問ありがとうございました。列車の時間につきましては、現行の終電24時30分ごろが最終の列車となりますので、その列車が終端駅まで行くことになりますので、24時30分ごろまでが列車が運行する時間帯となります。

高井委員 夜間は何本ぐらい運行されていますか。

事業者 夜間の時間帯については、17本でございます。
 それから、光公害の御質問を頂きましたが、今のところ光公害については評価の中で何も考えておりませんので、別途、検討させてください。
 続きまして、騒音と振動の分散の関係ですが、おっしゃられますとおり、騒音につきましては、かなり分散しているような結果となっております。今回、予測していくにあたっては、こういった一つの近似式で評価を行っておりますが、例えば、同じ列車速度でも騒音値が低い列車もあれば、比較的高い数値の列車も実際に出ております。そうした部分の評価を行うために、ここの差を考慮できるように分散の補正を行ったうえで、補正値を加算することによって安全側の評価を行っております。

高井委員 統計でいきますと信頼区間があり、95%ということがありますが、ここまで入っていますとか、ここまで考慮していますというのがよく分からないのですが。

事業者 考え方としましては、先ほども説明しましたとおり、例えば、45km/hの値が近似式でいくと45km/hの対数の値を代入したときの直線の交差する部分になってしまいますが、実際の現地の調査でいきますと、もっと大きな音が出ている列車もあるということで、最大の差を足し込んでいるような形で、一番、安全側で評価するような形になっています。

高井委員 それでいくと、直線の最大のところまでは考慮しているという解釈でいいのですか。

事業者 考え方としましては、そのような考え方となります。
 電波障害につきましては、架線の電流による電磁波の関係で、今、よく流通しております液晶テレビであれば、ほぼ、ちらつきはないかと思うのですけど。昔のブラウン管テレビを使われている御家庭がありますと、画面のちらつきがないと言い切れない部分はございます。ですので、そこにつきましては先ほども説明したとおり、事業実施後、個別の対応をさせていただくしかないのかなと、絶対にありませんとは言い切れない部分がありますので、そこは個別に対応してまいりたいと考えております。
 最後の交通安全に関しましては、おっしゃられますとおり、工事を行っております現場から一般道路に出る部分は非常に危険な箇所になりますので、そこにつきましては当然、誘導員を常時、配置いたしまして、また、外に出るときは一旦停止を必ず行った上で、通行者がいないことをしっかり確認した上で、そこはきっちり誘導員を配置して工事を実施してまいります。

堀越会長 関連して、このグラフ(準備書p7-73)でばらつきが大きいですが、可部線は色々なタイプの車両が走っていますが、そういう理由なのか、あるいは車輪とレールの接触のためなのですか。

事業者 おっしゃられますとおり、可部線では列車の種類は全て統一されていませんので、車両の重さとかも影響してまいります。車輪も全て綺麗な真円の車輪が常に走っているわけではなくて、角が削れていたりする部分が車体によって変わってきますので、騒音が列車によって変わってくるというのはやむを得ないのかなと。

矢野委員 それに関連して、供用開始後は最高速度が45km/hということで、この図では横軸が対数値でプロットされていますが、45km/hがどのあたりになるのか教えてください。
 1.65ぐらいですかね。それで言えば、データがないところで供用されるのですかね。

事業者 そうです。2両編成でいきますと実際測った部分が直線部ですので、速度が出ている列車がほとんどとなりますので、45km/hよりも大きな速度の列車を現地で測定しております。今回は最高速度が45km/hということで、回帰式を使いまして45km/hでの予測を鉄道騒音の評価としております。
 実際、45km/hまで本当に出るのかどうかという話もございまして、今回、1.6kmの延伸区間の中で中間部に駅ができますので駅間が800mしかございません。この800mの中でなかなか45km/hまで速度が上がる範囲もわずかと考えられますので、実際でいきますと45km/hでの評価よりも更に低い騒音、振動レベルしか発生しない部分が大多数であり、非常に安全側の評価になっていると思っています。

