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ヒアリは、特定外来生物※に指定されている「毒(毒針)」を持つアリで、本来、南米中部に生息するアリですが、船や飛行機に積まれたコンテナや貨物にまぎれ込んで、1940年代頃からアメリカ合衆国やカリブ諸島に次々と侵入し、2000年代には原産地から遠く離れたオーストラリア、ニュージーランド、中国、台湾でも発見されるようになりました。
日本では2017年(平成29年)6月に初めて確認され、令和3年11月8日現在、広島県を含む18都道府県で84事例が確認されています。
※特定外来生物とは
外来生物のうち、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすものや、及ぼすおそれがあるもののなかから外来生物法に基づき国が指定した生物。飼養・運搬・保管・輸入・譲渡・放出等が規制されています。
体色は全体が赤茶色で腹部が黒っぽい赤色をしており、大きさは2.5mm~6.0mmで様々な大きさの働きアリがいます。お尻に毒針を持っています。アリ塚(直径25~60cm、高さ15~50cm)を農耕地や公園等、開放的な草地・裸地に作って生活します。
【写真提供:東京都環境局】
【参考資料】
ストップ・ザ・ヒアリ(環境省作成) [PDFファイル/1.37MB]
ヒアリを知ろう(環境省作成) [PDFファイル/1.69MB]
ヒアリに注意(大人用)(環境省作成) [PDFファイル/85KB]
ヒアリに注意(子ども用)(環境省作成) [PDFファイル/85KB]
ヒアリに気をつけて(内閣官房 環境省作成) [PDFファイル/847KB]
ヒアリ!? ハッと思ったらまずチェック!!(環境省 沖縄県作成).pdf [PDFファイル/1.19MB]
●ヒアリを見つけた時の注意点
ヒアリを刺激すると刺される場合があります。ヒアリが生息している可能性がある場所(緑地帯の土や芝生の土等)には安易に手を入れないようにしてください。ヒアリと疑われるような個体や巣を見つけた際は、絶対に刺激(アリを踏もうとしたり、巣を壊したり等)しないでください。
ヒアリかどうかは、以下の参考資料等で確認できる場合がありますが、ヒアリの疑いがある場合や判断できない場合には以下の連絡先にご連絡ください。
また、発見した個体については以下の手順で保管をお願いします。
【参考資料】
ヒアリの簡易的な見分け方(環境省作成) [PDFファイル/144KB]
ヒアリ・アカカミアリの簡易チェックシート(京都府作成) [PDFファイル/492KB]
●保管方法
※むやみにアリに殺虫剤を噴霧することは好ましくありません。在来アリが減少すると、外来アリが侵入しやすくなります。
●連絡先
ヒアリの毒への反応は人によって大きく異なります。
体調に変化がなくても、20~30分程度は刺された部位を冷たいタオルや保冷剤などで冷やしながら安静にし、様子をみて下さい。その間、なるべく一人にならないようにしましょう。
ヒアリの毒には、ハチ毒との共通成分も含まれるため、ハチ毒アレルギーを持つ方は特に注意が必要です。
●全ての人にあらわれる症状
焼けるような痛み、かゆみ、膿(うみ)刺された瞬間に、熱いと感じるような、激しい痛みを感じます。
刺された部位に小さな赤みが出てきて、翌日には赤みの中央に膿がたまったようになります。
軽いかゆみが出ることもありますが、その後は皮膚症状が徐々に改善していきます。
●ヒアリ類の毒にアレルギー体質を持っている人に起こる症状
刺された直後から刺された部分を中心に、赤みや腫れが起こり、かゆくなります。
時には全身にかゆみをともなう赤みやミミズ腫れ(じんましん)が現れることがあります。
じんましんが出たり、体調不良などの異常を感じた場合は、すぐに医療機関(病院)を受診してください。
刺されて20~30分以内に、息苦しさ、声がれ、激しい動悸やめまい、腹痛などを起こすことがあり、進行すると血圧が急に低下して意識を失うこともあります。
このような症状が現れた場合には、強いアレルギー反応による「アナフィラキシーショック」の可能性が高く、処置が遅れると生命の危険を伴いますので、救急車を呼ぶ必要があります。その場合、「アリに刺されたこと」、「アナフィラキシーショックの可能性があること」を伝えてください。
