広島市人権教育・啓発推進指針 第2章 啓発
第2部 人権教育・啓発の具体的な取組
第2章 啓発
誰もが本来、「自分を大切に思う心」、他者に対する「優しさ」や「思いやり」、あるいは「社会に貢献したいと思う気持ち」などを持っています。啓発とは、これらの感性に訴えかけ、人権についての知識をひらきおこして理解を深めることです。
本市では、地域の実態を踏まえながら、人権尊重の理念の普及・高揚を図るため、情報提供・広報活動・研修などの啓発事業を実施します。
なお、啓発に当たっては、市民一人ひとりに、人権の意義やその重要性が理解され、他人の人権を大切にすることや、権利行使に当たって自分の行動に責任を持つことなどの意識が、日常的な態度や行動に現れるよう効果的に行います。
1 現状
人権に関する啓発活動は、国の人権擁護機関(人権擁護委員を含む)をはじめ、地域に密着した行政を担う県や市、人権の専門分野において大きな役割を果たしている民間団体やマスコミなど、様々な実施主体が行っています。
しかし、これまでの啓発活動は、方法や内容にマンネリ化傾向があり、様々な実施主体がバラバラに実施して相互の間で連携が不足したり、活動の周知が十分でないなどが問題点として指摘されています。
こうしたことを背景にして、人権に対する市民の関心が高くなっているにもかかわらず、日常の態度や行動の中に人権尊重の理念が十分に定着したとは言えない状況があります。
2 施策展開の基本的な考え方
本市は、すべての部局で情報の共有に努めるとともに、国・県や近隣市町村及び関係公益法人と連携・協力して啓発を進めます。また多様な主体とのパートナーシップを構築し、協働して啓発を進めます。
啓発の手法については、法の下の平等、個人の尊重といった普遍的な視点からのアプローチと、「人権教育のための国連10年に関する国内行動計画」で重要課題とされている女性、子ども、高齢者などの人権上の課題を視野に入れた個別的な視点からアプローチする手法とを組み合わせて効果的な啓発を行います。その際、これまで取り組んできた啓発活動の成果と手法への評価を踏まえます。
さらに、市民の感性に訴えかける手法等を研究・開発します。
また、対象となる人々に合わせた啓発や、マスメディアなど多様な媒体を活用した啓発を行っていきます。
人権啓発は、市民一人ひとりの心のあり方にかかわるため、施策の展開に当たっては、思想及び良心の自由を尊重しながら押しつけにならないように留意して啓発活動を展開します。
3 施策の体系
市民・企業などへの啓発
(1)市民への啓発
- ア 啓発行事の実施
- 総合的な人権啓発事業
人権週間行事等で総合的な啓発事業を実施します。
その際、国・県・近隣市町村とのネットワークやNPO等各種団体との連携を推進します。 - 各分野における啓発事業
各分野の週間行事等や「ふれ愛プラザ」等を活用した専門的・個別的分野からの啓発事業を実施します。 - その他の啓発活動
街頭啓発事業やマスコミを活用した事業等を実施します。
- 総合的な人権啓発事業
- イ 啓発資料の作成
- 啓発資料作成検討委員会
啓発効果を高めるため、関係各局担当者による検討委員会において、啓発資料の研究を行います。 - 総合的な人権啓発資料の作成等
「世界人権宣言」「国際人権規約」等国際的文書を規範として、総合的な人権に関する資料を作成し、市民・各種団体等に配布します。
- 啓発資料作成検討委員会
- ウ 各分野における啓発資料の作成
総合的な人権啓発と連携して、啓発効果を高めるため、女性、子ども、高齢者など分野別の啓発資料を作成し、必要に応じた配布をします。 - エ 講演会等の実施
市民の関心や理解に応じて人権講演会等の事業を実施します。 - オ その他の啓発事業の実施
バリアフリー促進の協議など法令等に応じた啓発事業を行います。
(2)企業等への啓発
- ア 企業団体への啓発
人権尊重の理念に沿った事業活動を展開するよう企業団体に対して啓発を行います。 - イ 企業向け啓発冊子の発行
企業等で行う啓発活動を支援するため、啓発資料を発行します。 - ウ 就職・就労問題への取組
公正な採用選考、女性の雇用促進等の啓発を行います。 - エ 個人情報保護の啓発
広島市個人情報保護条例に基づく事業者等への啓発を行います。 - オ 男女共同参画推進の啓発
広島市男女共同参画推進条例に基づく事業者等への啓発を行います。
(3)啓発体制の充実
- ア 人権啓発ホームページの開設
啓発の普及のためホームページを開設します。 - イ 人権啓発拠点の整備の検討
啓発の効果を高めるための情報提供・研究・交流のあり方を検討します。 - ウ 人権啓発指導員の派遣
人権啓発指導員を企業や各種団体等に派遣し、その研修を支援します。
啓発活動の支援
(1)人権啓発リーダーの養成
企業やNPO等各種団体で行う啓発活動を支援するため、人権啓発リーダーを養成します。
(2)人権啓発の手引書等の作成
- ア 人権啓発の手引書の作成
指導のためのマニュアル等を作成します。 - イ 人権啓発資料の作成
人権啓発研修の場で活用できる資料等を作成します。
(3)人権に関する団体活動の支援
広島人権擁護委員協議会等の活動を支援します。
啓発手法等の研究・開発
(1)啓発手法の研究・開発
- ア 広島県人権啓発活動ネットワーク協議会
広島法務局、広島県、広島県人権擁護委員連合会と連携して、啓発活動の新たな手法の研究・開発をします。 - イ 広島地域人権啓発活動ネットワーク協議会
広島市、近隣町村、広島人権擁護委員協議会と連携して、啓発活動の新たな手法の研究・開発をします。 - ウ 人権上の課題にかかわる組織等
次の各組織においても、人権啓発活動の手法等について研究します。- 広島市外国人市民施策懇談会
- 広島市男女共同参画審議会
- 広島市男女共同参画推進本部
- 広島県福祉のまちづくりに係る担当者会議
- 広島県福祉のまちづくり推進協議会
- 人がやさしいまち推進本部
(2)その他計画等
- ア 男女共同参画プラン
- イ 児童育成計画
- ウ 高齢社会対策長期指針
- エ 高齢者保健福祉計画
- オ 障害者基本計画
- カ 風景づくりマスタープラン「広島市の魅力ある風景づくりに関する基本的な方針」
- キ 21世紀教育改革推進総合プラン検討会議提言
- ク 新広島市青少年基本計画
(3)市民意識調査等の実施
人権教育・啓発に関する市民ニーズの把握に努めます。
このページに関するお問い合わせ
市民局人権啓発部 人権啓発課
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電話:082-504-2165 ファクス:082-504-2609
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