中西委員 その騒音のことについて、準備書の7-73ページ列車速度と単発騒音暴露レベルの関係の詳細が記載されていますので、まず一点、タイプミスがあり、横軸が「列車毒度」になっておりますので、「速度」に訂正してください。これは図7-2-6から図7-2-8の全てそのようになっております。
 それと、分布の話がありましたけれども、速度の対数に比例するという式を使ってございますが、根拠はおそらく、日本騒音制御工学会が出された騒音制御の4巻2号の解説記事で転動騒音の回帰式がこのように速度の対数で求められるというところが根拠になっていると、こちらは考えていますが、その辺ですね、根拠を明らかにされたほうがよろしいのではないかと考えます。この式の中で適応範囲が時速50km/hから120km/hと書かれておりますので、45km/hの速度でこれが適応できるのかどうかは他の文献調査等で一度確認なさってからのほうがよろしいかと考えます。
 それと、7-75ページに表7-2-26に補正値を求められていますが、現況と再現値のところですが直線部については調査結果のところで現況の値、それぞれ出ておりますが、直線継目部、曲線部についての現況の値は調査結果のところに載っておりませんので、調査されたのであれば明示していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。以上です。

事業者 1点目の出典の根拠等につきましても、きっちりと準備書の中でどういった根拠に基づいて、こういったLog対数での関係式を導いているのか追加させていただきます。
 2点目の現況を測っている部分の記載につきましても、もう一度、実際、測ったところを確認いたしまして漏れ等がありましたら修正させていただきたいと思います。

高井委員 関連して、図7-2-6の2両編成のほうは非常に寄与度が低いですよね、0.13とか、もう一つのほうが0.19ですよね。一般的にこのような式は使えませんよね。4両編成は少し上がっていますけれども、2両編成のほうは何か違った考えで予測しないといけないと思います。

事業者 おっしゃいますとおり、R2、決定係数ですが、2両編成の直線部0.13、直線継目部0.19ということで通常、こういった統計学的な回帰分析を行う場合には0.3程度の決定係数があれば予測の信頼に入るというような統計学的な考え方もございます。確かにおっしゃられますとおり、2両編成の決定係数がかなり低い数字となっております。予測の精度という部分では若干、2両編成につきましては精度的にどうなのかという御指摘をされますと、厳しい部分がございますが、そこにつきましては考え方を整理させていただきまして、別の手法等を考えて、評価をさせていただきたいと思います。

堀越会長 中西委員のおっしゃられたのは、73ページの図で実測値がない速度のところは関係式から外挿したということですよね。それが正しいのかということもお尋ねになられたような気がしますが。

中西委員 はい。この速度の対数に比例して転動音、車輪が転がるときに出る騒音、これのパワーレベルを求める推定式が、1980年の日本騒音制御工学会の出している騒音制御という会誌の4巻2号に解説記事として掲載されています。その中で、この予測式の適応範囲も明示されておりまして、それが時速50km/hから120km/hの範囲とありますから、45km/hという走行速度にこの予測式を適応していいのかどうか、これが後の研究で拡張されて、その範囲まで入っているのであれば、この予測式で評価して、確かにそうでしょうと考えることができますが、もし、そうでないのであれば、対数に比例するのではなくて、途中である一定の値に収束していて予想よりも高い騒音レベルになっている可能性があるので、そこを押さえて評価していただいたほうがよいと考えました。

事業者 既存の文献等を確認いたしまして、その辺りの考え方を整理させていただきまして、別途、御説明させていただきたいと思います。

吉田委員 景観というか、安全ということでお伺いしたいのですが。景観の近景のNo.5のところ(準備書p7-115)にある写真なのですけど、柵をされるということは安全面では大変、大事なことかなと思います。ただ、南北で皆さん線路を渡られていた生活をされていたのではないかと、今もそういう生活をされていて、なおかつ、この写真では線路のところに自転車でも通れるようにスロープ状のものが造られていて、JR公認で皆さん歩かれているのかなという感じの生活圏がありまして、その辺りをどういうふうに市民の方に理解していただくかというか、ここがちょうど国道との交差の高架であって、なかなか南北で移動が難しいところなので、これは市がやることなのか分かりませんが、柵をしてしまって安全を先にとって、安全も誰にとっての安全かいうと、JRにとっての安全なのか、市民にとっての安全なのか分かりませんが、そちらの立場に立って、ここは一切、南北で移動できませんということが本当にいいのかなと。本来、そうあるべきですけど、いくつか、南北で跨れている箇所があるので、その辺りをどのように考えるのかが気になりました。答えはないと思いますけど。
 もう一点は、踏切のところで、南北で横断するところなのですけど、景観が欲しいというよりも、そこの安全面がどのようにされるのかが気になりました。先ほど言われたように、工事中の車両の安全は守られるということですけど、踏切自体が割と狭かったように記憶していますが、自転車等で駅に駐輪して通勤、通学とかされますし、高齢者の方も通られると思うので、その辺の安全に十分配慮していただけるようなデザインになるといいかなと思います。ちょっと景観ではないのですけど。

