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2021年8月19日記者会見「令和3年8月11日からの大雨への対応状況について外3件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>

日時 令和3年(2021年)8月19日(木)午前10時15分~11時07分

場所 市役所本庁舎2階講堂

 

■市からの発表案件

・令和3年8月11日からの大雨への対応状況について

■市政記者クラブからの代表質問

・新型コロナウイルス感染症の感染状況について

・「黒い雨」集団訴訟について

・サッカースタジアム建設予定地の発掘調査で発見された被爆遺構について

 

■市からの発表案件■

【令和3年8月11日からの大雨への対応状況について】

市長

 令和3年8月11日からの大雨の対応状況につきまして説明いたします。

まず、この度の大雨によりまして被災された皆様方にお見舞い申し上げたいと思います。その上ですけれども、この度の大雨は、直前に台風第9号による降雨があったところに加えて、前線の停滞によりまして激しい雨が断続的に長期間にわたり続き、大雨特別警報も発令されました。降り始めた雨の量、最も多いところは、祇園の山本で700mm以上と、そしてこれは平成30年7月の西日本豪雨時の矢野東でありますけど、489mm、これを大きく上回っておりまして、また時間雨量を見てみますと70mmを超えるところもあるなど、長期にわたり多量かつ激烈な、まさに異常な大雨でありました。そういったこともあり、大雨特別警報というものも発令されたといったような状況だったと思っております。

この大雨による被害につきましては、全容そのものはまだ調査中という段階でありますけれども、人的被害といたしまして、車が川に流され乗っていた方が行方不明になった可能性があるということが1件他、物的な被害といたしまして、西区の田方や己斐上、安佐南区の山本では、土石流によります深刻な住宅被害が発生しています。土石流はこの他の地区でも発生しておりまして、道路や河川などの公共施設、あるいは民有地に土砂・瓦礫などが流れ込んでおります。日常生活に影響を及ぼす被害が発生している状況であります。また、河川の増水によりまして、道路、河川の護岸などに被害が生じておりまして、安佐北区の鈴張川では、越水によりまして、家屋に浸水被害も出ております。その他、道路の通行止めであるとか、公共交通機関の運休など多数生じました。市民生活に大きな影響があったところであります。

この度の大雨によりまして、本市が開設いたしました避難所には、これまで最大で2,156人の方が避難されております。19日、今日の6時時点におきましても、住宅被害を受けた方など、207世帯413人が避難しておられるという状況であります。

今後、早急に、損傷した道路や河川などのインフラの復旧に努め、市民生活の安定を図るとともに、被災地区の方々に寄り添って、しっかりと支援策を講じていきたいと考えています。特に元の家に住めなくなった方の不安が解消されますよう、また生活の再建に向けた支援といったものを迅速に行っていきたいと考えております。

本市では、今申し上げましたような考え方のもとで、各種の被災者支援策を講じることにしておりまして、取りまとめた「被災された皆様への支援制度について」の資料、本日お配りしておるところでありますけれども、その中でも早急な対応が欠かせないと判断いたしまして、民有地内の土砂・瓦礫等の撤去と、それから仮住宅の提供、この2点について少し説明を加えたいというふうに思います。

まず、民有地内の土砂・瓦礫等の撤去に関してであります。

この度の大雨によりまして被災された地区から、生活再建に向け道路の土砂・瓦礫等の撤去のみならず、民有地内に流れ込んだ土砂・瓦礫なども併せて撤去してもらいたいという要望が本市に寄せられております。こうした要望を踏まえまして、甚大な被害が発生した平成26年8月、そして平成30年7月の豪雨災害のときと同様に、今回の災害におきましても民有地に流れ込んだ土砂・瓦礫等について、本市において撤去をいたします。また、農地におきましても、隣接する住宅地などと一括して土砂・瓦礫等を撤去することが早期復旧の面から適切と判断できるような場合には、この撤去の対象といたします。なお、地元で協働して土砂・瓦礫などを撤去される場合、民有地で支障のない場所や前面道路に出しておいていただければ、本市で撤去することにいたします。本日より、下水道局内に設置いたしました専属の民有地土砂等撤去班の担当者が被災地区に出向きまして、被災された住民の皆様の御要望を伺いながら、現地調査を開始いたします。その後、民有地に通じる道路の土砂・瓦礫等を撤去した上で、住民の同意をいただいたところから、順次、撤去作業に着手していきたいと考えております。

