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2025年1月15日記者会見「天皇皇后両陛下の広島訪問について」外4件
動画は下記からご覧ください。
(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>)
日時 令和7年(2025年)1月15日(水)午前10時00分~午前10時45分
場所 市役所本庁舎11階第1会議室
■市政記者クラブからの代表質問■
【天皇皇后両陛下の広島訪問について】
記者
天皇皇后両陛下が戦後80年の節目となる今年、広島、長崎、沖縄を訪問される方向で宮内庁において検討を進めているという報道が昨年末にありました。このことに関する市長の受け止めを教えてください。また、宮内庁から広島市に何か調整に向けた連絡は入っていますでしょうか。
市長
実は、天皇皇后両陛下の御来広について、実は現時点でお答えできることはないですけれども、そういう意味では具体的な情報は入ってないということでありますけれども、ただ両陛下におかれましては、皇太子殿下それから皇太子妃殿下であられた平成12年に開催されました第15回の「国民文化祭・ひろしま2000」これに御臨席いただいておるという実績がありまして、その際には、広島平和都市記念碑といったものを御訪問いただくといったことをやっておりますので、被爆80周年となるこの節目の年に、両陛下に訪問いただけるということになるのであれば、大変意義深くまたありがたいことだなというふうに思っています。
記者
現時点で8月6日辺りの御訪問とかそういったことは入っていますでしょうか。
市長
最初申し上げたように現時点で、御来広についての情報というのは、ちょっとお答えできる状況にはないということなんですけれども。両陛下ではないんですけど、過去の実績なんかを見てみますと、現上皇陛下が皇太子時代に(平和記念)式典に出られるということがあった経過が、それはさかのぼると実は昭和35年という年代までなるんですけれども。そういうことで、(平和記念)式典に出られるというのは、これまでの経過ないというようなことはありますけれどもね。
記者
御要請されるとか、だめもとで要請されるとか、そういったお考えは。
市長
これは宮内庁の方での御判断ですから。判断に任せるというか、そういった性格のものだと思っています。
記者
今年の被爆80年の天皇皇后両陛下の訪問に向けて、組織内の受け入れに向けた体制の準備みたいな、整えるっていうことは念頭にありますでしょうか。
市長
体制。現時点では、特段そこまでやっていませんけどね。通知とかあれば、当然それに従ってやりますけれども、現時点では特段構えているという状況にはありません。
記者
先ほど、80年となる節目の年に訪問となれば意義深いというふうにおっしゃられましたが、天皇皇后両陛下が、この80年という節目の年に広島に来られることの意義っていうのは、どういう意義があると思われますか。
市長
天皇皇后両陛下は、憲法を見ていただいても分かるように、いわゆる日本国・日本国民の象徴という立場でおられますし、そうした中で、被爆80周年については、いわば我が市とすれば、「ヒロシマの心」といったようなものをボトムアップでというか、広く市民社会に認知してもらって、それをできたら市民社会の総意にしていく。そのために今までやってきていた、被爆の実相というものを守り、その上でそれを広め伝えるというようなことを、市民社会の中でやっていただく。そして、80周年ということで、そのための平和学習というようなものも広く次世代に向けてやると。いわゆる国民全体として、こういった心をしっかり受け止めていただくということをやれる年にしていきたいということで、いろいろやっていますよね。そういう中で、それを象徴としての立場である両陛下に、実際に認知していただけるというふうなことにつながるわけですから、そういうふうに、もし訪問いただけるということであれば、そういった取組の認知とともに、象徴する方に直接そういったことに触れていただき、我々の広島のこの取組を広く皆さんに知っていただくと、そういうきっかけにもなるであろうということになりますので、そういう意味を込めて大変意義深くありがたい話だというふうに思っているところです。
記者
広島市の、今、取り組んでいたり、今後取り組んでいこうとされていることを知ってもらえるということですけれども、いわゆる、80年前に原爆(原子爆弾)が投下された広島に、天皇皇后両陛下が訪れることの意義というのは、どういうところにあるっていうふうに市長は思われますか。
