2025年3月28日記者会見「令和7年4月1日付け広島市人事異動について」外4件
動画は下記からご覧ください。
- 日時 令和7年(2025年)3月28日(金曜日)午後1時15分~午後2時00分
- 場所 市役所本庁舎11階第1会議室
市からの発表案件
令和7年4月1日付け広島市人事異動について
市長
それでは、令和7年4月1日付けの人事異動について説明をいたします。
令和7年度は、「地域コミュニティの活性化」や「平和文化の振興」、「公共交通の充実強化」、「子ども・子育て支援」などの重要課題に、若者が自らの将来展望を開くことにつながると実感できるような諸生活環境を整える「地域総出のまちづくり」の推進にも意を用いながら、ハード・ソフト両面から積極的に取り組んでいくこととしておりまして、この度の人事異動にあたりましては、組織全体の業務の状況を勘案して、組織全体が十分に機能するよう、また、職員の職務遂行能力が十分に発揮されるように、引き続き、適材適所の人員配置を行ったところであります。
その結果、局長級で14人、管理職で305人、全体では、3,426人の異動規模となりました。
次に、異動の主な内容について申し上げます。
最初に、管理職の配置による執行体制の充実・強化であります。
現下の緊迫した世界情勢に加えまして、被爆80周年を迎えるなど、本市への注目度が高まっておりますこの機を捉えまして、「ヒロシマの心」これを発信する取組を強化するとともに、平和、国際交流、多文化共生などの施策の調和を図りながら、被爆100周年を見据えたまちづくりに着実に取り組んでいくために、市民局に国際平和推進部を所管する国際平和推進担当局長を配置いたします。
次に、障害福祉サービス等事業所数の増加に伴いまして、障害者総合支援法に基づく事業所の指定や運営指導、虐待通報等への対応をより迅速かつ適切に行うために、障害自立支援課に事業者指導・指定担当課長を配置いたします。
次に、若い世代の転出超過の抑制に向けた対策として、女性・若者のための就労環境整備等に取り組むために、雇用推進課に女性・若者就労支援担当課長を配置いたします。
次に、中央公園広場ファミリープールエリアや広島広域公園の再整備等に取り組むため、公園整備課に公園企画調整担当課長を配置します。
次に、区内の児童数が多い安佐南区において、保育園入園事務や児童手当支給事務等の児童福祉業務をより迅速かつ適切に行うために、同区福祉課に児童福祉担当課長を配置いたします。
次に、女性職員の登用についてであります。
女性職員についても適材適所の配置を行った結果、局長級の職員は1人、部長級職員は21人、課長級職員は99人で、管理職の合計は121人となり、管理職に占める女性職員の割合は、令和6年度に比べますと、1.5ポイント増の19.0%となり、過去最高となりました。
また、将来の管理職候補となる課長補佐・係長級職員は20人増加いたしまして、管理職を含めた役付職員の合計は1,166人で、役付職員に占める女性職員の割合は、令和6年度と比べると、0.5ポイント増の32.6%となり、これも過去最高となっております。
次に、職員の長期派遣等についてであります。
能登半島地震被災地の復興を支援するため、富山県高岡市、石川県小松市、中能登町に対し、職員4人を派遣いたします。
また、広島県との人事交流については、社会福祉、雇用推進、都市政策等の分野で、引き続き、4人の人事交流を行います。
また、広島広域都市圏内の各市町との相互理解の促進や、技術職員が不足している市町を支援するため、呉市を始めとする9市3町に対し、職員12人を派遣いたします。
以上が、令和7年4月1日付けの広島市人事異動の概要であります。
記者
以前、発表された組織改変と今回の人事異動を併せて見ますと、サッカースタジアムの建設部がなくなったりする一方で、先ほど、市長の冒頭のお話にもありましたけれども、地域のコミュニティづくりですね。ソフト面に力を入れたり、人の配置を手厚くしているようにも見えるんですけれども、市長として4月からの組織づくりで意識された点、力を入れた点というのを改めてお伺いしてよろしいでしょうか。
市長