次に、仮住宅の提供についてであります。

お手元の資料にありますとおり、この度の大雨により住宅が被災し居住が困難となった方に対し、仮住宅として市営住宅等を提供し、生活の支援を行います。具体的には、仮住宅として、市営住宅、県営住宅の空き住宅を速やかに提供し、6か月間無償でお住みいただけるようにいたします。また、個別事情により、市営住宅、県営住宅への入居が難しい場合には、民間賃貸住宅を借り上げ提供いたします。また、これと併せまして、入居後、直ちに生活できるように、寝具、日用品や家電製品、具体的には、布団や食器、タオル、カーテンといった日用品、照明器具や冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコンなどの家電製品を無償で提供いたします。

被災された方に安定した生活を取り戻していただくためには、生活の拠点が確保されていることが何よりも大切であります。大雨により住宅が被災してお困りの方に対しまして、本市として、生活用品を含めて、仮住宅を提供し、しっかりと支援していきたいと考えております。

説明は以上であります。

まだまだ、これから大変な中ではありますけれども、生活の再建や早期の復旧に向けて、被災者、被災地の事情に寄り添って全力で取り組んでいきたいと考えておるところであります。

以上です。

 

記者

 被災者支援策で、先ほど民有地の土砂撤去の話をされたんですけど、これまでの災害でもされてきていると思うんですが、これは、今日から受け付けが始まるという認識でよろしいんでしょうか。

 

市長

 受け付けは、どうぞ。

 

市職員

 はい。本日から受け付けを開始いたします。

 

記者

対策班の方で電話で受け付けてということになるんですか。

 

市職員

電話で受け付けをさせていただきます。

 

記者

 それと、先ほど、市長が、住宅の提供が大事だということで始められているんですけれども、これは、今現在で、どれぐらいを準備できているとか、そういう状況って今は入っていますかね、例えば、準備状況みたいな。戸数といいましょうか。

 

市長

戸数、全体の詳細数お願いします。

 

市職員

 はい。ただいま仮住宅として、市営住宅を65戸、県営住宅を33戸、合わせて98戸を仮住宅として提供できるよう準備しております。

 

記者

 ありがとうございます。

 

記者

 2点ありまして、1点が、今回の災害もたくさん被害が出ているんですが、改めて、激甚災害への指定などについて、国に今後、要望されたりとか、そのようなお考えはおありでしょうか。

 

市長

 激甚災害への要請はしていません。

激甚災害指定を要望いたしましても、過去の経験から、政令市(政令指定都市)なもんですから、指定したことに伴う効果というものはないということで、今回の規模、前回2回経験していますから、それから考えると、そこまでいっていないんじゃないかというふうに思います。

 

記者

 関連なんですが、明日で、2014年の土砂災害から、ちょうど7年の節目になってくるわけですけれども、改めて、これまでの復旧状況の振り返りと、今回、災害が起きている中ではありますけれども、何かこう、新たな課題ですとか、そういったところをお考えがあればお願いいたします。

 

市長

 過去2度の大きな災害がありましたけれども、そのときは、物的な被害はさることながら、人的な被害はたくさんありました。そして、その災害後に、災害対象地区について復旧・復興ということをやる中で、安全・安心な市内といいますか、環境をつくっていくということに努めてまいりまして、そういった成果、一定程度は、出てきているという受け止めでありますが、なお、先ほど申し上げましたように、1件、人的な被害が生じている可能性も残っております。そういういった意味では、関係住民の方々、特に避難を徹底していくということについてやってまいりましたけれども、相当程度、浸透してきているなというふうな受け止めはありますけれども、まだ完全徹底というところまでいっていない。引き続き、これをやりながら、そして、前2回を通じて、災害が発生した地域における安全確保のための、様々なハードについての措置を講じてきている中での一定の成果が上がっているわけですけれども、砂防堰堤などは、今回の結果を見まして、土砂が満杯の状況になっているというようなところも生じてきております。そういったものを早急に撤去して、また、安全確保の機能を回復するということを徹底してやっていこうというふうに、安全・安心な環境づくりをこれからも継続していくということと、お一人お一人が、危険な状況の中では、自ら身を守るために避難、早めの避難を徹底していくということをやり続けることが重要だなということが、改めて感じているところであります。