市長
私自身は天皇皇后両陛下が、いわゆる、これまでの取組としても、戦争で犠牲になった方々で、海外で、まだ遺骨収集もできていないような、そういった状況の中で、当時の苦しみとか痛みとかを確認し、そういったことのない世界、あるいは国をつくるといったことを、身をもってこの国民に理解してもらうという行動をされている、その一環としてということになると思うんですね。そういう意味で平和国家日本というものを、改めて皆さんに認知していただける、そういう機会になるんじゃないかなというふうに思います。
【核兵器禁止条約について】
記者
1月22日で核兵器禁止条約の発効から4年を迎えます。ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラエルのガザ攻撃が続き、核兵器使用のリスクがこれまで以上に高まる中、被爆地の市長として、この条約の意義をどう捉えられているのか、改めてお聞かせください。また、1月8日に日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)と石破(茂)首相が面会した際、核兵器禁止条約第3回締約国会議のオブザーバー参加について、明確な回答は首相からはなかったということですが、このことに関する市長の受け止めを教えてください。さらに、いまだに日本政府は条約の署名・批准に至っておりませんが、どのように働きかけていきたいとお考えか教えてください。
市長
皆さんも既に御承知のように、現下の国際情勢はといいますと、国家間の疑心暗鬼が先行していまして、その中で各国の為政者は、自分は真っ当なんだけど、相手の方がどうも何するか分からないと、だから、念のために軍事力を強化しておかないと大変なんだ。そんなロジックを立てて、いわば、軍事力強化を競うというようなことをやっているというふうな状況かと思います。そんな中で、核兵器の使用の脅威、こういったものも確実に高まっているんじゃないかなというのが多くの方の共通認識だと思うんですけれども、いわば、こういった為政者レベルでの判断をもう少し角度を変えてみてみますと、二度の世界大戦を経験している我々人類なんですね。そして、その大戦ののちには、そういったものを深く反省して、そういうことをしないような装置といいますか、仕掛けをつくろうという、そういう努力をしてきている人類でありますから、今こそ、この核兵器廃絶という理想の世界、現にあるんですけど、それをなくすという、この理想を追求するということに向けて、いろいろな努力をすべき、そういうタイミングじゃないかと思うんですね。相手が何を考えているか分からないから軍事力をとにかくやらなきゃ、そのこと自体は過去も歩んだ間違いというか、失敗の道をまた歩んでいるんじゃないかというふうに深く考えるべき、そんなタイミングだと思っています。そういうふうに考えたときに、その考えるよすがというか、それを提供してくれているのが核兵器禁止条約じゃないんでしょうか。実際、この条約は、被爆者の切実な願いというものを受け止めたものであって、史上初めて核兵器が全面的に禁止されるべき対象であるということを明確にした、いわゆる、人類にとっての根本規範をようやく作り上げたわけですね。だから、この条約が、いわば、核兵器のない世界を実現するための推進役として有効に機能するように、どう皆が取組をしていくかということを、今こそやっていくべき、そんなタイミングだというふうに思うんですけれども。その状況、ある意味では分裂しているとか、そういう理想を追求するという考え方と、いやいや現実は、そんなことをやる余裕はないんだというような為政者を中心とする判断、これが入り乱れているという、そんなふうに思うんですけれども。
そんな中で日本政府、これは被爆者というものを、この被爆地というものを、どこよりも重視しなければいかん政府でありますから、唯一の戦争被爆国という立場で、この核兵器廃絶、その実現に向けていろいろな取組をしていくべき立場だと思うんです。その際、常に政府も言っていますけれども、核保有国、(核兵器を)持っていない国よりか、今、核保有国、これをどう取り込むかということが重要だと言っているわけですから、そういうものを取り込んでいく、巻き込んでいくためにも、核兵器禁止条約がどんなもので、そのための締約国会議、どんなふうになっているかということはオブザーブして、今後の対応を見ていくために、あってしかるべきじゃないかなと。要するに理想を追求するということを、しっかりと国としても明示しながら、それに必要な対応がどんなことが要るんだろうというようなことを、核兵器保有国を巻き込むためにも、オブザーバー参加ぐらいはやっていいんじゃないかと、むしろ重要になってくるというふうに思います。
