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ページ番号:0000318588更新日:2022年2月7日更新印刷ページ表示

2022年12月2日「市政車座談義」の開催結果

概要

「スポーツを通じた地域の活性化」をテーマに、湯来、似島等、スポーツを通じて地域の活性化に取り組んでおられる団体の方々に集まっていただき、市政車座談義を開催しました。

市長は、「まちづくりにおいて、スポーツは人々が地域に根付いていくための触媒であり、重要な要素であると考えている。各団体のすばらしい取組が連携し合い、また、新たな協力体制の仕組みを活用しながら、持続可能な取組としてますます発展することを期待する。」と述べ、参加者と積極的な意見交換を行いました。

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結果

1 日時

令和4年(2022年)12月2日(金曜日)15時00分~16時30分

2 開催場所

JMSアステールプラザ 4階 大会議室AB

3 参加者

5名(※敬称略)

  • 広島経済大学 経営学部 スポーツ経営学科 教授 藤口 光紀(ふじぐち みつのり) ※進行役
  • RiverDo!基町川辺コンソーシアム 代表理事 西川 隆治(にしかわ りゅうじ)
  • 似島活性化スポーツ事業実行委員会 運営委員長 末益 英樹(すえます ひでき)
  • 戸山・湯来地域活性化推進協議会(NPO法人湯来観光地域づくり公社 理事長)佐藤 亮太(さとう りょうた)
  • NPO法人広島トップスポーツクラブネットワーク 理事長 松田 眞二(まつだ しんじ)

4 テーマ

スポーツを通じた地域の活性化

5 傍聴者

1名

6 発言内容

政策企画課長

ただ今から令和4年度「市政車座談義」を開催いたします。皆様方には、御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。私は、広島市企画総務局企画調整部政策企画課長の上谷と申します。本日の司会を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

本日は「スポーツを通じた地域の活性化」というテーマで、スポーツを通じて地域の活性化に取り組んでおられる様々な団体の方々と市長とで意見交換を行っていただきます。

お手元に本日の次第、配席図及び意見交換の際に御紹介いただく各参加者の活動についての資料をお配りしています。それでは、開会に当たりまして、市長から一言御挨拶を申し上げます

 

市長

本日はお忙しい中、市政車座談義に御参加いただき、ありがとうございます。もともとは9月9日を予定しておりましたが、図らずも、サッカーワールドカップで日本がスペインに歴史的な勝利を挙げた日と重なるという、良いタイミングでの開催となりました。皆様には、日頃からスポーツを通じた特色ある活動を熱心に展開していただき、心より感謝申し上げます。

本市は、少子化・高齢化、人口減少や地域コミュニティの活力低下など、いろいろな課題に直面していますが、こうした困難な状況下にあっても、広島が将来にわたって魅力あふれるまちであり続けられるよう、持続可能なまちづくりを進めているところです。

このようなまちづくりを進めていく上では、本市が有する地域資源をいかに有効活用していくかが重要であり、「スポーツ」はその地域資源の一つであると考えています。

具体的には、本市は国際レベルの大会を開催できる様々なスポーツ施設を有していることに加え、周辺市町を含む豊かな自然に囲まれており、スポーツに取り組みやすい環境が整っています。そして、カープやサンフレッチェを始めとする多くの地域密着型トップスポーツチームと、そのチームを支える多くのファンがいます。さらに、令和6年2月の開業を目指して、広島の新たなシンボルとなるサッカースタジアムの整備を進めており、より一層市民の皆様の関心が必ず高まっていくものと考えます。

こうした本市のスポーツに関する強みを生かして、都心部だけでなく、中山間地・島しょ部も含めた本市のあらゆる地域で、さらには広島広域都市圏全体のにぎわいを創出し、圏域経済を活性化させるなど、圏域全体の活性化、それが出来るのではないかと思います。

このため、本日は「スポーツを通じた地域の活性化」をテーマとして取り上げ、皆様が取り組まれているスポーツを通じたまちづくりの好事例を共有したいと思います。その上で、スポーツを通じた地域の活性化を更に進めていくためには、どのような取組が考えられるかを共に議論し、今後の施策に生かしていきたいと考えていますので、どうかよろしくお願いいたします。

本日の談義をきっかけとして、今後、皆様の活動が一層活発になるように、そして、市の活力にぎわいがしっかりしたものになることを期待し、御挨拶とさせていただきます。

 

政策企画課長

ありがとうございました。

それでは続いて、本日御参加の皆様を御紹介します。お名前をお呼びしますので、それぞれの自己紹介を簡単にお願いします。

まず、本日のコーディネーターを務めていただきます、広島経済大学経営学部スポーツ経営学科教授の藤口光紀様。

 

藤口氏

ただ今御紹介にあずかりました、藤口でございます。私はサッカーにいろいろと関係しておりまして、今朝興奮して少し寝不足でもあるのですが、この貴重な日にこの会が開かれるのも何かの縁かなと思います。本日はどうぞよろしくお願いします。

 

政策企画課長

続いて、リバードゥ(RiverDo!)基町川辺コンソーシアム代表理事の西川隆治様。

 

西川氏

西川です。よろしくお願いします。リバードゥ(RiverDo!)基町川辺コンソーシアムという長い名前なんですけれども、リバードゥ(RiverDo!)とは、どういう意味でしょうかという御質問をよく受けます。これについて説明をすると、このDoが、昔は太田川が文化や物が、加計の方から流れてきた道(どう)でしたということと、川辺でアクションするドゥ(Do)、もうひとつは広島の財産である太田川を、どう(Do)将来の子どもたちにつなげていくかのドゥ(Do)。この3つのドゥ(Do)をかけた言葉がリバードゥ(RiverDo!)です。このリバードゥ(RiverDo!)基町川辺コンソーシアムというのは、青少年センターの裏手にある川辺を、日本で初めて民間団体で占用管理している団体です。

詳しくはまたこの後お話させていただきたいと思いますので、以上を御挨拶とさせていただきます。

 

政策企画課長

次に、似島活性化スポーツ事業実行委員会運営委員長の末益英樹様。

 

末益氏

皆さんこんにちは、似島活性化スポーツ事業実行委員会の末益と申します。

後ほど詳しい内容は御紹介させていただきますが、本委員会は、名前のとおり似島を活性化させることを目的に、スポーツを通して民間団体と一緒に取組をさせていいただいております。

私がスポーツを企画・運営する会社に所属していることもありまして、この度、運営委員長としてこの実行委員会に入らせていただいて、いろいろな企画をさせていただいております。

また、後ほど説明させていただきます。本日はよろしくお願いします。

 