 

記者

 仮住宅についてなんですけれども、この受け付けというのは、罹災証明などもあってからと思うのですけれども、大体、急ぎでどれぐらいからをイメージしていらっしゃいますでしょうか。

 

市長

 数ですか。見込んでいるかっていうことですか。

 

記者

 受け付けが大体いつごろから始まるという見込みでしょうか。

 

市職員

受け付けは、もうすぐ開始いたします。今おっしゃられた罹災証明につきましては、今お持ちでなくても、被災住宅が所在する区役所で申請されて、後日提出いただくのでもかまいません。

以上です。

 

記者 

それは、今日から。

 

市長 

はい

 

記者 

ありがとうございます。

 

【新型コロナウイルス感染症の感染状況について】

記者

 まず、一つ目なんですけれども新型コロナウイルス感染症の感染状況についてです。

県の早期集中対策が実施されている中、デルタ株の影響からか新型コロナウイルス感染症の新規感染者が増加傾向にありますが、現状について市の見解をお聞かせください。

 

市長

 本市におけます新型コロナウイルスの感染者数、7月の中旬から増加傾向が続いております。本日公表します新規感染者数は過去最多の203人となりました。これまで、最多168名でありましたから、それを大幅に上回っているという状況にあります。これは、首都圏などの感染拡大地域への旅行に行かれた方や、お盆で感染拡大地域から帰省した方、あるいは、友人とバーベキュー等をした方、そういった方から、さらに家族や知人へ、そして、感染対策を取っている職場であるにもかかわらず同僚へと、そういった形で急速に感染が広がっていることが主な要因になっているというふうに受け止めております。

こうした中で、感染者の最近の傾向といたしまして、59歳以下の方の割合が非常に多くなっております。7月1日から8月17日までの新規感染者のうちの9割を占めると、こういった状況になっております。

市民の皆様には改めて、今やデルタ株、これは、1人の感染者から8人に感染が広がる可能性があるものであるということ。それほど感染力が増しておるということ。そして、誰もが感染し得ることでありまして、高齢者でなくともECMO(エクモ)などの人工呼吸器が必要となるような重い症状にもなってしまうというものであるということをまずしっかりと認識していただきたいというふうに思うわけであります。その上で、徹底した飛沫感染を防ぐための対応、すなわち、三密回避であるとか、適正なマスクの着用であるとか、十分な換気等と、そういったことと併せて、また一層こまめに手洗い、消毒を行っていただくという個別対応をより徹底していただきたいなというふうに思うわけであります。また、感染者の多い地域との往来は可能なかぎり控えていただくということは極めて重要になっている、そんな局面にあろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上です。

 

記者

 今の数の確認で、203人、過去最多、それで再陽性は何人ということと、そのうち、数がちょっと各社によって違ってくると思いますので、その確認と、今の市長の感想を、この最多になったというところの感想をちょっと言っていただければと思いますが。

 

市職員

 再陽性者の数と、あと年代等の内訳等につきましては、ちょっと、また夕方に改めて。

 

記者

 そうじゃなくて、各社最多なので、昼のニュースとかいろいろあるので、203って言った再陽性はいつも11時には出てくるので、おっしゃっていただけませんか。

 

市職員

 その情報については、至急確認して。

 

記者

 至急確認してください。

 

市長

 その点は至急提供いたします。受け止めは先ほど申し上げましたように、今までのウイルスに比べて感染力が強いし、かかった場合の重症化の割合も高いと、そういったものであるということについて、1回かかった方はもう本当に骨身に染みるほど認識されていると思いますが、まだそうでない方々における認識は徹底してないから分からないと思うのですね。国の対策、ロックアウトする必要があるのではないかというふうな形で、いわば個々人の行為を、制度といいますか、法律とか命令、そういった形で制する必要があるんじゃないかという議論もされるぐらい問題が重篤化しているということを、ぜひ個々人の行動態様に反映するということを徹底していただきたいんですね。国が強制しなければやらなくていいというふうな話ではなくてですね、自らの命を守るべき状況にあるんだと。そして、それを守るための行為を徹底していくことが他者への感染拡大も防ぐんだということを分かっていただければ、いろいろな議論が行われていることを他山の石とするという、ひとごととしてじゃなく、自分のこととして考えていただくということをもう少しやれば、事態は少し沈静化するんじゃないかと思うんですね。どうもその議論はひとごと、自分自身はいいんだけど人をどうコントロールするために対応しなきゃいけないんじゃないかという議論に走りがちなこの状況を、何とか自分自身の行為態様に引きつけて考えていくことをやっていかないと対処しきれない、そんな状況にあるんじゃないかと思っているところであります。