そんな中で、先ほどもあったように、(日本)被団協との面会で明確な回答はないということでした。そこで、私としては、常に総理が、今まで意向表明として、締約国会議の参加を探るっていうようなことも言われていましたんで、その対応の一つとしてオブザーバー参加を考えてもらいたい。その際、ドイツの事例も検証するというようなことも言われておったわけでありますから、これをしっかりやっていただきたいということ、それから、その際に、もし物を言うとすれば、その際に併せて、ノルウェーの事例も検証してもらっていいんじゃないかなというふうに思うんです。というのは、ノーベル平和賞を授与したノーベル委員会が設置されている国ですよね。王国であるということもあります。もう一つは、NATO(北大西洋条約機構)には参加しているんですよ。ですけれども、NATOには参加して核兵器禁止条約には署名してないんですね。ノーベル平和賞を出すような国家であって、NATOに入って、禁止条約は署名していないと。さりながら、締約国会議にオブザーバー参加しているんですよね。そういった国もあるということも検証の対象にしていただいて、いろいろな事情があろうと思いますけれども、核保有国を巻き込んでいくためのいろんなことを検討する一助にしていくべきじゃないかなというふうに思っています。
記者
関連してなんですけれども、市長と長崎市長が17日に(石破)首相と面会するという報道が出ておりますけれども、実際にどういうスケジュール感で面会されて、どういった内容を要請していくかというのをお伺いしてもいいでしょうか。
市長
スケジュールは、今、最終調整段階で確定したら…。
市職員
確定したら、また皆様にもお知らせいたします。
市長
ただ、ざっくり申し上げると、明日、明後日、武蔵野(市)で国内の平和首長会議、国内(加盟都市)会議、総会を開く予定でありますので、そこで会議をこなして、今のところは長崎の市長さんも来ていただけるから、私と長崎の市長さんと、開催市、武蔵野市なものですから、その市長さん辺りが一緒になって、国会関係に平和首長会議の決意内容とかも届けるという、その一環として(石破)総理のところも伺えるようにしたいということで最終調整しているはずですけど。
記者
その際に総理に対して核兵器禁止条約のオブザーバー参加を要請するということもされるんでしょうか。
市長
今みたいな気持ちを持っていますからね。その際には、平和首長会議としての決議事項と併せて、その話はしたいなと思っています。
記者
松井市長は、2021年、2022年ですとか、以前にも当時の岸田総理大臣に対して直接オブザーバー参加、署名・批准に向けた、まずはオブザーバー参加ということで要請をされてきたことがあると思いますけれども、今回1月8日、被団協と石破総理大臣との面会での発言というのもありましたけれども、そうしたものですとか、先ほど触れられていた国際情勢を踏まえて、改めて、どのような…。直接、今回要請をすることにどういう意味合いがあると市長自身考えていらっしゃるのかと、あと併せて、これまで要請してきた部分と異なる部分があるのか、これまでどおり岸田総理大臣に要請してきた内容と、内容としては変わる予定がないのか、その辺りも今のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
市長
現状認識については、核兵器禁止条約が成立したときの世間の受け止めと、端的に言って、ノーベル平和賞を被団協が受けて、その被団協が賞を受けたということの評価の中に核兵器禁止条約が成立することについての、いわば、市民レベルの長年にわたる活動の成果ということで結び付いているというのは、説明が広く世界に知れ渡っているという、そういう意味では、ある意味で、平和の理想に向けての考え方が、より市民社会に分かりやすい形で展開されている状況があるでしょうということはしっかり言いたいと思うんですね。