政策企画課長

次に、戸山地域・湯来地域活性化推進協議会の構成員である佐藤亮太様。

 

佐藤氏

ただ今御紹介いただきました、戸山地域・湯来地域活性化推進協議会の佐藤です。どうぞよろしくお願いします。

名前のとおり安佐南区の戸山と佐伯区の湯来町を一体的に活性化していこうと立ち上げた協議体です。今年の3月にビジョンが固まって、本当に今からというタイミングなので、これから具体的にどういったことをしていくのか協議しているところです。私自身は、湯来町の活性化を中心に取り組んでおりますので、湯来町の取組を中心にお話したいと思います。

明日、漫画「スラムダンク」の映画が公開されるので、はたして広島が舞台になるのかどうか。なるのであれば、非常に後押しになると思い、やきもきしているところです。

本日はよろしくお願いします。

 

政策企画課長

最後に、NPO法人広島トップスポーツクラブネットワーク理事長の松田眞二様。

 

松田氏

松田でございます。正式名称で御紹介いただきましたが、皆様には「トップス広島」という名称の方が、浸透しているかと思います。

私どものNPO団体は、今年で22年目を迎えるのですが、2001年から継続して力を入れてやっているのが、広島市の市内小学校の体育の授業への、トップアスリートの派遣です。この2年間はコロナの影響で、選手が直接出向くことが厳しい状況でしたが、おかげさまで、今年に入りまして各チームからの協力も理解も得られまして、今年度は既に46校の派遣が決まっております。直近では11月25日にカープの選手が市内5校に出向いているのを報道されたかと思いますが、そういう活動を長年にわたりやってきております。現状で言うと累計で1140校を超えております。あと2、3年すると、市内141校で平均すると10チームはどこかのチームが来てくれているような状況になります。

このような活動を大事にして継続していき、未来を担う子どもたちに、いろいろな意味で勇気を届けられる、そういう力がスポーツにはあるだろうと思っていますので、そういう活動を中心にしつつ、冒頭に市長がおっしゃった、持続可能なまちづくりについて話が出来ればいいかなと思います。よろしくお願します。

 

政策企画課長

ありがとうございます。

では、ここからは、藤口先生に進行をお願いしたいと思います。

よろしくお願いします。

 

藤口氏

それでは、ここからは私が進行させていただきます。

終了時刻は16時30分を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

本日は、まずそれぞれの活動内容について、自己紹介でも紹介していただきましたが、もう少し詳しく紹介していただいて、それぞれの団体が地域の特性を生かして、どのように活発に取組を展開されているかをこの場で共有したいと考えています。

また、それらを踏まえて、今後スポーツを通じた地域の活性化を更に進めていくためには、どのような取組が考えられるのかも併せて、意見交換したいと思います。

それでは、それぞれ10分程度で順番に、活動内容の紹介と、今後考えられる取組について、自らの団体で取り組めることでも、行政の支援が必要なことでも構いませんので、御意見をいただきたいと思います。

順番は、西川様、末益様、佐藤様、松田様の順でお願いしたいと思います。それでは、最初に、西川様よろしくお願いいたします。

 

西川氏

それでは、リバードゥ(RiverDo!)基町川辺コンソーシアムの西川です。よろしくお願いします。

皆さん御存知のように、広島には6本の川が流れていて、雁木(がんぎ)と言う川に降りる階段があります。これが350箇所くらいありまして、日本一の数を誇っています。まちの中心部の水面の占める占有率が15%ぐらいあって、これも日本一です。本当に、水の都と言っても全く過言ではなのですが、数年前に、広島市さんがアンケートを取られたデータがあって、広島は水の都というふうに感じているか、というものですが、約半分以下の人が、感じていないと回答しています。非常に残念なことです。

最近は川辺で見ることもあると思いますが、水の上で、一寸法師みたいにボードの上に立って漕いでいる、スタンドアップパドルボード、通称サップというものがあります。僕はそのショップも経営しています。

やっぱり、実際に現場に出てみて、すばらしい、世界に誇れる水辺があるのに、市民の感覚はそうではないということに、非常に残念な気持ちがありまして、それで立ち上げたのが、リバードゥ(RiverDo!)基町川辺コンソーシアムです。このコンソーシアムでは、いかに川辺を市民の方に楽しく使っていただけるかを考えたり、また、そういったことをアシストする取組を推進しています。今から御覧になっていただきますけれど、スタンドアップパドルボードのレースを、2019年に1回開催させていただきまして、その時に松井市長にもおりづるタワーにお越しいただきまして、御挨拶をいただきました。ありがとうございました。その映像をこれから見ていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

〈映像の投影開始〉

これは中央公園、今サッカースタジアムが建設されているところの川辺です。そこをスタート地点としまして、平和公園の方に向かってサップが漕いでいきます。この時の参加者は200名ぐらいです。こういった風景を広島で見られるのはすばらしいことだと思います。このままずっと漕いでいって、平和公園、原爆ドームの前を通って、宇品の方に向かっていきます。

実際、僕たちが先々週に、2022年版ということで、開催することができましたが、広島には、昭和27年から51年まで続いた広島川まつりというお祭りがありました。その発端は、昭和26年にサンフランシスコ平和条約が結ばれて、日本が主権を回復した年でもありますが、そのときに、日本各地でそれをお祝いしたイベントが行われたんですね。そのとき広島で行われたイベントが川まつりであったということは、本当にその当時、広島市民と太田川の関係が深かったということを想像させることだと思います。僕たちはその川まつりをもう一回復活させようという思いで取組を行っています。

これは今、広島駅の周辺を回って、縮景園の裏を通って、ぐるっと回って、また中央公園に戻ってきました。広島市内を川で一周できるんです。これだけのレースができる環境というのは、全国的にも、世界的にもなくて、お配りしている資料をめくっていただきまして、2ページ目に、パリのセーヌ川であったり、ロンドンのテムズ川であったり、ニューヨークのハドソン川、そして広島の太田川というような形で、今ちょうど、今週末に、パリのセーヌ川で、世界最大のサップのレースが行われます。エッフェル塔の下を漕いでいくというレースですけども、残念ながら、2024年のオリンピックには、サップの競技は採用されませんでしたが、次のサンフランシスコ大会では、採用されるということがほぼ決まっています。9月には、ロンドンのテムズ川でレースが行われています。ニューヨークの自由の女神の下でも行われています。

こういったことからも分かるように、広島の太田川で、サップのレースをするということは、こういった世界の名だたるランドマークにも負けない、それだけの価値があるということです。ということは、それだけ世界からも注目されるイベントになり得るという、そういったものを、広島のまちはポテンシャルとして持っているのです。

