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ページ番号:0000376933更新日:2024年4月3日更新印刷ページ表示

2024年3月27日記者会見「令和6年4月1日付け人事異動について外2件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>

日時 令和6年(2024年)3月27日(水)午前10時15分~午前11時04分

場所 市役所本庁舎11階第1会議室

 

■市からの発表案件■

​​【令和6年4月1日付け人事異動について​】

市長

 令和6年4月1日付けの人事異動についての説明をいたします。

令和6年度は、「地域コミュニティの活性化」や「平和文化の振興」「公共交通の充実強化」「子ども・子育ての支援」こういったことの重要課題にハード・ソフト両面から積極的に取り組んでいくということにしておりまして、この度の人事異動にあたりましては、組織全体の業務状況を勘案しながらも、組織全体が十分に機能するようにと、そして、職員の職務遂行能力が十分に発揮されるようにといった考え方に対しまして、引き続き、適材適所の人員配置を行ったというふうに考えております。その結果、局長級で10人、管理職で292人、全体では、3,306人の異動規模となりました。

 次に、異動の主な内容について申し上げます。

 最初に、管理職の配置によります執行体制の充実・強化であります。「広島市幼児教育・保育ビジョン」に基づきまして、幼児教育・保育の一体的な質の向上と持続可能な提供体制の構築を図るということにしておりますけれども、それを実現していくためにということで幼保企画課に幼保連携推進担当課長を配置することにいたしました。

 次に、子どもから青少年までの支援施策を切れ目なく実施していこうと、そういったために、こども未来局にこども青少年支援部長を配置いたします。また、同部には、各局等との施策の調整役を担うこども青少年施策調整担当課長の他、組織再編前の事務を引き続きそれぞれに担当してまいります、こども・家庭支援担当課長、母子保健担当課長、障害児支援担当課長、青少年育成担当課長及び非行防止・自立支援担当課長を配置することにいたします。

 次に、児童虐待の相談・通告の増加に対応いたしまして、ケースワークをより迅速かつ適切に行うために、児童相談所に第一相談・判定担当課長、それと第二相談・判定担当課長を配置いたします。

 次に、令和7年度全国高等学校総合体育大会の本市での開催に向けました準備をやっていくために、指導第二課に全国高校総体担当課長を配置いたします。

 次に、女性職員の登用に関してでありますけれども、女性職員についても当然適材適所の配置を行うということを行っておりまして、局長級職員については1人、部長級職員は20人、課長級職員は91人。これによりまして管理職全体での合計は112人となります。管理職に占める女性職員の割合は、令和5年度と比べて、0.8ポイント増加いたしまして17.5%となり、過去最高となりました。

 また、将来の管理職候補となる課長補佐とか係長級の職員、これは40人ほど増加いたしておりまして、管理職を含めた役付職員の合計は1,137人であります。役付職員に占める女性職員の割合は、令和5年度と比べますと、0.5ポイント増の32.1%となっておりまして、これも過去最高といったものになっています。

 次に、職員の長期派遣などについてであります。

 能登半島地震被災地の復興を支援するために、富山県高岡市、石川県中能登町に対しまして、職員3人を派遣いたします。

 また、広島県との人事交流につきましては、社会福祉、雇用推進、都市政策等の分野で引き続き、4人の人事交流を行います。

 また、広島広域都市圏内の各市町との相互理解を促して促進して、より一層の連携強化を図るために、江田島市を始めとする5市3町と、計9人の人事交流を行います。

 また、広島広域都市圏内の技術職員不足が生じております市町を支援するために、新たに、国の「復旧・復興支援技術職員派遣制度」を活用いたしまして職員派遣を行う体制を構築いたします。これによりまして、竹原市を始めとする2市1町に対しまして、職員3人を派遣いたします。

次に、デジタル人材を対象とした職員の採用であります。

 即戦力として活躍する優秀なデジタル人材を採用するため、今年度新たに「行政事務(デジタル)」というデジタル専門の行政事務ということでありますけど、その区分を設けて実施した職務経験者対象の職員採用試験の合格者2人を採用いたします。

 以上が、令和6年4月1日付けで行う広島市人事異動の概要であります。

 

