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比治山公園「平和の丘」構想及び同基本計画に基づき、本市では比治山公園の再整備を行っています。
この基本計画の実現に当たっては、計画の対象区域が約29haと広大なことから相当の時間を要することが見込まれるため、三つの期間に分けて整備を進めていきます。
まず、第1期については、主に行政が主体となって、歴史的、文化的な価値のある既存の施設の魅力に磨きをかける整備を行いました。
次に、第2期においては、公園の新たな魅力を創出するための整備を進めるとともに、民間事業者や市民等の知識や経験、資金を活用しながら、今後の整備や管理を行うための検討を行っています。そして、第3期においては、放射線影響研究所移転後の敷地を活用した新たな施設の整備に取り組みます。
老朽化した礼拝堂を撤去し、屋根付きのゲート及びゲート前の花壇等の整備を平成31年1月に完了しました。また、関係団体から寄贈された菩提樹の移植を平成31年2月に完了しました。
陸軍墓地(左:改修前、右:改修後)
まんが図書館の書庫の増築と、イベントの開催や緑陰読書の促進を図るための図書館前広場を囲う屋根の整備や、御便殿広場へのウッドデッキやベンチの整備等を平成31年3月に完了しました。
まんが図書館(左:改修前、右:改修後)
現代美術による平和発信機能の強化を図るとともに、比治山公園の国内外からの集客の核となる施設として改修を行うため、平成29年度に基本計画を策定し、平成30年度に基本設計を、令和元年度に実施設計を行いました。令和2年度から改修工事を行っており、令和4年度末のリニューアルオープンを予定しています。
現代美術館入口右手の改修パース図
頼山陽の歴史や被爆の実相を伝える場としての活用方法を検討しています。
(現状)
公園内の樹林環境を改善するための整備を平成30年度から令和2年度まで3年間で行いました。平成30年度は富士見台展望台やムーアの広場、陸軍墓地からの眺望を確保するため、周辺の樹木の間伐やせん定を行い、令和元年度から令和2年度は、公園内の園路沿いや現代美術館周辺の園路沿いを中心に、明るい樹林環境へ転換させるための間伐やせん定を行いました。
ムーアの広場(左:伐採前、右:伐採後)
富士見台(左:伐採前、右:伐採後)
陸軍墓地(上:伐採前、下:伐採後)
民間事業者や市民等と連携した公園の整備や管理・運営の実現に向け、民間事業者のアイデアやノウハウをいかした整備や管理・運営を行うことを検討しています。
例えば、民間事業者を公募し、自らの収益施設の整備とともに周辺の広場等も合わせて整備し、その費用の一部を負担することを条件に、インセンティブとして収益施設の設置管理許可期間を最長20年まで延長することができるPark-PFI制度の活用を検討します。
また、現代美術館、まんが図書館等を除く比治山公園全域について、民間事業者のアイデアやノウハウをいかした管理・運営を行うことができるよう、指定管理者制度の導入を検討します。
平成30年度より、市民、市民活動団体、民間事業者等と連携し、イベント開催等のにぎわいづくりに取り組んでいます。
令和4年度の現代美術館のリニューアルオープン時期に合わせ、現代美術館へ続く公園の東西からの入口(エントランス)となる現在の第二駐車場及びスカイウォーク乗降口周辺の広場整備や園路改修を行うため、平成元年度に測量、基本設計を、令和2年度に実施設計を行いました。令和3年度~4年度に工事を行う予定です。広場の整備に当たっては、リニューアルする現代美術館との相乗効果が得られるように、調和のとれた空間づくりを目指します。
エントランス広場の整備イメージ
展望台の整備イメージ
公園内の案内サインについて、来園者に分かりやすく統一感のある案内サインとなるよう、令和4年度の現代美術館のリニューアルに合わせて改修を行うため、令和元年度から現況調査やデザインなどの検討を行っており、令和4年度より順次、改修を行う予定です。
これらの検討については、広島市立大学芸術学部に受託研究として実施してもらいました。
現況調査の様子(令和元年6月22日)