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広島市男女共同参画推進条例
「広島市男女共同参画推進条例」が、平成13年9月28日、市議会において可決、成立し、同日付けで公布、施行されました(ただし、第17条は平成14年4月1日から施行)。
条例の制定にあたっては、市民や事業者の皆様からのご意見など、多くの方々のご協力をいただいたことに、お礼申し上げます。
この条例は、男性も女性も、性別による差別がなく、対等のパートナーとして責任を分かちあい、個性や能力を十分に発揮できる社会の実現をめざしています。市では、市民、事業者の皆さんと協力して、男女共同参画をより一層進めてまいります。
[参考]条例制定に向けた主な取組み
平成12年
10月「広島市男女共同参画推進本部」で市長(本部長)が、条例制定の考えを表明
11月~「広島市男女共同参画協議会」に条例検討部会を設置、公開での審議を実施
(全体会議2回、部会6回開催)
11月~市民意見を聴取し、条例検討部会での検討の際に反映
平成13年
3月「広島市男女共同参画協議会」から、市長に「条例の基本的な考え方」について提言
5月 フラワーフェスティバル会場においてパネル展示等を実施
市民団体との共催によるシンポジウムを開催
6月 条例試案について市民意見を募集
9月 市議会に提案し、可決、成立
広島市男女共同参画推進条例
原子爆弾によって壊滅的な被害を受けた広島は,日本国憲法の下,民主主義の成長とともに,奇跡的な復興を遂げる一方で,自らの悲惨な体験から,世界の平和を希求してきた。
平和とは紛争や戦争のない状態だけをいうのではない。すべての人が差別や抑圧から解放されて初めて平和といえる。男女においては,性別による差別がなく,対等のパートナーとして責任を分かち合い,個性や能力を十分に発揮できる社会を実現することが必要である。それは,本市が目指す国際平和文化都市に欠かせない要件の一つであり,これまで,各種の取組が行われてきた。
しかし,現実には,社会において,性別による固定的な役割分担等を反映した制度又は慣行が,いまだに根強く残っており,男女平等の達成には多くの課題がある。
また,国際化,少子高齢化及び高度情報化が急速に進展する中で,豊かで生き生きとした地域を実現して未来に引き継いでいくためには,男女が互いの人権を尊重し合い,あらゆる分野で対等に協力し,政策又は方針の立案及び決定に参画することが重要である。
このような男女共同参画社会の実現を図るため,この条例を制定する。
第1章 総則
目的
第1条 この条例は,男女共同参画の推進について,基本理念を定め,本市,市民及び事業者の責務を明らかにするとともに,男女共同参画の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより,本市における男女共同参画社会の実現を図ることを目的とする。
定義
第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
- 男女共同参画 男女が,社会の対等な構成員として,自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され,もって男女が均等に政治的,経済的,社会的及び文化的利益を享受することができ,かつ,共に責任を担うべきことをいう。
- (積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において,男女のいずれか一方に対し,当該機会を積極的に提供することをいう。
- セクシュアル・ハラスメント 性的な言動により当該言動を受けた個人の生活の環境を害すること又は性的な言動を受けた個人の対応により当該個人に不利益を与えることをいう。
基本理念
第3条 男女共同参画は,次の基本理念にのっとり推進されなければならない。
- 男女の個人としての尊厳が重んぜられること,男女が直接又は間接に性別による差別的扱いを受けないこと,男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されること。
- 社会における制度又は慣行が,性別による固定的な役割分担等を反映して,男女の社会における活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすことのないよう,配慮されること。
- 男女が政策又は方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されること。
- 男女が相互の協力と社会の支援の下に,子の養育,家族の介護その他の家庭生活における活動と,当該活動以外の職業生活における活動その他の活動を両立して行うことができること。
- 妊娠,出産その他の性と生殖に関する健康に関し,男女の人権が尊重されること。
- 男女共同参画の推進と密接な関係を有する国際社会の動向に留意すること。
本市の責務
第4条 本市は,男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を策定し,及び実施する責務を有する。
2 本市は,男女共同参画の推進に関する施策を実施するため,必要な予算上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
3 本市は,男女共同参画の推進に関する施策の策定又は実施に当たっては,市民及び事業者との交流,情報の交換その他の連携を行うものとする。
市民の責務
第5条 市民は,職場,学校,地域,家庭その他の社会のあらゆる分野において,男女共同参画の推進に寄与するよう努めなければならない。
事業者の責務
第6条 事業者は,その事業活動に関し,男女共同参画の推進に努めるとともに,男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