記者

 まず、今年の人事異動、組織再編を含め見てみると、幼保連携のところが大きく変わるかなというふうに見えるのですが、よく幼児教育と保育教育とどちらも部署が異なるんですけれども、これを一元化して取組を進めていこうと思われる市長の思いと、このタイミングで教育委員会が持っていた所管業務のいくつかを首長部局の方へ移される、このタイミングで移される理由を教えてください。

 

市長

 子どもについての育ちを行政として支援していくという大きな課題、これは国の方でも今回そういったことに注目して子ども・子育てに注力した政策を展開していくと、こういう流れが明確になりました。ですから、多分国の方でいろいろな展開をしていくときに基礎自治体としてそういった流れを受け止めながら、この広島圏域、広島市を含む圏域の子ども・子育て対策をどう明確に展開していくかといったときに、それぞれやるべきことは複数部局にまたがる内容であったとしても、それぞれの連携といいますかね、それがうまく展開できるようにするために工夫はないかというふうなことを考えてきた中ですけれども、とりわけ子育て期でもいわば就学前の子育て家庭といいますか、子育てをされている方々はいろいろ大変になる。養育における支援策、これを中心に据えながら子たちの教育とかっていう形での行政の関与というものを、うまく連携させるためにはどうしたらいいかというふうに考えたときに、いわゆる子どもの教育という特定目的に向けて機能する組織が窓口調整になるよりか、いわばそれ以外の広い分野でいろいろな調整をする領域を持っている所管のところがまず受けて、そちらと調整していくと。そして、国のいろいろな対策なんかもそこが全体を目配せしながら調整していくという方が、そのサービスを受ける側の方からの反応とかっていうものも、より的確につかめるんじゃないかとそんな思いがありまして、こちらの方に調整の主要部分を移すと。それぞれ機能は関係部署に残しておきますけどね。そこの中に連携をさせるという機能をしっかり認識した担当を、調整課長を置きながら業務を一体的にやることができる、そんな思いでこども未来局の方に移したと。そういった仕事をやるときに、横並びの組織の中で少し各区への担当の部長を明示的に置くということで、こちらは主体的に物事を調整していきますよということを関係部署の人にも周知しながら一体的な仕事ができるようにしようと、そういうふうに考えているところであります。

 

記者

 もう一点別件なのですけれども、「(ひろしま)LMO(エルモ)」の件なのですが、昨年の春から市独自の地域コミュニティのあり方を展開していくために始められたと思うのですけれども、今年見てみると、市内全8区で1人ずつ職員増やされて、またさらに力を入れていかれようとされていると思うのですけど、昨日閉会しました市議会定例会の中でも議員さんの中から、やっぱりまだ(ひろしま)LMOがどういう活動をしていく組織なのか、市の狙いが十分住民の方に伝わっていないと思われる質問がいくつか散見されたのですけれども、ここでまた繰り返しになるのですが、今回の人事異動で職員を1人ずつ増やされた狙いと、今後の市長のお考え、(ひろしま)LMOをどのように展開していくかというお考えを教えてください。

 

市長

 (ひろしま)LMOの導入というか、根本思想はですね、この基礎自治体としてそこに住まわれる住民の方々への行政サービスの展開の仕方を、いわば今ある行政体制を根源的に変えてみるということができないかなというのが元々のスタートであります。言葉の上ではこれまでも随分言ってきたのですけれど、自分たちのまちは自分たちで守り、あるいは創る、守るとかですね。自分たちでやれるようにする方向性でやっていきますよと言ってきたのですけれどもね。そして、そのための活動はすでに地域の中でいろいろなサービスというか仕事をするために、ボランティアであったり任意の組織であったりして、それぞれ一生懸命やろうとする方々がいろいろなグループを作って取り組んでおられるのですけれども、結局、そういった活動をするときに、心の余裕、知恵はあるとしてもその活動を続けていくための財力といいますか、そういったものの確保がだんだん大変になっているという現状があるというのが基本認識でした。