今申し上げましたように、異動に関しては当然、職務執行体制の充実・強化と、そして、職員のいわば、やりやすい環境設定というようなことも考慮しながらでありますので、今言われたように、既存の今までやってきた事業で、おおむね峠を越えたものについては、手間もかからなくなっておりますので、その要員を組織から引き上げて、新たなる課題の方にシフトしていくということで、今言われたような組織の編成といいますか変革が起こっておりますけれども、ハード・ソフト両面ということでやっております。
ハード面については、今言われたように、例えばサッカースタジアムが終了し、駅もということですけれども、駅の南口辺りについては、まだまだ残された課題がありますので、それをやるということもありましょうし、ソフト面ということになれば、これからは、いわば、この駅とか、そういった交通結節点に絡めまして、公共交通の体系整備というのがありますので、そういったことへの人のシフトもあります。それから、福祉関係等については、いわば、いろいろな方を対象にしての基本展開が、インクルーシブなものにしていくという大きな流れがあって、それぞれの施策の充実・強化とともに、ある意味でお一人お一人に対する丁寧な対応が必要となるという面が出てまいりますので、それらに必要な人材を企画部門中心の本庁よりか、あるいは区などの現場対応のところでの人材がいるということで、そちらへのシフトを考えながら、全体として定年退職で辞められる方の人数、それから、産休などでワークライフバランスを取る人が、生ずる方々が欠けたときの人員補強をするための、いわば定員確保ということで新規採用をどうするかとか、それから、会計年度任用職員の処遇改善等を図りながら、可能なものは、いわば、正規職員ができるもの、あるいは、民間に委託して業務効率化を図る。そんなことを織り交ぜながらやっておりますので、ある意味で総じて、行政目的と、それを取り囲む環境に適応させながら効率的な業務の執行体制をつくり上げるための人事異動といいますか、組織改正というふうに考えていただけるとありがたいと思います。
記者
もう一点、組織に関して、過去の人事異動の際には、組織に横串を刺すであるとか、能動的な行政サービスというようなコンセプトやキーワードみたいなものを市長の言葉の中から聞き取ることができたんですけれども、今回の4月からの組織で目指す、その組織像としてコンセプトとかキーワードのようなものがあれば教えていただけませんでしょうか。
市長
あえて言えば、今度は「地域総出の」というようなことを言っています。これはもちろん地域総出っていうのは、職員体制プラスまちづくりに関係する地元の方々といいますか、市民の方々までも巻き込んで、その地域ごとの事業体であるとか、関係機関とそういったことも一緒にということで、このまちづくりの仕事というのが役所を中心となってやるときに、それぞれの所管を決めて、縦割りで、縦系列で仕事をするということ、これ基本なんですけれども、ただ、このハードなりソフトを縦系列でやるとしたときに必ず関連部門の仕事が一緒になってまいりますので、そういったことに着目して、よりいいものにするためには、横串を刺すということです。関連する仕事で関係部局も一緒になって、企画・立案から実施を考えていただくということ、ずっと言ってきていますので、それが定着してきていると。最近では、その作業をいわばDX化というような、いわゆる手段を講ずることで、いちいち席を移さなくても情報交換できるというふうなことができてまいりますので、それを使って横串を通すというようなことも可能になっていますから、そういったことで横串の部分は、強調しなくても、相当程度、浸透してきたと。問題は実際の積極的な業務展開をするときに、そういったDX化を通じて我が市のやっている行政を提供する、あるいは収集した情報を加工した中で、より受動的な、御不満があるものを拾い上げて一個一個潰していくというやり方から、問題があれば、それを横串を刺して、それを超えるための対策をどうすることで、より効率的な事業展開ができるかとか、対策がということを考えてもらって、やるというふうに癖をだいぶつけてきたはずなので、そういう意味で能動的な業務ですね、自分たちが問題意識を発見して、関連部局と一緒になって、それを解決するための環境整備と具体的課題解決という施策展開を考えています。そのために、現場に出ていって、それぞれの対応する職員の人数を充当して、それらが動けるようにすると。そういった考え方できておりまして、最初、申し上げたぶんは、その仕上がりの先端部分を一応拾い集めて説明したということです。当然、今までやってきていた組織づくりの別の枝あるいは幹、幹ができ枝ができ葉が茂る、そういう展開になっているんじゃないかなというふうに思っています。