その一方で、ウクライナとか中東情勢を考えると、現実に為政者レベルでの、いわば、疑心暗鬼、様々な軍事力強化は、より激化してきていると。いわゆる理想と現実の乖離が大きくなっている中であえて問いたいのは、為政者の方々は、最終的に自分たちは国民という単位で、市民社会を安心安全に導くための大目標を持って政治をやっているはずでありまして、そのときに多くの市民、世界中の市民社会が平和を願っているということをもっともっと深く理解すれば、あるべき方向をもう少し変えるべきだということを以前よりかはしっかり考えていただくべきじゃないかと、そんなことを実は言いたいんです。理想と現実の乖離があればあるほど、理想を強く求めようという市民社会の声がしっかり広まる、深まっていると、そういうことをもう一遍よく考えてくださいということを重ねて申し上げたい。そういう中で具体的対応として、核兵器禁止条約の締約国会議がありますから、そこで日本として、そういった方向性をきっちり堅持しながら平和を願う国政というか、政治をやっているんだということをやっぱり世界に示してもらいたい。それを支える国民がちゃんといますよということを分かってもらえるようにしたいと思いますけど、そういう気持ちを込めて要請したいと思っています。
■その他の質問■
【勝手踏切について】
記者
昨年10月にJR可部線内で死亡事故が発生をしました。その勝手踏切について質問をさせていただきたいと思います。12月の広島市議会の方でも局長から御答弁が一部ありましたけれども、勝手踏切につきまして、公共のものとして利用されている際に、地域住民の同意というものが、機能を喪失させるための手続きとして必要だというお話と、同意を取るためのJRと共同の取組を進めていくというところもありましたけれども、こうした中、地域住民の利用が事故が発生してからも相次いで見られるという状況がある中で、地域住民の同意がなくても、線路を横断している里道を廃止できるよう手続きを市として簡略化していく考えがあるのかないのかというところ、市長のお考えをお伺いをしたいと思います。また、そこに併せて、議会の局長の答弁等もあったように、同意を取る手続きという、この手続きが12月の答弁後、その後の進捗として、どういったものが進められているのかというところも併せてお聞かせいただければと思います。
市長
これに関しては、まず現状を先に御説明しますと、確かに昨年10月祇園の勝手踏切というところで事故がありました。こういった事故を防ぐためにも、廃止するということについて地元関係者の同意を得るべく、JR西日本が今月中に地元の町内会長とか隣接地権者、そういった方に説明を行う予定でありまして、当然、本市もその場に同席していこうと、こういうことにしています。我が市としての基本姿勢は、今後もJR西日本と協力しながら、地元の同意が得られるようにする。得られた際には、速やかに勝手踏切となっている里道の廃止に向けた手続きを進めると、こんな予定であります。これがまず、現実というか現況であります。
そこで、こういった対応をする根拠といいますか、考え方ですけれども、これは、鉄道なるものは鉄道営業法などの法令上の運用根拠を持っていまして、道路と平面交差してはならないというのが実は原則なんですね。ただ、道路の交通量が少ない場合とか、地形上などの理由でやむを得ないというふうに認められる場合はこのかぎりでないということで、踏切が認められるという存在です。ただ、その踏切を造るときには、踏切保安設備、つまり接近しているときの状況を通知するとか、通行を遮断する、こういった設備を設けた上で設置するというのが法体系なんですね。そうすると、勝手踏切は何なんだと、こういうことですけれども、実はこうした考え方の枠外というか、その外枠にあるというのが、この勝手ということで言っている勝手踏切なんですね。ただ、勝手踏切というかぎりにおいて今言った要件の中での遮断機がないとか、接近通知ができる設備がないということでありますから、法律上は、つまり鉄道営業法上の通行は認められるものではないということは厳然とした事実なのですけれども、ただ、問題は、鉄道が敷設される以前から地域の方々が生活道として利用していたという実態がどうもあるところに、こういう踏切があるんですね。そうすると、これをどう考えるかですから。道ができる以前から鉄道法があれば何ていうことはないのですけれども、手順が逆ですから、国もそういう勝手踏切があるということは認知していると。違法とか、違法でないとかっていうんじゃなくて、そういうものがあるということは知っていると、ここまでなんです。