 で、そういった活動を今まで支えてきたのは何かとなると、やはり町内会自治会といういわば総合的なお世話をする任意の組織がありまして、皆さんの町内会で会費を集めたりして必要な原資をいただいてそれぞれの活動をする方々にどんどん使ってくださいと、自分たちが集めたお金ですからと。こういう仕掛けを前提に、ずっと戦後わが国の地域の活動を支えてきたのですけれどもね。その町内会に入る方が減ってくる。そして、そのお世話をするということ自身、自分たちに直接的利益が感じられない方々は入らないと。ですけれど真剣に考えている方々はグループ作ってやるけれども、最終的に続けるための原資確保がなかなかいかないと。こういったことが頻繁に起こるようになっておりました。そこで、これは考え方を基本的に改めて、そういうのを一緒にやりたいと。いろいろなことをやろうとする方々をまず一緒にまとめて整理し直して、自分たちはこういったことをやるということを、明確に目的を確認していただいた上で、それを市として認知すると。つまりその集合体を認知したことができれば、それに対してしっかりやってくださいねという必要な経費を、いわゆる財源を確保してあげようと。こんなことで地域の管理する団体というのを市が認めて認知した方々に必要な財源を託し、あとは自分たちでやれる範囲のことをなるべくそのお金の中でやりくりしていただくというふうにしていただければ、何かやる度にこれがやりたいのだけど行政に補助金くださいとか助成金くださいっていう申請手続きをして、活動までに準備手続きにいっぱい時間かかってしまうとかね。その支援が結局補助というのは、大体、立ち上げ支援ですから3年とか5年の一定期間の中で完成しないと不発に終わるとか、立ち上げたとしてもうまくいかなくなって補助金が切れるとその後の展開が大変になると。こういう問題があるということを実感しましたので、それをまず回避する。そんな思いで立ち上げました。

 ただ、今まで何十年と地域で活動してきた方々からすれば、そういった財政的な支援いただけるのだけれども、それを配分するためのルールとか、今までは役所の窓口に行って一個一個個別にもらっていたのを皆さんのグループのところにお金を託してうまくやってくださいと、こうなるとですね、そのグループ内での主導権争いといいますか、どなたが決定権持つんだろうかとか、自分たちがやってきた活動内容を他のグループと相談してやらなきゃいけないなと、ひょっとして手間になるんじゃないかとか。こういったやり方は他の自治体にはないから、今の市長のちょっとした発想で、市長さんが変わると、こういったことがまたなくなって元に戻るんじゃないかとか。そういう疑心暗鬼があるという話を市議会を通じても確認いたしましたから、そういったものではなくて、パラダイムシフトして間違いなくこれを続けるものにするというお話をしながら、かつ、それを経験していただいた中で、それをしっかりしたものにしますよということをお約束するために必要な条例作りも同時進行でやっていくような今段取りを考えています。条例の中に、今申し上げた、基本的に皆さんが心配されているところをきちんと明確にして、こういうふうにしますよと。例えば、具体的にこういうふうにしますよと。そういったものをつくり上げたいと思います。

 最初にそういうものを出したとしても抽象的ですから、皆さん実感できないでしょうから、まず今言った(ひろしま)LMOづくりという具体的な作業をして、こういった問題があった、こういうふうにうまくいったということを実感していただき、その必要なエッセンスを条例に取り込んで確定させることで、このやり方が広島の新しい地域展開といいますか地域サービスの方法ですよということを分かっていただく。そんな今段取りを踏んでいるということを確認していただければ、もう少し安んじてというか安心して議論していただけるんじゃないかと。いずれにしても、全くやったことないわけですから、皆さん疑心暗鬼といいますか、手探り状況であるということは間違いないとしても、この方向性は明確なものにしていくということはお約束したいというふうに思います。

 

記者

 最後、関連してなんですけど、住民の自治活動は、これから高齢化が進む中で担い手が不足していって、自分たちのまちを自分たちで守るということが難しくなっていくことが予想されるんですけど、そうなってくると能動的に、自分たちで組織を立ち上げて活動していこうということも難しくなることが想定されるんですけど、そういった自分たちのまちを自分たちで守ることが難しい地域に対しては、どのようなアプローチで、市としては関わっていこうと思われていますか。

 

