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指定緊急避難場所と指定避難所について
一般的に避難所と言われる施設は、災害対策基本法の定めにより、指定緊急避難場所と指定避難所の2種類があります。
広島市の地域防災計画においても、明確に区別されていますが、本市の施設は指定緊急避難場所と指定避難所を兼ねている所が多くあり、また、実際の災害対応時は、臨機応変に対応する必要があるため、見掛け上からその違いを判断することは難しいかもしれません。
基本的な考え方は次のとおりですので、災害時の自主防災活動等の参考にしてください。
なお、指定緊急避難場所及び指定避難所の指定については、以下のページをご覧ください。
1 指定緊急避難場所
災害の危険から逃れるための施設または場所です(災害種別に応じて指定)。
開設及び閉鎖について
警戒レベル3以上の避難情報を発令した場合、原則として小学校区に1箇所、拠点的な避難場所を開設します。市職員、施設管理者が開錠を行いますが、気象や災害等の状況により市職員の派遣が困難な場合は、自主防災組織に寄託した鍵で開錠をしていただきます。避難情報が解除され、避難者が全員退所すると閉鎖します。
運営について
運営主体は市職員であり、避難者の人数の把握、避難者への避難に関する情報等の提供を行います。
2 指定避難所
災害により家に戻れなくなった住民が一定期間滞在する施設です。
開設及び閉鎖について
災害が発生し、自宅に帰宅できない避難者がいる場合開設します。指定緊急避難場所と兼ねている施設においては、指定緊急避難場所から指定避難所に移行します。避難者が仮住宅等の生活再建場所を確保し、全員退所すると閉鎖します。
運営について
自主防災組織や避難者が中心となり、市、施設管理者の3者が相互に協力のうえ運営します。避難者名簿の作成・整理のほか、避難者への保健・医療・救護等のサービスの提供や食料・飲料水・その他の物資の提供、生活再建に関する情報の提供等を行います。
3 それぞれの機能について(地域防災計画抜粋)
区分 |
指定緊急避難場所 |
指定避難所 |
(1) 避難機能 |
〇 |
〇 |
(2) 情報収集・伝達機能 |
〇 |
〇 |
(3) 保健・医療・救護機能 |
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〇 |
(4) 応急対策活動支援機能 |
〇 |
〇 |
(5) 備蓄機能 |
〇※ |
〇 |
(6) 物資供給機能 |
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〇 |
(7) 災害ボランティア活動機能 |
|
〇 |
※一部の指定緊急避難場所に限る。
4 開設から閉鎖までの流れ
※ 両所を兼ねている場合は移行する。
5 比較資料(災害対応の違い等)
区分 |
指定緊急避難場所 |
指定避難所 |
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定義 |
災害の危険から緊急的に逃れるための施設または場所(災害種別に応じて指定) (災害対策基本法第49条の4) |
災害により家に戻れなくなった住民が一定期間滞在する施設 (災害対策基本法第49条の7) |
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避難の対象者 |
自宅に一時的に災害の危険性があり避難した方 |
災害により家に戻れなくなった方 |
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設置主体 |
広島市 |
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開設の時期 ※1 |
警戒レベル3(高齢者等避難)以上の避難情報の発令で開設 |
災害が発生して家に戻れない方が生じた場合 |
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開設の対応 |
・開錠を地域の皆さんにお願いしています(自主防災組織の役員等の複数人に鍵を寄託)。 ・市から職員2名を派遣します。 |
市から必要な職員を派遣します。 |
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閉鎖の時期 |
・災害が未発生で、避難情報が解除され、避難者が全員退所したとき。 (指定避難所と兼ねている施設で、指定避難所の開設要件を満たした場合、移行します。) |
避難者が仮設住宅等を確保し、全員退所したとき。 |
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運営主体 |
広島市 |
自主防災組織、避難者、広島市、施設管理者 |
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開設の時間 |
短い(一時的) |
長期間の滞在となることもある。 |
避難者の人数 |
多い(集中的) |
少ない(帰宅できない被災者のみ) |
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車による避難等 ※2 |
徒歩による避難が原則です。 (車による避難には、交通渋滞等による立ち往生の危険を伴うとともに、避難場所の駐車場所に限りがあります。) |
生活のために使用する場合は利用可能 |
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備蓄物資の提供 |
原則としてなし |
あり |
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食料等は避難者による準備が原則です。 (状況により避難収容班職員及び区災害対策本部に確認のうえ備蓄物資を提供する場合があります。) |
本市による備蓄は、発災後1日分、2日目は県から、3日目以降は、国による支援や協定締結先の事業者からの調達を予定しています。 |
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飲料水・食料 |
― |
水(応急給水体制)、弁当、パン等を提供します。 |