性別による人権侵害の禁止
第7条 何人も,職場,学校,地域,家庭その他の社会のあらゆる分野において,性別による差別的扱いをしてはならない。
2 何人も,職場,学校,地域,家庭その他の社会のあらゆる分野において,セクシュアル・ハラスメントを行ってはならない。
3 何人も,その配偶者等に身体的又は精神的な苦痛を与える暴力的行為を行ってはならない。
第2章 男女共同参画の推進に関する基本的施策
基本計画
第8条 市長は,男女共同参画の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため,男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定しなければならない。
2 市長は,基本計画を策定するに当たっては,あらかじめ市民の意見を反映することができるよう適切な措置を講ずるものとする。
3 市長は,基本計画を策定するに当たっては,あらかじめ広島市男女共同参画審議会の意見を聴くものとする。
4 市長は,基本計画を策定したときは,遅滞なく,これを公表するものとする。
5 前3項の規定は,基本計画の変更について準用する。
本市の政策の決定過程への女性の参画推進
第9条 本市は,率先垂範して,政策の決定過程への女性の参画を推進するため,次に掲げることに努めるものとする。
- 執行機関である委員会の委員若しくは委員又は附属機関である審議会等の委員その他の構成員への女性の任命又は委嘱
- 女性職員の積極的な職域拡大,管理職等への登用及び能力開発
- 職員が育児,介護等の家族的責任を果たすことを支援する制度を性別にかかわりなく活用できる環境づくり
市民の理解を深めるための措置
第10条 本市は,第3条に規定する基本理念に関する市民の理解を深めるため,市民の参画による懇談会の開催等の広報広聴活動その他の適切な措置を講ずるものとする。
男女共同参画に関する教育又は学習の振興
第11条 本市は,市民があらゆる機会を通じて男女共同参画についての関心と理解を深めることができるようにするため,学校教育及び社会教育における男女共同参画に関する教育又は学習の振興を図るための必要な措置を講ずるものとする。
苦情の申出への対応
第12条 市長は,男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策に関し,市民又は事業者から苦情の申出を受けた場合には,適切な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 市長は,必要があると認めるときは,前項の申出への対応に当たり,広島市男女共同参画審議会の意見を聴くものとする。
相談の申出への対応
第13条 市長は,性別による差別的扱いその他の男女共同参画の推進を阻害する人権の侵害に関し,市民又は事業者から相談の申出があった場合には,関係の機関又は団体と協力し適切な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 市長は,必要があると認めるときは,前項の申出への対応に当たり,広島市男女共同参画審議会の意見を聴くことができる。
調査研究
第14条 本市は,男女共同参画の推進に関し必要な調査研究を行うものとする。
雇用等の分野における男女共同参画の推進
第15条 事業者は,雇用の分野において,男女共同参画の推進に努めなければならない。
2 本市は,事業者が方針の決定過程における男女共同参画を推進するための措置を講じようとする場合において,当該措置に必要な情報の提供その他の支援を行うよう努めるものとする。
3 本市は,必要があると認めるときは,事業者に対し,男女の就業状況その他の男女共同参画の状況について報告を求め,又は当該報告に応じた助言を行うことができる。
4 本市は,農林水産業,商工業その他の産業の自営業に従事する女性に対し,男女共同参画の推進に必要な情報の提供その他の支援を行うよう努めるものとする。
5 本市は,前3項に規定するもののほか,事業者についての男女共同参画の推進に関する施策を実施するに当たり,国,広島県等と連携又は調整を行うものとする。
民間の団体の活動に対する支援
第16条 本市は,方針の決定過程への女性の参画の推進,男女共同参画に向けた自主的な活動その他の男女共同参画の推進のための活動を行う民間の団体に対し,当該活動に必要な情報の提供その他の支援を行うよう努めるものとする。
(補助金交付における男女共同参画の推進に関する措置)
第17条 市長は,補助金の交付において,必要があると認めるときは,方針の決定過程への女性の参画の推進その他の男女共同参画の推進に関し適切な措置を講ずるよう求めることができる。
年次報告
第18条 市長は,毎年,男女共同参画の推進に関する施策の実施状況を明らかにした報告書を作成し,これを公表するものとする。
広島市男女共同参画審議会
第19条 男女共同参画の推進に関する施策及び男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策並びに市長が必要と認める事項について審議し,又は建議するため,広島市男女共同参画審議会を置く。
2 前項の審議会の組織,所掌事務及び委員その他構成員並びにその運営に関し必要な事項は,市長が定める。
第3章 雑則
委任規定
第20条 この条例の施行に関し必要な事項は,市長が定める。
附則
この条例は,公布の日から施行する。ただし,第17条の規定は,平成14年4月1日から施行する。
このページに関するお問い合わせ先
市民局 人権啓発部 男女共同参画課
電話:082-504-2108/Fax:082-504-2609
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