 

記者

 待ってください。途中でもいいんで、すぐに言ってもらえますか。再陽性の数は。

 

記者

 先ほど、今日過去最多ということでしたけれども、広島市としてこの感染拡大を防ぐのに向けて、何か新たに対策など考えていることがあれば教えていただきたいというのが、まず一点です。

 

市長

 対策そのものは、県から統一してということで県の方、国の方と調整しながらやっていただいていますので、出される対策、これを周到に皆さんが徹底してやっていただくということをお願いしたいし、市としてできることは公的な施設、多くの方が集まる可能性があります。そういうことで引き続き人流を減らせるような環境といいますかね、皆さんにそういう認識を深めていただくために、必要最小限、あるいは必要最大限構いませんけど、可能なことをやるということで、施設の閉館とかイベントの中止とかですね、ということをやっています。このやっていることのその気持ちというか狙い、これをぜひ理解していただきたいと思うんですね。それ抜きに行政が、あるいは国や県が何かやれば事態が収まるという状況じゃないということは、もう多くの国民、市民の方、分かっておられます。ですから対策対策ということで問題提起するんではなくて、対策の狙いを個々人が受け止めて自らの行為態様をどうすべきかということを徹底して考えていただくということを、ぜひお願いしたいというふうに思っております。

 

記者

 ありがとうございます。それとあと、感染を防ぐ中ではワクチン接種というのが重要だと思うんですけれども、今の市のワクチン接種の状況について、ちょっとお伺いしたいのですが、かなり今ワクチン接種も進んできている中で、国からのワクチン供給量も少なくなって、予約も取りにくい状況があるというふうにも聞いていますけれども、今のワクチン接種の現状と今後の見通しなどをお伺いできればと思います。

 

市長

 ワクチン接種の細かい接種状況は、担当の方から少し説明してもらえたらと思います。ワクチン接種の状況について詳細ありますか。

 

市職員

 ワクチン接種の接種状況につきましては、65歳以上の方への接種ですけれども、こちらは1回目が終了された方26万6,618人、接種率は84.1パーセント。2回目の接種が終了された65歳以上の方、こちらが25万2,534人、接種率は79.7パーセントとなっております。

 また12歳以上64歳以下の方の接種につきまして、1回目の接種終了者、10代では13.7パーセント。60歳以上64歳以下では52.2パーセントと年齢が高い方ほど接種率が高くなっておりますが、全体で見ますと1回目の接種が終了した方が20万624人、接種率が26.1パーセント。2回目の接種が終了した方が8万304人、接種率10.4パーセントとなっております。

以上でございます。

 

市長

 こういった状況を踏まえて、お分かりいただけると思いますけれども、間違いなく接種が行き届いている状況、それを踏まえると感染者数が少ないということでワクチン接種の効果はあるということは間違いありません。そこで、64歳以下の方々にワクチン接種をしっかりやっていただくということが重要な課題という受け止めでありまして、この今、発症している方々の9割以上が、やっぱり60歳以下ということであります。従って状況は今申し上げたとおりでありますので、この接種が急がれるということでありまして、市といたしましては、かかりつけ医、それから集団接種の会場をフル稼働できる体制で接種を急ぐ、全力をあげるという体制はとっております。そうした中で、実は問題は国からの供給されるワクチン量が以前に比べまして減っておりまして、皆さんからの予約の受け付けというものは、どちらかというと利用者から見て小刻みになっておりまして、予約枠を提示するとすぐ埋まってしまうということで、もっともっと枠を取ってほしいと、取った方がいいんじゃないかと、そういうような状況が見て取れております。従ってこれについては、供給の方についてしっかり国にお願いするということをやりながら今の体制をフル稼働していくというふうな構えでおりますけれども、現実問題、予約するとすぐ埋まって、早くやってくださいという方もおられるという状況もあるということを重々承知しておりまして、その点については必ずしも十分な対応が行き届いてないということについて申し訳なく思っております。御理解いただきたいと思います。なお、県の方で新たに市内にモデルナ製のワクチンを使用する大規模な接種会場を9月3日から10月19日まで設けまして、そこでは1万3,500人分の接種が行えるようなことを予定しておりますのでそういった接種場所も併せて御利用していただくということをお願いしたいと思っております。