それを活用しないのは非常にもったいないと思います。そして、広島のまち、特に原爆ドームのたもとでスタンドアップパドルボードができることは、間違いなく、世界に向けてスポーツと平和と自然というものを発信できる、大きなツールになると思っています。

そして、先々週ですね、コロナが明けて2年間経って、大会を開催することができたんですけども、こちらの映像も御覧ください。

今度はスタートの場所が、今私たちが占用管理させていただいております、リバードゥ(RiverDo!)フィールドという、ちょうど青少年センターの裏ですね、旧市民球場の西側の河岸、こちらの川辺を僕たちの団体が占用管理させていただいております。そこをスタートにしまして、約220名の選手の方が全国から集まってきて、今年日本で最大のサップのレースになりました。

参加者からは、「やはりこの原爆ドームの下をサップでこげるということはすばらしいですね。こういったことは、本当に平和でないとできないことでもありますから」と、そういった言葉をたくさんいただいています。この風景というのは、日本中を見渡しても、広島にしかないような風景です。

先ほど先頭ですごい勢いよく飛び出した、タイムを競い合う集団もありますが、市民レースのように、今回13km市内を回って、完走を目的として、広島のまちを見ながら楽しんでもらう、そういったレースでもあります。

比治山橋であったり、京橋であったり、猿猴橋、荒神橋であったり、そういった被爆橋りょうの下をくぐるということもアナウンスさせていただいて、広島の川を漕ぐことの意味合いの深さも感じていただけるようなスポーツイベントになったと思っています。

広島市内に数多くある雁木(がんぎ)、例えば、宇品橋と、比治山と平和大通り結んだところの鶴見橋、それから駅前の台屋の鼻という、ちょうど猿猴橋の方に曲がるところの、三角形のところがありますが、そこと、安田学園の裏の白島にある雁木(がんぎ)などを、マラソン大会のようにエイドステーション、つまり給水所とできるのは、広島にしかできないことで、雁木(がんぎ)があるからこそできるレースなんです。

そして、ただ給水所を設けるだけではなくて、そこで色々なイベントを開催していただいています。それは地域の方であったり、河川活動をされている方々にも御協力いただいて、今回は駅前のエリアマネジメントをされている方も一緒になってですね、駅前のエールエールの裏の緑地帯と、ビッグフロントの川の駅があるところ、そこも一緒になって、川のにぎわいイベントをつくるということで意気込んでいました。残念ながら日曜日に雨が降りまして、こちらの陸上のイベントは中止になってしまいましたが、そういった、広島を上から俯瞰(ふかん)した目で捉えて、それで、広島の川がつながっているということを実際に体験してもらい、そうすることでまちのつながりを感じることができる。そういったイベントをつくっていきたいという思いを持って開催しました。

〈映像の投影終了〉

また、後ほどですね、先週やったイベントの報告書を回させていただきますので御覧ください。

僕たちも、2019年にこのイベントを開催して、今回は2回目の開催ですけれども、やはりまだまだ、認知をされていなくて、サップのレースをやるよと言っても、実際、何だそれというような反応はたくさんあります。今回、水の都ひろしま推進協議会さんとかにも御協力をいただいて開催しましたが、もっともっと、個人的には、広島を世界に発信していく、すごく大きなツールになり得る、世界からも、広島に行って原爆ドームの前を漕ぎたいんだというようなアスリートの方が集まってくる、そういったものに発展していけると思っておりますので、また是非、松井市長にも御協力をお願いいたします。

 

藤口氏

ありがとうございました。

広島が水の都であるということは、これまであまり考えていませんでしたが、確かに川があって、橋もあります。そしてサップをするとなると、波があると難しいでしょうから、広島のまちに適したスポーツであると感じました。

 

西川氏

サップはハワイの発祥で、もともとサーフィンなんです。ですから、本来は波のある所でやるスポーツです。

 

藤口氏

そうですか。さっきの映像を見ると波が穏やかで、漕ぎやすそうでいいなと思いました。

 

西川氏

実は、スタートした選手の後の人たちは、ものすごく荒れています。

 

藤口氏

市民が川辺を楽しく使ってくれるというのはいいことですね。

次は末益様、お願いします。

 

末益氏

ありがとうございます。

では、私の似島活性化スポーツ事業実行委員会の取組を発表させていただきたいと思います。お手元に資料がございます。そちらを御覧いただきながら説明を進めさせていただきたいと思います。

私たちは、先ほど御紹介したとおり、南区にある似島という小さな島、フェリーで20分足らず行くことができ、宇品港からも見える場所にある島ですけれども、そんな小さな島を活性化するために、こういった実行委員会をつくって、スポーツを利用させていただいております。

私どもの概要ですが、御存知ある方もない方もいると思いますが、バームクーヘンカップというのをさせていただいております。このバームクーヘンが、広島県から全国に広まったという歴史的背景があります。というのも、似島には戦時中にドイツ人捕虜がいまして、そのドイツ人捕虜が、こういったお菓子があるんだよと作ったのがバームクーヘンでした。その歴史的事実が1919年で、その100年後の2019年度、100周年という記念すべき年に、何か似島でやろうよということで、似島活性化スポーツ事業実行委員会を民間企業や団体で手を組んでできたのが成り立ちでございます。

この似島、とてもいい場所で、大自然豊かでして、あともう一つは、平和にもちなんだ場所であるということです。広島平和都市と言えば、平和公園、原爆ドームというのが、皆さんに思い浮かぶところではありますが、この似島にも、戦争の跡がかなり残っています。こういったところを、スポーツを通して、なおかつ子どもたちに対して伝えていくという取組もさせていただいております。

次のページをめくってもらって、まず、似島というところについて、先ほども御紹介しましたが、広島市南区似島町に属しており、市内の最南端に位置する場所でございます。広島市内の島では最も大きい島というふうに言われています。先ほどもお伝えしましたが、歴史が詰まった島でもあります。簡単に三つ言うと、戦争の傷跡がたくさんある貴重な島であること、バームクーヘン発祥の地であること、もう一つは、今日ワールドカップがありましたね、日本で初めてのサッカー国際試合が行われた場所であるということ。これだけすばらしい歴史がある島であるにもかかわらず、知らない人が多いことを残念に思います。

似島でのイベントを通して、こんな幾つかの声がありました。参加者の声をちょっと読み上げさせていただきます。

「似島はフェリーで行くことしかできないので、行くことがなかなかない。」、「この大会に、バームクーヘンカップに出て初めてこの似島に来ました。」、「似島からバームクーヘンが日本に広まったのを初めて知りました。食べたことあるお菓子なのに似島から始まったんだ。」、あとは、「似島では一体何ができるの、遊ぶ場所があるの。」