そこでどうなるかということで、実は、こういった問題について他都市でも事例が起こっていまして、勝手踏切を廃止するというのを住民の意見を聞かずにやってしまったところ、地域住民が通行の権利があるのに、慣習法といいますか、法律が後から出てきたので、自分たちの生活圏を確立するための道だったのに、それを侵害しているということじゃないかというふうなことを、実際、混乱するっていうような事例が起こっているのも事実なんです。そういうこともありますので、本市とすれば、そういうこともあり得るのだったら、まずは十分な説明を行って了解を得た上で丁寧にやるという方がいいんじゃないかということで、先ほど申し上げたような手続きを踏んでいるということで、確かに事故をなくすために、迅速かつ的確にやるために法律だけをベースに考えれば、できないことはないんでしょうけれども、その法律以前の慣習とかという、いわゆる権利意識を持っている方々との関係調整がもし入るとすると、混乱するから事前に用意周到にやるというふうにしたいということを考えています。以上です。
【基町再開発エリアの新ビルの整備について】
記者
基町の新ビルに市も産業支援機関を設ける考えを、年始に何かおっしゃっていたと思うんですが、昨日、湯崎知事もそれに関することを発言されていまして、具体的に何か案があるんでしたら教えてください。
市長
まだ具体化というところでは、検討段階ですけれどもね。元々、市営駐車場があった土地を商工会議所と一緒になって、いわゆる再開発をするという、市でいうとリーディングプロジェクトというふうな言い方をして、官民が一緒になって新しい施設群を市のいわば中核となる地域に設置すると。そして、そこで商工会議所は引き続き地元の中小企業等を対象にした経済の支援役としての働きをするということとともに、実際、すでに、観光誘致といいますか、インバウンドとかということも考えながら観光事業なども手がけると、こういう仕事をしています。
そこで、一方で、県も市も観光事業とか商業、経済の行政支援、いろいろな展開をしているということもありますので、一緒に建物を造るんだったら、その建物の中に実際に共同作業ができるような連携方策を考えるスペースを取っていいんじゃないか。取った上でもし可能だったら、一つの協議体なり運営体を作るというところまで考えていいんじゃないかと、そういうようなことを今考えている最中でありまして、それをやることで、市の紙屋町、八丁堀のど真ん中で、とりわけ観光などについては、これからインバウンドをいろいろな形で連携強化していかなきゃいけない、そういう状況がありますので、御一緒できるシステム、あるいは組織、そういうものができればなということでやっていまして、商工会議所として利用するフロアは3フロアか4フロアあるはずですけれども、例えば、その一つのフロアを一緒に共同利用するっていうことをしてはどうかと考えています。その際に、可能であれば県の方も御一緒にというようなことも言いながら検討しているというのが現状であります。私は、それを積極的にぜひやりたいという気持ちを込めて発言しているということであります。
記者
関連して基町の再開発ビルで、1フロアを共同、1フロアの一部になるかもしれませんが、その共同利用するということなんですけれども、市のリーディングプロジェクトということで非常に立派なビルが建つわけですけれども、そこで、フロアの高額な賃料というのがまた問題になってくると思うのですが、その辺りの兼ね合い、ある程度、今構想されていることだと、いろいろな複数の組織が連携しながら入るということなので、一定程度の面積がフロアも必要だと思うのですけれども、その辺り、どこまで考えられるかという高額なフロアなんですけど。
市長
まさに、検討の中身を先取りした質問なのですけれども、今言ったように連携とか一緒になるということを言った途端に、じゃあ、施設をどういうふうに造り上げて、どういう組織にして、維持費をどうするかとか、そちらの方の算段をしなきゃいかんということですが、私自身、基本は新しいビルを造りますよね、ですから、多分、新しいビルもこれから造り上げていくときに、物価高騰、人件費高騰ということで、これに掛かってくる予算は、設計段階でやっているよりかは費用が上がる可能性が高いじゃないですか。数年かけてやるわけですから。そして、それだけ掛けてできたものをいわば運営していく中で、資金を償還していかなきゃいけないでしょ。そうすると、フロアなんかについても、所有と運用という形でやるときに、運用なんかについては料金設定も、掛かった費用を前提にまた計算し直すわけですから、費用が高くなるということそのものを否定はできない。これは前提条件になると思うんです。しかもデフレの社会であればね、値下がりすることもあるかも分かりませんけれどもね。基調として、デフレ社会を脱却して、インフレということへの、適度にいろいろなものが上がっていく、その中での料金設定ですから、改めて言いますけれども、今よりか高くなることを、そのことを前提にした上で、じゃあどうするかということをしっかり検討してもらいたいと思っています。そうしないと、作り上げた設備の償還なんかもできなくなりますからね。だから単に高いからうんぬんじゃなくて、高い中で、じゃあそういったことを前提に、どう運営していくかという、そちらに知恵をしっかり出してもらいたいなと思うんですけどね。