以上です。

 

記者

 国からの供給がなかなか十分にないということでしたけれども、国に対しては何か要望というか思いというのはあったりしますか。

 

市長

 それは前からも言っておりますけれども、ワクチンの計画的な配付、そして詳細を知らせていただきながらしっかりとした量を届けていただきたいということを申し上げておりますが、国全体としての問題もあるようでありまして、政府の方でしっかり対応していただいているものというふうに受け止めております。

 

記者

 それとあとワクチンの完了の時期なんですけれども、完了時期は今の状況でいつ頃になるような、ワクチン接種の大体な完了時期というかですね。

 

市長

 完了というのはいつ完了というか分かりませんのでそれは堪忍いただけますか。

 

記者

分かりました。

 

市長

政府の方で言っている範囲で考えていただければ。我々はできるかぎりのことをやるということであります。

 

市職員

 先ほど、本市の公表いたします新型コロナウイルス感染者数の患者の203名のうち再陽性の方は1名でございます。こちらの方は1か月以上前に陽性となった方ということでございます。以上です。

 

【「黒い雨」集団訴訟について】

記者

 黒い雨集団訴訟についてです。

黒い雨被爆者健康手帳交付請求等訴訟について、国が上告断念を表明してから3週間ほどが過ぎました。(菅義偉)総理は原告と同じ事情の人の救済を早急に検討する旨の発言をされていますが、その後、国との協議の状況についてお聞かせください。

また、市としては原告と同じ事情の方の救済方法としてどのような方法、範囲を望んでおられるのかをお聞かせください。

 

市長

 まず国との協議の状況でありますけれども、厚生労働省の方から7月27日の火曜日に黒い雨体験者の救済に向けて具体的な制度設計をする前に、現在の広島県と広島市がどのような実務をしているかを確認したいという意向が示されました。そして7月30日金曜日に厚生労働省と県と市での実務担当者レベルのWEB会議を開催いたしまして現在の3号被爆の審査基準、そして事実認定の方法などを説明したというのが現状であります。そういった中で検討状況、どこまで進んでいるかということを正確には把握できていないというのが現状でありますが、この原告以外の方の救済ということに関しましては、すでに、やはりこの7月27日に菅(義偉)総理大臣の談話の中で発言されている、これを踏まえて検討が進んでいるものというふうに受け止めています。すなわち、少し正確に読み上げますと「原告の皆様と同じような事情にあった方々については、訴訟への参加・不参加にかかわらず、認定し救済できるようにする」、こういう答弁でありました。私自身はこの言葉を少し解析してみますと、「原告の皆様と同じような事情」ということで、「同じ事情」とは言っていないんですね、「同じような」ということですから。だから、何をもって同じとするかということについても判断基準というものをつくりあげないとこの指示が徹底できないということで、ここ一つ要件の重要なとこかなというふうに思っております。それから、「訴訟への参加・不参加にかかわらず、認定し救済できる」というふうに言っておりますので、認定行為も入れるんじゃないかということでありまして、何もせずに救済ということは言わない。そして、その救済といったときに今までですと3号被爆者(と認定されるためには)、いったん受診者証を渡しまして、そして病状が発生したときに手帳を交付するという、2段階救済でありました。これを1段階救済みたいにするのか、認定作業でどこまでやるのかと、そういった点がこの指示の問題点だと思っております。そういった意味で、今申し上げたようなところが、検討のポイントではないかと受け止めておりますけれども、基本的にこの検討にあたっての我が市のスタンスは、黒い雨を体験された方々の身になって、できる限り救済するという立場に立って、今申し上げた視点についての要件策定、方策策定を考えていただきたいというふうに思っておりまして、国・県・市に対してしっかり議論をしようじゃないかということを申し上げていきたいと思っております。

以上です。

 

記者

 3点ほどお伺いします。まだ協議始まったばかりで全容は分からないと思うのですけれども、広島市としてはいつぐらいの時期までに審査基準というのを作ってほしいというか、そういったことは要望されていきますか。