意外と似島のことを知らない人が多かったということを、大会を通して私たちは痛感しました。じゃあ、私たちはこのバームクーヘンカップという大会を通して、どうしたらこういった知らなかったことを知るきっかけを与えることができるのかなということで、2019年発足時から、今年度で5年度目に入りますけれども、様々な企画をしてまいりました。2019年度には、初めてサッカー大会をさせていただきました。広島県内の小学生12チームを似島に招待して、二日間寝泊まりも含めてさせてもらい、2回目となる大会では、サッカーの他にも競技を増やそうということで、サッカーとバスケ、フットボール、そういった大会も誘致させてもらい、今年5年度目になりますが、夏にトライアスロン体験会を入れさせてもらいました。野球もしました。子どもたちにダンスを伝える活動もしました。2月にはバスケ、3月にはサッカーをするということで1年間、シーズンを通して私たちはこの似島にスポーツという企画を持ち込んで、子どもたちに来ていただく、足を運んでいただく活動をしています。その上で私たちが大切にしていることは、この似島というフィールドがせっかくあるんだから、スポーツを楽しむのはもちろんですけれども、やっぱり似島と言えば、バームクーヘンということで、手づくりのバームクーヘン体験、スポーツ大会の休憩中に昔ながらの製法でバームクーヘンを焼く体験をさせていただいています。そして学びを与えています。これだけの戦時中の跡が残っている似島で平和学習をし、この似島について深く学ぶ機会、この3つ、スポーツをする、学ぶ、体験する、この3つの要素を大切にしてこのバームクーヘンカップを企画運営している次第でございます。

今年も2、3月とコロナ禍ではありますけれども、何とか足取りを止めずにこのバームクーヘンカップが開かれているのもやっぱり民間団体、民間企業の力がかなり大きくあります。もちろん行政さんの補助金を使いながら、そしてたくさんの企業さんからの協賛を集めながらこの大会を開くことができているのも、現実ではあります。

宿泊や野外活動でよく利用される似島臨海少年自然の家について、老朽化がちょっと進んでいますが、来年度には改装され、また新しい施設として生まれ変わり、再来年リニューアルオープンされると聞いています。これだけのいいハード面ができるので、もっとこういった誘致活動、子どもたちを呼ぶためのツールが整いつつあるところに、私たちがこの活動を通して、多くの子どもたち、そしていろんな方々に足を運んでいただきたいという思いがあります。

今後も私たちは、スポーツを通し、バームクーヘンカップを開催してまいりますが、参加した子どもたちが自らもう1回似島に行きたい、家族と一緒に似島に来て遊びたいと感じられるようなツールをどんどんこの似島に対して注いでいければ、自然と豊かな島になっていくのではないかなと思います。そのために我々は、スポーツ大会だけではなく、宿泊施設であったりとか、また飲食店など、似島ではこんなすばらしいところに泊まれますよ、似島に来たらこんなものが食べられますよ、という似島ならではのものを、スポーツ団体向けに提案であったりとか、あとは、一般の人たちでも楽しめるようなツール、スポーツとそういったところかけ合わせながら今後も似島を活性化させていけたらいいなというふうに思っております。

お手元にも事業報告書がございますので後でざっくり見ていただければ、幸いでございます。以上で、私どもの取組紹介とさせていただきます。ありがとうございます。

 

藤口氏

はい、ありがとうございました。

では続きまして、佐藤さん、お願いいたします。

 

佐藤氏

次に、私の方から「湯来町におけるスポーツを通じた地域活性化」ということで、資料の説明をさせていただきたいと思います。

先ほど申しましたとおり、今年の3月に戸山・湯来を一体的に活性化していこうというビジョンが取りまとめられました。その中の基本方針が4つありますが、その中の一つが「温泉かける(×)スポーツ」ということで、湯来町の温泉と、豊富なスポーツ施設を生かしながら、魅力を高めていけるのではないかということで、そういったビジョンが設けられたということが、一つの大きなきっかけになっています。

私自身、2014年に湯来町の環境に魅了されて移住をして、様々な自然資源を活用しながら、今は新しいプログラムも作っています。私自身がもともとサッカークラブにいたこともあって、その経験を生かしながら取組を進めていきたいと思っています。スライド8ですが、湯来町という場所は2005年に広島市に合併をして、多いときに比べると人口が半減しており、少子高齢化が進んでいまして、私の子どもが通っている小学校は全校生徒が9人という広島市で一番小さな小学校ですが、そういったところにいかに若い力を入れていくかが、地域の持続可能性というところでとても重要で、その中でスポーツや観光というツールがとても大きな役割を果たしていくのではないかと思っています。

特に意識しているところで言うと、スライド12にあるように、スポーツや観光というツールを使いながら、ただ楽しいだけではなく、湯来町に来ることによっていかに人生観を変えるような体験をしてもらえるか、ということを一番意識して取組を進めています。こういったアクティビティは全国、全世界の中でたくさんの場所が行っている中で、「なぜ湯来町に行くのか」という意味付けが非常に重要であり、かつそこで「変化が起こる」というものをいかにつくれるかが重要だと思っていまして、そういったところを意識してつくったプログラムが沢山あります。かつ、そこに雇用を生んでいかないと地域がなくなってしまうことにつながるし、観光という文脈で言うと、特に京都などが「オーバーツーリズム」というかたちで観光客が来過ぎてしまって地元が疲弊するということがある中で、私どものようなガイドが間に介在することによって、地域の住人と外から来る人、どちらも幸せな環境をいかにつくるかが重要だと考えています。

その中で、この湯来温泉という場所なのですけれども、スライド15にあるように1500年くらいの歴史があると言われており、多いときには13軒くらい宿があったと聞いています。その当時には1日に100台くらい観光バスが来ていたという話もありますが、今では旅館が2軒しかなく、かなり寂れた温泉地になってしまっています。ただ、先ほど申し上げたとおり、漫画「スラムダンク」にも湯来町の旅館がモデルで使われていたりと、貴重な資源があります。もう一つ、湯の山温泉というところは、広島藩主が湯治場として使っていたということで、広島県内でもこれほどの歴史をもった温泉地はないのではないかと、そういった由緒正しき温泉地が残っていることが湯来町の大きな価値ではないかと思っています。