事業者 南北で線路を渡る生活というのは、この写真にもありますとおり、8年前、9年前に廃止されて以降、そういう生活が現状はなされている状況です。一方でこの地域の方々が鉄道を延伸することで生活が便利になるということで御要望されて、今回の計画が出てきたということも事実でございます。JR公認でということもおっしゃられましたけれども、廃止区間でございまして、現状の設備等は広島市の持ち物で、電車が来ないので住民の方々が通行しているということが現状でございまして、今回、延伸するにあたりましては、JR側の安全もございますが、もちろん、地域住民の方々が線路内に立ち入られて、今までの生活の癖と言いますか、習慣で入ってしまうようなことがないようにと言うことが第一、一番大事なことだと思っていますので、そのために線路の周りは全面、柵で囲って、その代わりに今まで踏切があったところを2箇所と、1箇所につきましては住民の方々がこれまでのところよりも望まれるという場所に位置を変更して、より住民の方々が使用しやすい場所、望まれている場所に踏切を新設する計画となっております。
 また、踏切の安全設備ですけど、参考で準備書の2-15ページにつけておりますけれども、現在、詳細設計がなされていないため、各踏切にどのような設備を付けるかという詳細は決まっていないのですけど、現地状況に合った最善の安全設備をこれらの中から組み合わせて、その後に開発された視認性が良いものですとか、若しくは折れにくいものですとか、以前、走っていたときから開発されていっておりますので、そのような材料を用いて安全対策を施していきたいと考えております。ちょっと回答になっていないかもしれませんが、以上でございます。

河野委員 2点教えてください。ひとつは土壌汚染のことで、銅が基準以下ですけど結構、高いですよね。50ppmぐらいというのは。フッ素化合物にもちょっと驚きましたけど、銅が非常に高いというのは少し驚きで、河川のほうに行けば影響が出るような値なのですけど、これは原因物質というのが考えられるのかということ。
 それから、もう一点は温室効果ガスで、評価のほうではN2Oに換算した値で評価されていますけれども、N2Oについては測られていませんよね、それはどのような根拠で算定されたのか、この二点について教えてください。

事業者 最初のほうの銅ですけれども、これまでも鉄道敷で時々出ることがありまして、おそらく、塗装とかのペンキに含まれているものではないかと想定されます。この調査をした場所の履歴調査をしたところでは、そこに車両の工場があったとか、何か解体する場所があったというわけではないのですけど、留置をしていた履歴はありますので、もしかしたら、そういったものが影響したのではないかと思われます。詳しい原因までは分かっておりません。
 それと温室効果ガスのN2Oにつきましては、可部線の運行に伴うN2Oの発生はゼロと準備書の7-122ページに予測結果を示しておりますが、温室効果ガスの評価につきましては自動車利用からの転換、自動車が減る部分と、列車が走行することによって新たに発生する部分、そこのプラスマイナスで評価をしております。列車の運行に伴いまして、二酸化炭素は発生いたしますが、一酸化二窒素は発生しないということでゼロという評価としております。

河野委員 現状はまったく測定されていませんよね。

事業者 現状の測定はしておりません。

河野委員 N2Oの値を出した算定根拠というものは何かあるのですか。

事業者 実測をしていないのですけど、準備書7-121ページの表7-7-3の下に小さい字で申し訳ありませんが、出典元を書いておりまして、直接的な調査を行っていないのですけど、広島市がこれまでに可部線の電化延伸計画をされているときに使われていた資料がございましたので、その辺りを参考にさせていただいたということをここに書いております。

