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ページ番号:0000381937更新日:2024年5月2日更新印刷ページ表示

2024年4月24日記者会見「第48回南極条約協議国会議の本市での開催決定について外5件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>

日時 令和6年(2024年)4月24日(水)午後1時15分~午後2時02分

場所 市役所本庁舎11階第1会議室

 

■冒頭コメント■

【第48回南極条約協議国会議の本市での開催決定について​】

市長

 この度、令和8年(2026年)に第48回南極条約協議国会議が日本で開催されるにあたりまして、外務省が行った開催地の公募に本市からも昨年末に応募していたところ、昨日、外務大臣記者会見におきまして、政府による厳正な審査の結果、本市が開催地に決定した旨の発表がございました。

 選考の理由は、南極条約は、南極地域の平和的利用、国際協力、核爆発、放射性物質の処理の禁止を基本原則としており、国際平和文化都市を掲げる本市は条約の精神にふさわしい開催地であると認められたものでありまして、本市としても、歓迎するものであります。

 この会議は、令和8年5月を目途に2週間程度開催され、締約国56か国のうち、南極に基地を設けるなど、積極的に科学的調査活動を行っております29の協議国の政府高官など400名程度が参加する見込みと聞いております。

 本市での会議開催は、「迎える平和」といったことで取組に役立つものでありまして、参加者に対しましては、世界恒久平和の実現を願っております「ヒロシマの心」を広め、伝えることができる絶好の機会というふうに捉えます。併せて、参加者には、広島の豊かな自然あるいは街並み、食文化、伝統芸能等々、魅力をぜひとも体験していただきたいというふうに考えています。

 今後、関係省庁と連携いたしまして、会議の円滑な運営、それから参加者が「広島に来て良かった」とこういうふうに思えるようにといったことで、せめて受け入れ体制しっかりと整えていきたいと考えております。

 その他、詳細につきましてはお配りしております資料を御覧いただければということであります。本件に関しては、説明は以上であります。

 

■市政記者クラブからの代表質問■

 

【相生通りの「トランジットパーク」構想について】

記者

 4月17日に、まちづくり団体「カミハチキテル」が相生通りの「トランジットパーク」構想について、提言書を提出しました。提言書を読んでの市長の受け止めや、構想を実現するにあたっての課題、また今後の検討の進め方についてお考えを教えてください。

 

市長

 今回提出をいただいた提言の内容でありますけれども、これは相生通りのトランジットパーク化というものでありますけれども、この本市の中心部のあり方を変えていこうという壮大な構想でありまして、都心における回遊性の確保の重要性とか、そういったことをすることによって人々が、そこに住んでみたいとか、そこで働いてみたいというふうに思わせる動機付けにも繋がっていく。結果として人口流出対策にもなる、こういった見解でありまして、非常に明快に紹介されたものになっておりました。

 こうした発想そのもの、やっぱり本市が目指しております、まちづくりを進めていく上で、非常に有用といいますか、役に立つものになるというふうに実感していまして、ただ、その実現ということを考えたときには、この地域の方だけではなくて、例えば、(広島)広域都市圏の周辺市町など、そこで暮らしておられる方々にとっても素晴らしいと思ってもらえるような取組にしていくということが重要じゃないかなと思いました。

 したがいまして、まず具体化といいますか、検討していくにあたりましては、広く関係者を巻き込んでいくということ、その上でヒト・モノ、これらの流通に資するように根本的な枠組みを変えていく必要があるんじゃないかなというふうに思います。そのためには相生通りという「点」だけの、この作り替えでとどまることなく、周辺市町から、いわば、この都心部に来られる方々の移動手段であるとか、それから都心部を回遊される方々のマイカー、そういったものの流れを考えるなどもしなければいけない。そうすると、公共交通、あるいは道路交通の、いわば、再設計という「面」的な取組もやっていく必要もあるかなというふうに思っています。

 このように考えたときに、今回の提言っていうのは、非常に広島広域都市圏に及ぼす影響が大きいことになりますので、今後の進め方とすれば、まずは官民が一体となって検討していく、そのための体制を整える。そして、合意形成のプロセスを地域発でやっていく、「皆さんはこんなことを考えているよ」ということを、しっかりと盛り込んでいただく。その上で持続的に広域都市圏全体が発展していくための取組に繋げていきたいなというふうに思っているところであります。

 