そういった温泉を生かしながら湯来町を活性化していくという中で、スポーツやアクティビティに着目をして進めていますけれども、スライド20を見ていただければと思いますが、2019年に広島市民向けのアンケートを実施したところ、湯来町に来たことがある方が7割くらいでしたが、20代男性では、そもそも湯来町を知らない方が18%いて、4割5割くらいの方が湯来町を知っているが、行ったことはないということが見えてきて、長いスパンでの湯来町の活性化を考えたときに、若い世代の人たちにいかに湯来町に来ていただくかが重要だと、このアンケート調査から見えてきました。その中で湯来町が持っている美しい自然資源を生かすことによって、そこで雇用が生まれるようなことがつくれるのではないかということで、一番着目して取り組んだのがシャワークライミングというアクティビティです。これは、川を上流に向かって行きながら、滝を登ったり、滝壺に飛び込むアクティビティですけれども、ただ楽しいだけではなくて、一緒に参加した人同士の関係性が深まったり、自分の内側と向き合うことで、人生観が変わったという声をいただくことがかなり増えてきています。一番よく覚えているのが、ちょうどコロナになったタイミングで、お子さんが、部活動が停止になり、目標がなくなってしまい、急に反抗期が来てどうしようと悩んだ親御さんが、子どもに内緒でシャワークライミングに申し込まれて、スライド27にそのことが書いてあるのですが、最後の9メートルのダイブを最初は怖がっていたのですが、最後には飛んで、「家に帰ったら別人になっていました」と、お母さんから感謝の言葉をいただいて、本当に、人の変化もそうですし、親子関係がすごく変わったと、そういったことがすごく起きている、少しずつ人生観が変わるような体験が提供できているのではないかと思います。そういったこともあって、2019年には60人だった参加者が、今年では約850人の方に参加いただいて、一定の評価が数字にも表れているのではないかと思います。今年は企業の研修に取り入れることやサンフレッチェのアカデミーの子どもたちにも御参加いただいて、コーチからも「普段見ることができない子どもの姿を見ることができて、その後の指導にすごく役立った」という声をいただきまして、スポーツ団体のチームビルディングにもかなり活用できることが見えてきたなと感じています。

その他にもスライド30以降ですけれども、マウンテンバイクのツアーや登山やサイクリングなどのアクティビティで、湯来町のことをどんどん知ってもらおうという取組をしまして、その中でテントサウナは本当に人気があり、今年はトップス広島さんにご協力いただいて、選手の方に来ていただいて良い評価をいただいたところです。こういった温泉というものもそうですし、アクティビティを使いながら、選手が湯治するという流れも今後つくれたら良いと思っています。

最後に、今後に向けてですが、スライド35以降ですけれども、プロのスポーツチームがこれだけある広島のまちはすごいと思っていて、ただ、そういったスポーツ選手もだいたいが県外に湯治に行かれている。当然、転地療法というか、場所を変えてリラックスすることも大事なんですけれども、一方で、オフに限らず定期的に近場の湯来温泉、湯の山温泉に来てもらうことによって、湯治というもので体のメンテナンスをすることができると思うので、そういったところをもっと科学的にも証明していかないといけないし、同時に、現状でいうと、プロスポーツ選手が泊まりたいと思う宿があるかというと、なかなかないのが現状かなと思っていまして、広島市さんにも協力してもらいながら、来年度ですね、湯来温泉街を抜本的に再生していこうという取組が進んでいまして、そういったものが形になればスポーツ選手が泊まりたいと思うような、ちゃんとプライベートも確保できる宿ができるんじゃないかなと思っていて、まずは選手が泊まりたいと思う宿の整備がとても重要だと思っています。

二つ目に、アマチュアのスポーツ選手を呼ぼうとすると、当然温泉旅館もそうですが、合宿の施設であったりとか、湯来体育館というプロのバスケットボールの合宿でも使われるようなすごく良い施設があるので、そういった施設をより使いやすくすることと同時に、サッカー人口の多さを考えると、人工芝のサッカーコートがあれば、より幅広い層が湯来町に来る流れがつくれるのではないかと思っています。

そして最後に、地元の人がスポーツを楽しめる環境が大事だと思っていて、自分でもするし、見ても応援できる、地域総合型のスポーツクラブのような環境を、湯来町においてもつくりたいと思っていて、そういったものを立ち上げる最初の人材確保という意味でも、湯来町では現在導入されていない地域起こし協力隊の仕組みの導入を広島市にも支援してもらい、スポーツというところで広く訴求しながら、湯来町に来て働く仕組みみたいなものをつくれたら良いなと考えています。

僕からは以上です。

藤口氏

はい、ありがとうございました。

続いて、松田さん、お願いいたします。

 

松田氏

トップス広島の紹介は簡単にさせていただいて、地域活性化を中心にお話しさせていただきたいと思います。

トップスは、2000年4月14日に当初サンフレからイズミまでの4チームプラス、当時は広銀の女子バスケットボールチームがあって、それを入れて5チームで発足しましたが、広銀のバスケットボールチームが3年後に廃部をして、そのあと、広ガスのバドミントンと、NTTのソフトテニスなどが加わって、2009年のカープ、ここで9チームというところで、だいぶ新加盟というのは滞っていたのですが、2020年4月にドラゴンフライズさんに加盟いただいて、今年6月にプロのロードレースチームのヴィクトワール広島さんが加盟されて、現在、11チームが加盟しているというところです。

めくっていただいて3スライド目でいうと、冒頭でもお話しいたしましたけども、今、私どもが中心的に考えている活動というのが、未来を担う子どもたちへの活動です。

その一番象徴的な活動が、5スライド目以降ですね。広島市教育委員会さんが主催してトップスが協力ということで、コロナにより活動できない年が続いたので、コカ・コーラさんの写真っていうのは、この夏に行った写真、2022年と書いてありますが、年数が入っているのは、直近の活動だと思っていただければと思います。各チームとも、トップアスリートが行くことで、子どもたちが漫画でも見たことがないぐらいキラキラした輝きで満面の笑みでワーと盛り上がるんですね。体育の授業なので、運動が得意な子だけではなくて、苦手な子も含めて、トップアスリートと接することで、スポーツ選手のすごさも非常に分かるでしょうし、自分もああなりたいという希望も持てるだろうし、色々な可能性を秘めた活動なのではないかと思っています。

10スライド目のところは昨年度までの実績で、派遣校は昨年度までで累計1,099校でしたが、先ほどお話ししましたように、今年度すでに46校確定しておりまして、おそらく年度末まででいうと60校から70校ぐらいの小学校の訪問が実現できるのではなかろうかと思っています。それ以外にも当然、競技力の向上を目的とした活動も行っておりますが、広島市スポーツ協会さんの協力の下で、いろんな競技のスポーツを見て、参加すると豪華景品プレゼント、といった抽選で当たりますということもやってきております。