河野委員 NOXからNO2への換算は算定されていますけれども。

事業者 もう一度確認してみます。

今川委員 先ほど、安全と景観ということで、近景の写真を皆さん御覧になったと思うのですけれども、景観評価をいたしますときに最近では遠景・中景・近景という3つの見え方を評価することが多くなってきております。遠景ということで眺望の評価をなさって、さほど影響がないと。で、近景ということでモンタージュされた写真が載っているのですけれども、この近景につきまして、時間軸ということの考慮が抜けているのではないかと思います。おそらく鉄道が走りますと、この周辺の建物等の色は茶色みを帯びてくると思いますので、そういった色の時間経過による変化というのもモンタージュなさって、近隣の方への御理解を求められた方が、後々、壁が汚れてしまったとか、そういったことでのトラブルが起こりにくくなるのではないかと思います。いかがでしょうか。

事業者 家屋の壁の色が茶色くなるというお話なのですけども、元はディーゼル車がこの区間走っておりました。それが電化した列車が走るということで、そこまで列車走行に伴って周辺の家屋の壁の色が色落ちするであるとか、茶色くなるといった事象は考えにくいです。他の近畿圏の路線で非常に線路に近い部分に家屋等密集している地域でも列車等走っておりますが、あまりそういった苦情であったり、御指摘等は、出ていないと認識しておりますので、そこまで心配する必要もない事柄なのかなというような感じではあるのですけれども。

今川委員 たまたまなのですけれども、私、京都のほうから広島に引っ越してきておりまして、山科の方でJR沿線のすぐそばに住宅が建っている地域がございます。その辺では、そのときの景観の関わりで聞いた話では、車輪と鉄道敷、線路の摩擦によって鉄粉が飛ぶと、それが家屋の壁にくっついて錆びてしまって茶色になったと。それで、たまたまですけれども、その住民の方が洗濯物を干しているときにその鉄粉が目に入ったということで少しトラブルがございまして、そういった経験がございましたので、ちょっと慎重すぎるのかもしれないのですけれども、そういったことを懸念してお伺いいたしました。

事業者 我々の方が勉強不足だったのかもしれないのですが、我々の認識ではそこまで影響があるという認識がなかったものですから、もうちょっと勉強させていただきます。

林委員 ちょっと2点。バラストですが、再利用ということを今伺ったのですが、古いバラストでしょうから、結構、鉄錆とか、昔はディーゼル車が走っていたので色々なものがまとわりついているのかなという気がちょっとしています。再利用については何らかの工夫をお考えですか。
 もう1点は、また、騒音の話で申し訳ございませんが、昼間と夜ではやっぱり人間の感じ方は違うと思うのですよね。やはり夜間ですと昼間はあんまり感じなかったけども、えらいうるさいなと。これまでもディーゼル車が走っていたのでしょうけども、本数がすごく少なかったですよね。可部から三段峡行きというのは日に数本あるかないかぐらいだったと思います。夜間も多分1本あるかないかと私は記憶しているのですが、今度はかなり多いのでね、やはりちょっと、感じ方の違いがあるので、さっきの係数ではないですが、昼と夜を少し変えてみてもいいのかなと。少し夜の方をシビアにしてみるとかの方が後からトラブルになりにくいのかなという気がちょっとします。

事業者 一点目のバラストの再利用につきましては、現在廃線敷にありますバラストをどこかで再利用できればと考えております。ただ、再利用するからと言って今あるのを何も調査等をせずにそのまま使うわけではなく、ちゃんと調査をした上で問題がないことをきっちり確認した上で、再利用等はしていこうと思っていますので、そこは問題ないかと思っております。騒音につきましては、おっしゃられますとおり、廃線前、三段峡まで運行していた当時は1日あたり17本の列車の運行しかありませんでした。それが99本に増えるということで、夜間の列車も格段に増えますので、先ほどから御指摘いただいております騒音の評価につきましては、再度こちらの方も勉強させていただきまして別途、御報告させていただければと思います。

事業者 今の古バラストについての補足でございますが、準備書7-119ページに廃棄物の話が書いておりますが、再利用というのは現在、広島市さんの環境の部署と実際に再利用できるかどうかというのを検討している段階でございまして、おっしゃられるとおり鉄粉であったり、何かディーゼルのときの汚染物質があるかもしれませんので、今回は「産業廃棄物として適正に処理する」という内容で準備書には記載しております。ただ、何らかに使えるかもしれないということで、今後調査をした上で、再利用できないかということも検討しているということでございます。