市長

 今申し上げた中に全てのエッセンスを取り込んでおりまして、先ほど、財源的な支援をするという、今は毎年、上限で600万円はその集団にお支払いすると言っているんですけれども、その財源の使い道について、こうしなさいという言い方ではなく、これに使えますよという言い方で、今の問題に対処する回答を示しているつもりです。

 すなわち、今度の予算通過がございましたので、600万(円)のうち300万は人件費、人を使うために使っていいですよと。残り300万は活動費といいますか、例えば、事務所を借りたり、そして、いろいろな自分たちの対策を考えたときに、必要となる経費、どっちでもいいですけど使えると。この300万、300万、年間300万ですね。そういたしますと地域の中で、町内会、自治会、社協(社会福祉協議会)、いろいろなグループがあることを考えて、こういう企画をしたいんだけれども、ちょっと我々は歳で、この活動をやるとしても、もっと若くて一生懸命やってくれる人にそれを託してお願いすると。例えば、民間の企業なんかにお願いをするといったとしても、コストがかかりますよね。だから、そういったものについては、300万の人件費というものを充てて、こういうことをやりたいんだけれども手伝ってくれないかとか。

 さらに、そういったやる気のある方々を自分たちで直接協議しながら、そういう活動をしたいなと思う方については、協同労働というやり方も提示しておりますので、皆さんが、計画して参加する。お年寄りプラスもう少し若いまだ会社で勤務されているような方々も、例えば、年休取って地域での活動休暇をいただきながら、週末とか、少し若い世代から、引退する前ぐらいからそういう活動をしていただいて、そのときの、例えば、バイト代を出しますからというふうにして、その地域にいて興味があり、かつ、他の仕事をしながらそれに参加できるような方をうまく募っていただくと。いわゆる、民間のビジネスライクの仕事として全部やるんじゃなくて、その中間的なやり方で参加していただき、その方々が引退生活に入ったら、その地域でもう少し歳を召すまで仕事をしていただく。そんなイメージで、徐々に若い方も入っていただくと、そういうようにしたいというふうに思っています。

 だから、お金の使い方というところで工夫はしていただき、もう少し若い方を取り込んで、一緒の作業をしながら将来に備えるということをやっていただく、そういう発想の切り替えをやっていただく。俗にあるのは、「地域でできないから、役人がいるんだから、区役所の職員にやらせてくれんか」と。一応こちらで人件費を払いながら市の仕事をしているんですけれども、「役人は給料をもらっているんだから自分らの仕事を手伝え」と、こういうふうなお話がよくあったりする。それは、お手伝いはしますけれども、本分とすれば、自分たちのまちは自分たちで創るんだから、それに協力していただく方々を、まず募って、そして、役所の担当者とやると。担当者は企画立案とか、そういった支援を引き出すための知恵出しをするということ。そんな発想で、担当職員をもう少し増やして、皆さんとの相談をうまくできるようにしようという考えであります。

 

記者

 資料最後にあります、デジタル人材に関する期待に関してお聞きしたんですけど、デジタルといいますと、最近、行政システムの標準化、国の方で音頭を取ってやっています。ただ、これ、一部の都道府県や、広島市はじめ政令市は、その自治体規模の巨大さとかシステムの複線化で、なかなか国の想定どおりのスケジュールは非常に難しい現状が続いているとは思いますが、こうしたことの加速化とかも期待されているのかというところも併せてお伺いできますでしょうか。

 

市長

 デジタル化というのは、確かに、いわば、情報を利活用する上で不可欠であるということは、多くの人にも認識され、周知されてきているんですけれども、いわば、利用しやすいといった反面、操作を誤ると、いろいろな情報の集合体が当該必要とする方々以外に漏れるとか、入力のときに操作を誤ると、的確な情報伝達ができない、いろいろなシステム弊害を侵すということですから、情報を取り込むときに、丁寧にかつ、ミスのないようにやって、結び付きをちゃんとやった上で活用すると。こんな操作なんですけれども。