そして、本題の14スライド目以降ですけれども、地域の活性化というと、一般論で言うと、地域がそれぞれの地域の経済あるいは社会、文化、そういったものを活発化させたり、あるいは地域の人々の意欲を向上させたりすることで、地域を持続発展させるっていう、大きな概念があろうと思います。広島っていうのはやはり地方都市にも関わらず、これだけのトップチームが存在をしている。トップスに加盟していないトップチームというのも、実はエディオンの駅伝チームとかも、ニューイヤー駅伝で4位に入っていますし、都市対抗野球の伯和ビクトリーズとかもあったりしますし、そういう意味でいうと、一地方都市にこれだけの異業種のチームがあるというのは、本当に財産だと思っています。この財産を、今後も存続させていく必要があります。存続させることによって、地域の方々の意欲を向上させ、地域の維持発展に寄与すべきではなかろうかと思います。どうしても経済効果っていうところが、議論されるところではありますけれども、その地域、広島の地の皆さんが元気になるっていうのも、非常に大事なんではなかろうかなと思います。

一方で、東京オリンピックに7人の代表を輩出したコカ・コーラレッドスパークスのホッケー部とか、あるいはアジア大会1年延期になりましたけれども、ソフトテニス、男子で5名の代表がいるんですけど、そのうち4名を輩出しているNTT西日本のソフトテニス部、こういったチームとかっていうのは、おそらく広島在住の方でも、御存知ない方はいっぱいいらっしゃるだろうし、試合を見たことがないという方もたくさんいらっしゃるんじゃないかなと思います。広ガスのバドミントンやイズミメイプルレッズ、ワクナガレオリックなども、どのくらいの方が御存知かというのが、正直、現状だと思うんです。

ちょっと余談ですけれども、今日サッカーワールドカップの話が出ましたが、日本代表が戦っている、だから、我々日本国民として応援するというように、地域の方にとって、応援できるチームが地元にあるということのすばらしさや、非常に恵まれた環境にあるということ、また、あるのが当たり前からスタートじゃなくて、今回のワールドカップを通して、実はちょっと視点を変えれば、そういうふうにも考えが及ぶのかなというのも思います。

次の16スライド目ですけれども、スポーツによる地域の活性化が実現するための方策として、チームの拠点あるいはメイン会場がある、それを管轄する区、行政のほうが、これまで以上にチームを支援、応援する仕組みというのを是非御検討いただきたいと思います。

具体的には役所内でのPRだけじゃなくて、変な話、カープが優勝しそうになったら、いろんなところでカープのユニフォームを着て応援してますよね。そういうようなことを、行政区単位でもしていただきたいと思います。なぜかというと、野球、サッカー、バスケット、この3競技以外は、実は県内でのホームゲームが本当に少ないんです。JTサンダーズでも、グリーンアリーナで今年2回、あと呉、東広島、福山の5回しかないんですね。それ以外のチームはもっと少なかったりします。そうすると、どのチームが、いつ試合があるかって、本当にコアなファンじゃないと探しにいけないんです。だからこそ認知度も上がらないし、見に行ってみようかという気にもならない。なので、そういう地元のすぐ近くのところで、例えばホッケーでいうと安佐南区の広域公園に施設がございます。そこで試合がある1週間前から、「ホッケーの試合があります」ということを、行政の人がTシャツを着てPRするとかですね、そのような形でチームを盛り上げていただき、そうすることによって、やっぱり地元の方々にとっては、地元のチームっていう意識も芽生えてくるのだと思います。また、試合を生で見ると、テレビとかユーチューブで見るのと全く違って、ものすごい迫力があって、正直言ってすごく楽しいです。なので、そういうのを1回でも接することによって、もっともっと地域の話題っていうのが、いろんな競技で地域に根付いていくのではないかなと思います。チーム側も地元のイベントであるとか交流であるとか、そういうところに積極的に参加することによって、チームにとっても地元の方々にとっても魅力ある、そういう地域づくりが、できてくるのではないかなと思います。

御年配の方も含めて元気になるということは、とても大事だと思います。17スライド目に鹿島アントラーズの例が書いてありますけれども、僕が言いたいのはその下のマツダスタジアムの例なんです。松田オーナーから直接伺いましたが、とにかくカープがマツダスタジアムを作るのを考えたのは、3世代が楽しめるボールパーク、お金を持っているおじいちゃんが自分の子どもと孫を連れて見に行ったときに、小さい子どもでも、飽きずに楽しめます。だから、コンコースにヨーヨー釣りがあったりとか、そういういろんな世代ごとに楽しみ方がいろいろある工夫をしているからこそ、マツダスタジアムにあれだけ人が集まってくるんです。そういう、世代を超えて楽しめるものは、ハコも大事かもしれませんが、やっぱりスポーツが持つ大きな力の一つではないのかなと考えています。

最後の18スライド目に、例えばということで書かせていただいておりますけれども、カープとかサンフレとかっていうと優勝が決まりそうなとき、あるいは開幕のときに市役所や区役所で盛り上げていますよね。たくさん試合があるチームはそういうタイミングを見計らって盛り上げてもらえばいいんですが、それ以外のチームっていうのは、先ほど申し上げたように、ホームゲームのある日が貴重ですから、広島市にある8つの区で、こういう試合もあるよっていうのを多くの方に知っていただけるように、盛り上げていただくことをお願いしたいなと思います。

実はトップスのホームページでも加盟チームの向こう4週間の試合は、アウェー、ホームに関わらず全部見られるんです。ホームゲームでは星印を付けて、向こう4週間どこで試合があるか分かるようにしているんですけども、なかなか年間2、3回しかホームゲームがないと、探しに行くのも大変です。そういうところを是非補っていただければ、チームにとっても持続可能性という観点から、大変力になります。チームにとっての一番の喜びは、勝利も当然ですけれど、やっぱり応援なんですよ。たくさんの方の声援、これが一番選手もチームスタッフも、抱えている企業も、あるいは、スポンサーも、一番喜んでいただけることだと思いますので、是非ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

 

藤口氏

貴重な御意見をありがとうございました。多くの方の声援が大きいというのはまさにそうなんです。そういう環境をつくるためにどうするかという話があったと思いますが、それを一つ一つクリアしていくことが大事だと思いました。

今までの議論から他の参加者の方に何か御意見や御質問はございますか。

 