内藤委員 計算で少し理解できなかったところがあるので教えてほしいのですけども、粉じんの予測の結果がでていまして、今日のスライドでいうと25枚目になりますが、3地点それぞれでの予測、これ同じ気象条件を使われているみたいなのですけども、それがですね、D3のところだけ冬季にピークがくると。工事による寄与だけをみると冬がピークになっていて、他の地点ですと季節が違うのですね。同じ気象条件を使って、地点によって発生量が違うのはいいのですけども、どうして季節変化が違うのかがよく理解できなかったので、それを教えてもらえますか。

事業者 こちらの評価につきましては、気象データの条件を設定しておりまして、各季節ごとの風向きであったり、風速、そういったデータも考慮いたしまして、各季節ごとの気象条件を評価しております。このD3地点につきましては、春・夏に比べまして、秋・冬の北向きの風が非常に強い地域ということで、発生源と予測位置の位置関係が風下のところで予測をしているということで、この秋と冬につきましては工事による寄与が非常に大きくなっていると、そういった結果になっております。

内藤委員 わかりました。発生地点と南にあるか北にあるかということですね。それは分ったのですけども、それでですね、D3の冬ですと工事による寄与が5.3という数字になっていて、確かに環境基準というのがないのでちょっと判断しにくいのですが、ここで使われている参考値はおそらくスパイクタイヤで非常に問題になったときの数値かなと。それで、現況でバックグラウンドをちょっと離れたところで測っているのが夏で4.2ですよね。現況を超えるような量が付加される。特にこのD3というのは国道との交差なので、少し離れたところで測っているバックグラウンドより元々多いような気がするんですけども、そこを押さえておかないと、この20よりはかなり小さいから問題ないというような言い方では住民の人がちゃんと納得してくれるのか少し気になります。現況よりもやっぱり増えてしまうと、非常に不満が出るのではないかというのが気になります。

事業者 おっしゃられますとおり、確かに現況よりかなり多い量の粉じんを発生するような予測になっております。ですので、最終的な環境保全措置の中でも説明しておりますとおり、例えば仮囲い等を工事エリアと家屋との間に挟むとか、散水していくとか、そういった評価というのはこの数字には全く反映されておりませんので、そういった対策をしていくことでこの数字はもっと下げていくことは可能と考えておりますので、我々事業者ができる範囲のそういった対策等は当然行っていって、できるだけ周辺の住民の皆様に御迷惑をおかけしないような形で工事の方は実施してまいりたいと考えております。

堀越会長 これは今更申すまでもないことだと思うのですけども、評価項目についてはこれでよろしいでしょうか。最初、実施計画書で提示されたものに加えて、市長意見等を踏まえて電波障害と、それから温暖化物質で亜酸化窒素とかそういうことを念頭に置いてこういうことになったわけですけども、これはよろしいですね。

堀越会長 私からちょっと。確か中間駅のホームの幅が2.5mということだったのですけど、あまり混み合うことはないのかなとは思いますが、でもちょっと大丈夫なのかな。例えば、既存の色々な同じタイプの駅などと比較して、これはどうなのでしょうか。

事業者 1日に900人の乗車ですので、乗車人員としては少ない方かと思いますので、問題ないと考えています。ただ、他の可部線の駅で、同じように狭いホームでお客様が乗り降りするときに、非常に通りにくい、若しくは危ない目に遭うといった状況がございますので、現地の状況での最大の寸法で、今は2.5mを設定しておるのですけども、その他取れる対策、例えばホームに進入するときはより気を付けて運転するとか、そういったソフト面での対策も今後、運行が開始された際には検討していきたいと思います。

矢野委員 供用時の騒音振動についてお伺いしたいのですが、新しいレールと新しいコンクリート製の枕木を置かれるということですけども、他の地域で既にそういうデータというのがあれば非常に役立つのではないのかなと思うのですけど、もしもJR西日本さんあるいは他のJRさんでもよろしいのですけど、そういう同じような状況のデータがあれば非常に参考になると思います。
 それと、もう1点は、これはJRさんにお聞きした方がいいのか、市の事務局にお聞きしたらいいのか分かりませんけども、最後の終点の駅の地域は安佐市民病院の移転の候補先のひとつになっています。そうすると、そこが決まると、今の道路では狭すぎる道路ですので、拡幅しますよというような噂も聞いています。そうすると、今回の工事の際の日程的にどちらが先なのかというのを教えてもらえたら、拡幅した後にこの工事を始められるとそんなに大きな問題はないけども、今の道路の状態で大きなトラックが出入りされると結構大変な状況なのかなと思ったりもするのですけども。

