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被爆者に対し、どのような援護施策がとられてきたのですか。(Faqid-3954)

ページ番号:0000015514 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

被爆者援護法の成立まで

 終戦直後は、多くの被爆者が、原爆の後障害に苦しみながら、十分な公的援助を受けられず、経済的にも苦境にありました。
 昭和29年(1954年)のビキニ被災事件をきっかけとして、日本政府は昭和32年(1957年)に「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律」を制定し、被爆者は国の費用で医療が受けられるようになりました。また、被爆者の福祉を図るため、昭和43年(1968年)に「原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律」が制定され、被爆者への健康管理手当の支給等が開始されました。
 さらに、平成6年(1994年)12月、これらの法律を一本化した「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」(以下、「被爆者援護法」といいます。)が制定され、被爆50周年にあたる平成7年(1995年)7月から施行されました。この法律には、原爆の惨禍が繰り返されることがないよう恒久平和を念願することや、被爆者に対する保健、医療、福祉にわたる総合的な援護を国の責任において行うことが前文に謳われており、給付内容についても以前の原爆二法より充実しました。

在外被爆者への支援

 さまざまな事情から自国に戻った被爆者や海外に渡った被爆者は、日本に滞在している期間を除いては長い間被爆者援護法の対象となっていませんでした。昭和42年(1967年)の韓国原爆被害者援護協会の発足をはじめ、在外被爆者への援護を求める運動が大きくなり、司法に訴える動きも相次ぎました。平成13年(2001年)6月1日の大阪地方裁判所判決を契機に、国は「在外被爆者に関する検討会」を設け、その報告を受け、平成14年(2002年)7月から被爆者健康手帳等の交付申請や治療のための渡日に必要な旅費等を支給するなどの支援事業を実施しました。
 また、出国と同時に打ち切られていた健康管理手当等の諸手当については、平成14年(2002年)12月5日、大阪高等裁判所において、「日本から出国した在外被爆者に引き続き手当の受給資格がある。」との判決が下され、平成15年(2003年)3月1日から、日本で被爆者健康手帳を取得し、手当の支給認定を受けた在外被爆者には、出国した後も被爆者援護法に基づく諸手当が支給されることになりました。平成16年(2004年)10月分からは、在外被爆者が居住国の医療機関において支払った医療費の一部が助成されることになりました。さらに、居住国の日本大使館等を通じて、平成17年(2005年)11月30日から手当等の申請手続が、平成20年(2008年)12月15日から被爆者健康手帳の申請手続が、平成22年(2010年)4月1日から原爆症認定申請手続と健康診断受診者証の申請手続ができるようになりました。
 平成27年(2015年)9月8日、最高裁判所において、「被爆者援護法第18条第1項の規定は、在外被爆者が日本国外で医療を受けた場合にも適用されるものと解するのが相当である。」との判決が下され、平成28年(2016年)1月1日から日本国外に居住する被爆者についても、居住国で負担した医療費を被爆者援護法に基づき支給できるようになりました。

黒い雨に関する調査研究と地域拡大への取組

 広島市の北西部の放射能を含んだ黒い雨が降った地域、いわゆる「黒い雨降雨地域」については、昭和51年(1976年)9月、その地域の一部が「健康診断特例地域」として指定されましたが、未だ指定されていない地域が残されています。
 こうした中、広島市は、平成20年度(2008年度)に原爆体験者等健康意識調査を実施し、平成22年(2010年)5月に調査結果をとりまとめ、それをもとに、広島県及び関係市町と共同して、同年7月に「黒い雨降雨地域」全域を第一種健康診断特例区域に指定するよう国に要望しました。これを受け、国は、要望を受けた地域における原爆の放射線による健康影響について科学的な検証を行うため、平成22年12月に「『原爆体験者等健康意識調査報告書』等に関する検討会」を設置しました。同検討会における議論の結果、平成24年7月に、「『原爆体験者等健康意識調査報告書』等の報告は、要望地域における広島原爆由来放射線による健康影響としての合理的な根拠とはならない」とする報告書が取りまとめられました。
 一方、同報告の付記において、黒い雨を体験したと訴える者に対し、不安軽減のための相談などの取組が有用である可能性があるとされたことを踏まえ、国は、こうした住民を対象とした相談・支援事業を平成25年10月から開始しました。

関連情報

被爆者援護

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