末益氏

松田さんに、僕なりの提案ではないのですが、私は株式会社フレンドリースポーツというところで働いていまして、アマチュアスポーツのメディア情報の会社をさせていただいております。その中で、まずは、地域の子どもたちっていうところも基盤ですけれども、現状として、広島県の小学校年代のチーム、10年前は180チームほどありましたが、10年後の今、110チームに減少し、少子化とともに減っているのが現状です。私も、会社としても課題と認識していますけれども、スポーツをする子どもが減っていて、そうすると必然的に、将来トップス広島のチームの選手になろうという子どもたちも減っている、というのが現状です。そのため、小学校訪問もありましたけれども、例えば地元のチームにトップス広島の選手たちが実際に行って技術的な指導を行うことで、子どもたちをもっともっとこの競技を頑張ろうという気にさせる活動もいいのかなと思いました。

以上です。

 

松田氏

貴重な御意見ありがとうございます。

ジュニアの育成は、すごく大きな課題だと思います。サッカー、バスケットボールにはスクールコーチという者がいて、そこに行ってお金を払えば教えてもらえます。バレーで言うと、JTサンダーズのOBが毎週土曜日に猫田記念体育館で中学生を指導しています。これは年会費が非常に安くボランティアのようなものです。一方で地域の小学校に出向いて行って指導することができるかというと、トップアスリートは年中練習していて、ちょっと出向いても、ちょっと教えるということしかできないし、それは無責任な教え方になってしまいます。来てくれて良かった、で終わってしまうので、そういったものは何かの形で変えていかなければいけないと思います。もっと言えば、各競技の指導者の育成については、県のスポーツ協会も含めて各トップチームのトレーナー、コーチのような方が育成することが必要だと思いますが、現実問題として、休みのない選手たちが、ちょこっと行くっていうのは正直難しいかなと思います。

よく、引退した選手に指導して欲しいと言われるのですが、引退した選手は生活するために平日働き、休日は家庭もある、といったときに、引退した選手こそ、全てを指導に回すというのは現実的ではありません。現実を考えると、ある程度ゆとりのある方の指導レベルをどう上げていくかが大事になってくると思っています。

 

藤口氏

非常に大事なところですけれども、子どもというのは、やって楽しいと、気がついたらそれが好きになって熱心に取り組むんです。私自身の経験もそうですが、あまり小さい頃からあれをやれ、これをやれと言っても、決していい結果は出ないので、そのあたりの環境整備が大事だと思います。ありがとうございました。

他の方はございますか。

 

佐藤氏

西川さんに提案です。先ほどリバードゥ(RiverDo!)の「ドゥ(Do)」の「する」という意味しか理解していませんでしたが、「道(どう)」という意味もある中で、本当に広島の川という資源というところを考えて、川って場所によって遊び方は様々で、僕らは川の上流域だからこそシャワークライミングができて、中流域に行けばカヤックができて、下流域に行けばサップができます。川って縦軸でいろんなスポーツが紐づく、そういう見せ方ができて、かつそこに学びが結びつく、というようなことを一緒に表現できると、もっとまちと田舎をつなげるということを含めて、面白い見せ方ができるのかなと思っていて、そんなことを一緒にやりたいなと思いました。

 

西川氏

僕もそこはすごく感じていて、僕は子どもたちにサップのスクールをしていますが、例えばサッカーとかバスケットとか、技術的なことだけではなくて、自然の中でスポーツをさせる、遊ばせるっていうこと、これはすごく大事なことなんです。僕は広島県の中の島育ちで、小さいときによく海で遊んでいましたが、その経験が、地元に対しての愛情愛着につながっていくことをすごく感じました。ただ技術的なものであるだけじゃなくて、いかにそれが地元愛につながっていくかということを実感させてくれるところが、スポーツの魅力だと思います。そうやって、自然に触れ合えるところでスポーツをさせるというのはすごく大切なことで、似島だって川から流れた水が海に流れて全部つながっていくわけですから、そういったところで連携して、スポーツをして地元愛、広島愛を育てていくことは、すごく大事なことだと思います。

 

藤口氏

はい、ありがとうございました。

そろそろ市長に全体を総括していただきます。

 

市長

非常にわくわくする話をたくさん聞かせていただき、ありがとうございました。アイデア満載で頭がいっぱいになっていますけれども、それぞれとてもいいお話で、私がやりたい、やれればなって思っている、広島市長としてやりたいこととの結節点というか、コラボできるのではないかなという視点でずっと聞かせていただいていて、何となく上手くいくのではないかという気持ちがだんだん強くなっていっています。

私自身、抽象的に言うとまちづくりをするのが仕事であります。まちづくりというのは、一定の領域の中でそこに暮らす方々が、楽しくと言いますか、豊かな気持ちで子育てもできる、そしてこの地で一生を過ごしてもいいじゃないかと思っていただけるような状況設定にすることです。そのためには、まず仕事があって、お金を稼いで、飯が食える、という基本構造があった中で、そのベースを作りながら、その方々が、まちづくりにいろんな形で参加できる、その方法とか仕方を提供していく、そしてそこで、人々が長く生き続ける、そしてそこでの生活が、一定の地域ごとの特性を踏まえて、根付いていくし、長く続く、こういうイメージなのですね。そうした中で、スポーツっていうのはある意味で触媒になって、労働力を提供してお金を稼いで、そのお金の使い道なんかも考えながら、自分が趣味の世界で生きるときにこういうスポーツもいいねというパターンもあるし、プロの方のようにスポーツを商売にしてお金を稼ぐというように、いろいろなパターンがありますけれども、いずれにしてもスポーツ単独じゃなくて、必ず何か生活と関わって、あるいは地域の関係者と関わってスポーツっていうのは存在するのですね。見ていただく方、チームメイト、そしてそれを支援するいろんなお手伝いをしていただく方々、単独ではできない、コンビネーションがいるということで、まさにまちづくりをする上でいろんな役割を持った方々が、一緒になって初めてできるし、スポーツもいろんな方々のお力を得て初めてできるということを改めて確認できました。そしてそのときに、いろんなものを活用しないとスポーツは成り立たないということを確認しました。