記者

 先ほど、官民一体となる体制を整えるということで、提言書の中でも協議会の設置が盛り込まれていました。その協議会の設置については、今、どのようにお考えですか。

 

市長

 今申し上げたように、様々検討する面がありますんで、それらをどうするかということを調整する作業がありますけれども、それを手際よくやって、できるだけ早い時期に協議会設置をしていきたいなというふうに思っています。

 

記者

 プロセスを地域発でやっていくということですけれども、もう少し、今、どのような構想をお持ちなんでしょうか。

 

市長

 少なくとも、今回、提言いただいた皆さんも、当然、地域の団体というか、まちづくり団体「カミハチキテル」という立場での地域団体ではありますけれども、この類いのグループ、市内にもその他たくさんおられますので、できれば、そういった方々なども、こういうものを見て、自分達こんなことを考えてみたりとか、そういうものがあれば、ここで作ってお話を聞くよりか、まず、そういうものを作ってもらって、揃えて、皆さんが考えるという状況にした上で、それから、よりいいものを組み立てる。そういう措置の方が、まちづくり、うまくいくんじゃないかなというふうに思っていますので、今、申し上げたように、地域におられるいろいろな方々がこれに触発されて、いろいろな意見を言っていただくというような状況を作り、それを調整するという過程で協議会を作っていくという手順にしたいなと思っています。

 

記者

 広域都市圏を広く巻き込んでいきたいということですけれども、その広域都市圏でのこの話の進め方と、もう一つ、今年度から始まっている共同運営システムとも、非常に、これ、関わってくる話だと思うんですけれども、その2つとどのように連動させていくというお考えですか。

 

市長

 これは「点」から「面」に広げる上での段取り感といいますか、一番工夫がいるところだと思うんですけれども。まず、アイデア段階とすると、こういうふうに具体的で、かつ、壮大な案が出ていますので、それに関わるであろう方々の意見も、まず、いろいろな形で出していただき、それをベースに、どんなふうにするかという、ある意味でビジョンを語っていただくということをやりつつ、それがある程度固まると、このビジョンを使って、例えば、広域都市圏の各市町、これとどういう関係といいますか、これをどう受け止めますかと、こういうふうな問いかけをするというプロセスが、多分いると思うんですね。

 そうしたときに、関係の仕方は、今、言われた中で一番に関係するのが、いわゆる、アクセス方法ですから、公共交通。そのときにヒトが移動する、あるいはモノを移動させるという公共交通を、どう絡ませるかということと、いわば、モビリティといいますか、個人ベースでアクセスして、ここを利用するとかね。アクセスするにあたって、公共交通などを使ってアクセスするっていうことを整えた上で、このトランジットパークというものを利用していただくようにするか。そういった大きな整理をして、それらでの問いかけをするということをやれば、次に、そのための、個人の移動については道路状況を、今までのものをどうするかというような議論もあるし、公共交通については既存のもの、あるいは新たなバスシステムとか、そういったものをどうするかっていう、そういう展開になりましょうから、それについては、今、市内8事業者の方々と一緒に公共交通のあり方についての、いわば、モデル的なものを地域ごとに作り上げていますから、そういったものが、一定の成果が出てきたところで、例えば、こういうやり方を使えますよといったようなお話を展開しながら、この広域都市圏の各地域の方々を巻き込んでいって、それをどう組み立てるか、そういう二段階、三段階にわたっての議論展開をするという中で、協議体の構成員とか、話し合う相手を逐次拡大する・調整すると、そういった作業をやっていければ、うまくいくんじゃないかなというふうに思っています。

 

記者

 実現時期、完成時期っていうのは、大体どのくらいだと。

 

市長

 今、言った作業、3(年)とか5(年)とか、数年はかかると思いますね。すぐにはできないでしょうね。

 

記者

 「カミハチ(キテル)」の方は2030年代後半と言われていましたけど、それよりも、それと同じぐらい。

 

市長

 うまくいけば、その希望どおりにいきましょうし、自分達だけで整理するということでいけば、自分達のスケジュール感で整いますけれども、それに関係する、今みたいな業者の方を入れる、地域団体までお話するとなると、優れて、提案するまでに皆の了解を取れるようなものであれば速やかにいきましょうし、もっともっとこういう工夫がいるとなれば、時間はかかるということだと思いますので。提案はあくまで目安ですけれども、3年、5年とか、もう少しとか、そんなスケジュール感だと思います。今段階で、これくらいの期間でやるということは、ちょっと見通しが立っていません。