 例えば、自治体の規模が小さいと、それにかかる情報量とかその作業量が少ないですから、国がデジタル化していく上で、早くやりましょうと言えば、処理量が少ないから比較的簡単にはいくと。その際は、それをやる技術を持った方がちゃんといれば、業務量少ないですから、比較的早くいくんですけれども、118万の市民を抱えている、情報の量そのものも多いし、多機能をうまく複合していくということ、標準化ということをやるわけですから、そのためのシステム変更なども当然、時間がかかるんですね。そして、人もたくさんいるということで、政府は、平均値的なかたちで多分、スケジュールを設定してやったと思いますので、平均の中でも時間のかかるグループですよ、とりわけ、政令指定都市は皆そうですということを国にお伝えして、決して、やらないんじゃないけれども一生懸命やったとしても時間がかかるという前提で、そういったことをやるための支援措置は余裕を持ってやってくださいということを、きっちり申し上げていると。こういうのが大事ですと。

 その上で、それをやっていくためには、それに関わる専門的な職員と、それを皆が使いこなしていくという、一般化していくという両面がありますので、専門職員については、先ほど申し上げたように中途の方であっても、そういう専門職の方を、まず採用して、トップといいますか、そういう技術革新を先頭きってやっていただく職員、それから、使いこなすためには研修、実習、それをもっと徹底して、今業務をやっている職員諸氏にも使いこなすための研修ということをもっと徹底していくということ。もちろん、それと同時に、今申し上げたシステムを機能を向上するためのシステムなりプログラム変更、こういうことをやると。この大きく言って3つの構えを同時進行でやっております。少し時間がかかりますけれども、丁寧にやれば必ず次の展開というか新しい展開に結び付くというふうに思っています。

 

その他の質問■

職員研修資料での教育勅語の使用について

記者

 人事異動も決まって、これから研修も始まると思います。研修の市長講話で教育勅語を引用されている話ですが、今後も引用は続けられるんでしょうか。

 

市長

 いろいろ議論をしていただいておりますし、私自身も御意見を聞きながら今日に至っていますけれども、改めて申し上げますと、教育勅語に関しては議会でも答弁したと思いますけれども、市民の間にいろいろな意見があるというこの事実。それを踏まえて行政に対していろいろな要望があるという、そういう典型的な材料なんですけれども、その際、こっちの人が正しくて、こっちの人が間違っていると、そういうものではないんじゃないかというのが、この教育勅語であります。教育勅語そのものは、戦前の、体制の中での使い方が誤ったもの、そして、今の国家体制の中では教育勅語というツールといいますか、それは否定されたものであるという事実が厳然として残っています。そのことをしっかりと受け止めなければいけないということはあるんですけれども、ただ、その(教育)勅語の中に書かれておった内容について、それは戦前の日本の中できちんと機能し、今でも引き継がれているものがあるんじゃないかという御意見をもとに、教育勅語の内容がいいんじゃないかという方もおられるということであります。そのことをどう受け止めるかという、それについて職員に、まずしっかり知っておいてもらいたいという思いで、資料の一部を教育勅語の一部を使って職員に研修するということをやってきております。

 そういう意味では、総じて過去の事例であっても、いろいろな要素があったとしても、その一部だけを取り出して、良いから悪いからダメよと言うんじゃなくて、自分の言葉で言うと、「温故知新」という言葉になりますけれども、そういった気持ちで取り扱ってほしいということを伝えたいと思いますので、新年度以降についても、ちゃんと説明しながら使うということはやりたいというふうに思っています。

 

記者

 もう一点関連して、継続を求める市民の声もある一方で、弁護士会とか市職労(広島市職員労働組合)からは引用の中止を求める声も上がっています。それらをどう受け止めた上で継続の判断をされたのかということと、あと中止をしないにしても内容や伝え方を修正するということは考えたんでしょうか。

 

市長

 前半の質問については、最初に答えたつもりなんですけれども、答えになっていませんか。いろいろな意見がある中で、こう考えてやりますと申し上げたつもりですけど。説明に関しましては、今申し上げたようなことをしっかり分かってもらうようにやるということですけれども、今までの説明が言葉足らずであったというんであれば、そうですけれども、今言ったような「温故知新」とかっていうような言葉を使いながら説明はしてきているつもりであります。もっと分かりやすくやった方がいいっていうのであれば、そういったことも考慮いたしますけれども、自分が今申し上げたことをしっかり伝えるということをやっていきたいと思います。決して、教育勅語は否定されたんだけど、あれがいいとか言っているわけではありません。教育勅語の中に書かれている内容において、いいという評価もあるんだから、そういったこともよく考えて、「良い・悪い」ということを断言するということはしないでやっていこうじゃないかということを申し上げているつもりであります。