衣料品 |
― |
長期にわたる場合等 |
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情報源 |
ラジオ、掲示板 |
テレビ、ラジオ、掲示板、ワンストップ窓口 |
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毛布等 |
―(状況等に応じて提供) |
毛布、保温シート、エアーベッド、ダンボールベッド等 |
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コロナ対応物資 |
マスク、消毒液、体温計、自立型テント(専用スペース確保用)、フェイスシールド、ゴム手袋等 |
左記の衛生用具に加え、パーテーション、換気用扇風機等 |
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医療・衛生環境 |
トイレ |
既存の便所、使用できない場合は簡易トイレ |
既存の便所、使用できない場合は簡易トイレ、仮設便所 |
医療支援 |
短期間のため想定していませんが、必要に応じ、病院への搬送等の調整を行います。 |
医師、保健師、栄養士等による、避難者の心身の健康保持や医療支援を行います。 |
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入浴 |
短期間のため想定していません。 |
近隣の高齢者施設等、公衆浴場を利用できる場合があります。 |
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避難者への情報提供 |
主に避難に関する情報 |
主に生活再建に関する情報 |
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要配慮者への対応 |
高齢者 障害者 |
できるだけ環境条件の良い場所で滞在できるよう配慮します。 |
要配慮者等を考慮した居住スペースの設定(多目的トイレ、スロープ、手すりの設置、福祉要具の調達等)に努めます。 |
病人 体調不良者 |
・できるだけ環境条件の良い場所で滞在できるよう配慮します。 ・病院への搬送、空調設備が整った教室へ移動させる等の調整を行います。 |
病院への搬送等の調整を行います。 |
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乳幼児及びその保護者 |
専用スペースの確保に努めます。 |
授乳室や専用の居住スペースを確保できるよう調整します。 |
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福祉避難所での受入れ ※3 |
避難場所での滞在が困難な方については、福祉避難所での受入れを調整します。 |
指定避難所での生活が困難な要配慮者がいる場合は、福祉避難所での受入れを調整します。 |
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外国人 |
「外国人避難者対応シート」「多言語表示シート」を配備し、外国人への情報提供を行います。 |
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家庭動物(ペット)への対応 ※4 |
ペットは同行避難が基本であり、避難場所で受入れます。 (ただし、ペットの滞在場所は、屋根のある屋外を基本とし、施設により状況が異なるため、施設管理者や災害対策本部の指示を受けて決定します。) |
屋根のある屋外を基本に専用スペース等を確保して飼育します。 (獣医師会、動物愛護センター等への相談や支援(ペットホテルの紹介や一時預かり等)を受けられる場合があります。)
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応援ボランティアの受け入れ |
想定していません。 (開設期間が発災前後の短期間のため。) |
生活支援等様々な支援の申し出がある可能性があります。受け入れの可否について、避難所運営者等へ相談して決定します。 |
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地図記号 |
(表示例) (対応する災害種別記号を付す。) |
(災害種別はなし。) |
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その他呼称 (変更前のものも含む) |
広域避難場所 一次(一時)避難場所 |
生活避難場所 二次避難場所 |
※1 指定緊急避難場所等の開設について
・警戒レベル3(高齢者等避難)以上の避難情報を発令した場合、原則として、小学校区に1箇所拠点的な指定緊急避難場所を開設します。
・警戒レベル4(避難指示)で必要な指定緊急避難場所を順次開設します。
※2 車による避難について
・指定緊急避難場所へは、徒歩による避難が原則です。
・ただし、足の不自由な方等、徒歩による避難が困難な方は、車での避難が可能です。駐車場所等について、予め区役所へご確認ください。
・車中泊については、駐車場所が土砂災害警戒区域や浸水想定区域等の危険な場所でないことを確認したうえで、エコノミークラス症候群に注意して行う場合は可能です。
・車による避難場所については、以下のリンクからご確認ください。
※3 福祉避難所について
・福祉避難所への直接避難が必要な方は区役所へ事前に相談してください。
ただし、ご希望の施設等では対応できない場合があります。
※4 指定緊急避難場所等でのペットの飼育について
・運営者は、原則として屋外(軒下等、雨風がしのげる場所)に専用スペースを確保することとなります。その際には、アレルギー反応を起こす方等への配慮(動線の住み分け等)が必要です。
・避難所滞在者全員の同意がある場合には、屋内に同行滞在することも可能です。
・安全な場所に駐車した車中やテント等での滞在も考えられます。
・ペット用の避難用品や備蓄品は、飼い主の責任になります。また、飼い主は、避難場所で迷惑にならないよう、日頃からしつけと健康管理に注意する必要があります。さらに、身元を示すもの(首輪や迷子札等)をつけるとともに、狂犬病予防注射済票の装着が必要です。
【その他参考のページ】