 

【西広島バイパスの高架延伸について】

記者

 国道2号西広島バイパスの高架延伸事業で、中国地方整備局は工事費を2024年度の予算に計上したと発表しました。国に要望してきた延伸事業が本格的に動きだすことへの受け止めを教えてください。また、工事は7、8年と続く見通しですが、沿道の住民や国道の利用者に、市から何か呼びかける考えはありますでしょうか。

 

市長

 正式な事業計画の通知は月末になるというふうなお話は聞いていますけれども、予算ベースでのお話ですと、9億4,500万円といった予算がつくということになったようでありまして、これまで早期の工事着工ということを要望してきた中での今年度の工事費計上ということをしていただいたわけでありまして、非常に喜ばしいというふうに思っております、ひと安心。本格的に動くようになったなというふうな受け止めであります。本市におきましては、今年の2月、ご存じのように新たなサッカースタジアムが開業しましたし、来年春には広島駅ビルのリニューアルオープン、迫っております。こういった改造が進む都心への、いわば、導入路になるという位置付けの本事業でありますので、これらと一体となれば、さらなる都心(部)の活性化に役立っていくというふうな受け止めもしております。

 ただ、事業そのものは国の直轄事業ですので、工事自体、国でやっていただくという役割分担になっていますけれども、7、8年かかるという見通しを聞いておりますので、市とすれば、この工事を行うにあたって沿道住民とか道路利用者への説明といったことも欠かせません。本市とすれば、こうした事業を円滑に進めていただく上での環境づくり、これをやるという立場に立って国と連携して、しっかりやっていければなというふうに思っているところです。

 

記者

 先ほど、都心への導入路ということだったと思うんですけれども、前のトランジットモールでもいわれるように、広島市内都心部の相生通りにしても、今の既存の2号線にしても、非常に通過交通が多いと、それをバイパスとか、もっと広く環状道路なんかを使って、南道路も使って、市内に入り込む、市内を通過するだけの車を何とかバイパスとか、高規格道路でさばこうという考え方も、もちろんあると思うんですけれども、そのあたりに対する期待というか、要は市内の平場の道路を通る車を上に上げるっていう考え方があると思うんですけれども、そのことに対する延伸事業への期待とかっていうのはどうですか。

 

市長

 私自身の基本理解は、デルタ地中心市街地への、いわば、広域都市圏からのアクセスについては、既存の道路ですと、南北の54号線、東西の2号線と、これをベースにしながら、これの加工整備ということをやってきております。そして、いわば、新しい道路として、1号線から5号線までという、いわば、この高速道路つながりで市内に入ってくる道を造るというので、高速道路網ができて、それは有料の体系で出来上がっているという中で、一番南側の道路の、これが、いわば、東から西へ抜ける2号線をさらに補強して、高速で抜けられる道路網ができ、そして延長線上で、東広島(市)に、あるいは呉(市)に行けると、こういった道路網もありますので、通過交通は、ここが一番大きなラインだと思います。

 そして、2号線のこのバイパスは、そういった中で少し南沿いか、北側に構えた上で、市内が6つの川がありますので、デルタ部分5つあります。そこにうまく直結するようにということで、観音から平野町までの残り今2.3キロですかね、そこのアクセスをするためのバイパスを造ろうということで、今中断していますから、それは、そこからダイレクトに各中州に直結する道路を造る。あるいはそこから上がって西に行けると、こういった道路になっております。そして、既存の市街道路は市内を一巡するための道路群ということで整備されていて、そういった中で、先ほど言った相生通りなどは、よりウォーカブルなものにしていくということにしようかと。そういう提案だということでありますので、市街地の道路群をどうするかという、先ほど申し上げたように点はなく面で考えるということ、外からの導入道路は今言った、高速とかバイパスとかありますから使いながら、使い分けをしていけるという中での、バイパス等がようやく完成するというか、そういう見通しだという思いであります。

 

【平和記念式典への招待国について】

記者

 今年の平和記念式典に、ロシアとベラルーシの代表を招待しないという広島市の方針が報道されました。両国を招待しないのは3年連続となりますが、その決定をするにあたっての市長の思いを教えてください。

 また、パレスチナ自治区ガザ地区で戦闘を続けているイスラエルは招待する方針ということですが、その理由についても教えてください。

 