記者
分かりました。ありがとうございます。
記者
(広島型地域運営組織)「ひろしまLMO(エルモ)」の担当職員を今回も増やされましたけれども、今後も増やしていく予定なのか、これで打ち止めなのか、どちらになるんでしょうか。
市長
とりあえずは、元々5~6年がかりで、でも、とりあえず140の小学校がありますから、それを目指してということでやってきたんですけれども、2年ちょっとで70を半数を超える地域でのLMOへの関心が高まっていますから、それに対応するための職員配置ということで、まず量的な面での対応としての配置を考えましたけれども、内容的な問題とするとLMOそのものを立ち上げるのは、立ち上げるというのは元々未経験ですし、ですから経験した方々との情報をつなぐ、そして、立ち上げるまでには、今までとは違った発想で、いろいろな取組をしていただくための学習とか、それをこなすためのトレーニングがいりますから、それをいわば、行政伴走型でやるということをするために職員体制を強化しました。さらに、その先は、こういった形で我々が原資を提供してLMOとして、地域の諸課題を行政の資源を使いながらやるということ。そして、行政を地元としてうまく使いこなすということの他に自分たちとしても、財源確保ということをやっていただくということも将来据えていますので、そういったことで、さらに行政との連携が必要となるとか、発展させるために、こういった作業があるといいなというようなことがもし地域から出てくるようであれば、その段階に応じて、その必要な人員配置ということは、また考えていく必要があると思っています。
被爆80周年のキービジュアルについて
市長
それでは、被爆80周年のキービジュアルについての説明をいたします。お配りしている資料の「被爆80周年のキービジュアルについて」を御覧いただければと思います。
この度、被爆80周年の取組を広く周知するとともに、統一感を持って展開するために、被爆80周年を象徴する画像といたしまして、本市が毎年開催しております「ピースツーリズムフォトコンテスト」において、本年度の入選作品が出ていますので、それを基に、キービジュアルを設定いたしました。キービジュアルとして採用いたしました、この写真の撮影者は末永達也氏でありまして、タイトルは「平和の祈り」というふうになっております。この写真を見ていただくと分かりますけれども、被爆の惨禍を伝える原爆ドームがまず中心にありまして、広島出身であります、被爆者でもあります、詩人の原民喜の詩碑の英訳が下の方に写っていると。そして、青々と茂った大木がある。こんな設定なんですけれども、撮影者によりますと、「平和の祈り」というタイトルを付けておられます。被爆80周年の趣旨に合致するんじゃないかなということで、これを選択したものであります。
また、このキービジュアルを用いまして、PR用ポスターも作成いたしました。本日は、このポスターのパネルを用意しておりますので御覧いただきたいと思います。
(写真撮影)
今後は、先月公表いたしましたロゴ、それからキーミュージックというものも合わせまして、宣伝して、キービジュアル、PR用ポスター、それから本市ホームページなど、様々な場面で活用していって、被爆80周年の機運醸成を図っていければというふうに思っているところであります。
これが、部分なんですけれども、なじんでいる方は「おっ、ちゃんと入ってるな」と、原民喜さんの英文なんですけれども、英文は一部しか出てないんですけれども、御影石の上に彫られているんですけれども、原さんの詩、日本語でいきますと「遠き日の石に刻み 砂に影おち 崩れ墜つ 天地のまなか 一輪の花の幻」ということで、原民喜さんは、列車で死ぬというのがあるんです。その直前といいますか、そのときに自分の思いをこういったものに詩の一文に書かれていまして、崩れていく天地の中で、幻の花がぽつんとあった。自分の存在感みたいなことをちょっと最後に辞世の句として残したような、それが英文で書かれておるということであります。これ自身、被爆後の戦後の状況を考えた中で、世情を反映しながら、「一輪の花となりたいけれども、幻状況のままで」ということかも分からないのでね。理想は持ちながらも、それは現実にならない。そして、それを育てる基盤も崩れゆく砂のごとくで、しっかりしていないという原風景をうたっているんじゃないかと私は受け止めています。そんな中で、きちっと、それをベースにしながら、今の緑と青と空と、それから(原爆)ドームを配置しているということで、安寧というか心安らぐ図柄になっているかなというふうに思っています。そんなところです。