 

市長

 来年度には支給できるようにということも知事も言っておられますので。それに合わせて逆算して、それが可能になるタイムスケジュールを考えて、設定していただきたいというふうに思います。

 

記者

ありがとうございます。そして、まだ今後の協議というか、策定の方法についてもまだ協議はされていないとは思うのですけれども、厚生労働省側がたたき台を作るのか、それとも、地元自治体が作るのかっていうことも、まだ見えてはいないと思うのですけれども、広島市としては、どちらの方が望ましいと思われますか。国主導か、地元自治体主導か。

 

市長

 私自身、どちらが主導ということではなくてですね、実務として自然に担当者レベルで、今の制度運用についての細かな手続きは、ある意味で熟知しておりますし、もともと企画立案作業っていうのは国の方でやり、その業務を受託するという立場でおりますのでね、いろいろな提案ごとや、指示であれば国が言われ、そして実務する立場で、かつ、今申し上げたように、被爆者の立場、黒い雨を体験された方々の立場で、手続きはこうすべきではないかというやりとりをしながら規格ができれば、いいものができるのではないかなというふうに受け止めています。

 

記者

分かりました。その上で、広島市としては、先ほど市長も2段階と1段階というふうな、今、現状は2段階になっていると思うんですけれども、どちらを目指していきたいと思われますか。

 

市長

 私自身はここの要件の読み方で、同じような事情ということであれば、裁判では1段階で支給していますから、だから、同じような事情になる方の要件としまして、その方については、直ちに手帳を交付できるということができるようにしなければ、裁判と同じような状況になりません。それから、それに該当しない方がいても、やはり引き続き、黒い雨を体験したという方々についての救済をやるということになりましょうから、なるべく裁判と同じような結果が出るようにしてもらうと、その要件付けをしてもらいたいというふうに要求しようと思っております。

 

サッカースタジアム建設予定地の発掘調査で発見された被爆遺構について

記者

 次の質問に移ります。サッカースタジアム建設予定地の発掘調査で発見された被爆遺構についてです。

サッカースタジアム建設予定地の発掘調査で発見された被爆遺構について、一部の3か所を切り取って保存するという方針を示されました。その方針決定にあたり、専門家の意見をどう反映させたのか、お聞かせください。

また、遺構の詳細調査より、スタジアム建設のスケジュールを最優先にしているとの意見も聞かれます。文化財調査のためにやむなく公共事業が遅れることはあり得ることですが、特にスタジアム建設を急ぐ理由がもしあれば、お聞かせください。

 

市長

 これに関しましては、戦前の中国軍管区輜重兵補充隊の施設があった跡地の問題でありますけれども、ここを見てまいりますと、戦後の復興期におきまして、市営住宅の建設用地であるとか、ファミリープールを造るための用地、それを確保するために、実はもともとあった、施設のあった敷地の約2分の1がすでに破壊されているという現状にあります。そして、残されたところが今の中央公園になっておりまして、さらにその一部が、サッカースタジアムの建設予定地になっているという状況ということをまず、最初に御理解いただきたいと思うのですね。その上で、その建設予定地のうちの、サッカースタジアムのスタンドの基礎工事を行うことになる部分に関しましては、しっかりとした基礎工事というのですか、杭を打つとか、下にものを貫かなきゃいけません。そういった意味で、そこの部分は遺構の現状保存ということが難しくなるだろうということで、そこの部分を限定いたしまして、そこに限っては、やむをえず今回の発掘調査をして、記録保存をしようということで今、作業を進めているところであります。従いまして、それ以外の部分で、今の中央公園の芝生の広場に埋もれている部分、残っているこの施設の9割弱にあたるんですけれども、それは引き続き、発掘しないで今の土地の中に埋まったままにするということにしようとしているわけであります。そういう意味ではこの遺構は、引き続き地中保存されるという状況だということを理解した上で、この議論に臨んでいただきたいと思うんです。