市長

 ロシア、それからベラルーシにつきましては、御存知のように、令和4年に両国を(平和記念)式典に招待すること自体が式典の円滑な挙行に影響を及ぼす可能性があるといったことを、いろいろな情報をもとに判断いたしましたために、招待を見送ったというものであります。この招待を見送ったときの判断と、その状況判断ですね、現時点でも状況は変わっているというふうに言えないと思いますので、今年も引き続き同様の対応をして、式典の円滑な挙行をしていきたいと、こう考えたわけであります。

 ただ、招待は見送りますけれども、広島としてのメッセージを伝えるということは、やろうかなと考えていまして、本市としては両国に対しまして、昨年と同じように、「一刻も早く平和裏に、この紛争を解決する」と、「解決すれば近い将来において、広島での被爆の実相に直接触れていただきたいですね」と、こういった思いを伝えるよう書簡は送りたいというふうに思っています。これが、ロシア、ベラルーシ対応であります。

 もう一方の方ですけれども、この方に関しましては、平和都市を目指す本市といたしましては、「被爆者の、こんな思いを他の誰にもさせてはならない」という、この平和なメッセージに触れていただく、そういったことをしていくためにも、多くの方に来ていただくといいますか、やっております。その具体化にあたってということになれば、実は平成18年の平和記念式典以降、紛争地域であるかないかに関わらず、一環して全ての駐日大使を始めとして、各国の代表者に招待状を送付し続けてきているところであります。これは今までも変えていません。そういう意味では、ロシア、ベラルーシがある意味で、式典円滑挙行ということを考えたときに心配しての扱いが少し変わったということになりました。そういう意味では、イスラエルに関しても他の国と同じように招待はするという基本を貫ければなというふうに思っております。

 ただ、先ほど言ったように、ロシア、ベラルーシに、ヒロシマの思いを伝える書簡を送るというようなことをやりましたので、今後については、こういった紛争を抱える国に対しては、市民の安全・安心第一に考えて、紛争の終息、それから、平和の構築、こういったことに努力を行っていただきたいということを広島は切に願っている、こういったことをしっかりと伝えるというふうにした上で招待するといったやり方もあるんじゃないかなというふうに考えているところです。

 

記者

 令和4年時点では、市長は最初、ロシアもベラルーシも招待するつもりでいたものの、外務省との協議によって招待は断念したという経緯があると報道で見たんですけれども、その状態が3年続くというのは、ちょっと複雑な思いも、市としてはあるのかなと思うんですが、そのことについて改めて教えてください。

 

市長

 今のは、新聞記事の情報ですけれども、見送った理由は、私が申し上げたとおりでありまして、いろいろな情報を収集し、先ほど言ったように、元々は平成18年以降、式典には、いろいろな問題を越えて多くの方を呼ぶということをやってきておりましたので、最初の検討段階では、それをやっていいんじゃないかなというふうなことで検討を始めたのは間違いありません。

 しかし、そんな中で情報収集をいたしますと、両国を式典に招待すると式典の円滑な挙行にも影響を起こすんじゃないかというふうな見方もあるということが分かりましたので、そこを重視いたしまして、招待を見送るということになったわけです。その判断をするための情報収集はやったっていうのは間違いありません。決定的には、そういった判断になったということを申し上げたいと思います。

 そして、その判断は、今のロシア、ベラルーシ、それからウクライナの戦闘状況が展開されている中で、これら関係国のやりとりを見てまいりますと、一層悪化しているといいますか、混乱を招く要素の方が強くなっている。改善の兆しが逆にないというふうに考えられますために、同様の対応しようということを申し上げたつもりであります。

 

記者

 追加で、もう一点なんですけれども、イスラエルは平和のメッセージに触れていただくということで招待するということだったんですけど、結果的に、ロシアとベラルーシっていうか、一方の戦闘を容認して、もう一方は容認しないというふうに見えてしまうのかなと思いまして、実際に市民団体からも批判は出ているんですけれども、それについてはどう受け止めていますか。

 

市長

 それは、受け止める方の意思ですから、私としてはどうしようもありません。マスコミではありませんし。私は平和記念式典をきちんと挙行して、ヒロシマの思いを伝えるための、皆さんに来ていただくということをお願いして、その際、式典を円滑に挙行するために、原則、紛争中であっても来ていただいて広島の状況を見て、考えていただくというのを、原則として、先ほど申し上げたように、平成18年以降やってきて、そういった中で、そういった招待をしたときに、式典そのものに円滑な挙行への障害があるんじゃないかなっていうふうに思われるという、この国に対しての招待を見送ったということでありまして、この国を分けて、片方の戦争はよくて、片方の戦争は悪いなんて一言も言っておりません。