 実際、私にそういう質問されますけれども、政府におきましては、平成29年に教育勅語に関する基本理念に関しまして答弁書を作成しているんですよ。どういう答弁書かと申しますと、これは私とは直接関係ないんですけれども、「学校において教育に関する勅語を我が国の教育の唯一の根本とするような指導を行うことは不適切であると考えている」とか、「憲法や教育基本法等に反しないような形で教育に関する勅語を教材として用いることまでは否定されることではない」というようなことを国では答えております。自分はそういったところまで踏み込んでいませんけれども、職員がいろいろな方から意見を聞いたときに、それに対してどのように対応するべきかということをよくよく考えてくれという説明をしております。

 

【JR芸備線の再構築協議会について】

記者

 昨日、芸備線の再構築協議会の初回が開かれたと思うんですけれども、今後、議論が進んでいくにあたって、構成員として広島市の訴えたいことですとか御主張を教えてください。

 また、昨日JRと自治体の意見の差というのが浮き彫りになってしまったと思うんですけれども、議論がこのままだと平行線になってしまう恐れがあると思うんですが、広島市としてどういった方向性でいくのか、具体的には現実的にどのような方向性でいくのがいいと考えていらっしゃるか教えてください。

 

市長

 速報を見たばかりで、自分は直接出ていないんですけれども、会議の雰囲気からいたしますと、多分、持続可能性の高い公共交通、交通体系、そういったものの実現に向けて、関係者が相互に連携・協働して交通手段を作ろうじゃないかという総枠の中での議論だったと。ただ、今言われたように、狙いがちょっと違うんじゃないかとか、そういった言葉が端々にあったような雰囲気だったんじゃないかと思うんですけれども。その上でのことなんですけれども、私自身は、庄原(市)から先の議論ですけど、むしろ本当に興味があるのは市内の延伸から安芸高田市を抜けて三次(市)に至るまでの圏内の芸備線がどうなるかという、それに直結する問題であるからということで注視するし、オブザーバー的な形かもしれませんけれども、議論には出させていただこうと思うんですけれども、その際、いろいろな議論をされるときの視点として、いわば基礎自治体のお世話をするという立場、つまり基礎自治体のお世話というのは、その地域に住んでおられる方々の生活基盤といいますか、それをしっかりしたものにして、いわば、まちづくりといいますか、まちをそういういいものにしていく際に、たまたまそこを通っている鉄道をどういった扱いにしていくか、どのように使いこなしていくかという発想で、物事を考えたいなと思っているんですね。公共交通とか交通手段というものは、今までのまちづくりの中では、「まちづくりのときにこんなことをしたい」といったときに、その交通業者が提供してくれる道具をうまく利用する、所与の条件にフィットするように利用するということで物事を整理して、利用しようにもそれがなくなると困るじゃないかと、こういう発想なんですけれども。もう一歩踏み込んで、利用・活用、さらにはそれを自分たちのものとして考えていくと。もう一歩踏み込んで考えるということはできないかと思っているんですね。それで、鉄道なんかについて申し上げたのは、道路のように国とか自治体がそれをつくって住民に提供すると、つまり自分たちが主体となって提供するから税金をかけて道路をつくるわけですね。その鉄道網とか公共交通網、もし自分たちがそういうものをつくって住民に提供するというものにしたとすれば、どうしたらいいんだろうというふうな発想で見て、実際はJRとかバス業者の方々が提供していただいているんですけれども、そちらに寄り添った形で一緒に物事を考えて、そして行政としてどこまで何をしたらいいのか、どういう支援をするとその方々が、うんとまちづくりの観点で協力した発想で運営してくれるかとかいうふうな気持ちでおりまして。だから踏み込んでお互いそれぞれの今までの立場というものをちょっと乗り越えて、双方で情報交換しながら、一緒になってこちらの方のまちづくりという視点で考えてもらえませんかというふうな問題提起をしたいなとは思っておりますけどね。