記者
率直に、改めてこのキービジュアルを見たときの市長の御感想と、このビジュアルを見て、市民の皆さんであるとか、もちろん観光客の皆さんとか被爆80周年をどのように感じてもらいたいかというところを改めてお伺いできますでしょうか。
市長
私自身の思いは、この光っている御影石の硬い岩面に字が刻まれていますでしょう。今言った原民喜さんのうたわれている詩に、それが書かれたベースがここにあるんだなということをちょっと考えながら風景を見ると、今のこの、木が茂り青空が見える。しかし、被爆した建物がそのまま姿を残しているという、まさに現状なんですけど。この平和のというか、心安らぐ姿そのもののベースには、こんな状況が以前あったんだよと。それを同時進行で忘れないようにしたいというふうに思う方も多いんじゃないかなと思うんで、結局、理想を求めながら現実の中でどう対処するかという、今も昔も変わらない課題をみんな抱えながら、でも上の方の明るい世界を目指して生きると、そんなことも感じるんじゃないかなと思いますけど。
その他の質問
minamoa(ミナモア)オープンについて
記者
先日、ミナモアがついにオープンされたということで、率直にオープンの受け止めについて教えていただけますか。
市長
ミナモアは、私自身はもちろん、出来上がった施設群もとても大事にしたいし、いいものだと思うんですけれども、それを造るための仕立てとかコンセプトの方に、むしろ重きがありまして。このミナモアオープンに向けて、JR西日本それから広島電鉄、それから本市というこの3者が一緒になって、連携して思いを共有した作業ができたというのが、一番、私としては喜びであります。陸の玄関一帯を整備すると、その整備するにあたっても、我が市としては広島の陸の玄関という位置付けと、それから楕円形の都心づくりということで、東西両方を競わせながら特色を持たせてまちづくりをするということをやりたいので、その特色ある広島駅づくり、それを「JR西日本と広電(広島電鉄)さん、ぜひ」と、こういうことでやって、ここまできました。まだ、これは完成じゃなくて、電車が入り、今まであった電車路線を廃止して環状線に変え等々、利用者はいますので白地に絵を描くみたいな作業できないから、少し時間がかかってしまいますけど、でも出来上がり図は、ようやく皆さんにもイメージにできるようになったと思いますので、これを着実に仕上げていく中で、いいものになるだろうというふうに思います。実際、このまだ部分開業という、駅全体の仕上がりからいうと部分開業ですけれども、多くの方が来ていただいているということで、魅力あるものにしていこうという第一段の思いは相当実現してきているんじゃないかなというふうなことを実感しています。
あとは、Aブロックと、Bブロック、Cブロックを、さらに段階的に機能強化を図って、楕円形の一つをこうやる。すると、そこから電車とか公共交通出ていきますので、広島の各区の東の核から今度は西の核につなぐ交通網が整備されますから、移動なども利便性が高まると。すると、外から来る方は広島駅からこちらに来る。そして、もう一つの西の核の方については、そちらへのアクセスが強まるけれども、今度は環状型の電車路線などを造ることで、市内をぐるっと循環していただける路線を造ると。そうすると、幸い、電車の路線の各駅ごとに、原爆ドームがあったり、(広島)平和記念資料館があったり、比治山(公園)の平和の丘があったり、(旧広島陸軍)被服支廠があったりする。そういう被爆の建物などを回っていくときに利用できる路面電車という形にもなったりするので、それへのアクセスできますから、これはこれでまた、広島の、そういった平和の象徴という、それを思っていただける被爆の実相を実感するための対応もできるようなまちづくりを、これからやっていくということができるようになったし、さらに、本通り辺りは駅前と違った趣向で活性化をするということを、皆さんにしっかり言えるようになったんじゃないかなと思っております。いずれにしても、この整備そのものが広島の都心のみならず、(広島)広域都市圏を設定していますので、広域都市圏全体、うまくいけば中四国の拠点性を高める、にぎわい創出の推進部隊になるというふうに思っています。その事業をしっかりやっていければなというふうに思っています。