 

記者

 ロシアとベラルーシの招待を再開する基準っていうのは、戦争が終息するっていうところになるんでしょうか。

 

市長

 その戦争状況を停止されて、話し合いなどができれば一番望ましいですね。冷静にヒロシマの心を受け止めていただいて、核兵器を使うなんていう脅しをしなきゃいけないような状況を一刻も早く解消するということをやっていただければ、わざわざ広島の地に来て、核を使う、使わないなんていう議論しなくて済みますからね。

 

記者

 あと、もう一点なんですが、イスラエルとイランが4月に直接、戦火を交える事態が発生したと思うんですが、それについては、市長としては、どうお考えになりますでしょうか。

 

市長

 元々、広島は核兵器を使わないということを願う。そして、だから、恒久平和を願う立場でありますので、人々を殺すような戦争行為は、ぜひともやめていただきたいと。それに尽きます。

 

記者

 何点かお伺いさせてください。ロシアとベラルーシを式典に招待しない理由として、円滑な式典の運営に支障が出るのではないかというふうな理由を述べていただいたんですけれども、イスラエルを招待することで、そういったことは起きないというふうに判断されたのでしょうか。

 

市長

 少なくとも核兵器を巡って、イスラエルと、ガザ地区の方は招待、対象国家ではありませんから、ここに来て、論争するような可能性は、当事者としてないと思うんですね。

 

記者

 イスラエルを招待することについてお伺いしているんですけれども。

 

市長

 イスラエルを招待して、ベラルーシ、ロシアを招待するといったことと同じようなことが起こるとは思いませんからと申し上げたつもりです。

 

記者

 分かりました。それで、ロシアとベラルーシの招待を見送るときについては、外務省と協議をしたというふうにお伺いしているんですけれども。

 

市長

 話を聞いたと、先ほども申しました。話を聞いて判断したと。

 

記者

 今回のイスラエルについては、広島市独自の判断ということでよろしいでしょうか。

 

市長

 元々の判断を尊重してやっているということです。

 

記者

 分かりました。それで、先ほど、片方の紛争が良くて、片方は良くないとは、一言もおっしゃってないというふうに、市長おっしゃって、私もそうだとは思うんですけれども、ただ、やはり、ダブルスタンダードに見えてしまうというのは事実としてあると思うんですね。

 

市長

 ありません。

 

記者

 ただ、やっぱり。

 

市長

 ダブルスタンダードは取っていません、あなたの解釈です。

 

記者

 ただ、やっぱり、広島市が。

 

市長

 「ただ、やっぱり」ではありません。ダブルスタンダードを取ってないと申し上げているんですから。

 

記者

 そういうふうに見られる可能性があるということについては。

 

市長

 式典をちゃんとやりたいという立場で、どう見ていただきたいかということをやっているわけではありません。都市です。平和都市です。国家でもありません。マスコミに戦争についてコメントしているわけでもありません。やってほしくないと申し上げています。勝手に想像しないでください。

 

【宿泊税について】

記者

 広島県の湯崎知事が宿泊税について「できるだけ速やかに実現を目指す」と表明されました。税収を財源にトイレや通信環境の整備、オーバーツーリズム対策への投資を想定されています。広島市は県内の宿泊者の多くを占めていますが、宿泊税の導入に関する市長の受け止めを教えてください。

また、湯崎知事が表明されて以降、県から市に対して何か説明はありましたでしょうか。

 

市長

 まず、県からの説明の方なんですけれども、これは2月に、実は市議会でも、こういったことについての質問があるということで、それを答える際に、県に問い合わせましたところ、その段階では、議論は進展していないということでありました。その後、知事の記者会見の直前に、宿泊税の検討を再開するということ、その具体的スケジュールは決まってないということなどについて、事務レベルでの連絡あったと。こういう状況であるということであります。それが前提です。

 その上で、本市における、現時点の受け止めなんですけれども、滞在型の観光の拡大を目指すと。すなわちビジネスでお仕事で、この広島市に来る方々をっていうんじゃなくて、観光のために来ていただいて、滞在期間を延ばすと。夜間も、ぜひ、広島で過ごしていただきたいと、そういったことを増やしていこうと、拡大していこうということを目指して、いろいろな取組をしなきゃいけないなというのが、現下の問題意識といいますか、そういった取組をやらなきゃいかんと思っている中で、まず、これが大前提。