 

【職員研修資料での教育勅語の使用について】

記者

 職員研修のことについて、追加でいくつか確認も兼ねてお伺いをします。来年度の研修でも教育に関する勅語の引用箇所とか説明の仕方とか、この「我々の先輩がつくり上げたものでいいものはしっかりと受け止め、また後輩につなぐことが重要」っていう、このあたりは変更するお考えはないということで間違いないでしょうか。

 

市長

 今申し上げたように、書かれた内容の部分についてはそういうふうに思っています。教育勅語というツールそのものについて否定されていますから、それは変わりません。否定いたします。ツールの中で書かれて、仲良くしましょうとかいった部分ですね、書かれている文全てがいいわけではないでしょうからね。今にも引き継がれていて、親子とか夫婦とか、そういったものは大事にしましょうという文もあるんですけれども、それは議会でいう共産党の主張からいうと、そういう言葉も当時の天皇陛下、帝国主義の一行として使った言葉だから、そういったことを許せないんだと、こういう御主張だというのは分かりますけれども、それを切り離して考えるということはできないでしょうかというふうに申し上げます。

 

記者

 改めてお伺いしますけれども、多様な意見が存在する資料というのは、多分教育勅語に限らずいろいろあるだろうと思われますが、教育勅語の代わりに別の資料を使うとか、あるいは別の資料を追加で使うという考えはないんでしょうか。

 

市長

 もし不足であれば、憲法についても同じような議論ありますからね。憲法改正するかしないか、その問答ありますでしょう。だから、その中にも国家と国民についての評価とか、そういう説明でいろいろな意味で分かりやすくというのであれば、考えてもいいと思いますけどね。

 例えば他の事例で、神楽、今一生懸命やっていますでしょう。神楽が否定された歴史っていうのをご存じですか。戦後、いわば神様を祭るという、戦前、神道ですから皇国史観があってけしからんといって、GHQに「神楽を中止しろ」と言われたんですよ。それで安芸高田市の方で工夫して、そういった思想を少し薄めてでもやろうということで、今のような神楽、新舞という形に変えて神楽を残しておられると、こういうこともあるんですね。それから戦争直後、日本国でやってきたいろいろなことについても、それらが国家、皇国史観に基づくいろいろな使い方をされたから全部見直せとかっていうことやられた。さらには先ほど申し上げた町内会、自治会もそうなんですよ。戦前、大政翼賛会の末端組織で五人組で戦争突入しろということで使われたから、「町内会を解散しろ」ということをGHQに言われて解散したんですよ。だけど町内会という機能は今、風前のともしびになっていますけれども、ずっと機能していたんです、それぐらいの意味なんですよ。そういうことの典型例として申し上げているというふうに受け止めてください。

 

記者

 でも、その丁寧な説明が必要であれば、憲法とか他の題材を併せて使うことも検討するということですか。

 

市長

 ですから、別に何てことはないですよ。

 

記者

 分かりました。すみません、最後に1問だけお伺いするんですけれども、過去の研修の中で教育に関する勅語は英語を漢文調に訳したものだという御説明をされていると思うんですけれども、それは事実誤認ではないかという指摘が市民団体からありましたけれども、そこはどうお考えですか。

 

市長

 だからあそこに書いてある文を英語に訳していますということですけどね。英語で読んだ方が、漢文ですから、今の皆さん分かりにくいから、それを英語に訳していますと。その英語に対応するものがこの教育勅語ですと、こういうような言い方をしています。それを訳したらこういうふうになる、どっちを訳したかということになれば、多分明治期にそれがあったわけじゃないでしょうから、今使うときにこれを訳したらこうなりますという説明はしましたよ。

 