西区の道路陥没事故について
記者
広島市の西区福島町の(道路)陥没事故についてお尋ねをします。事故の発生から先日、(3月)26日で半年がたったんですけれども、今も元家があった場所に帰れずに避難をされている方がいます。その中での、半年がたっての市長の所感をお尋ねいたします。併せて、工事再開に時間がかかるというような答弁も(広島)市議会の中ではあったりするんですけれども、今後の見通しについても分かる範囲でお尋ねしたいと思います。
市長
この件に関しましては、ご存じのように昨年の9月26日に発生いたしました、下水道工事に伴っての道路陥没事故でありまして、被害を受けられた方々に対し、大変な御迷惑をおかけしております。お詫び申し上げます。そのことから我々として、一刻も早く皆様方の御不便を解消すべく取り組んでいるというのが現状であります。そして、少し詳細を申し上げますと、市営住宅とか民間の賃貸住宅に入居されておりました19の世帯の方々に関しましては、住み替え先の調整が終わりまして、順次転居していただいているということです。この方々が今の現場に戻って居住されるということは、もうなくなっております。一方、自宅等がそこにあった方々、損傷がありますので、いまだに避難状態にあるといえるのが7世帯ほどありまして、この方々に関しましては申し訳ない、まだ仮住まいの状況ということが続いております。これに関しては陥没箇所の地盤沈下対策、まだちょっとずつ地盤が沈下しているという、だいぶ止まってきたというんですけど、ちょっとまだあるというので、これを可能なかぎり早く完了させて、自宅などの修繕とか建て替えを行えるような状況に持っていきたいというのが今の考えであります。この地盤沈下の対策につきましては、その対策をやる前に、すでに損傷している建物などの解体工事をやらないと現場が調整できないということ、それから、もう一つはそこの道路の下を通っていた下水管等々ですね。これらが別の意味での市民生活に影響がありますので、この復旧工事を進めているということがありますので、この地盤沈下対策そのものも、やはり今言った解体作業とか、復旧工事完了してからの着手ということになるんですけれども、この地盤沈下対策とか下水道の復旧工事が完了するのが、今年の秋ぐらいまではかかるというふうなことを言っております。ですからそれ以後着手して、早急に地盤沈下対策を講じて、そして帰っていただくと、こんな順番なのであります。もう少し時間かかろうかと。具体的なところまで、ちょっとまだ分かりません。段取り感としてはそういうものです。そして、現時点で被害を受けられた方々に対する生活支援とか補償ということに関しましては、最終的に、この費用の負担をどっちがするかというような、とりあえず置いてですね、すでに支援、補償等は開始しておりまして、被害に遭った方々に御迷惑かからないようにやってきているつもりであります。引き続き、寄り添った対応をして少しでも早く地域の安心を取り戻す、元の生活に戻っていただくということを目指して頑張りたいというふうに思っています。それがとりあえず今言える状況であります。