その中で、御四方のアイデア、お話を聞くと、まず最初のリバードゥ(RiverDo!)に関しては、今言われたように「水の都ひろしま」ということを皆さんに知っていただくといった狙いをしっかりと定めて、今後とも、今活動されているイベントの運営を強化していくという発想で取り組むことがとても重要ですし、その際に、参加者について、例えば湯来・湯の山では、上流のせせらぎといいますか、そういったところでの、シャワークライミングなどいろいろな活動があるということですから、サップで広島の「水の都」を楽しむという方が来たときに、できればコラボして、湯来・湯の山に行って、湯治場で一泊くらいは休んでいただく、というようなコースを作ってですね、そこに参加する方々を運ぶための足をどう確保するかを考えていただく。少し大きめの事業展開を考えていただいて、長期滞在をしながら、参加者に複数の楽しみを与えていく。そうすると、その財源をどうするか、ということに行きつきますけれども、そちらの方は当然企画をしていく上で、企業協賛なんていう今までのやり方をベースとしてやっていただきながら、私自身は、今申し上げたお迎えをするときに、例えば湯来・湯の山の方で地元の方と組んで、地元の方もそういった人々を招くためのいろんな対応をしたいけれども、どうやら原資が足りないといった状況になると、町内会・自治会の活動に行政が支援して、こちらの方でいくらか財源投入して、この負担を軽減するといったような展開をすれば随分違うのではないかなと思います。あるいはその、今言った川で楽しまれた方には、塩水も少し味わっていただくために、似島に招いてゆったりしてもらう。似島で釣りして帰ってもらっていいわけです。そういうことをして、移動させると。そうすると、移動のための費用も要りますが、似島の方で町を挙げて来ていただくという企画をして、そしてそれに必要な一定の支援とかをやってくれ、といって行政に頼む。それが、やる地域の活性化のための必要な対応であれば、もちろん行政が考えてもいいようなものだからという内容にしていただいて、行政からの支援を引き出すといったことをしていただく。そういったことをすれば、先ほど申し上げた、まちづくりをやるべき行政として当然お金を使うということは認められるのではないかと思います。そういった発想が今ないのですね。一つのイベントについて、補助金の規定があるからそれを使って、必要な金をいくらかくださいといって補助金の申請用紙を書いて、もらえるかどうか、といったやり方を今まではしてきましたけれども、根源的にそのやり方を変えていこうと思っています。事業全体を行政と一緒になって考えて、この部分は行政が持ってもいいのではないかとか、これというものは地域というものを主体にして、地域を活性化させる取組なんですよと、それを、スポーツを利用してやっているんですよという形で、企画していけばどうかな、と思うわけであります。いずれもすべてそれに通ずると思いました。そして、そのいろんなスポーツを企画するという、会社としてやっておられるときに、指導方法とか、伝授方法などについて、それを教える側の方の費用負担も出てくるでしょうから、その際も、教えていただく子たちが、地域の子どもたちを自分たち地域として共有すると、そのために先生に来ていただくんだと、だから一定の費用は地域としてお礼をするんだと、いうような仕掛けにして、その部分はやはり行政として地域活動だから、出さないといかんじゃないかと要望していただく。そうすると、いくらかその方々の手当てが出ますから、地域サイドとして用意する負担がだいぶ軽減できます。最終的には、まちづくり・地域づくりをするということがミッションになっている行政に、お金の負担をどのようにうまくお願いするか、知恵を出してもらい、横ぐしを通すというか、単品ではなく、複数の事業体の利益になる、地域の方々はきっと喜ぶ、先ほど申し上げた、ここで暮らして良かったな、と思ってもらえて、喜んでいただける成果が必ず期待できる仕掛けなので、行政として、市民から取り上げた税金を、還元してもおかしくはないのではないかと、こういったことが言えるような企画にしていただくというのはどうかなと思いながら聞きました。

お聞きしたお話はいずれも今申し上げた仕掛けができる。うまく連携していただければ、確実にできるし、それぞれ個人としてではなく、地域の方が喜ぶもの、あるいはその方々がいくらかでも参画していただけるところまでもっていければ、今申し上げたような要請・要望を、町内会・自治会の方々が市に「私たちはこんなにやっているんだから、市は助けてくれよ」とお願いすると、こういう構造にすれば、随分最終的な財源負担は変わってくるかなと思います。展開が明るくなるというか、違った目で見られるのではないかなというふうに思いました。この、今申し上げた最初のまちづくりはですね、今まで諸活動を個別の事業ごとに2分の1補助、3分の1補助とか、そして補助だから3年間のうちにやらないと、3年経つとやらないよというように、単品でかつ有期限の補助としていたのを、もう少し視点を変えて、半永久的にでも出せる仕組みを考えていくということをやりたいなと思っています。確実にその地域にこういう対応が根付くというところまではやると、そんな組み換えができたらと思います。

最初に言われた川祭りについて、昭和27年から昭和51年までやりましたよというお話がありました。そのとき、日米講和条約を祝って、花火大会も同様に開催されました。花火大会を街中の太田川ですると、場所が狭く、火事の危険があるということで場所を港の方に移したという経緯がございます。そうして、今はコロナでできなくなっています。過去の経過、思いを引き継ぎながら、最新情勢を加味してどう続けていくか。これはやっぱり市民とか、その地域、その時代で、皆がまち全体でやろうという思いを結束してやれば、これまでも行政は必要な支援をしているのです。このいわゆるまちづくり、基礎自治体のお金を吸い込む原理というのをよくよく利用して、まちづくりをしていきたいと思います。

よろしくお願いします。以上です。

 

藤口氏

ありがとうございました。明るい社会がやってくるような気持ちになりました。すばらしいことだと思いました。

今サッカー日本代表がワールドカップで活躍しておりますけれども、半世紀前は世界と戦うなんてとんでもないという風潮で、別の世界でした。このままではいけないということで、当時は大衆スポーツがプロ野球しかないような時代で、野球中心だったのですが、子どもたちが目標を持つためにプロを作ろうということで1993年にJリーグが発足しました。そのときにも市長がお話していたことと同じで、ただやればいいということではなくて、地域と共にするということ、スタジアムを中心にしたホームタウン作り、地域に根差したスポーツクラブ作りというのがベースにありました。ただそれが今30年経って、各クラブを見ていると大丈夫なのかなと思います。カープはそれをずっとやってきた球団で、カープを見習わないといけないと思います。広島はそういう点で、良いモデルがある。市長のお話にもありましたが、それぞれの区・地域の方々の理解を得ながら、一緒になって取り組んでいくことが大事になります。そうでなければ、上からやれと押し付ける形になると、地域の方々も盛り上がらなくなります。今回の議論を踏まえて、皆様には一層の連携を図っていただき、地域に根差した取組を行ってほしいと思います。これからの広島市が楽しみになりました。

 

政策企画課長

ありがとうございました。本日いただきました多くの御意見、御提案につきましては今後の市の施策の参考にさせていただきたいと思います。また、この車座談義を期に皆様の取組がより活発に展開されていくことを期待しております。

それでは、これを持ちまして、「市政車座談義」を終了いたします。

本日は、誠にありがとうございました。

 

 

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