記者

 しつこくて大変申し訳ないんですけれども、教育勅語を使われるというのは、確かに一部資料として使うことは問題ないっていう政府答弁はある、閣議決定されているんですけれども、さっき最初に市長がおっしゃられた、戦前の使われ方がよくなかったから否定されているけれども、中身としてはいいものもあるというふうにおっしゃっているんですけど、使われ方じゃなくて、その成り立ちそのものが戦後否定された、戦争に駆り立てるような内容だったからっていうことで、その中身がいくらよくても、その入れ物がよくないんじゃないかっていうことを、弁護士会とかは言われていると思うんです。さっき、じゃあ憲法だって議論があるし、神楽や町内会も否定された歴史があるっていうのは、まるでいったんは否定されたけれども、やっぱり見直されている神楽や町内会のように、教育勅語も否定されているときもあるけれど時代が来たら変わるんだっていう感覚で、もし述べられているんだとしたら、それはちょっとおかしいんじゃないかなって思うんです。

 その憲法を議論するっていうのは、土台として憲法があるわけで、今そういう土台に乗っかって教育勅語はよくなかったんじゃないかっていうことを言われているのであるから、その中身だけがどうっていうことを伝えるのに、非常にふさわしくないまで言うかどうかは別にして、前提となる御説明がもっといるんじゃないかという、あるいは別の題材でやることこそ、温故知新を実証することになるんじゃないかっていう意見が起きていると思うんです。最初にそのことの受け止めをおっしゃったということだったんですけど、元々思っていらっしゃることじゃなくて、そういった声を受けて市長がなぜこれを続けたいかっていうことを教えていただきたいです。

 

市長

 今言われたように、皆さんが私からいわば、ためにする議論をされているから、あえて頑張っているというふうに受け止めてください。「もし」とかいう言葉を言われているでしょう。私が教育勅語を復活したいと思っているかもしれないとか、そういうような疑心暗鬼から入っているんですよね、皆さんのは。そうじゃないと申し上げていることを信じていただけないから、教育勅語が否定されたものであるということは押さえた上でやっていますと、それをひっくり返そうなんて思っているわけではありませんということを申し上げているんですよ。しかし、あなたは内心の意図でそうじゃないですかみたいな質問をされるから、ますます頑張るんですよ。そんなことは申しておりません、思ってもおりません。

 それで、先ほど申し上げたように教育勅語に関する政府の答弁を見てください。「憲法や教育法に反しないような形で、教育に関する勅語を教材として用いることは否定されていない」という言葉を政府は言っているのに、じゃあそのことを、ひょっとしたら復活するかもわからないから、この政府の答弁はおかしいとかいうことを言うんですかと。私に対しては言うんだけど政府には言わないんですか。同じように言ってくださいよ、じゃあ、マスコミとして。ということを申し上げたいんです。

 私はこの教育勅語の制定、天皇(陛下)を立てるために一生懸命つくって、そしてそういった形で戦争体制に持ち込む上で使われたという経過があるから、戦後反省してそれを使わないようにしようといった歴史はありますよと。しかし国民の中で教育勅語をいいと言われている方は、教育勅語そのものを復活しろというよりか、そこに書かれている中身がいいよというふうに言って、それを支持される方がおるんだと、そこは評価してもいいということを申し上げているんですね。復活しろというつもりで言っているんじゃないか、だから否定しろと、何でそこまで言うんでしょうかということを申し上げているんです。対立する意見というものがあったときに、こちらは正しくてだから一切使わないと、あの方々、いいものがあると言っている方々の意見も無視してだめだというふうに言わないようにしましょうじゃないですかと。その方々の意見は、それを否定したとしてもそこに書かれている文がいいと言っていると、そういう意見もあるんですよと、そういう説明のつもりで言っておりますから。その事実を職員に伝えるのが何で…。国民に言っているわけではないんですよ。いろいろな要求を受ける、皆さんから、いわゆる私と同じように要求を受ける立場にある職員に対して、どう処理していいかということを考えましょうということを申し上げているんですよ。国民に言っているわけではないということも分かってください。しかも国民は憲法でこうしろということを守りますということを誓ってやっている公務員ですから。いろいろな方の意見を聞いたときにどう考えるかといったときに、こういうふうに処理していこうじゃないかということを職員に伝えたいんですよ。そこが分からないな、本当に。そんなに私が悪い魂胆を持っていると思いたいんですか。何でそんなふうに擬制するんですか。とても失礼だと思いますよ。

 

※(  )は注釈を加えたものです。

 

令和6年4月1日付け広島市人事異動について [PDFファイル/303KB]

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