 そこで、観光政策に係るということで、それに係る税を考えると、こういうことですから、観光等税っていうセッティングそのものは、あり得るかなと思いますし、国内でも、観光等、政策等税を考えているという都市、たくさんありますから、まず、その発想かなというふうには受け止めます。

 そのときに、今申し上げたように滞在を促したいという、そのための対策をどうしようかと考えているときに、当の促すべき相手に負担増を強いるという、こういう内容ですから、時宜を得ているのかどうかなみたいなことも考えなきゃいけないし、それから、俗に観光などで、政策で税を考えるというときには、オーバーツーリズム対策といいますけど、まさに、たくさん来ておられる方々をある程度、抑制するという対策と絡みで考えている場合が多いということですので、そういったこととの関係をどのように整理したらいいのかなということがありますよね。それから、あとは宿泊事業をやっている方々、あるいは観光関連事業者の方々に、滞在(型)観光を増やしていただくためにお願いするよと言っていて、こういった税制を取るということをどう思われますかとか、そういった受け止めも十分確認するといったこと等々ですね、ある意味で慎重に見極める課題があるんじゃないかなというふうに受け止めているということです。

 

記者

 新しい税負担を強いるというのは、かなり重たい話だと思うんですけれども、市長の目から見て、今そうしないと解決しない観光上の問題があるとか、こういったことを、新たな財源を確保しないと何かできないような政策があるとか、そういうふうに思われているものがありますでしょうか。

 

市長

 先ほど申し上げたように、滞在型観光の拡大を目指しいろいろな取組を進めなきゃいけないということで、課題にのぼっていることはたくさんありますよね。そして、それをやるためにいわゆる市税、自前財源を使うのか、国策とコラボして国からのお金を引き出すかと、そういったことも同時に考えておりましてね、確定版があるわけではありません。そういう意味では、そういった財源が本当に確保できなくて、でもやらなきゃいかんと。目的設定と合致する対策がうまく組めるというふうになれば、当然税という話になると思うので。いわゆる検討過程で丁寧にかつ慎重にこの問題を考えていく必要があるなという意識であります。

 

記者

 もう一点、福岡県なんかだと、福岡県と福岡市、北九州市が導入されている例もあると思いますけれども、現時点で広島市として導入を検討されているような状況はありますでしょうか。

 

市長

 少なくとも市としては今言ったような問題意識でありますので、税が必要だというところまでは及んでおりません。

 あと、そういったところを参考にいたしましても、住民の方一人であって、その方が県であれば県民税という形で税を納めるというのが居住者ですね。で、こういうものは居住者以外にいわゆる部外者、市民・県民といわれる方以外の方々が通過型で来るときにかける税でありまして、そうしますと、そういったものを県がどういう視点で、どういただいて、どういう政策をするか。市の場合は、市としていただいて、どう政策をするかと。そういう意味では、県・市の役割分担ということも決め、それに関わる政策のロットなどもある程度しっかり議論して、その税を取るために、例えばどちら側が取って配分するか、あるいは別々に取るかという、税務徴収手段ですね。いろいろなことを検討しなきゃいけないと。それは全て、目的意識なり政策なりがしっかり整理された上での結論ですからね。そこまでの議論はやっていません。そんな状況です。

 

記者

 2月の議会で、一般質問で考えていないということで回答されて、県にも確認されて。それでこの春になって急に、この4月に入って急にこの話が持ち上がってきたわけですけれども、率直な、市長は時宜を得ているかとか、慎重に見極める必要があるという言葉の節々があるんですけれども、率直にこの話が出てきた御感想を。驚いているとか、どういう受け止めですか。

 

市長

 受け止めは、県の方がどこまでどういう検討をされているかが分からないからノーコメント、最初に申し上げたとおりですね。もし、ここまでこう考えてこうだという話があればコメントも出せるんですけれども、先ほど申し上げたように2月の段階では議論は進展していないといわれていて、具体的スケジュールとかも決まっていないというのが事務の方の話ですから。なぜかも分かんないわけですから言いようがないですよね。

 