北川課長 私、先日現地調査にまいりました。工事車両が通る道路が今、拡幅工事も一部しておりました。その点につきましては、これが終わりましたら、道路部局のほうで再度確認しまして、こちらの工事と道路の関係を調べさせていただいて、何らかの形でまた御報告させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

大森環境局次長 あと、安佐市民病院のお話がございましたが、これはまだ全く決まっておりません。従いまして、今回の可部線の電化延伸とは一応、別な問題、課題ということで、何にも決まっていないと聞いておりますので、切り離してお考えいただきますようにお願いいたします。

事業者 それでは、最初の方の御質問で、新しい材料を使ったらどのような低減効果があるのか、データがないのかということで、直接その新しい材料だけを使用して測ったデータはなかったのですけども、同じような新たな線を引くときに、同じくらいの離れ具合でどれくらいになるかというデータであったら、もしかしたら探したら他の線区で測ったものがあるかもしれませんので、また調べてみます。

堀越会長 またちょっと関連して、素人質問なのですけども、多分、新しかったら、コンクリートの枕木使って、ゴムパッド入れてとか、バラストも新しかったら多分クッションもあってとか、これ、古くなるに従ってどれくらい増すものなのでしょうか。当然、時々突き固めしたり色々して、それは十分配慮されるのだと思うのですけども。確かに新しいときは低減されるでしょうと。でも、それがずっと使用している間にどうなるのかなということを、ちょっと思ったのですけども。

事業者 おっしゃられるように、やはり古くなっていくに従って効果というのは薄れていくと思われます。実際、可部から三段峡までのディーゼル車が走っていたときのものというのは、古い軌道材料であり、バラストもかなり土が混じってきたりと、そういうふうな状況になっておりました。ただ、可部よりも横川にかけての現在も使っている部分というのは適正に材料を交換したり突き固めをしたりということで、なるべく効果が維持できるような維持管理を行なっており、今回の延伸区間も行っていく予定でございますので、定量的な数字というのはございませんが、なるべく長持ちさせるようにしてまいります。

堀越会長 まだちょっと時間がございますようですけど、いかがでしょうか。だいたい現時点で御意見は出尽くされたというようなことでよろしいでしょうか。では、本日の会議は一応、この辺りで締めにさせていただきたいと思います。御協力ありがとうございました。事務局は本日の議事録を取りまとめて各委員さんにお届けいただけましたらと思います。では、これからの予定について、御説明をお願いします。

北川課長 大変熱心な御審議をいただき、ありがとうございました。これからの予定を御説明させていただきます。本事業に係る審査会につきましては、あと2回予定しておりますが、これから出ます市民意見や委員の皆様方の追加の意見等を考慮して、会長と御相談させて、2回か、1回か、3回か、それを決めさせていただければと思います。それから、第2回目の審査会でまた御審議いただくわけでございますけども、これは一応、4月から5月にかけて開催させていただきたいと思っております。市民意見が3月の末まででございます。その市民意見に対する事業者の見解が3月末から4月にかけて出ると思いますので、その後に審査会を開催させていただければと思っております。
 それから、本日の会議録を取りまとめて委員の皆様へお送りいたしますので、追加の意見等ございましたら、事務局に提出していただければと思います。お忙しいところ誠に恐縮でございますが、どうぞ宜しくお願いいたします。以上でございます。

堀越会長 次回は4月か5月ということのようです。委員の皆様におかれましては年度の始めで色々お忙しいと思うのですけども、御出席をよろしくお願いいたします。それでは、本日の会議はこれで終了いたします。ありがとうございました。

関連情報

手続きが終了した事業:JR可部線電化延伸事業

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電話:082-504-2097/Fax:082-504-2229
メールアドレス:ka-hozen@city.hiroshima.lg.jp

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