ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

貝毒

ページ番号:0000008076 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

1.麻痺性貝毒と下痢性貝毒

(1)特徴

アサリやムラサキイガイ(ムール貝、カラス貝)、カキ、ホタテガイ等の二枚貝が持つ自然毒で、春や秋に発生することがあります。

代表的なものに「麻痺性貝毒」「下痢性貝毒」があり、これらの貝毒は加熱しても容易には失活しません(なくなりません)

(2)なぜ貝が毒をもつのか

二枚貝は、海水中のプランクトンをえさにしていますが、このプランクトンの中に、麻痺や下痢を起こす原因となる毒を持つプランクトンがおり、2枚貝はそのプランクトンを食べ有毒化します。貝自身には毒を作り出す能力はありません

貝毒の原因となる有毒プランクトンは、普段海底の泥の中に潜んでいますが、海水温の上昇や海水中の栄養分の増加等により大量に増殖することがあり、瀬戸内海では4~5月ごろにかけて発生することがあります。
貝毒は、餌となるプランクトン由来の毒素で、有毒プランクトンが発生しなくなれば、二枚貝の体内の毒は減少し、やがてなくなります

(3)症状

麻痺性貝毒:食後30分程度で口唇や舌、顔面のしびれ。その後指先や手足に広がり、運動失調(麻痺)を起こします。重症例では、呼吸麻痺で死亡することもあります。

下痢性貝毒:食後30分から数時間で水様下痢や嘔吐、吐き気、腹痛など消化器系症状。通常は3日以内に回復します。

(4)予防方法

県下全域で貝毒の定期的な検査を実施しています。この検査結果で、貝毒が基準値を超えた場合は、テレビや新聞、ホームページ等により、規制した海域等をお知らせしていますので、潮干狩りをされる際には、貝毒の発生情報を確認して下さい

販売されている貝類については、有毒化した貝のすべての出荷及び販売を禁止するなど、安全が確保されています。また規制海域外の貝類や、貝以外の魚や海草類は安全です。

(5)規制値(規制される毒の量)

貝毒はマウスユニット(MU)という単位で表され、食品衛生法において、
 麻痺性貝毒は可食部1g当たり 4MU、
 下痢性貝毒は可食部1g当たり 0.05MUを超える貝毒が検出されると販売できないことになっています。

注:1MU(マウスユニット)とは、体重20gのマウスを「麻痺性貝毒」では15分で、「下痢性貝毒」では24時間で死亡させる毒の量のことです。

2.テトラミン

(1)特徴

エゾボラモドキの写真北日本や山陰地方で捕獲される肉食性巻貝のうち、エゾバイ科のエゾボラモドキ(地方名・通称:ツブ貝)やヒメエゾボラ(地方名・通称:赤バイ、バイ貝)などの貝の唾液腺中に含まれる貝毒です。

上記の麻痺性貝毒や下痢性貝毒とは異なり、内因性(貝がもともと持っている)毒なので、種類や個体による毒量の差はありますが、季節による毒量の変動はありません

(2)症状

食後30分程度で、頭痛やめまい、船酔い感、足のふらつき、目のちらつき等の神経症状が出ます。通常2~3時間で回復します。

(3)予防方法

テトラミンは唾液腺に含まれているため、液腺を確実に取り除けば安全に食べることができます。エゾボラモドキなどは1個分の唾液腺でも食中毒を起こすのに十分な量のテトラミンを含んでいたり、テトラミンは加熱しても分解されない(なくならない)ことから、唾液腺の除去が重要な予防方法です。

北海道や東北地方などの産地では、この貝毒のことはよく知られているようですが、他の地域ではあまり知られておらず、広島県を含む中国地方でも時折食中毒が発生しています。

(4)唾液腺の場所

下の写真で示したのが唾液腺です(両側に一対の唾液腺があります)。調理の際、確実に除去してください。
唾液腺の写真
(写真提供:新潟市保健所食品衛生課)

このページに関するお問い合わせ先

健康福祉局 保健部 食品保健課
電話:082-241-7434、082-241-7437/Fax:082-241-2567