このように今回の発掘調査は戦前のあの中国軍管区輜重兵補充隊の施設の現状保存が、どうしてもできないということになる部分に限定してそこを調べようということでありまして、この施設の全容を解明するための発掘調査を行っているというものではないということであります。その上で、当該出てくる部分に関しましては、記録保存をするということで臨んだんですけれども、それも我が市の文化財審議会の意見とかを踏まえてやったんですけれども、その他の方々で「もっと大事にできないか」というふうなことを多々言われましたので、そこの部分については、まず記録保存を行った上で、さらにこの施設としての特徴のある部分、3か所は切り取って遺構として残し、かつそれを皆さんにお示しするというふうな対応をしようじゃないかということで、今やってきております。そういう意味では、今までの判断をベースにしながら、専門家の方のいろいろある御意見も取り入れて、作業を進めているということであるということを御理解いただきたい。今回の発掘調査、あくまでサッカースタジアム建設しようという中で、その建設用地について、こういった遺跡があるということをもともと知っておりましたので、その部分は戦前の広島の姿の一端を伝承するということ、そういう視点に立って、いわば建設と伝承というものを両立させるために、どうしようかということで作業を進めてきているというふうに受け止めていただければと。引き続き、広島県・市、サッカーのみならず、歴史や魅力、平和の思いを海外に伝えていくための、国内外に伝えていくための発信力を持つものであるということを示せるような対応をしていきたいと思っておりまして、そういう意味で、今言った手当をしながら着実に事業をしていきたいと思っております。

従いまして、サッカースタジアムの建設、これについても改めて申し上げますけれども、これまでの経緯を踏まえながら、策定いたしました「サッカースタジアム建設の基本方針」すでに作っており、公表しております。その中でそれを踏まえて、早ければ令和6年、2024年にオープンできるように取り組むとしておりますので、スケジュールありきではないかというようなことを言われるその言葉であるとすれば、まさにそのスケジュールは念頭に置いて作業をしていることは間違いありません。そして、これを着実にしていかなければいけないと思っています。さりながら、先ほど申し上げたように現状保存ができなくなる一部がありますので、そこについては掘り起こして記録を残し、さらに必要な部分については切り取って、そのものを保存し、皆さんに提示するということをしておりました。そういう意味では発掘調査に関しましては、本市の文化財審議会委員の現地視察、あるいはそれに基づく指導・意見などを踏まえながら、マスコミ等を通じて、いただいている要請・意見などもさらに加味した上で、対応していけるというふうに受け止めておりますので、現時点における計画、スケジュール、これをしっかりやっていきたいと思います。そして、そういったスケジュール内で、記録保存に必要な調査時間は確保できるのではないかなというふうに考えております。

以上です。

 

記者

 市長の先ほどの御説明にありました文化財審議会なんですけれども、7人の委員に見ていただいたということを伺っていますが、遺構の切り取りだけでは不十分だというような反対に近い意見というのは出たのでしょうか。

 

市職員

 文化財審議会の委員の皆さんからは様々な御意見いただいていまして、部分的に個別の御意見、それから個別のアイデアというのもいただだいております。そうした中で、先ほど市長が申し上げたように、全体としては今の記録保存を引き続きやっていくということを確認させていただいた上で、一部切り取り保存を行う。それに当たってはどういったところがよいかということを、御意見をいただいたという経緯になっております。

 

記者

一応確認なんですけれども、埋蔵文化財の委員の先生から、切り取りだけではなく、スタジアムの地下に部分的に見られるスペースを作るとか、あるいはスタジアムの舗装に何らかの遺構があったことを示すようなことを検討すべきだという意見が出されたと聞いているんですけれど、それは切り取りだけでは不十分だということだったのか、そういう意見はありましたか。それはどういうふうに扱われるということでしょうか。

 

市職員

そうですね。個別に御意見はいただいていまして、その先生だけではなくて、いろいろな方の御意見いただいていますので、そこの反映できるところを、今後のスタジアムの設計の中でどこまで反映できるかというところもありますけれども、そこは工夫させていただける余地があるところについてはさせていただく方向で努力させていただきたいというふうに思っています。

 

記者

 他の先生は、特に意見がなかったというふうに聞いているんですけれども、それはそういうことなのでしょうか。他の先生方からは、例えば保存のあり方とか、移設の場所について特に意見はなかったっていうふうに聞いているんですけど、他の先生方はどんな意見だったんですか。

 