【核兵器禁止条約について】
記者
核兵器禁止条約について、2023年の締約国会議では現地に、ニューヨークに行かれてスピーチをされたりということもされていらっしゃったと思うんですけれども、今の段階で今年3月、締約国会議に行かれてスピーチをされたり、また現地でサイドイベントを開かれたり、そういった御予定がもしありましたら教えてください。
市長
締約国会議には(平和首長会議として)参加する予定でいますけれどもね、今言われた内容については、まだちょっと検討中ということであります。ただ行く限りにおいては、先ほど申し上げているように、理想とする「ヒロシマの心」を市民社会に根付かせ広めるために、その場で何ができるかという視点に立ってできる限りのことはやっていきたいというふうに思います。
【トランプ米大統領就任について】
記者
来週20日にトランプ大統領が就任をされます。(昨年)11月には長崎市と共に被爆地への訪問を要請したいというようなお考えも示されていましたけれども、何か期待されることがありましたら教えてください。
市長
私自身はトランプさんと直接話をしたこともないし、皆さんからいただく情報前提ですけれども、いろいろな意味で政治を動かしていく上でディールというか、ビジネスライクの取り引き、相手の出方を見ながら政治決定をするというスタイルの方だというふうに聞いているんですけれども。そうしたときに、そのビジネスっていうのはある意味で人殺しとか、そういった相手方を抹消するんじゃなくて、相手方がいるということを前提にその方の様々な判断を誘導するために、いろいろな仕掛けをして物事を決定していくという、ある意味では柔軟な発想ができる可能性を持っている方だというふうに思いますのでね。そうした中で現実問題を対処するときに、今を生き抜くための利害得喪の判断プラス、人類として理想というようなものを加味したときに、どうするかという判断をしていただくと、その判断を決定したことが長続きするというかね、短期的な観点よりか長期的にも役立っていくんですよというような、そういうお話もできたらいいなというような気もするんですね。
そして、そういったことを考えたときにまずは、地球上に人類が存在しなければ人間社会ができないし、人間社会ができないと経済活動もない。経済活動をやる上で、有利な立場を取りたいというのであれば、根源である人類の存続というようなことを考えながらやってもらえればというよう話を、もし、「うん」と言ってもらえれば、多少なりとも「ヒロシマの心」が為政者の心に届くんじゃないかと思うんですけれどもね。そういう意味でそういう話をできるように、そういう気持ちが伝わるようにするためにも来てもらって、被爆の実相を知っていただくというのが重要だというふうに思っております。平和記念式典のときに、どの国を呼ぶ、呼ばないでいろいろ議論をされますけれども、私は今言ったような話をきちんと受け止めていただけるんであれば、どなたでも来ていただきたいんですね。そういったことを否定するために、あるいはそれを揶揄するために来るような方には、来てもらいたくはないんですけれどもね。ただ、こちらの気持ちを伝えるべく聞きますよという形で来ていただくというのであれば、どの方も来ていただいて、今申し上げたことをしっかりと伝えるということはやりたいと思っています。そういう意味でトランプさんにもその可能性がある限り、来ていただくようにしたいなと思いますよ。
記者
今の話に関連なんですけれども、トランプさんも可能性がある限り来ていただきたいということで、何か今年の8月6日に向けて案内を出されるとか、そういう予定はありますか。
市長
それは各国の為政者の方々に対するメッセージの出し方として、今言ったようなことはしっかり言った上で、広島、8月6日、(平和)記念式典ありますよということは御案内はしようと思いますよ。
※( )は注釈を加えたものです。