記者

 こういう、今3つほど大きく分けて、滞在型を促している中でそれに逆行するんじゃないかということとか、オーバーツーリズムの抑制をする必要があるのかどうかとかですね、そういう3つほど挙げられたと思うんですけれども、そういった観点でどのように検討するかということを引き続き県に説明というか、検討状況を。

 

市長

 確認するということをまずしたいと思いますね。実際、去年なんかはベネチアに行きまして、オーバーツーリズムということでベネチアの島々に来る方々は本土の方なんですけどね、本当にたくさん人が来て、にっちもさっちもいかない。だから、ベネチアに来ても、本土に泊まる人以上に島に入るときに別料金を取って、ベネチアに来ていただきたいんだけれども、島に行くときに負荷をかけるというようなやり方をすると。これはまさにオーバーツーリズムだなと。そして、その結果いただいたもので、市全体でやりくりして島の整備をするとかいうことへも充てると。こういったのを聞いたことがありますのでね、まさにオーバーツーリズムという課題にがっぷり四つを組んで対策をしているなというふうに受け止めました。

 一方、そうした中で、我が市は宮島みたいにはありませんから。宮島がベネチアのようなイメージだと受け止めたわけですね。広島市の場合はむしろ、もっとビジネスの方は相当来て、ビジネス関係のホテルは稼働率上がっているんだけれども、長期滞在型ね、旅行者の方々がまだ十分でない。一生懸命、修学旅行生なんかも来ていただいて宿泊を確保するとかっていうようなことをやっておられるという情報も知っていますし、そして、大人なども夜間しっかりやってもらうために、例えば神楽をどう展開するかと、こういったことであります。だから、そういうものをやるための予算措置とか、行政として支援するための政策がいるだろうということは分かります。

 ただ、それをやるための財源が全然なくて、財源を確保しないと困るかというと、先ほど申し上げたように独自の財源をどう確保するか、あるいは国から観光とかいろいろな形での補助金とかをうまく組み込んでやるというふうな支援もなくはないだろうというふうなこともやっている最中ですので、全然足りないとかっていう結論にも至っていない。

 そうした中で、振興のために必要な費用として部外者から、市民じゃないんだから取りやすいから、県民じゃないから取りやすいから取るというんであるとすると、税というものはそういうものでしょうかとかいう議論も出てまいりましょうから、そういう意味で、その辺のところがどこまで検討されての話かが分からないというぐらいの思いだということであります。

 

【今後のアリーナ整備について】

記者

 バスケットボールのドラゴンフライズの今季ホームゲームの入場者数が、2026年スタートの「Bリーグ・プレミア」参入に向けた最終審査のシーズンで、目標の1試合平均4,000人動員を達成しました。クラブは新アリーナ構想を掲げていますが、アリーナについては広島商工センター地区の再整備で地元団体が広島サンプラザ一帯での建設を求めています。今後のアリーナ整備についてのお考えをお聞かせください。

 

市長

 これに関しましてはマツダスタジアムとかエディオンピースウイング広島、これができまして、市民をはじめとする例えば産業界とか経済界など、いわば広島に関わるいろいろな方が一丸となって物事をやるとうまくいくんじゃないかと。こういった受け止めをしていただいているんじゃないかと思いますし、そういたしますと、アリーナ整備もオール広島で取り組んでいくのならできるんじゃないかと、多くの方の期待が高まっているんじゃないかなというのが内心の受け止めであります。それはそれで、とてもいいことだと思いますね。

 実際、ドラゴンフライズの今期の入場者数を見たりすると、目標設定されている1試合(平均)4,000人、これを達成したというようなことを聞いていますので、そういう意味ではこういったことがアリーナ整備に向けての機運醸成になっていると、そういう証拠でもあるかなというようなところでもあります。そこまでも感じているというところであります。

 したがって、それを前提にこのアリーナ整備ということに関しては、こういった機運をさらに一層高めるための取組ということが重要じゃないかということ。それから、サッカースタジアムで経験しましたけれど、造れというけど、どこに造るかと。これもいろいろな議論が出てまいりますから、そういったことを視野に置きながら官民が一丸となって、しかも関係者と調整をするということを徹底してやっていくという必要があるかと思います。そうすることで納得できる、多くの方、できれば皆さんが納得できる形で、このアリーナ整備が進めていけたらなというふうに考えています。

 

※(  )は注釈を加えたものです。

 

第48回南極条約協議国会議の本市での開催決定について [PDFファイル/151KB]

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