あと、工事再開の時期に関しましては、ちょうどまた今日もやるんですけれども、広島市の下水道工事事故調査検討委員会で、ここで専門家の方に議論していただいているので、その結果によるところもあるため、私自身からいうと明確にお示しできないんですけれども、まず、少なくとも今までの議論の中で工事を再開するにあたりましては、事故原因を究明して万全の再発防止策を講じないといけませんよと、不可欠ですと言われていますから、段取り感とするとこちらが先ということになっています。そしてその中で一番気になるのは、結局、原因究明ということが、まずないと動かないと。これについては、今のところ分かっている事実はまず、地中の約30メートルの深さ、30メートル下に水没しているシールドマシン、そこの周辺の地盤に水がまだ入っているから、これを止めるということで。で、止めた上で水、土砂を取り除いて、(シールド)マシンの内部を実際どうして起こったか確認するということがあるんですけれども。そのための、調査をするための作業、深度も深いし多分水がたくさんありますから、高水圧ということなので、それらを勘案した工法を、いろいろ検討される。2~3案、今日も検討するということを聞いていますけれども、自分が見た印象では、例えば水なんかを排除するのが大変だったら固めるということで、わざと凍らせて、凍らすための設備を造ってという段階がいるというようなことを見ましたので、そういったことに相当の時間がまだいるかなというふうに思っています。そしてそういう意味では、この今日の検討委員会で、まずはシールドマシン内部の調査方法と、陥没箇所の地盤沈下対策、これについての御意見いただくということが予定されています。いずれにしろ今後も地域の皆さんの御理解、御協力もいただきながら、現地の復旧を進めていく。そして今後に関しても、安全対策、これを万全に講じながら事業再開を目指してやると。そしてこの地区の浸水対策、この効果が発揮できるように、しっかり取り組んでいきたいというふうに思っています。
児童虐待に対する事案について
記者
市内で相次いだ児童虐待案件のことなんですけれども、2歳児の方が父親の暴行を受けて死んだ案件と、3歳児がおじいさんと母親に粘着テープで縛られてしまった案件等ありますけれども、こうした虐待事案が相次いでいることに対して、まず市としての受け止め、どう受け止めているかというのをお聞きしたいのですが。
市長
子どもを虐待するというのは、普通の、健常な、いろいろな意味で健全な生活を営まれている場合は、むしろ自分が親ですから、自分の子孫とかかわいい子どもですから、そんなことは考えられないんじゃないかと思うし。これが起こるということは多分、そういった対応ができない要因が何かあって、起こっていると。その要因になるものが個人の極めて属性によるものなのか、そういったことにならざるを得ない社会環境といいますか、そういったことがあったりして個々人が追い詰められたとかいうようなことがある、いろいろ考えられるんですけれども。今回のこういった事案が、そのどちらに該当するか、あるいはどちらのウエイトが多いかというようなことは、事件発生以後いろいろな調査も入っていましょうから、そういった中で明らかになると思うんですけれども。少なくともそういったものを事件性がある、犯罪行為とかいう形で調べるのとは違う、あるいは追及する立場にありません。我々はむしろ市の行政として、ごく平常の生活を営んでいただくための、必要な支援策を各家庭に向けてどうやるかという視点でやっていましてね。お困りごとがあれば、相談に応じてそれが悪化しない間、未然防止策をやるというようなことを、やっております。そのときに問題になるのは、そういった問題がありうるということを当事者の方が申し出て、それを感知して必要な支援策を講ずるというのが、こういった支援策の基本になっておりますのでね。家庭事情までこちらが全部つかまえていて、何か起こりそうであればこちらから出かけていってやるということになっていない中で、今回のような事案はある意味で報告を聞いたりすると、その隙間で起こっているといいますかね。子育てに関わって問題があるような状況であったけれども、それに対応した組織、住んでいる場所も変わられたということもあったりして、他の自治体との連携もあったりするというのがあるんですけれども、それを置くと、子育てについて困られている家庭にいろいろアクセスしてお世話したけれども、その段階で行政としてこういった兆候を把握するような状況になかったということだと聞いています。そして、そののちにまた、お子たちが複数いるときに、もう一人のお子たちの問題になった。その直前まで御両親からの相談事はあったわけではないと。で、事件が起こっていって確認していくと、どうも前からあったんじゃないかとか言われているというような状況なんですね。ですから、こういった少子化とかいろいろなことを言われる中で、元々自分たちの子孫になる子たちを大事にすることができないこの環境というものを、いくらかでも改善するために、どういった対応を考えられるかというのは、ものすごい根源的な現行のいわゆる福祉関係のシステムを、私から言わせれば、もう少し能動的に動けるような仕掛けにする必要があるかなというのが自分の感想です。ただそのためには、日頃からそういう家庭状況を行政として確実に、また把握するというのはプライバシーの問題があったりして、当事者が許容をしてこの情報でお願いするというそこの部分の調整が難しいんだろうなというような思いをしております。