刺したアリの死骸を持参すると、診断に役立ちます。
●ヒアリに刺された場合の健康相談について
ヒアリが定着した国々では、莫大な費用をかけて駆除を行っていますが、ニュージーランドを除いて根絶には至っていません。ニュージーランドは、定着初期に徹底した対処を行ったため、唯一根絶に成功しています。また、根絶後も再び侵入定着しないよう警戒を続けています。
日本ではヒアリの定着は確認されていませんが、国(環境省)が関係機関と連携し、確認されたヒアリを確実に駆除するとともに、主要港湾等で定期的に侵入状況の調査を実施し、発見された際には緊急駆除とモニタリング(継続的な監視調査)を行っています。侵入を減らし、定着を阻止することが大切です。
国内のヒアリは、輸入されたコンテナや貨物に付着して侵入しており、空港や港湾施設、輸入されたコンテナや貨物内で確認されています。空港や港湾施設関係事業者又は輸入コンテナ取り扱い事業者の皆様におかれましては、日頃から施設内やコンテナ・貨物等をよく確認していただき、見慣れない虫などを発見した場合には、関係機関にご連絡くださいますようお願いします。
【参考資料】
ヒアリ生息地からの輸入品を扱う事業者様へのお願い(環境省) [PDFファイル/153KB]
コンテナ開封時におけるヒアリの点検方法について(国土交通省) [PDFファイル/822KB]
ヒアリ発見時の対応(国土交通省) [PDFファイル/486KB]
年度※ | 確認事例数 | 確認された都道府県 | |
全国 | 広島県 | ||
2017(H29) | 26 | 4 | 兵庫県、愛知県、大阪府、東京都、神奈川県、福岡県、大分県、岡山県、埼玉県、広島県、静岡県、京都府【12都府県】 |
2018(H30) | 12 | 1 | 大阪府、愛知県、千葉県、広島県、静岡県、愛知県、北海道【7道府県】 |
2019(R1)<外部リンク> | 10 | 0 | 東京都、大阪府、神奈川県、千葉県、三重県【5都府県】 |
2020(R2)<外部リンク> | 16 | 0 | 茨城県、神奈川県、東京都、千葉県、大阪府、愛知県【6都県】 |
2021(R3)<外部リンク> | 20 | 0 | 東京都、大阪府、愛知県、佐賀県、栃木県、三重県【6都府県】 |
合計 | 84 | 5 | 延べ18都道府県 |
発表日※ | 個体数 | 確認状況 | 確認地点 | |
1 | 平成29年8月25日<外部リンク> | 131 | 68港湾調査で設置したトラップ及びその周辺の地面 | 広島港国際コンテナターミナル出島地区. |
平成29年9月27日<外部リンク> | 2 | モニタリングトラップ | ||
2 | 平成29年11月9日<外部リンク> | 65 | 積荷(中国・中山港出港) | 呉市(事業者敷地内) |
平成29年11月13日<外部リンク> | 8 | コンテナ内(中国・中山港出港) | 広島港海田コンテナターミナル. | |
3 | 平成29年11月22日<外部リンク> | 1 | 積荷(中国・中山港出港) | 呉市(事業者敷地内) |
4 | 平成29年11月22日<外部リンク> | 2 | 積荷(中国・中山港出港) | 呉市(事業者敷地内) |
5 | コンテナ内(中国・中山港出港) | 広島港国際コンテナターミナル出島地区 | ||
5 | 平成30年8月13日<外部リンク> | 約100 | コンテナヤードの地面 | 広島港国際コンテナターミナル出島地区 |
市民の皆様からヒアリではないかとお問い合わせをいただいているアリをご紹介します。
名称(種名) |
生態・特徴 |
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キイロシリアゲアリ(写真提供:京都府) |
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ヒメアリ(写真提供:京都府) |
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