市職員

 そうですね、先ほど言われたように7人の方、実際に現場に来ていただいて、見ていただいています。基本的にはこちらの考え方について御説明した上で、さらに「こっちの方がいいんじゃないか」とか「こういうものを切り取った方がいいんじゃないか」というような御意見もいただいておりますので、そういったところを反映して今回の記者発表を昨日ですか、させていただいた形の内容で発表させていただいたという経緯になっています。

 

記者

 ありがとうございます。すいません最後に、市長の御説明、大変分かりやすくしていただいたんですけれど、現実としては、その文化財審議会の委員の直接関わる埋蔵文化財の委員の方から、遺構のそもそも評価が、国の史跡に値して被服支廠など他の戦争被爆遺構と一体的に世界遺産登録を目指すことを考えるべきだとおっしゃられたり、さっき、申し上げたような、切り取りだけではなくて、あくまでスタジアムを造ることを前提に、例えば舗装の面で、例えばそこにあった石畳をちょっと使うとかですね、切り取り以外の工夫でもっても遺構活用するようなアイデアも検討したらどうかっていうような意見があったりして、なかなか、まだ専門家の御意見と市の方針っていうのが完全には調和してないような現状があるように取材したら思うんですけど、その意味で今後なんですけど、さらに、引き続きですね、専門家の意見を聞いて検討していかれる方向性という、お考えあるかどうかというのをちょっとお聞かせください。

 

市長

 今おっしゃっている専門家というのは、日本考古学協会の先生を中心にしての専門家だというふうに受け止めておりまして、実際、行政にも要望もいただいております。それに対して、無視するんではなくて、いただいた意見を考慮しながら最初申し上げましたように、サッカースタジアムを建設するために、一定の部分を掘り起こして、それ以外は引き続き地中に眠らせているわけですから、部分を限定して、そしてそこについて発掘されたものをどうするかという議論をしているということを、まず理解していただくということをやり、それは分かっていただいた上での話というふうに受け止めているわけです。遺跡発掘のための調査を、あそこで全面展開して、全部残せという議論ではないということを、しっかり分かっていただいているものという前提でお答えしているということを、まず分かってください。

そこで、3点から要望がありましたけれども、要望に対しましては、まず文化財保護法上の保護を図るために、調査結果を記録保存するということにした。いろいろな御意見ありますけれども、そこについては、サッカースタジアムの基礎を造るために掘り込まなきゃいかんという意味では、そこの部分に関しては破壊せざるをえないから、まずそこがどうなっているかということを記録保存するということにいたしましたと。そしてその発掘調査の成果を公表するということを、記録に残していくということで対応いたしますということをベースにしております。それをそのまま残せということはできませんねということで、まず御理解いただきたいんですね。それを残すことになると基礎を打てませんから、サッカースタジアム中止しろという要望に変わるんですね。それはできません、申し訳ないけど。その上で、この遺構についての意見評価、いろいろ大切だといわれますので、記録保存では足りないといわれるんであれば、じゃあ、その遺構の中で特徴的な重要な部分、つまり、旧陸軍の運輸部隊において中心的役割を果たした軍馬が飼育されていたというところなんで、その軍馬飼育に関わる重要な今残されている施設部分はないかということで、3か所はそのまま切り取って保存しようという議論になったというふうに受け止めています。従いまして、大切なんで、その施設を何とか残してくれと、残すべきではないかっていう意見に関しては、そこには残せないけど、この部分をきれいに、ごっそり切り取って何とか保存しようということにいたしました。そしてそれをどこで展示するかについては、建物などの設計がまだできておりませんので、それを見て、その建物と新しいスタジアムとの関連性を考えながら、どういう展示をするかを考えるということを前提に、とりあえず、保管しておいて、今後どうしようかという議論にするということで一連の御要望についての御主旨で重要なところは受け止めて対応しているというふうに考えております。従いまして現在の工法、やり方、スケジュール、これをしっかりと踏まえながら御意見も十分考慮しながら引き続きやっていきたいというふうに考えておるということであります。

以上です。

 

記者

 ありがとうございます。念のため誤解があってはいけないので、考古学協会さんや委員の方はもちろん全面保存なら、それはそれでいいと思うんですけど、多分、そこまでじゃなくて、サッカースタジアムを造る上で、スタジアムの一部に遺構のものを使ったスペースを造るとか。というようなことも含めてだったと。あくまで全面以外も含めてという意見として受け取っていただけたらと。

 

※(  )は注釈を加えたものです。

 

 

 

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