記者
おっしゃったことに話が入っているかと思うのですけれども、もう一回改めて市の対応としてなかなか事前に把握できなかった部分がいろいろありましたけれども、虐待防止のための連携強化等々必要になってくるんではないかと思いますが、改めて、その課題であるとか再発防止策について、もう一度おっしゃっていただけますか。
市長
課題はですから、自分自身の組織的にまず担当部局と厳密に議論しているわけじゃないですけれど、報告を聞きながら思ったのは、問題事象を抱えた家庭があるときに日頃から接点を持つ近隣の方々、関係者の方々が何か問題あるかなと思えば、それを例えば通報していただいたならば、それに基づいて、お問い合わせっていうか、訪ねてみるとかっていうことがね、もう少し柔軟にできるような措置があれば、予防措置としてあれば、もう少しこういった事態、減るんじゃないかなというような思いはしています。
問題は、それをやったときの多分、担当者から言わせれば、「自分、言ってもないのに、何でわが家に来た」とかいうことを言われるというようなことは、すぐこう思い浮かぶんですよね。ケースワーカーのような方々、現場でやっている方々からすると、相当自分たちが根拠を持ってそういう行動をしても、きちっと対応できるような権限とかがないと、「なんで来たか」と言われると、自分たちとしては、やりづらいところになると。その辺のシステム構築は、まず、いると思いますね。
だから、先ほど申し上げましたように、積極的な行政サービス展開をするための論拠と、そして、その状況にある方が被害者的な立場なのか、今回みたいに加害者的な立場を持ちながら、そういう情報を外から知られるのがまずいみたいな考えで立ち回っておられるときには、極めてアクセスしづらい問題があるのでね、これらについてどうしたらいいかっていうことは申し訳ない、現時点で私としての理解を持っていません。しかし、そうでないケースで困りごとがあるのであれば、より積極的に能動的に、支援の手は差し伸べられるような政策体系をもう少し国全体で工夫していければなというふうに思います。
記者
分かりました。すいません、あともう一件だけ、同じく子どもが亡くなった案件で、安芸区のJR呉線で、小学6年の子どもが家を飛び出て、はねられてしまったという案件ありましたけど、現場はなかなか、歩道沿いに線路があって、フェンスのない状況でしたけど、この再発防止として、市として何か対応できること等、お考えは何かありますか。
市長
これは、この事件はよくまだ聞いてないんだけれども、これ、子どもだからということ以上に、以前は、踏切のないところで、列車にはねられたということでありまして、今のその踏切もあるわけじゃなくて、単に線路で入るべきではないというゾーン設定がされているところを乗り越えるというところもあるような気がしますのでね、新幹線みたいに物理的に、全部遮蔽すれば、それは問題ないでしょうけど、それができない中でどうするかという問題なんで、市の行政として何かの措置ということは申し訳ない、ただちにやれるだけの権限とかいうものはなさそうな感じがしています。一般論として、地域の方々がそういった場所には、入らないように、日頃からお互いにチェックするようにして、特に子どもたちであれば、そういうことをしそうな子たちに注意できるような環境づくりを地域で子たちを守りましょうっていうようなことをやって、ソフトの面でその周知を図るってことはできるとしても、具体的な措置としてどうかっていうのは、ちょっと今のところ思いつきませんが、はい。
記者
分かりました。
※( )は注釈を加えたものです。
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